(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086591
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】水切りゴミ袋
(51)【国際特許分類】
B65F 1/00 20060101AFI20230615BHJP
D04B 1/18 20060101ALI20230615BHJP
D04B 1/00 20060101ALI20230615BHJP
D04B 1/16 20060101ALI20230615BHJP
E03C 1/26 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
B65F1/00 102B
D04B1/18
D04B1/00 C
D04B1/16
E03C1/26 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201214
(22)【出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】592197315
【氏名又は名称】ユニチカトレーディング株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】000001100
【氏名又は名称】株式会社クレハ
(74)【代理人】
【識別番号】100089152
【弁理士】
【氏名又は名称】奥村 茂樹
(72)【発明者】
【氏名】昆野 明寛
(72)【発明者】
【氏名】川元 宏之
(72)【発明者】
【氏名】大山 拓記
【テーマコード(参考)】
2D061
3E023
4L002
【Fターム(参考)】
2D061DA03
2D061DE15
3E023BA03
3E023BA12
3E023CA02
3E023CA10
3E023EA02
3E023FA03
4L002AA05
4L002AA06
4L002AA07
4L002AB02
4L002AB04
4L002AC01
4L002BA00
4L002BA01
4L002BA02
4L002BB02
4L002EA00
4L002FA00
(57)【要約】
【課題】 水切りカゴ7の内壁面に水切りゴミ袋を取り付けた際、内壁面と水切りゴミ袋の本体部とが密着しにくいようにした水切りゴミ袋を提供する。
【解決手段】 筒編み機で、口部1及び本体部3を編成する。本体部3は、緯編組織であって、モノフィラメント糸のみで構成されるコースAの3コースと、捲縮マルチフィラメント糸で構成されるコースBの1コースとが一単位となり、順に繰り返されてなる組織である。この一単位中の一つのコースAに伸縮糸5が挿入されている。挿入形態は、一つの編目への差入と、7ウエールの編目に対する非差入とを順に繰り返す形態となっている。一本の伸縮糸5が三単位又は四単位に亙って挿入されている。非差入の伸縮糸5は本体部3の内側に露出している。伸縮糸5の端末は自由端6となっている。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
口部、底部及び合成繊維フィラメント糸による緯編組織で形成された本体部を具えた水切りゴミ袋において、
前記本体部の緯編組織は、少なくとも複数コースに亙って伸縮糸が挿入された絞り部を具えており、
前記絞り部は、前記水切りゴミ袋の高さに対して、前記底部より1/2乃至は4/5の高さの位置に設けられており、
前記絞り部に挿入された前記伸縮糸の少なくとも一つの端末は自由端となっていることを特徴とする水切りゴミ袋。
【請求項2】
伸縮糸は、一つの編目への差入と、3~15ウエールの編目に対する非差入とを順に繰り返して挿入されている請求項1記載の水切りゴミ袋。
【請求項3】
非差入の伸縮糸は、本体部の内側に存在する請求項2記載の水切りゴミ袋。
【請求項4】
伸縮糸の両端末が自由端となっている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の水切りゴミ袋。
【請求項5】
本体部の緯編組織は、モノフィラメント糸のみで構成されるコースAと、捲縮マルチフィラメント糸で構成されるコースBとが繰り返されてなり、伸縮糸はコースAに挿入されている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の水切りゴミ袋。
【請求項6】
絞り部が複数設けられている請求項1乃至5のいずれか一項に記載の水切りゴミ袋。
【請求項7】
伸縮糸が着色捲縮マルチフィラメント糸である請求項1乃至6のいずれか一項に記載の水切りゴミ袋。
【請求項8】
請求項7記載の着色捲縮マルチフィラメント糸は、請求項5記載の捲縮マルチフィラメント糸よりも高繊度である請求項7記載の水切りゴミ袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水を切って生ゴミ等を捕集するために用いる水切りゴミ袋に関し、特に、台所のコーナーや排水口に設けられた水切りカゴの内壁面に取り付けて使用する水切りゴミ袋に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、台所のコーナー等に設けられた水切りカゴの内壁面に取り付けて使用する水切りゴミ袋として、合成繊維フィラメント糸で口部及び本体部を筒編みし、底部を縫製等の手段で閉じて形成したものが知られている。かかる水切りゴミ袋に、生ゴミ等が溜まると口部を縛って廃棄することが行われている。口部を縛るのが面倒であるため、口部近傍に糸を挿入した水切りゴム袋が提案されている(特許文献1)。そして、この糸を引っ張って、口部を絞って閉じることが提案されている。具体的には、特許文献1では、糸を少なくとも2コース連続状態で挿入すると共に、同一コースに針飛ばし部を設け、ここを摘み部として引っ張ることが提案されている。
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載された水切りゴミ袋の本体部は、非伸縮性の合成繊維フィラメント糸だけで形成されているため、水切りカゴの内壁面に取り付けて使用する場合、以下のような欠点があった。すなわち、特許文献1の
図3に示されているように、水切りゴミ袋の本体部が水切りカゴの内壁面に密着するため、溜まった生ゴミ等の水切れが悪くなったり、内壁面に生ゴミによるぬめりや汚れが生じるということがあった。
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の課題は、水切りカゴの内壁面に水切りゴミ袋を取り付けた際、内壁面と水切りゴミ袋の本体部とが密着しにくいようにした水切りゴミ袋を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、本体部に伸縮糸を挿入することにより、上記課題を解決したものである。すなわち、本発明は、口部、底部及び合成繊維フィラメント糸による緯編組織で形成された本体部を具えた水切りゴミ袋において、前記本体部の緯編組織は、少なくとも複数コースに亙って伸縮糸が挿入された絞り部を具えており、前記絞り部は、前記水切りゴミ袋の高さに対して、前記底部より1/2乃至は4/5の高さの位置に設けられており、前記絞り部に挿入された前記伸縮糸の少なくとも一つの端末は自由端となっていることを特徴とする水切りゴミ袋に関するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係る水切りゴミ袋を、口部を水切りカゴの外壁面に係止して取り付けると、本体部の適切な位置に伸縮糸が挿入されているので、この伸縮糸の弾性で、本体部が水切りカゴの内壁面に密着しにくい。したがって、本体部と水切りカゴの内壁面との間に空間ができ、水切りゴミ袋に生ゴミ等が溜まっても、生ゴミ等の水切れがよく脱水されやすいという効果を奏する。さらに、水切りカゴの内壁面に、生ゴミ等が水切りゴミ袋を介して密着しにくいため、水切りカゴの内壁面にぬめりや汚れが付着しにくいという効果も奏する。また、水切りゴミ袋を廃棄する際には、挿入された伸縮糸の端末が自由端となっているので、この自由端を手指で摘んで引っ張ることにより、絞って口を閉じて廃棄することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明の水切りゴミ袋は、
図1に示す如く、口部1、底部2及び合成繊維フィラメント糸による緯編組織で形成された本体部3を具えている。口部1及び本体部3は、一般的に筒編み機で編成される。筒編み機は、シリンダーの全周に多数の針が植えられており、給糸口から糸を給糸すると共に、給糸された糸を各針に引っ掛けて、各針の上下動によって編目を編成して編地を得る機械である。水切りゴミ袋の周長にもよるが、シリンダーに植えられている針数は、概ね50~500本程度である。したがって、口部1及び本体部3のウエール数は約50~500ウエール程度ということになる。
【0009】
口部1は従来公知の方法で編成すればよい。たとえば、弾性糸を挿入しながら、マルチフィラメント糸で口部1を編成する。口部1は、水切りカゴの外壁面に係止する部位であるため、高伸縮性の弾性糸を挿入し、その伸縮性によって係止しやすくするのが好ましい。具体的には、捲縮マルチフィラメント糸で編成すると共に、弾性糸を挿入するのがよい。捲縮マルチフィラメント糸は、嵩高性と伸縮性を持たせたマルチフィラメント糸であり、弾性糸に追随しうる伸縮性を持つので、口部1の伸縮性を阻害しないので好ましい。捲縮マルチフィラメント糸は、たとえばマルチフィラメント糸を仮撚加工することによって得られる。弾性糸としては、ポリウレタンモノフィラメント糸を用いるのが好ましい。また、捲縮マルチフィラメント糸としては、ポリエステル捲縮マルチフィラメント糸又はナイロン捲縮マルチフィラメント糸等が用いられる。口部1の編成コース数は任意であるが、一般的に、1~10コース程度である。また、口部1の編成組織も任意であるが、一般的に、リブ編組織が用いられ、この編組織に弾性糸が挿入されてなるものである。
【0010】
本体部3は、合成繊維フィラメント糸で編成されている。合成繊維フィラメント糸としては、従来公知のものが用いられ、モノフィラメント糸、非捲縮マルチフィラメント糸、捲縮マルチフィラメント糸又はモノフィラメント糸と捲縮マルチフィラメント糸との引き揃え糸等が用いられる。そして、本体部3には、絞り部4が設けられている。絞り部4は、伸縮糸5が複数コースに亙って挿入されて形成されている。具体的には、2~5コースに亙って挿入されている。1コースしか挿入されていないと、伸縮糸5を引っ張ったときに、伸縮糸5が引き抜かれる恐れがあり、絞りにくいからである。絞り部4は、本体部3に少なくとも一つ設けられていればよく、好ましくは二つ設けられているのがよい。二つ設けられている方が、ゴミの量によって、絞り部4を任意に選択しうるからである。絞り部4を設ける位置は、水切りゴミ袋の高さに対して、底部2より1/2乃至は4/5の高さの位置に設けられている。すなわち、水切りゴミ袋の高さをLとしたとき、底部2から上方へL(1/2)~L(4/5)の高さの位置に設けられているということである。絞り部4を中央近傍(底部2より略1/2の高さの位置)に設けると、水切りゴミ袋に溜まった生ゴミ等の量が略半量であるとき、中央近傍で伸縮糸5を引っ張って絞ることができ、生ゴミ等を脱水しやすくなる。また、絞り部4を水切りゴミ袋の底部2から略2/3の高さの箇所に設けると、水切りゴミ袋に溜まった生ゴミ等の量が略2/3であるとき、この箇所で伸縮糸5を引っ張って絞ることができ、生ゴミ等を脱水しやすくなる。
【0011】
伸縮糸5の挿入形態は、一つの編目への差入と、3~15ウエールの編目に対する非差入とを順に繰り返す形態であるのが好ましい。かかる形態であると、差入が一つの編目であるのに対して、非差入が3~15ウエールに亙っているので、伸縮糸5の端末を引っ張って引き抜きやすくなり、容易に絞って口を閉じやすくなる。緯編組織への挿入糸の一般的な挿入形態は、
図2に示す如き態様である。すなわち、緯編組織の1ウエールで糸11が差入12され、隣り合うウエールでは糸11が非差入13,13となっている態様であり、差入12と非差入13とが1ウエール毎に交互に繰り返されてなる態様である。かかる一般的な挿入形態で伸縮糸5を挿入すると、伸縮糸5の端末を自由端としても、差入と非差入が同等となっているので、引っ張りにくく絞って口を閉じるのが困難となる。
【0012】
本発明の一実施態様における伸縮糸5の挿入形態は、
図3に示すとおりである。まず、本体部3の緯編組織は、モノフィラメント糸のみで構成されるコースAと、捲縮マルチフィラメント糸で構成されるコースBとが繰り返されている。コースBは捲縮マルチフィラメント糸のみで構成されていてもよいし、捲縮マルチフィラメント糸とモノフィラメント糸との引き揃え糸でもよい。
図3では、コースAが3コースでコースBが1コースの順に繰り返されている。伸縮糸5は複数コースに亙って挿入されていればよい。
図3では、一本の伸縮糸5が、コースBを挟んで、コースAの3コースに亙って挿入されている。伸縮糸5が1コースのみに挿入されていると、伸縮糸5を引っ張って引き抜くと、完全に引き抜かれて水切りゴミ袋から脱落してしまうので、好ましくない。伸縮糸5は、コースAに挿入されているのが好ましい。コースAはモノフィラメント糸のみで構成されているため、伸縮糸5との滑りが良好で、伸縮糸5を引き抜きやすくなっているからである。
図3では、伸縮糸5は、一つの編目に対する差入に対し、7ウエールに亙る編目に対して非差入となっている。なお、伸縮糸5の符号6の部位は自由端であり、伸縮糸5の端末が自由端6となっている。伸縮糸5の端末は少なくとも一つの端末が自由端6となっていればよいが、好ましくは両端末が自由端6となっているのがよい。この自由端6は、手指で摘んで引っ張る箇所であるから、両端末が自由端6となっている方が、摘む箇所をいずれの端末にするか任意に選択しうる。
【0013】
伸縮糸5としては、従来公知の弾性があって伸縮自在の糸であれば、任意のものを採用しうる。本発明では、捲縮マルチフィラメント糸が用いるのが好ましく、特に摘む箇所であることが視認しうるよう、着色捲縮マルチフィラメント糸が好ましい。着色の色は任意であるが、青色や緑色が清潔感があり好ましい。伸縮糸5として用いる捲縮マルチフィラメント糸は、本体部3の緯編組織を構成するコースBの捲縮マルチフィラメント糸よりも高繊度となっているのが好ましい。繊度が高い方が高弾性となるからである。すなわち、伸縮糸5はその弾性を利用して、本体部3が水切りカゴの内壁面に密着するのを防止するものであるから、本体部3の捲縮マルチフィラメント糸よりも高繊度として高弾性とするのが好ましい。伸縮糸5として捲縮マルチフィラメント糸を用いる場合、具体的には、総繊度が50~200デシテックス程度が好ましい。なお、コースAを構成するモノフィラメント糸又はコースBで捲縮マルチフィラメント糸と引き揃えられるモノフィラメント糸の繊度は、11~33デシテックス程度が好ましく、コースBで用いられる捲縮マルチフィラメント糸の総繊度は、22~40デシテックス程度が好ましい。
【0014】
非差入された伸縮糸5は、水切りゴミ袋の内側に露出しているのが好ましい。水切りゴミ袋の口部1を水切りカゴ7の外壁面に係止して使用すると、本体部3に挿入された伸縮糸5は、伸縮糸5の挿入箇所にもよるが、
図4に示すように、水切りカゴ7の口縁近傍に現れることもある。この場合に、水切りゴミ袋を水切りカゴ7に取り付けたままで、伸縮糸5の非差入された自由端6を摘んで引っ張ることができるからである。もちろん、非差入された伸縮糸5が、水切りゴミ袋の外側に露出していても構わない。この場合は、水切りゴミ袋を水切りカゴ7から取り外した後に、伸縮糸5の自由端6を摘んで引っ張ることになる。
【0015】
水切りゴミ袋の底部2は、従来公知の方法で閉じればよい。たとえば、口部1、本体部3及び底部2を筒編み機で編成した後、底部2を縫製して閉じればよい。また、口部1、本体部3及び本体部3の下部に筒状編成部を編成した後、筒状編成部の高さ方向の中央付近を捩り、その下半分を折り返して本体部3近傍で編糸8により編み止めすることにより、捩った箇所を閉じた底部3としてもよい。この場合には、捩った箇所が底部2となるので、本体部3は筒状編成部の約半分の部分も含むことになる。
【0016】
口部1、本体部3及び底部2を備えた水切りゴミ袋は、そのまま用いてもよいし、抗菌加工を施して水切りゴミ袋として用いてもよい。抗菌加工としては、水切りゴミ袋をキトサン等を含む水溶液に浸漬して行えばよい。本発明の水切りゴミ袋は、一般的に、
図4に示すように、水切りゴミ袋の口部1を水切りカゴ7の外壁面に係止して使用する。
図4から分かるように、伸縮糸5が挿入されてなる絞り部4は、水切りカゴ7の内壁面と殆ど密着していない。
【実施例0017】
実施例1
シリンダーの周に300本の針が植設されてなる筒編み機を用い、以下の要領で、水切りゴミ袋を得た。すなわち、60デシテックス/24フィラメントのポリエステル捲縮マルチフィラメント糸を用い、156デシテックスのポリウレタンモノフィラメント糸を挿入しながら、リブ編組織で口部を編成した。口部の全コース数を7コースとした。
【0018】
次に、22デシテックスのポリエステルモノフィラメント糸と33デシテックス/16フィラメントのポリエステル捲縮マルチフィラメント糸とが引き揃えられてなる引き揃え糸を、一の給糸口に給糸すると共に、他の三つの給糸口に22デシテックスのポリエステルモノフィラメント糸を給糸して、引き揃え糸が1コースでモノフィラメント糸が3コースの順に並んでいる本体部を天竺編組織で編成した。引き揃え糸1コースとモノフィラメント糸3コースを一単位として、この一単位中のモノフィラメント糸1コース中に、77デシテックス/24フィラメント//2のナイロン捲縮マルチフィラメント糸よりなる伸縮糸を挿入した。挿入形態は、一つの編目への差入と、7ウエールの編目に対する非差入とを順に繰り返す形態とし、非差入が本体部の内側となるようにした。そして、一本の伸縮糸が四単位に亙るようにして挿入して絞り部を形成した。また、伸縮糸の両端末は非差入とし自由端とした。そして、この絞り部を、本体部の中央近傍及び底部から高さ方向3/4近傍の二箇所に設けた。なお、得られた本体部は、35コース/インチ及び23ウェール/インチの編密度を持つものであった。
【0019】
本体部を編成した後に、さらに筒編み機で編成を進行し、本体部の下部に形成された筒状編成部を編成した。そして、筒状編成部の高さ方向の中央付近を捩り、その下半分を折り返して本体部近傍で編糸で編み止めすることにより、捩った箇所を閉じた底部とした。この場合、編糸の箇所を含め、捩って底部になった箇所より上方で口部を除く部分が本体部となる。
【0020】
以上より、口部、本体部及び底部よりなる水切りゴミ袋に抗菌加工を施した。すなわち、アセチル化度15%のキトサン(高松油脂株式会社製、SA-50)18gを水982gに溶解させたキトサン水溶液中に、袋を15分間浸漬し、その後脱水乾燥して、抗菌加工された水切りゴミ袋を得た。
【0021】
実施例2
本体部の中央近傍に設けた絞り部を省略し、底部を縫糸を用いてミシンでかがり縫いとして形成した他は、実施例1と同一の方法で抗菌加工された水切りゴミ袋を得た。
【0022】
比較例1
22デシテックスのポリエステルモノフィラメント糸のみを用い、伸縮糸及びその他の糸を用いずに本体部を編成した他は、実施例1と同様の方法で抗菌加工された水切りゴミ袋を得た。
【0023】
比較例2
33デシテックス/16フィラメントのポリエステル捲縮マルチフィラメント糸のみを用い、伸縮糸及びその他の糸を用いずに本体部を編成した他は、実施例1と同様の方法で抗菌加工された水切りゴミ袋を得た。
【0024】
実施例1及び2で得られた水切りゴミ袋は、水切りゴミ袋の口部を水切りカゴの外壁面に係止して使用すると、伸縮糸が挿入されてなる絞り部を含む本体部が、水切りカゴの内壁面と密着しにくいものであった。また、実施例1及び2で得られた水切りゴミ袋の本体部内側に露出している伸縮糸の端末を摘んで引っ張ることにより、絞ることができ口を閉じることができた。一方、比較例1及び2で得られた水切りゴミ袋は、実施例1及び2と同様の方法で使用すると、伸縮糸が挿入されてなる絞り部が存在しないため、本体部が水切りカゴの内壁面と密着しやすいものであった。また、絞り部が存在しないため、絞って口を閉じることもできなかった。