(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086456
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】ドライアイスの取り出し装置
(51)【国際特許分類】
A47F 10/00 20060101AFI20230615BHJP
B65B 1/10 20060101ALI20230615BHJP
B65B 1/36 20060101ALI20230615BHJP
C01B 32/55 20170101ALI20230615BHJP
F25C 5/18 20180101ALN20230615BHJP
F25C 5/20 20180101ALN20230615BHJP
【FI】
A47F10/00
B65B1/10 A
B65B1/36
C01B32/55
F25C5/18 311
F25C5/20 302Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021200984
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000158312
【氏名又は名称】岩谷産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097102
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 敬夫
(74)【代理人】
【識別番号】100098796
【弁理士】
【氏名又は名称】新井 全
(74)【代理人】
【識別番号】100121647
【弁理士】
【氏名又は名称】野口 和孝
(74)【代理人】
【識別番号】100187377
【弁理士】
【氏名又は名称】芳野 理之
(72)【発明者】
【氏名】粟江 正治
【テーマコード(参考)】
3E118
4G146
【Fターム(参考)】
3E118AA01
3E118AB08
3E118AB20
3E118BB03
3E118BB06
3E118BB12
3E118BB20
3E118DA01
3E118DA05
3E118EA01
4G146JA03
4G146LA10
(57)【要約】
【課題】休止後に再稼働する際に、ドライアイスを確実に取り出すことができるドライアイスの取り出し装置を提供すること。
【解決手段】ドライアイスの取り出し装置1は、ドライアイスを収容するドライアイス収容部10と、ドライアイス収容部10の内底部に配置され回転することにより、ドライアイス収容部10の内部のドライアイスを一定量ずつ計量して取り出す回転式計量部5と、一定量のドライアイスを受けるドライアイス取り出し容器7を収容する容器収容部33と、回転式計量部5へ温風を供給する温風供給部70と、を備える。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ドライアイスを収容して一定量の前記ドライアイスを取り出すドライアイスの取り出し装置であって、
前記ドライアイスを収容するドライアイス収容部と、
前記ドライアイス収容部の内底部に配置され回転することにより、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを前記一定量ずつ計量して取り出す回転式計量部と、
前記一定量の前記ドライアイスを受けるドライアイス取り出し容器を収容する容器収容部と、
前記回転式計量部へ温風を供給する温風供給部と、
を備えたことを特徴とするドライアイスの取り出し装置。
【請求項2】
前記温風供給部は、
熱を発生するヒータと、
前記ヒータにより発生する前記熱を前記温風として前記回転式計量部に供給する電動ファンと、
を有することを特徴とする請求項1に記載のドライアイスの取り出し装置。
【請求項3】
前記温風供給部は、前記温風を斜め上方に向けて送り出し前記回転式計量部へ供給することを特徴とする請求項2に記載のドライアイスの取り出し装置。
【請求項4】
前記回転式計量部は、
前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを導入するドライアイス導入口を有する第1部材と、
ドライアイス計量孔を有し、前記ドライアイス導入口に導入された前記ドライアイスを前記ドライアイス計量孔に入れて前記一定量の前記ドライアイスを計量する回転体と、
ドライアイス導出口を有し、前記回転体の回転により前記ドライアイス計量孔の位置が前記ドライアイス導出口の位置と合致したときに前記ドライアイス計量孔で計量した前記一定量の前記ドライアイスを前記ドライアイス導出口から取り出して、前記ドライアイス取り出し容器に供給する第2部材と、
を有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のドライアイスの取り出し装置。
【請求項5】
前記ドライアイス収容部に設けられ、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌して前記ドライアイスを前記ドライアイス導入口に入れる攪拌具さらに備え、
前記攪拌具が前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌していない時間が一定時間を経過すると、前記攪拌具は、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌することを特徴とする請求項4に記載のドライアイスの取り出し装置。
【請求項6】
前記ドライアイス収容部の前記内底部は、傾斜して形成されており、前記ドライアイス収容部の内部の水分を案内して排出させる傾斜案内部分を有することを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載のドライアイスの取り出し装置。
【請求項7】
前記ドライアイス収容部を開閉可能な蓋体をさらに備え、
前記温風供給部は、前記蓋体が開いた状態かつ前記ドライアイス取り出し容器が前記容器収容部から除去された状態であるときに、前記回転式計量部へ前記温風を供給することを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載のドライアイスの取り出し装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば粒状のドライアイス等のドライアイスを一定量ずつ取り出すためのドライアイスの取り出し装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般小売商店等の小規模な販売店、スーパーマーケットや百貨店等の大規模な販売店では、冷凍食品、氷菓、ケーキ等を購入すると、保冷剤としてドライアイスが購入者に手渡される。ドライアイスとしては、必要量が容易に得られ、安全上の観点や取扱いの容易さ等の利便性から、例えば円筒ペレット状等の粒状ドライアイスが多用されている。
【0003】
上述した販売店の内で特に大規模な販売店では、一定量の粒状ドライアイスを簡単な操作で正確に計量して取り出すことができるドライアイスの取り出し装置が用いられている。この種のドライアイスの取り出し装置は、相当量の粒状ドライアイスを保管でき、衛生的であり、ドライアイスの昇華によるロスを少なくして経済的で、計量管理を十分に行え、一定量の粒状ドライアイスの取り出しを簡単な操作で正確にできる。
【0004】
特許文献1には、粒状ドライアイスの定量取り出し装置が開示されている。この粒状ドライアイスの定量取り出し装置は、断熱構造の粒状ドライアイス収容部を有している。粒状ドライアイスが粒状ドライアイス収容部に収容された状態で、回転式の枡体のドライアイス計量孔の位置が回転すると、一定量の粒状ドライアイスがドライアイス計量孔に入って収容される。そして、回転式の枡体のドライアイス計量孔の位置が回転することにより、ドライアイス計量孔の位置がドライアイス導出口の位置に合致すると、ドライアイス計量孔の容積で計量した一定量の粒状ドライアイスは、ドライアイス導出口を経て粒状ドライアイス収容部内から取り出される。
【0005】
しかし、上述した粒状ドライアイスの定量取り出し装置では、粒状ドライアイスが粒状ドライアイス収容部内に収容されると、大気とともに水蒸気が粒状ドライアイス収容部内に入り込む。販売店において、営業時間外の時間では、粒状ドライアイスが粒状ドライアイス収容部に残らないように粒状ドライアイス収容部から取り除かれる。一方で、粒状ドライアイスが粒状ドライアイス収容部から取り除かれた後であっても、粒状ドライアイス収容部内の温度が外気温度よりも低く、水分は蒸発せずに粒状ドライアイス収容部に残ってしまう。
【0006】
このため、粒状ドライアイスの定量取り出し装置の休止後、次の営業時間に粒状ドライアイスの定量取り出し装置を再稼働する際に、粒状ドライアイスが粒状ドライアイス収容部内に再度投入されると、粒状ドライアイス収容部に残っている水分が、粒状ドライアイスによる冷却のために再凍結する場合がある。水分が再凍結すると、枡体がハウジング等に固着し回転できなくなるので、ドライアイス計量孔の位置とドライアイス導出口の位置とを合わせることができない。このように、特許文献1に記載された粒状ドライアイスの定量取り出し装置では、休止後に再稼働すると、一定量の粒状ドライアイスを取り出すことができない場合があるという点において、改善の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、休止後に再稼働する際に、ドライアイスを確実に取り出すことができるドライアイスの取り出し装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題は、ドライアイスを収容して一定量の前記ドライアイスを取り出すドライアイスの取り出し装置であって、前記ドライアイスを収容するドライアイス収容部と、前記ドライアイス収容部の内底部に配置され回転することにより、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを前記一定量ずつ計量して取り出す回転式計量部と、前記一定量の前記ドライアイスを受けるドライアイス取り出し容器を収容する容器収容部と、前記回転式計量部へ温風を供給する温風供給部と、を備えたことを特徴とする本発明に係るドライアイスの取り出し装置により解決される。
【0010】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、温風供給部が回転式計量部へ温風を供給することで回転式計量部を温めて乾燥し水分を除去でき、回転式計量部とドライアイス収容部内は、温風により温められ乾燥して水分が残らないようにすることができる。このため、ドライアイスの取り出し装置を休止後に再稼働する際に、ドライアイスをドライアイス収容部に投入して収容しても、水分の再凍結がなく回転式計量部が動かなくなるのを防ぐことができる。従って、業務時間外の時間となってドライアイスの取り出し装置を休止した後に、次の業務時間となってドライアイスの取り出し装置を再稼働する際に、回転式計量部は、一定量のドライアイスをドライアイス取り出し容器に確実に取り出すことができる。
【0011】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置において、好ましくは、前記温風供給部は、熱を発生するヒータと、前記ヒータにより発生する前記熱を前記温風として前記回転式計量部に供給する電動ファンと、を有することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、ドライアイスの取り出し装置を休止時に、温風供給部のヒータが発生する熱を、電動ファンが回転式計量部へ送ることができ、回転式計量部が水分により凍結してしまうのを確実に防ぐことができる。
【0012】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置において、好ましくは、前記温風供給部は、前記温風を斜め上方に向けて送り出し前記回転式計量部へ供給することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、温風供給部は温風を斜め上方に向けて回転式計量部へ送ることができるので、温風供給部は、ドライアイスの取り出し装置を休止する際にドライアイス収容部に残っているドライアイスを落下させて排出させる経路を避けて配置される。このため、温風供給部を設けても、ドライアイスを排出させる操作の妨げにならない。
【0013】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置において、好ましくは、前記回転式計量部は、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを導入するドライアイス導入口を有する第1部材と、ドライアイス計量孔を有し、前記ドライアイス導入口に導入された前記ドライアイスを前記ドライアイス計量孔に入れて前記一定量の前記ドライアイスを計量する回転体と、ドライアイス導出口を有し、前記回転体の回転により前記ドライアイス計量孔の位置が前記ドライアイス導出口の位置と合致したときに前記ドライアイス計量孔で計量した前記一定量の前記ドライアイスを前記ドライアイス導出口から取り出して、前記ドライアイス取り出し容器に供給する第2部材と、を有することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、第1部材のドライアイス導入口にドライアイスを導入して、ドライアイス導入孔から回転体のドライアイス計量孔にドライアイスを入れることでドライアイス計量孔において一定量のドライアイスを計量し、そして一定量のドライアイスを第2部材のドライアイス導出口からドライアイス取り出し容器に供給する。これにより、回転体を回転すれば一定量のドライアイスをドライアイス取り出し容器に確実に取り出すことができる。
【0014】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置は、好ましくは、前記ドライアイス収容部に設けられ、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌して前記ドライアイスを前記ドライアイス導入口に入れる攪拌具さらに備え、前記攪拌具が前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌していない時間が一定時間を経過すると、前記攪拌具は、前記ドライアイス収容部の内部の前記ドライアイスを攪拌することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、ドライアイスの取り出し動作が行われず、攪拌具がドライアイス収容部内のドライアイスを一定時間たっても攪拌していない場合には、攪拌具はドライアイス収容部内のドライアイスを攪拌する。これにより、ドライアイス収容部内でドライアイスが塊を作ってしまうのを防ぐことができるので、回転式計量部は、一定量のドライアイスを確実に取り出すことができる。
【0015】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置において、好ましくは、前記ドライアイス収容部の前記内底部は、傾斜して形成されており、前記ドライアイス収容部の内部の水分を案内して排出させる傾斜案内部分を有することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、ドライアイスの取り出し装置の休止時に、ドライアイス収容部内に残存している水分は、ドライアイス収容部の内底部および傾斜案内部分に沿って案内されて流れることができる。そのため、水分がドライアイス収容部内に残存することを抑えることができ、ドライアイスの取り出し装置を休止後に再稼働する際に、水分の再凍結が生ずることを抑えることができる。
【0016】
本発明に係るドライアイスの取り出し装置は、好ましくは、前記ドライアイス収容部を開閉可能な蓋体をさらに備え、前記温風供給部は、前記蓋体が開いた状態かつ前記ドライアイス取り出し容器が前記容器収容部から除去された状態であるときに、前記回転式計量部へ前記温風を供給することを特徴とする。
本発明に係るドライアイスの取り出し装置によれば、蓋体が開いた状態で、しかもドライアイス取り出し容器が容器収容部から除去された状態であれば、温風供給部は温風を回転式計量部に供給する。このため、回転式計量部とドライアイス収容部内は、温風により温められ乾燥して水分が残らないようにすることができ、ドライアイスの取り出し装置を休止後に再稼働する際に、ドライアイスをドライアイス収容部に収容しても水分の再凍結がなく回転式計量部が動かなくなるのを防いで、一定量のドライアイスを確実に取り出すことができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、休止後に再稼働する際に、ドライアイスを確実に取り出すことができるドライアイスの取り出し装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係るドライアイスの取り出し装置を示す斜視図である。
【
図2】
図1に示すドライアイスの取り出し装置の正面図である。
【
図3】
図2に示すドライアイスの取り出し装置のA-A線における断面図である。
【
図4】
図1に示すドライアイスの取り出し装置のB-B線における断面図である。
【
図7】回転式計量部の回転体の構造を下から見た斜視図である。
【
図8】ドライアイスの取り出し装置の詳しい構造例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照して詳しく説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0020】
(ドライアイスの取り出し装置1の全体構成例)
図1は、本発明の実施形態に係るドライアイスの取り出し装置を示す斜視図である。
図2は、
図1に示すドライアイスの取り出し装置の正面図である。
図3は、
図2に示すドライアイスの取り出し装置のA-A線における断面図である。
図4は、
図1に示すドライアイスの取り出し装置のB-B線における断面図である。
【0021】
図1と
図2に示すドライアイスの取り出し装置1は、収容している例えば粒状トライアイス(ビーズドライアイス)、例えば円筒状や円柱状の粒状ドライアイスを一定量ずつ取り出す装置である。ドライアイスの取り出し装置1は、立形の箱状のケーシング2を有する。このケーシング2は、底部の四隅位置に設けられたキャスタ3と、蓋体4とを有する。
図2に示すように、ケーシング2の上面は、円形状あるいは長方形状の開口部4Pを有している。蓋体4は、開口部4Pを開閉可能に密閉しており、例えば複数のエアダンパのような留め具4Rを用いて、側面部2Sに対して固定することで、開口部4Pを気密に閉じることができる。
【0022】
図1と
図2に示すように、ケーシング2の前面パネル2Pには、表示灯29と、メダル投入口30と、メダル排出口32と、押しボタン29Rと、容器収容部33と、が設けられている。前面パネル2Pは、ケーシング2に対して回動自在に開くことで、作業者等はケーシング2の内部の点検等を行える。ケーシング2は、上段部2Aと、中段部2Bと、下段部2Cと、を有する。
図3と
図4は、ケーシング2の上段部2Aと中段部2Bと下段部2Cにおける内部構造例を示している。
図1に示すように、側面部2Sには、メインスイッチ2Hが設けられている。
図4に示すように、中段部2Bには、金庫39が設けられている。金庫39は、メダル投入口30に投入されたメダルを溜めておく。
【0023】
<上段部2A>
図3と
図4に示すように、上段部2Aには、ドライアイス収容部10と、回転式計量部5と、が設けられている。ドライアイス収容部10は、例えば粒状ドライアイスを収容して保存するために、
図4に示す蓋体4とともに高断熱性を有する断熱構造の容器を構成している。ドライアイス収容部10の内壁材と外壁材には、ともにステンレス鋼板等の金属薄板が用いられ、内壁材と外壁材の間に断熱材が配置されている。蓋体4は、高断熱性を有する板材である。
【0024】
回転式計量部5は、ドライアイス収容部10の内底部において、底面に接するようにして配置されている。回転式計量部5は、回転動作をすることにより、ドライアイス収容部10内に収容されている粒状ドライアイスを、一定量ずつ計量して、ドライアイス収容部10内から中段部2B側に取り出す。回転式計量部5の構造例は、
図5と
図6に示している。
【0025】
図5は、回転式計量部を示す平面図である。
図6は、
図5に示す回転式計量部を示す分解斜視図である。
【0026】
図5と
図6を参照すると、回転式計量部5は、第1部材15と、回転体14と、第2部材13と、を有する。第1部材15は、
図3に示すドライアイス収容部10内に収容された粒状ドライアイスを載せる上面板である。第2部材13は、第1部材15とともに回転体14を収容しているハウジングである。
図5に示すように、回転式計量部5の第1部材15の上部には、攪拌具6が、第1部材15に近接してしかも回転可能に設けられている。第1部材15は、金属製の円盤状の板材であり、第2部材13の上部開口を塞ぐことにより、第2部材13と共に回転体14を回転可能に収容している。第1部材15は、扇型のドライアイス導入口17と、正方形状の孔21Hと、を有している。
図6に示すように、調整板22が第1部材15の上に取り付けられている。調整板22は、調整板22自体の位置を第1部材15の半径方向に沿って調整可能とされており、ドライアイス導入口17の開口面積を変更して、粒状ドライアイスがドライアイス導入口17内に導入できる量を調整する。
【0027】
第2部材13は、円形の下面13Aと、周囲面13Bと、円形の孔13Cと、を有する。円形の下面13Aには、ドライアイス導出口18が設けられている。回転体14が第2部材13内で回転することで、ドライアイス計量孔19の位置がドライアイス導入口17の位置と合致する。そうすると、回転体14は、ドライアイス収容部10内からドライアイス導入口17を通過した一定量の粒状ドライアイスをドライアイス計量孔19で受け取る。そして、回転体14が第2部材13内でさらに回転することで、ドライアイス計量孔19の位置がドライアイス導出口18の位置と合致する。そうすると、ドライアイス計量孔19で計量された一定量のドライアイスは、ドライアイス導出口18から
図3に示す中段部2Bに落下し、ドライアイス計量孔19から排出され、ドライアイス取り出し容器7に供給される。
【0028】
図7は、回転式計量部の回転体の構造を下から見た斜視図である。
図6と
図7に示す回転体14は、金属製の円盤状の部材であり、水掃き具24と、ガイド筒23と、ボス部14Aと、を有する。また、前述したように、回転体14は、ドライアイス計量孔19を有する。
図7に示すように、ボス部14Aは、正方形状の孔21Kを有する。回転体14は、第1部材15のドライアイス導入口17とドライアイス計量孔19との位置を合わせて、ドライアイス導入口17に導入されたドライアイスを入れて一定量のドライアイスを計量する。回転体14は、第2部材13と第1部材15との間に収容された状態で、矢印方向に回転可能になっている。ドライアイス計量孔19は、回転体14の上面14Cから下面14B側に貫通して形成されている。
【0029】
図7に示すように、ドライアイス計量孔19の回転方向前側には、補強滑り台26が設けられている。ドライアイス計量孔19の回転方向後側には、冷気塞ぎ具25が設けられている。補強滑り台26は、回転体14が回転中にガイド筒23の下端面が、第2部材13のドライアイス導出口18により削られてしまうのを抑制する。冷気塞ぎ具25は、回転体14が停止している際に、ドライアイス導出口18を覆って閉塞することで、冷気がドライアイス導出口18から漏れるのを防ぐ。水掃き具24が半径方向に設けられている。
図5に示す攪拌具6が回転して、ドライアイス導入口17を通じてドライアイス計量孔19に導入される直前の粒状ドライアイスの架橋を破壊することで、破壊されたドライアイスは、ドライアイス導入口17を通じてドライアイス計量孔19へスムーズに導入される。
【0030】
図5に示すドライアイス取り出し容器7は、ドライアイス計量孔19からドライアイス導出口18を通じて落下してくる一定量のドライアイスを収容する。そして、利用者等は、ドライアイス取り出し容器7を前面パネル2Pの容器収容部33から取り出すことができる。なお、容器収容部33は、シャッタ33Sにより開閉できる。
【0031】
<中段部2B>
次に、
図4と
図8を参照する。
図8は、ドライアイスの取り出し装置の詳しい構造例を示す断面図である。
図4に示すように、上段部2Aには、上述したように、回転式計量部5とドライアイス収容部10と攪拌具6とが設けられている。
図8に示すように、ドライアイス収容部10内の粒状ドライアイスは、攪拌具6で撹拌され、回転式計量部5のドライアイス導入口17を通じてドライアイス計量孔19へ入って一定量分計量される。そして、一定量のドライアイスは、ドライアイス計量孔19からガイド筒23とドライアイス導出口18を経て、ドライアイス収容部10の貫通孔10Pを経て、中段部2B側へ落下するようになっている。
【0032】
図8に示すように、中段部2Bは、容器収容部33と、駆動モータ8と、減速機8Rと、温風供給部70と、制御部100と、を有する。容器収容部33は、金属板で作られており、仕切り板2Qの下部に設けられている。容器収容部33は、上述したドライアイス取り出し容器7を出し入れ可能に収容できる収容スペースSPを有する。容器収容部33は、収容スペースSPを形成している本体部34と、ドライアイス供給案内部35と、ドライアイス落下案内孔36と、を有する。本体部34の収容スペースSPは、ドライアイス取り出し容器7を水平方向に沿って出し入れして完全に収容できる大きさを有している。
【0033】
ドライアイス供給案内部35は、本体部34の上部と仕切り板2Qとの間に形成されており、ドライアイス案内孔37を有する。ドライアイス案内孔37は、仕切り板2Qの孔2Nに対応した位置にある。ドライアイス落下案内孔36は、本体部34の下部に形成されており、ドライアイス案内孔37と対面した下部の位置にある。これにより、計量された一定量のドライアイスは、ドライアイス計量孔19からガイド筒23とドライアイス導出口18とを経て、ドライアイス収容部10の貫通孔10Pと孔2Nとドライアイス案内孔37とを経て、本体部34に配置されたドライアイス取り出し容器7内に供給される。
【0034】
図8に示す駆動モータ8と減速機8Rとは、仕切り板90の上に搭載されている。駆動モータ8の出力軸は、減速機8Rにより減速される。減速機8Rの出力軸8Pは、垂直方向の上向きに配置されている。出力軸8Pは、
図6に示す回転式計量部5の回転体14の孔21Kと第1部材15の孔21Hと攪拌具6とに連結されている。駆動モータ8が駆動すると、回転体14と第1部材15と攪拌具6とが
図5と
図6に示す矢印方向に回転する。
【0035】
図8に示す温風供給部70は、容器収容部33の本体部34の下部に設けられ、回転式計量部5とドライアイス収容部10とに温風を供給する。温風供給部70は、ヒータ71と、電動ファン72とを有している。制御部100は、駆動モータ8とヒータ71と電動ファン72との駆動制御を行う。ヒータ71は、制御部100の指令により発熱する。電動ファン72は、ヒータ71により発生する熱を利用して温風Wを形成して、温風Wを回転式計量部5に送る。温風供給部70は、回転式計量部5へ温風をスムーズに供給できるようにするために、本体部34の垂直方向Zに対して設定角度θだけ傾斜して設けられている。設定角度θは、例えば約50度以上、75度以下程度である。
【0036】
しかも、温風供給部70は、本体部34の垂直方向Zに対して設定角度θだけ傾斜して設けられていることにより、ドライアイス収容部10内に残ったドライアイスをドライアイス回収箱92に落下させて回収する際に、回収するドライアイスが落下する落下経路であるドライアイス案内孔37とドライアイス落下案内孔36とを避けて配置される。これにより、温風供給部70が設けられても、温風供給部70の存在がドライアイス収容部10内に残ったドライアイスを落下させて中段部2Bを経て下段部2C側へ排出する動作の邪魔とならない。
【0037】
ドライアイス取り出し容器7が収容スペースSPから取り除かれた状態で、温風Wは、ドライアイス落下案内孔36から本体部34内に入って、ドライアイス案内孔37と孔2Nと貫通孔10Pとを経て、回転式計量部5へ供給される。
【0038】
制御部100は、予め定めた時間を計測するタイマ101を備えている。例えばドライアイス収容部10内のドライアイスの取り出し操作が一定時間行われていない場合に、ドライアイスが塊を形成してしまう。タイマ101は、ドライアイスの塊が形成されてしまうのを防ぐために、攪拌具6を一定時間ごとに動かすために、一定時間を計測する。攪拌具6がドライアイス収容部10の内部のドライアイスを攪拌していない時間としてタイマ101が一定時間を計測すると、制御部100は、攪拌具6がドライアイス収容部10の内部のドライアイスを攪拌する制御を実行する。
【0039】
<下段部2C>
次に、
図8に示す下段部2Cを説明すると、下段部2Cは、仕切り板90により、中段部2Bとは仕切られている。仕切り板90は、ドライアイス回収口91を有する。ドライアイス回収口91は、本体部34のドライアイス落下案内孔36の真下の位置に形成されている。下段部2Cには、ドライアイス回収箱92が配置されている。ドライアイス回収箱92は、使用されなかった残りのドライアイスを回収する容器であり、下段部2Cに出し入れできる。
【0040】
販売店の業務終了後に、ドライアイス収容部10内に残存している粒状ドライアイスや粉砕されたドライアイスは、攪拌具6と回転体14とを所定数回転することによりドライアイス回収箱92に一括して回収できる。ここで、ドライアイスを回収する場合には、ドライアイス取り出し容器7が収容スペースSPから取り除かれた状態で、回転式計量部5から本体部34のドライアイス落下案内孔36を経て落下してくるドライアイスが、ドライアイス回収口91を通ってドライアイス回収箱92に回収される。より具体的に説明すると、ドライアイス収容部10内に残存している粒状ドライアイスや粉砕されたドライアイスは、攪拌具6と回転体14とを所定数回転することにより、ドライアイス計量孔19からガイド筒23とドライアイス導出口18とを経て、ドライアイス収容部10の貫通孔10Pと孔2Nとドライアイス落下案内孔36とドライアイス回収口91とを通って、ドライアイス回収箱92に一括して回収される。
【0041】
(ドライアイスの取り出し装置1の使用例)
次に、上述したドライアイスの取り出し装置1の使用例を説明する。
<ドライアイス供給モード>
図1に示すドライアイスの取り出し装置1は、一般小売商店等の小規模な販売店、スーパーマーケットや百貨店等の大規模な販売店に設置されており、ドライアイスの一形態である粒状ドライアイスを一定量ずつ取り出すために、ドライアイス供給モードで稼働する。ドライアイス供給モードでは、ドライアイスの取り出し装置1は、ドライアイス収容部10内に収容された粒状ドライアイスを、
図8に示す収容スペースSPにあるドライアイス取り出し容器7へ一定量ずつ供給する。
図5に示すように、ドライアイス取り出し容器7は、容器収容部33の中に予め収容されている。
図2に示す表示灯29が点灯していることで、ドライアイス収容部10には、粒状ドライアイスが収容されていることを確認できる。
【0042】
そこで、購入者が購入した商品に対してドライアイスを用いて冷却する必要がある場合には、商品はレジで精算を済ませて、商品に対応してメダル(コインともいう)を受け取る。購入者は、メダルを例えば係員に手渡すと、係員はメダルを
図2に示すメダル投入口30に投入することで、粒状ドライアイスの取り出し動作を行う。
【0043】
図8に示す制御部100は、メダルが投入されると駆動モータ8を駆動することで、出力軸8Pを例えば360度以上回転させる。これにより、ドライアイス収容部10内の粒状ドライアイスが攪拌具6で撹拌されて回転式計量部5へ送られる。撹拌されたドライアイスは、回転式計量部5で一定量計量された後に、ドライアイス取り出し容器7へ供給される。係員は、ドライアイス取り出し容器7を収容スペースSPから出して、ドライアイス取り出し容器7の一定量のドライアイスを、例えば備え付けの合成樹脂袋に移して購入者に渡す。
【0044】
上述したように、一定量のドライアイスの取り出し操作が何度も行われ、ドライアイス収容部10内には粒状ドライアイスが必要に応じて補給される。そして、業務終了後の時間帯になると、ドライアイス取り出し容器7は収容スペースSPから取り出され、ドライアイス収容部10内に残存している粒状ドライアイスは、貫通孔10Pと孔2Nとドライアイス案内孔37とドライアイス落下案内孔36とを経て、ドライアイス回収口91を通ってドライアイス回収箱92に回収される。
【0045】
ここで、温風供給部70は、温風Wを斜め上方に向けて回転式計量部5へ送る。温風供給部70は、ドライアイスの取り出し装置1を休止する際にドライアイス収容部10に残存している粒状ドライアイスを落下させて排出させる落下経路を避けて配置されている。このため、温風供給部70を設けても、ドライアイスを排出させる操作の妨げにならない。
【0046】
もし、粒状ドライアイスがドライアイス収容部10内に残存して収容されていると、大気とともに水蒸気が入り込み、-78.5℃のドライアイスには水分が付着する。業務時間外の時間では、粒状ドライアイスはドライアイス収容部10に残らないように取り除かれるが、水分は蒸発せずにドライアイス収容部10に残って結露する場合がある。このような場合に、ドライアイスの取り出し装置1の休止後に、次の業務時間になってドライアイスの取り出し装置1を再稼働する際に、新たに粒状ドライアイスがドライアイス収容部10内に投入して再度収容されると、ドライアイス収容部10内に残っている水分が、投入された粒状ドライアイスによる冷却のために再凍結する場合がある。水分が再凍結すると、回転式計量部5の回転体14と攪拌具6とが第1部材15や第2部材13などに固着し回転できなくなり、ドライアイスを確実に取り出すことができなくなるおそれがある。
【0047】
<ドライヤー動作モード>
そこで、本実施形態に係るドライアイスの取り出し装置1の制御部100は、ドライヤー動作モードを実行する。業務時間外の時間になると、作業者は蓋体4を開いて、ドライアイス収容部10内から粒状ドライアイスを取り除く。業務時間外の時間では、ドライアイスの取り出し装置1の制御部100は、ドライヤー動作モードに自動的にする。ドライヤー動作モードでは、次の業務時間になって新たに粒状ドライアイスがドライアイス収容部10内に再度収容される際に、回転式計量部5と攪拌具6とドライアイス収容部10が凍結しないように、制御部100が温風供給部70を動作させて、回転式計量部5と攪拌具6とドライアイス収容部10内を乾燥させる。
【0048】
ドライヤー動作モードの動作条件としては、蓋体4が開いてドライアイス収容部10が開放されていることと、ドライアイス取り出し容器7が容器収容部33の収容スペースSPから取り出されていることである。蓋体4が開いていることは、制御部100は、蓋体センサ4Sからの開成信号4Tにより検知できる。また、制御部100は、ドライアイス取り出し容器7が容器収容部33の収容スペースSPから取り出されていることを、センサ40からの容器取り出し信号7Tにより検知できる。
【0049】
制御部100は、蓋体センサ4Sの開成信号4Tと容器取り出し信号7Tとを取得すると、温風供給部70のヒータ71と電動ファン72とを動作させて、回転式計量部5と攪拌具6とドライアイス収容部10内側へ温風Wを供給する。温風Wは、ドライアイス落下案内孔36とドライアイス案内孔37と貫通孔10Pとドライアイス導出口18を経て、回転式計量部5の回転体14と攪拌具6へ供給される。これにより、回転体14と攪拌具6とドライアイス収容部10内が加温される。
【0050】
温風供給部70は、ドライアイス収容部10の内部に、例えば30℃~40℃程度の温風を送ることができ、ドライアイス収容部10内の乾燥を促進できる。これにより、ドライアイス収容部10内には水分が残らない。温風供給部70が設けられることで、回転式計量部5と攪拌具6とドライアイス収容部10内を乾燥でき、結露や水分の凍結によるドライアイスの取り出し装置1の動作不良や故障を回避できる。従って、次の業務時間になって粒状ドライアイスがドライアイス収容部10内に新たに投入されても、水分が残っていないので水分が再凍結するのを防ぎ、回転式計量部5の回転体14と攪拌具6は回転できる状態を維持できる。
【0051】
これにより、業務時間外の時間となってドライアイスの取り出し装置1を休止した後に、次の業務時間となってドライアイスの取り出し装置1を再稼働する際に、新たな粒状ドライアイスをドライアイス収容部10内に収容しても、回転式計量部5の回転体14と攪拌具6が再凍結するのを防ぐことができる。従って、回転式計量部5は、一定量のドライアイスをドライアイス取り出し容器7に確実に取り出すことができる。温風供給部70は、粒状ドライアイスが落下する落下経路であるドライアイス案内孔37とドライアイス落下案内孔36の位置からずれた位置に配置されていて、本体部34に対して垂直方向Zに対して設定角度θだけ傾斜して設けられていることで、温風供給部70は、温風Wを回転式計量部5側へ確実に送って回転式計量部5の凍結を防ぐことができる。
【0052】
ところで、業務時間内で、ドライアイスの取り出し装置1が稼働している際に、一定時間使用されない場合には、ドライアイス収容部10内の粒状ドライアイスが互いに固着したり塊を発生させたりしないようにするために、制御部100は、駆動モータ8を駆動することで、攪拌具6を所定角度だけ回転させる。一定時間使用されない場合とは、業務時間内で、メダルが投入されなかった時間である。これにより、ドライアイス収容部10内の粒状ドライアイスが攪拌具6により攪拌されるので、粒状ドライアイスが互いに固着したり塊を発生させたりすることがなくなる。制御部100はタイマ101を備えており、任意の一定時間はタイマ101に予め記憶させておく。任意の一定時間としては、例えば30分間程度であるが、特に限定されない。
【0053】
この際、攪拌具6の回転角度は、例えば120度以上、240度以下程度である。制御部100は、駆動モータ8を正転させて攪拌具6を所定角度回転した後、駆動モータ8を逆転させて、攪拌具6の位置を回転前の元の位置に戻す。
【0054】
さらに、
図8に示すドライアイスの取り出し装置1では、好ましくは、次のような特徴的な工夫が施されている。すなわち、水分がドライアイス収容部10内に残ることをより一層抑えるために、ドライアイス収容部10の内壁10Nは、ドライアイスの取り出し装置1の垂直軸Tに対して、前面パネル2P側へ所定角度Rだけ傾斜して設けられている。ドライアイス収容部10内に配置されている回転式計量部5と攪拌具6も、同様にしてドライアイスの取り出し装置1の垂直軸Tに対して、前面パネル2P側へ所定角度Rだけ傾斜して設けられている。所定角度Rは、例えば約0.5度以上、5度以下程度である。
【0055】
しかも、ドライアイス収容部10の貫通孔10Pの前面パネル2P側の角部には、傾斜案内部分10Rが設けられている。傾斜案内部分10Rは、ドライアイス供給案内部35のドライアイス案内孔37に向かって傾斜し、ドライアイス案内孔37を形成している側壁37Cの上端部に接続されている。傾斜案内部分10Rは、ドライアイス収容部10の内部の水分をドライアイス供給案内部35に向かって案内して排出させる。
【0056】
これにより、ドライアイスの取り出し装置1を休止時に、ドライアイス収容部10内に残存している水分は、ドライアイス収容部10の内底部および傾斜案内部分10Rに沿って案内されて流れることができる。そのため、水分がドライアイス収容部10内に残存することを抑えることができ、ドライアイスの取り出し装置1を休止後に再稼働する際に、水分の再凍結が生ずることを抑えることができる。
【0057】
本実施形態に係るドライアイスの取り出し装置1によれば、温風供給部70が回転式計量部5へ温風を供給することで回転式計量部5を温めて乾燥して水分を除去でき、回転式計量部5とドライアイス収容部10内は、温風により温められ乾燥して水分が残らないようにすることができる。このため、ドライアイスの取り出し装置1を休止後に再稼働する際に、ドライアイスをドライアイス収容部10に投入して収容しても、水分の再凍結がなく回転式計量部5が動かなくなるのを防ぐことができる。従って、業務時間外の時間となってドライアイスの取り出し装置1を休止した後に、次の業務時間となってドライアイスの取り出し装置1を再稼働する際に、回転式計量部5は、一定量のドライアイスをドライアイス取り出し容器7に確実に取り出すことができる。
【0058】
また、ドライアイスの取り出し装置1を休止時に、温風供給部70のヒータ71が発生する熱を、電動ファン72が回転式計量部5へ送ることができるため、回転式計量部5が水分により凍結してしまうのを確実に防ぐことができる。
【0059】
また、温風供給部70は温風を斜め上方に向けて回転式計量部5へ送ることができるので、温風供給部70は、ドライアイスの取り出し装置1を休止する際にドライアイス収容部10に残っているドライアイスを落下させて排出させる経路を避けて配置される。このため、温風供給部70がドライアイスの排出操作の妨げになることを抑えることができる。
【0060】
また、ドライアイスの取り出し動作が行われず、攪拌具6がドライアイス収容部10内のドライアイスを一定時間たっても攪拌していない場合には、攪拌具6はドライアイス収容部10内のドライアイスを攪拌する。これにより、ドライアイス収容部10内でドライアイスが塊を作ってしまうのを防ぐことができるので、回転式計量部5は、一定量のドライアイスを確実に取り出すことができる。
【0061】
さらに、蓋体4が開いた状態で、しかもドライアイス取り出し容器7が容器収容部33から除去された状態であれば、温風供給部70は温風を回転式計量部5に供給する。このため、回転式計量部5とドライアイス収容部10内は、温風により温められ乾燥して水分が残らないようにすることができ、ドライアイスの取り出し装置1を休止後に再稼働する際に、ドライアイスをドライアイス収容部10に収容しても水分の再凍結がなく回転式計量部5が動かなくなるのを防いで、一定量のドライアイスを確実に取り出すことができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明は、上記実施形態に限定されず、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で種々の変更を行うことができる。上記実施形態の構成は、その一部を省略したり、上記とは異なるように任意に組み合わせたりすることができる。
例えば、ドライアイスとしては、円筒状あるいは円柱状の粒状(ペレット状)ドライアイスを用いているが、使用するドライアイスは、粒状でなくても粉末状であっても良い。ヒータ71としては、通常の線状の加熱体やセラミックヒータを用いることができ、特に限定されない。
【符号の説明】
【0063】
1:ドライアイスの取り出し装置、 2:ケーシング、 2A:上段部、 2B:中段部、 2C:下段部、 2H:メインスイッチ、 2N:孔、 2P:前面パネル、 2Q:仕切り板、 2S:側面部、 3:キャスタ、 4:蓋体、 4P:開口部、 4R:留め具、 4S:蓋体センサ、 4T:開成信号、 5:回転式計量部、 6:攪拌具、 7:ドライアイス取り出し容器、 7T:容器取り出し信号、 8:駆動モータ、 8P:出力軸、 8R:減速機、 10:ドライアイス収容部、 10N:内壁、 10P:貫通孔、 10R:傾斜案内部分、 13:第2部材、 13A:下面、 13B:周囲面、 13C:孔、 14:回転体、 14A:ボス部、 14B:下面、 14C:上面、 15:第1部材、 17:ドライアイス導入口、 18:ドライアイス導出口、 19:ドライアイス計量孔、 21H:孔、 21K:孔、 22:調整板、 23:ガイド筒、 24:水掃き具、 25:冷気塞ぎ具、 26:補強滑り台、 29:表示灯、 29R:押しボタン、 30:メダル投入口、 32:メダル排出口、 33:容器収容部、 33S:シャッタ、 34:本体部、 35:ドライアイス供給案内部、 36:ドライアイス落下案内孔、 37:ドライアイス案内孔、 37C:側壁、 39:金庫、 40:センサ、 70:温風供給部、 71:ヒータ、 72:電動ファン、 90:仕切り板、 91:ドライアイス回収口、 92:ドライアイス回収箱、 100:制御部、 101:タイマ、 SP:収容スペース、 W:温風