(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086334
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】ケーブル案内構造及び駆動装置
(51)【国際特許分類】
E05F 17/00 20060101AFI20230615BHJP
E06B 3/48 20060101ALI20230615BHJP
E05F 15/605 20150101ALI20230615BHJP
E05F 15/627 20150101ALI20230615BHJP
B60J 5/10 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
E05F17/00 B
E06B3/48
E05F15/605
E05F15/627
B60J5/10 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200775
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】390000996
【氏名又は名称】株式会社ハイレックスコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110002952
【氏名又は名称】弁理士法人鷲田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高岡 宏幸
(72)【発明者】
【氏名】倉岡 孝次
【テーマコード(参考)】
2E015
2E052
【Fターム(参考)】
2E015AA03
2E015BA00
2E015CA12
2E015CB00
2E015EA06
2E015FA01
2E052AA09
2E052CA06
2E052DA03
2E052DB03
2E052EA07
2E052EA09
2E052EC05
2E052GC02
2E052GC06
2E052KA16
(57)【要約】
【課題】本発明によれば、外力が作用した下側ドアの動きを抑制できるケーブル案内構造を提供する。
【解決手段】ケーブル案内構造は、上側ドアと下側ドアとを連結する軸部と、前記軸部を支持する軸支部と、前記軸支部を前記上側ドアに固定するブラケットと、前記軸部の延伸方向に前記ブラケットから一定距離離れた位置に配置され、外側面に前記下側ドアの動きを抑制するケーブルを案内する案内溝を有するケーブルガイドと、前記軸支部と前記ケーブルガイドとを連結する連結部と、を備える。
【選択図】
図14A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上側ドアと下側ドアとを連結する軸部と、
前記軸部を支持する軸支部と、
前記軸支部を前記上側ドアに固定するブラケットと、
前記軸部の延伸方向に前記ブラケットから一定距離離れた位置に配置され、外側面に前記下側ドアの動きを抑制するケーブルを案内する案内溝を有するケーブルガイドと、
前記軸支部と前記ケーブルガイドとを連結する連結部と、
を備えるケーブル案内構造。
【請求項2】
前記案内溝の形状は、中心角が90度以上360度以下の弧形状である、請求項1に記載のケーブル案内構造。
【請求項3】
前記ケーブルガイドは、前記軸部を支持する、請求項1又は2に記載のケーブル案内構造。
【請求項4】
前記連結部は、前記ケーブルガイドと前記軸支部のそれぞれの対向面に設けられている、請求項1から3の何れか一項に記載のケーブル案内構造。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載のケーブル案内構造と、前記ケーブルと、前記下側ドアを駆動する駆動部とを備える駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル案内構造及び駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、上側ドアと下側ドアとの連結箇所が車体外側に突き出るように折れ曲がる中折れ式のバックドアのロック装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示されているロック装置は、上側ドアと下側ドアとの間に配置され、上側ドア及び下側ドアを一体的に保持するセンターロックと、バックドアに設けられているドアハンドルが操作されたときに、その操作力をセンターロックに伝達するケーブルとを備えている。特許文献1に開示されている装置では、全閉状態のバックドアを開放するためにドアハンドルが操作された際、ドアハンドルの操作力がケーブルを介してセンターロックに伝達される。これにより、センターロックによる上側ドア及び下側ドアのロックが解除されるため、車体後方のスペースが狭い場合でもバックドアを中折れ状態にしながら開放させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されている装置では、センターロックが解除された後に風などの外力が作用した下側ドアの動きをいかにして抑制するかについては課題が残されていた。また特許文献1に開示されているロック装置では、例えばバックドアの開動作中に下側ドアに強風などによる外力が作用すると、揺れた下側ドアが周辺の物体に干渉する虞があるという課題がある。
【0006】
本発明の目的は、外力が作用した下側ドアの動きを抑制できるケーブル案内構造及び駆動装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のケーブル案内構造は、上側ドアと下側ドアとを連結する軸部と、前記軸部を支持する軸支部と、前記軸支部を前記上側ドアに固定するブラケットと、前記軸部の延伸方向に前記ブラケットから一定距離離れた位置に配置され、外側面に前記下側ドアの動きを抑制するケーブルを案内する案内溝を有するケーブルガイドと、前記軸支部と前記ケーブルガイドとを連結する連結部と、を備える。
【0008】
本発明の駆動装置は、上記のケーブル案内構造と、ケーブルと、下側ドアを駆動する駆動部とを備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、外力が作用した下側ドアの動きを抑制できるケーブル案内構造及び駆動装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の実施の形態に係る駆動装置が適用される車両100の後部の一例を示す外観図
【
図2A】本発明の実施の形態に係る駆動装置10が設けられているドア1の一例を示す拡大図
【
図2B】本発明の実施の形態に係る駆動装置10が設けられているドア1の一例を示す拡大図
【
図3】本発明の実施の形態に係る駆動装置10の構成例を示す図
【
図4】参考例に係る第2ケーブル案内構造2の拡大図
【
図14A】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14B】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14C】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14D】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14E】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14F】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図14G】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図
【
図15A】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Lの斜視図
【
図15B】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Lの斜視図
【
図15C】本発明に係る第2ケーブル案内構造2Lの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1は本発明の実施の形態に係る駆動装置が適用される車両100の後部の一例を示す外観図である。車両100は、車両100の後部に形成されている開口部100aを開状態、又は閉状態にするドア1を備えている。
【0013】
開状態は、開口部100aが開放された状態であり、開口部100aを介して、荷物などを車両100に出し入れできる状態である。閉状態は、開口部100aを閉塞した状態である。
【0014】
ドア1は、例えば上側ドア1aと下側ドア1bとを備えている中折れ式のテールゲートである。なおドア1は、車両100のテールゲートに限定されず、例えば跳ね上げ式乗降用ドアなどでもよい。
【0015】
上側ドア1aは、車両本体に、2つのヒンジ2A1、2A2を介して回転可能に取り付けられている。上側ドア1aには、2つのヒンジ2B1、2B2を介して、下側ドア1bが回転可能に連結されている。2つのヒンジ2B1、2B2は、上側ドア1aと下側ドア1bとを連結する連結部の一例である。以下では、2つのヒンジ2A1、2A2を区別しない場合、単に「ヒンジ2A」と称する。また、以下では、2つのヒンジ2B1、2B2を区別しない場合、単に「ヒンジ2B」と称する。
【0016】
次に
図2から
図5を参照して、本発明の実施の形態に係る駆動装置10の構成例を説明する。
図2A及び
図2Bは本発明の実施の形態に係る駆動装置10が設けられているドア1の一例を示す拡大図である。
図2Aにはドア1の斜視図、
図2Bにはドア1の側面図が示されている。
図3は本発明の実施の形態に係る駆動装置10の構成例を示す図、
図4は参考例に係る第2ケーブル案内構造2の拡大図、
図5は駆動部11の構成例を示す図である。
【0017】
図2Aに示すように、ドア1には、2種類のヒンジ2A、2Bと、駆動装置10とが設けられている。2種類のヒンジ2A、2Bは、ドア1の左右方向、すなわち車幅方向に離れて配置されている。
【0018】
なお、ヒンジ2A、及びヒンジ2Bの数は2つに限定されず、それぞれ1つ以上であればよい。例えば、ヒンジ2A、及びヒンジ2Bの数がそれぞれ1つの場合、ヒンジ2A、及びヒンジ2Bは、ドア1の左右方向の中央部に設けられており、駆動装置10は、下側ドア1bの左右方向の中央部又は下側ドア1bの左右方向の縁部付近に設けられている。
【0019】
[駆動装置10の構成]
図3に示すように、駆動装置10は、駆動部11、アウターケーシング12、第1ケーブル案内構造13、ケーブル14、ケーブルエンド15、アウターケーシング16、ケーブル17、及び第2ケーブル案内構造2を備えている。
【0020】
[駆動部11の構成]
駆動部11は、ケーブル14及びケーブル17のそれぞれの巻き取りと繰り出しを行うことによって、下側ドア1bを駆動する駆動力を発生する装置である。上側ドア1aは、PLG(Power Lift Gate)ユニットにより駆動される。
【0021】
駆動部11は、ヒンジ2Bから一定距離隔てた位置であって、下側ドア1bの下端部付近、かつ、下側ドア1bの左右方向の中央部付近に設けられている。
【0022】
なお、駆動部11が設けられている位置は、下側ドア1bの左右方向の中央部付近に限定されず、下側ドア1bの左右方向の縁部付近でもよい。ただし、下側ドア1bが、車両内側から車両外側に向かって凹む凹部が形成されているドアの場合、駆動部11を、下側ドア1bの凹部に形成されている空間に設けることが好ましい。
【0023】
このように構成することで、下側ドア1bの凹部を有効利用できるため、駆動部11によって荷室空間が狭くなることを防止できる。
【0024】
駆動部11は、モータと、モータの回転をドラムに伝達する歯車等の動力伝達部とを備えている。駆動部11の構成の詳細については後述する。
【0025】
[第1ケーブル案内構造13の構成]
第1ケーブル案内構造13は、ケーブル14を移動可能に支持しながらその案内方向を転換する部材である。
【0026】
図3に示すように、第1ケーブル案内構造13は、
図2Aに示されるケーブル14を搬送するガイド13aと、ガイド13aを
図2Aに示されるドア1に固定するブラケット13bと、
図2Aに示されるケーブル14をガイド13aの外部に引き出し、また、ケーブル14がガイド13a側に引き込まれた場合に、ケーブルエンド15に当たってケーブルエンド15の動きを止めるストッパー13cとを備えている。
【0027】
[ケーブル14の構成]
ケーブル14は、駆動部11で発生した駆動力に基づいて、上側ドア1aと下側ドア1bとを引き合わせる引張力を伝達するための部材である。ケーブル14は、上側ドア1aから下側ドア1bに渡って敷設されるケーブルのうちケーブルの第1の部分を含む。なお、ケーブルの第1の部分については後述する。
【0028】
ケーブル14は、例えば、金属素線、樹脂繊維素線などを撚り合わせた可撓性を有するケーブルである。
【0029】
ケーブル14の一端は、駆動部11が備えているドラムに接続されている。ケーブル14の他端は、駆動部11から第1ケーブル案内構造13に向かい、そこからケーブルエンド15にまで伸びている。
【0030】
ケーブル14の全体の内、駆動部11から第1ケーブル案内構造13までの部分は、ケーブル14を保護するためのアウターケーシング12に覆われている。
【0031】
[ケーブルエンド15]
ケーブルエンド15は、ケーブル14の端部を上側ドア1aに固定するための金属製の部材である。ケーブルエンド15は、例えば上側ドア1aの下端部付近に固定されている。
【0032】
[ケーブル17の構成]
ケーブル17は、ドア1が開動作中又は閉動作中における下側ドア1bの動きを抑制するためのケーブルである。ケーブル17は、上側ドア1aから下側ドア1bに渡って敷設されるケーブルのうちケーブルの第2の部分を含む。ケーブル17は、ケーブル14と同様に、例えば、金属素線、樹脂繊維素線などを撚り合わせた可撓性を有するケーブルである。なお、ケーブルの第2の部分については後述する。
【0033】
[第2ケーブル案内構造2の構成]
第2ケーブル案内構造2は、ケーブル17を移動可能に支持しながらその案内方向を転換する部材を簡易的に示したものである。
図4に示すように、第2ケーブル案内構造2は、ヒンジ2B、ケーブルガイド2b、固定部2c及び引出部2dを備えている。
【0034】
[ヒンジ2Bの構成]
ヒンジ2Bは、例えば、上側ドア1aに固定されている上側ドアヒンジ部21と、下側ドア1bに固定されている下側ドアヒンジ部22と、軸部23とを備えている。
【0035】
[上側ドアヒンジ部21の構成]
上側ドアヒンジ部21は、上側ドア1aにボルト、溶接などによって固定されている。上側ドアヒンジ部21に形成されている固定部2cには、ケーブルエンド17aが固定されている。ケーブルエンド17aが固定される箇所は、上側ドアヒンジ部21に形成されている固定部2c以外にも、例えば、上側ドアヒンジ部21の周囲でもよい。上側ドアヒンジ部21の周囲とは、例えば、上側ドアヒンジ部21の上端部から数mm離れた位置から、上側ドアヒンジ部21までの間の領域である。
【0036】
ケーブルエンド17aは、ケーブル17の端部を上側ドア1aに固定するための金属製の部材である。ケーブルエンド17aは、上側ドアヒンジ部21に固定されている。
【0037】
[下側ドアヒンジ部22の構成]
下側ドアヒンジ部22は、下側ドア1bにボルト、溶接などによって固定されている。下側ドアヒンジ部22には引出部2dが固定されている。
【0038】
[軸部23の構成]
軸部23は、上側ドアヒンジ部21に対して下側ドアヒンジ部22を回転可能に支持するとともに、ケーブルガイド2bを支持する金属製のシャフトである。
【0039】
[ケーブルガイド2bの構成]
ケーブルガイド2bは、引出部2dからケーブルエンド17aに至るケーブル17の移動方向を転換する方向転換部材である。
【0040】
ケーブルガイド2bの外周部には凹部が形成されており、この凹部にケーブル17が掛け渡されている。これにより、ケーブル17がケーブルガイド2bから脱落することを防ぎながら、ケーブルガイド2bの搬送が可能である。
【0041】
なお、ヒンジ2Bは、下側ドア1bを上側ドア1aに対して回転可能に支持できる構造のものであればよく、
図3及び
図4に示される構成例に限定されるものではない。
【0042】
[引出部2dの構成]
引出部2dは、アウターケーシング16の端部を、下側ドアヒンジ部22に固定するとともに、アウターケーシング16からケーブル17を引き出すための部材である。
【0043】
引出部2dは、筒状に形成されている金属製の部材である。引出部2dの周囲には、雌ネジ部が形成されている。下側ドアヒンジ部22に形成されている貫通孔へ雄ネジ部が挿入された後、雄ネジ部にナットを締め付けることにより、引出部2dが下側ドアヒンジ部22に固定される。
【0044】
図5に示すように、駆動部11は、モータ11b、歯車11d、ドラム11c、歯車11e、歯車11f、及びドラム11gを備えている。
【0045】
歯車11dは、モータ11bの回転力を、ドラム11c及びドラム11gに伝達するための環状のギアである。
【0046】
ドラム11cは、ケーブル14を巻き取り又は繰り出すための環状の部材である。ドラム11cは、歯車11dと同軸に設けられており、歯車11dとともに回転する。
【0047】
歯車11eは、歯車11dの回転数を減速するためのギアであり、歯車11dと同軸に設けられている。
【0048】
歯車11fは、円盤の一部をカットした扇形状のギアである。歯車11fは、歯車11eと噛み合うことにより、歯車11eの回転方向とは逆方向に回転する。
【0049】
ドラム11gは、
図3に示されるケーブル17を巻き取り又は繰り出すための環状の部材である。ドラム11gは、歯車11fと同軸に設けられており、歯車11fとともに回転する。
【0050】
このように構成されている駆動部11では、モータ11bの回転力は、不図示の遊星ギア、スクリューナットを介して、歯車11dに伝達される。
【0051】
歯車11dが回転することにより、ドラム11cが回転して、
図3に示されるケーブル14が巻き取られ、又はケーブル14が繰り出される。
【0052】
また、歯車11dが回転することにより、歯車11eが回転して、歯車11eと噛み合う歯車11fが、歯車11eの回転方向とは逆方向に回転する。
【0053】
そして、ケーブル14がドラム11cに巻き取られるとき、ケーブル17は、ドラム11gから繰り出される。また、ケーブル14がドラム11cから繰り出されるとき、ケーブル17は、ドラム11gに巻き取られる。
【0054】
なお、本実施の形態に係る駆動部11では、モータ11bから歯車11fまでの減速比が、モータ11bから歯車11dまでの減速比より大きいため、モータ11bの所定の回転数に対するドラム11gの回転量は、ドラム11cの回転量よりも小さくなる。
【0055】
従って、ドラム11gによるケーブル17の繰り出し量は、ドラム11cによるケーブル14の巻き取り量よりも少なくなる。また、ドラム11gによるケーブル17の巻き取り量は、ドラム11cによるケーブル14の繰り出し量よりも少なくなる。
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
以下では、まず
図6Aから
図9Bを参照して、ドア1を開くときの駆動装置10の動作を説明する。
【0060】
図6Aに示すようにドア1が全閉状態の場合、
図6Bに示すようにケーブルエンド15は、第1ケーブル案内構造13の近くに位置している。このとき、
図6Cに示すようにケーブル17の巻き取り又は繰り出しは行われていない。
【0061】
全閉状態のドア1を開く場合、上側ドア1aの開動作と連動して、
図7Bに示すようにケーブル14が繰り出されるのと同時に、
図7Cに示すようにケーブル17が巻き取られる。
【0062】
これにより、上側ドア1aと下側ドア1bとを引き合わせる引張力が弱められる。従って、
図7Aに示すように、下側ドア1bが重力によって垂れ下がり、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが大きくなる。
【0063】
また、ケーブル14の繰り出しと同時に、ケーブル17が巻き取られているため、例えば強風によって、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いを小さくするような外力が下側ドア1bに作用した場合でも、上側ドア1aに対する下側ドア1bの角度を所定の角度に維持することができる。従って、下側ドア1bがドア周辺の物体に干渉することを抑制できる。
【0064】
さらに上側ドア1aが開かれると、
図8Bに示すように、ケーブル14がさらに繰り出される。従って、
図8Aに示すように、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが、さらに大きくなる。
【0065】
このように、上側ドア1aの開動作と連動して、ケーブル14が繰り出されることによって、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが大きくなる。これにより、例えばドア1の正面に人、壁などの障害物が存在する場合でも、下側ドア1bが障害物に接触することを防止できる。
【0066】
また、上側ドア1aが開ききったところで、
図9Bに示すように、ケーブル14が巻き取られると、上側ドア1aと下側ドア1bとを引き合わせる引張力が強められる。その結果、
図9Aに示すように、上側ドア1aの端部にある平坦部分に対して下側ドア1bの端部にある平坦部分が押し付けられ、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが小さくなり、ドア1が全開状態となる。
【0067】
次に、
図10Aから
図13Bを参照してドア1を閉じるときの駆動装置10の動作を説明する。
【0068】
図10Aに示すようにドア1が全開状態の場合、
図10Bに示すようにケーブルエンド15は、第1ケーブル案内構造13の近くに位置している。
【0069】
全開状態のドア1を閉じる場合、
図11Bに示すように、ケーブル14が繰り出されることにより、上側ドア1aと下側ドア1bとを引き合わせる引張力が弱められる。従って、
図11Aに示すように、下側ドア1bが重力によって垂れ下がり、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが大きくなる。
【0070】
ケーブル14が一定量繰り出された後、
図12Aに示すように上側ドア1aの閉動作が開始されると、上側ドア1aの閉動作に連動して、
図12Bに示すようにケーブル14が巻き取られるのと同時に、
図12Cに示すようにケーブル17が繰り出される。
【0071】
これにより、上側ドア1aと下側ドア1bとを引き合わせる引張力が強められる。そして、上側ドア1aの端部にある平坦部分に対して下側ドア1bの端部にある平坦部分が押し付けられた結果、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが小さくなる。このように、上側ドア1aの閉動作に連動して、ケーブル14が巻き取られることによって、下側ドア1bの下端部が車両本体に接触することを防止できる。
【0072】
また、ケーブル14の巻き取りと同時に、ケーブル17が繰り出されるため、例えば強風によって、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いを大きくするような外力が下側ドア1bに作用した場合でも、上側ドア1aに対する下側ドア1bの角度を所定の角度に維持することができる。従って、下側ドア1bがドア周辺の物体に干渉することを抑制できる。
【0073】
上側ドア1aの閉動作とケーブル14の巻き取りが継続されると、
図13Aに示すように、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いが最も小さくなった状態で、ドア1が全閉状態となる。このとき、
図13Bに示すようにケーブルエンド15は、第1ケーブル案内構造13の近くに位置している。このとき、
図13Cに示すようにケーブル17の巻き取り又は繰り出しは行われていない。
【0074】
なお、本実施の形態では、2本のケーブルを利用して、下側ドア1bを駆動する駆動装置10の構成例について説明したが、駆動装置10の構成例はこれに限定されず、駆動装置10は、1本のケーブルを利用して下側ドア1bを駆動するように構成してもよい。
【0075】
具体的には、駆動部11に設けられている1つのプーリーに1本のケーブルが巻かれているように構成してもよい。この場合、プーリーから
図2Aに示すケーブルエンド15に至るまでの部分が前述した第1の部分に相当し、プーリーから
図4に示す固定部2cに至るまでの部分が前述した第2の部分に相当する。そして、第2の部分の繰り出し量が第1の部分の巻き取り量よりも少なくなり、かつ、第2の部分の巻き取り量が第1の部分の繰り出し量よりも少なくなるように、
図4に示すヒンジ2Bのドア1への取付位置、ケーブルガイド2bの直径などを調整する。
【0076】
また、本実施の形態に係る駆動部11は、2つのモータの回転力を利用して、ドラム11cとドラム11gの回転量を個別に制御するように構成してもよい。この構成により、ドラム11cとドラム11gの回転量を細やかに調整できるため、ドア1の仕様変更に対して、駆動部11の制御プログラムを変更するだけで、ケーブルの繰り出し量又は巻き取り量を容易に調整することができる。ただし、本実施の形態に係る駆動部11のように、1つのモータの回転力を利用した場合には、駆動部11の構成が簡素化されるため、駆動部11及び駆動装置10の製造コストが低減するとともに、信頼性が向上する。
【0077】
以上に説明したように、本実施の形態に係る駆動装置10は、ケーブルの第1の部分が繰り出されるときにケーブルの第2の部分が巻き取られ、ケーブルの第1の部分が巻き取られるときにケーブルの第2の部分が繰り出されるように構成されている。
【0078】
従って、ケーブルの第1の部分を繰り出して、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いを大きくする場合、ケーブルの第2の部分を巻き取ることにより、上側ドア1aに対する下側ドア1bの動きを抑制することで、下側ドア1bに外力が作用した場合でも、上側ドア1aに対する下側ドア1bの角度を所定の角度に維持することができる。
【0079】
また、ケーブルの第1の部分を巻き取って、上側ドア1aに対する下側ドア1bの折れ曲がりの度合いを小さくする場合、ケーブルの第2の部分を繰り出すことにより、上側ドア1aに対する下側ドア1bの動きを抑制することで、下側ドア1bに外力が作用した場合でも、上側ドア1aに対する下側ドア1bの角度を所定の角度に維持することができる。
【0080】
さらに、下側ドア1bに外力が作用した場合でも、上側ドア1aに対する下側ドア1bの角度を所定の角度に維持することができるため、ドア1の開閉動作時に、下側ドア1bがドア周辺の物体に干渉することを抑制できる。
【0081】
なお、例えば、以下のような態様も本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0082】
(1)駆動装置は、上側ドアと前記上側ドアに回転可能に連結されている下側ドアを備えたドアを駆動する駆動装置であって、前記上側ドアから前記下側ドアに渡って敷設される第1の部分と第2の部分とを有する少なくとも1本のケーブルと、前記第1の部分を繰り出すことにより前記上側ドアに対する前記下側ドアの折れ曲がりの度合いを大きくし、前記第2の部分を巻き取ることにより前記上側ドアに対する前記下側ドアの動きを抑制する駆動部と、を備える。
【0083】
(2)前記駆動部は、1つのモータの回転力を利用して前記第1の部分の繰り出しと前記第2の部分の巻き取りとを行うドラム部を備える。
【0084】
(3)前記駆動部は、前記第1の部分を巻き取って、前記上側ドアに対する前記下側ドアの折れ曲がりの度合いを小さくする場合、前記第2の部分を繰り出す。
【0085】
(4)前記連結されている箇所には、前記上側ドアに対して前記下側ドアを回転可能に連結するヒンジが設けられ、前記第2の部分の一端は、前記上側ドアの前記ヒンジの周囲に接続され、前記第2の部分の他端は、前記下側ドアに配置される前記駆動部に接続される。
【0086】
(5)前記連結されている箇所には、前記上側ドアに対して前記下側ドアを回転可能に連結する第1ヒンジ及び第2ヒンジが前記ドアの左右方向に離れて設けられ、複数の前記ケーブルの内、一方のケーブルの前記第2の部分の一端は、前記上側ドアの前記第1ヒンジの周囲に接続され、他方のケーブルの前記第2の部分の一端は、前記上側ドアの前記第2ヒンジの周囲に接続され、前記一方のケーブルの前記第2の部分及び前記他方のケーブルの前記第2の部分のそれぞれの他端は、前記下側ドアに配置される前記駆動部に接続される。
【0087】
(本発明の第2ケーブル案内構造2)
本発明の第2ケーブル案内構造2の構成例について、
図14A~
図14G及び
図15A~
図15Cを参照して説明する。
図14以降においては、Y軸、X軸、及びZ軸からなる直交座標系が示されている。また、Y軸、X軸、Z軸において矢印で示す方向をそれぞれプラスY軸方向、プラスX軸方向、プラスZ軸方向とし、これらの方向とは逆の方向をそれぞれマイナスY軸方向、マイナスX軸方向、マイナスZ軸方向とする。ここで、Y軸方向は車幅方向を表し、プラスY軸方向は車両100の左側から右側に向かう方向である。X軸方向は車両100の前後方向を表し、プラスX軸方向は車両100の前側から後ろ側に向かう方向である。Z軸方向は車両100の上下方向を表し、プラスZ軸方向は車両100の下側から上側に向かう方向である。
【0088】
(第2ケーブル案内構造2R)
図14A~
図14Gのそれぞれは本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rの斜視図である。
図14A~
図14Gに示されている第2ケーブル案内構造2Rは、車両の前進方向に対して車両を背後から正面視して上側ドア1aの右側に配置される。
【0089】
なお、
図14A~
図14Gには2本のケーブル171、172が示されているが、実際にはケーブルは1本である。ケーブル171は、下側ドア1bが折れ曲がっていないとき(
図6A参照)ケーブルガイド2bから引き出されている状態のケーブルを表す。ケーブル172は、下側ドア1bが折れ曲がっているとき(
図7A参照)ケーブルガイド2bから引き出されている状態のケーブルを表す。以下では、ケーブル171及びケーブル172を区別しない場合「ケーブル17」と称する。
【0090】
第2ケーブル案内構造2Rは、ケーブル17を移動可能に支持しながらその案内方向を転換する部材である。第2ケーブル案内構造2Rは上側ドア1aにネジ止めされている。
【0091】
図4に示す第2ケーブル案内構造2では、ケーブルガイド2bが軸部23の中央付近に配置されているのに対して、本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rでは、軸部23の延伸方向Dにおける中央部に軸支部2eが設けられ、軸部23の延伸方向Dにおける端部にケーブルガイド2bが設けられている。
【0092】
第2ケーブル案内構造2Rは、軸部23、軸支部2e、ブラケット2f、ケーブルガイド2b、連結部2g、及び固定部2c1を備えている。
【0093】
(軸部23)
軸部23は、上側ドアヒンジ部21に対して下側ドアヒンジ部22(
図4参照)を回転可能に支持するとともに、ケーブルガイド2b、上側ドアヒンジ部21、及び軸支部2eを支持する金属製のシャフトである。
【0094】
軸部23は、ケーブルガイド2b、上側ドアヒンジ部21の第1端部21a、軸支部2e、及び上側ドアヒンジ部21の第2端部21bの順で、これらに挿入された後、軸部23のマイナスY軸方向の先端部にナットが締結される。これにより、軸部23の両端は、上側ドアヒンジ部21に支持されており、軸部23の延伸方向Dの中央部は、軸支部2eに支持された状態となる。そして、ケーブルガイド2b、上側ドアヒンジ部21、及び軸支部2eは軸部23に固定される。
【0095】
(軸支部2e)
軸支部2eは、Y軸方向に貫通する貫通孔を有し、当該貫通孔に挿入されている軸部23の中心付近を支持する。軸支部2eは、ブラケット2f及び上側ドアヒンジ部21を介して、上側ドア1aに固定されている。
【0096】
(ブラケット2f)
ブラケット2fは、軸支部2eを上側ドア1aに固定するための板形状の部材であり、X軸方向に挿入されるネジによって、上側ドア1aに固定されている。
【0097】
(ケーブルガイド2b)
ケーブルガイド2bは扇形状を有しており、固定部2c1に接続されているケーブル17の延伸方向を転換する部材である。固定部2c1の構成については後述する。
【0098】
ケーブルガイド2bは、軸部23の延伸方向Dにおいて、ブラケット2f及び軸支部2eのそれぞれから、一定距離離れた位置に配置されている。
【0099】
ブラケット2fから一定距離離れた位置にケーブルガイド2bが設けられていることで、軸支部2eの位置にケーブルガイド2bが形成されている場合に比べて、ドア1の形状に合わせてケーブルガイド2bの設計の自由度が向上する。このため、ケーブルガイド2bの半径を大きくしたり、ケーブルガイド2bの周方向における幅を広げたりすることができる。
【0100】
ケーブルガイド2bには、軸部23が貫通する貫通孔が形成されており、当該貫通孔に軸部23が挿入されることにより、ケーブルガイド2bは軸部23の端部に固定されている。
【0101】
(ケーブルガイド2bの案内溝2b2)
ケーブルガイド2bは、下側ドア1b(
図4参照)の動きを抑制しながらケーブル17を案内する案内溝2b2を有する。案内溝2b2は、扇形状であるケーブルガイド2bの弧の円周方向における外側面2b1に形成されている。
【0102】
案内溝2b2の形状は、例えば中心角θが所定角度の弧形状である(
図14E参照)。中心角θは、軸部23近傍を中心とするケーブルガイド2bの周方向における一方の端面と他方の端面のそれぞれが成す角度に等しく、例えば、約135度である。なお、中心角θは約135度に限定されず90度以上360度以下であればよい。
【0103】
これにより、
図4の構造に対して、ケーブルの長さを大きくすることにより、下側ドアの触れ防止効果が高まる。
【0104】
(ケーブルガイド2bの支持構造)
ケーブルガイド2bは、上側ドアヒンジ部21の第1端部21aの外側(軸支部2e側とは反対側)に配置され、軸部23のプラスY軸方向の端部に固定されている。これにより、ケーブルガイド2bは、第1端部21a、軸支部2e、及び第2端部21bにより固定された軸部23によって支持される。
【0105】
この構成により、下側ドア1bが動作する際、軸部23が軸支部2eだけで支持される場合に比べて、ケーブルガイド2bの軸ズレが抑制される。従って、ケーブルガイド2bが安定してケーブル17を案内できるため、ケーブル17がケーブルガイド2bから外れ難くなる。
【0106】
(連結部2g)
連結部2gは、軸部23の延伸方向Dにおいて軸支部2eから一定距離離れた位置に配置されているケーブルガイド2bを、軸支部2e及びブラケット2fに連結する部材である。連結部2gは、ケーブルガイド2bから軸支部2eの端部に向かって延伸する板状の部材である。
【0107】
連結部2g、軸支部2e、ケーブルガイド2b、及び連結部2gは、ダイキャスト成形、切削加工などによって一体で製造されたものでもよいし、それぞれが個別に製造された後に溶接などで接合されたものでもよい。
【0108】
(連結部2gの位置)
連結部2gは、ケーブルガイド2bと軸支部2eのそれぞれの対向面の間に設けられていることが好ましい。この構成により、ケーブルガイド2bと軸支部2eとの間の空間に連結部2gが配置されるため、ケーブルガイド2bの外側面2b1などに連結部2gが接続されている場合に比べて、連結部2gの大きさ分、第2ケーブル案内構造2Rを小型化でき、適用可能な車両の種類を増やすことができる。
【0109】
(固定部2c1)
固定部2c1は、ケーブルガイド2bと一体に設けられており、案内溝2b2の端部に繋がっている(
図14C、
図14D参照)。固定部2c1には、ケーブル17の先端部に設けられている金属製のケーブルエンドが挿入される。
【0110】
例えば、
図4に示す引出部2dから引き出されたケーブル17は、案内溝2b2に案内されて固定部2c1まで敷設された後、ケーブル17に接続されているケーブルエンドが固定部2c1に挿入される。このように、第2ケーブル案内構造2Rでは、
図4に示す第2ケーブル案内構造2における固定部2cの代わりに、ケーブルガイド2bに設けられている固定部2c1に、ケーブル17が固定されている。
【0111】
(固定部2c1の効果)
図4に示す第2ケーブル案内構造2では、上側ドアヒンジ部21に設けられている固定部2cにケーブル17が接続されるため、固定部2cとケーブルガイド2bの案内溝2b2との間に、ケーブル17が保持されない隙間GPが形成される。
【0112】
これに対して本発明に係る第2ケーブル案内構造2Rでは、固定部2c1がケーブルガイド2bと一体に設けられているため、固定部2c1から案内溝2b2に向かって隙間なくケーブル17が敷設される。このため、
図7Aに示すように下側ドア1bが折れ曲がっている場合でも、ケーブル171と案内溝2b2との間の接触面積が確保されるので、ケーブル171をケーブルガイド2bから外れ難くすることができる。
【0113】
(第2ケーブル案内構造2L)
図15A~
図15Cのそれぞれは本発明に係る第2ケーブル案内構造2Lの斜視図である。第2ケーブル案内構造2Lは、車両の前進方向に対して車両を背後から正面視したときに、上側ドア1aの左側に配置される。
【0114】
また、第2ケーブル案内構造2Lは、Y-Z平面に対して第2ケーブル案内構造2Rと面対称な形状を有する。これ以外、第2ケーブル案内構造2Lは、第2ケーブル案内構造2Rと同様の構成を有する。このため以下では、第2ケーブル案内構造2Lの機能、構成に関する具体的な説明を省略する。
【0115】
以上に説明したように、本発明に係る第2ケーブル案内構造2R、2Lは、上側ドア1aと下側ドア1bとを連結する軸部23と、軸部23を支持する軸支部2eと、軸支部2eを上側ドア1aに固定するブラケット2fと、軸部23の延伸方向Dにブラケット2fから一定距離離れた位置に配置され、外側面2b1に下側ドア1bの動きを抑制するケーブル17を案内する案内溝2b2を有するケーブルガイド2bと、軸支部2eとケーブルガイド2bとを連結する連結部2gとを備える。
【0116】
ブラケット2fから一定距離離れた位置にケーブルガイド2bが設けられていることで、軸支部2eの位置にケーブルガイド2bが形成されている場合に比べて、ケーブルガイド2bの設計の自由度が向上する。このため、ケーブルガイド2bの半径を大きくしたり、ケーブルガイド2bの周方向における幅を広げることができる。従って、案内溝2b2に収容されるケーブルの部分を増やすことができる。
【0117】
また
図4の構造に対して、ケーブルの長さを大きくすることにより、下側ドアの触れ防止効果が高まる。
【0118】
なお、例えば、以下のような態様も本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0119】
(1)ケーブル案内構造は、上側ドアと下側ドアとを連結する軸部と、前記軸部を支持する軸支部と、前記軸支部を前記上側ドアに固定するブラケットと、前記軸部の延伸方向に前記ブラケットから一定距離離れた位置に配置され、外側面に前記下側ドアの動きを抑制するケーブルを案内する案内溝を有するケーブルガイドと、前記軸支部と前記ケーブルガイドとを連結する連結部と、を備える。
【0120】
(2)前記案内溝の形状は、中心角が90度以上360度以下の弧形状である。
【0121】
(3)前記ケーブルガイドは、前記軸部を支持する。
【0122】
(4)前記連結部は、前記ケーブルガイドと前記軸支部のそれぞれの対向面に設けられている。
【0123】
(5)駆動装置は、上記のケーブル案内構造と、前記ケーブルと、前記下側ドアを駆動する駆動部とを備える。
【0124】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等などの意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【0125】
以上、本発明の実施の形態について説明した。なお、以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されない。つまり、上記装置の構成や各部分の形状についての説明は一例であり、本発明の範囲においてこれらの例に対する様々な変更や追加が可能であることは明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明に係るケーブル案内構造及び駆動装置は、外力が作用した下側ドアの動きを抑制できる構造として有用である。
【符号の説明】
【0127】
1 ドア
1a 上側ドア
1b 下側ドア
2 第2ケーブル案内構造
2A ヒンジ
2A1 ヒンジ
2A2 ヒンジ
2B ヒンジ
2B1 ヒンジ
2B2 ヒンジ
2b ケーブルガイド
2b1 外側面
2b2 案内溝
2c 固定部
2c1 固定部
2d 引出部
2e 軸支部
2f ブラケット
2g 連結部
2R 第2ケーブル案内構造
2L 第2ケーブル案内構造
10 駆動装置
11 駆動部
11b モータ
11c ドラム
11d 歯車
11e 歯車
11f 歯車
11g ドラム
12 アウターケーシング
13 第1ケーブル案内構造
13a ガイド
13b ブラケット
13c ストッパー
14 ケーブル
15 ケーブルエンド
16 アウターケーシング
17 ケーブル
17a ケーブルエンド
21 上側ドアヒンジ部
22 下側ドアヒンジ部
23 軸部
171 ケーブル
172 ケーブル
100 車両
100a 開口部
D 延伸方向
GP 隙間