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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086536
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】エネルギー供給システム
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/04 20160101AFI20230615BHJP
   H01M 8/04014 20160101ALI20230615BHJP
   H01M 8/0432 20160101ALI20230615BHJP
   H01M 8/04746 20160101ALI20230615BHJP
   H01M 8/04313 20160101ALI20230615BHJP
   H01M 8/0606 20160101ALI20230615BHJP
   H01M 8/12 20160101ALN20230615BHJP
【FI】
H01M8/04 J
H01M8/04014
H01M8/0432
H01M8/04746
H01M8/04313
H01M8/0606
H01M8/12 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201117
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005108
【氏名又は名称】株式会社日立製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】白川 雄三
(72)【発明者】
【氏名】西出 聡悟
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 浩章
(72)【発明者】
【氏名】石川 敬郎
【テーマコード(参考)】
5H126
5H127
【Fターム(参考)】
5H126BB06
5H127AA07
5H127AB26
5H127BA02
5H127BA12
5H127BA34
5H127BA43
5H127BA47
5H127BB02
5H127BB19
5H127BB23
5H127BB27
5H127DB12
5H127DB18
5H127DB79
5H127DB91
5H127DC12
5H127DC15
5H127EE16
(57)【要約】
【課題】外部に水素を供給することができるエネルギー供給システムを提供する。
【解決手段】酸化物イオン伝導型の燃料電池と、内燃機関とを備える、エネルギー供給システムは、前記内燃機関の排気または前記燃料電池の排気の少なくとも一方と、前記燃料電池への供給燃料または空気とを熱交換する、熱交換器と、前記エネルギー供給システムの外部に水素を供給するために、前記燃料電池から排出されたアノードオフガスを前記熱交換器に分配する、第一分配装置と、を備え、前記熱交換器は前記アノードオフガスを冷却し、前記エネルギー供給システムは、さらに、前記熱交換器によって冷却された前記アノードオフガスを、前記外部への水素供給と、前記内燃機関への燃料利用とに分配する、第二分配装置を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸化物イオン伝導型の燃料電池と、内燃機関とを備える、エネルギー供給システムにおいて、
前記内燃機関の排気または前記燃料電池の排気の少なくとも一方と、前記燃料電池への供給燃料または空気とを熱交換する、熱交換器と、
前記エネルギー供給システムの外部に水素を供給するために、前記燃料電池から排出されたアノードオフガスを前記熱交換器に分配する、第一分配装置と、
を備え、
前記熱交換器は前記アノードオフガスを冷却し、
前記エネルギー供給システムは、さらに、前記熱交換器によって冷却された前記アノードオフガスを、前記外部への水素供給と、前記内燃機関への燃料利用とに分配する、第二分配装置を備える、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項2】
請求項1に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記第一分配装置は、前記燃料電池の入口におけるガス温度が所定の基準温度以上である場合に、バーナーに供給するアノードオフガスの量を減らし、入口におけるガス温度が前記基準温度未満である場合に、前記バーナーに供給するアノードオフガスの量を増やす、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項3】
請求項1に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記エネルギー供給システムは、前記外部における水素の需要を表す情報を取得し、
前記第二分配装置は、前記需要に応じて、前記外部に供給する水素の量を制御する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項4】
請求項3に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記エネルギー供給システムは、水素の販売価格を表す情報を取得し、
前記第二分配装置は、前記需要と、前記販売価格とに応じて、前記外部に供給する水素の量を制御する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項5】
請求項1に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記熱交換器は、前記アノードオフガスと、前記燃料電池への供給燃料とを熱交換する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項6】
請求項1に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記エネルギー供給システムは、前記燃料電池への供給燃料を改質する改質器を備える、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項7】
請求項1または6に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記エネルギー供給システムは、
‐改質器の温度、
‐前記第二分配装置が前記外部に水素を供給しているか否か、
‐前記外部における水素の需要量と、前記第二分配装置から前記外部への水素の供給量との関係、および
‐前記内燃機関に燃料が供給されているか否か、
のうち少なくとも1つに基づいて、前記燃料電池への燃料の供給量を制御する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項8】
請求項6に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記熱交換器は、前記内燃機関の排気と、前記改質器への供給燃料とを熱交換する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項9】
請求項6に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記熱交換器は、前記燃料電池の排気と、前記改質器から前記燃料電池への供給燃料とを熱交換する、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【請求項10】
請求項1に記載のエネルギー供給システムにおいて、
前記エネルギー供給システムは、前記アノードオフガスから水素を分離する分離器を備える、
ことを特徴とする、エネルギー供給システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はエネルギー供給システムに関し、たとえば、エンジンと燃料電池とを組み合わせたハイブリッドシステムにおいて、熱と電力と水素を外部供給可能にする技術に関する。
【背景技術】
【0002】
脱炭素にむけて、分散電源の利用が増大する傾向にある。分散電源は、たとえばSOFC(固体酸化物形燃料電池)およびエンジン(内燃機関)を備える。
【0003】
SOFC(固体酸化物形燃料電池)は、高い発電効率がメリットである。さらに、高温で駆動することから、その排熱を燃料改質に用いることができる。一方で、設備コストが高価であることや、未利用燃料を含むオフガスが排出されることがデメリットである。
【0004】
エンジン発電機は、安価な設備コストがメリットであるが、発電効率がSOFCに比べて低いことがデメリットである。
【0005】
これらの背景から、SOFCとエンジンのハイブリッドシステムが提案されている。たとえば特許文献1の排気利用システムは、SOFCのオフガスをエンジンの燃料として再利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2013-189880号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、従来のエネルギー供給システムでは、システムの外部に水素を供給することができないという課題があった。
【0008】
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであり、外部に水素を供給することができるエネルギー供給システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るエネルギー供給システムの一例は、
酸化物イオン伝導型の燃料電池と、内燃機関とを備える、エネルギー供給システムにおいて、
前記内燃機関の排気または前記燃料電池の排気の少なくとも一方と、前記燃料電池への供給燃料または空気とを熱交換する、熱交換器と、
前記エネルギー供給システムの外部に水素を供給するために、前記燃料電池から排出されたアノードオフガスを前記熱交換器に分配する、第一分配装置と、
を備え、
前記熱交換器は前記アノードオフガスを冷却し、
前記エネルギー供給システムは、さらに、前記熱交換器によって冷却された前記アノードオフガスを、前記外部への水素供給と、前記内燃機関への燃料利用とに分配する、第二分配装置を備える、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係るエネルギー供給システムは、外部に水素を供給することができる。
【0011】
たとえば、SOFCとエンジンを組み合わせたハイブリッド方式により、熱、電気、水素の3形態で外部にエネルギーを供給でき、需要に合わせて高い効率と高い稼働率での運用が可能となる。
【0012】
また、たとえば、熱電比を調整可能なコージェネレーションシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第一実施形態に関わるエネルギー供給システムの基本構成例を示す概略図。
図2図1のエネルギー供給システムが水素を外部に供給する際の動作例を示すフローチャート。
図3図1の第一分配装置に係る動作例を示すフローチャート。
図4図1のSOFCへの供給燃料の制御例を示すフローチャート。
図5図1のエンジンの概略構成例を示す図。
図6図1の改質器の概略構成例を示す図。
図7】第二実施形態に関わるエネルギー供給システムの基本構成例を示す概略図。
図8】第三実施形態に関わるエネルギー供給システムの基本構成例を示す概略図。
図9図5のエンジンの変形例を示す図。
図10図5のエンジンの別の変形例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
[第一実施形態]
以下、本発明の第一実施形態に関わるエネルギー供給システムの構成及び運転方法について説明する。第一実施形態に関わるエネルギー供給システムは、SOFC-エンジンハイブリッドシステムである。
【0015】
<エネルギー供給システムの構成>
図1は、第一実施形態に関わるエネルギー供給システム10の基本構成例を示す概略図である。エネルギー供給システム10は、エンジン11(内燃機関)と、SOFC12(固体酸化物形燃料電池)と、バーナー13と、改質器14と、分離器15と、制御器16と、熱交換器21~28を含む熱交換器群と、第一分配装置31と、第二分配装置32とを備える。なお図中「HEX」は「熱交換器」を表す。
【0016】
エンジン11は、いわゆるエンジン発電機であり、ベース燃料を燃焼させて発電を行う。SOFC12は酸化物イオン伝導型の燃料電池であり、燃料を空気中の酸素と反応させて発電を行う。SOFC12のアノードオフガスは、たとえば水素、二酸化炭素、水、一酸化炭素、を含む。SOFC12はたとえば700℃において最適に動作する。
【0017】
図1において、太実線矢印は高温の空気(たとえばエンジン11の排気およびSOFC12のカソードからの未利用空気を含む排気)の流れを表し、細実線矢印は燃料(未利用の燃料を含むアノードオフガスを含む)の流れを表し、一点鎖線矢印は常温または高温の空気(たとえば吸気)の流れを表し、ハッチング付き太線矢印は排水の流れを表し、ハッチング付き細線矢印は熱媒体(本実施形態では水)の流れを表し、破線矢印はエンジン11の冷媒の流れを表し、二重線矢印は制御信号の流れを表す。
【0018】
バーナー13は、SOFC12のアノードオフガスと、カソードの未利用空気とを混合し燃焼させる。改質器14は、SOFC12への供給燃料を、水素を含むガス(改質ガス)に変換することにより改質する。改質器14の動作温度は適宜設計可能であるが、たとえばSOFC12の最適な稼働温度に応じて決定することができ、本実施形態では700℃である。
【0019】
熱交換器21~28は、エンジン11の排気およびSOFC12の排気と、SOFC12への供給燃料、空気および水とを熱交換する。本実施形態では、それぞれ具体的に下記の熱交換を行う。
‐熱交換器21は、エンジン11の排気とSOFC12への供給燃料とを熱交換する。これによって燃料が適切な温度に加熱される。
‐熱交換器22は、エンジン11の排気とSOFC12への空気とを熱交換する。これによって空気が適切な温度に加熱される。
‐熱交換器23は、SOFC12のアノードオフガスとSOFC12への供給燃料とを熱交換する。これによってアノードオフガスが冷却されるとともに、燃料が適切な温度に加熱される。
‐熱交換器24は、SOFC12の排気とSOFC12への空気とを熱交換する。これによって空気が適切な温度に加熱される。
‐熱交換器25は、SOFC12のアノードオフガスと水とを熱交換し、これによってアノードオフガスを冷却する。冷却によって凝縮しアノードオフガスから分離された液体の水は、外部に排出される。
‐熱交換器26は、SOFC12の排気と水を熱交換する。
‐熱交換器27は、エンジン11の排気と水とを熱交換する。
‐熱交換器28は、エンジン11の冷媒と水とを熱交換する。
熱交換器25~28によって加熱された水は、熱交換器28から外部へと供給され、これによって外部に熱が供給される。
【0020】
熱交換器21~28の配置は、次のようになっている。
‐エンジン11の排気は、上流から順に、熱交換器21、22、27を通過する。
‐SOFC12の排気は、上流から順に、バーナー13、改質器14、熱交換器24、26を通過する。
‐SOFC12への供給燃料は、上流から順に、熱交換器21、23、改質器14を通過する。
‐SOFC12への供給空気は、上流から順に、熱交換器22、24を通過する。
‐SOFC12のアノードオフガスは、まず第一分配装置31によって分配される。第一分配装置31によって分配された一方はバーナー13に供給される。他方は、上流から順に熱交換器23、25、第二分配装置32を通過する。
‐水は、上流から順に、熱交換器25、26、27、28を通過する。
【0021】
本実施形態に係る熱交換器群は8個の熱交換器を含むが、熱交換器群は少なくとも1個の熱交換器を含んでいればよく(すなわち単一の熱交換器であってもよく)、とくに、エンジン11の排気またはSOFC12の排気の少なくとも一方と、SOFC12への供給燃料または空気とを熱交換する熱交換器が少なくとも1個あればよい。また、熱交換器21~28のうち2個以上の機能を、1個の熱交換器に備えてもよい。
【0022】
なお、熱交換器の具体的な構成はこれに限らず任意に変更可能であり、たとえば後述の第二実施形態および第三実施形態のような構成とすることも可能である。
【0023】
第一分配装置31は、SOFC12から排出されたアノードオフガスの一部を熱交換器23に分配し、別の一部をバーナー13に分配する。動作の具体例は、図3を参照して後述する。熱交換器23に分配されたアノードオフガスの一部は、エネルギー供給システム10の外部に水素を供給するために用いられる。
【0024】
第二分配装置32は、熱交換器23および25によって冷却されたアノードオフガスを、外部への水素供給と、エンジン11への燃料利用とに分配する。
【0025】
分離器15は、アノードオフガスから水素を分離し、分離された水素をエネルギー供給システム10の外部に供給する。これによって、外部に供給される水素の純度を向上させることができる。なお分離器15の具体的な構成は、公知技術等に基づいて当業者が適宜設計することができる。
【0026】
本実施形態では、分離器15は第二分配装置32の下流に配置されるが、変形例として、分離器15を第二分配装置32の上流に配置することも可能であり、たとえば熱交換器25と第二分配装置32との間に配置することができる。
【0027】
制御器16は、エネルギー供給システム10の全体の動作を制御する。たとえば、上述の第一分配装置31の動作、第二分配装置32の動作、SOFC12への供給燃料の供給量、等を制御する。制御器16は公知のコンピュータとしてのハードウェア構成を有し、たとえば演算手段および記憶手段を備える。演算手段はたとえばプロセッサを含み、記憶手段はたとえば半導体メモリ装置および磁気ディスク装置等の記憶媒体を含む。記憶手段はプログラムを記憶してもよい。プロセッサがこのプログラムを実行することにより、コンピュータは制御器16としての機能を実現してもよい。
【0028】
<水素の外部供給制御>
以下、エネルギー供給システム10が水素を外部に供給する際の動作について説明する。水素の外部供給有無は様々な判断材料がある。例えば、水素の外部需要量がある場合は、余剰水素を外部に供給してよい。その際に、水素の外部供給があった場合でも、水素の外部販売価格が所定の基準価格以下である場合は、外部供給をやめてもよい。さらに、外部需要量に合わせてエンジン11への供給と外部への供給との流量調整を実施するために、第二分配装置32を制御することが望ましい。
【0029】
図2は、エネルギー供給システム10が水素を外部に供給する際の動作例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理の実行は、たとえば制御器16によって制御される。
【0030】
水素の外部供給に先立って、エネルギー供給システム10は、システムの運転を開始し(ステップS001)、システムの暖機運転を行う(ステップS002)。暖機運転は所定時間行われる。あるいは、暖機運転は、エネルギー供給システム10の所定箇所の温度が任意の基準温度以上になるまで、または、経過時間に応じて事前に決定されたパターンで行われる。暖機運転の方法は、システムのサイズ、構成、等に応じて設計することができる。
【0031】
次に、エネルギー供給システム10は、外部における水素の需要を表す情報を取得する(ステップS101)。この情報は、たとえば外部における水素の需要があるか否かを表す情報と、需要量を表す情報とを含む。需要量は、たとえば流量(時間あたりの量、以下同じ)で表される。また、この情報は、たとえば外部のコンピュータ等から受信することによって取得することができる。
【0032】
ステップS101において水素の需要がある場合には、エネルギー供給システム10は、水素の販売価格を表す情報を取得し、販売価格が基準価格以上であるか否かを判定する(ステップS102)。販売価格を表す情報は、たとえば外部のコンピュータ等から受信することによって取得することができる。
【0033】
基準価格は、エネルギー供給システム10へ供給する燃料の価格、設備費、季節、時刻によるエネルギーの価値、等を考慮し、設計者が任意の値を事前に決定することができる。このような制御とすることで、経済的に成立する範囲で、需要量に合わせて、水素を外部に供給できる。
【0034】
ステップS101において水素の需要がない場合、または、ステップS102において販売価格が所定価格未満である場合には、エネルギー供給システム10は、水素(余剰水素)をエンジン11に供給する(ステップS103)。たとえば、第二分配装置32が水素の全量をエンジン11に分配する。ステップS103の後、処理はステップS101に戻る。
【0035】
ステップS102において販売価格が所定価格以上である場合には、エネルギー供給システム10は、現在の水素の供給量(エネルギー供給システム10から外部に供給されている水素の量)を取得し、需要量が供給量より大きいか否かを判定する(ステップS104)。需要量および供給量は、たとえば流量で表される。
【0036】
ステップS104において需要量が供給量より大きい場合には、エネルギー供給システム10は、供給量(すなわち外部に供給する水素の量)を増やす(ステップS105)。ここで増やす量(増分)は、任意に指定または変更可能である。ステップS105の後、処理はステップS102に戻る。なお、変形例としてステップS101に戻してもよい。
【0037】
ステップS104において需要量が供給量以下である場合には、エネルギー供給システム10は、供給量を減らす(ステップS106)。ここで減らす量も、任意に指定または変更可能である。ステップS106の後、処理はステップS102に戻る。なお、変形例としてステップS101に戻してもよい。
【0038】
ステップS102~S106のループは、停止指示が与えられるまで連続して実行することができる。このループにより、常に最適な水素量を外部へ供給することができる。
【0039】
このようにして、本実施形態に係るエネルギー供給システム10は、外部に水素を供給することができる。
【0040】
また、エネルギー供給システム10では、第二分配装置32が、外部に供給する水素の量を、水素の需要に応じて制御するので、需要に応じた適切な水素供給を行うことができる。また、とくに本実施形態では、第二分配装置32が、外部に供給する水素の量を、さらに水素の販売価格に応じて制御するので、エネルギー供給システム10の外部および内部における水素の価値を比較して、適切な水素供給を行うことができる。
【0041】
なお、エネルギー供給システム10は、熱交換器28から高温の水を排出するので、熱を外部に供給することができる。また、エンジン11およびSOFC12の発電動作により、電力を外部に供給することができる。このように、熱、電力、水素の3形態でエネルギーを供給することができる。とくに、エネルギー供給システム10は、熱電比を調整可能なコージェネレーションシステムとして機能する。
【0042】
<アノードオフガスの分配制御>
図3は、第一分配装置31に係る動作例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理の実行は、たとえば制御器16によって制御される。ステップS001およびS002は、図2の処理と同様である。ステップS002の後、エネルギー供給システム10は、SOFC12の入口の供給燃料および空気の温度が、所定の基準温度以上になるように分配装置を制御する。
【0043】
まず、エネルギー供給システム10は、SOFC12の入口におけるガス温度が、所定の基準温度以上であるか否かを判定する(ステップS201)。ここで、「ガス温度」とは、供給燃料(燃料ガス)の温度であってもよく、空気の温度であってもよく、双方に基づいて算出される温度であってもよい。また、基準温度はSOFC12の最適な稼働温度に基づいて適宜決定することができ、たとえば700℃である。
【0044】
ステップS201において、温度が基準温度以上である場合には、エネルギー供給システム10は、バーナー13に供給するアノードオフガスの量を減らす(ステップS202)。この量は、たとえば流量である。一方、温度が基準温度未満である場合には、エネルギー供給システム10は、バーナー13に供給するアノードオフガスの量を増やす(ステップS203)。ステップS202またはS203の後、処理はステップS201に戻る。
【0045】
このような制御により、SOFC12の温度を稼働に適した温度に維持しながら、外部に供給可能な水素の量を自由に変化させることができる。
【0046】
<SOFCへの燃料供給制御>
図4は、SOFC12への供給燃料の制御例を示すフローチャートである。このフローチャートの処理の実行は、たとえば制御器16によって制御される。とくに、この処理の実行は、図示しない燃料供給装置(たとえば熱交換器21に燃料を供給する)を介して実現することができる。
【0047】
ステップS001およびS002は、図2の処理と同様である。ステップS002の後、エネルギー供給システム10は、改質器14の温度が所定の基準温度以上であるか否かを判定する(ステップS301)。基準温度は、たとえば上述のように700℃である。
【0048】
ステップS301において改質器14の温度が基準温度以上である場合には、エネルギー供給システム10は、第二分配装置32が外部に水素を供給しているか否かを判定する(ステップS302)。
【0049】
ステップS302において外部に水素が供給されている場合には、エネルギー供給システム10は、外部における水素の需要量を表す情報を取得し、需要量が供給量より大きいか否かを判定する(ステップS303)。
【0050】
ステップS302において外部に水素が供給されていない場合、および、ステップS303において需要量が供給量以下である場合には、エネルギー供給システム10は、エンジン11にベース燃料が供給されているか否かを判定する(ステップS304)。
【0051】
ステップS303において需要量が供給量より大きい場合、および、ステップS304においてエンジン11にベース燃料が供給されている場合には、エネルギー供給システム10は、SOFC12への燃料の供給量を増やす(ステップS305)。ここで増やす量(増分)は、任意に指定または変更可能である。ステップS305の後、処理はステップS301に戻る。
【0052】
ステップS301において改質器14の温度が基準温度未満である場合、および、ステップS304においてエンジン11にベース燃料が供給されていない場合には、エネルギー供給システム10は、SOFC12への燃料の供給量を減らす(ステップS306)。ここで減らす量(増分)も、任意に指定または変更可能である。ステップS306の後、処理はステップS301に戻る。
【0053】
以上のように、ステップS301の判定結果に応じてステップS305またはS306が実行されるので、改質器14が適切な稼働温度でない場合にはSOFC12に供給される燃料が減少し、非効率な動作を抑制することができる。
【0054】
また、ステップS302の判定結果に応じてステップS305またはS306が実行されるので、水素を外部に供給している場合にはSOFC12に供給される燃料が増加し、より多くの水素を生成することができる。
【0055】
また、ステップS303の判定結果に応じてステップS305またはS306が実行されるので、水素の需要量が大きい場合にはSOFC12に供給される燃料が増加し、より多くの水素を生成することができる。
【0056】
また、ステップS304の判定結果に応じてステップS305またはS306が実行されるので、エンジン11にベース燃料が供給されておらず、すなわちエンジン11が第二分配装置32からの水素のみで動作している場合には、不要な水素の生成を抑制することができる。
【0057】
このように、図4の処理によれば、エネルギー供給システム10は、
‐改質器14の温度、
‐第二分配装置32が外部に水素を供給しているか否か、
‐外部における水素の需要量と、第二分配装置32から外部への水素の供給量との関係、および
‐エンジン11に燃料が供給されているか否か、
に基づいて、SOFC12への燃料の供給量を制御するので、SOFC12が生成する水素の量を最適に制御することができ、動作効率が向上する。
【0058】
なお、ステップS301~S304の判定処理は、いずれかを省略することも可能であり、ステップS301~S304のうち少なくとも1つが実行されればよい。たとえば、ステップS301~S304のうち1つのみを実行し、結果がYESであればステップS305を、NOであればステップS306を、それぞれ実行するよう構成することも可能である。
【0059】
ステップS301~S306のループは、停止指示が与えられるまで連続して実行することができる。このループにより、常に最適な量の燃料をSOFC12に供給することができる。
【0060】
<全体制御>
エネルギー供給システム10は、上記の制御以外に、エンジン11およびSOFC12の発電電力を電力需要に合わせるために、燃料の供給量を制御する。具体例として、システム全体での発電電力が、外部から要求される電力量の指示値(需要電力値等)に適合するように、各燃料の流量が増減する。
【0061】
<燃料供給装置>
SOFC12およびエンジン11へ供給する燃料の量に関する制御は、当業者が公知技術等に基づいて適宜設計することができ、特に制限はない。たとえば、燃料噴射弁の開閉周期および/または開閉時間の制御により流量を調整するものを用いてもよいし、マスフローコントローラのようなバルブ制御やポンプ制御による流量制御が可能なものを用いてもよい。また、必要に応じて加圧ポンプを用いて所定圧力まで加圧してもよい。
【0062】
<燃料の組成>
エンジン11へ供給するベース燃料の組成について、特に制限はない。一般的なエンジン燃料を用いることができ、たとえば、ガソリン、軽油、天然ガス、メタン、エタノール、水素などが考えられる。また、バイオエタノールまたはバイオガスを用いることも可能である。
【0063】
SOFC12へ供給する燃料の組成についても制限はなく、メタン、エタノール、メタノール、天然ガス、ガソリン、などの炭化水素燃料を用いることができる。また、改質器14内で水蒸気改質を行うために水も供給するが、水と燃料との比率はそれぞれの燃料に対して事前に適切な値を決定することにより制御することができる。特に、改質ガス中の水素量を多くする場合は、燃料中の水蒸気と炭素数のモル数の比率であるS/Cが高いことが望ましく5以上にすることが好ましい。
【0064】
燃料と水とは、それぞれを別々に供給してもよいし、エタノールのような水と混合が可能なものであれば、事前に混合したものを一つの供給装置で供給してもよい。水と燃料とを別々に供給する場合は、水の全量または一部として熱交換器25,26,27,28により昇温されたものを用いることも考えられる。これにより、改質器やSOFCを任意の温度に維持したまま、供給燃料量を増量させることができ、水素発生量を増やすことができる。これは、外部へ供給する熱量を減らし、水素生産量を増大することなる。すなわち、外部へ供給する熱と水素の供給量のバランスを制御することが可能となる。このように水を外部の熱利用装置と燃料供給装置へと分配する場合は図示しない水分配装置を設けてもよい。
【0065】
<エンジンの構成>
エンジン11は、公知の構成を備えたものとすることができ、ディーゼルエンジン、火花点火エンジン、等を用いることができる。
【0066】
図5に、エンジン11の概略構成例を示す。この例は予混合火花エンジンのものである。エンジン11において、ベース燃料を供給する燃料供給装置111が吸気管112または燃焼室113に備えられている。ベース燃料としてはガソリンや軽油等の石油系燃料だけでなく、エタノール混合ガソリン、バイオエタノールおよびメタンなど公知のものを用いることができる。さらに、エンジン11は、第二分配装置32からの改質ガスを供給する改質ガス供給装置114を吸気管112に備えており、これによって改質ガスが吸気管112に供給される。燃焼室113には点火プラグ116が配置され、エンジン11は燃料と改質ガスの双方もしくは少なくとも片方を用いて発電する構成となっている。
【0067】
エンジン11の台数に特に制限はなく、エネルギー供給システム10はエンジン11を複数台搭載しても良い。エンジン11の排気の全量または一部は、排気管115に結合された熱交換器21へ供給される。排気管115に結合される熱交換器21の台数に制限はなく、熱交換器21を複数台搭載する場合には、配置(並列や直列など)に制限はない。
【0068】
改質ガス中に含まれる水素は、燃焼速度がエンジン燃料として一般的に使われている炭化水素系燃料に比べ大きいこと、燃焼範囲が炭化水素系燃料に比べて大きいことから、急速燃焼および希薄燃焼が可能となる。更に、水素は炭化水素燃料に比べて燃焼性が高いことから、燃焼効率の向上が可能となる。これにより、エンジン11の熱効率が向上し、同一出力を出すための燃料の消費量削減が可能となる。
【0069】
また、図には示されていないが、吸気管112には吸入する空気量の調整バルブ(たとえばスロットル)を備えてもよく、燃料および改質ガスの量に対して量論空気量以上の空気が吸入されるよう制御されてもよい。さらに、水素を含む改質ガスの割合が高いときは、吸入空気量を増大し希薄燃焼を行うように制御されてもよい。
【0070】
<SOFCの構成>
SOFC12は酸化物イオン伝導型の燃料電池であり、一般的なSOFCを用いることができる。アノードには水素および一酸化炭素を含む燃料ガスが供給され、カソードには空気または酸素が供給される。SOFCの材料、稼働温度、サイズ、等については、特に制限はない。
【0071】
<熱交換器>
熱交換器21~28は、公知の構成を有する熱交換器を用いることができる。発電装置(エンジン11およびSOFC12)のサイズおよび仕様に合わせて適切な熱交換器を用いる。一般的なシェルアンドチューブ型、プレート型、フィンチューブ型、等の公知の熱交換器であってもよい。たとえば排熱ボイラーなどにより発電装置の排熱を用いて蒸気を生成するものであってもよい。
【0072】
熱交換器の構造および個数に制限はなく、複数台搭載した場合でも、配置(並列、直列など)に関して制限はない。熱交換器は放熱による大気への熱損失を低減するために、断熱材を取り付けるなど断熱を行うことが好ましい。熱交換器の出口には図に記載していない圧力調整弁を搭載してもよい。これにより、熱交換内の流路の圧力を上昇させることから、密度を増加させるため、熱交換能力が増大する。そのため、熱交換器の小型化が可能となる。また、熱利用装置の熱源として0.78MPa以上の高圧蒸気が必要な場合にも対応できる。
【0073】
<分配装置>
第一分配装置31および第二分配装置32には、公知の分配装置を用いることができる。単一の配管から二つの配管へ、それぞれ任意の流量を供給できる分配装置であってもよく、分配した配管それぞれにバルブを設置し、それぞれの流量を制御する分配装置であってもよい。例えば高温のガス制御装置においては、自動車用部品であるウエストゲートバルブやそれと同等なものを用いることができる。
【0074】
<改質器>
図6に、改質器14の概略構成例を示す。改質器14は反応器を備える。図6(a)は2流体型の反応器の例を示し、図6(b)は1流体型の反応器の例を示す。
【0075】
改質器14は燃料を改質ガスに変換する。改質器14は、燃料改質を行うための触媒141を内部に搭載している。改質器14は、高温水蒸気と燃料が供給可能な供給口142と、改質ガスの排出が可能な排出口143とを備える。
【0076】
改質器14のサイズおよび外形に制限は無い。サイズは、エンジン11またはSOFC12の出力に対応して、適宜調整することができる。
【0077】
改質器14の内部に搭載する触媒141の組成に制限はなく、たとえば公知のものが用いられる。たとえば金属またはセラミックを材料とした母材に、触媒材料を担持したものを用いる。母材の形状に制限はなく、ペレット状、ハニカム構造、シート状、等とすることができる。担持される触媒材料は、たとえばニッケル、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、モリブデン、レニウム、タングステン、バナジウム、オスミウム、クロム、コバルト、鉄、ニオブ、銅、亜鉛等から選択された少なくとも1種で構成される。
【0078】
<熱利用装置>
エネルギー供給システム10から供給される熱を利用する装置は、たとえば施設ごとに必要な装置とすることができ、制限はない。乾燥機、暖房装置、吸収式冷凍機、給湯器、等の熱源として用いることができる。他の公知の熱利用装置を用いてもよい。
【0079】
<分離器>
分離器15の構成について制限はない。設置場所に関しては、上述のように第二分配装置32の前後どちらに配置してもよい。
【0080】
<CO変成器>
アノードオフガス中には水素、二酸化炭素、一酸化炭素、水蒸気などが含まれる。外部へ水素を供給する場合は、改質ガス中の水素量を増やすことが好ましい。改質ガス中の一酸化炭素と水蒸気との以下のような反応を進めることで水素量を増量することができる。
CO+HO⇒CO+H
このために、図示していないCO変成器を設けてもよい。設置する場所に制限はないが、第一分配装置31と熱交換器23との間、熱交換器23と熱交換器25との間、熱交換器25の出口などが考えられる。CO変成器の具体的な構成は、公知技術等に基づいて当業者が適宜設計することができる。
【0081】
[第二実施形態]
以下、本発明の第二実施形態に関わるエネルギー供給システムの構成及び運転方法について説明する。第一実施形態と共通する部分については、説明を省略する場合がある。
【0082】
図7は、第二実施形態に関わるエネルギー供給システム10の基本構成例を示す概略図である。なおこの図では制御器16の図示を省略している。
【0083】
本実施形態では、第一実施形態(図1)の熱交換器群において、熱交換器23が省略されている。すなわち、SOFC12への供給燃料は、熱交換器21から直接改質器14へと流れ、SOFC12のアノードオフガスは、第一分配装置31から直接熱交換器25へと流れる。このように、熱交換器の一部を省略することも可能である。
【0084】
[第三実施形態]
以下、本発明の第三実施形態に関わるエネルギー供給システムの構成及び運転方法について説明する。第一または第二実施形態と共通する部分については、説明を省略する場合がある。
【0085】
図8は、第三実施形態に関わるエネルギー供給システム10の基本構成例を示す概略図である。なおこの図でも制御器16の図示を省略している。
【0086】
本実施形態では、第二実施形態(図7)において、SOFC12への供給燃料に含まれるメタンがエタノールに置き換えられ、改質器14の位置が変更されている(すなわち、熱交換器21があった位置に改質器14が配置されている)。また、改質器14があった位置には新たな熱交換器29が配置されている。このように、第三実施形態の熱交換器群は熱交換器21を含まず、熱交換器29を含む。
【0087】
熱交換器29は、SOFC12の排気(バーナー13を経由して供給される)と、改質器14からSOFC12への供給燃料とを熱交換する。これによってSOFC12への供給燃料がさらに加熱され、SOFC12の最適な稼働温度(たとえば700℃)に達する。
【0088】
エタノールやメタノール、ジエチルエーテル、ジメチルエーテルなどは比較的低温(たとえば400℃以上)で改質が可能なので、熱交換器による加熱を省略して改質器14に導入することができる。また、本実施形態ではSOFC12の最適な稼働温度が750℃であるため、SOFC12への供給燃料をさらに熱交換器29によって加熱する必要があるが、SOFC12の最適な稼働温度がより低い場合には、熱交換器29を省略することも可能である。
【0089】
[その他の実施形態]
第一、第二および第三実施形態において、当業者は公知技術等に基づいて適宜変形を施すことが可能である。具体例を以下に示す。
【0090】
図9に、エンジン11の変形例を示す。この例は直噴火花エンジンのものである。この変形例に係るエンジン11では、改質ガス供給装置114が吸気管112でなく燃焼室113に設けられており、これによって改質ガスは燃焼室113に供給される。このようなエンジン11で発電を行うことも可能である。
【0091】
図10に、エンジン11の別の変形例を示す。この例はディーゼルエンジンのものである。この変形例に係るエンジン11でも、改質ガス供給装置114が燃焼室113に設けられている。また、ディーゼルエンジンであるため燃料の発火点が低く、点火プラグ116は不要である。
【符号の説明】
【0092】
10…エネルギー供給システム
11…エンジン(内燃機関)
12…SOFC(燃料電池)
13…バーナー
14…改質器
15…分離器
16…制御器
21~29…熱交換器
31…第一分配装置
32…第二分配装置
111…燃料供給装置
112…吸気管
113…燃焼室
114…改質ガス供給装置
115…排気管
116…点火プラグ
141…触媒
142…供給口
143…排出口
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10