(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086534
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】表示システム及び表示方法
(51)【国際特許分類】
G06T 7/254 20170101AFI20230615BHJP
G06Q 50/08 20120101ALI20230615BHJP
【FI】
G06T7/254 Z
G06Q50/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201115
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001236
【氏名又は名称】株式会社小松製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川本 駿
(72)【発明者】
【氏名】蓮實 翼
(72)【発明者】
【氏名】董 鯉
(72)【発明者】
【氏名】平間 翔大
【テーマコード(参考)】
5L049
5L096
【Fターム(参考)】
5L049CC07
5L096AA06
5L096AA09
5L096CA04
5L096CA05
5L096DA02
5L096FA67
5L096FA69
5L096GA19
(57)【要約】 (修正有)
【課題】施工現場の状況を確認する表示システム及び表示方法を提供する。
【解決手段】表示システム30において、サーバ4は、作業機械が稼働する施工現場の3次元形状を示す検出データを取得する検出データ取得部と、第1時点で取得された検出データを示す第1検出データを記憶する3次元データ記憶部と、第1検出データと第1時点よりも後の第2時点で取得された検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定する変化部分特定部と、変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新する更新部と、を備える。情報端末3は、更新された第1検出データを表示装置に表示させる表示制御部を備える。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
作業機械が稼働する施工現場の3次元形状を示す検出データを取得する検出データ取得部と、
第1時点で取得された前記検出データを示す第1検出データを記憶する3次元データ記憶部と、
前記第1検出データと前記第1時点よりも後の第2時点で取得された前記検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定する変化部分特定部と、
前記変化部分に基づいて、前記第1検出データの一部を更新する更新部と、
更新された前記第1検出データを表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、
表示システム。
【請求項2】
前記検出データ取得部は、前記施工現場を検出する3次元センサから前記検出データを取得し、
前記変化部分特定部は、前記3次元センサの検出空間を複数のセルに分割し、複数のセルごとに前記第2検出データが前記第1検出データから変化したか否かを判定し、変化したと判定したセルを前記変化部分として特定する、
請求項1に記載の表示システム。
【請求項3】
前記検出データは、前記作業機械を含み、
前記変化部分特定部は、前記作業機械の3次元モデルに基づいて、前記検出データに含まれない前記作業機械の動作を予測し、
前記更新部は、前記予測に基づいて、前記第1検出データの一部を更新する、
請求項1又は請求項2に記載の表示システム。
【請求項4】
前記検出データは、前記施工現場の地形を含む、
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の表示システム。
【請求項5】
作業機械が稼働する施工現場の3次元形状を示す検出データを取得することと、
第1時点で取得された前記検出データを示す第1検出データを記憶することと、
前記第1検出データと前記第1時点よりも後の第2時点で取得された前記検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定することと、
前記変化部分に基づいて、前記第1検出データの一部を更新することと、
更新された前記第1検出データを表示装置に表示させることと、を含む、
表示方法。
【請求項6】
前記施工現場を検出する3次元センサから前記検出データを取得し、
前記3次元センサの検出空間を複数のセルに分割し、複数のセルごとに前記第2検出データが前記第1検出データから変化したか否かを判定し、変化したと判定したセルを前記変化部分として特定する、
請求項5に記載の表示方法。
【請求項7】
前記検出データは、前記作業機械を含み、
前記作業機械の3次元モデルに基づいて、前記検出データに含まれない前記作業機械の動作を予測して、前記第1検出データの一部を更新する、
請求項5又は請求項6に記載の表示方法。
【請求項8】
前記検出データは、前記施工現場の地形を含む、
請求項5から請求項7のいずれか一項に記載の表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、表示システム及び表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
施工管理に係る技術分野において、特許文献1に開示されているような施工管理システムが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
施工現場の状況は変化する。例えば、施工の進捗により施工現場の地形の状況が変化する。また、作業機械の稼働により作業機械の状況が変化する。施工現場の状況を適正に確認できる技術が要望される。
【0005】
本開示は、施工現場の状況を確認することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に従えば、作業機械が稼働する施工現場の3次元形状を示す検出データを取得する検出データ取得部と、第1時点で取得された検出データを示す第1検出データを記憶する3次元データ記憶部と、第1検出データと第1時点よりも後の第2時点で取得された検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定する変化部分特定部と、変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新する更新部と、更新された第1検出データを表示装置に表示させる表示制御部と、を備える、表示システムが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、施工現場の状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る施工管理システムを示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る飛行体を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る表示システムを示す機能ブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る表示方法を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、実施形態に係る第1時点における施工現場の状況の一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係る第2時点における施工現場の状況の一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る変化部分特定方法の一例を説明するための図である。
【
図8】
図8は、実施形態に係る変化部分特定方法の一例を説明するための図である。
【
図9】
図9は、実施形態に係る変化部分特定方法の別例を説明するための図である。
【
図10】
図10は、実施形態に係るコンピュータシステムを示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本開示に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本開示は実施形態に限定されない。以下で説明する実施形態の構成要素は適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0010】
[施工管理システム]
図1は、実施形態に係る施工管理システム1を示す模式図である。施工管理システム1は、施工現場2の施工を管理する。施工現場2において複数の作業機械20が稼働する。実施形態において、作業機械20は、油圧ショベル21、ブルドーザ22、及びクローラダンプ23を含む。施工現場2に人WMが存在する。人WMとして、施工現場2で作業する作業者が例示される。なお、人WMは、施工を管理する監督者でもよい。人WMは、見学者でもよい。
【0011】
図1に示すように、施工管理システム1は、管理装置3と、サーバ4と、情報端末5と、飛行体8とを備える。
【0012】
管理装置3は、施工現場2に配置されるコンピュータシステムを含む。管理装置3は、走行装置6に支持される。管理装置3は、走行装置6により施工現場2を走行することができる。走行装置6として、高所作業車、トラック、及び走行ロボットが例示される。
【0013】
サーバ4は、コンピュータシステムを含む。サーバ4は、施工現場2に配置されてもよいし、施工現場2の遠隔地に配置されてもよい。
【0014】
情報端末5は、施工現場2の遠隔地9に配置されるコンピュータシステムである。情報端末5として、パーソナルコンピュータ及びスマートフォンが例示される。
【0015】
管理装置3とサーバ4と情報端末5とは、通信システム10を介して通信する。通信システム10として、インターネット(internet)、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local Area Network)、携帯電話通信網、及び衛星通信網が例示される。
【0016】
飛行体8は、施工現場2を飛行する。飛行体8として、ドローンのような無人航空機(UAV:Unmanned Aerial Vehicle)が例示される。実施形態において、飛行体8と管理装置3とは、ケーブル7により接続される。管理装置3は、電源又は発電機を含む。管理装置3は、ケーブル7を介して飛行体8に電力を供給することができる。
【0017】
[飛行体]
図2は、実施形態に係る飛行体8を示す図である。飛行体8には、3次元センサ11と、位置センサ14と、姿勢センサ15とが搭載される。
【0018】
3次元センサ11は、施工現場2を検出する。3次元センサ11は、施工現場2の3次元形状を示す3次元データを取得する。3次元センサ11の検出データは、施工現場2の3次元データを含む。3次元センサ11は、飛行体8に配置される。3次元センサ11は、施工現場2の上空から施工現場2を検出する。3次元センサ11の検出対象として、施工現場2の地形及び施工現場2に存在する物体が例示される。物体は、可動体及び静止体の一方又は両方を含む。可動体として、作業機械20及び人WMが例示される。静止体として、木材又は資材が例示される。なお、単眼カメラ等の2次元センサの検出データを用いて、施工現場2の3次元データが作成されてもよい。
【0019】
3次元センサ11により取得される3次元データは、施工現場2の画像データを含む。3次元センサ11により取得される画像データは、動画データでもよいし静止画データでもよい。3次元センサ11として、ステレオカメラが例示される。なお、3次元センサ11は、単眼カメラと3次元計測装置とを含んでもよい。3次元計測装置として、レーザ光を射出することにより検出対象を検出するレーザセンサ(LIDAR:Light Detection and Ranging)が例示される。なお、3次元計測装置は、赤外光を射出することにより物体を検出する赤外線センサ又は電波を射出することにより物体を検出するレーダセンサ(RADAR:Radio Detection and Ranging)でもよい。
【0020】
位置センサ14は、飛行体8の位置を検出する。位置センサ14は、全地球航法衛星システム(GNSS)を利用して飛行体8の位置を検出する。位置センサ14は、GNSS受信機(GNSSセンサ)を含み、飛行体8のグローバル座標系の位置を検出する。3次元センサ11は、飛行体8に固定される。位置センサ14は、飛行体8の位置を検出することにより、3次元センサ11の位置を検出することができる。位置センサ14の検出データは、3次元センサ11の位置データを含む。
【0021】
姿勢センサ15は、飛行体8の姿勢を検出する。姿勢は、例えばロール角、ピッチ角、及びヨー角を含む。姿勢センサ15として、慣性計測装置(IMU:Inertial Measurement Unit)が例示される。3次元センサ11は、飛行体8に固定される。姿勢センサ15は、飛行体8の姿勢を検出することにより、3次元センサ11の姿勢を検出することができる。姿勢センサ15の検出データは、3次元センサ11の姿勢データを含む。
【0022】
3次元センサ11の検出データ、位置センサ14の検出データ、及び姿勢センサ15の検出データのそれぞれは、ケーブル7を介して管理装置3に送信される。管理装置3に受信された3次元センサ11の検出データ、位置センサ14の検出データ、及び姿勢センサ15の検出データのそれぞれは、通信システム10を介してサーバ4に送信される。
【0023】
[表示システム]
図3は、実施形態に係る表示システム30を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、表示システム30は、飛行体8と、施工現場2に配置される管理装置3と、サーバ4と、施工現場2の遠隔地9に配置される情報端末5とを有する。
【0024】
飛行体8は、3次元センサ11と、位置センサ14と、姿勢センサ15とを有する。
【0025】
情報端末5は、表示制御部51と表示装置52とを有する。
【0026】
表示装置52は、表示データを表示する。遠隔地9の管理者は、表示装置52に表示された表示データを確認することができる。表示装置52として、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)又は有機ELディスプレイ(OELD:Organic Electroluminescence Display)のようなフラットパネルディスプレイが例示される。
【0027】
サーバ4は、検出データ取得部41と、3次元データ記憶部42と、変化部分特定部43と、更新部44と、出力部45とを有する。
【0028】
検出データ取得部41は、3次元センサ11から施工現場2の3次元形状を示す検出データを取得する。すなわち、検出データ取得部41は、3次元センサ11から施工現場2の3次元データを取得する。検出データは、施工現場2の地形及び作業機械20の少なくとも一方を含む。
【0029】
3次元データ記憶部42は、検出データ取得部41により取得された検出データを記憶する。
【0030】
変化部分特定部43は、検出データ取得部41により第1時点t1で取得された検出データを示す第1検出データと第1時点t1よりも後の第2時点t2で取得された検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定する。
【0031】
第1検出データが取得されるときの3次元センサ11の検出空間と、第2検出データが取得されるときの3次元センサ11の検出空間とは、同一の検出空間である。
【0032】
更新部44は、変化部分特定部43により特定された変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新する。
【0033】
出力部45は、更新部44により更新された第1検出データを情報端末5に出力する。出力部45は、通信システム10を介して、更新部44により更新された第1検出データを情報端末5に送信する。
【0034】
出力部45は、更新部44により更新された第1検出データを表示装置52に表示させる制御指令を表示制御部51に送信する。表示制御部51は、出力部45から送信された制御指令に基づいて、更新部44により更新された第1検出データが表示装置52に表示されるように、表示装置52を制御する。
【0035】
[施工管理方法]
図4は、実施形態に係る表示方法を示すフローチャートである。
【0036】
飛行体8が施工現場2の上空において飛行を開始すると、3次元センサ11による施工現場2の検出処理が開始される。3次元センサ11は、所定の時間間隔で検出データをサーバ4に送信する。
【0037】
検出データ取得部41は、3次元センサ11から施工現場2の3次元形状を示す検出データを取得する(ステップS1)。
【0038】
3次元データ記憶部42は、ステップS1の時点で取得された検出データを記憶する(ステップS2)。
【0039】
実施形態において、ステップS1の時点を適宜、第1時点t1、と称する。3次元データ記憶部42は、第1時点t1で取得された検出データを示す第1検出データを記憶する。
【0040】
検出データ取得部41は、3次元センサ11から施工現場2の3次元形状を示す検出データを取得する(ステップS3)。
【0041】
実施形態において、ステップS3の時点を適宜、第2時点t2、と称する。検出データ取得部41は、第1時点t1で取得された第1検出データが3次元データ記憶部42に記憶された後、第1時点t1よりも後の第2時点t2で検出データを取得する。
【0042】
変化部分特定部43は、第1時点t1で検出された第1検出データと第1時点t1よりも後の第2時点t2で取得された第2検出データとの変化部分を特定する(ステップS4)。
【0043】
上述のように、第1検出データが取得されるときの3次元センサ11の検出空間と、第2検出データが取得されるときの3次元センサ11の検出空間とは、同一の検出空間である。すなわち、第1検出データと第2検出データとは、3次元センサ11の1つの検出空間における検出データである。3次元センサ11の検出空間の位置及び大きさのそれぞれが一定の状態で、第1検出データと第2検出データとが取得される。変化部分特定部43は、3次元センサ11の1つの検出空間において第1時点t1で検出された第1検出データと第1時点t1よりも後の第2時点t2で取得された第2検出データとの変化部分を特定する。
【0044】
図5は、実施形態に係る第1時点t1における施工現場2の状況の一例を示す図である。
図6は、実施形態に係る第2時点t2における施工現場2の状況の一例を示す図である。
図5及び
図6に示すように、施工現場2の状況は変化する。
図5及び
図6に示す例において、第1時点t1においては施工現場2の地面が掘削されていないものの、第2時点t2においては施工現場2の地面が油圧ショベル21により掘削される。また、第1時点t1においては油圧ショベル21の作業機が掘削対象の地面を向いているものの、第2時点t2においては油圧ショベル21の作業機がクローラダンプ23を向くように油圧ショベル21の上部旋回体が旋回する。また、第2時点t2においては油圧ショベル21により掘削された掘削物がクローラダンプ23のダンプボディに積み込まれる。このように、施工の進捗により施工現場2の地形の状況が変化したり、油圧ショベル21の稼働により油圧ショベル21の状況が変化したりする。
【0045】
図7及び
図8のそれぞれは、実施形態に係る変化部分特定方法の一例を説明するための図である。
【0046】
図7に示すように、変化部分特定部43は、3次元センサ11の検出空間を複数のセルに分割する。1つのセルは、直方体状である。セルとして、ボクセル(voxel)が例示される。変化部分特定部43は、複数のセルごとに第2検出データが第1検出データから変化したか否かを判定し、変化したと判定したセルを第1検出データと第2検出データとの変化部分として特定する。
図7に示す例において、変化部分は、油圧ショベル21が存在するセル、地面の掘削部分が存在するセル、及び掘削物が積み込まれたダンプボディが存在する部分である。
【0047】
図8に示すように、3次元センサ11の検出データが、複数の検出点からなる点群データを含む場合、変化部分特定部43は、各セルに登録された検出点の特徴量を第1時点t1と第2時点t2とで比較し、特徴量の変化が大きいセルを変化部分として特定する。
【0048】
ステップS4において変化部分が特定された後、更新部44は、変化部分に基づいて、3次元データ記憶部42に記憶されている第1検出データの一部を更新する(ステップS5)。
【0049】
更新部44は、変化部分であると特定された第1検出データの一部だけを更新する。すなわち、更新部44は、第1検出データの一部のみを、変化部分に置き換える。
【0050】
出力部45は、ステップS5において更新された第1検出データを、通信システム10を介して情報端末5に送信する。出力部45は、更新された第1検出データを表示装置52に表示させる制御指令を表示制御部51に送信する。表示制御部51は、出力部45から送信された制御指令に基づいて、更新された第1検出データを表示装置52に表示させる(ステップS6)。
【0051】
出力部45は、第1検出データの表示を終了するか否かを判定する(ステップS7)。ステップS7において第1検出データの表示を継続すると判定された場合(ステップS7:No)、ステップS3の処理に戻る。これにより、変化部分に基づいて、施工現場2の3次元形状を示す検出データが更新され続ける。表示装置52には、施工現場2の状況に即した表示データがリアルタイムで表示される。ステップS7において第1検出データの表示を終了すると判定された場合(ステップS7:Yes)、第1検出データの表示が終了する。
【0052】
[検出空間に死角部分がある場合]
図9は、実施形態に係る変化部分特定方法の別例を説明するための図である。
図9に示すように、検出空間に死角部分が生じる可能性がある。すなわち、3次元センサ11が施工現場2の検出できない部分が生じる可能性がある。換言すれば、3次元センサ11の検出データに含まれない部分が生じる可能性がある。例えば油圧ショベル21により検出空間に死角部分が生じた場合、変化部分特定部43は、検出した点群データのうち、油圧ショベル21に対応する点群データを特定する。変化部分特定部43は、特定した油圧ショベル21に対応する位置に、油圧ショベル21を示す3次元モデルをあてはめて、施工現場2の検出できない部分を特定することができる。例えば、変化部分特定部43は、検出した点群データのうち、上部旋回体及び作業機の一部に対応する点群データを特定する。変化部分特定部43は、特定した上部旋回体及び作業機の一部の位置に、対応する3次元モデルの上部旋回体及び作業機の一部をあてはめる。変化部分特定部43は、作業機に死角部分があっても、3次元モデルの作業機の位置に基づいて、作業機の死角部分の変化部分を特定することができる。また、油圧ショベル21の3次元モデルに基づいて、検出データに含まれない油圧ショベル21の動作を予測してもよい。更新部44は、変化部分特定部43の予測に基づいて、第1検出データの一部を更新してもよい。例えば油圧ショベル21の作業機の角度を検出する角度センサが油圧ショベル21に設けられている場合、変化部分特定部43は、作業機が死角部分であっても、角度センサの検出データに基づいて、作業機が動作したか否かを予測することができる。また、変化部分特定部43は、角度センサの検出データに基づいて、作業機の動作量を予測することができる。変化部分特定部43は、作業機が動作したと予測した場合、作業機が存在するセルを第1検出データと第2検出データとの変化部分として特定する。更新部44は、変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新する。
【0053】
[コンピュータシステム]
図10は、実施形態に係るコンピュータシステム1000を示すブロック図である。上述のサーバ4は、コンピュータシステム1000を含む。コンピュータシステム1000は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ1001と、ROM(Read Only Memory)のような不揮発性メモリ及びRAM(Random Access Memory)のような揮発性メモリを含むメインメモリ1002と、ストレージ1003と、入出力回路を含むインターフェース1004とを有する。上述のサーバ4の機能は、コンピュータプログラムとしてストレージ1003に記憶されている。プロセッサ1001は、コンピュータプログラムをストレージ1003から読み出してメインメモリ1002に展開し、プログラムに従って上述の処理を実行する。なお、コンピュータプログラムは、ネットワークを介してコンピュータシステム1000に配信されてもよい。
【0054】
コンピュータプログラム又はコンピュータシステム1000は、上述の実施形態に従って、作業機械20が稼働する施工現場2の3次元形状を示す検出データを取得することと、第1時点t1で取得された検出データを示す第1検出データを記憶することと、第1検出データと第1時点t1よりも後の第2時点t2で取得された検出データを示す第2検出データとの変化部分を特定することと、変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新することと、更新された第1検出データを表示装置52に表示させることと、を実行することができる。
【0055】
[効果]
以上説明したように、実施形態によれば、施工現場2の一部の状況が変化した場合、3次元データ記憶部42に記憶されている施工現場2の3次元形状を示す検出データのうち、変化した部分だけが最新の検出データに置き換えられ、検出データが更新される。更新された検出データが表示装置52に表示されることにより、管理者は、施工現場2の状況をリアルタイムで確認することができる。また、3次元センサ11の検出空間の全部が最新の検出データに置き換わるのではなく、変化した部分だけが最新の検出データに置き換わるので、適正な検出データが表示装置52に表示される。3次元センサ11の検出空間の全部を最新の検出データに置き換えようとすると、3次元センサ11の検出密度が低下する可能性があり、その結果、表示装置52に不適正な検出データが表示される可能性がある。3次元センサ11の検出空間のうち変化部分だけを最新の検出データに置き換えることにより、検出密度の低下が抑制された検出データに置き換えることができる。したがって、適正な検出データが表示装置52に表示される。
【0056】
[その他の実施形態]
上述の実施形態において、飛行体8は、ケーブル7に接続される有線飛行体であることとした。飛行体8は、ケーブル7に接続されない無線飛行体でもよい。
【0057】
上述の実施形態において、位置センサ14を利用して飛行体8の位置を検出し、姿勢センサ15を利用して飛行体8の姿勢を検出することとした。SLAM(Simultaneous Localization and Mapping)を利用して飛行体8の位置及び姿勢を検出してもよい。地磁気又は気圧計を用いて飛行体8の位置及び姿勢が検出されてもよい。
【0058】
上述の実施形態において、管理装置3は、走行装置6に支持され、施工現場2を走行することができることとした。管理装置3は、作業機械20に搭載されてもよいし、施工現場2の所定の位置に設置されてもよい。
【0059】
上述の実施形態において、情報端末5は、施工現場2の遠隔地9に配置されなくてもよい。情報端末5は、例えば作業機械20に搭載されてもよい。
【0060】
上述の実施形態において、サーバ4の機能が管理装置3に設けられてもよいし、情報端末5に設けられてもよいし、飛行体8に搭載されたコンピュータシステムに設けられてもよい。例えば、検出データ取得部41、3次元データ記憶部42、変化部分特定部43、更新部44、及び出力部45の少なくとも一つの機能が、管理装置3に設けられてもよいし、情報端末5に設けられてもよいし、飛行体8に搭載されたコンピュータシステムに設けられてもよい。
【0061】
上述の実施形態において、検出データ取得部41、3次元データ記憶部42、変化部分特定部43、更新部44、及び出力部45のそれぞれが、別々のハードウエアにより構成されてもよい。
【0062】
上述の実施形態において、3次元センサ11は、飛行体8に配置されなくてもよい。3次元センサ11は、例えば作業機械20に配置されてもよいし、飛行体8及び作業機械20とは別の移動体に配置されてもよい。3次元センサ11は、施工現場2に存在する構造物に配置されてもよい。また、3次元センサ11が施工現場2に複数設置され、施工現場2が広範囲に亘って検出されてもよい。
【0063】
上述の実施形態において、更新部44は、変化部分特定部43により特定された変化部分に基づいて、第1検出データの一部を更新することとした。変化部分特定部43は、特定した変化部分のうち、作業機械20に対応する部分を特定してもよい。例えば、作業機械20に対応する部分は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を利用して特定することができる。更新部44は、変化部分のうち、作業機械20に対応する部分は除いて、第1検出データの一部を更新してもよい。
【0064】
上述の実施形態において、作業機械20は、油圧ショベル21、ブルドーザ22、及びクローラダンプ23とは別の作業機械でもよい。作業機械20は、例えばホイールローダを含んでもよい。
【符号の説明】
【0065】
1…施工管理システム、2…施工現場、3…管理装置、4…サーバ(データ処理装置)、5…情報端末、6…走行装置、7…ケーブル、8…飛行体、9…遠隔地、10…通信システム、11…3次元センサ、14…位置センサ、15…姿勢センサ、20…作業機械、21…油圧ショベル、22…ブルドーザ、23…クローラダンプ、30…表示システム、
41…検出データ取得部、42…3次元データ記憶部、43…変化部分特定部、44…更新部、45…出力部、51…表示制御部、52…表示装置、1000…コンピュータシステム、1001…プロセッサ、1002…メインメモリ、1003…ストレージ、1004…インターフェース、WM…人。