(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086374
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】ゲート
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230615BHJP
G06Q 30/06 20230101ALI20230615BHJP
G08B 25/04 20060101ALI20230615BHJP
G08B 25/10 20060101ALI20230615BHJP
G08B 13/22 20060101ALI20230615BHJP
G08B 25/00 20060101ALI20230615BHJP
G06K 7/10 20060101ALI20230615BHJP
G07G 1/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
G07B15/00 L
G06Q30/06
G08B25/04 F
G08B25/10 D
G08B13/22
G08B25/00 510M
G06K7/10 268
G07G1/00 331Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200837
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】522481433
【氏名又は名称】株式会社ロケット
(74)【代理人】
【識別番号】100180644
【弁理士】
【氏名又は名称】▲崎▼山 博教
(72)【発明者】
【氏名】林 潤一
【テーマコード(参考)】
3E127
3E142
5C084
5C087
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA02
3E127BA10
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3E127BA34
3E127CA02
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3E142JA01
5C084AA02
5C084AA03
5C084AA09
5C084BB04
5C084CC20
5C084CC26
5C084DD07
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5C084HH08
5C084HH10
5C084HH11
5C087AA02
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5C087GG02
5C087GG10
5C087GG17
5C087GG66
5L049BB72
(57)【要約】
【課題】店舗等からの発信情報を顧客に提供可能であり、防犯ゲートとしても利用可能なゲートを提供することを目的とする。
【解決手段】ゲート1は、店舗への顧客Mの入退店を管理するためのものであって、顧客Mの顧客端末5と通信可能な通信部10を備える。通信部10は、少なくとも顧客Mが前記店舗に入店する際に、顧客端末5と通信することにより、前記店舗から顧客向けに発信される店舗発信情報(商品情報、割引情報、割引クーポン等)に係るデータを、顧客端末5に向けて送信可能である。ゲート1は、表示部20を備え、前記表示部に、商品情報、割引情報、割引クーポン情報を表示できる。通信部10には、NFCタグ又はビーコンが設けられる。ゲート1は、警告装置60を設けることができ、防犯ゲートとして利用できる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、
前記顧客の顧客端末と通信可能な通信部を備え、
前記通信部は、少なくとも前記顧客が前記店舗に入店する際に、前記顧客端末と通信することにより、前記店舗から前記顧客向けに発信される店舗発信情報に係るデータを、前記顧客端末に向けて送信可能であること、を特徴とするゲート。
【請求項2】
前記店舗発信情報が、前記店舗の商品に係る商品情報、割引情報及び割引クーポンの少なくともいずれかであること、を特徴とする請求項1に記載のゲート。
【請求項3】
店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、
前記顧客の顧客端末と通信可能な通信部と、
前記顧客が前記店舗から退店する際に前記店舗における前記顧客の商品購入履歴を取得する商品購入履歴取得部と、
前記店舗への顧客の入店時及び前記店舗からの顧客の退店時に前記顧客の少なくとも顔を撮像可能な撮像部と、
前記撮像した画像から顧客を認識する顧客認識部と、
前記顧客の入店時の画像に基づいて認識された認識済顧客、前記商品購入履歴、及び前記認識済顧客の顧客端末をそれぞれ関連付ける顧客関連付け部と、
前記認識済顧客の特徴を解析することにより顧客特徴情報を取得する顧客特徴情報取得部と、を備え、
前記通信部は、前記顧客端末との通信により、前記認識済顧客が前記店舗から退店することを検出可能であり、
前記顧客特徴情報取得部は、前記認識済顧客の前記店舗からの退店を検出することを条件として、前記顧客特徴情報を取得すること、を特徴とするゲート。
【請求項4】
前記通信部は、前記店舗に配されたPOSレジとの通信が可能であり、
前記商品購入履歴は、前記POSレジから直接的又は間接的に前記通信部を介して前記商品購入履歴取得部に送信されること、を特徴とする請求項3に記載のゲート。
【請求項5】
前記商品購入履歴は、前記顧客が前記店舗における商品を購入した際に、前記店舗に配されたPOSレジから前記顧客端末に送信されるものであり、
前記商品購入履歴取得部は、前記通信部を介して前記顧客端末から前記商品購入履歴を取得すること、を特徴とする請求項3に記載のゲート。
【請求項6】
前記商品購入履歴の存否に基づいて、前記認識済顧客が前記店舗における商品を購入したか否かを判定する購入判定部を有しており、
前記顧客特徴情報取得部は、前記購入判定部において、前記認識済顧客が前記商品を購入していないと判定されることを条件として、前記顧客特徴情報を取得すること、を特徴とする請求項3~5のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項7】
前記顧客に提供する情報を表示する表示部を備え、前記表示部に、前記店舗における商品に係る商品情報、割引情報、及び割引クーポン情報の少なくともいずれかを表示すること、を特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項8】
前記通信部が、NFCタグ又はビーコンを備えること、を特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項9】
物品に取り付けられる物品側タグを無線通信により検出する無線タグリーダと、
警告動作を行う警告装置と、
前記無線タグリーダとの通信結果に基づいて前記警告動作の要否を判定する警告要否判定部と、
前記警告要否判定部による判定結果に基づいて、前記警告装置の動作制御を行う警告制御部と、を備え、
前記警告要否判定部において、前記警告動作が必要であると判定がなされることを条件として、前記警告制御部が前記警告装置における前記警告動作を開始させる制御を行うこと、を特徴とする請求項1~8のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項10】
店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、
物品に取り付けられる物品側タグを無線通信により検出する無線タグリーダと、
警告動作を行う警告装置と、
前記無線タグリーダとの通信結果に基づいて前記警告動作の要否を判定する警告要否判定部と、
前記警告要否判定部による判定結果に基づいて、前記警告装置の動作制御を行う警告制御部と、
顧客に提供する情報を表示する表示部と、
前記表示部における情報表示に係る制御を行う表示制御部と、
前記無線タグリーダ及び物品側タグの通信を阻害しないように前記表示部を作動させる通信阻害抑制部と、を有すること、を特徴とするゲート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗等の出入口周辺に設置されるゲートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、店舗において、商品の管理や万引きの防止のために防犯システムが導入されている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の防犯システムでは、商品に無線タグ(非接触ICタグに相当)が取り付けられており、当該無線タグを読み取るための無線タグリーダ(非接触ICリーダに相当)を備えたゲートが、店舗の出入口周辺に設置されている。特許文献1に記載の防犯システムは、前記無線タグを無線タグリーダで読み取ることにより、商品の店舗外への持ち出しに対して警報を行うものとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の防犯システムは、あくまで、商品に取り付けられた無線タグをゲートで読み取って、商品の店舗外への持ち出しを抑制するものであり、店舗の商品情報や割引情報、あるいは、割引クーポン等の配信等を行うものではない。すなわち、特許文献1に記載の防犯システムは、顧客に対するサービスを提供するものではない。そのため、店舗において、ゲートの有効的な活用が求められている。
【0005】
ところで、最近では、店舗においてPOS(Point Of Sales)システムを搭載したキャッシュレジスター(POSレジとも称する)が設置され、商品に取り付けられた無線タグやバーコード等をPOSレジで読み取ることにより、商品購入情報が商品購入履歴として記録される。これにより、店舗における商品管理が行われている。従って、店舗において、商品を購入した者は、商品購入履歴に基づいて客層分析を行うことが可能である。
【0006】
しかしながら、商品の非購入者は、商品購入履歴が残らないため、顧客が来店したか否かの判定や商品購入履歴に基づく客層の分析を行うことができない問題があった。そのため、客層に応じてパーソナライズされた商品広告や割引情報あるいは割引クーポンを配信することができない問題があった。
【0007】
そこで、上述のような課題を解決するために、本発明は、店舗等からの発信情報を顧客に提供可能であり、防犯ゲートとしても利用可能なゲートを提供することを目的とする。また、本発明は、店舗等において顧客の客層を分析可能にするゲートを提供可能であり、防犯ゲートとしても利用可能なゲートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)上述した課題を解決すべく提供される本発明のゲートは、店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、前記顧客の顧客端末と通信可能な通信部を備え、前記通信部は、少なくとも前記顧客が前記店舗に入店する際に、前記顧客端末と通信することにより、前記店舗から前記顧客向けに発信される店舗発信情報に係るデータを、前記顧客端末に向けて送信可能であること、を特徴とするものである。
【0009】
上述したゲートは、顧客の顧客端末と通信可能な通信部を備えているので、顧客が店舗に入店する際に、通信部により顧客端末と通信することができる。従って、上述したゲートは、店舗から顧客向けに発信される店舗発信情報に係るデータを、通信部を介して顧客端末に向けて送信できる。これにより、集客効果や販売促進効果が期待できる。また、上述したゲートは、顧客が保持する顧客端末を利用するので、顧客の利便性を損なうことなく、顧客に有用な情報を配信することができる。ここで、顧客端末と通信部との通信は、例えば、ゲート上に貼付や表示されたQRコード(登録商標)を顧客端末で読み取ることにより、通信が開始されるものや、ゲートに顧客端末をタッチ(接触式及び非接触式の双方を含む)することにより、通信が開始されるものなど、各種の通信方法を採用できる。
【0010】
(2)上述した本発明のゲートは、前記店舗発信情報が、前記店舗の商品に係る商品情報、割引情報及び割引クーポンの少なくともいずれかであるとよい。
【0011】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、顧客に対してより一層有用な情報や割引クーポンを提供することができる。そのため、より一層の集客効果や販売促進効果が期待できる。
【0012】
(3)上述した課題を解決すべく提供される本発明のゲートは、店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、前記顧客の顧客端末と通信可能な通信部と、前記顧客が前記店舗から退店する際に前記店舗における前記顧客の商品購入履歴を取得する商品購入履歴取得部と、前記店舗への顧客の入店時及び前記店舗からの顧客の退店時に前記顧客の少なくとも顔を撮像可能な撮像部と、前記撮像した画像から顧客を認識する顧客認識部と、前記顧客の入店時の画像に基づいて認識された認識済顧客、前記商品購入履歴、及び前記認識済顧客の顧客端末をそれぞれ関連付ける顧客関連付け部と、前記認識済顧客の特徴を解析することにより顧客特徴情報を取得する顧客特徴情報取得部と、を備え、前記通信部は、前記顧客端末との通信により、前記認識済顧客が前記店舗から退店することを検出可能であり、前記顧客特徴情報取得部は、前記認識済顧客の前記店舗からの退店を検出することを条件として、前記顧客特徴情報を取得すること、を特徴とするものである。
【0013】
上述したゲートは、店舗への顧客の入店時及び店舗からの顧客の退店時に当該顧客の少なくとも顔を撮像する撮像部を備え、顧客認識部により撮像した画像から顧客を認識するものとされている。また、上述したゲートは、商品購入履歴取得部により、顧客が店舗から退店する際に当該店舗における当該顧客の商品購入履歴を取得するものとされている。 ここで、上述したゲートは、通信部による顧客端末との通信を介して、認識済顧客、前記商品購入履歴、及び前記顧客端末のそれぞれを顧客関連付け部によって関連付けすることができる。すなわち、上述したゲートは、入店した顧客における少なくとも顔の画像、商品購入履歴、及び顧客の顧客端末のそれぞれを関連付けすることにより、顧客を特定することができる。また、上述したゲートにおいて、顧客特徴情報取得部は、認識済顧客の店舗からの退店を検出することを条件として、顧客特徴情報を取得するものとされている。ここで、顧客特徴情報は、例えば、顧客の顔画像に基づいた性別や年代等の情報や、商品購入履歴に係る情報等とされている。従って、取得した顧客特徴情報に基づいて分析を行うことにより、客層の把握が可能である。このように、上述したゲート1Bによれば、商品購入履歴及び顧客の関連付けに基づいた精度の良い客層分析が可能である。また、客層分析された結果は、例えば、顧客に対して、パーソナライズされた商品情報(広告)や割引情報あるいは割引クーポン(以下、これらを総称して商品情報等とも称する)を提供するために利用することが可能である。これにより、上述したゲートは、客層分析の結果に基づいて、例えば、次回以降来店する顧客に対して、商品情報等を配信することが可能である。また、上述したゲートは、客層(年代、性別、来店する時間帯等)に合わせて商品情報等を配信することが可能である。
【0014】
(4)上述した本発明のゲートにおいて、前記通信部は、前記店舗に配されたPOSレジとの通信が可能であり、前記商品購入履歴は、前記POSレジから直接的又は間接的に前記通信部を介して前記商品購入履歴取得部に送信されるとよい。
【0015】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、POSレジから送信された顧客の商品購入履歴を商品購入履歴取得部によって取得することができる。ここで、POSレジとゲートにおける通信部との通信は、例えば、無線あるいは有線により行うことができる。また、POSレジとゲートにおける通信部との通信は、直接的に行うものの他、間に他の端末やサーバ等を介して行われてもよい。上述したように本発明のゲートは、商品購入履歴を取得できるので、認識済顧客、商品購入履歴、及び顧客端末を関連付けた入退店管理を行うことができる。
【0016】
(5)上述した本発明のゲートにおいて、前記商品購入履歴は、前記顧客が前記店舗における商品を購入した際に、前記店舗に配されたPOSレジから前記顧客端末に送信されるものであり、前記商品購入履歴取得部は、前記通信部を介して前記顧客端末から前記商品購入履歴を取得するとよい。
【0017】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、顧客端末を介して、商品購入履歴を取得することができる。これにより、上述したゲートは、商品購入履歴を取得できるので、認識済顧客、商品購入履歴、及び顧客端末を関連付けた入退店管理を行うことができる。
【0018】
(6)上述した本発明のゲートは、前記商品購入履歴の存否に基づいて、前記認識済顧客が前記店舗における商品を購入したか否かを判定する購入判定部を有しており、前記顧客特徴情報取得部は、前記購入判定部において、前記認識済顧客が前記商品を購入していないと判定されることを条件として、前記顧客特徴情報を取得するとよい。
【0019】
上述したゲートは、商品購入履歴の存否に基づいて、顧客(認識済顧客)が店舗において商品を購入したか否かを判定することができる。また、上述したゲートは、顧客が商品を購入していないと判定されることを条件として、顧客特徴情報を取得できるので、商品を購入していない顧客の客層を分析することができる。なお、商品を購入した顧客は、退店時に取得される顧客特徴情報に基づいて客層を分析することができる。このように、上述したゲートは、商品を購入した顧客だけではなく、商品を購入していない顧客に対しても顧客特徴情報に基づいた客層分析を行うことが可能であるので、販売計画策定等への利用が期待できる。
【0020】
(7)上述した本発明のゲートは、前記顧客に提供する情報を表示する表示部を備え、前記表示部に、前記店舗における商品に係る商品情報、割引情報、及び割引クーポン情報の少なくともいずれかを表示するとよい。
【0021】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、店舗における商品の宣伝広告を行うことができる。これにより、店舗における販売促進効果が期待できる。また、表示部とゲートとが集約されることにより、ゲートの設置スペースの低減効果が期待できる。また、上述したゲートは、客層分析の結果を利用することにより、顧客にパーソナライズされた商品情報、割引情報、及び割引クーポン情報等を表示部に表示させることが期待できる。
【0022】
(8)上述した本発明のゲートは、前記通信部が、NFCタグ又はビーコンを備えるとよい。
【0023】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、顧客側の顧客端末等に別途に装置や無線タグ等を設けることなく、顧客端末等と通信を行うことができる。そのため、上述したゲートは、顧客の利便性が損なわれることを抑制できる。ここで、NFC(Near Field Communication)タグは、近距離無線通信規格に則った近距離無線通信可能なICチップが搭載されたタグとされ、ビーコンは、近距離無線通信が可能なICチップを搭載した無線通信装置とされている。例えば、NFCタグは、顧客がゲートを通過する際に顧客端末5との通信が開始されるものや顧客がゲートに顧客端末をタッチ(接触式及び非接触式の双方を含む)することにより、通信が開始されるものなどを利用できる。また、ビーコンは、例えば、顧客の顧客端末に向けて、発信することにより、顧客端末との通信が開始されるものなどを利用できる。
【0024】
(9)上述した本発明のゲートは、物品に取り付けられる物品側タグを無線通信により検出する無線タグリーダと、警告動作を行う警告装置と、前記無線タグリーダとの通信結果に基づいて前記警告動作の要否を判定する判定部と、前記警告要否判定部による判定結果に基づいて、前記警告装置の動作制御を行う警告制御部と、を備え、前記警告要否判定部において、前記警告動作が必要であると判定がなされることを条件として、前記警告制御部が前記警告装置における前記警告動作を開始させる制御を行うとよい。
【0025】
上述したゲートは、かかる構成とすることにより、ゲートを防犯ゲートとして利用することができる。このように、上述したゲートは、ゲート設置によるデッドスペースを有効活用することができるので、デッドスペースを低減できる。また、上述したゲートは、上述した表示部を備えたものとしてもよい。かかる構成とした場合は、防犯ゲートであることを覆い隠しつつ、販売促進効果を得ることが期待できる。
【0026】
ところで、表示装置(表示部)と無線タグリーダとを併設する場合は、無線タグリーダと物品側タグとの通信が、表示装置と干渉して通信阻害(通信障害)が発生する懸念がある。また、通信障害により表示装置や警告装置等の誤動作が懸念される。そのため、上述したゲートに表示装置を設ける場合は、通信阻害を抑制すべく、通信阻害抑制部を設けることが望ましい。
【0027】
(10)そこで、上述した課題を解決すべく提供される本発明のゲートは、店舗への顧客の入退店を管理するためのゲートであって、物品に取り付けられる物品側タグを無線通信により検出する無線タグリーダと、警告動作を行う警告装置と、前記無線タグリーダとの通信結果に基づいて前記警告動作の要否を判定する判定部と、前記警告要否判定部による判定結果に基づいて、前記警告装置の動作制御を行う警告制御部と、顧客に提供する情報を表示する表示部と、前記表示部における情報表示に係る制御を行う表示制御部と、前記無線タグリーダ及び物品側タグの通信を阻害しないように前記表示部を作動させる通信阻害抑制部と、を有すること、を特徴とするものである。
【0028】
上述したゲートは、表示部と、通信阻害抑制部と、を有するものとされているので、無線タグリーダ及び物品側タグの通信を阻害することがない。そのため、上述したゲートは、通信阻害による警告装置や表示部の誤動作を抑制することができる。これにより、上述したゲートは、例えば、表示部の表示乱れや、警告装置の誤動作による不適切な警告動作を抑制することができる。また、上述したゲートは、警告装置により、警告を行うことができるので防犯用のゲートとして用いることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、店舗等からの発信情報を顧客に提供可能であり、防犯ゲートとしても利用可能なゲートを提供することができる。また、本発明によれば、店舗等において顧客の客層を分析可能にするゲートを提供可能であり、防犯ゲートとしても利用可能なゲートを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】本発明の第一実施形態に係るゲートの説明斜視図である。
【
図2】本発明の第一実施形態に係るゲートの正面図である。
【
図3】本発明の第一実施形態に係るゲートの構成図である。
【
図4】本発明の第二実施形態に係るゲートの説明斜視図である。
【
図5】本発明の第二実施形態に係るゲートの正面図である。
【
図6】本発明の第二実施形態に係るゲートの構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明に係るゲート1の第一実施形態について、
図1~
図3を参照しながら以下に詳細を説明する。第一実施形態では、店舗への顧客Mの入退店を管理するゲート1Aについて説明する。また、第一実施形態ではゲート1Aが、防犯ゲートとして用いられる場合を例として説明する。また、第一実施形態では、顧客向けに発信される店舗発信情報に係るデータを、顧客端末5に向けて発信可能なゲート1Aについて説明する。
【0032】
≪第一実施形態≫
図1及び
図2に示すように、ゲート1Aは、上下方向に延びるように形成された矩形状の枠体2として形成されている。ゲート1Aは、スーパーマーケットやドラッグストアなどの各種の店舗の出入口周辺に設置されるものである。また、ゲート1Aは、本実施形態では、1対の分離型ゲートとして設けられている。また、枠体2は、下端側に設置のための脚部2Aを備えている。
【0033】
図3に示すように、ゲート1Aは、通信部10と、表示部20と、表示に係る制御を行う表示制御部30と、無線タグリーダ40と、通信阻害抑制部50と、警告装置60と、警告要否判定部61と、警告制御部62等を備えている。
【0034】
通信部10は、例えば、ゲート1Aの表面に近い部分に内蔵されている。通信部10は、例えば、近距離無線通信が可能なNFC(Near Field Communication)タグ又はビーコンが用いられている。ここで、NFCタグは、近距離無線通信規格に則った近距離無線通信可能なICチップが搭載されたタグとされ、ビーコンは、近距離無線通信が可能なICチップを搭載した無線通信装置とされている。通信部10は、近距離無線通信を用いて、顧客Mの顧客端末5と通信可能なものとされている。例えば、NFCタグは、顧客Mがゲートを通過する際に顧客端末5との通信が開始されるものや顧客Mがゲートに顧客端末5をタッチ(接触式及び非接触式の双方を含む)することにより、通信が開始されるものなどを利用できる。また、ビーコンは、例えば、顧客Mの顧客端末5に向けて、発信することにより、顧客端末5との通信が開始されるものなどを利用できる。
【0035】
顧客端末5は、顧客Mが保持するスマートフォン等の携帯端末が例示される。顧客端末5には、例えば、電子決済を可能とするNFCや非接触ICカード技術Felica(登録商標)等が搭載されている。従って、顧客端末5は、通信部10との無線通信が可能である。
【0036】
また、通信部10は、顧客端末5と通信することにより、顧客Mが店舗に入店するのか、あるいは、顧客Mが店舗から退店するのかを検出することができる。具体的には、顧客Mの進行方向(入店方向又は退店方向)による検出や、入店時に通信部10から顧客端末5に向けて入店ID等を付与しておき、退店時に入店IDの有無により検出するなどが挙げられる。ここで、顧客端末5と通信部10との通信は、例えば、ゲート1上に貼付や表示されたQRコード(登録商標)を顧客端末で読み取ることにより、通信が開始されるものや、上述のように顧客Mがゲート1に顧客端末5をタッチすることにより、通信が開始されるものなど、各種の通信方法を採用できる。
【0037】
また、通信部10は、店舗から顧客向けに発信される店舗発信情報に係るデータを、顧客端末5に向けて送信することができる。具体的には、通信部10は、前記店舗発信情報に係るデータとして、店舗の商品3に係る商品情報、割引情報及び割引クーポンの少なくともいずれかを送信することができる。また、通信部10による店舗発信情報は、少なくとも顧客Mが入店する際に行うものとされている。そのため、集客効果や販売促進効果が期待できる。なお、通信部10による店舗発信情報の送信のタイミングは、顧客Mの入店する際に限定されるものではなく、適宜のタイミングで行うことが可能である。
【0038】
表示部20は、枠体2(
図1及び
図2参照)の表面に形成されている。表示部20は、例えば、液晶パネルやLEDパネル等で形成され、表示制御部30が接続されている。表示制御部30は、例えば、コンピュータで形成され、表示部20における情報表示の制御を行うことができる。表示部20は、表示制御部30で制御された文字や図形等を表示することができる。また、表示部20は、店舗に係る顧客Mに提供する情報を表示することができる。具体的には、表示部20は、店舗における商品3に係る商品情報、割引情報、及び割引クーポン情報の少なくともいずれかを表示することができる。
【0039】
無線タグリーダ40は、店舗における商品3(物品3)に取り付けられる物品側タグ4を無線通信により検出することができる。具体的には、物品側タグ4は、例えば、NFCタグで形成されており、商品3が未精算である場合は、所定の電波を発するものとされている。他方、無線タグリーダ40は、例えば、NFCタグリーダであり、未精算の商品3がゲート1Aを通過した際に、物品側タグ4(例えば、NFCタグ)を検出するものとされている。
【0040】
通信阻害抑制部50は、ゲート1Aに表示部20、無線タグリーダ40、及び通信部10を併存させた場合に、これらが互いに干渉することにより発生する通信阻害(通信障害)を抑制するものである。通信阻害抑制部50には、例えばノイズフィルタ等が用いられる。通信阻害抑制部50は、無線タグリーダ40及び物品側タグ4の通信を阻害しないように表示部20を作動させることができる。これにより、通信阻害抑制部50は、例えば、電波干渉により発生する表示部20における表示乱れや、無線タグリーダ40による物品側タグ4の読み取りミスの発生を抑制することができる。また、第一実施形態では、通信阻害抑制部50が、通信部10と表示部20との通信阻害も抑制するものとされている。これらにより、通信阻害抑制部50は、後述する警告装置60の誤動作による不適切な警告動作も抑制することができる。
【0041】
次に、ゲート1Aが防犯用として用いられる場合に搭載される警告装置60についての詳細について、以下に説明する。
【0042】
警告装置60は、例えば、万引きによりゲート1Aを未精算の商品3が通過した際に警告動作を行うものである。ここで、警告動作とは、例えば、警報を発する動作、表示部20に警告を表示させる動作、警告ランプを点滅させる動作等の各種の動作あるいは、これらの組み合わせにより行われる動作が例示される。また、警告装置60は、警告要否判定部61と、警告制御部62等を備えている。
【0043】
警告要否判定部61は、例えば、コンピュータ上で実行可能なプログラムとして提供される。警告要否判定部61は、無線タグリーダ40との通信結果に基づいて警告動作の要否を判定することができる。具体的には、未精算の商品3がゲート1Aを通過した際に、無線タグリーダ40が物品側タグ4を検出すると、警告要否判定部61は、警告動作が必要であると判定する。他方、精算済の商品3がゲート1Aを通過した場合は、警告要否判定部61において、警告動作が不要であると判定される。
【0044】
警告制御部62は、警告要否判定部61と同様に、コンピュータ上で実行可能なプログラムとして提供される。警告制御部62は、警告要否判定部61による判定結果に基づいて、警告装置60の動作制御を行うことができる。具体的には、警告制御部62は、警告要否判定部61において、警告動作が必要であると判定がなされることを条件として、警告装置60における警告動作を開始させる制御を行うことができる。すなわち、万引き等により、未精算の商品3が店舗外に持ち出された際に、警告動作が開始される。
【0045】
上述したように、本発明の第一実施形態に係るゲート1Aは、通信部10により、顧客端末5との通信を行うことができるので、顧客端末5に対して、店舗の商品3に係る商品情報、割引情報及び割引クーポン等を配信することができる。これにより、店舗における集客効果や販売促進効果が期待できる。また、上述のようにゲート1Aは、顧客Mが保持する顧客端末5を利用するので、顧客Mの利便性を損なうことなく、顧客Mに有用な情報を配信することができる。
【0046】
また、本発明のゲート1Aは、表示部20により、店舗における商品3の宣伝広告を行うことができる。これにより、店舗における販売促進効果が期待できる。また、表示部20とゲート1Aと、が集約されることにより、ゲート1Aの設置スペースの低減効果が期待できる。
【0047】
また、本発明のゲート1Aは、警告装置60を搭載することにより、販売促進効果を兼ね備えた防犯ゲートとして利用することができる。これにより、本発明のゲート1Aは、ゲート設置によるデッドスペースを有効活用することができるので、デッドスペースを低減できる。また、本発明のゲート1Aは、表示部20を兼ね備えたものとされているので、防犯ゲートであることを覆い隠しつつ、販売促進効果を得ることが期待できる。
【0048】
以上が第一実施形態に係るゲート1(ゲート1A)の構成であり、次に、顧客Mに関する顧客特徴情報を取得可能な第二実施形態に係るゲート1(ゲート1B)について、
図4~
図6を参照しながら以下に詳細を説明する。
【0049】
≪第二実施形態≫
図6に示すように、第二実施形態に係るゲート1Bは、ゲート1Aに商品購入履歴取得部100と、撮像部110と、顧客認識部120と、顧客関連付け部130と、顧客特徴情報取得部140と、購入判定部150と、を追加して設けた構成を有している。従って、第一実施形態と共通部分の構成については、説明を省略する。また、第一実施形態と同一の部品等については同一の符号を用いていることに留意されたい。また、ゲート1Bは、ゲート1Aと同様に防犯ゲートとして用いられる場合を例示していることに留意されたい。
【0050】
顧客認識部120、顧客関連付け部130、顧客特徴情報取得部140、及び購入判定部150は、例えば、CPUや画像処理用のGPU等を備えたコンピュータや画像処理装置、あるいは、これらで実行可能なプログラムとして提供される。
【0051】
商品購入履歴取得部100は、顧客Mが店舗から退店する際に店舗における顧客Mの商品購入履歴を取得するものである。商品購入履歴は、例えば、店舗に設けられたPOSレジ6を介して取得できる。具体的には、商品購入履歴は、POSレジ6において、顧客Mが商品3を購入した際に商品3に取り付けられたNFCタグを読み取ったり、商品3のバーコードを読み取ったりすることで、POSレジ6(POSシステムを含む)に取得される。ここで商品購入履歴は、例えば、商品3の種別、価格、カテゴリなどが例示される。
【0052】
POSレジ6は、無線LAN又は有線LAN等の通信手段を介して通信部10と通信が可能なものとされている。POSレジ6は、商品購入履歴を、通信部10を介して商品購入履歴取得部100に送信することができる。なお、POSレジ6は、商品購入履歴を直接的に商品購入履歴取得部100に送信するものだけではなく、間に他の端末やサーバ等を介して間接的に送信することも可能である。
【0053】
撮像部110は、
図4及び
図5に示すように、ゲート1Bの例えば、上部に設けられている。撮像部110は、例えば、カメラ又はビデオカメラ等の各種の撮像手段を用いることができる。また、撮像部110は、店舗への入退店方向の両方向からゲート1Bを通過する顧客Mの少なくとも顔を撮像することができるものとされている。また、第一実施形態において説明したように、通信部10は、顧客Mの店舗への入店及び店舗からの顧客Mの退店を検出可能なものとされている。そのため、撮像部110は、通信部10において顧客Mの入退店を検出したことを条件として、顧客Mの店舗への入店時及び店舗からの顧客Mの退店時に、顧客Mの少なくとも顔を撮像するものとできる。また、撮像部110では、顧客Mの入退店時の人数をカウントすることも可能である。また、当該カウントは、顧客Mの入退店の管理に利用することが可能である。
【0054】
ここで、撮像部110によって撮像される画像は、顔を含めて、服装等の容姿が含まれていてもよい。かかる場合は、より一層精度良く、後述する顧客Mの特徴情報を取得することができる。
【0055】
図6に示すように、顧客認識部120には、撮像部110で撮像された画像が、適宜の電子回路等を通じて転送される。顧客認識部120は、店舗への顧客Mの入店時に撮像された画像から顧客Mを認識することができる。顧客認識部120は、例えば、顧客Mの顔の輪郭や目鼻口などの特徴データから顧客Mの特徴を解析し、解析した特徴データに基づいて顧客Mを認識済顧客Maとして認識する。また、顧客認識部120は、認識済顧客Maの退店時に撮像された画像に基づいて、顧客M(認識済顧客Ma)を認識することができる。
【0056】
顧客関連付け部130は、店舗への顧客Mの入店時の画像に基づいて認識された認識済顧客Ma、前記商品購入履歴、及び認識済顧客Maの顧客端末5をそれぞれ関連付けするものとされている。具体的には、顧客関連付け部130は、通信部10において顧客Mの顧客端末5が検出されると、顧客M及び顧客端末5を関連付けすると共に、顧客認識部120により認識された認識済顧客Maを顧客Mと関連付けする。また、顧客関連付け部130は、商品購入履歴取得部100によって取得された顧客Mに係る商品購入履歴を、認識済顧客Maと関連付けする。これらにより、認識済顧客Ma、商品購入履歴、及び顧客端末5のそれぞれが関連付けされる。すなわち、ゲート1Bは、入店した顧客Mにおける少なくとも顔の画像、商品購入履歴、及び顧客Mの顧客端末5のそれぞれを関連付けすることにより、顧客Mを認識済顧客Maとして特定することができる。このように、本発明のゲート1Bは、顧客関連付け部130により認識済顧客Ma、商品購入履歴、及び顧客端末5を関連付けできるので、これに応じた入退店管理を行うことができる。なお、顧客関連付け部130は、例えば、店舗に関する会員情報(会員証や会員アプリ等で登録された情報)を通信部10やPOSレジ6により取得し、当該会員情報を介して認識済顧客Ma、商品購入履歴、及び顧客端末5を関連付けすることも可能である。
【0057】
顧客特徴情報取得部140は、認識済顧客Maの特徴を解析することにより顧客特徴情報を取得するものとされている。ここで、顧客特徴情報は、例えば、顧客Mの顔画像に基づいた性別や年代等の情報や、商品購入履歴に係る情報等とされている。また、顧客特徴情報取得部140は、認識済顧客Maの店舗からの退店を検出することを条件として、前記顧客特徴情報を取得するものとされている。従って、取得した顧客特徴情報に基づいて分析を行うことにより、客層の把握が可能である。このように、上述したゲート1Bによれば、商品購入履歴及び顧客Mの関連付けに基づいた精度の良い客層分析が可能である。なお、客層分析は、ゲート1Bを用いて行うものや、別途の手段(コンピュータ等を用いて行うものや人為的に行うもの)により行うものなど各種の手段で行うことができる。
【0058】
購入判定部150は、商品購入履歴の存否に基づいて、認識済顧客Maが店舗における商品3を購入したか否かを判定することができる。上述したように商品購入履歴は、認識済顧客Maが商品3を購入した際にPOSレジ6を通じて商品購入履歴取得部100によって取得される。一方、認識済顧客Maが商品3を購入していない場合は、商品購入履歴が残らない(顧客端末5と商品購入履歴とが関連付けされない)。従って、購入判定部150によって、当該商品購入履歴の存否を判定することにより、認識済顧客Maが店舗における商品3を購入したか否かを判定することができる。
【0059】
ここで、顧客特徴情報取得部140は、購入判定部150において、認識済顧客Maが商品3を購入していないと判定されることを条件として、前記顧客特徴情報を取得するものとされている。これにより、本発明のゲート1Bは、商品3を購入していない認識済顧客Maの顧客特徴情報に基づいて顧客Mの客層を分析することができる。一方、商品3を購入した認識済顧客Maは、退店時に取得される顧客特徴情報に基づいて客層を分析することができる。このように、本発明のゲート1Bは、商品3を購入した顧客Mだけではなく、商品3を購入していない顧客Mに対しても顧客特徴情報に基づいた客層分析を行うことが可能であるので、販売計画策定等への利用が期待できる。
【0060】
また、客層分析された結果は、例えば、顧客Mに対して、パーソナライズされた商品情報(広告)や割引情報あるいは割引クーポン(以下、これらを総称して商品情報等とも称する)を提供するために利用することが可能である。これにより、ゲート1Bは、客層分析の結果に基づいて、例えば、次回以降来店する顧客Mに対して、商品情報等を配信することが可能である。また、ゲート1Bは、客層(年代、性別、来店する時間帯等)に合わせて商品情報等を配信することが可能である。
【0061】
また、ゲート1Bは、客層分析の結果を利用することにより、顧客Mにパーソナライズされた商品情報等を表示部20に表示させることが可能である。このように、ゲート1Bは、顧客Mにパーソナライズされた商品情報等を顧客端末5に対して配信したり、表示部20に表示させたりすることができる。そのため、店舗における集客効果の向上や顧客満足度の向上が期待できる。一方、顧客Mには、パーソナライズされた商品情報等が提供されるので、顧客Mに対して不要な情報が配信されることを抑制できる。そのため、本発明のゲート1Bによれば、顧客Mは、必要な商品情報等を容易に見つけ出すことができる。
【0062】
以上が、本発明の第二実施形態に係るゲート1Bの構成であり、次に、ゲート1Bにおいて商品購入履歴の取得方法を変更した変形例について、以下に詳細を説明する。なお、変形例は、商品購入履歴が顧客端末5を介して商品購入履歴取得部100で取得される以外の構成は第二実施形態と同様であるので、同様部分の構成については説明を省略する。
【0063】
≪変形例≫
変形例では、顧客Mが店舗における商品3を購入した際に、店舗に配されたPOSレジ6から顧客端末5に商品購入履歴が送信されるものとされている。また、顧客端末5に送信された商品購入履歴は、商品購入履歴取得部100が、通信部10を介して顧客端末5から取得するものとされている。そのため、変形例に係るゲート1Bは、第二実施形態と同様に商品購入履歴を取得できるので、認識済顧客Ma、商品購入履歴、及び顧客端末5を関連付けた入退店管理を行うことができる。なお、顧客端末5に送信される商品購入履歴は、商品購入履歴の全体に係るデータだけではなく、一部のデータあるいは、商品購入履歴の存否に関するデータであってもよい。かかる場合は、第二実施形態のように、POSレジ6やサーバ等から必要な残りの商品購入履歴に係るデータをゲート1Bに送信することが望ましい。
【0064】
以上が、本発明の変形例に係るゲート1Bであるが、本発明は上述した実施形態や変形例に限定されるものではなく、様々な変形を行うことができる。
【0065】
本実施形態では、一対のゲート1を用いる場合について例示したが、設けるゲート1の数量は、単数のものや複数のものなど用途や構成に応じて、様々な数量のゲート1を用いることが可能である。また、ゲート1の形状や大きさも各種のものを採用することが可能である。
【0066】
また、本実施形態では、通信部10が、NFCタグ又はビーコンを備えるものを例示したが、本発明のゲート1は、これらに限定されるものではなく、通信部10には、顧客端末5と通信が可能な各種の無線通信手段を用いることが可能である。また、通信部10から顧客端末5に向けに発信される店舗発信情報は、店舗の商品3に係る商品情報、割引情報及び割引クーポンだけではなく、各種の情報とすることができる。例えば、店舗の営業日や営業時間等の情報や、提携する店舗の情報等も含めることが可能である。また、商品購入履歴取得部100によって取得される商品購入履歴は、商品3の各種の情報を含めることができる。
【0067】
また、本実施形態では、撮像部110がゲート1に搭載されているものを例示したが、撮像部110がゲート1に対して独立して設けることもできる。かかる場合は、撮像部110と通信部10とを、無線LANや有線LAN等で接続するとよい。また、撮像部110は、例えば、POSレジ6の周辺に防犯用として設けられるカメラ等を利用することも可能である。また、撮像部110は、1台のカメラだけではなく、複数のカメラで構成されていてもよい。例えば、入店時の撮像と退店時の撮像とが、それぞれ別のカメラで撮像されるようにしてもよい。また、撮像部110に用いる撮像手段は、一方向(方向転換できるものを含む)だけではなく、多方向を撮像できるものとすることもできる。
【0068】
また、顧客認識部120における顧客Mの認識は、画像における顔以外の要素(例えば、服装等)を含めて行うことも可能である。また、顧客関連付け部130は、認識済顧客Ma、商品購入履歴、及び顧客端末5の関連付けだけではなく、顧客Mを特定可能な各種の要素を含めることが可能である。また、顧客特徴情報取得部140は、各種の解析手段を用いて認識済顧客Maの特徴を解析することが可能である。
【0069】
また、本実施形態では、POSレジ6から、商品購入履歴が前記商品購入履歴取得部100又は顧客端末5に送信されるものとしたが、POSレジ6から直接的に送信されるものだけではなく、サーバ等を介して間接的に商品購入履歴が送信されるものでもよい。
【0070】
また、本実施形態では、購入判定部150において、認識済顧客Maが商品3を購入していないと判定されることを条件として、顧客特徴情報取得部140が顧客特徴情報を取得するものとしているが、購入判定部150において、認識済顧客Maが商品3を購入している場合においても、顧客特徴情報を取得するようにすることもできる。
【0071】
本実施形態では、ゲート1が表示部20を備えたものとしたが、ゲート1は、必要に応じて表示部20を設ければよく、表示部20を備えないものとすることも可能である。また、ゲート1における表示部20は、店舗における商品3に係る商品情報、割引情報、及び割引クーポン情報の少なくともいずれかを表示するものだけではなく、これらの情報に代えて、あるいは、これらの情報と共に様々な表示を行うことが可能である。本実施形態では、ゲート1が警告装置60を備えたものとしたが、ゲート1は、必要に応じて、警告装置60を設ければよく、警告装置60を備えないものとすることも可能である。また、通信阻害抑制部50は、必要に応じて設ければよく、通信阻害抑制部50を設けない構成とすることも可能である。また、本実施形態では、警告要否判定部61と購入判定部150とが個別に設けられているが、これらは統合することもできる。
【0072】
以上が、本発明に係るゲート1の各種の実施形態や変形例であるが、本発明は上述した実施形態や変形例において例示したものに限定されるものではなく、特許請求の範囲を逸脱しない範囲でその教示及び精神から他の実施形態があり得ることは当業者に容易に理解できよう。
【産業上の利用可能性】
【0073】
本発明のゲートは、スーパーマーケット、商業施設、薬局、衣料品販売店等のような各種の店舗等において利用することができる。
【符号の説明】
【0074】
1 :ゲート
1A:ゲート
1B:ゲート
3 :商品(物品)
4 :物品側タグ
5 :顧客端末
6 :POSレジ
10 :通信部
20 :表示部
30 :表示制御部
40 :無線タグリーダ
50 :通信阻害抑制部
60 :警告装置
61 :警告要否判定部
62 :警告制御部
100 :商品購入履歴取得部
110 :撮像部
120 :顧客認識部
130 :顧客関連付け部
140 :顧客特徴情報取得部
150 :購入判定部
M :顧客
Ma:認識済顧客