IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋インキSCホールディングス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-リサイクル方法、及びリサイクル装置 図1
  • 特開-リサイクル方法、及びリサイクル装置 図2
  • 特開-リサイクル方法、及びリサイクル装置 図3
  • 特開-リサイクル方法、及びリサイクル装置 図4
  • 特開-リサイクル方法、及びリサイクル装置 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086657
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】リサイクル方法、及びリサイクル装置
(51)【国際特許分類】
   B29B 17/02 20060101AFI20230615BHJP
   C08J 11/16 20060101ALN20230615BHJP
【FI】
B29B17/02 ZAB
C08J11/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022109306
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2021200779の分割
【原出願日】2021-12-10
(71)【出願人】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】古野 寛之
【テーマコード(参考)】
4F401
【Fターム(参考)】
4F401AA08
4F401AA22
4F401AA24
4F401AC13
4F401AD05
4F401AD07
4F401BA13
4F401CA14
4F401CA22
4F401CA28
4F401CA42
4F401CA43
4F401CA44
4F401CA45
4F401CA50
4F401CA91
4F401EA07
4F401EA46
4F401FA20Z
(57)【要約】
【課題】包装フィルムのリサイクルを容易にすることが可能なリサイクル方法を提供することである。
【解決手段】本発明の一態様にかかるリサイクル方法は、紙ラベル22が付着している包装フィルム20を、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とに破砕する破砕工程(ステップS1)と、破砕されたフィルム片31、32を紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とに分離する分離工程(ステップS3)と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
紙ラベルが付着している包装フィルムを、紙ラベルが付着している第1フィルム片と紙ラベルが付着していない第2フィルム片とに破砕する破砕工程と、
破砕された前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する分離工程と、を備える、
リサイクル方法。
【請求項2】
破砕された前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを運搬する運搬工程を更に備え、
前記運搬工程は、前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とに所定の周波数の振動を与えて前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを均す工程を含み、
前記分離工程は、前記運搬工程において均された後の前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する、
請求項1に記載のリサイクル方法。
【請求項3】
前記所定の周波数が、3Hz以上35Hz以下である、請求項2に記載のリサイクル方法。
【請求項4】
前記分離工程において、
前記第1フィルム片に付着している紙ラベルを認識することで、前記第1フィルム片を特定し、
エアノズルからエアを噴射して、前記特定された第1フィルム片を除去する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のリサイクル方法。
【請求項5】
前記紙ラベルには電子透かしが予め印刷されており、
読み取り装置を用いて前記電子透かしを読み取ることで前記紙ラベルを認識して、前記第1フィルム片を特定する、
請求項4に記載のリサイクル方法。
【請求項6】
前記紙ラベルには蛍光剤が含まれており、
ブラックライトを照射して前記蛍光剤を含む紙ラベルを認識することで、前記第1フィルム片を特定する、
請求項4に記載のリサイクル方法。
【請求項7】
前記紙ラベルにはセルロースが含まれており、
赤外分光法を用いて前記セルロースの指紋領域のスペクトルを検出することで、前記第1フィルム片を特定する、
請求項4~6のいずれか一項に記載のリサイクル方法。
【請求項8】
前記紙ラベルには炭酸カルシウムが含まれており、
赤外分光法を用いて前記炭酸カルシウムを含む紙ラベルを検出することで、前記第1フィルム片を特定する、
請求項4~7のいずれか一項に記載のリサイクル方法。
【請求項9】
前記紙ラベルは感熱紙を含み、
前記紙ラベルに熱を加えて前記感熱紙を黒色に発色させ、当該黒色に発色した感熱紙を認識することで、前記第1フィルム片を特定する、
請求項4に記載のリサイクル方法。
【請求項10】
前記第1フィルム片と前記第2フィルム片は帯電列に違いがあり、
前記分離工程において、静電セパレータを用いて前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する、
請求項1~3のいずれか一項に記載のリサイクル方法。
【請求項11】
前記分離工程において分離された前記第2フィルム片に印刷されているインキおよび付着している接着剤の少なくとも一方を除去する脱離工程を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載のリサイクル方法。
【請求項12】
紙ラベルが付着している包装フィルムを、紙ラベルが付着している第1フィルム片と紙ラベルが付着していない第2フィルム片とに破砕する破砕手段と、
前記破砕手段で破砕された前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する分離手段と、を備える、
リサイクル装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル方法、及びリサイクル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境問題への関心の高まりにより、包装容器などをリサイクルする技術が注目を集めている。特許文献1には、紙製液体容器のリサイクルに際して、紙分とプラスチックフィルムとの分離を確実に行う技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2018-75571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
食品等の包装に用いられている包装フィルムをリサイクルする際は、包装フィルムを破砕し、破砕された包装フィルムに含まれているプラスチック成分を回収してリサイクルする。一般的に、食品等の包装に用いられている包装フィルムの表面には、食品等に関する情報(値札、成分表示など)を表示するために紙ラベルが貼付されている。
【0005】
しかしながら、包装フィルムの表面に紙ラベルが貼付されていると、破砕された包装フィルムの中に、紙ラベルが付着しているフィルム片と紙ラベルが付着していないフィルム片とが混在することになり、包装フィルムのリサイクルが困難になるという問題がある。
【0006】
上記課題に鑑み本発明の目的は、包装フィルムのリサイクルを容易にすることが可能なリサイクル方法、及びリサイクル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかるリサイクル方法は、紙ラベルが付着している包装フィルムを、紙ラベルが付着している第1フィルム片と紙ラベルが付着していない第2フィルム片とに破砕する破砕工程と、破砕された前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する分離工程と、を備える。
【0008】
本発明の一態様にかかるリサイクル装置は、紙ラベルが付着している包装フィルムを、紙ラベルが付着している第1フィルム片と紙ラベルが付着していない第2フィルム片とに破砕する破砕手段と、前記破砕手段で破砕された前記第1フィルム片と前記第2フィルム片とを分離する分離手段と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、包装フィルムのリサイクルを容易にすることが可能なリサイクル方法、及びリサイクル装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態にかかるリサイクル方法の一例を説明するためのフローチャートである。
図2】実施の形態にかかるリサイクル装置の一例を説明するための模式図である。
図3】破砕工程を説明するための断面図である。
図4】分離工程を説明するための模式図である。
図5】包装フィルムの一例を説明するための断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかるリサイクル方法の一例を説明するためのフローチャートである。図2は、本実施の形態にかかるリサイクル装置の一例を説明するための模式図である。図2は、図1に示した本実施の形態にかかるリサイクル方法を実施するためのリサイクル装置の一例を示している。以下、本実施の形態にかかるリサイクル方法およびリサイクル装置について詳細に説明する。
【0012】
本実施の形態にかかるリサイクル方法では、まず、図1に示すように、破砕工程(ステップS1)において、リサイクル対象である包装フィルムを所定の大きさのフィルム片に破砕(裁断)する。具体的には、図2に示すように、破砕手段10は、紙ラベル22が付着している包装フィルム20を、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とに破砕する。例えば破砕工程では、包装フィルムを5mm以上~20mm、好ましくは10mm以上20mmの大きさのフィルム片に破砕する。
【0013】
図3は、破砕工程を説明するための断面図である。図3の上図に示す包装フィルム20のように、フィルム21の表面の一部には紙ラベル22が貼付されている。フィルム21は、例えば、オレフィン、ナイロン、PET等のプラスチックフィルムである。フィルム21の膜厚は、例えば10μm~250μmである。
【0014】
例えば、包装フィルム20は食品等の包装に用いられている包装フィルムであり、このような包装フィルムには、値札や成分表示等の紙ラベル22が粘着剤を用いて貼付されている。このように紙ラベル22が貼付されている包装フィルム20を破砕すると、図3の下図に示すように、紙ラベル22が付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とが生成される。破砕後は、紙ラベル22が付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とが混在している状態である。
【0015】
その後、破砕されたフィルム片31、32を、運搬手段11を用いて運搬する(図1のステップS2)。このとき、運搬手段11は、フィルム片31、32に所定の周波数の振動を与えてフィルム片31、32を均すようにしてもよい。すなわち、図2に示すように、運搬手段11からフィルム片31、32に所定の周波数の振動を与えることで、破砕手段10から供給されたフィルム片35_1を、フィルム片35_2、フィルム片35_3の
ように、運搬しながら徐々に均すことができる。ここでフィルム片31、32を均すとは、破砕手段10から供給されたフィルム片35_1を運搬手段11の平面方向に広げて、
フィルム片31、32同士の重なりを減らすことを意味する。運搬手段11からフィルム片31、32に与える周波数は、移送効率、フィルム片31、32を均す効果、および騒音のバランスから、例えば3Hz以上35Hz以下とすることが好ましく、5Hz以上25Hz以下とすることがより好ましく、5Hz以上15Hz以下とすることが最も好ましい。
【0016】
運搬手段11には、振動コンベアを用いることができる。また、運搬手段11としてベルトコンベアを用いてもよく、この場合はベルトコンベアに所定の振動を与える振動手段を別途設けるようにしてもよい。
【0017】
その後、運搬されたフィルム片31、32を、分離手段12を用いてフィルム片31とフィルム片32とに分離する(図1のステップS3)。つまり、破砕された後のフィルム片は、紙ラベル22が付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とが混在している状態である。分離手段12は、このように混在しているフィル
ム片31、32を、紙ラベル22が付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とに分離する。図2では、紙ラベル22が付着しているフィルム片31が容器14に収容され、紙ラベルが付着していないフィルム片32が容器15に収容されている。
【0018】
図4は、分離工程を説明するための模式図である。図4に示すように、分離手段12は紙ラベル認識部16およびエアノズル17を備える。紙ラベル認識部16は、運搬手段11で運搬されたフィルム片31、32のうち、フィルム片31に付着している紙ラベルを認識することで、紙ラベルが付着しているフィルム片31を特定する。
【0019】
エアノズル17は、紙ラベル認識部16で特定されたフィルム片31に対してエア18を噴射することでフィルム片31を除去する。つまり、運搬手段11で運搬されたフィルム片31、32のうち、紙ラベルが付着しているフィルム片31についてはエア18を用いて容器14に落下するように軌道を変化させ、紙ラベルが付着していないフィルム片32についてはそのまま容器15に落下するようにする。これにより、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とを分離することができる。
【0020】
なお、本実施の形態では、エア18を噴射するフィルム片を逆にしてもよい。すなわち、紙ラベルが付着していないフィルム片32にエア18を噴射して、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とを分離してもよい。
【0021】
また、本実施の形態では、紙ラベル22に電子透かしを予め印刷しておいてもよい。電子透かしとは、人間の眼では識別できないような技法を用いて所定の情報を紙ラベルに印刷し、当該印刷された所定の情報を専用の読み取り装置を用いて読み取る技術である。紙ラベル認識部16は、紙ラベルに印刷されている電子透かしを読み取り装置(カメラ)を用いて読み取ることで紙ラベルを認識し、紙ラベル22が付着しているフィルム片31を特定してもよい。
【0022】
また、紙ラベル22に蛍光剤が含まれている場合、紙ラベル認識部16は、ブラックライトを照射して蛍光剤を含む紙ラベル22を認識することで、紙ラベル22が付着しているフィルム片31を特定してもよい。蛍光剤は、例えば蛍光増白剤である。蛍光剤は、紙ラベル22の表面にコーティングされていてもよく、また、紙ラベル22自体に添加されていてもよい。例えば、蛍光剤は、300~400nmの範囲の電磁波を吸収し、蛍光領域(400~500nm)の電磁波を放射する。このため、ブラックライト(300~400nmの電磁波)を紙ラベルに照射した際に放射された蛍光領域の電磁波を検出することで、蛍光剤を含む紙ラベル22を認識することができる。
【0023】
また、紙ラベル22にセルロースが含まれている場合、紙ラベル認識部16は、赤外分光法を用いてセルロースの指紋領域のスペクトルを検出することで、紙ラベル22が付着しているフィルム片31を特定してもよい。ここで、セルロースの指紋領域のスペクトルとは、CH変角振動、OH変角振動に起因する吸収スペクトル、OH伸縮振動に起因する吸収スペクトル等のセルロースに特有の吸収スペクトルである。
【0024】
また、紙ラベル22に炭酸カルシウムが含まれている場合、紙ラベル認識部16は、赤外分光法を用いて炭酸カルシウムを含む紙ラベルを検出することで、紙ラベル22が付着しているフィルム片31を特定してもよい。
【0025】
また、紙ラベル22が感熱紙である場合、紙ラベル認識部16は、紙ラベル22に熱を加えて感熱紙を黒色に発色させ、当該黒色に発色した感熱紙を認識することで、紙ラベル
22が付着しているフィルム片31を特定してもよい。例えば、運搬手段11で運搬されているフィルム片31、32に電磁波を照射して加熱することで、分離手段12に到達する前に予め感熱紙を黒色に発色させるようにしてもよい。そして、カメラでフィルム片31、32を撮像し、黒色の部分があるフィルム片を紙ラベル22が付着しているフィルム片31であると特定してもよい。
【0026】
なお、上述した紙ラベルが付着しているフィルム片31を特定する方法については、適宜組み合わせて用いてもよい。
【0027】
また、本実施の形態では、図2に示す分離手段12として、静電セパレータを用いてもよい。すなわち、紙ラベルが付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とでは帯電列に違いがある。よって、静電セパレータを用いることで、紙ラベルが付着しているフィルム片31と、紙ラベルが付着していないフィルム片32とを分離することができる。この場合は、図4に示した紙ラベル認識部16およびエアノズル17は不要となる。
【0028】
その後、分離工程において分離されたフィルム片32に対して脱離工程を実施する(図1のステップS4)。脱離工程は、フィルム片32に印刷されているインキおよび付着している接着剤の少なくとも一方を除去する工程である。脱離工程は、例えば図2に示すように、フィルム片32を処理液19に浸漬させることで実施できる。処理液には、水酸化ナトリウム等を含むアルカリ性の処理液等を用いることができる。また、脱離工程として熱水処理、熱アルカリ処理等を用いてもよい。
【0029】
脱離工程の後、さらにサイズ分離・比重分離等の工程を実施し、その後、ペレタイズ工程を実施してもよい。
【0030】
なお、本実施の形態にかかるリサイクル方法は、破砕工程(ステップS1)と分離工程(ステップS3)とを備えていればよく、それ以外の工程は適宜省略してもよい。
【0031】
上述のように、食品等の包装に用いられている包装フィルムの表面には、食品等に関する情報(値札、成分表示など)を表示するために紙ラベルが貼付されている。しかしながら、包装フィルムの表面に紙ラベルが貼付されていると、破砕された包装フィルムの中に、紙ラベルが付着しているフィルム片と紙ラベルが付着していないフィルム片とが混在することになり、包装フィルムのリサイクルが困難になるという問題があった。具体的には、その後の脱離工程では、フィルム片を処理液に浸漬させて脱墨・剥離させるが、このとき、フィルム片に紙ラベルが付着していると、紙ラベルが膨潤して処理液全体に広がり、脱離工程の妨げになるという問題があった。
【0032】
そこで本実施の形態にかかる発明では、紙ラベルが付着している包装フィルムを、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とに破砕した後、紙ラベルが付着しているフィルム片31と紙ラベルが付着していないフィルム片32とに分離する分離工程を設けている。このように、本実施の形態にかかる発明では、紙ラベルが付着しているフィルム片31を除去しているので、その後のリサイクルを容易にすることができる。
【0033】
また、本実施の形態では、紙ラベルが付着しているフィルム片31を除去しているので、純度の高いプラスチックペレットを得ることができる。なお、本実施の形態において「紙ラベルが付着していないフィルム片32」とは、紙ラベルが全く付着していないフィルム片32に加えて、紙ラベルが若干付着しているフィルム片も含んでもよいものとする。例えば、紙ラベルが若干付着しているフィルム片とは、紙ラベル認識部16において認識
できる紙ラベルの量よりも少ない量の紙ラベルが付着しているフィルム片である。
【0034】
なお、本実施の形態にかかる発明では、紙ラベルが付着しているフィルム片31を完全に除去することが好ましいが、紙ラベルが付着しているフィルム片31の数が多い場合は、分離手段12を用いて、紙ラベルが付着しているフィルム片31を完全に除去することは困難となる。このような場合は、紙ラベルが付着しているフィルム片31を完全に除去する必要はなく、紙ラベルが付着していないフィルム片32の中に、紙ラベルが付着しているフィルム片31が所定の割合(ただし、破砕工程後におけるフィルム片31の割合よりも低い割合)で混入していてもよいものとする。
【0035】
また、本実施の形態では、分離工程を複数回実施してもよい。分離工程を複数回実施した場合は、紙ラベルが付着しているフィルム片31の割合を低減させることができ、結果として紙ラベルが付着していないフィルム片32の割合を高めることができる。
【0036】
図5は、本実施の形態にかかる発明を用いてリサイクルされる包装フィルムの一例を説明するための断面図である。図5に示すように、包装フィルムは、フィルム21と、フィルム21の表面の一部に貼付された紙ラベル22と、を備える。フィルム21は、シーラント材41、ラミネート接着剤42、インキ43、アンカーコート剤44、フィルム45がそれぞれ積層されて形成されている。シーラント材41には、CPP(Cast Polypropylene)、PE(polyethylene)等が用いられる。フィルム45には、OPP(Oriented Polypropylene)等が用いられる。紙ラベル22は、粘着剤46と感熱紙47とが積層されて形成されている。感熱紙47は、粘着剤46を用いてフィルム21に貼付される。
【0037】
本実施の形態にかかる発明を用いて図5に示す包装フィルムをリサイクルした場合は、ラミネート接着剤42、インキ43、アンカーコート剤44、粘着剤46、及び感熱紙47を除去し、シーラント材41とフィルム45とをリサイクルできるので、リサイクルしたプラスチックの純度を高くすることができる。
【0038】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 リサイクル装置
10 破砕手段
11 運搬手段
12 分離手段
14、15 容器
16 紙ラベル認識部
17 エアノズル
18 エア
19 処理液
20 包装フィルム
21 フィルム
22 紙ラベル
31 紙ラベルが付着しているフィルム片
32 紙ラベルが付着していないフィルム片
41 シーラント材
42 ラミネート接着剤
43 インキ
44 アンカーコート剤
45 フィルム
46 粘着剤
47 感熱紙
図1
図2
図3
図4
図5