(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086419
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】通信システム、携帯端末およびプログラム
(51)【国際特許分類】
H04M 1/72412 20210101AFI20230615BHJP
【FI】
H04M1/72412
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200927
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】加藤 明
【テーマコード(参考)】
5K127
【Fターム(参考)】
5K127AA11
5K127BA03
5K127BB22
5K127BB33
5K127CB16
5K127DA15
5K127GA14
5K127GA29
5K127GA30
5K127GB35
5K127HA27
(57)【要約】
【課題】互いに近距離通信する端末において、電波の送信の停止に関する操作の負担を軽減する。
【解決手段】携帯端末は、外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する入力画像要素を表示させ、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信し、外部装置は、前記移行命令を受信した場合に、外部との通信接続を解除し、非通信モードに移行する。携帯端末は、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素の表示を、前記ユーザからのモードを切り替える操作を受け付け不可能であることを示す状態に変更し、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯端末と外部装置とを含み、
前記携帯端末は、
ユーザの操作であって前記外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段と、
前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段と、
前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段と、
を含み、
前記外部装置は、前記移行命令を受信した場合に、外部との通信接続を解除し、非通信モードに移行するモード制御手段を含み、
前記表示制御手段は、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素の表示を、前記ユーザからのモードを切り替える操作を受け付け不可能であることを示す状態に変更し、
前記操作受付手段は、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、
通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記状態が変更された前記入力画像要素に対する操作があった場合に、前記外部装置を前記非通信モードから前記通常モードに移行させる操作であって前記外部装置に対する操作を説明する画像を表示する、
通信システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の通信システムにおいて、
前記モード制御手段は、当該外部装置に対するユーザの操作に基づいて、前記携帯端末との通信接続を再開することにより通常モードに移行する、
通信システム。
【請求項4】
請求項3に記載の通信システムにおいて、
前記表示制御手段は、前記外部装置が非通信モードから通常モードに移行し前記外部装置との通信接続が再開された場合に、前記入力画像要素の表示を、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付け可能であることを示す状態に復帰させる、
通信システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の通信システムにおいて、
前記モード制御手段は、当該外部装置に対するユーザの操作に基づいて、外部との通信接続の再開を試行する遷移モードに移行させ、前記通信接続が再開された場合に前記遷移モードから前記通常モードに移行させ、所定の期間が経過しても前記通信接続が再開されない場合に、前記遷移モードから前記非通信モードに戻る、
通信システム。
【請求項6】
ユーザの操作であって外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段と、
前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段と、
前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段と、
を含み、
前記表示制御手段は、前記外部装置が前記移行命令を受け付けた場合に、前記入力画像要素を、前記ユーザの操作を受け付け不可能であることを示す態様に変更し、
前記操作受付手段は、前記移行命令が送信された後に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、
携帯端末。
【請求項7】
ユーザの操作であって外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段、
前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段、および
前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段、
としてコンピュータを機能させ、
前記表示制御手段は、前記外部装置が前記移行命令を受け付けた場合に、前記入力画像要素を、前記ユーザの操作を受け付け不可能であることを示す態様に変更し、
前記操作受付手段は、前記移行命令が送信された後に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、携帯端末およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末と近距離通信することが可能な腕時計端末が存在する。例えば航空機に搭乗する際には、携帯端末および腕時計端末の双方のモードを、電波の送信を停止するフライトモードに切り替える。
【0003】
特許文献1には、携帯電話が送受信禁止モードに切り替える前に、腕時計へ送受信禁止モード移行情報を送信することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
携帯端末から腕時計端末のモードを通常モードと非通信モードとの切り替えに関する操作をユーザが把握することは難しい。例えば、携帯端末と腕時計端末との通信といった制約により、携帯端末から腕時計を非通信モードに切り替えることはできても、その後に携帯端末から腕時計のモードを切り替えることはできない。一方でこういった操作の制約をユーザが直観的に理解することは難しい。
【0006】
本発明は上記課題を鑑みてなされたものであって、その目的は、互いに近距離通信する携帯端末および外部端末において、電波の送信の停止に関する操作の負担を軽減する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明にかかる技術は下記記載の構成を採用する。
【0008】
(1)携帯端末と外部装置とを含み、前記携帯端末は、ユーザの操作であって前記外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段と、前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段と、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段と、を含み、前記外部装置は、前記移行命令を受信した場合に、外部との通信接続を解除し、非通信モードに移行するモード制御手段を含み、前記表示制御手段は、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素の表示を、前記ユーザからのモードを切り替える操作を受け付け不可能であることを示す状態に変更し、前記操作受付手段は、前記命令手段が前記外部装置に前記移行命令を送信した場合に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、通信システム。
【0009】
(2)(1)において、前記表示制御手段は、前記状態が変更された前記入力画像要素に対する操作があった場合に、前記外部装置を前記非通信モードから前記通常モードに移行させる操作であって前記外部装置に対する操作を説明する画像を表示する、通信システム。
【0010】
(3)(1)または(2)において、前記モード制御手段は、当該外部装置に対するユーザの操作に基づいて、前記携帯端末との通信接続を再開することにより通常モードに移行する、通信システム。
【0011】
(4)(3)において、前記表示制御手段は、前記外部装置が非通信モードから通常モードに移行し前記外部装置との通信接続が再開された場合に、前記入力画像要素の表示を、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付け可能であることを示す状態に復帰させる、通信システム。
【0012】
(5)(3)または(4)において、前記モード制御手段は、当該外部装置に対するユーザの操作に基づいて、外部との通信接続の再開を試行する遷移モードに移行させ、前記通信接続が再開された場合に前記遷移モードから前記通常モードに移行させ、所定の期間が経過しても前記通信接続が再開されない場合に、前記遷移モードから前記非通信モードに戻る、通信システム。
【0013】
(6)ユーザの操作であって外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段と、前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段と、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段と、を含み、前記表示制御手段は、前記外部装置が前記移行命令を受け付けた場合に、前記入力画像要素を、前記ユーザの操作を受け付け不可能であることを示す態様に変更し、前記操作受付手段は、前記移行命令が送信された後に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、携帯端末。
【0014】
(7)ユーザの操作であって外部装置の通常モードから非通信モードへの切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を表示させる表示制御手段、前記入力画像要素に対する、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付ける操作受付手段、および、前記非通信モードへの切り替えを指示する前記操作を受け付けた場合に、前記外部装置に対して非通信モードへ移行させる移行命令を送信する命令手段、としてコンピュータを機能させ、前記表示制御手段は、前記外部装置が前記移行命令を受け付けた場合に、前記入力画像要素を、前記ユーザの操作を受け付け不可能であることを示す態様に変更し、前記操作受付手段は、前記移行命令が送信された後に、前記入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない、プログラム。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、互いに近距離通信する携帯端末および外部端末において、電波の送信の停止に関する操作の負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明の実施形態にかかる通信システムのハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】通信システムが実現する機能を示すブロック図である。
【
図3】スマートフォンの処理の一例を示すフローチャートである。
【
図5】移行命令の送信後の設定画面の一例を示す図である。
【
図6】モード切替スイッチが操作された際に表示される画面の一例を示す図である。
【
図7】移行命令を受信した腕時計の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図8】フライトモードを解除する操作が行われる際の腕時計の処理の一例を示すフローチャートである。
【
図9】フライトモードを解除する操作が行われる際のスマートフォンの処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面とともに本発明の実施の形態について詳述する。
【0018】
図1は、本発明の実施形態にかかる通信システムのハードウェア構成の一例を示す図である。通信システムは、スマートフォン1と腕時計2とを含む。スマートフォン1は、プロセッサ11、ストレージ12、表示パネル14、入力デバイス15、モバイル通信部131、無線LAN通信部132、近距離通信部133を含む。スマートフォン1は携帯端末の一種であり、タブレットのような可搬性のある他の種類の端末であってもよい。
【0019】
プロセッサ11は、ストレージ12に格納されているプログラムの実行命令に従って動作する。またプロセッサ11は表示パネル14、入力デバイス15、モバイル通信部131、無線LAN通信部132、近距離通信部133を制御する。なお、上記プログラムの実行命令は、インターネット等を介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリのようなコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納されて提供されるものであってもよい。
【0020】
ストレージ12は、DRAMやフラッシュメモリのようなメモリ素子によって構成されている。ストレージ12は、上記プログラムの実行命令を格納する。また、ストレージ12は、プロセッサ11や入力デバイス15等から入力される情報や演算結果を格納する。ストレージ12はハードディスクのような記憶装置を含んでもよい。
【0021】
表示パネル14は、画像を表示する表示装置の一種であり、例えば液晶表示パネルまたは有機EL表示パネルを含む。表示パネル14は図示しない表示コントローラまたはGPU(Graphic Processing Unit)と接続され、プロセッサ11の指示に基づいて画像を表示する。
【0022】
入力デバイス15は、例えば、タッチパネル、マイク、カメラのうち少なくとも一部を含む。入力デバイス15は、USBインタフェースを実現するコネクタおよび集積回路といった入出力インタフェースを含んでよい。入出力インタフェースを介して、キーボード、マウス等の外部の入力デバイスがスマートフォン1に接続されてもよい。なお、スマートフォン1は図示しないスピーカを含んでよい。
【0023】
モバイル通信部131、無線LAN通信部132、近距離通信部133はそれぞれ外部の装置との無線通信を実現する送受信回路およびアンテナを含む。モバイル通信部131は移動体通信ネットワークを介して通信する。無線LAN通信部132は無線LANの規格にしたがって外部の装置と通信する。近距離通信部133は、例えばBluetooth(登録商標)のような通信規格にしたがって、スマートフォン1の近くに配置される外部の装置と通信する。モバイル通信部131、無線LAN通信部132、近距離通信部133はプロセッサ11の制御に基づいて、他の装置から受信した情報をプロセッサ11やストレージ12に入力し、他の装置へ情報を送信する。
【0024】
腕時計2は、マイコン21と、近距離通信部233と、表示部24と、運針モーター241と、操作部材25と、電池29とを含む。
【0025】
マイコン21はプロセッサ、メモリ、リアルタイムクロック211を含み、メモリに格納されたプログラムを実行し、操作部材25等から情報を入力し、運針モーター241や近距離通信部233などを制御する。リアルタイムクロック211は内部時刻を計時する。表示部24は指針であり、輪列を介して運針モーター241により駆動される。表示部24は液晶などの表示パネルであってもよい。操作部材25は、ボタンを含む。電池29はソーラーセルに光が当たることにより発生する電力、または外部より供給される電力を蓄え、マイコン21を含む各部品に電力を供給する。
【0026】
本実施形態では、腕時計2の状態として、通常モードとフライトモードとが存在する。通常モードは例えばスマートフォン1などの外部の装置との通信が可能なモードであり、フライトモードは外部の装置との通信を行わない非通信モードの一例である。フライトモードは、飛行機への搭乗時や、医療機関への滞在時など、主に電波の送信による影響が懸念される状況において利用される。
【0027】
ユーザは、腕時計2を通常モードからフライトモードへ切り替える際に、スマートフォン1を操作する。一方、フライトモードでは腕時計2は電波の送受信を行わないため、腕時計2をフライトモードから通常モードへ切り替えは、腕時計2そのものに対する操作により行われる。この操作に関する構成について以下で説明する。
【0028】
図2は、通信システムが実現する機能を示すブロック図である。通信システムは、機能的に、設定画面制御部51、操作受付部52、時計設定部53、モード制御部56、通知部59を含む。設定画面制御部51、操作受付部52、時計設定部53は、それぞれ、スマートフォン1のストレージ12に格納されるその機能に応じたプログラムをプロセッサ11が実行し、プロセッサ11が必要に応じて表示パネル14、入力デバイス15、近距離通信部133のうちいずれかを制御することにより実現される。
【0029】
設定画面制御部51は、スマートフォン1の表示デバイスに設定画面を表示させる。設定画面は、ユーザによる、通常モードからフライトモードへの腕時計2のモード切り替えを指示する操作の対象となる入力画像要素を含む。入力画像要素は、具体的にはトグルスイッチ、トグルボタン、チェックボックス、ラジオボタンのうちいずれかであってよい。また、設定画面制御部51は、モード切り替えを指示する操作がされた際に、誤操作防止のための確認画面を出力してもよい。
【0030】
操作受付部52は、入力デバイス15を介して、ユーザからの、入力画像要素に対する、フライトモードへの切り替えを指示する操作を受け付ける。操作受付部52は、腕時計2に対してフライトモードへの移行命令が送信された場合に、入力画像要素へのモードの切り替えに関する操作を受け付けない。
【0031】
時計設定部53は、フライトモードへの腕時計のモード切り替えを指示する操作を受け付けた場合に、腕時計2に対してフライトモードへ移行させる移行命令を送信する。
【0032】
なお、設定画面制御部51は、腕時計2にフライトモードへの移行命令が送信された場合に、入力画像要素の表示を、ユーザの操作を受け付け不可能であることを示す状態に変更する。設定画面制御部51は、状態が変更された入力画像要素に対する操作があった場合に、腕時計2をフライトモードから通常モードに移行させる操作であって腕時計2に対する操作を説明する画像を表示デバイスに表示させる。設定画面制御部51は腕時計2がフライトモードから通常モードに移行し、スマートフォン1と腕時計2との通信接続が再開された場合に、入力画像要素の表示を、フライトモードへの切り替えを指示する前記操作を受け付け可能であることを示す状態に復帰させる。
【0033】
モード制御部56、通知部59は、それぞれ、腕時計2のマイコン21内のメモリに格納されるその機能に応じたプログラムをマイコン21内のプロセッサが実行し各部を制御することにより実現される。
【0034】
モード制御部56は、フライトモードへ移行させる移行命令を受信した場合に、スマートフォン1との通信接続を解除し、フライトモードに移行する。
【0035】
モード制御部56は、腕時計2に対するユーザの操作に基づいて、スマートフォン1との通信接続を再開することにより通常モードに移行する。より具体的には、モード制御部56は、腕時計2に対するユーザの操作部材25の操作に基づいて、スマートフォン1との通信接続の再開を試行する遷移モードに移行させ、通信接続が再開された場合に遷移モードから通常モードに移行し、所定の期間が経過しても通信接続が再開されない場合に、遷移モードからフライトモードに戻る。
【0036】
通知部59は、スマートフォン1のシステムから送信される通知情報を受信し、通知情報に基づいて表示部24などに情報を表示させる。
【0037】
次に、スマートフォン1および腕時計2の処理について説明する。
図3は、スマートフォン1の処理の一例を示すフローチャートである。
図3には、主に、スマートフォン1において腕時計2の設定をする際の処理が示されており、ユーザにより設定画面に遷移させる何らかの操作が行われると
図3に示される処理が開始される。
【0038】
はじめに、設定画面制御部51は、モード切替スイッチ72を含む設定画面を表示デバイスに表示させる(ステップS111)。
図4は、設定画面の一例を示す図である。
図4は腕時計2の現在の状態が通常モードである場合の表示の例を示している。
図4に示される設定画面には、状態表示領域71とモード切替スイッチ72とインフォメーションアイコン73とが配置されている。インフォメーションアイコン73は説明を表示させるためのアイコンである。状態表示領域71は、現在のモード(
図4の「通常モード」参照)を含む現在の情報を表示する領域でありこれも一種のインフォメーションアイコンとして機能してよい。モード切替スイッチ72は例えばトグルスイッチであり、通常モードからフライトモードへの切り替えの指示を受け付ける入力画像要素である。
図4の例ではモード切替スイッチ72はフライトモードのONを指定するためのスイッチであり、OFFの状態になっている。モード切替スイッチ72として、ボタンなどの他の種類のUI要素が用いられてもよい。
【0039】
そして、操作受付部52はユーザの操作を受け付ける(ステップS112)。操作受付部52は、ユーザの入力として、例えば、設定画面が表示された状態におけるタッチパネルへの操作を示す情報(例えばタッチされた座標またはタッチされた領域に存在するUIの要素の種類)を取得してよい。
【0040】
操作受付部52は、受け付けた操作がモード切替スイッチ72に対するものか判定する(ステップS113)。受け付けた入力がモード切替スイッチ72に対するものでない場合には(ステップS113のN)、操作受付部52はその操作の種類に応じた処理を実行する(ステップS114)。
【0041】
一方、受け付けた操作がモード切替スイッチ72に対するものである場合には(ステップS113のY)、操作受付部52は、モード切替スイッチ72が切替可能状態であるか否か、操作がフライトモードへの移行指示であるかを判定する(ステップS115)。詳細は後述するが、腕時計2がフライトモードである場合にはモード切替スイッチ72が切替不可状態であるので、モード切替スイッチ72に対する操作の種類は、具体的には、腕時計2に対する通常モードからフライトモードへの切り替えの指示の操作、腕時計2がフライトモードの場合におけるモード切替スイッチ72への何らかの操作(例えばモード切替スイッチ72へのタッチまたはクリック)を含む。前者はモードの切り替えの操作であり、例えばトグルスイッチを切り替える操作、他の種類のボタンをタッチなどにより押下する操作であってよい。
【0042】
モード切替スイッチ72が切替可能状態であり、操作がフライトモードへの移行指示である場合には(ステップS115のY)、時計設定部53は、腕時計2に対して、腕時計2をフライトモードへ移行させる命令を含む移行命令を送信する(ステップS116)。具体的には、時計設定部53は、近距離通信部133に、腕時計2に向けて移行命令を送信させる。
【0043】
移行命令が送信されると、設定画面制御部51は、モード切替スイッチ72を、切替不可状態に変更する(ステップS117)。より具体的には、設定画面制御部51は、移行命令を送信し、その後、腕時計2との通信接続が切断された場合、または、腕時計2から移行命令を受け付けた旨の情報を受信した場合に、モード切替スイッチ72を、切替不可状態に変更してよい。
【0044】
図5は、移行命令の送信後の設定画面の一例を示す図である。
図5の例ではモード切替スイッチ72はONの状態になっており、状態表示領域71にはフライトモードになり通信をしなくなったことを示す「フライトモード」が表示されている。
【0045】
ステップS115において、モード切替スイッチ72が切替可能状態でない(切替不可能状態である)場合には(ステップS115のN)、操作受付部52はその操作をモード切り替えの操作としては受け付けず(ステップS118)、設定画面制御部51は、表示デバイスに、腕時計2に対する、通常モードへの移行操作の説明を表示させる(ステップS119)。
【0046】
図6は、モード切替スイッチ72が操作された際に表示される画面の一例を示す図である。この画面では、腕時計2に対する、通常モードへの移行操作の説明が表示されている。
図6の例では、腕時計2の操作手順が静止画により表示されているが、操作手順が動画により表示されてもよい。
【0047】
なお、ステップS114において、受け付けた操作が状態表示領域71のタッチでありかつモード切替スイッチ72が切替不可能状態である場合に、設定画面制御部51は、表示デバイスに、腕時計2に対する、通常モードへの移行操作の説明(ステップS119と同様)を表示させる。ここで、設定画面制御部51は、状態表示領域71のタッチされた場合に、通常モードと、フライトモードとで互いに異なる表示内容を出力させてもよい。設定画面制御部51は、例えば、通常モードの場合には、そのモードに置いて可能な操作の説明および航空法により機内で通常モードで使用することが禁止されている旨を表示させ、フライトモードの場合にはフライトモードの解除方法(通常モードへの移行操作)を表示させてよい。さらに、ステップS114において、受け付けた操作がインフォメーションアイコン73のタッチでありかつモード切替スイッチ72が切替不可能状態である場合に、設定画面制御部51は、状態表示領域71のタッチの際と同様に表示デバイスに腕時計2に対する、通常モードへの移行操作の説明を表示させてよい。
【0048】
図7は、フライトモードへの移行命令を受信した腕時計2の処理の一例を示すフローチャートである。
図7に示される処理は、スマートフォン1がステップS116の処理が実行され、腕時計2の近距離通信部233が移行命令を含む情報を受信した場合に実行される。
【0049】
はじめに、モード制御部56は、受信されたフライトモードへの移行命令を取得する(ステップS211)。モード制御部56は移行命令に含まれる内容や送信元が適正であるか確認してもよい。モード制御部56は、移行命令を受信したことを示す情報を、近距離通信部233にスマートフォン1に向けて送信させてもよい。
【0050】
モード制御部56は、フライトモードへの移行命令が取得されると、近距離通信部233における外部との通信接続を切断し、フライトモードに移行する(ステップS212)。
【0051】
次に、腕時計2をフライトモードから通常モードに戻す際の処理について説明する。
図8は、フライトモードを解除する操作が行われる際の腕時計2の処理の一例を示すフローチャートである。
【0052】
はじめに、モード制御部56は、ユーザからの操作を待機する(ステップS221)。この操作は、物理的なボタンや竜頭のような操作部材25に対する操作であってよい。モード制御部56はユーザからの操作があると、ユーザの操作がフライトモードから通常モードへの切り替えの指示か判定する(ステップS222)。その操作がフライトモードから通常モードへの切り替えの指示でない場合には(ステップS222のN)、モード制御部56は操作に応じた処理を実行する(ステップS223)。
【0053】
一方、ユーザの操作がフライトモードから通常モードへの切り替えの指示である場合には(ステップS222のY)、モード制御部56はスマートフォン1との通信接続の再開を試行する遷移モードに移行する(ステップS224)。遷移モードにおいては、モード制御部56の制御に基づいて、近距離通信部233は電波の送受信を開始し、例えばアドバタイズを送信するといったスマートフォン1との通信接続を確立する動作を実行する。
【0054】
モード制御部56は、通信の接続状況を監視し、試行期間(例えば30s)内に通信接続が再開されたか判定する(ステップS225)。試行期間内に通信接続が再開された場合には(ステップS225のY)、モード制御部56は腕時計2を通常モードに移行し、スマートフォン1とのデータの送受信を再開する(ステップS226)。一方、試行期間(例えば30s)内に通信接続が再開されない場合には(ステップS225のN)、モード制御部56は通信接続の試行を終了させ、電波の送信を停止し、フライトモードに復帰させる(ステップS227)。
【0055】
図9は、フライトモードを解除する操作が行われる際のスマートフォン1の処理の一例を示すフローチャートである。
図9に示される処理は、フライトモードへ移行させる移行命令が送信された(ステップS116)、または、モード切替スイッチ72が切替不可状態に変更された(ステップS117)場合に実行される。
【0056】
はじめに設定画面制御部51は、腕時計2との通信の接続状況を取得し(ステップS161)、腕時計2との通信接続が再開したか判定する(ステップS162)。腕時計2との通信接続が再開した場合には(ステップS162のY)、設定画面制御部51はモード切替スイッチを切り替え可能状態に変更する(ステップS163)。一方、腕時計2との通信接続が再開しない場合には(ステップS162のN)、ステップS161から繰り返す。なお、ステップS161,S162は、設定画面制御部51が通信の接続の再開まで待機する処理の一例である。例えば接続の再開時にステップS163が実行されるようにスマートフォン1のシステムプログラムを設定してもよい。
【0057】
なお、設定画面制御部51はユーザの操作により、腕時計2がフライトモードから復帰することを認めるか否かを設定してもよい。この場合、腕時計2との通信接続が再開した場合(ステップS162のY)に、設定画面制御部51はさらにフライトモードから復帰することを認める設定がされているか判定する。そして、フライトモードから復帰することを認める設定がされていない場合に、設定画面制御部51は腕時計2へフライトモードへの復帰が不可能なことを示す情報を送信する。一方、フライトモードから復帰することを認める設定がされている場合に、ステップS163が実行される。この場合、
図8のステップS225において、通信接続が再開しない場合だけでなく、通信接続が再開してもスマートフォン1の設定がフライトモードからの復帰を許可しておらずフライトモードへの復帰が不可能なことを示す情報を受信した場合にも、モード制御部56は腕時計2をフライトモードへ復帰させる。
【0058】
腕時計2は運針モーターの他にディスプレーが追加されたコンビネーションクォーツでもよい。この場合であっても、スマートフォン1側で本実施形態に示す動作をし、時計側の状態を含めて管理することでユーザの混乱を最小限に抑えることができる。腕時計2にあるディスプレーにフライトモードからの解除方法を表示することは可能であるものの、スマートフォン1のOS側で通信不可能に設定されるまたは所定のアプリが起動していない場合に、単なる腕時計2の操作では接続が確立できず通常モードに移行できない可能性がある。なお、腕時計2のディスプレーに表示させる場合、腕時計2の内部メモリに表示内容を記憶する必要があるため、メモリ使用量が増大し負担となる可能性がある。
【0059】
なお、本発明の各実施形態で示した構成図等は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、任意に変更することができる。
【符号の説明】
【0060】
1 スマートフォン、2 腕時計、11 プロセッサ、12 ストレージ、131 モバイル通信部、132 無線LAN通信部、133 近距離通信部、14 表示パネル、15 入力デバイス、21 マイコン、211 リアルタイムクロック、233 近距離通信部、24 表示部、241 運針モーター、25 操作部材、29 電池、51 設定画面制御部、52 操作受付部、53 時計設定部、56 モード制御部、59 通知部、71 状態表示領域、72 モード切替スイッチ、73 インフォメーションアイコン。