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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086479
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】マスキング部材、及び表面処理方法
(51)【国際特許分類】
   B05B 12/22 20180101AFI20230615BHJP
   B05D 3/12 20060101ALI20230615BHJP
   B05D 1/32 20060101ALI20230615BHJP
   B05C 21/00 20060101ALI20230615BHJP
   B05B 12/24 20180101ALI20230615BHJP
【FI】
B05B12/22
B05D3/12 E
B05D1/32 B
B05C21/00
B05B12/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201021
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】503218067
【氏名又は名称】住友重機械マリンエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162640
【弁理士】
【氏名又は名称】柳 康樹
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 功
(72)【発明者】
【氏名】松井 優
【テーマコード(参考)】
4D073
4D075
4F042
【Fターム(参考)】
4D073AA01
4D073BB03
4D073DB03
4D073DB08
4D073DB13
4D073DB21
4D073DB29
4D073DB43
4D075AD06
4D075BB20Z
4D075DA06
4D075DC02
4D075DC05
4D075DC08
4D075EA05
4F042AA09
4F042AA17
4F042AB00
4F042DG08
4F042DG09
4F042DG12
4F042DG17
(57)【要約】
【課題】表面処理剤の浸入を抑制することができるマスキング部材、及び表面処理方法を提供する。
【解決手段】マスキング部材1は、被処理面20を覆うマスキング材2と、マスキング材2の上面2aから突出し、表面処理後のマスキング部材1の位置を標示する標示治具3と、を備える。被処理面20をマスキング材2で覆い、表面処理剤30を塗装すると、表面処理剤30の層の上面から、標示治具3が突出する。作業者は、表面処理剤30から突出する標示治具3を目印にして、マスキング材2を取り外すことができる。ここで、マスキング材2は、表面処理剤30がマスキングの対象箇所21に浸入しないように浸入抑制手段50を有する。そのため、マスキングの対象箇所21に対する表面処理剤30の浸入を抑制することができる。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面処理剤で塗装を行う被処理面に設置されるマスキング部材であって、
前記被処理面を覆うマスキング材と、
前記マスキング材の上面から突出し、表面処理後の前記マスキング部材の位置を標示する標示治具と、を備え、
前記マスキング材は、前記表面処理剤がマスキングの対象箇所に浸入しないように浸入抑制手段を有する、マスキング部材。
【請求項2】
前記浸入抑制手段は、
前記標示治具を、前記マスキング材を貫通しない状態にて、前記マスキング材に設けることによって構成される、請求項1に記載のマスキング部材。
【請求項3】
前記浸入抑制手段は、
前記マスキングの対象箇所と、前記マスキング材との間に設けられる表面処理剤浸入抑制シートを有する、請求項1又は2に記載のマスキング部材。
【請求項4】
前記標示治具は、前記マスキング材の上面に固定される、請求項2に記載のマスキング部材。
【請求項5】
前記マスキング材の少なくとも上面は、樹脂製のフィルム材によって形成される、請求項1~4の何れか一項に記載のマスキング部材。
【請求項6】
前記マスキング材は、下面側の粘着面を保護材で覆われ、
前記保護材は、前記マスキング材の中央側の領域を残存させた状態で、前記マスキング材の外縁部から剥離可能である、請求項1~5の何れか一項に記載のマスキング部材。
【請求項7】
マスキング材、及び前記マスキング材の上面から突出する標示治具を備えるマスキング部材を用いて被処理面を表面処理剤で塗装する表面処理方法であって、
前記マスキング材で前記被処理面を覆う工程と、
前記被処理面に前記表面処理剤を塗布する工程と、
塗布された前記表面処理剤の層から突出する前記標示治具を目印として、前記マスキング材を前記被処理面から取り外す工程と、を備え、
前記マスキング材は、浸入抑制手段によって、前記表面処理剤のマスキングの対象箇所への浸入を抑制する、表面処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、マスキング部材、及び表面処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、表面処理剤で塗装を行う被処理面に設置されるマスキング部材が知られる(特許文献1)。このマスキング部材は、被処理面を覆うマスキング材と、マスキング材の上面から突出し、表面処理後のマスキング部材の位置を標示する標示治具と、を備える。被処理面をマスキング材で覆い、表面処理剤を塗装すると、表面処理剤の層の上面から、標示治具が突出する。そのため、作業者は、表面処理剤から突出する標示治具を目印にして、マスキング材を取り外すことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-297302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上述のマスキング部材は、標示治具がマスキング材の中央位置で貫通した状態で、被処理面上に設置される。そのため、表面処理剤がマスキング材の貫通孔を通じて、マスキングの対象箇所に浸入してしまうという問題が生じる。マスキングの対象箇所は別途塗装の仕様が決められている。表面処理剤がマスキングの対象箇所に浸入すると、マスキングの対象箇所に浸入した表面処理剤を再度除去する必要があり、出戻り作業が発生する。
【0005】
本発明は、表面処理剤の浸入を抑制することができるマスキング部材、及び表面処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るマスキング部材は、表面処理剤で塗装を行う被処理面に設置されるマスキング部材であって、被処理面を覆うマスキング材と、マスキング材の上面から突出し、表面処理後のマスキング部材の位置を標示する標示治具と、を備え、マスキング材は、表面処理剤がマスキングの対象箇所に浸入しないように浸入抑制手段を有する。
【0007】
このマスキング部材は、被処理面を覆うマスキング材と、マスキング材の上面から突出し、表面処理後のマスキング部材の位置を標示する標示治具と、を備える。従って、被処理面をマスキング材で覆い、表面処理剤を塗装すると、表面処理剤の層の上面から、標示治具が突出する。そのため、作業者は、表面処理剤から突出する標示治具を目印にして、マスキング材を取り外すことができる。ここで、マスキング材は、表面処理剤がマスキングの対象箇所に浸入しないように浸入抑制手段を有する。そのため、マスキングの対象箇所に対する表面処理剤の浸入を抑制することができる。
【0008】
浸入抑制手段は、標示治具を、マスキング材を貫通しない状態にて、マスキング材に設けることによって構成されてよい。このため、浸入抑制手段は、標示治具を挿通させるための貫通孔が形成されない状態のマスキング材によって、表面処理剤の浸入を抑制できる。従って、表面処理剤がマスキング材の貫通孔を通じて、マスキングの対象箇所に浸入することを抑制できる。
【0009】
浸入抑制手段は、マスキングの対象箇所と、マスキング材との間に設けられる表面処理剤浸入抑制シートを有してよい。この場合、表面処理剤浸入抑制シートが、表面処理剤のマスキングの対象箇所への浸入を抑制できる。
【0010】
標示治具は、マスキング材の上面に固定されてよい。このような構成により、マスキング材に貫通孔を形成することなく、標示治具をマスキング材に設けることができる。
【0011】
マスキング材の少なくとも上面は、樹脂製のフィルム材によって形成されてよい。この場合、マスキング材の上面に塗布された表面処理剤が下面側に透過することを抑制できる。
【0012】
マスキング材は、下面側の粘着面を保護材で覆われ、保護材は、マスキング材の中央側の領域を残存させた状態で、マスキング材の外縁部から剥離可能であってよい。この場合、マスキング材の外縁部から保護材を除去することで、マスキング材の外縁部の粘着面を露出させることができる。従って、マスキング材は、外縁部の粘着面によって被処理面に貼り付けられる。その一方、マスキング材の中央側の領域は、粘着面が保護材で保護されることで、被処理面に貼り付けられない。従って、マスキング材を被処理面から容易に取り外すことができる。
【0013】
本発明に係る表面処理方法は、マスキング材、及びマスキング材の上面から突出する標示治具を備えるマスキング部材を用いて被処理面を表面処理剤で塗装する表面処理方法であって、マスキング材で被処理面を覆う工程と、被処理面に表面処理剤を塗布する工程と、塗布された表面処理剤の層から突出する標示治具を目印として、マスキング材を被処理面から取り外す工程と、を備え、標示治具は、マスキング材を貫通しない状態にて、マスキング材に設けられる。
【0014】
本発明に係る表面処理方法によれば、上述のマスキング部材と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
本開示によれば、表面処理剤の浸入を抑制することができるマスキング部材、及び表面処理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】本実施形態に係るマスキング部材の平面図である。
図2】マスキング部材、及びマスキングの対象箇所の概略断面図である。
図3】上甲板の平面図である。
図4】表面処理方法の手順を説明するための概略断面図である。
図5】表面処理方法の手順を説明するための概略断面図である。
図6】変形例に係るマスキング部材の概略断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、図面を参照しながら本開示に係るマスキング部材、及び表面処理方法の実施形態について説明する。図面の説明において、同一又は相当する要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、図面は、理解を容易とするため、一部を簡略化又は誇張して描いている場合があり、寸法比率等は図面に記載のものに限定されない。
【0018】
図1は、本実施形態に係るマスキング部材1の平面図である。図2は、マスキング部材1、及びマスキングの対象箇所21の概略断面図である。マスキング部材1は、ビルの壁面塗装や船舶上甲板のノンスキッド施工など、広範囲の表面処理を行うときに用いられる。マスキング部材1は、被処理面のうち、表面処理を行わない箇所に設けられる。表面処理後に、マスキング部材1を被処理面から取り外すことで、マスキングの対象箇所から表面処理剤を除去することができる。本実施形態では、船舶の上甲板25の上面を被処理面20とし、上甲板25に形成された固縛部26をマスキングの対象箇所21とした場合の例について説明する。
【0019】
まず、マスキングの対象箇所21について説明する。船舶の上甲板25には、全面的にノンスキッド剤などの表面処理剤30(図5参照)が塗装される。航空機が艦載される船舶では、航空機を固縛する固縛ロープを締結するために、上甲板25の上面には、ロープを固縛するための固縛部26が形成される。固縛部26は、ロープを固縛するバー材23と、窪み22とを有する。例えば図3に示すように、固縛部26は、上甲板25上に互いに間隔を空けて複数形成されている。マスキング部材1は、各固縛部26を覆うように、上甲板25上に設置される。
【0020】
図1及び図2に示すように、マスキング部材1は、マスキング材2と、標示治具3と、を備える。
【0021】
マスキング材2は、マスキングの対象箇所21において、被処理面20を覆う部材である。マスキング材2は上方から見て円形をなすシート状の部材である(図1参照)。マスキング材2の少なくとも上面4は、樹脂製のフィルム材によって形成される。フィルム材は、ビニール、汎用プラスチックなどの樹脂によって形成されたシートである。フィルム材は、繊維材料とは異なり樹脂材料が隙間無くシート状に引き延ばされたことで、表面処理剤30が染みこまないように遮断することができる。表面処理剤30の透過を防ぎ、取り扱い性が良好である限り、マスキング材2の厚みは特に限定されないが、例えば0.5~4mm設定してよい。マスキング材2の直径は、マスキングの対象箇所21である固縛部26の全体を覆うことができる寸法に設定される。
【0022】
なお、マスキング材2全体がフィルム材で形成されてもよいし、マスキング材2の上面4のみがフィルム材で形成されてもよい。例えば、マスキング材2の基材の上面にビニールコーティングを施すことで、上面4のみにフィルム材を形成してよい。
【0023】
マスキング材2は、下面側の粘着面2bを覆う保護材6を有する。マスキング材2の下面には、粘着剤の層が形成される。従って、マスキング材2の下面は粘着面2bとなる。保護材6の材質として、例えば紙、汎用プラスチックなどが採用される。保護材6は、マスキング材2の粘着面2bの全面を覆う。保護材6は、マスキング材2の中央側の領域を残存させた状態で、マスキング材2の外縁部から剥離可能である。具体的に、保護材6の外縁部6aは、中央側の本体部6bから切れ目CLを介して独立して剥離可能である。
【0024】
標示治具3は、マスキング材2の上面2aから突出し、表面処理後のマスキング部材1の位置を標示する部材である。標示治具3は、基盤11と、ポール12と、を有する。基盤11は、円板状に広がる部材である。ポール12は、基盤11の上面から上方へ突出して延びる部材である。ポール12は、表面処理後に表面処理剤30の層の上面から上方へ突出する長さを有する。例えば、表面処理剤30の施工厚さによるが、その上面から30~40mm程度は突出する長さとする。なお、基盤11の厚さは2mmである。標示治具3は、マスキング材2の中央位置に設けられる。
【0025】
標示治具3は、マスキング材2を貫通しない状態にて、マスキング材2に設けられる。従って、マスキング材2において標示治具3が設けられる中央位置には、標示治具3を通過させるための貫通孔などが形成されていない。具体的に、標示治具3は、マスキング材2の上面2aに固定される。標示治具3は、基盤11の下面をマスキング材2の上面2aに貼り付けることによって取り付けられる。
【0026】
マスキング材2は、表面処理剤30がマスキングの対象箇所21に浸入しないように浸入抑制手段50を有する。本実施形態においては、浸入抑制手段50は、標示治具3を、マスキング材2を貫通しない状態にて、マスキング材2に設けることによって構成される。すなわち、貫通孔を有さないマスキング材2の構造が、浸入抑制手段50として機能する。
【0027】
次に、マスキング部材1を用いた表面処理方法について説明する。まず、保護材6の外縁部6aをマスキング材2から剥離することで、マスキング材2の外縁部の粘着面2bを露出させる。次に、図4(a)に示すように、マスキング材2でマスキングの対象箇所21周辺の被処理面20を覆い、外縁部の粘着面2bを被処理面20に貼り付ける工程を実行する。
【0028】
次に、図4(b)に示すように、被処理面20に表面処理剤30を塗布する工程を実行する。表面処理剤30は、滑り止め物質を含んだノンスキッド剤の塗料であって、広範囲な上甲板25の上面に自動塗装装置によって塗布される。このとき標示治具3は自動塗装装置の進行により一旦変形され倒伏するが、弾性力によって、塗布された表面処理剤30の層を突き抜けて、その上面より突出し起立状態に戻る。
【0029】
次に、表面処理剤30の施工が完了し、表面処理剤30が乾燥した後、図5に示すように、塗布された表面処理剤30の層から突出する標示治具3を目印として、マスキング材2を被処理面20から取り外す工程を実行する。このときマスキング材2を被着した個所を標示治具3が標示しているので、作業者は、当該標示治具3を目印にして容易にマスキング材2を取り外すことができる。マスキング材2を取り外すと、当該マスキング材2上に塗布された表面処理剤30も、被処理面20から除去される。
【0030】
次に、本実施形態に係るマスキング部材1、及び表面処理方法の作用・効果について説明する。
【0031】
本実施形態に係るマスキング部材1は、被処理面20を覆うマスキング材2と、マスキング材2の上面2aから突出し、表面処理後のマスキング部材1の位置を標示する標示治具3と、を備える。従って、被処理面20をマスキング材2で覆い、表面処理剤30を塗装すると、表面処理剤30の層の上面から、標示治具3が突出する。そのため、作業者は、表面処理剤30から突出する標示治具3を目印にして、マスキング材2を取り外すことができる。ここで、マスキング材2は、表面処理剤30がマスキングの対象箇所21に浸入しないように浸入抑制手段50を有する。そのため、マスキングの対象箇所21に対する表面処理剤30の浸入を抑制することができる。
【0032】
浸入抑制手段50は、標示治具3を、マスキング材2を貫通しない状態にて、マスキング材2に設けることによって構成されてよい。このため、浸入抑制手段50は、標示治具3を挿通させるための貫通孔が形成されない状態のマスキング材2によって、表面処理剤30の浸入を抑制できる。従って、表面処理剤30がマスキング材2の貫通孔を通じて、マスキングの対象箇所21に浸入することを抑制できる。
【0033】
標示治具3は、マスキング材2を貫通しない状態にて、マスキング材2に設けられる。このため、マスキング材2には、標示治具3を挿通させるための貫通孔が形成されない状態となる。従って、表面処理剤30がマスキング材2の貫通孔を通じて、マスキングの対象箇所21に浸入することを抑制できる。
【0034】
標示治具3は、マスキング材2の上面4に固定されてよい。このような構成により、マスキング材2に貫通孔を形成することなく、標示治具3をマスキング材2に設けることができる。
【0035】
マスキング材2の少なくとも上面4は、樹脂製のフィルム材によって形成されてよい。この場合、マスキング材2の上面4に塗布された表面処理剤30が下面側に透過することを抑制できる。
【0036】
マスキング材2は、下面側の粘着面2bを保護材6で覆われ、保護材6は、マスキング材2の中央側の領域を残存させた状態で、マスキング材2の外縁部から剥離可能であってよい。この場合、マスキング材2の外縁部から保護材6を除去することで、マスキング材2の外縁部の粘着面2bを露出させることができる。従って、マスキング材2は、外縁部の粘着面2bによって被処理面20に貼り付けられる。その一方、マスキング材2の中央側の領域は、粘着面2bが保護材6で保護されることで、被処理面20に貼り付けられない。従って、マスキング材2を被処理面20から容易に取り外すことができる。
【0037】
本実施形態に係る表面処理方法は、マスキング材2、及びマスキング材2の上面4から突出する標示治具3を備えるマスキング部材1を用いて被処理面20を表面処理剤30で塗装する表面処理方法である。表面処理方法は、マスキング材2で被処理面20を覆う工程と、塗布された表面処理剤30の層から突出する標示治具3を目印として、マスキング材2を被処理面20から取り外す工程と、を備え、マスキング材2は、浸入抑制手段50によって、表面処理剤30のマスキングの対象箇所21への浸入を抑制する標示治具3は、マスキング材2を貫通しない状態にて、マスキング材2に設けられる。
【0038】
本実施形態に係る表面処理方法によれば、上述のマスキング部材1と同趣旨の作用・効果を得ることができる。
【0039】
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではない。
【0040】
例えば、浸入抑制手段50は、マスキングの対象箇所21と、マスキング材2との間に設けられる表面処理剤浸入抑制シート40を有してよい。この場合、表面処理剤浸入抑制シート40が、表面処理剤30のマスキングの対象箇所21への浸入を抑制できる。例えば、図6に示すように、保護材6とバー材23(マスキングの対象箇所21)の間に、表面処理剤浸入抑制シート40としてのプラスチックフィルムや養生シートを間に挟む。これにより、標示治具3がマスキング材2を貫通していたとしても、バー材23と窪み22への表面処理剤30の浸入を防ぐことができる。
【0041】
例えば、上述の実施形態では、上甲板にノンスキッド剤を塗布するときに、固縛部にマスキング部材を配置する場合の例について説明した。しかし、マスキング部材が使用される対象物は特に限定されない。例えば、ビル壁面や建物の屋根などに表面処理剤を塗布する際、太陽光発電装置や太陽熱利用装置などを設置する箇所にマスキング部材を配置してマスキングしてよい。
【0042】
上述の実施形態ではマスキング材は円形の形状を有していたが、マスキング材の形状は特に限定されず、マスキングの対象箇所の形状に応じて適宜形状を変更してよい。
【符号の説明】
【0043】
1…マスキング部材、2…マスキング材、3…標示治具、4…上面、6…保護材、20…被処理面、21…対象箇所、30…表面処理剤。
図1
図2
図3
図4
図5
図6