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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086653
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】小型除塵装置用振動式供給装置
(51)【国際特許分類】
   B07B 4/02 20060101AFI20230615BHJP
   B07B 11/04 20060101ALI20230615BHJP
   B07B 11/06 20060101ALI20230615BHJP
   B01J 4/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
B07B4/02
B07B11/04
B07B11/06
B01J4/00 105A
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022097543
(22)【出願日】2022-06-16
(31)【優先権主張番号】17/547,606
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】509268462
【氏名又は名称】ペレトロン コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pelletron Corporation
【住所又は居所原語表記】1866 Colonial Village Lane, Lancaster, PA 17601 USA
(74)【代理人】
【識別番号】100079980
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 伸行
(74)【代理人】
【識別番号】100167139
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 和彦
(72)【発明者】
【氏名】アンソニー アルメニオ
(72)【発明者】
【氏名】カイル ジャコブ ウィルバート
(72)【発明者】
【氏名】ピーター デーヴィッド バーク
【テーマコード(参考)】
4D021
4G068
【Fターム(参考)】
4D021FA02
4D021GA02
4D021GA08
4D021GA21
4D021GA23
4D021GA27
4D021GA29
4D021HA01
4D021HA02
4D021HA10
4G068AA01
4G068AB21
4G068AC11
4G068AC20
4G068AD01
4G068AD30
4G068AD50
4G068AF20
(57)【要約】      (修正有)
【課題】粒状物から汚染物を除去する小型除塵装置を提供するものである。
【解決手段】汚染物を除去して浄化された粒状物を生成する除塵装置10であって、浄化された粒状物を取り出す製品取り出し開口28、空気圧式振動発生器16を動作源とする振動式供給装置15、振動式供給パンおよび垂直ベンチュリ室26を備え、製品取り出し開口28を上方に流れる空気の流れによって粒状物から汚染物を除去し、さらに、垂直ベンチュリ室26に流れる粒状物の流れを制御し、ベンチュリ室を介して空気流れに取り込まれた粒状物を製品取り出し開口に向かって偏向する延材部材49、除塵操作を観察する観察窓を有する繰り越し部偏向フレームを有する除塵装置である。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒状物を浄化して汚染物を取り除く除塵装置であって、
粒状物から汚染物を除去して浄化された粒状物を生成する浄化領域の枠組みを設定し、かつ浄化された粒状物をハウジングから排出する製品取り出し開口の枠組みを設定するハウジングと、
前記ハウジングの上部に位置して、所定供給分の粒状物を受け取る供給装置であって、汚染物を除去すべき粒状物が流入する供給開口を内部に有する取り付けフランジを有する供給装置であり、該供給装置は更に振動式供給パンを有し、前記振動式供給パンの出口となる前記粒状物を開口内に付勢し、かつ前記浄化領域に流入する供給装置と、
前記振動式供給パンに操作時に接続して、内部に振動を引き起こす振動発生器と、
ベンチュリ室であって、前記供給開口を介して流入する粒状物を受け取り、そして前記製品取り出し開口を上向きに流れ該ベンチュリ室に流入する空気の流れによって前記粒状物から汚染物を除去するように配置され、かつ浄化された粒状物が前記製品取り出し開口から落下する構成のベンチュリ室と、
前記ベンチュリ室の上に位置し、前記ベンチュリ室から上方に移動する、粉塵/デブリを取り込んだ空気を受け取り、この粉塵/デブリを取りこんだ空気を前記浄化領域から離れた位置に移動させる排出導管と、
を有することを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
前記浄化領域が、前記ベンチュリ室の上流側に、前記粒状物の前記汚染物をイオン化するイオン化装置を有する請求項1に記載の除塵装置。
【請求項3】
エラストマー系防振体によって前記取り付けフランジから振動式供給パンを分離する請求項1に記載の除塵装置。
【請求項4】
前記振動発生器の作動源が空気圧である請求項1に記載の除塵装置。
【請求項5】
前記ベンチュリ室に整合する前記ハウジングに観察窓組立体が設けられ、この観察窓組立体は、互換性の“繰り越し部”偏向フレーム、透明窓を取り囲む取り付けフレーム、および、固定用フランジであって、この固定用フランジを通って前記ハウジングに係合し前記窓組立体を前記ハウジングに封着する固定用フランジから形成される請求項1に記載の除塵装置。
【請求項6】
前記互換性の“繰り越し部”偏向フレームに、内部構造に整合する室延材部材が一体的に形成され、前記ベンチュリ室に流入する粒状物の流れを制御する請求項5に記載の除塵装置。
【請求項7】
前記互換性の“繰り越し部”偏向フレームの代わりに、異なる形状の室延材部材を有し前記ベンチュリ室において浄化すべき粒状物の流れを制御する代替的な互換性の“繰り越し部”偏向フレームを交換して使用できるものとした請求項6に記載の除塵装置。
【請求項8】
粒状物を浄化して汚染物を取り除く除塵装置であって、
粒状物から汚染物を除去して浄化された粒状物を生成する浄化領域の枠組みを設定するハウジングであって、汚染物を除去すべき粒状物の流れを流す内部構造、およびこのハウジングから浄化された粒状物を排出する製品取り出し開口を有するハウジングと、
前記ハウジングの上部に位置して、所定供給分の粒状物を受け取る供給装置であって、汚染物を除去すべき粒状物が流入する供給開口を内部に有する取り付けフランジを有する供給装置と、
ベンチュリ室であって、前記供給開口を介して流入する粒状物を受け取り、そして前記製品取り出し開口を上向きに流れ該ベンチュリ室に流入する空気の流れによって前記粒状物から汚染物を除去するように配置され、かつ浄化された粒状物が前記製品取り出し開口から落下する構成のベンチュリ室と、
前記内部構造に整合して、前記供給開口から前記ベンチュリ室までの粒状物の流れを制御する室延材部材を一体的に形成した“繰り越し部”偏向フレームと、
を有することを特徴とする除塵装置。
【請求項9】
前記浄化領域が、前記ベンチュリ室の上流側に、前記粒状物の前記汚染物をイオン化するイオン化装置を有する請求項8に記載の除塵装置。
【請求項10】
前記供給装置が、さらに、振動式供給パンを有し、該振動式供給パンは、前記供給開口から前記粒状物を受け取り、前記粒子状物を該振動式供給パンの出口開口に付勢し、前記浄化領域に分配する請求項9に記載の除塵装置。
【請求項11】
エラストマー系防振体によって前記取り付けフランジから振動式供給パンを分離する請求項10に記載の除塵装置。
【請求項12】
前記振動発生器の動作源が空気圧である請求項10に記載の除塵装置。
【請求項13】
前記“繰り越し部”偏向フレームに、前記ベンチュリ室に整合する観察窓が組み込まれ、この観察窓が前記“繰り越し部”偏向フレーム内に支持されるとともに、透明な窓として形成される請求項8に記載の除塵装置。
【請求項14】
前記“繰り越し部”偏向フレームが固定用フランジを有し、この固定用フランジを通って前記ハウジングに係合し、かつ前記観察窓を前記ハウジングに封着する請求項13に記載の除塵装置。
【請求項15】
前記互換性の“繰り越し部”偏向フレームの代わりに、異なる形状の室延材部材を有し前記ベンチュリ室において浄化すべき粒状物の流れを制御する代替的な互換性の“繰り越し部”偏向フレームを交換可能に使用できるものとした請求項14に記載の除塵装置。
【請求項16】
さらに、前記ベンチュリ室の上に位置して、前記ベンチュリ室から上方に移動する粉塵/デブリを取りこんだ空気を受け取る排出導管であって、前記粉塵/デブリを取り込んだ空気を前記浄化領域から離れた位置に移動させる排出導管を有する請求項15に記載の除塵装置。
【請求項17】
粒状物を浄化して汚染物を取り除く除塵装置であって、
粒状物から汚染物を除去して浄化された粒状物を生成する浄化領域の枠組みを設定するハウジングであって、汚染物を除去すべき粒状物の流れを流す内部構造、およびこのハウジングから浄化された粒状物を排出できる製品取り出し開口を有するハウジングと、
前記ハウジングの上部に位置して、所定供給分の粒状物を受け取る供給装置であって、汚染物を除去すべき粒状物が流入する供給開口を内部に有する取り付けフランジを有し、そしてさらに前記粒状物を前記振動式供給パンの出口開口に付勢し、前記浄化領域内に流入させる振動式供給パンを有する供給装置と、
前記振動供給パンに操作時に接続して、内部に振動を引き起こす振動発生器と、
ベンチュリ室であって、前記供給開口を介して流入する粒状物を受け取り、そして前記製品取り出し開口を上向きに流れ該ベンチュリ室に流入する空気の流れによって前記粒状物から汚染物を除去するように配置され、かつ浄化された粒状物が前記製品取り出し開口から落下する構成のベンチュリ室と、
前記内部構造に整合して、前記供給開口から前記ベンチュリ室までの粒状物の流れを制御する室延材部材を一体的に形成した“繰り越し部”偏向フレームと、
を有することを特徴とする除塵装置。
【請求項18】
エラストマー系防振体によって前記取り付けフランジから振動式供給パンを分離し、前記振動発生器の動作源として空気圧を使用する請求項17に記載の除塵装置。
【請求項19】
前記浄化領域が、前記粒状物の流れに対して前記ベンチュリ室の上流側に、前記粒状物の前記汚染物をイオン化するイオン化装置を有する請求項18に記載の除塵装置。
【請求項20】
前記 “繰り越し部”偏向フレームの代わりに、異なる形状の室延材部材を有し前記ベンチュリ室において浄化すべき粒状物の流れを制御する代替的な “繰り越し部”偏向フレームを交換して使用できるものとした請求項19に記載の除塵装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全体としては、プラスチックペレット、粉砕再生材料(regrind)、タブレット、グレイン、ミネラルなどの粒状物の浄化処理、具体的には、粒状物からこれに伴う粉塵やデブリを除去する際に、浄化空気流れを導入することによってコンパクトに処理を行う構成の粒状物浄化装置の性能を改善する振動式供給装置(vibratory feeding apparatus)に関する。
【背景技術】
【0002】
特に粒状物、通常は粗大な粉末、粒子、ペレットなどを搬送し、使用する分野では、製品粒子から可能な限り汚染物を取り除いた状態に保つことが重要であることはよく知られている。粒状物の場合、通常、これらを混合する施設や包装する施設内において搬送されるか、あるいは現実には流体に挙動が類似する素材流れを発生する加圧式管状システム内において使用されている。これら素材がパイプ中に流れている間、粒子自体だけでなく、管側壁と流れ中の粒子との間にもかなりの摩擦が発生する。そして、この摩擦によって、粒子粉塵、破壊された粒子、毛羽、ストリーマー(リボン状の要素であって、“成長”すると、素材流れを妨害することになるか、ひどい場合には流れを完全にブロックすることになるきわめて長くかつ絡みあった塊(wad)になる)が発生する。製品粒子を可能な限り汚染物のない状態におくことの重要性および価値と同様に、このような搬送装置の特性もよく知られている。
【0003】
本明細書で使用する用語“汚染物”には、広範囲にわたる異物だけでなく、上述した破壊された粒子、粉塵、毛羽、ストリーマーなども含まれる。いずれの場合も、汚染物は高品質製品の製造にとって有害であり、場合にもよるが、従業員の健康リスクにつながり、一部の汚染物は点火源に曝されると、爆発を引き起こす粉塵クラウドの発生源になる意味で危険発生源になり得る。
【0004】
製品品質を考慮し、かつ主要な実施例として成形可能なプラスチックに絞って説明すると、一次素材とは組成が異なる粉塵、一次製品の非均質材、毛羽やストリーマーなどの異物は必ずしも融解温度が一次製品と同じである必要はなく、融解時および成形時に欠陥を生じる。これら欠陥が発生すると、最終製品の色が均一化せず、また気泡化が生じ、傷や汚れの原因になることが多く、販売できなくなる。射出成形機の熱は、粉塵を蒸発させ、最終製品に小さな気泡を残す。加熱も粉塵を燃焼させ、炭化した粉塵である“黒いスポット”(“black spots”)が発生する。装置にしばしば発生する粉塵ポケットは溶解せず、通常“ソフトスポット” (“soft spots”)または“ホワイトスポット” (“white spots”)と呼ばれる欠陥が発生する。ここで重要なことは、これら同じ非均質な材料は一次製品と同じ温度では融解しないため、溶解しなかった汚染物が成形装置に対して摩擦や早すぎる摩耗を引き起こし、操業停止、操業低下、生産率低下、保守コストの増加につながり、全体的な生産コストの上昇につながる。
【0005】
1991年7月30日にJerome I.Paulsonに付与された米国特許第5,035,331号公報に記載されているような従来の粒状物除塵装置は、装置内部に傾斜した平面として形成され、加圧された空気が流れる開口を有する第1および第2の洗浄デッキを利用して、これら洗浄デッキにそって粒状物が流れる構成を採用している。2つの洗浄デッキ間において、粒状物がベンチュリゾーンに流れ、この流れが洗浄デッキにある粒状物に流れる空気流れと合流して、装置から排出される空気流れとともに粉塵やその他の汚染物を上方に排出する。
【0006】
2008年6月3日にJerome I.Paulson、Heinz SchneiderおよびPaul Wagnerに付与された米国特許7,380,670号公報に開示されている連続的な洗浄デッキ組立体を有する小型除塵装置の場合、洗浄デッキおよびベンチュリゾーンを倍増することによって処理能力を増強しているが、流れ込む粒状物を2つの洗浄デッキ組立体間で等しく分割する必要がある。米国特許第5,035,331号および米国特許7,380,670号ではいずれも、流入してくる粒状物に磁束場を印加し、汚染物を粒状物ペレットに吸引する静電荷を中性化し、粒状物から汚染物を分離する際の洗浄デッキの操業率を改善している。
【0007】
韓国の会社であるUniceltecは、Joong Soon Kimなどを発明者とし、2013年4月8日を出願日としたPCT特許出願第PCT/KR2013/002924号明細書に開示されている小型除塵装置を開発し、販売している。この小型除塵装置は、米国市場の要求を満たす改良度を備え、モデルC-20除塵装置としてPelleron Corporationから米国において販売されている。出願人はこのモデルC-20に大きな付加的な改良を加え、この特許出願によってこのような改良点を保護することを望んでいる。現在市販されているC-20除塵装置に認められる問題の中には、計量装置を組み込んでいる問題があり、この計量装置は粒状物との接触係合により摩耗し、対応する量の粉塵を被浄化粒状物の流れに送り込み、目詰まりを引き起こし、浄化装置への粒状物の流入を妨害する。計量装置の別な問題は、計量装置が流入する粒状物によって目詰まりを引き起こす傾向があり、浄化装置の操作を妨害するという問題である。
【0008】
2018年5月8日にHeinz SchneiderおよびJoseph T.Lutzに付与された米国特許第9,962,741号公報には、本願の改良点であるリモート方式排出を利用した小型除塵装置が図示され、かつ開示されている。このSchneider特許では、粒状物供給ホッパーに回転式の溝付き計量装置を設けているが、この溝付き計量装置に回転力を与えるために、好ましくは電気モーターの形を取る電動装置が必要である。換言すると、構成がより簡単な上に、運転効率のより高い粒状物供給装置が依然として求められている。
【0009】
従って、特に粒状物供給装置に関して、従来開発されてきた除塵装置の問題点を解決することができる小型除塵装置の提供が依然として求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】USP5,035,331
【特許文献2】USP7,380,670
【特許文献3】PCT/KR2013/002924
【特許文献4】USP9,962,741
【発明の概要】
【0011】
本発明の一つの目的は、小型除塵装置用に改良した粒状物供給装置を提供することによって従来技術の問題点を解決することにある。
【0012】
本発明の別な目的は、粒状物除塵装置の性能を改善するために、振動式供給装置を提供することにある。
【0013】
本発明の特徴は、装置に浄化用空気流れを誘導することによって、粒状物からこれが伴っている粉塵およびデブリを取り除き、粒状物を除塵装置に送り込む点にある。
【0014】
本発明の別な特徴は、除塵装置に粒状物を供給する装置に関して、振動式供給装置を利用して、粒状物を装置の除塵領域に送り込むことによって改良する点にある。
【0015】
本発明の一つの作用効果は、振動動作を空気圧式振動発生器によって与える点にある。
【0016】
本発明の別な特徴は、製品供給開口に流入する粒状物を受け取る供給パン(feed pan)にこの振動発生器を固定した点にある。
【0017】
本発明のさらに別な作用効果は、供給パンの振動が出口開口へ粒状物を移動させ、この開口を介して粒状物が受け取りボウルに流入し、除塵装置の浄化領域に流入する点にある。
【0018】
本発明のさらに別な特徴は、供給開口を介して供給装置に流入する、汚染された粒状物の供給装置に接続された取り付けフランジから供給パンをエラストマーアイソレータ/エラストマー系防振体(elastomeric isolators)によって分離する点にある。
【0019】
本発明のさらに別な作用効果は、このエラストマーアイソレータ/エラストマー系防振体が除塵装置の外側ハウジングやその他の構成部材に振動が伝わることを防止する点にある。
【0020】
本発明のさらに別な特徴は、一連のイオン化ピンを設けて、粒状物が除塵装置の垂直部分に流れている間に個々のペレットに陰イオンを誘導する点にある。
【0021】
本発明のさらに別な作用効果は、粒状物が傾斜フロアに追従して、イオン化された粒状物を垂直なベンチュリ室に送り込み、このベンチュリ室を介して浄化用空気の流れが上昇流として流れ、浄化処理中の粒状物から、粒状物の個々のペレットよりもかなり軽質の粉塵粒子およびデブリを持ち上げ又は取り除く点にある。
【0022】
本発明のさらに別な特徴は、ベンチュリ室に流れる空気流れが粒状物の動きに対抗するもので、ラインヴァク(line vac)の形を取る圧縮空気動作式真空発生器によってこれを発生する点にある。
【0023】
本発明のさらに別な目的は、除塵装置のハウジング内に突き出、ハウジングの内部構造に整合する延在部材を有する互換式の“繰り越し部”偏向フレーム(carryover deflector frame)を提供する点にある。
【0024】
本発明のさらに別な作用効果は、傾斜部分の横断面積を“繰り越し部”偏向フレームによって変更して、除塵装置内で浄化すべき粒状物の等級を変更できるようにした点にある。
【0025】
本発明のさらに別な作用効果は、互換性のある“繰り越し”偏向フレームが、ベンチュリ室間の垂直部分に突き出し、ベンチュリ室に流れる空気流れに同伴している粒状物を偏向し、粒状物を製品取り出し開口に向けることによって“繰り越し部”を減らす点にある。
【0026】
本発明の別な特徴は、延材部材の厚さを異なる厚さに設定でき、傾斜部分24の横断面積を増減できる点にある。
【0027】
本発明のさらに別な目的は、小型除塵装置に振動式供給機構および互換性のある“繰り越し部”偏向フレームを設けて、小型除塵装置の浄化操作を改善する点にある。
【0028】
本発明に従って、粒状物から粉塵/デブリ汚染物を除去する除塵装置であって、粒状物から汚染物を除去する浄化領域の枠組みを設定するハウジング、および浄化された粒状物をこのハウジングから排出できる製品取り出し開口を有する小型除塵装置を提供することによって上記、およびその他の目的、特徴および作用効果を実現できる。この除塵装置は供給装置を有し、この供給装置は振動発生器によって内部に振動を引き起こす振動式供給パンを備える。また、除塵装置は、製品取り出し開口を上向きに流れる空気の流れによって粒状物から汚染物を除去するベンチュリ室を備える。さらに、本発明の除塵装置は互換性の“繰り越し部分”偏向フレームを有し、この偏向フレームは室付延材部材を有する。この付設部材は該ベンチュリ室への粒状物の流れを制御する内部構造に整合し、ベンチュリ室に流れる空気流れに取り込まれている粒状物を製品取り出し開口に偏向する。“繰り越し部”偏向フレームには除塵操作を観察する観察窓を組み込む。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本発明の作用効果については、特に添付図面を参照して説明する以下の詳細な記載によって明らかになるはずである。
【0030】
図1図1は、本発明の原理を組み込んだ小型除塵装置を示す斜視図である。
図2図2は、図1に示す小型除塵装置を示す側面図である。
図3図3は、小型除塵装置を示す正面図である。
図4図4は、小型除塵装置を示す上部平面図である。
図5図5は、図2の線A――Aに対応する小型除塵装置を示す横断面図であり、除塵装置の構造を明示するために電気構成成分を取り除いて図示している。
図6図6は、図3の線B――Bに対応する小型除塵装置を示す横断面図である。
図7図7は、図1に対応する斜視図であるが、浄化機構を観察できる、除塵装置の前壁内の透明窓体を示す分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1図7には、本発明の原理を組み込んだ小型除塵装置の最適例を示す。このコンパクト型除塵装置は、1991年6月3日にJerome I.Paulsonに付与された米国特許第5,035,331号に開示されている一般的な除塵技術を利用するもので、粒状物が流れ、かつ空気流れがこの粒状物から粉塵およびデブリを除去するベンチュリゾーンに空気を流す構成である。また、粒状物はイオン化を受けて、陰イオンを粒状物に送り、微小な粉塵粒子からペレットを分離する。これら一般に公知な汚染物除去技術は、一般的に2018年5月8日にHeinz SchneiderおよびJoseph T.Lutzに付与された米国特許第9,962,741号公報に開示されている異なる構成で構築されている。ところが、製品供給機構は、米国特許第9,962,741号公報に示され、かつ開示されている計量装置とは異なり改善されている。
【0032】
除塵装置10は、形状および構成が全体として矩形である。外側ハウジング12については、鋼や鋳鉄などの耐久性のある材料から形成するのが好ましく、また鋳造法によって形成できる。ハウジング12の上部には、取り付けフランジ13を設け、これを粒状物の供給部(図示省略)に接続すると、この粒状物が取り付けフランジ13の流入開口14に流れ、振動式供給装置15に流入する。流入開口14に流れる粒状物を受け取る供給パン17に固定した空気圧式振動発生器16が振動を発生する。供給パン17の振動によって、粒状物の出口開口18への移動が誘導され、この開口18を介して粒状物が受け取りボウル19に流れ、浄化領域20内に流入する。供給パン17は取り付けフランジ13からエラストマー系防振体(エラストマーアイソレータ)17aによって分離され、振動が除塵装置10の外側ハウジング12やその他の構成成分に伝わることはない。
【0033】
圧縮空気の圧力が高くなる程、粒状物の処理量が多くなる。粒状物は受け取りボウル19から流出し、浄化領域20の第1室21に流入する。一連のイオン化ピン25が、粒状物が第1室21の垂直部分22を介して流下している間に、陰イオンを個々のペレットに誘導する。次に、粒状物が第1室21の傾斜部分24を形成する下向きに傾斜した床23に突きあたり、イオン化された粒状物が垂直ベンチュリ室26に向かって流れる。なお、ベンチュリ室26は垂直部分に対して平行に配向するが、傾斜部分24の分だけ垂直部分22からずれている。以下に詳しく記載するように、浄化用空気の流れがベンチュリ室26に流れるため、いずれも粒状物の個々のペレットよりはるかに軽質の粉塵粒子およびデブリが空気によって持ち上げられ、これによって粉塵およびデブリを除去し、粒状物を浄化する。粉塵およびデブリを同伴した空気が、以下に詳しく記載するように、浄化領域20から排出していく。この後、浄化された粒状物は重力によって流下し、ハウジング12の底部にある製品取り出し開口28に流入する。
【0034】
ベンチュリ室26を流れる空気流れは、粒状物の流れとは逆であり、圧縮空気動作式真空発生器30によって発生するのが好ましい。この発生器30はハウジング12により支持した導管33に設けたラインヴァクの形を取り、空気流れは排出開口28を通って、浄化用領域20から、除塵装置10からずれた位置にある粉塵回収器35に流れる。 互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41(carryover deflector frame)は延材部材49を備え、この延材部分49はハウジング12内に延入し、内部構造に整合し、傾斜部分24の横断面積を変更し、除塵装置10内で浄化すべき粒状物の等級を偏向することを可能にするものである。さらに、互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41はベンチュリ室26と排出遷移室(discharge transition chamber)26aとの間の垂直部分に延入し、繰り返しを減らすため、空気流れ中に取り込まれた粒状物がある場合には、これを偏向し、製品取り出し開口28に向けることができる。
【0035】
延材部材49については、厚さを変えることができる。延材部材49は互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41に一体化しているため、この延材部材49の厚さを目的に応じて変更する際には、互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41を異なる大きさの延材部材49を持つものに代える必要がある。延材部材49の厚さに応じて、傾斜部分24の横断面積を増減する。このように構成すると、除塵装置10によって、ペレット化された粒状物などのより小さな粒子サイズの規則的な粒子形状を持つ粒状物だけでなく、(リサイクル目的での)粉砕物などのより大きな粒子サイズおよび不規則粒子形状を持つ粒状物を効果的に浄化処理することが可能になる。さもなければ、このような大きなサイズ、不規則な形状の粒状物が除塵装置10の浄化領域20内に目詰まりを発生することになる。浄化すべき粒状物が流れなくなるからである。傾斜部分24の横断面積を変更できる能力がなければ、除塵装置10の用途範囲がきわめて狭くなると考えられる。
【0036】
当業者ならば、ハウジング12の構成に応じてハウジング12内の他の場所でも真空発生器30の位置を決定できるはずである。ベンチュリ室26の上部を構成する排出遷移室26aにおいて導管33がベンチュリ室26に開放連絡(open communication)し、粉塵/デブリを伴う空気をベンチュリ室26から導管33に吸引する。この真空によって、ハウジング12の底部にある製品取り出し開口28から空気をベンチュリ室26に吸引する。
【0037】
真空発生器30が、図6の最適な図示例から理解できるように、ハウジング12の後側で圧縮空気用コネクター46aに接続した圧縮空気源から操作用の圧縮空気を受け取る。この圧縮空気は入り口にある空気フィルター46に流入し、ワイ(Wye)コネクターポート47に進み、図2の最適な図示例から理解できるように、圧縮空気の流れを2つの流れ(流路)に分割する。第1流路は圧縮空気を圧縮空気作動式真空発生器30に移送する。そしてこの真空発生器が、圧力が比較的高く容量の小さい空気流れを、圧力が比較的低く容量の大きい空気流れに転換し、空気を排出導管33に吸引し、ベンチュリ室26を介して浄化用空気を導入する。この第1流路は真空発生器30の前で再び分路し、圧縮空気の流れをイオン化ピン25に移送し、圧縮空気がイオン化ピン25の周囲に流れ、第1室21の直立部分22を介して流れる粒状物の流れにイオンを注入する。ワイコネクター開口47が形成する第2流路が圧縮空気を空気動作式振動発生器16に移送し、振動供給装置15が作動する。
【0038】
小型除塵装置10の使用に関係する状態に応じて、ハウジング12の底部にある取り付けフランジ29を浄化済み製品受け取り装置(図示せず)に接続できる。この受け取り装置は取り付けフランジ29を封着するため、真空発生器30が製品取り出し開口28を介して空気を吸引する恐れはない。このような状態では、フィルター付き補助ポート34が開き、製品取り出し開口28に隣接する清浄な空気用の入り口ポート27に空気を吸引するため、この空気が製品取り出し開口28を介してベンチュリ室26に流入する。
【0039】
浄化用空気は、ベンチュリ室26を介して浄化すべき粒状物に応じて選択できる速度で上方に流れ、粒状物の落下状態で、粉塵およびデブリを上方に運ぶが、時には、粒状物が上方に流れる空気に取り込まれることがあり、これは通常“繰り越し(carryover)”と呼ばれている。粒状物を取り込んだ空気の流れがベンチュリ室26よりも横断面積が小さい導管33に達すると、空気流れの速度が高くなり、さらに繰り越し粒状物を取り込むことになる。この繰り越し粒状物を流下させ、製品取り出し開口28に戻すためには、図5の最適図示例から理解できるように、ベンチュリ室26の排出遷移室26aを広げ、横断面積を傾斜フロア23の下にあるベンチュリ室26よりも大きくし、空気流れの速度を小さくし、繰り越し粒状物から同伴物を振り落とし、製品取り出し開口28に向けてこの粒状物を落下させてから、導管33にこれを引き込む必要がある。
【0040】
図6の最適図示例から理解できるように、導管33は真空発生器30を介して集塵器35に向かって延在する。集塵器35はフィルター、スクラバーやサイクロン(filters、scrubbers、cyclons)などの異なる構成で形成できるが、効率的なものは小型集塵器35であり、これは粉塵/デブリを取り込んだ空気を回転させて、これから粉塵粒子およびデブリを分離する集塵器である。集塵器35の底部にある着脱式容器36に分離された粉塵およびデブリを回収する一方で、集塵器35の上部にあるベント37を介して浄化された空気を取り出す。場合に応じて、集塵器35は浄化された空気の取り出しが認められる離れた位置に設けることができ、この離れた位置まで導管33を延在させる。
【0041】
ハウジング12内に真空発生器30を設けると、集塵器35を離れた位置に設けることが可能になり、除塵装置10に流れる空気流れに悪影響を与えることはない。このため、ハウジング12から適正な距離離れた位置で導管33が終端し、集塵器35の入り口導管38を導管33に接続でき、クランプ39によって固定できる。集塵器35を離れた位置に設ける場合には、クランプ39を外すと、集塵器35を適正な位置に設けることができ、所定長さの導管延材部分(図示省略)を導管33と入り口導管38との間に接続できるため、粉塵/デブリを取り込んだ空気を離れた位置にある集塵器35に移すことができる。
【0042】
ハウジング12は、ベンチュリ室26の位置に対応するハウジング12の正面に透明なガラス製の窓組立体40を有する。この透明な窓組立体40は第1室の傾斜部分の形状およびベンチュリ室26の下部垂直部分の形状に対応する形状を持つため、オペレーターが除塵装置10の運転状態を目視でき、従って第1室21に流入する粒状物の流量、あるいはベンチュリ室26に流れ込んで粒状物を有効に浄化する際の空気流の速度を適正に調節できる。図7の分解図から理解できるように、透明なガラス製窓45は、一対のガスケット42の間に取り込まれ、 互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41と固定用フランジ43との間に封着する。ファスナー装置44を挿入すると、フレーム41、43とガスケット42が共に圧縮され、ハウジング12に対する封着を行う。
【0043】
粒状物の流れ、ベンチュリ室26から導管33への空気の流れ(の進路)については、互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41の一体的部分として形成した延材部分49によって変更できる。延材部分49の厚さについては、窓組立体40を解体し、互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41を異なる構成の延材部分49と交換することによって変更できる。当業者ならば、取り出し開口28の下に設けたセンサー50(図2および図3を参照)を使用して、除塵領域20内に集まる粒状物を検出できることを理解できるはずである。
【0044】
操作時、小型除塵装置10はハウジング12の最上部の供給開口14に所定供給量の粒状物を受け取る位置にある。振動式供給パン17によって粒状物を供給開口14に受け取り、この供給パンが粒状物を出口開口18に送り、最終的に浄化領域20に送り込む。第1室21の垂直部分22に位置するイオン化ピン25によって粒状物をイオン化する。次に、イオン化された粒状物は傾斜フロア23に着床し、粒状物をベンチュリ室26内に案内し、ここで製品取り出し開口28を介して上方から来る空気の流れが粒状物から粉塵粒子およびデブリを除去する。浄化された粒状物が重力によって落下し、製品取り出し開口28を通過する。一体的な延材部材49を備えた互換性の“繰り越し部”偏向フレーム41が存在するため、イオン化された粒状物の流れはベンチュリ室26に流れ続け、粉塵粒子およびデブリをこの流れから除去する。
【0045】
粉塵/デブリを同伴した空気はベンチュリ室26の排出遷移室26aの最上部にある排出導管33に上向きに流れ続ける。ベンチュリ室26の下部垂直部分と排出導管33との間において、ベンチュリ室26の排出遷移室26aがサイズおよび横断面積がともに大きくなるため、空気流れの速度が低くなり、繰り越しペレットがある場合にはこれが空気流れから落下し、その後に空気流れが取り出し導管33に移動する。粉塵/デブリを同伴した空気が、離れた位置にありかつ補足導管(図示省略)によって導管33に接続した真空発生器30を介して集塵器35に流れ続ける。真空発生器30がハウジング12内に位置するため、集塵器35が除塵装置10から離間し、ベンチュリ室26を流れる空気の流れの質が悪化することはない。
【0046】
ハウジング12は内部に開口を有し、上記に詳しく説明したように、この開口はガラス、ポリカーボネート、アクリルやその他の透明な材料のガラス製窓45によって被覆し、一対のガスケット42の間に取り付け、かつ互換性のある“繰り越し部”偏向フレーム41と固定用フランジ43との間においてガスケット42を封着するファスナー44によってハウジング12に固定する。これにより、作業員は浄化領域20の作業を観察することができ、必要に応じて調整することが可能となる。受け取り装置(図示省略)に下部取り付けフランジ29を封着する場合には、浄化用空気の流れが、ハウジング12の側部から製品取り出し開口28に隣接する上記下部取り付けフランジ内の開口まで延在する清浄な空気入り口ポート27に流れるため、空気が上記の清浄な空気入り口ポート27を介して吸引され、次に製品取り出し開口28から上方にベンチュリ室26に流れ、粒状物から粉塵およびデブリを除去する。
【0047】
なお、当業者であれば、本明細書の記載から、本発明の範囲の原理内で本発明の要旨を説明するために記載し、かつ図示してきた細部、材料、工程および各部の構成に関して変更することができるはずである。以上の記載は本発明の好適な実施態様を示すものであるが、以上の記載に基づく技術思想は、本発明の範囲から逸脱することなく、他の実施態様にも利用可能である。例えば、振動発生器は動力として空気圧ではなく、電気を使用できる。従って、請求項の記載は、図示の具体的な形態を含む広い形態範囲に包摂される発明を保護するものである。
【符号の説明】
【0048】
10 除塵装置
12 外側ハウジング
13 取り付けフランジ
14 流入開口
15 振動式供給装置
16 空気圧式振動発生器
17 供給パン
17a エラストマー系防振体/エラストマーアイソレータ
18 出口開口
19 受け取りボウル
20 浄化領域
21 第1室
22 垂直部分
23 床
24 傾斜部分
25 イオン化ピン
26 垂直ベンチュリ室
26a 排出遷移室
28 製品取り出し開口
29 取り付けフランジ
30 圧縮空気動作式真空発生器
33 導管
34 補助ポート
35 粉塵回収器
36 着脱式容器
37 ベント
38 入り口導管
39 クランプ
40 窓組立体
41 “繰り越し部”偏向フレーム
42 ガスケット
43 固定用フランジ
44 ファスナー装置
45 ガラス製窓
46 空気フィルター
46a 圧縮空気用コネクター
47 ワイコネクターポート
49 延材部材
50 センサー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【外国語明細書】





























図1






















図2























図3






図4























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図7