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特開2023-86570遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデル
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086570
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデル
(51)【国際特許分類】
   H04N 5/77 20060101AFI20230615BHJP
   A63F 7/02 20060101ALI20230615BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20230615BHJP
   H04N 23/60 20230101ALI20230615BHJP
【FI】
H04N5/77
A63F7/02 340
G06T7/00 350B
H04N5/232 220
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201179
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001432
【氏名又は名称】グローリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114306
【弁理士】
【氏名又は名称】中辻 史郎
(74)【代理人】
【識別番号】100148655
【弁理士】
【氏名又は名称】諏訪 淳一
(72)【発明者】
【氏名】江畑 伸明
【テーマコード(参考)】
2C088
5C122
5L096
【Fターム(参考)】
2C088FA01
5C122DA20
5C122DA22
5C122EA69
5C122FH11
5C122GA20
5C122GA21
5C122GA24
5C122GC14
5C122GC52
5C122HA48
5C122HB01
5C122HB09
5L096AA02
5L096CA04
5L096GA38
5L096HA02
5L096HA11
5L096JA11
5L096KA04
5L096KA15
(57)【要約】
【課題】遊技機を撮影した画像データ又は映像データを保存すべきか否かを効率的かつ適正に判定することを課題とする。
【解決手段】遊技機撮影装置は、遊技機を撮影した画像データ及びこの画像データから特賞発生の信頼度を判定する特賞発生の判定基準に基づいて、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態を判別予測するための機械学習を行う(S1)。この機械学習による訓練を行うことにより、遊技機状態判別モデルを生成する(S2)。この遊技機状態判別モデルに対して、遊技機の画像データを入力することにより(S3)、遊技機状態の予測結果を出力する(S4)。遊技機状態予測結果が信頼度高であるならば、撮影した遊技機の画像データ又は映像データを保存する(S4)。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置であって、
前記遊技機を撮影する撮影手段と、
前記遊技機の画像又は映像を記憶する記憶手段と、
前記撮影手段により撮影された判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定する判定手段と
を備えたことを特徴とする遊技機撮影装置。
【請求項2】
前記判定手段は、
少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像に基づいて機械学習された学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載の遊技機撮影装置。
【請求項3】
前記判定手段は、
少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像からなる訓練データと所定の判定基準データとを用いた決定木に基づく訓練により学習済モデルを生成する生成手段をさらに備え、
前記判定手段は、
前記生成手段により生成された学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機撮影装置。
【請求項4】
前記判定基準データは、
少なくとも前記遊技機における所定の発光エリアの発光色、役物の作動状況、保留エリアの色に基づくデータであることを特徴とする請求項3に記載の遊技機撮影装置。
【請求項5】
前記判定手段は、
少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像と正解データとを含む教師データを用いて多層ニューラルネットワークを教師あり学習した学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする請求項2に記載の遊技機撮影装置。
【請求項6】
遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置における遊技機撮影方法であって、
所定の撮影装置により前記遊技機を撮影する撮影工程と、
前記撮影工程により撮影された判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に格納するか否かを判定する判定工程と、
前記判定工程により前記記憶部に格納すると判定された場合に、前記判定対象となる遊技機の画像又は映像を前記記憶部に格納するよう制御する制御工程と
を含むことを特徴とする遊技機撮影方法。
【請求項7】
遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置において実行される遊技機撮影プログラムであって、
所定の撮影装置に前記遊技機を撮影させる撮影手順と、
前記撮影手順により撮影された判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に格納するか否かを判定する判定手順と、
前記判定手順により前記記憶部に格納すると判定された場合に、前記判定対象となる遊技機の画像又は映像を前記記憶部に格納するよう制御する制御手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする遊技機撮影プログラム。
【請求項8】
遊技店に配設された遊技機を撮影する場合に用いられる学習済モデルであって、
少なくとも所定の撮影装置により撮影された画像又は映像からなる訓練データと所定の判定基準データとを用いた決定木に基づく訓練により生成され、
前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像が入力されたことを条件として、前記判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に記憶するか否かを判定する
ことを特徴とする学習済モデル。
【請求項9】
遊技店に配設された遊技機を撮影する場合に用いられる学習済モデルであって、
少なくとも所定の撮影装置により撮影された画像又は映像と正解データとを含む教師データを用いて多層ニューラルネットワークに教師あり学習を行って生成され、
前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像が入力されたことを条件として、前記判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に記憶するか否かの判定結果を出力する
ことを特徴とする学習済モデル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データを効率良く取得することができる遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ機などの遊技機には、様々な演出を表示する液晶パネルが設けられることが多い。そして、遊技者は、珍しい演出が生じた場合や大当たり濃厚な演出が生じた場合に、遊技機の液晶パネルの演出の画像データ又は映像データをスマートフォン又はカメラで撮影し、SNS(Social networking service)に公開する機会が増加している。
【0003】
このため、遊技者に対して画像データ又は映像データを撮影するタイミングを告知する従来技術が知られている。例えば、特許文献1には、パチンコ機が、特別図柄の変動表示中、特定の演出を実行する演出シナリオが選択された場合に、その特定の演出が開始される前に、シャッターチャンスを示唆するキャラクタ画像等の遊技者による撮影のタイミングを告知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-174943号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この引用文献1のものは、シャッターチャンスを示唆するキャラクタ画像を用いて遊技者に撮影のタイミングを告知するものの、遊技者がスマートフォンなどを取り出して準備している間に特定の演出が終了してしまう可能性がある。加えて、実際の遊技機では、液晶パネルだけを用いて演出をするわけではなく、サイドランプの点灯などを併用して演出がされることも多い。
【0006】
このため、遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データをいかに効率良く取得できるようにするかが重要な課題となっている。
【0007】
本発明は、上記従来技術の課題(問題点)を解決するためになされたものであって、遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データを効率良く取得することができる遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本発明は、遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置であって、前記遊技機を撮影する撮影手段と、前記遊技機の画像又は映像を記憶する記憶手段と、前記撮影手段により撮影された判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定する判定手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像に基づいて機械学習された学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする。
【0010】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像からなる訓練データと所定の判定基準データとを用いた決定木に基づく訓練により学習済モデルを生成する生成手段をさらに備え、前記判定手段は、前記生成手段により生成された学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、上記発明において、前記判定基準データは、少なくとも前記遊技機における所定の発光エリアの発光色、役物の作動状況、保留エリアの色に基づくデータであることを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、上記発明において、前記判定手段は、少なくとも前記撮影装置により撮影された画像又は映像と正解データとを含む教師データを用いて多層ニューラルネットワークを教師あり学習した学習済モデルに対して、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、前記判定対象となる画像又は映像を前記記憶手段に記憶するか否かを判定することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置における遊技機撮影方法であって、所定の撮影装置により前記遊技機を撮影する撮影工程と、前記撮影工程により撮影された判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に格納するか否かを判定する判定工程と、前記判定工程により前記記憶部に格納すると判定された場合に、前記判定対象となる遊技機の画像又は映像を前記記憶部に格納するよう制御する制御工程とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、遊技店に配設された遊技機を撮影する遊技機撮影装置において実行される遊技機撮影プログラムであって、所定の撮影装置に前記遊技機を撮影させる撮影手順と、前記撮影手順により撮影された判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に格納するか否かを判定する判定手順と、前記判定手順により前記記憶部に格納すると判定された場合に、前記判定対象となる遊技機の画像又は映像を前記記憶部に格納するよう制御する制御手順とをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、遊技店に配設された遊技機を撮影する場合に用いられる学習済モデルであって、少なくとも所定の撮影装置により撮影された画像又は映像からなる訓練データと所定の判定基準データとを用いた決定木に基づく訓練により生成され、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像が入力されたことを条件として、前記判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に記憶するか否かを判定することを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、遊技店に配設された遊技機を撮影する場合に用いられる学習済モデルであって、少なくとも所定の撮影装置により撮影された画像又は映像と正解データとを含む教師データを用いて多層ニューラルネットワークに教師あり学習を行って生成され、前記撮影装置により撮影された判定対象となる画像又は映像が入力されたことを条件として、前記判定対象となる画像又は映像を所定の記憶部に記憶するか否かの判定結果を出力することを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データを効率良く取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、実施形態1に係る遊技機撮影装置の概要の説明図である。
図2図2は、図1に示した遊技機撮影装置の構成を示すブロック図である。
図3図3は、図2に示した訓練データ及び判定基準データの一例を示す図である。
図4図4は、図2に示した録画時間設定データ及び保存設定データの一例を示す図である。
図5図5は、実施形態1に係る画像判定エリアの一例を示す図である。
図6図6は、実施形態1に係る特賞発生判定基準の一例を示す図である。
図7図7は、実施形態1に係る決定木の一例を示す図(その1)である。
図8図8は、実施形態1に係る決定木の一例を示す図(その2)である。
図9図9は、実施形態1に係る機械学習のブースティング手法の一例を示す図である。
図10図10は、実施形態1に係る決定木の扱い方の一例を示す図である。
図11図11は、実施形態1に係る画像データ及び映像データの保存処理の処理手順を示すフローチャートである。
図12図12は、実施形態2に係る遊技機状態判別モデルを用いた信頼度生成の概要の説明図である。
図13図13は、図12に示した遊技機状態判別モデルの層構造の一例を示す図である。
図14図14は、実施形態2に係る遊技機撮影装置の構成を示すブロック図である。
図15図15は、実施形態3に係る遊技情報管理システムの概要の説明図(その1)である。
図16図16は、実施形態3に係る遊技情報管理システムの概要の説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[実施形態1]
以下、本実施形態1に係る遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデルについて詳細に説明する。
【0020】
<実施形態1に係る遊技機撮影装置10の概要>
まず、本実施形態1に係る遊技機撮影装置10の概要について説明する。図1は、本実施形態1に係る遊技機撮影装置10の概要を説明するための説明図である。ここでは、遊技機の画像データ又は映像データをカメラで撮影して一時記憶しておき、この画像データ又は映像データを遊技機撮影装置10の記憶部に保存する場合について説明する。
【0021】
遊技機撮影装置10は、遊技店に設置された遊技機を撮影した画像データ又は映像データを学習済みモデルに入力することによって、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態を予測し、この予測結果に基づいて撮影した画像データ又は映像データを保存すべきか否かを判定する。
【0022】
例えば、遊技機を撮影した画像データ及びこの画像データから特賞発生の信頼度を判定する特賞発生の判定基準に基づいて、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態を予測するための機械学習を行う(S1)。この機械学習による訓練を行うことにより、遊技機状態判別モデルを生成する(S2)。
【0023】
この機械学習による学習済モデルである遊技機状態判別モデルに対して、遊技機の画像データを入力することにより(S3)、遊技機状態の予測結果を出力する(S4)。遊技機状態予測結果が信頼度高であるならば、撮影した画像データ又は映像データを保存する(S4)。
【0024】
このように、本実施形態1に係る遊技機撮影装置10では、遊技機を撮影した画像データ又は映像データを保存すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる。
【0025】
<遊技機撮影装置10の構成>
次に、図1に示した遊技機撮影装置10の構成について説明する。図2は、図1に示した遊技機撮影装置10の構成を示すブロック図である。図2に示すように、遊技機撮影装置10は、カメラ14、表示部15、入力部16、記憶部12及び制御部13を有する。
【0026】
カメラ14は、遊技機を撮影するカメラ等の撮影装置である。表示部15は、液晶パネルやディスプレイ装置等の表示デバイスである。入力部16は、キーボードやマウス等の入力デバイスである。
【0027】
記憶部12は、ハードディスク装置や不揮発性メモリ等からなる記憶デバイスである。記憶部12は、訓練データ12a、判定基準データ12b、録画時間設定データ12c、保存設定データ12d、一時画像データ12e、保存画像データ12f、一時映像データ12g及び保存映像データ12hを記憶する。
【0028】
訓練データ12aは、遊技機状態判別モデルを訓練するためのデータであり、画像データ名及び遊技機の状態、並びに、発光エリア、役物エリア、保留エリアの状態などを含む。判定基準データ12bは、対象となる画像データから特賞発生の信頼度を予測するための基準となるデータである。
【0029】
録画時間設定データ12cは、録画時間を設定するためのデータであり、一時録画時間及び録画終了時間を含む。保存設定データ12dは、遊技機の状態等に応じて画像データ又は映像データの保存の可否を設定するためのデータである。
【0030】
一時画像データ12eは、カメラ14で撮影された画像データを一時的に記憶するためのデータである。保存画像データ12fは、カメラ14で撮影された画像データを保存すると判定された場合に、この画像データ保存するためのデータである。
【0031】
一時映像データ12gは、カメラ14で撮影された映像データを一時的に記憶するためのデータである。保存映像データ12hは、カメラ14で撮影された映像データを保存すると判定された場合に、この映像データを保存するためのデータである。
【0032】
制御部13は、遊技機撮影装置10を全体制御する制御部であり、訓練データ生成部13a、モデル訓練部13b、モデル予測部13c、設定管理部13e及び撮影制御部13fを有する。実際には、これらのプログラムをCPU(Central Processing Unit)にロードして実行することにより、訓練データ生成部13a、モデル訓練部13b、モデル予測部13c、設定管理部13e及び撮影制御部13fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0033】
訓練データ生成部13aは、遊技機状態判別モデルを訓練するためのデータを生成する処理部である。訓練データ生成部13aは、カメラ14により撮影された遊技機の画像データ、並びに、この画像データに記憶された遊技機の状態及び発光エリア、役物エリア、保留エリアの状態を含む訓練データ12aを生成し、記憶部12に格納する。
【0034】
モデル訓練部13bは、遊技機状態判別モデルの訓練を行う処理部である。モデル訓練部13bは、訓練データ12a及び判定基準データ12bを用いて、対象となる画像データを入力することにより、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態を判別予測する遊技機状態判別モデルの訓練を行う。
【0035】
モデル予測部13cは、訓練された遊技機状態判別モデル13dを用いて、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態の判別予測を行う処理部である。モデル予測部13cは、訓練された遊技機状態判別モデル13dに一時画像データ12eを入力することにより、遊技機の状態の判別予測を行う。この遊技機の状態には、通常時、特賞中、高確中、時短中、役物、保留変化、発光、信頼度などが含まれ、遊技機状態判別モデル13dは、遊技機の状態がいずれか一つ又は複数の状態であることを判別予測する。
【0036】
設定管理部13eは、録画時間設定データ12c及び保存設定データ12dを管理する処理部である。設定管理部13eは、入力部16から一時録画時間及び録画終了時間を受け付けたならば、受け付けた各時間を録画時間設定データ12cに記憶する。設定管理部13eは、入力部16から遊技機の状態に応じた画像保存設定及び映像保存設定を受け付けたならば、受け付けた各設定を保存設定データ12dに記憶する。
【0037】
撮影制御部13fは、カメラ14に対する撮影制御と、画像データ及び映像データの保存の制御を行う処理部である。撮影制御部13fは、画像データの撮影開始を受け付けたならば、カメラ14に対して所定の時間間隔(例えば、5秒間隔)で撮影するよう撮影開始指示を行い、カメラ14にて撮影された画像データを一時画像データ12eに記憶する。撮影制御部13fは、モデル予測部13cにより予測された遊技機の状態が、保存設定データ12dの画像保存設定において「保存する」と設定されていたならば、一時画像データ12eを保存画像データ12fに記憶する。
【0038】
また、撮影制御部13fは、映像データの撮影開始を受け付けたならば、カメラ14に対して映像データの撮影開始指示を行い、撮影された映像データを一時映像データ12gに記憶する。撮影制御部13fは、一時映像データ12gに記憶した映像データの記憶時間が録画時間設定データ12cの一時録画時間(例えば、3分)を超えたならば、この一時録画時間以前の映像データを消去する。
【0039】
また、撮影制御部13fは、モデル予測部13cにより予測された遊技機の状態が、保存設定データ12dの映像保存設定において「保存する」と設定されていたならば、一時映像データ12gを保存映像データ12hに記憶するとともに、引き続きカメラ14により撮影される映像データを保存映像データ12hに記憶する。
【0040】
また、撮影制御部13fは、カメラ14により撮影される映像データを保存映像データ12hに記憶している場合において、モデル予測部13cにより予測された遊技機の状態が、保存設定データ12dの映像保存設定において「保存しない」と設定されていたならば、録画時間設定データ12cの録画終了時間の後(例えば、2分後)に、保存映像データ12hへの映像データの記憶を終了する。
【0041】
次に、図2に示した遊技機撮影装置10の記憶部12が記憶するデータの一例を説明する。図3及び図4は、図2に示した訓練データ12a、判定基準データ12b、録画時間設定データ12c及び保存設定データ12dの一例を示す図である。
【0042】
図3(a)に示す訓練データ12aは、データ番号「abc0001」に対して、画像データ名「abc0001.jpg」、状態「時短中」、発光エリア「赤色」、役物エリア「役物A」、保留エリア「緑色」を対応付け、データ番号「abc0002」に対して、画像データ名「abc0002.jpg」、状態「高確中」、発光エリア「虹色」、役物エリア「役物B」、保留エリア「青色」を対応付けている。また、データ番号「abc0003」に対して、画像データ名「abc0003.jpg」、状態「時短中」、発光エリア「白色」、役物エリア「役物A」、保留エリア「金色」を対応付け、データ番号「abc0004」に対して、画像データ名「abc0004.jpg」、状態「通常時」、発光エリア「赤色」、役物エリア「役物B」、保留エリア「緑色」を対応付けている。
【0043】
図3(b)に示す判定基準データ12bは、判定区分「発光エリアの色」、内容「虹色」に対して信頼度「高」を対応付け、判定区分「役物エリアの表示」、内容「役物A」に対して信頼度「中」を対応付け、判定区分「保留エリアの色」、内容「金色」に対して信頼度「中」を対応付け、判定区分「複数エリアでの信頼度」、内容「2つのエリアで信頼度中」に対して信頼度「高」を対応付けている。
【0044】
図4(a)に示す録画時間設定データ12cは、一時録画時間「3分」、録画終了時間「2分」が設定されていることを示している。
【0045】
図4(b)に示す保存設定データ12dは、状態「通常時」に対して、画像保存設定「保存しない」、映像保存設定「保存しない」を対応付け、状態「特賞中」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付けている。また、状態「高確中」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付け、状態「時短中」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付けている。また、状態「役物A」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付け、状態「役物B」に対して、画像保存設定「保存しない」、映像保存設定「保存しない」を対応付けている。
【0046】
また、保存設定データ12dは、状態「保留変化」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付け、状態「発光(虹色)」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付けている。また、状態「発光(赤色)」に対して、画像保存設定「保存しない」、映像保存設定「保存しない」を対応付け、状態「発光(白色)」に対して、画像保存設定「保存しない」、映像保存設定「保存しない」を対応付けている。また、状態「信頼度高」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付け、状態「信頼度中」に対して、画像保存設定「保存する」、映像保存設定「保存する」を対応付け、状態「信頼度低」に対して、画像保存設定「保存しない」、映像保存設定「保存しない」を対応付けている。
【0047】
<実施形態1に係る画像判定エリアの一例>
次に、本実施形態1に係る画像判定エリアの一例について説明する。図5は、本実施形態1に係る画像判定エリアの一例を示す図である。図5に示すように、ここでは画像判定エリアとして、役物エリア、保留エリア及び発光エリアの三種類のエリアが規定されている。
【0048】
役物エリアは、遊技機に設けられた複数種類の役物が表示されるエリアであり、遊技の状態に応じて表示される役物が変化する。保留エリアは、大当り抽選の残り抽選回数が表示されるエリアであり、大当り抽選回数の増減により、表示内容及び色が変化する。発光エリアは、遊技の状態に応じて発光するエリアであり、虹色、赤色、白色などのように発光態様が変化する。
【0049】
<実施形態1に係る特賞発生判定基準の一例>
次に、本実施形態1に係る特賞発生判定基準の一例について説明する。図6は、本実施形態1に係る特賞発生判定基準の一例を示す図である。図6に示すように、特賞発生判定基準は4種類に区分される。
【0050】
判定基準1は、発光エリアの色が虹色の場合であり、信頼度は「高」とする。判定基準2は、役物エリアの表示が役物Aの場合であり、信頼度は「中」とする。判定基準3は、保留エリアの色が金色の場合であり、信頼度は「中」とする。判定基準4は、二つのエリアの判定が同時に信頼度中の場合であり、信頼度は「高」とする。
【0051】
<実施形態1に係る機械学習の要領>
次に、本実施形態1に係る機械学習の要領について説明する。機械学習は、教師あり学習、教師なし学習及び強化学習に区分されるが、本実施形態1では教師あり学習を行うものとする。教師あり学習では、入力とこの入力に対する正しい出力を含む訓練データを用いて、機械学習の訓練を行う。具体的には、訓練データ12aを用いて遊技機状態判別モデルの訓練を行う。
【0052】
機械学習には、ニアレストネイバー法、サポートベクターマシン、決定木など、様々なアルゴリズムが開発されているが、本実施形態1では、予測精度が高く訓練に要する時間が短い決定木を利用したアルゴリズム(例えば、LightGBM(登録商標))を用いるものとする。
【0053】
LightGBM(登録商標)は、決定木アルゴリズムに基づいた勾配ブースティングの機械学習フレームワークである。この決定木及び勾配ブースティングについて説明する。決定木とは、条件に基づいて分岐を行い、出力の対象とする区分に判別するアルゴリズムである。条件に基づく分岐により、シンプルな木構造を形成するため、決定木と呼ばれる。
【0054】
ここで、本実施形態1に係る決定木の一例について説明する。図7及び図8は、本実施形態1に係る決定木の一例を説明するための説明図である。図7に示すように、判別の対象となる画像データが6種類(データ番号1~6)あり、それぞれのデータにおいて、発光エリア、役物エリア、保留エリア及び信頼度が関連付けられている。
【0055】
判別のための条件は、図6に示した特賞発生判定基準を用いる。この特賞発生判定基準に基づいて、画像データの信頼度が判別される。具体的には、図8に示すように、信頼度高が「2」、信頼度中が「2」、信頼度低が「2」の場合において、発光エリアの色が虹色という条件1において分岐を行う。発光エリアの色が虹色の場合は(Yesの場合)、信頼度高が「1」、信頼度中が「0」、信頼度低が「0」となり、発光エリアの色が虹色でない場合は(Noの場合)、信頼度高が「1」、信頼度中が「2」、信頼度低が「2」となる。
【0056】
条件1でNoに分岐した場合、役物エリアの表示が役物Aという条件2において分岐を行う。役物エリアの表示が役物Aである場合は(Yesの場合)、信頼度高が「1」、信頼度中が「1」、信頼度低が「0」となり、役物エリアの表示が役物Aでない場合は(Noの場合)、信頼度高が「0」、信頼度中が「1」、信頼度低が「2」となる。
【0057】
条件2でYesに分岐した場合、保留エリアの色が金色という条件3において分岐を行う。保留エリアの色が金色である場合は(Yesの場合)、信頼度高が「1」、信頼度中が「0」、信頼度低が「0」となり、保留エリアの色が金色でない場合は(Noの場合)、信頼度高が「0」、信頼度中が「1」、信頼度低が「0」となる。
【0058】
条件2でNoに分岐した場合、保留エリアの色が金色という条件3において分岐を行う。保留エリアの色が金色である場合は(Yesの場合)、信頼度高が「0」、信頼度中が「1」、信頼度低が「0」となり、保留エリアの色が金色でない場合は(Noの場合)、信頼度高が「0」、信頼度中が「0」、信頼度低が「2」となる。
【0059】
次に、勾配ブースティングについて説明する。勾配ブースティングは、複数の弱学習器(本実施形態1では、決定木のアルゴリズム)を一つにまとめるアンサンブル学習の一種であるブースティングを用いた手法であり、前の学習器の結果を次の訓練データに反映させるため、弱学習器の予測誤差を含めた訓練が可能となり、最終的な予測精度を向上させることができる。
【0060】
ここで、本実施形態1に係る機械学習のブースティング手法の一例について説明する。図9は、本実施形態1に係る機械学習のブースティング手法の一例を示す図である。図9に示すように、訓練データ1を弱学習器1に入力し、その出力を訓練データ2として弱学習器2に入力する。この弱学習器2の出力を訓練データ3として弱学習器3に入力する。
【0061】
訓練データ2には、弱学習器1の予測誤差が、訓練データ3には、弱学習器2の予測誤差がそれぞれ含まれている。なお、訓練データ1は、本実施形態1における訓練データ12aに相当する。
【0062】
また、LightGBM(登録商標)は、勾配ブースティングの訓練過程において、決定木の扱い方を工夫することにより、訓練に要する時間を短縮している。決定木の扱い方にはLevel-wiseとLeaf-wiseがあり、それぞれについて説明する。
【0063】
図10は、本実施形態1に係る決定木の扱い方の一例を示す図である。図10(a)に示すように、Level-wiseは、木構造の層(Level)が均等に成長する手法であり、幅広く訓練することができる。
【0064】
図10(b)に示すように、Leaf-wiseは、木構造の中で特徴のある葉(Leaf)を成長させていくため、訓練時間を短縮することができる。LightGBM(登録商標)は、このLeaf-wiseを採用している。
【0065】
このように、本実施形態1では、予測精度が高く、訓練に要する時間が短いなどの特徴を持つLightGBM(登録商標)を用いて、遊技機状態判別モデルの訓練を行う。
【0066】
次に、本実施形態1に係る画像データ及び映像データの保存処理の処理手順について説明する。図11は、本実施形態1に係る画像データ及び映像データの保存処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0067】
遊技機の撮影が開始されたならば、撮影された画像データ又は映像データを一時画像データ12e及び一時映像データ12gに記憶する(ステップS101)。一時画像データ12e及び遊技機状態判別モデルを用いて、遊技機の状態を判別予測する(ステップS102)。
【0068】
保存設定データ12dの画像保存設定において、判別予測結果の状態が「保存する」と設定されていたならば(ステップS103:Yes)、一時画像データ12eを保存画像データ12fに記憶する(ステップS104)。
【0069】
保存映像データ12hに映像データを記憶中でない場合に(ステップS105:No)、保存設定データ12dの映像保存設定において、判別予測結果の状態が「保存する」と設定されていたならば(ステップS106:Yes)、一時映像データ12gを保存映像データ12hに記憶するとともに、撮影されている映像データを引き続いて保存映像データ12hに記憶する(ステップS107)。
【0070】
保存映像データ12hに映像データを記憶中である場合に(ステップS105:Yes)、保存設定データ12dの映像保存設定において、判別予測結果の状態が「保存しない」と設定されていたならば(ステップS108:Yes)、撮影されている映像データの保存映像データ12hへの記憶を録画時間設定データ12cの録画終了時間後に終了する(ステップS109)。
【0071】
撮影を継続するならば(ステップS110:No)、ステップS101に移行し、撮影を終了するならば(ステップS110:Yes)、処理を終了する。
【0072】
上述してきたように、本実施形態1に係る遊技機撮影装置10は、遊技機を撮影した画像データである訓練データを用いて、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態を判別予測するための機械学習を行い、この機械学習による学習済モデルである遊技機状態判別モデルに対して、遊技機の画像データを入力することにより、遊技機状態の予測結果を出力し、この予測結果に基づいて、撮影した遊技機の画像データ又は映像データを保存するか否かを判定するよう構成したので、遊技機を撮影した画像データ又は映像データを保存すべきか否かを効率的かつ適正に判定し、もって遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データを遊技者が効率良く取得することができる。
【0073】
具体的には、少なくともカメラにより撮影された画像又は映像からなる訓練データと所定の判定基準データとを用いた決定木に基づく訓練により学習済モデルを生成し、生成された学習済モデルに対して、カメラにより撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、判定対象となる画像又は映像を記憶部に記憶するか否かを判定することになる。この際、判定基準データは、少なくとも遊技機における所定の発光エリアの発光色、役物の作動状況、保留エリアの色に基づくデータとなる。
【0074】
なお、上記の実施形態1では、画像データ又は映像データを遊技機撮影装置10に保存する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、スマートフォンなどの携帯端末やクラウド上の記憶装置に保存することもできる。
【0075】
[実施形態2]
ところで、上記の実施形態1では、決定木を利用したアルゴリズムによる機械学習によって学習済モデルを生成する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、深層学習による機械学習によって学習済モデルを生成するよう構成することもできる。本実施形態2では、深層学習による機械学習によって学習済モデルを生成する場合について説明する。以下では、CNN(Convolutional Neural Network)の学習済モデルを用いる場合を中心に説明する。
【0076】
<実施形態2に係る遊技機状態判別モデルを用いた信頼度生成の概要>
まず、本実施形態2に係る遊技機状態判別モデルを用いた信頼度生成の概要について説明する。図12は、本実施形態2に係る遊技機状態判別モデルを用いた信頼度生成の概要を説明するための説明図である。
【0077】
図12に示すように、CNNの深層学習によって生成された遊技機状態判別モデル30に遊技機の画像データBを入力することにより、信頼度を出力する。遊技機状態判別モデル30は、訓練データによって生成されるが、遊技機の画像データを用いた判別予測を行う場合においても、遊技機状態判別モデル30が同時に訓練される。
【0078】
次に、上記のCNNの学習済モデルである遊技機状態判別モデル30の層構造について説明する。図13は、図12に示した遊技機状態判別モデル30の層構造の一例を示す図である。図13に示すように、遊技機状態判別モデル30は、コンボリューション層(Convolution)31、コンボリューション層(Convolution)32、アベレージプーリング層(Average Pooling)33、コンボリューション層(Convolution)34、アベレージプーリング層(Average Pooling)35、全結合層(Fully Connect)36、全結合層(Fully Connect)37及び出力層(Softmax)38を有する。
【0079】
コンボリューション層31,32,34は、局所的な特徴を抽出するために、前層で近くにあるノードにフィルタを畳み込んで特徴マップを生成する。アベレージプーリング層33,35は、局所的な特徴をまとめあげるために、前層であるコンボリューション層から出力された特徴マップをさらに縮小して新たな特徴マップとする。このように、CNNの隠れ層は、コンボリューション層とアベレージプーリング層により形成される。全結合層36,37は、特徴部分が取り出された特徴マップを一つのノードに結合し、所定の活性化関数によって変換された値を出力する。この活性化関数には、周知技術であるReLU(Rectified Linear Unit)等を用いることができる。出力層38は、全結合層37からの出力(特徴変数)を元に、ソフトマックス関数を用いて確率に変換し、それぞれ正しく分類される確率を出力する。なお、オーバーフィッティングを避けるためにドロップアウト層を追加することもできる。なお、CNNの基本構造は公知技術であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0080】
<遊技機撮影装置20の構成>
次に、本実施形態2に係る遊技機撮影装置20の構成について説明する。図14は、本実施形態2に係る遊技機撮影装置20の構成を示すブロック図である。図14に示すように、遊技機撮影装置20は、カメラ14、表示部15、入力部16、記憶部12及び制御部23を有する。なお、図2に示した遊技機撮影装置10と同様の機能部についての説明は省略する。また、CNNの教師あり学習は、高速処理できるサーバ装置又はクラウド上で行われることが多いが、ここでは説明の便宜上、遊技機撮影装置20においてCNNの教師あり学習を行う場合を示すこととする。
【0081】
制御部23は、遊技機撮影装置20を全体制御する制御部であり、教師データ生成部23a、学習処理部23b、予測部23c、設定管理部13e及び撮影制御部13fを有する。実際には、これらのプログラムをCPUにロードして実行することにより、教師データ生成部23a、学習処理部23b、予測部23c、設定管理部13e及び撮影制御部13fにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0082】
学習処理部23bは、教師データ24を用いた教師あり学習をCNNに対して実施して学習済モデルとなる遊技機状態判別モデル30を生成する処理部である。学習処理部23bは、画像データ又は映像データと正解データとを含む教師データ24をCNNに入力し、バックプロパゲーション処理を行ってCNNの学習済モデルとなる遊技機状態判別モデル30を生成する。
【0083】
予測部23cは、CNNの学習済モデルである遊技機状態判別モデル30を用いて、特賞発生の信頼度を含む遊技機の状態の判別予測を行う処理部である。予測部23cは、遊技機状態判別モデル30に一時画像データ12eを入力することにより、遊技機の状態の判別予測を行う。この遊技機の状態には、通常時、特賞中、高確中、時短中、役物、保留変化、発光、信頼度などが含まれ、遊技機状態判別モデル30は、遊技機の状態がいずれか一つ又は複数の状態であることを予測する。
【0084】
このように、本実施形態2に係る遊技機撮影装置20は、CNNの深層学習によって生成された遊技機状態判別モデル30により、信頼度を出力し、この信頼度を用いて撮影した遊技機の画像データ又は映像データを保存するか否かを判定するよう構成したので、遊技機を撮影した画像データ又は映像データを保存すべきか否かを効率的かつ適正に判定することができる。
【0085】
具体的には、少なくともカメラにより撮影された画像又は映像と正解データとを含む教師データを用いて多層ニューラルネットワーク(CNN)を教師あり学習した学習済モデルに対して、カメラにより撮影された判定対象となる画像又は映像を入力して、判定対象となる画像又は映像を記憶部に記憶するか否かを判定することになる。
【0086】
[実施形態3]
ところで、上記の実施形態1では、機械学習による学習済モデルの判別予測を用いて画像データ又は映像データを保存するか否かを判定する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、学習済モデルの判別予測を用いて、情報サービスサーバに登録された画像データが、高設定示唆の部分画像データを含む画像データ(以下、「高設定示唆画像データ」という。)に該当するか否かを判定するよう構成することもできる。本実施形態3では、学習済モデルの判別予測を用いて、情報サービスサーバに登録された画像データが高設定示唆画像データに該当するか否かを判定し、判定結果を用いて画像データの登録を制御する場合について説明する。
【0087】
<実施形態3に係る遊技情報管理システムの概要>
まず、本実施形態3に係る遊技情報管理システムの概要について説明する。図15及び図16は、本実施形態3に係る遊技情報管理システムの概要を説明するための説明図である。
【0088】
図15に示すように、情報サービスサーバ70は、遊技機や遊技店に関する情報を提供するサービス(以下、「情報サービス」という)を行う装置であり、遊技機の各機種における高設定示唆画像データが情報サービスサーバ70に事前に登録されている(S1)。この高設定示唆画像データとは、この画像データが遊技機で表示されたならば、特賞が発生する確率が高いことを示唆する画像データのことをいう。
【0089】
情報サービスの利用者は、利用者端末80に情報サービスID及び遊技店会員IDを登録し(S2)、利用者端末80は、受け付けた情報サービスID及び遊技店会員IDを情報サービスサーバ70に通知する(S3)。
【0090】
情報サービスサーバ70は、情報サービスID及び遊技店会員IDを受け取ったならば、遊技店内に設置されている管理装置60との間で、情報サービスID及び遊技店会員IDの関連付け処理を行う(S4)。
【0091】
次に、図16に示すように、利用者が遊技店内の台間カード処理機40に会員カードを挿入したならば(S5)、台間カード処理機40は、会員カードの挿入通知を管理装置60に通知する(S6)。
【0092】
管理装置60は、会員ID及びこの会員IDに関連付けられた情報サービスIDを情報サービスサーバ70に通知する(S7)。情報サービスサーバ70は、会員IDから遊技店IDを特定し、利用者の保有する利用者端末80にこの遊技店IDを通知する(S8)。
【0093】
利用者が、利用者端末80により遊技機を撮影し(S9)、撮影した遊技機の画像データを情報サービスサーバ70に投稿したならば(S10)、情報サービスサーバ70は、遊技機状態判別モデルにより、投稿された画像データが高設定示唆画像データと合致している否かを判定し、合致している場合には、この画像データに遊技店の情報を合わせて登録する(S11)。投稿された画像データが高設定示唆画像データと合致していない場合は、その旨を利用者端末80に通知してもよい。
【0094】
情報サービスサーバ70に登録された画像データは、情報サービスの利用者が利用者端末80に表示することができる。表示を行う画像データの選択は、遊技店、高設定等の項目を用いて検索することもできる。また、表示された画像データから、遊技機が撮影された遊技店を特定することもできる。
【0095】
このように、本実施形態3に係る遊技情報管理システムは、学習済モデルの判別予測を用いて、情報サービスサーバに登録された画像データが高設定示唆画像データに該当するか否かを判定し、判定結果を用いてが画像データの登録を制御することができる。
【0096】
なお、上記の実施形態3では、利用者端末80で情報サービスIDと遊技店会員IDを登録した後に、遊技機を撮影した画像データを情報サービスサーバ70に投稿する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、情報サービスIDと遊技店会員IDを登録する以前に撮影した画像データについても、利用者端末80に記憶された画像データから選択して情報サービスサーバ70に投稿できるよう構成することもできる。
【0097】
また、上記の実施形態3では、情報サービスサーバ70が、会員カードの挿入によって遊技店を特定し、画像データの投稿を受け付ける構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、撮影時に画像データに関連付けられた時刻及び位置情報を用いて、遊技機が撮影された遊技店を特定し、画像データの投稿を受け付けるよう構成することもできる。
【0098】
また、上記の実施形態3では、高設定示唆画像データの登録は情報サービスサーバ70において行う構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、高設定示唆画像データの情報を提供する他のサーバ等から高設定示唆画像データ等の情報を受け付けて登録するよう構成することもできる。
【0099】
また、上記の実施形態3では、情報サービスの利用者が情報サービスサーバ70に登録された画像データから、遊技機が撮影された遊技店を自由に特定できる構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技店の特定を行うためには、情報サービスサーバ70に画像データを投稿した回数などの条件を設定し、遊技店の特定を制限するよう構成することもできる。また、画像データを投稿した利用者が、この画像データの公開の可否や閲覧者の制限を設定できるよう構成することもできる。
【0100】
また、上記の実施形態3では、撮影した画像データを情報サービスサーバ70に投稿する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、投稿した画像データに関連付けて、店舗の情報及び遊技の結果を情報サービスサーバ70に登録できるよう構成することもできる。
【0101】
また、上記の実施形態3では、利用者端末80で情報サービスIDと遊技店会員IDを登録して関連付ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、会員カードを台間カード処理機40に挿入したならば、情報サービスIDと遊技店会員IDを自動的に関連付けることもできる。
【0102】
また、上記の実施形態3では、情報サービスIDと遊技店会員IDを関連付けたうえで画像データを投稿する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機40に情報サービスIDを入力することにより、情報サービスIDと遊技店会員IDを関連付けずに画像データを投稿できるよう構成することもできる。
【0103】
また、上記の実施形態3では、利用者端末80で情報サービスIDと遊技店会員IDを登録して関連付ける場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、利用者の情報サービス登録時に、遊技店会員IDを合わせて登録するよう構成することもできる。
【0104】
また、上記の実施形態3では、利用者端末80で情報サービスIDと遊技店会員IDを登録して関連付ける場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、台間カード処理機40により会員IDを保有しない利用者用の連携IDを発行することにより、この連携IDと情報サービスIDを関連付け、画像データを投稿できるよう構成することもできる。
【0105】
また、上記の実施形態3では、情報サービスIDと遊技店会員IDを関連付けたうえで、撮影した画像データを情報サービスサーバ70に投稿する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技店の遊技機種と投稿する画像データが合致した場合のみ、情報サービスIDと遊技店会員IDを関連付けるよう構成することもできる。
【0106】
また、上記の各実施形態で図示した各構成は機能概略的なものであり、必ずしも物理的に図示の構成をされていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0107】
本発明に係る遊技機撮影装置、遊技機撮影方法、遊技機撮影プログラム及び学習済モデルは、遊技機に生じた演出の画像データ又は映像データを効率良く取得する場合に適している。
【符号の説明】
【0108】
10 遊技機撮影装置
12 記憶部
12a 訓練データ
12b 判定基準データ
12c 録画時間設定データ
12d 保存設定データ
12e 一時画像データ
12f 保存画像データ
12g 一時映像データ
12h 保存映像データ
13 制御部
13a 訓練データ生成部
13b モデル訓練部
13c モデル予測部
13d 遊技機状態判別モデル
13e 設定管理部
13f 撮影制御部
14 カメラ
15 表示部
16 入力部
20 遊技機撮影装置
23 制御部
23a 教師データ生成部
23b 学習処理部
23c 予測部
24 教師データ
30 遊技機状態判別モデル
31 コンボリューション層
32 コンボリューション層
33 アベレージプーリング層
34 コンボリューション層
35 アベレージプーリング層
36 全結合層
37 全結合層
38 出力層
40 台間カード処理機
50 遊技機
60 管理装置
70 情報サービスサーバ
80 利用者端末
B 遊技機画像データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16