(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086660
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】光ファイバフェルールの端面研磨装置、光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法および光ファイバフェルールの端面研磨装置に使用する摺動板
(51)【国際特許分類】
B24B 7/16 20060101AFI20230615BHJP
【FI】
B24B7/16 Z
【審査請求】有
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022116861
(22)【出願日】2022-07-22
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】P 2021200487
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000147350
【氏名又は名称】株式会社精工技研
(74)【代理人】
【識別番号】100096703
【弁理士】
【氏名又は名称】横井 俊之
(72)【発明者】
【氏名】成田 武彦
(72)【発明者】
【氏名】澁谷 裕二
【テーマコード(参考)】
3C043
【Fターム(参考)】
3C043BC02
3C043CC03
3C043DD05
(57)【要約】
【課題】 光ファイバフェルールの端面研磨装置において、ターンテーブルやスラストリングの摩耗を抑制することで、端面研磨装置のメンテナンス性および製品寿命を向上させる。
【解決手段】光ファイバフェルールの端面研磨装置であって、光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、保持部を上方に配置するためのベースプレートと、ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、スラストリングに載置され、スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルとを有し、ターンテーブルとスラストリングとの間に第1の摺動板が配置され、ホルダーとベースプレートとの間に第2の摺動板が配置される構造を有する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に第1の摺動板が配置され、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に第2の摺動板が配置されることを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項2】
前記第1の摺動板は、粘着剤により前記ターンテーブルの下面または前記スラストリングの上面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項3】
前記第1の摺動板は、外形が円形であり中央に穴を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項4】
前記第1の摺動板と第2の摺動板が同じ材質の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項5】
前記第1の摺動板の厚さと前記第2の摺動板の厚さの差異が0.1mm以内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項6】
前記ターンテーブル上に載置される研磨盤をさらに有し、
前記研磨盤の上面には前記光ファイバフェルールを研磨するための研磨材が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項7】
光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法であって、
前記端面研磨装置は、
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記製造方法は、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に第1の摺動板を配置する工程と、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に第2の摺動板を配置する工程と、を有することを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法。
【請求項8】
光ファイバフェルールの端面研磨装置に使用する摺動板であって、
前記端面研磨装置は、
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記摺動板は、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に配置される第1の摺動板と、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に配置される第2の摺動板と、を有することを特徴とする摺動板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光ファイバフェルールの端面研磨装置、光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法および光ファイバフェルールの端面研磨装置に使用する摺動板に関する。
【背景技術】
【0002】
光ファイバフェルールをホルダーに保持した状態で光ファイバフェルール研磨する光ファイバフェルールの端面研磨装置が知られている。このような装置では、ホルダーに固定された光ファイバフェルールに対してターンテーブルを回転させ、ターンテーブル上に配置された研磨材により光ファイバフェルールの端面を研磨する。ターンテーブルは、スラストリングの上に載置されスラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動される。ホルダーを端面研磨装置に装着する方法として、特許文献1の端面研磨装置は、端面研磨装置の上面に固定された保持部にホルダーを載置して装着する構造を有している。
【0003】
ターンテーブルがスラストリングの上で回転駆動されるとき、ターンテーブルとスラストリングとの間に摩擦が生じることで、ターンテーブルの下面やスラストリングの上面が摩耗する。ターンテーブルの下面やスラストリングの上面が摩耗すると、端面研磨装置の研磨性能に影響のある高さ方向の位置が変動し、光ファイバフェルールの研磨性能(曲率半径、偏心量、研磨角度等)に変動が生じる。一定量以上摩耗したターンテーブルやスラストリングは新しいものと交換する必要があり、ターンテーブルやスラストリングの摩耗は端面研磨装置の維持管理費を上昇させることになる。
【0004】
従来、ターンテーブルやスラストリングの摩耗を抑制する方法として、ターンテーブルとスラストリングとの摩擦面にグリースを塗付する方法が知られている。また、ターンテーブルの材料、硬度、コーティング等を改良することで、耐摩耗性の向上をはかる方法がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
グリースの塗付は、定期的に行う必要があるとともに、耐摩耗性の向上には限界があるという問題があった。ターンテーブルの材料、硬度、コーティング等の改良は、端面研磨装置の製造費を上昇させるという問題があった。また、特許文献1のような端面研磨装置の上面に固定された保持部にホルダーを載置して装着する構造の端面研磨装置においては、研磨性能に影響のある高さ方向の管理が重要であり、摩擦面に一定以上の厚みのある部材を配置して耐摩耗性を向上しようとした場合に高さ位置の調整が容易ではなかった。
【0007】
本発明は、端面研磨装置の上面に固定された保持部にホルダーを載置する構造の端面研磨装置において、ホルダーの高さ位置の追加調整が不要であり、メンテナンス性と製品寿命の向上が可能な光ファイバフェルールの端面研磨装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光ファイバフェルールの端面研磨装置は、光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に第1の摺動板が配置され、前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に第2の摺動板が配置される構成としてある。
上記のように構成された端面研磨装置では、ターンテーブルとスラストリングの間に第1の摺動板を配置することで、ターンテーブルやスラストリングの磨耗を抑制する。また、ホルダーとベースプレートとの間に第2の摺動板を配置することでホルダーの高さ位置を上昇させている。これにより、第1の摺動板を追加することにより高さ位置が上昇したターンテーブルに対して、ホルダーの高さ位置の調整を不要としている。
【0009】
前記構成において、前記第1の摺動板は、粘着剤により前記ターンテーブルの下面または前記スラストリングの上面に固定される構成としてもよい。
上記のように構成された端面研磨装置では、粘着剤により第1の摺動板を固定することで、第1の摺動板の位置がずれることを防止している。
【0010】
前記構成において、前記第1の摺動板は、外形が円形であり中央に穴を有する構成としてもよい。
上記のように構成された端面研磨装置では、ターンテーブルとスラストリングの摺動面の部分にのみ第1の摺動板を配置している。
【0011】
前記第1の摺動板と第2の摺動板が同じ材質の樹脂で形成されている構成としてもよい。
上記のように構成された端面研磨装置では、第1の摺動板の厚さと第2の摺動板の厚さを容易に揃えることができる。
【0012】
前記構成において、前記第1の摺動板の厚さと前記第2の摺動板の厚さの差異が0.1mm以内である構成としてもよい。
上記のように構成された端面研磨装置では、第1の摺動板の厚さと第2の摺動板の厚さの差異を最小限とすることで、研磨性能に影響のある高さ位置のずれを最小限とすることができる。
【0013】
前記構成において、前記ターンテーブル上に載置される研磨盤をさらに有し、前記研磨盤の上面には前記光ファイバフェルールを研磨するための研磨材が配置されている構成としてもよい。
上記のように構成された端面研磨装置では、ターンテーブルに載置された研磨盤および研磨材がホルダーに対して一定の高さ位置に配置され、一定の圧力でフェルールを研磨することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、端面研磨装置の本体に対して高さ方向の位置が固定された保持部にホルダーを載置する構造の端面研磨装置において、研磨性能に影響のある高さ位置の追加調整が不要であり、メンテナンス性と製品寿命の向上が可能な光ファイバフェルールの端面研磨装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】光ファイバフェルールを装着したホルダーを端面研磨装置に装着した状態の正面図である。
【
図2】光ファイバフェルールを装着したホルダーの断面図である。
【
図3】ホルダーが装着されていない状態の端面研磨装置の一部断面図である。
【
図4】スラストリングの正面図および上面図である。
【
図5】ターンテーブルの正面図および下面図である。
【
図6】研磨フィルムを上面に装着した研磨盤の正面図である。
【
図7】ホルダーが装着された状態の端面研磨装置の一部断面図である。
【
図8】第1の摺動板および第2の摺動板を装着した状態の端面研磨装置上部の正面図である。
【
図9】第1の摺動板および第2の摺動板の平面図である。
【
図10】ベースプレートと保持台との間に配置されたスペーサの上部に第2の摺動板を装着した図である。
【
図11】ベースプレートと保持台との間に配置されたスペーサの下部に第2の摺動板を装着した図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、一例として示す図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。
図1は、光ファイバフェルール2(以下、フェルール2)を装着した光ファイバフェルール研磨用ホルダー3(以下、ホルダー3)を光ファイバフェルール端面研磨装置1(以下、研磨装置1)に装着した状態の正面図である。
図2は、フェルール2を装着したホルダー3の断面図である。ホルダー3は、平面視で略矩形状の板状の部材である。ホルダー3には、複数のフェルール2が着脱可能に装着される。フェルール2は、セラミックや樹脂等で構成され、光ファイバ芯線2Aの先端部付近の周囲に装着されている。フェルール2は、アダプタ4に挿通されナット5によりアダプタ4に固定されている。アダプタ4の底部は円周方向の外側に広がっている。保持部材6は、スプリング7を介してアダプタ4の底部をホルダー3に押し付ける構造を有する。ボルト8を用いて保持部材6をホルダー3に固定することで、スプリング7がアダプタ4を押圧し、フェルール2がホルダー3に固定される。このとき、フェルール2はホルダー3に設けられた挿入孔3Aに挿入され、フェルール2の端面はホルダー3の下面から下方に所定長さだけ突出する。フェルール2の端面の中央には、光ファイバ芯線2Aの光ファイバ2Bが露出している。この状態でホルダー3を研磨装置1に装着し、フェルール2の端面を研磨装置1で研磨する。
【0017】
図3は、ホルダー3が装着されていない状態の研磨装置1の一部断面図である。
図3を参照しながら研磨装置1の構造を説明する。研磨装置1は、後述する各部材を上方に配置するためのベースプレート20を有する。ベースプレート20の上面は、研磨装置1の下端から一定の高さ位置に位置する基準面20Aを有する。ベースプレート20の基準面20Aの四隅付近には、ホルダー3を保持するための保持台10がそれぞれ配置されている。保持台10は円柱状の部材であり、下方に小径部が形成されている。保持台10の小径部はベースプレート20の基準面20Aに設けられた挿入孔に挿入され、ベースプレート20に固定されている。各保持台10の上面の中央には平面視で円形の凹部10Aが設けられており、凹部10Aの周囲がホルダー3を載置するためのホルダー載置面10Bを構成する。ホルダー載置面10Bは、基準面20Aから高さ方向に所定の距離を隔てた面である。つまり、ベースプレート20に対してホルダー載置面10Bの高さ方向の相対位置が固定されている。ホルダー載置面10Bにホルダー3を載置することで、基準面20Aに対してホルダー3を所定の距離を隔てて平行に載置することができる。保持台10の凹部10Aには、クランプピン11が水平方向に回転可能に挿入されている。円柱状のクランプバー12が、クランプピン11を上部水平方向に貫通した状態でクランプピン11に固定されている。クランプバー12の一端側には、クランプバー12を操作するときに使用者が掴むためのクランプレバー13が固定されている。クランプレバー13はクランプバー12よりも大きな径を有した円柱状の部材であり、クランプバー12の外周に挿通されている。クランプバー12の他端側は、後述するように、ホルダー3を押圧、固定する機能を有する。
【0018】
クランプレバー13を水平方向に回転させることにより、クランプレバー13に固定されたクランプバー12とクランプピン11とがクランプレバー13に連動して水平方向に回転する。ホルダー3をホルダー載置面10Bに載置した状態でクランプレバー13を回転させることにより、クランプバー12の先端がホルダー3を上方から保持台10に向けて押圧する。これにより、ホルダー3をホルダー載置面10Bに載置してホルダー3を研磨装置1に保持することができる。なお、クランプレバー13を反対方向に回転させることにより、ホルダー3の保持台10に対する固定を解除することができる。本実施例においては、保持台10およびクランプバー12等のホルダー3を固定する機構が保持部に該当する。
【0019】
ベースプレート20の基準面20Aには、ベースプレート20に対して高さ方向の相対位置が固定された状態でスラストリング30が固定されている。スラストリング30の上面にターンテーブル40が載置される。スラストリング30の上面には、
図4に示すように環状の摺動面30A(斜線部)が形成されている。また、ターンテーブル40の下面には、
図5に示すように円形状の摺動面40A(斜線部)が形成されている。摺動面30Aおよび摺動面40Aは、基準面20Aから高さ方向に所定の距離を隔てた面である。スラストリング30は、摺動面30Aでターンテーブル40を支持している。ターンテーブル40は、摺動面40Aでスラストリング30に支持されている。ターンテーブル40の下方には、ターンテーブル40を水平方向に回転駆動する回転機構50が設けられる。回転機構50は、ターンテーブル40を自転させる自転機構51およびターンテーブル40を公転させる公転機構52を有する。回転機構50、自転機構51、公転機構52の構造や作動についての詳細な説明は省略するが、回転機構50がターンテーブル40を回転駆動すると、ターンテーブル40の摺動面40Aがスラストリング30の摺動面30A上を摺動する。つまり、ターンテーブル40はスラストリング30に対して摺動可能な状態でスラストリング30上に載置される。
【0020】
ターンテーブル40の上面は、平面視で円形の外形を有し、中央部に円形の凹部41を有する。凹部41には、凹部41よりも若干小径の円盤状に形成された研磨盤(パッド)42が載置される。
図6に示すように、研磨盤42の上面には、研磨フィルム43が装着される。例えば、研磨フィルム43の上面には、フェルール2を研磨するための研磨材44が塗布される場合もある。研磨フィルム43を交換することにより、研磨粗さ等を変更することができる。研磨盤42は、ゴムや樹脂等の弾性部材で形成されており、フェルール2を研磨する際に弾性力により研磨フィルム43をフェルール2に押し付けて、球面形状に研磨する。また、研磨盤42は、ガラス等の非弾性部材で形成されている場合もあり、その場合はフェルール2を平面形状に研磨する。
【0021】
図7は、研磨装置1にホルダー3および研磨盤42を装着した状態の研磨装置1の一部断面図である。ターンテーブル40の凹部41に研磨盤42が載置され、研磨盤42の上面には研磨フィルム43(研磨材44)が配置されている。フェルール2がホルダー3に装着された状態で、ホルダー3は保持台10のホルダー載置面10Bに載置される。クランプレバー13を水平方向に回転させて、クランプバー12の先端によりホルダー3を下方に押圧すると、ホルダー3は保持台10に固定される。このとき、フェルール2の端面はホルダー3の下面から下方に突出し、研磨フィルム43に対して所定の圧力で押圧される。この状態で、ターンテーブル40を回転駆動する。これにより、研磨フィルム43の表面でフェルール2の端面を研磨することができる。フェルール2の端面がホルダー3の下面から最適な長さだけ突出することでフェルール2の端面が研磨盤42に対して最適な圧力で押圧されるように、保持台10の高さが設定されている。つまり、基準面20Aに対するホルダー載置面10Bの高さ位置が設定されている。
【0022】
保持台10とスラストリング30とがともにベースプレート20の基準面20Aに固定されているため、基準面20Aに対する保持台10とスラストリング30の高さ方向の相対位置は一定である。つまり、保持台10のホルダー載置面10Bとスラストリング30の摺動面30Aとの高さ方向の相対位置は一定である。言い換えると、スラストリング30の摺動面30Aは、保持台10のホルダー載置面10Bに対して高さ方向の相対位置が固定されている。ターンテーブル40はスラストリング30に載置されるため、ターンテーブル40の摺動面40Aも、保持台10のホルダー載置面10Bに対して高さ方向の相対位置が固定されている。これにより、研磨フィルム43の表面とフェルール2の端面との距離が一定となり、フェルール2の端面を一定の圧力で押圧しながら研磨することができる。
【0023】
ターンテーブル40はスラストリング30に載置され、ターンテーブル40の摺動面40Aがスラストリング30の摺動面30Aの上を摺動する。この摺動に伴う摩擦を低減するため、
図8に示すように、ターンテーブル40の下面(摺動面40A)には、第1の摺動板61が配置される。摺動板とは、摺動を円滑にするために摺動面に配置される板状の部材を包括的に意味する。板という用語は、所定の厚さと面積を有する部材という意味で用いているに過ぎず、材質や厚さを限定するために用いていない。第1の摺動板61は、超高分子量ポリエチレンの層にアクリル系の粘着剤の層が重ねられた2層の薄板(シート)状の材料である。第1の摺動板61の一方の面に超高分子量ポリエチレンの層が露出し、他方の面に粘着剤の層が露出している。粘着剤により第1の摺動板61はターンテーブル40の摺動面40Aに接着、固定される。第1の摺動板61は粘着剤の層も含めて所定の厚さT1を有する。本実施例においては、所定の厚さT1は、第1の摺動板61の全領域において均一であり、0.18mmである。第1の摺動板61の外形は、
図9に示すように、ターンテーブル40の摺動面40Aに合わせた円形である。第1の摺動板61は、スラストリング30の摺動面30Aと接触する可能性のある部分のみに固定すればよいため、第1の摺動板61の中央には円形の穴61Aが設けられている。第1の摺動板61を摺動面40Aに固定したとき、超高分子量ポリエチレンの層がスラストリング30の摺動面30Aと接触して摺動する。
【0024】
ターンテーブル40の摺動面40Aに第1の摺動板61を追加すると、
図8に示すように、ベースプレート20の基準面20Aから研磨フィルム43の上面までの距離D1が第1の摺動板61の所定の厚さT1の分だけ増加する。第1の摺動板61を追加する前と同様の条件で研磨を行うためには、研磨フィルム43の上面とフェルール2の端面(ホルダー3の下面)との高さ方向の相対位置を同じにする必要がある。つまり、ベースプレート20の基準面20Aから保持台10とホルダー載置面10Bまでの距離D2を所定の厚さT1の分だけ増加させる必要がある。そこで、ホルダー3と保持台10のホルダー載置面10Bとの間に第2の摺動板62を配置する。第2の摺動板62は、第1の摺動板61と同様に、超高分子量ポリエチレンの層にアクリル系の粘着剤の層が重ねられた2層の薄板(シート)状の材料である。第2の摺動板62の一方の面に超高分子量ポリエチレンの層が露出し、他方の面に粘着剤の層が露出している。粘着剤により第2の摺動板62は保持台10のホルダー載置面10Bに接着、固定される。第2の摺動板62は粘着剤の部分も含めて所定の厚さT2を有する。第2の摺動板62の外形は、
図9に示すように、保持台10の外形に合わせた円形である。第2の摺動板62の中央にはクランプピン11を挿通するための円形の穴62Aが設けられている。
【0025】
所定の厚さT1と所定の厚さT2を同一(T1=T2)に設定することで、距離D1の増加量と距離D2の増加量を同一にすることができる。第1の摺動板61の厚さT1と第2の摺動板62の厚さT2の差異が若干存在していても構わないが、差異(T2-T1)が0.1mm以内であることが好ましい。厚さの差異を最小限にするために、第1の摺動板61と第2の摺動板62とは、同じ材質の樹脂で形成することが好ましい。同じ材質の樹脂であっても、製造ロットおよび部位によって厚さのばらつきがある可能性があるため、同一の製造ロットの部材であってなるべく近接した部位を使用して第1の摺動板61と第2の摺動板62を形成することがより好ましい。
【0026】
以上説明したように、本発明の研磨装置1では、ターンテーブル40とスラストリング30の摺動に伴う摩擦による摩耗を低減するため、ターンテーブル40の摺動面40Aに第1の摺動板61が固定される。これにより、ターンテーブル40は、第1の摺動板61の部分でスラストリング30の摺動面30Aと接して摺動することになる。第1の摺動板61は超高分子量ポリエチレンで形成されているため、摩擦係数が低く耐摩耗性に優れている。また、たとえ第1の摺動板61が摩耗した場合でも、第1の摺動板61を交換すればよい。そのため、ターンテーブル40やスラストリング30が摩耗してこれらの部品を交換する必要が生じる場合と比較して、メンテナンスのコストを大幅に削減することができる。
【0027】
また、本発明の研磨装置1では、ホルダー3と保持台10のホルダー載置面10Bとの間に第2の摺動板62を配置する。これにより、ホルダー3やホルダー載置面10Bの摩耗を低減することができる。また、ターンテーブル40とスラストリング30の間に第1の摺動板61を配置することで、研磨フィルム43の高さ位置が基準面20Aに対して所定の厚さT1分だけ上昇する。第2の摺動板62を配置することで、ホルダー3の下面の位置を所定の厚さT2分だけ上昇させることができる。T1=T2となるように第1の摺動板61と第2の摺動板62を製作することで、第1の摺動板61を追加したことによる研磨フィルム43の高さ位置の変化に係らず、ホルダー3の高さ位置の調整をすることなく研磨装置1を使用することができる。保持台10にホルダー3を載置する構造を有する本願の研磨装置1においては、ホルダー3の高さ位置の調整範囲が小さく第1の摺動板61の所定の厚さT1分だけホルダー3の高さ位置を調整することが難しい構造であるため、第2の摺動板62を配置することが特に有効である。
【0028】
本発明の研磨装置1の製造方法について説明する。粘着剤によりターンテーブル40の摺動面40Aに第1の摺動板61を固定する。スラストリング30の摺動面30Aに第1の摺動板61を固定してもよい。粘着力を考慮すると、ターンテーブル40の摺動面40Aに第1の摺動板61を固定する方が好ましい。また、粘着剤により保持台10のホルダー載置面10Bに第2の摺動板62を固定する。第2の摺動板62をホルダー載置面10Bに固定せずに、ホルダー載置面10Bに載置するだけでもよい。以上のような簡単な工程により、本発明の研磨装置1を製造することができる。本発明の研磨装置1を使用することにより、ホルダー3の高さ位置の追加調整が不要であるにも係わらず、ターンテーブル40やスラストリング30のメンテナンス性や寿命を向上できる。
【0029】
本発明の研磨装置1の耐久試験を行った結果を表1に示す。24時間稼働で研磨を行った前提で30日(1カ月)経過後相当時と365日(1年)経過後相当時における研磨結果である。表1に示す値は、20個のサンプルの平均値、最大値、最小値である。24時間稼働で約1年相当の耐久試験の後であっても、各数値は問題ない範囲内であることが確認された。本発明の研磨装置1は、定期的なグリースの塗布等のメンテナンスをしなくても長期間の使用に耐えることが確認された。
【表1】
【0030】
図10は、ベースプレート20と保持台10との間に配置されたスペーサ21の上部に第2の摺動板62を装着した図である。第2の摺動板62を保持台10のホルダー載置面10Bに配置する代わりに、
図10に示す実施例では、第2の摺動板62を保持台10の下部に配置する。ベースプレート20と保持台10との間にはスペーサ21が配置されているが、このスペーサ21の上部に第2の摺動板62を配置する。つまり、保持台10とスペーサ21との間に第2の摺動板62を配置する。これにより、第1の摺動板61を配置したことにより研磨フィルム43の高さ位置が所定の厚さT1分だけ増加したことに対して、ホルダー3の下面の位置を所定の厚さT2分だけ上昇させることができる。つまり、第1の摺動板61を追加した場合のホルダー3の位置の調整が容易となる。なお、第2の摺動板62の装着方法等は、第2の摺動板62を保持台10のホルダー載置面10Bに配置する場合と同様であるので説明を省略する。
【0031】
図11は、ベースプレート20と保持台10との間に配置されたスペーサ21の下部に第2の摺動板62を装着した図である。
図11に示す実施例においては、
図10に示す実施例と同様に第2の摺動板62を保持台10の下部に配置するが、スペーサ21の下部に第2の摺動板62を配置する点で
図10に示す実施例と異なる。つまり、スペーサ21とベースプレート20との間に第2の摺動板62を配置する。この場合も、第1の摺動板61を配置したことにより研磨フィルム43の高さ位置が所定の厚さT1分だけ増加したことに対して、ホルダー3の下面の位置を所定の厚さT2分だけ上昇させることができる。
【0032】
図10および
図11に示したように、第2の摺動板62を保持台10の下部に配置することも可能である。つまり、第2の摺動板62は、保持台10の上部に配置されてもよく、保持台10の下部に配置されてもよい。つまり、第2の摺動板62は、ホルダー3とベースプレート20との間に配置される限り本願の効果を発揮することができる。なお、第2の摺動板62を保持台10の下部に配置する場合、第2の摺動板62の上下には可動部品が配置されないため、第2の摺動板62は、必ずしも摺動を円滑にするための摺動面を有していなくてもよい。つまり本発明において、摺動板とは必ずしも摺動部に設けられて摺動性能を向上する機能を有する板のみを示さない。単に高さ方向の位置調整のための機能を有する板(スペーサ)も本発明では摺動板と呼称する。摺動性能を向上する機能が必要ない場合であっても、第1の摺動板61との高さ位置を合わせるため、第1の摺動板61と同じ材質を第2の摺動板62に使用してもよい。
【0033】
前記実施例において、ナット5を使用してフェルール2をホルダー3に固定する構造を説明したが、フェルール2をホルダー3に保持する構造はこれに限られない。フェルールをプレート状のホルダーに固定する構造である限り、本発明を適用することが可能である。例えば、光コネクタの状態でフェルール2をホルダー3に保持する構造を使用してもよい。
【0034】
前記実施例において、保持台10の上にホルダー3を載置してクランプバー12によりホルダー3を保持台に固定する構造を説明したが、保持部の構造はこれに限られない。基準面20A、摺動面30A、摺動面40Aに対して高さ方向の相対位置が固定された載置面にホルダーを載置する構造である限り、本発明を適用することが可能である。例えば、クランプバーを上下方向に回転させる構造、クランプバーを使用せずにホルダーを固定する構造であってもよい。
【0035】
前記実施例において、クランプバー12によりフェルール2と研磨盤42との間に押圧力を発生させる構造を説明したが、研磨面に押圧力を発生させる構造はこれに限られない。例えば、ホルダーに付勢手段を設けた構造や研磨装置にモーターやエアシリンダー等を設けた構造を採用することも可能である。
【0036】
前記実施例において、スラストリング30がベースプレート20に固定された構造を説明したが、ベースプレート20に対してスラストリング30が可動する構造を有する研磨装置にも本発明を適用することが可能である。保持部のホルダー載置面がターンテーブルとスラストリングの摺動面に対して高さ方向に所定の位置に配置されて研磨を行う構造である限り、スラストリングが可動する構造であっても本発明を適用することが可能である。
【0037】
前記実施例において、第1の摺動板61をターンテーブル40の下面(摺動面40A)に固定する構造を説明したが、第1の摺動板61を固定する場所はターンテーブル40の下面に限られない。ターンテーブル40とスラストリング30との間に第1の摺動板61が配置される限り本発明を適用することが可能である。例えば、第1の摺動板61をスラストリング30の上面(摺動面30A)に固定することも可能である。
【0038】
前記実施例において、第2の摺動板62を保持台10のホルダー載置面10Bに固定する構造および保持台10の下部に固定する構造を説明したが、第2の摺動板62を固定する場所はこれらに限られない。ホルダー3とベースプレート20との間に配置される限り本発明を適用することが可能である。例えば、第2の摺動板62をホルダー3の下面に固定することも可能であるし、第2の摺動板62を必ずしも固定する必要はない。第2の摺動板62をホルダー載置面10Bや保持台10の下部に載置して固定しない構造も本発明に含まれる。
【0039】
前記実施例において、第1の摺動板61および第2の摺動板62を超高分子量ポリエチレンで形成する構造を説明したが、第1の摺動板61および第2の摺動板62の材質はこれに限られない。ポリエチレン系樹脂以外に、フッ素系樹脂、ポリアセタール系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂等を使用することが可能である。摩擦係数が低く摺動性の高い材質を使用する限り、様々な樹脂を使用することが可能である。また、金属、セラミック等、樹脂以外の材質を使用することも可能である。なお、第1の摺動板61と第2の摺動板62を別の材質で形成することも可能である。
【0040】
前記実施例において、アクリル系の粘着剤を使用したが、粘着剤の種類はこれに限られない。様々な種類の粘着剤を使用することが可能である。また、粘着剤以外の方法で第1の摺動板61および第2の摺動板62を固定することも可能である。また、第1の摺動板61および第2の摺動板62が必ずしも2層の構造を有していなくてもよい。
【0041】
前記実施例において、第1の摺動板61および第2の摺動板62の外形が円形である構造を説明したが、第1の摺動板61および第2の摺動板62の外形は、厳密に円形である必要はない。摺動面30A、摺動面40A、ホルダー載置面10Bの大部分を覆うことができる形状である限り、様々な形状を採用することが可能である。
【0042】
前記実施例において、第1の摺動板61の厚さT1および第2の摺動板62の厚さT2が0.18mmである例を説明したが、厚さT1および厚さT2の値はこれに限られない。厚さT1および厚さT2の値が0.01mm~2.00mm程度の範囲内にあればよい。
【0043】
前記実施例において、第1の摺動板61の厚さT1および第2の摺動板62の厚さT2がそれぞれ均一である例を説明したが、厚さT1および厚さT2は全領域において必ずしも均一である必要はない。例えば第1の摺動板61の厚さT1が一部の領域においてT1よりも薄いT1’(T1’<T1)の領域を形成し、厚さT1’の領域が磨耗し始めたときに第1の摺動板61を交換するといったスリップサインのような機能を設けることも可能である。
【0044】
前記実施例において、第1の摺動板61と第2の摺動板62を有する研磨装置1について説明したが、本発明は研磨装置としての構成に限られない。本発明の第1の摺動板61と第2の摺動板62を提供することで、既存の研磨装置のメンテナンス性と製品寿命を向上させることも可能である。
【0045】
なお、本発明は前記実施例に限られるものでないことは言うまでもない。当業者であれば言うまでもないことであるが、
・前記実施例の中で開示した相互に置換可能な部材および構成等を適宜その組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術であって前記実施例の中で開示した部材および構成等と相互に置換可能な部材および構成等を適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
・前記実施例の中で開示されていないが、公知技術等に基づいて当業者が前記実施例の中で開示した部材および構成等の代用として想定し得る部材および構成等と適宜置換し、またその組み合わせを変更して適用すること
は本発明の一実施例として開示されるものである。
【符号の説明】
【0046】
1…光ファイバフェルール端面研磨装置、2…光ファイバフェルール、3…光ファイバフェルール研磨用ホルダー、4…アダプタ、5…ナット、6…保持部材、7…スプリング、8…ボルト、10…保持台、11…クランプピン、12…クランプバー、13…クランプレバー、20…ベースプレート、21…スペーサ、30…スラストリング、40…ターンテーブル、41…凹部、42…研磨盤、43…研磨フィルム、44…研磨材、50…回転機構、61…第1の摺動板、62…第2の摺動板。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に第1の摺動板が配置され、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に第2の摺動板が配置されることを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項2】
前記第1の摺動板は、粘着剤により前記ターンテーブルの下面または前記スラストリングの上面に固定されることを特徴とする請求項1に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項3】
前記第1の摺動板は、外形が円形であり中央に穴を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項4】
前記第1の摺動板と第2の摺動板が同じ材質の樹脂で形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項5】
前記第1の摺動板の厚さと前記第2の摺動板の厚さの差異が0.1mm以内であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項6】
前記ターンテーブル上に載置される研磨盤をさらに有し、
前記研磨盤の上面には前記光ファイバフェルールを研磨するための研磨材が配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光ファイバフェルールの端面研磨装置。
【請求項7】
光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法であって、
前記端面研磨装置は、
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記製造方法は、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に第1の摺動板を配置する工程と、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に第2の摺動板を配置する工程と、を有することを特徴とする光ファイバフェルールの端面研磨装置の製造方法。
【請求項8】
光ファイバフェルールの端面研磨装置に使用する摺動板であって、
前記端面研磨装置は、
光ファイバフェルールを着脱可能なホルダーを載置して保持する保持部と、
前記保持部を上方に配置するためのベースプレートと、
前記ベースプレートに対して高さ方向の相対位置が固定されたスラストリングと、
前記スラストリングに載置され、前記スラストリングに対して摺動可能な状態で回転駆動されるターンテーブルと、を有し、
前記摺動板は、
前記ターンテーブルと前記スラストリングとの間に配置される第1の摺動板と、
前記ホルダーと前記ベースプレートとの間に配置される第2の摺動板と、を有し、
前記第1の摺動板は、粘着剤により前記ターンテーブルの下面または前記スラストリングの上面に固定されることを特徴とする摺動板。