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特開2023-86711偏向可能なシースの可撓性部分に沿った電気経路
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086711
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】偏向可能なシースの可撓性部分に沿った電気経路
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/14 20060101AFI20230615BHJP
   A61M 25/095 20060101ALI20230615BHJP
   A61M 25/092 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A61B18/14
A61M25/095
A61M25/092
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022196894
(22)【出願日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】17/547,517
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】511099630
【氏名又は名称】バイオセンス・ウエブスター・(イスラエル)・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】Biosense Webster (Israel), Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ポール・エイ・スアレス
(72)【発明者】
【氏名】デビー・イー・ハイスミス
(72)【発明者】
【氏名】メイル・バル-タル
(72)【発明者】
【氏名】エリカ・イー・ラブジョイ
(72)【発明者】
【氏名】ロイー・ハイモビッヒ
(72)【発明者】
【氏名】オハド・ヤコボビッチ
【テーマコード(参考)】
4C160
4C267
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK13
4C160KK36
4C160KK54
4C160KK63
4C160MM38
4C160NN02
4C267AA05
4C267BB07
4C267BB42
4C267BB52
4C267BB62
4C267CC19
4C267DD10
4C267EE01
4C267EE03
4C267FF01
4C267HH09
(57)【要約】
【課題】カテーテルシステム及び方法を提供すること。
【解決手段】装置は、本体と、本体から遠位に延在しているシャフトアセンブリと、を含む。シャフトアセンブリは、長手方向軸を画定する近位部分と、近位部分の遠位にある操縦可能部分と、操縦可能部分の遠位にある遠位部分と、を含む。操縦可能部分は、遠位部分を長手方向軸から離れて横方向に、かつ長手方向軸に向かって駆動するように動作可能である。シャフトアセンブリは、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリを更に含む。少なくとも1つのフレックス回路アセンブリは、操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサを含む。少なくとも1つのフレックス回路アセンブリは、操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサを更に含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在しているシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)長手方向軸を画定する近位部分と、
(ii)前記近位部分の遠位にある操縦可能部分と、
(iii)前記操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、前記操縦可能部分が、前記遠位部分を前記長手方向軸から離れて横方向に、かつ前記長手方向軸に向かって駆動するように動作可能である、遠位部分と、
(iv)少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、を含む、シャフトアセンブリと、を備える、装置。
【請求項2】
前記第1のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つの電極と、を備え、前記少なくとも1つの電極が、インピーダンスを測定し、かつ前記少なくとも1つの電極のリアルタイム位置を生成するために、前記フレキシブル基板上に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第2のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つのコイル部分と、を備え、前記少なくとも1つのコイル部分が、磁気信号を測定し、かつ前記少なくとも1つのコイル部分のリアルタイム位置を生成するために、前記フレキシブル基板上に配置されている、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つのコイル部分が、前記フレキシブル基板上に配置された複数のコイル部分を含み、前記複数のコイル部分が、前記第2のナビゲーションセンサを集合的に形成するように互いに結合されている、請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記複数のコイル部分が、第1のコイル部分と、第2のコイル部分と、を含み、前記第1のコイル部分及び前記第2のコイル部分が、前記シャフトアセンブリの円周の周りで直径方向に反対側の場所に位置付けられている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、前記シャフトアセンブリの前記近位部分の遠位端に位置付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、前記操縦可能部分の近位端に位置付けられている、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に配置された少なくとも1つのコイル部分と、を含む、第2のフレックス回路アセンブリを更に備え、前記少なくとも1つのコイル部分が、ナビゲーションセンサを形成している、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、第1のフレックス回路アセンブリと、第2のフレックス回路アセンブリと、を含み、前記第1のフレックス回路アセンブリ及び前記第2のフレックス回路アセンブリの各々が、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
前記第2のフレックス回路が、前記シャフトアセンブリの円周の周りで前記第1のフレックス回路アセンブリから角度的にオフセットされている、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路アセンブリから約90度だけ角度的にオフセットされている、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1のナビゲーションセンサが、複数の露出電極を備え、前記第2のナビゲーションセンサが、複数のコイルを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記第1のナビゲーションセンサ及び前記第2のナビゲーションセンサの各々が、少なくとも1つのフレキシブル回路アセンブリ上に配置された複数の接続パッドを更に備え、前記装置が、前記接続パッドに固定された複数のワイヤを更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項14】
前記シャフトアセンブリが、チャネルを更に含み、前記ワイヤが、前記チャネル内に配置されており、前記チャネルが、前記操縦可能部分に沿って延在している、請求項13に記載の装置。
【請求項15】
前記ワイヤが、前記チャネル内の第1の構成と前記チャネル内の第2の構成との間で遷移するように構成されており、前記第1の構成における前記ワイヤが、前記チャネル内の前記ワイヤの移動の自由を提供するサービスループを画定しており、前記第2の構成における前記ワイヤが、前記操縦可能部分の屈曲に応答して伸長されている、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記サービスループが、蛇行形状を備える、請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記ワイヤが、前記第1の構成をとるように弾性的に付勢されている、請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記シャフトアセンブリが、1つ又は2つ以上のリング電極を更に備える、請求項1に記載の装置。
【請求項19】
装置であって、
(a)アクチュエータを有するハンドルアセンブリと、
(b)前記本体から遠位に延在している中空シャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)長手方向軸を画定する近位部分と、
(ii)前記近位部分の遠位にある操縦可能部分と、
(iii)前記操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、前記操縦可能部分が、前記アクチュエータの作動に応答して屈曲し、それによって、前記遠位部分を前記長手方向軸から離れて横方向に、かつ前記長手方向軸に向かって駆動するように動作可能であり、前記遠位部分が、開放遠位端を有する、遠位部分と、
(iv)前記操縦可能部分の遠位端に位置付けられた少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、
(v)前記操縦可能部分の近位端に位置付けられた第2のフレックス回路アセンブリであって、前記第2のフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、第2のフレックス回路アセンブリと、を含む、中空シャフトアセンブリと、を備える、装置。
【請求項20】
方法であって、
(a)第1のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの近位部分の遠位端に位置付けることであって、前記第1のフレックス回路アセンブリが、フレキシブル基板と、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、第2のナビゲーションセンサとして磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、
(b)第2のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの遠位部分の近位端に位置付けることであって、前記シャフトアセンブリが、前記近位部分と前記遠位部分との間に延在している操縦可能部分を更に含み、前記第2のフレックス回路アセンブリが、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、
(c)前記第1のフレックス回路アセンブリ及び前記第2のフレックス回路アセンブリを通して形成された1つ又は2つ以上の開口部を通してプラスチック材料を流し、それによって、前記第1のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの前記近位部分に固定し、それによって、前記第2のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの前記遠位部分に固定することと、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
心房細動などの心不整脈は、心臓組織の領域が電気信号を異常に伝導するときに発生する。不整脈を治療するための処置には、そのような信号の伝導経路を外科的に破壊することが含まれる。エネルギー(例えば、高周波(radiofrequency、RF)エネルギー)を印加することによって心臓組織を選択的に切除することにより、心臓のある部分から別の部分への望ましくない電気信号の伝播を停止又は修正することが可能であり得る。アブレーションプロセスは、組織を横切る異常な電気信号の通信を効果的に遮断する電気絶縁性病変又は瘢痕組織を形成することにより、望ましくない電気経路に対する障壁を提供することができる。
【0002】
一部の処置では、1つ又は2つ以上のRF電極を有するカテーテルを使用して、心臓血管系内でアブレーションを行うことができる。カテーテルを主要な静脈又は動脈(例えば、大腿動脈)に挿入し、次に前進させて、心臓内又は心臓に隣接する心臓血管構造(例えば、肺静脈)内に電極を位置決めすることができる。1つ又は2つ以上の電極を、心臓組織又は他の血管組織と接触するように配置し、次にRFエネルギーで活性化し、それによって、接触した組織を切除することができる。場合によっては、電極は双極であってもよい。いくつかの他の場合において、患者と接触している接地パッド又は患者と接触している他の参照電極と組み合わせて単極電極を使用してもよい。灌注を使用して、アブレーションカテーテルの切除構成要素から熱を引き出し、アブレーション部位付近に血栓が形成されるのを防ぐことができる。
【0003】
アブレーションカテーテルの例は、2020年8月18日に発行された「Integrated Ablation System using Catheter with Multiple Irrigation Lumens」と題する米国特許第10,743,932号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、2020年05月26日に発行された「Irrigated Balloon Catheter with Flexible Circuit Electrode Assembly」と題する米国特許第10,660,700号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2018/0071017号、発明の名称「Ablation Catheter with a Flexible Printed Circuit Board」、2018年3月15日公開(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、2020年7月7日に発行された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許第10,702,177号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許第10,130,422号、発明の名称「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」、2018年11月20日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、米国特許第8,956,353号、発明の名称「Electrode Irrigation Using Micro-Jets」、2015年2月17日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);及び米国特許第9,801,585号、発明の名称「Electrocardiogram Noise Reduction」、2017年10月31日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0004】
一部のカテーテルアブレーション処置は、電気生理学的(electrophysiology、EP)マッピングを使用してアブレーションの標的とすべき組織領域を特定した後に実行されてもよい。このようなEPマッピングは、カテーテル(例えば、アブレーションを実行するために使用される同じカテーテル、又は専用のマッピングカテーテル)上の感知電極の使用を含んでもよい。このような感知電極は、導電性心内膜組織から発する電気信号を監視して、不整脈の原因となる異常な導電性組織部位の位置を特定することができる。EPマッピングシステムの例は、米国特許第5,738,096号、発明の名称「Cardiac Electromechanics」、1998年4月14日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。EPマッピングカテーテルの例は、米国特許第9,907,480号、発明の名称「Catheter Spine Assembly with Closely-Spaced Bipole Microelectrodes」、2018年3月6日発行(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる);2018年11月20日に発行された「Catheter with Soft Distal Tip for Mapping and Ablating Tubular Region」と題する米国特許第10,130,422号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び2020年07月07日に発行された「Catheter with Bipole Electrode Spacer and Related Methods」と題する米国特許第10,702,177号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている。
【0005】
アブレーションカテーテルを使用する場合、アブレーションカテーテルの1つ又は2つ以上の電極が標的組織に十分に接触していることを確実にすることが望ましい場合がある。例えば、組織を不必要に損傷させる傾向がある程度の力を印加することがないようにしながら、RFアブレーションエネルギーを組織に効果的に印加するのに十分な力で、1つ又は2つ以上の電極が標的組織に接触することを確実にすることが望ましい場合がある。そのために、アブレーションカテーテルの1つ又は2つ以上の電極と標的組織との間の十分な接触を検出するために、1つ又は2つ以上の力センサ又は圧力センサを含むことが望ましい場合がある。
【0006】
力感知又はEPマッピングを使用することに加えて、一部のカテーテルアブレーション処置は、画像誘導手術(image guided surgery、IGS)システムを使用して実行されてもよい。IGSシステムにより、医師は、患者内の解剖学的構造の画像に関連して、患者内のカテーテルの位置をリアルタイムで視覚的に追跡することが可能になり得る。Irvine,CaliforniaのBiosense Webster,Inc.によるCARTO 3(登録商標)システムを含む一部のシステムは、EPマッピング機能とIGS機能との組み合わせを提供することができる。IGSシステムと共に使用するように構成されているカテーテルの例は、2016年11月1日に発行された「Signal Transmission Using Catheter Braid Wires」と題する米国特許第9,480,416号(開示内容はその全体が参照により本明細書に組み込まれる)、及び本明細書で引用されている様々な他の参考文献に開示されている。
【0007】
いくつかのカテーテルシステム及び方法が実施及び使用されてきたが、本発明者ら以前の誰も、本明細書に記載され、例示され、かつ特許請求される本発明を実施又は使用していないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下の図面及び詳細な説明は、単に例示的であることを意図しており、本発明者らによって企図される本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
図1】カテーテルアセンブリのカテーテルを患者に挿入する医療処置の概略図を示す。
図2図1のカテーテルアセンブリの斜視図を示す。
図3図1のカテーテルアセンブリのエンドエフェクタの斜視図を示す。
図4図1のカテーテルアセンブリと共に使用され得る誘導シースの例の斜視図を示す。
図5図4の誘導シースに組み込まれ得る代替的なシャフトアセンブリの遠位部分を示す。
図6】遠位フレックス回路が平坦構成にある、図5のシャフトアセンブリの遠位フレックス回路の上面図を示す。
図7】遠位フレックス回路が平坦構成にある、図6の遠位フレックス回路の底面図を示す。
図8】シャフトアセンブリの可撓性領域に沿って形成されたワイヤ管腔を示す、図5のシャフトアセンブリの別の斜視図を示す。
図9】遠位フレックス回路から図8のワイヤ管腔内に延在しているワイヤを示す、図6の遠位フレックス回路の拡大上面図を示す。
図10図8のワイヤ管腔から近位フレックス回路まで延在しているワイヤを示す、図5のシャフトアセンブリの近位フレックス回路の拡大上面図を示す。
図11A図9及び図10のワイヤのうちの1つが束ねられた構成にある、図8のワイヤ管腔の拡大図を示す。
図11B図9及び図10のワイヤのうちの1つが細長い構成にある、図8のワイヤ管腔の拡大図を示す。
図12図5のシャフトアセンブリの一部分を形成するために使用され得る、プロセスの例を示すフローチャートを示す。
図13図5のシャフトアセンブリのフレックス回路のうちの1つを通して形成される開口部を通過するプラスチック材料を示す断面図を示しており、プラスチック材料は、図12のプロセスを通して形成されるように、リベット構成を形成している。
図14図5のシャフトアセンブリの一部分を形成するために使用され得る、別のプロセスの例を示すフローチャートを示す。
図15図5のシャフトアセンブリのフレックス回路のうちの1つを通して形成される開口部を通過するプラスチック材料を示す断面図を示しており、プラスチック材料は、図14のプロセスを通して形成されるように、リベット構成を形成している。
図16】シャフトアセンブリが偏向状態にある、図5のシャフトアセンブリから遠位に突出する図3のエンドエフェクタの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。図面は、必ずしも縮尺どおりとは限らず、選択された実施形態を示しており、また本発明の範囲を限定することを意図していない。詳細な説明は、限定ではなく例として本発明の原理を示す。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。認識されるように、本発明は、全て本発明から逸脱することなく、他の異なる態様又は同等の態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとみなされるべきである。
【0010】
本明細書に記載の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、変形例、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形例、実施例などは、互いに単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0011】
本明細書で使用される場合、任意の数値又は数値の範囲に対する「約」又は「およそ」という用語は、構成要素の部分又は構成要素の集合が、本明細書において説明されるその意図された目的に沿って機能することを可能にする、好適な寸法の許容誤差を示すものである。より具体的には、「約」又は「およそ」は、列挙された値の±20%の値の範囲を指し得、例えば「約90%」は、70%~110%の値の範囲を指し得る。更に、本明細書で使用される場合、「患者」、「宿主」、「ユーザ」、及び「被験体」という用語は、任意のヒト又は動物被験体を指し、ヒト患者における本発明の使用が好ましい実施形態を表すが、システム又は方法をヒトの使用に限定することを意図するものではない。
【0012】
I.カテーテルシステムの実施例の概要
図1は、上に言及した、EPマッピング又は心臓アブレーションを行うために使用できる心臓カテーテルシステムの例示的な医療処置及び関連する構成要素を示す。具体的には、図1は、カテーテルアセンブリ(100)のハンドルアセンブリ(110)を把持する医師(physician、PH)を示し、カテーテルアセンブリ(100)の(図2及び図3に示されているが、図1には示されていない)カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)は、患者(patient、PA)の心臓(heart、H)内若しくはその近くの組織の電位をマッピングするか、又は組織をアブレーションするように患者(PA)内に配設されている。図2に示すように、カテーテルアセンブリ(100)は、ハンドルアセンブリ(110)と、ハンドルアセンブリ(110)から遠位に延在するカテーテル(120)と、カテーテル(120)の遠位端に位置するエンドエフェクタ(140)と、ハンドルアセンブリ(110)に関連付けられた偏向駆動アクチュエータ(114)と、を含む。
【0013】
以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達するか、EPマッピング機能を提供するか、エンドエフェクタ(140)に付与された外力を追跡するか、エンドエフェクタ(140)の位置を追跡するか、又は灌注流体を分散させるように構成された様々な構成要素を含む。偏向駆動アクチュエータ(114)は、ハンドルアセンブリ(110)のケーシング(112)に対して回転可能であり、それによって、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)の遠位部分をカテーテル(120)の近位部分によって画定された中央長手方向軸(longitudinal axis、LA)から離れる方向に偏向させる。そのような機能を提供するために偏向駆動アクチュエータ(114)及びカテーテル(120)と結合され得る様々な好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0014】
図3に示すように、カテーテル(120)は、細長い可撓性シャフト(122)を含み、エンドエフェクタ(140)は、シャフト(122)の遠位に延在している。カテーテル(120)の近位端は、ハンドルアセンブリ(110)のノズル部材(116)から遠位に延在している。いくつかの変形例では、熱収縮ラップ(図示せず)が、カテーテル(120)の近位端とノズル部材(116)との接合部において、カテーテル(120)の周りに設けられる。カテーテル(120)の遠位端にあるエンドエフェクタ(140)については、以下でより詳細に説明する。カテーテルアセンブリ(100)は、ケーブル(30)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。カテーテルアセンブリ(100)はまた、流体導管(40)を介して流体源(42)と結合されている。一組の磁場発生器(20)は、患者(PA)の下方に配置され、別のケーブル(22)を介して誘導駆動システム(10)と結合されている。磁場発生器(20)は、単に任意選択である。
【0015】
本実施例の誘導駆動システム(10)は、コンソール(12)及びディスプレイ(18)を含む。コンソール(12)は、第1のドライバモジュール(14)及び第2のドライバモジュール(16)を含む。第1のドライバモジュール(14)は、ケーブル(30)を介してカテーテルアセンブリ(100)と結合されている。いくつかの変形例では、第1のドライバモジュール(14)は、以下により詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の微小電極(138)を介して取得されたEPマッピング信号を受信するように動作可能である。コンソール(12)は、そのようなEPマッピング信号を処理し、それによって、当該技術分野において既知のEPマッピングを行うプロセッサ(図示せず)を含む。
【0016】
本実施例の第1のドライバモジュール(14)は、以下でより詳細に説明するように、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)にRF電力を供給し、それによって、組織を切除するように更に動作可能である。第2のドライバモジュール(16)は、ケーブル(22)を介して磁場発生器(20)と結合されている。第2のドライバモジュール(16)は、磁場発生器(20)を活性化させて、患者(PA)の心臓(H)の周りに交流磁場を発生させるように動作可能である。例えば、磁場発生器(20)は、心臓(H)を含む所定の作業体積内に交流磁場を発生させるコイルを含んでもよい。
【0017】
第1のドライバモジュール(14)はまた、エンドエフェクタ(140)の近くのカテーテル(120)のナビゲーションセンサアセンブリ(127)から位置指示信号を受信するようにも動作可能である。このような変形例では、コンソール(12)のプロセッサはまた、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの位置指示信号を処理し、それによって、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定するようにも動作可能である。いくつかの変形例では、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置及び配向を示す信号を生成するように動作可能な2つ又はそれ以上のコイルを含む。コイルは、磁場発生器(20)によって発生された交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成される。エンドエフェクタ(140)に関連するリアルタイム位置データを生成するために使用され得る他の構成要素及び技術としては、無線三角測量、音響追跡、光学追跡、慣性追跡などを挙げることができる。ナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、カテーテル(120)の遠位端に配置されるものとして示されているが、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、代わりにエンドエフェクタ(140)に位置付けられてもよい。あるいは、カテーテル(120)及びエンドエフェクタ(140)は、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)を欠いている場合がある。
【0018】
ディスプレイ(18)は、コンソール(12)のプロセッサと結合されており、患者の解剖学的構造の画像をレンダリングするように動作可能である。このような画像は、手術前又は手術中に取得された一組の画像(例えば、CTスキャン又はMRIスキャン、3Dマップなど)に基づき得る。ディスプレイ(18)を通して提供される患者の解剖学的構造のビューはまた、エンドエフェクタ(140)のナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの信号に基づいて動的に変化し得る。例えば、カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの対応する位置データにより、コンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造のビューをリアルタイムで更新し、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれてエンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域を描写することができる。更に、コンソール(12)のプロセッサは、エンドエフェクタ(140)を用いた電気生理学的(EP)マッピングによって検出されるように、又は他の方法で(例えば、専用のEPマッピングカテーテルを使用するなど)検出されるように、異常な導電性組織部位の位置を示すようにディスプレイ(18)を駆動することができる。単なる例として、コンソール(12)のプロセッサは、照明ドット、十字線、又は異常な導電性組織部位のいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、異常な導電性組織部位の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。
【0019】
コンソール(12)のプロセッサはまた、例えば、照明ドット、十字線、エンドエフェクタ(140)のグラフィック表現、又はいくつかの他の形式の視覚的指示を重ね合わせることなどによって、エンドエフェクタ(140)の現在の位置を患者の解剖学的構造の画像上に重ね合わせるようにディスプレイ(18)を駆動することができる。このような重ね合わされた視覚的表示はまた、医師が患者(PA)内でエンドエフェクタ(140)を移動させると、リアルタイムでディスプレイ(18)上の患者の解剖学的構造の画像内で移動することができ、それによって、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動すると、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置に関するリアルタイムの視覚的フィードバックを操作者に提供する。したがって、ディスプレイ(18)を介して提供される画像は、エンドエフェクタ(140)を観察するいかなる光学機器(すなわち、カメラ)を必ずしも有することなく、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡するビデオを効果的に提供することができる。同じビューにおいて、ディスプレイ(18)は、EPマッピングによって検出された異常な導電性組織部位の位置を同時に視覚的に示すことができる。したがって、医師(PH)は、ディスプレイ(18)を見て、マッピングされた異常な導電性組織部位及び患者(PA)内の隣接する解剖学的構造の画像に関連して、エンドエフェクタ(140)のリアルタイムの位置を観察することができる。
【0020】
本実施例の流体源(42)は、生理食塩水又は一部の他の好適な灌注流体を収容するバッグを含む。導管(40)は、流体源(42)からカテーテルアセンブリ(100)に流体を選択的に駆動するように動作可能なポンプ(44)に更と結合されている可撓性管を含む。以下でより詳細に説明するように、このような灌注流体は、エンドエフェクタ(140)の遠位先端部材(142)の開口部(158)を通して排出されてもよい。そのような灌注は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかである任意の好適な方法で行うことができる。
【0021】
II.エンドエフェクタの実施例
上述したように、エンドエフェクタ(140)は、RFエネルギーを標的組織部位に送達し、EPマッピング機能を提供し、エンドエフェクタ(140)に加えられた外力を追跡し、患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を追跡し、灌注流体を放出するように構成された様々な構成要素を含む。図3に示すように、本実施例のエンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)を含み、これは、ドーム状先端を有する円筒形本体(156)を更に含む。円筒形本体(156)及びドーム先端は、金属などの導電性材料で形成されてもよい。複数の開口部(158)は、円筒形本体(156)を通って形成され、また遠位先端部材(142)の中空内部と連通している。したがって、開口部(158)により、灌注流体が、遠位先端部材(142)の内部から円筒形本体(156)を通って外に連通することが可能になる。円筒形本体(156)及びドーム先端はまた、組織にRF電気エネルギーを印加して、それによって、組織を切除するように動作可能である。そのようなRF電気エネルギーは、第1のドライバモジュール(14)から伝達されてもよい。遠位先端部材(142)はまた、温度感知機能を提供するように構成された1つ又は2つ以上の熱電対を含んでもよい。これにより、遠位先端部材(142)又は隣接する組織の過熱を防止することができる。
【0022】
また図3に示されるように、本実施例の遠位先端部材(142)はまた、円筒形本体(156)に装着された1つ又は2つ以上のEPマッピング微小電極(138)を含む。EPマッピング微小電極(138)は、EPマッピング微小電極(138)と接触する組織から電位をピックアップするように構成される。したがって、EPマッピング微小電極(138)を使用して、心臓血管解剖学的構造(例えば、肺静脈など)内の組織における異常な電気的活動の位置を決定することができる。EPマッピング微小電極(138)によってピックアップされた信号は、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に通信され得る。第1のドライバモジュール(14)は、EPマッピング信号を処理し、本明細書に引用されている様々な参考文献の教示に従って、異常な電気的活動の位置を示す対応するフィードバックを医師(PH)に提供することができる。
【0023】
円筒形本体(156)が組織アブレーション用のRF電気エネルギーを供給するために導電性材料で形成されている変形例では、円筒形本体(156)とEPマッピング微小電極(138)との間に電気絶縁材料を差し挟んで、それによって、EPマッピング微小電極(138)を円筒形本体(156)から電気的に絶縁することができる。EPマッピング微小電極(138)は、本明細書に引用されている様々な特許参考文献の教示に従って構築され、動作可能であってもよい。1つのEPマッピング微小電極(138)のみが示されているが、遠位先端部材(142)は、2つ又はそれ以上のEPマッピング微小電極(138)を含んでもよい。あるいは、遠位先端部材(142)は、EPマッピング微小電極(138)を完全に欠いている場合がある。
【0024】
いくつかの変形例では、エンドエフェクタ(140)は、遠位先端部材(142)に衝突する外力を感知するように構成された力センサを更に含んでもよい。単なる例として、そのような力センサは、歪みゲージ又は任意の他の好適な構成要素の形態をとってもよい。遠位先端(142)が外力に遭遇すると(例えば、遠位先端(142)が組織に押し付けられると)、それらの外力は、遠位先端(142)から力センサに伝達され、その結果、力センサは、外力の大きさ及び方向に対応する好適な信号を生成し得る。力センサからの信号は、ケーブル(30)を介してコンソール(12)の第1のドライバモジュール(14)に通信され得る。第1のドライバモジュール(14)は、本明細書の教示に照らして当業者に明らかであるような任意の好適な方法に従って歪み信号を処理することができる。単なる例として、コンソール(12)は、遠位先端部材(142)が所定の閾値を超える力に遭遇していることを力センサが示すときに、医師(PH)に警告するために可聴フィードバックを提供することができ、それによって、医師(PH)が遠位先端部材(142)で心臓血管解剖学的構造を無意識に損傷することが防がれることを防ぐ。いくつかの変形例では、力センサは省略されてもよい。
【0025】
上記に加えて、エンドエフェクタ(140)及びカテーテルアセンブリ(100)の他の態様は、参照により本明細書に組み込まれる様々な特許文献のうちのいずれか1つ又は2つ以上の教示の少なくとも一部に従って構成されてもよく、かつ動作可能であってもよい。これに代えて、エンドエフェクタ(140)は、任意の他の好適な構成要素、特徴、及び機能を有してもよい。
【0026】
III.誘導シースの実施例
いくつかの処置によっては、医師(PH)は、誘導シース(200)を介してカテーテル(120)を患者(PA)に導入することを望む場合がある。いくつかのこのような処置では、誘導シースを患者(PA)に挿入し(例えば、患者(PA)の脚又は鼠径部を介して)、次いで、静脈又は動脈に沿って前進させて、心臓(H)内又は心臓(H)付近の位置に到達させ得る。誘導シースが患者(PA)内に好適に位置付けられると、医師(PA)は、エンドエフェクタ(140)が誘導シースの遠位端を出るまで、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を誘導シース内に前進させてもよい。次いで、医師(PA)は、EPマッピング、アブレーション、又は患者(PA)の心臓(H)内若しくは心臓(H)付近での任意の他の種類の操作を行うために、カテーテルアセンブリ(100)を操作してもよい。
【0027】
図4は、このような処置で使用され得る誘導シース(200)の実施例を示す。この実施例の誘導シース(200)は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)から遠位方向に延在している中空シャフト(220)を有するハンドルアセンブリ(210)の形態の本体を含む。ハンドルアセンブリ(210)は、ケーシング(212)を把持するように構成されている。中空シャフト(220)の開放遠位端(240)は、シャフトの長手方向軸LAから離れて横方向に偏向するように動作可能である。この偏向は、ハンドルアセンブリ(210)の遠位端(216)にある回転ノブ(214)によって制御される。回転ノブ(214)は、長手方向軸LAを中心にケーシング(212)に対して回転可能であり、それによって、中空シャフト(220)の開放遠位端(240)の横方向の偏向を駆動する構成要素を作動させる。あくまで一例として、このような作動構成要素は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、1つ又は2つ以上のプルワイヤ、バンド、又は任意の他の好適な構造体を備えてもよい。この実施例では、誘導シース(200)の本体はハンドルアセンブリ(210)の形態であるが、本体は他の形態をとってもよい。例えば、いくつかの変形例は、誘導シース(200)のロボット制御された形態を提供してもよい。いくつかのそのような変形例では、本体は、ロボットアーム及び/又は他の種類のロボット駆動特徴と機械的にインターフェース接続する構造の形態をとってもよい。
【0028】
図4に示されるように、管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)の近位端(218)から横方向に延在している。この実施例の管(202)は、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部(図示せず)と流体連通し、中空内部は、中空シャフト(220)の内部と流体連通している。本実施例の管(202)は、流体源(204)と更に流体連通している。あくまで一例として、流体源(204)は、生理食塩水又は任意の他の好適な流体を含んでもよい。場合によっては、流体源(204)からの流体は、管(202)を通って、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域と、中空シャフト(220)の内部とを通って連通し、それによって、管(202)によって画定された流体経路、ハンドルアセンブリ(210)内に画定された中空内部領域、及び中空シャフト(220)の内部に流体を流す。
【0029】
また図4に示すように、ハンドルアセンブリ(210)の近位端(218)は、挿入ポート(250)を更に備える。挿入ポート(250)は、以下でより詳細に説明するように、長手方向軸(LA)と位置合わせされ、エンドエフェクタ(140)及びカテーテル(120)を中空シャフト(220)に挿入するためのポートを提供する。この実施例の挿入ポート(250)は、開口部(254)を画定する環状突出部(252)を備える。突出部(252)は、近位端(218)においてケーシング(212)から近位に突出する。いくつかの変形例では、突出部(252)は省略される。
【0030】
シール(260)は、開口部(254)内に位置付けられる。あくまで一例として、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなるように、シール(260)は、エラストマ膜又は他の種類の構成要素を備えてもよい。本実施例のシール(260)は、器具(例えば、カテーテル(120)など)をシール(260)を通して挿入することを容易にするように構成されたスリット構成(262)を更に備える。本実施例では、スリット構成(262)は、「+」記号の形態であるが、任意の他の好適な種類の構成が使用されてもよい。シール(260)を通して何も挿入されていないときに、シール(260)は、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路の部分から流体が漏れることを防止し、かつ挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に空気が入ることを防止する、流体密封シールを提供するように構成されている。器具がシール(260)を通して挿入されるときに、シール(260)は、依然として、ポート(250)の流体密封シールを実質的に維持し、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路から流体が漏れることを防止し、かつ挿入された器具がシール(260)に対して並進することを依然として可能にしながら、挿入ポート(250)を介してハンドルアセンブリ(210)内に画定された上述の流体経路に空気が入ることを防止する。したがって、器具が挿入ポート(250)内に配置されているかどうかにかかわらず、シール(260)は、流体が挿入ポート(250)を通って漏出することを防止し、かつ、空気が挿入ポート(250)を介して患者(PA)の心臓(H)内に吸引されることを防止することができる。
【0031】
IV.一体型回路を有する代替的なシースシャフトアセンブリの実施例
上述したように、誘導シース(200)は、医師(PH)がカテーテルアセンブリ(100)などの別の器具を患者(PA)内(例えば、患者(PA)の心血管系内)の標的位置に誘導することを支援するのに有用であり得る。このような誘導は、回転ノブ(214)を使用して中空シャフト(220)の開放遠位端(240)の横方向偏向を駆動することによって容易にすることができる。また上述したように、カテーテル(120)内のナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、医師(PH)が患者(PA)内のエンドエフェクタ(140)の位置を決定することを支援するのに有用であり得る。カテーテル(120)のエンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれて、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)からの対応する位置データにより、誘導駆動システム(10)のコンソール(12)のプロセッサは、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造のビューをリアルタイムで更新し、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内で移動するにつれてエンドエフェクタ(140)の周囲の患者の解剖学的構造の領域におけるエンドエフェクタ(140)の表現を描写することができる。
【0032】
いくつかのシナリオでは、誘導シース(200)が患者(PA)内のどこに位置付けられているかの表示を、ディスプレイ(18)を介してリアルタイムで医師(PH)に提供することが更に有益であり得る。そのために、1つ又は2つ以上のナビゲーションセンサアセンブリ(例えば、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)のような)を誘導シース(200)内に組み込むことが望ましい場合がある。これがどのように達成され得るかの例は、以下でより詳細に説明される。
【0033】
図5は、上述のシャフト(220)の代わりに誘導シース(200)内に組み込まれ得る、代替的なシャフトアセンブリ(300)の一実施例の遠位部分を示している。この実施例のシャフトアセンブリ(300)は、近位部分(310)と、近位部分(310)の遠位にある操縦可能部分(320)と、操縦可能部分(320)の遠位にある遠位部分(330)と、を含む。近位部分(310)は、横方向に可撓性であり、ハンドルアセンブリ(210)から操縦可能部分(320)まで延在している。操縦可能部分(320)は、内部編組構造(322)と、可撓性外層(324)と、互いに長手方向に離間されたリング(328)と、を含む。遠位部分(330)は、開放遠位端(332)を含む。1つ又は2つ以上のワイヤ、ケーブル、バンド、又は他の駆動部材は、回転ノブ(214)と結合され、操縦可能部分(320)において遠位部分(330)の横方向偏向を駆動するように動作可能である。いくつかの変形例では、そのような駆動部材は、遠位部分(330)に固定される。いくつかの他の変形例では、そのような駆動部材は、操縦可能部分(330)の遠位領域に固定される。いずれの構成においても、シャフトアセンブリ(300)は、回転ノブ(214)の回転に応じて、操縦可能部分(320)において横方向に屈曲し、それによって、遠位部分(330)の配向を変えるように動作可能である。任意の好適な構成要素及び構成を使用して、回転ノブ(214)の回転に応じて、操縦可能部分(320)における遠位部分(330)のそのような横方向偏向を駆動することができる。更に、回転ノブ(214)の代わりに、任意の他の好適な種類のアクチュエータ(複数可)が使用されてもよい。
【0034】
本実施例の内部編組構造(322)は、金属材料、ポリマー材料、又は任意の他の好適な種類の材料若しくは材料の組み合わせを含んでもよい。内部編組構造(322)は、シャフトアセンブリ(300)が操縦可能部分(320)で横方向に屈曲することを依然として可能にしながら、操縦可能部分(320)での脱出又は座屈を防止することなどによって、操縦可能部分(320)に構造的支持を提供し得る。可撓性外層(324)は、任意の好適な種類のポリマー材料又は他の種類の材料を含んでもよく、操縦可能部分(320)に沿って実質的に平滑な外面を提供してもよい。
【0035】
本実施例のリング(328)は、金属又は他の導電性材料で形成される。リング(328)は、シャフトアセンブリ(300)が患者(PA)内に配置されている間、リング(328)が患者(PA)の血液に接触し得るように露出している。リング(328)は、患者(PA)の血液のインピーダンスを感知するための基準電極として使用されてもよい。リング(328)からのインピーダンス測定値は、シース部材(320)の位置感知を可能にするために使用されてもよい。リング電極を用いたインピーダンス測定を介した位置感知のための技法は、当技術分野で公知であり、米国特許第7,869,865号及び同第8,456,182号に示され、かつ説明されており、それらの各々の開示は、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる。シャフトアセンブリ(300)のインピーダンスベースの位置感知を提供するためにリング(328)が使用されるいくつかのシナリオでは、複数の追加の電極(図示せず)が、外部皮膚表面などの患者(PA)の身体に固定されてもよい。電流は、リング(328)と外部電極との間で受け渡され得る。リング(328)と外部電極との間を通過する電流のそれぞれの特性(例えば、インピーダンス値)は、シャフトアセンブリ(300)の位置座標を決定するために測定されてもよく、そのような値は、リング(328)と外部電極との間のそれぞれの位置決めに基づいて変化し得る。
【0036】
上述のように位置感知を提供するために使用されることに加えて、いくつかの変形例では、電極リング(328)は、EPマッピング処置中、アブレーション処置中、又は血液インピーダンス測定が有用であり得る任意の他の種類の処置中に基準信号を提供するために使用されてもよい。このようなEPマッピング処置、アブレーション処置、又は他の処置は、シャフトアセンブリ(300)内に配置されるカテーテル(例えば、カテーテル(120))又は何らかの他の器具を介して実行されてもよい。いくつかのシナリオでは、電極リング(328)は、組織に接触してもよく、したがって、組織から電位をピックアップしてもよい。2つのリング(328)が示されているが、いくつかの変形例は、1つのリング(328)のみ、又は2つより多くのリング(328)を提供してもよい。いくつかの他の変形例では、リング(328)は、シャフトアセンブリ(300)から省略される。
【0037】
本実施例のシャフトアセンブリ(300)は、近位フレックス回路(400)と遠位フレックス回路(500)とを更に含む。近位フレックス回路(400)は、近位部分(310)の遠位端及び操縦可能部分(320)の近位端に位置付けられている。いくつかの変形例では、近位フレックス回路(400)は、操縦可能部分(320)の近位であるが操縦可能部分(320)に近接して、完全に近位部分(310)上に位置付けられる。遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)の近位端及び操縦可能部分(320)の遠位端に位置付けられる。いくつかの変形例では、遠位フレックス回路(500)は、操縦可能部分(320)の遠位であるが操縦可能部分(320)に近接して、遠位部分(330)上に完全に位置付けられる。
【0038】
図6及び図7は、フレックス回路がシース(320)の周りに巻き付けられる前の遠位フレックス回路(500)の様々な特徴を示している。展開形態又は平面形態で示されるように、本実施例の遠位フレックス回路(500)は、貫通して形成された複数の開口部(504)を有する、フレキシブル基板(502)を含む。フレキシブル基板(502)は、ポリイミド材料、液晶ポリマー(liquid crystal polymer、LCP)材料、及び/又は任意の他の好適な種類の材料から形成されてもよい。フレキシブル基板(502)はまた、以下により詳細に説明するように、テール部分(506)を含む。図6及び図7は、平坦な構成の遠位フレックス回路(500)を示すが、遠位フレックス回路(500)は、シャフトアセンブリ(300)が完全に組み立てられたときに、遠位フレックス回路(500)がシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)の曲率に適合するように、シャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)の周りに巻き付けられることを理解されたい。
【0039】
図6に示される遠位フレックス回路(500)の面は、シャフトアセンブリ(300)が完全に組み立てられたときにシャフトアセンブリ(300)から外向きに面する。一方で、図7に示される遠位フレックス回路(500)の面は、シャフトアセンブリ(300)が完全に組み立てられると、内側に(すなわち、長手方向軸(LA)に向かって)面する。図6に示される遠位フレックス回路(500)の外面は、第1の種類のナビゲーションセンサ(例えば、電磁式ナビゲーションセンサ)を共に形成する、2つのコイル部分(510、512)を含む。フレックス回路(500)がシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)の周りに巻き付けられるときに、コイル部分(510、512)は、遠位部分(330)の外径の周りで互いに直径方向反対側に位置付けられる。しかしながら、コイル部分(510、512)は、コイル部分(510、512)が協働して単一のより大きなナビゲーションセンサコイルを集合的に形成するように、互いに電気的に結合される。コイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサは、体外に位置する磁場発生器(20)によって生成される交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されており、そのような信号は、磁場発生器(20)の三角測量による患者(PA)内の遠位フレックス回路(500)の位置及び配向を示す。
【0040】
インピーダンス値及び/又はリングと外部電極との間を流れる電流に関連する他の特性に基づいて位置データを生成するために、リング(328)が外部電極と組み合わせて使用される変形例では、リング(328)からのそのようなインピーダンスに基づく位置データは、コイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサを使用して生成される電磁位置データと組み合わせて使用されてもよい。例えば、いくつかのシナリオでは、コイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサを使用して生成される位置データは、最初に、初期位置行列を定義するために使用されてもよい。コイル部分(510、512)によって形成されたナビゲーションセンサを使用して生成された位置データに基づいてその初期位置行列が定義されると、リング(328)を使用して生成された位置データを使用して、コイル部分(510、512)によって形成されたナビゲーションセンサを使用して生成された電磁位置データから定義される初期位置行列を更に精緻化することができる。代替として、電磁気ベースの位置感知データは、任意の他の好適な様式でインピーダンスベースの位置感知データと組み合わせて使用されてもよい。
【0041】
図6に示される遠位フレックス回路(500)の外面は、2つの電極パッド(520、522)を更に含む。電極パッド(520、522)は、インピーダンスによる位置感知に関連して前述したように、又はリング(328)を介した血液中のEPマッピング基準信号の測定のために、血液に接触して、かつ血液のインピーダンスを測定するように構成されている。いくつかのそのような変形例では、電極パッド(520、522)は、米国特許第7,869,865号及び同第8,456,182号を参照して上述したように、位置感知を提供するために更に使用されるインピーダンス測定値を取得するために使用され、これらの各々の開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。言い換えれば、電極パッド(520、522)は、第2の種類のナビゲーションセンサとみなすことができるが、場合によっては、第1の種類のナビゲーションセンサ(例えば、電磁式位置センサ)ほど正確ではない可能性があり、したがって、この第2の種類のナビゲーションセンサ(例えば、インピーダンス位置感知)がオペレータによって見られ得る前に、位置行列が生成されることを必要とし得る。言い換えれば、電極パッド(520、522)からのインピーダンス信号は、リング(328)に関連して上記で提供された教示と同様に、コイルベースのセンサ(例えば、コイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサ)からの信号と併せて使用されて、位置行列を作成することができる。いくつかの変形例では、電極パッド(520、522)は、組織に接触し、それによって他の目的のために組織のインピーダンスを測定するために使用される。遠位フレックス回路(500)は、この実施例では2つの電極パッド(520、522)のみを含むが、遠位フレックス回路(500)は、代わりに、1つのみの電極パッド又は2つより多くの電極パッドを含んでもよい。遠位フレックス回路(500)が電極パッド(520、522)を含むいくつかの変形例では、電極パッド(520、522)が上述のようにリング(328)によって実行される機能と同様の機能を実行し得るので、リング(328)は省略されてもよい。それにもかかわらず、いくつかの変形例は、電極パッド(520、522)とリング(328)との組み合わせを含んでもよい。
【0042】
図7に示される遠位フレックス回路(500)の内面は、3つのコイル部分(530、532、534)を含み、これらのコイル部分は共に、上述の第1の種類のナビゲーションセンサのように動作し得る別のナビゲーションセンサを形成し、これは、患者の身体の下の外部磁場発生器(20)と共に既知の磁気三角測量技術を利用する。フレックス回路(500)がシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)の周りに巻き付けられるときに、コイル部分(530、534)は、遠位部分(330)の外径の周りに互いに隣接して(コイル部分532に対して直径方向に対向して位置付けられる。しかしながら、コイル部分(530、532、534)は、コイル部分(530、532、534)が協働して単一のより大きなナビゲーションセンサコイルを集合的に形成するように、互いに電気的に結合される。コイル部分(530、532、534)によって形成されるナビゲーションセンサは、磁場発生器(20)によって生成される交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されており、そのような信号は、患者(PA)内の遠位フレックス回路(500)の位置及び配向を示す。コイル部分(510、512)によって形成される電磁ナビゲーションセンサを使用して生成される位置データに関して上述したように、コイル部分(520、532、534)によって形成される電磁ナビゲーションセンサを使用して生成される位置データは、リング(328)によって形成されるインピーダンスベースのナビゲーションセンサを使用して生成される位置データと組み合わせて使用されてもよい。
【0043】
コイル部分(530、532、534)によって集合的に形成されるこの単一のナビゲーションセンサコイルは、コイル部分(510、512)によって集合的に形成される単一のナビゲーションセンサコイルから、遠位部分(330)の円周の周りで約90度だけ角度的にオフセットされる。したがって、図7に示される遠位フレックス回路(500)の内面上のコイル部分(530、532、534)によって形成されるナビゲーションセンサは、1つのセンサ軸を提供することができ、一方で、図6に示される遠位フレックス回路(500)の外面上のコイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサは、別のセンサ軸を提供することができ、その結果、遠位フレックス回路(500)は、二軸センサアセンブリを提供する。いくつかのそのような構成では、遠位フレックス回路(500)の内面上のコイル部分(530、532、534)によって形成されるナビゲーションセンサは、遠位フレックス回路(500)の外面上のコイル部分(510、512)によって形成されるナビゲーションセンサとは独立している。いくつかの他の変形例では、遠位フレックス回路(500)は、単軸センサアセンブリのみを提供し、三軸センサアセンブリ、又は任意の他の好適な数の軸を有するセンサアセンブリを提供する。
【0044】
図7に示す遠位フレックス回路(500)の内面は、一組の接続パッド(540、542、544)を更に含む。接続パッド(540、542、544)は、図9に示すように、対応するワイヤ(550、552、554)と(例えば、はんだ付けなどを介して)結合されるように構成されている。接続パッド(540、542、544)は、ワイヤ(550、552、544)と遠位フレックス回路(500)の電気構成要素との間の電気接続点として機能する。例えば、接続パッド(540)は、図6に示す遠位フレックス回路(500)の外面上のコイル部分(510、512)との電気的接続を提供してもよい。接続パッド(542)は、図7に示す遠位フレックス回路(500)の内面上のコイル部分(530、532、534)との電気的接続を提供してもよい。接続パッド(544)は、図6に示す遠位フレックス回路(500)の外面上の電極パッド(520、522)との電気的接続を提供してもよい。あるいは、任意の他の好適な配置及び関係を使用することができる。接続パッド(544)と遠位フレックス回路(500)の対応する特徴との間の電気的接続は、遠位フレックス回路(500)内のトレースを通して形成されてもよい。任意の他の好適な種類の電気接続特徴が、接続パッド(540、542、544)に加えて、又はその代わりに使用されてもよい。
【0045】
近位フレックス回路(400)は、遠位フレックス回路(500)と同様に構成され、かつ動作可能であってもよい。あるいは、近位フレックス回路(400)は、遠位フレックス回路(500)に見られる特定の特徴を欠いていてもよく、及び/又は遠位フレックス回路(500)に見られない特定の特徴を含んでもよい。本実施例では、図10に示すように、近位フレックス回路(400)は、フレキシブル基板(402)を含み、フレキシブル基板(402)は、それを通して形成された複数の開口部(404)を有する。フレキシブル基板(402)は、ポリイミド材料、液晶ポリマー(LCP)材料、及び/又は任意の他の好適な種類の材料から形成されてもよい。フレキシブル基板(402)はまた、テール部分(406)を含む。図10は、平坦な構成の近位フレックス回路(400)を示すが、近位フレックス回路(400)は、シャフトアセンブリ(300)が完全に組み立てられたときに、近位フレックス回路(400)がシャフトアセンブリ(300)の近位部分(310)の曲率に適合するように、シャフトアセンブリ(300)の近位部分(310)の周りに巻き付けられることを理解されたい。
【0046】
図10に示される近位フレックス回路(400)の面は、シャフトアセンブリ(300)が完全に組み立てられると、内側に(すなわち、長手方向軸(LA)に向かって)面する。近位フレックス回路(400)のこの内面は、ナビゲーションセンサを形成する、少なくとも1つのコイル部分(432)を含む。コイル部分(432)(及び場合によっては、近位フレックス回路(400)の内面上の他のコイル部分)によって形成されるナビゲーションセンサは、磁場発生器(20)によって生成される交流電磁場の存在に応答して電気信号を生成するように構成されており、そのような信号は、患者(PA)内の近位フレックス回路(400)の位置及び配向を示す。本実施例では、近位フレックス回路(400)の外面は、ナビゲーションセンサを形成する、コイル部分を含まない。しかしながら、いくつかの変形例では、近位フレックス回路(400)の外面は、ナビゲーションセンサを形成する、1つ又は2つ以上のコイル部分を含んでもよい。近位フレックス回路(400)の外面上のそのようなナビゲーションセンサは、近位フレックス回路(400)の内面上のナビゲーションセンサに加えて、又はその代わりに提供されてもよい。したがって、近位フレックス回路(400)は、二軸センサアセンブリを提供してもよい。あるいは、近位フレックス回路(400)は、単軸センサアセンブリを提供してもよく、三軸センサアセンブリ、又は任意の他の好適な数の軸を有するセンサアセンブリを提供する。
【0047】
図10に示される近位フレックス回路(400)の内面はまた、一組の接続パッド(442)を含む。接続パッド(442)は、図10に示すように、対応するワイヤ(452)と(例えば、はんだ付けなどを介して)結合されるように構成されている。本実施例では、接続パッド(442)は、ワイヤ(452)とコイル部(432)との間の電気的接続点として機能する。トレースは、近位フレックス回路(400)を通って形成されて、接続パッド(442)とコイル部分(432)との間の電気的接続を形成する。近位フレックス回路(400)は、本実施例では他の電気構成要素を欠いているが、近位フレックス回路(400)の他の変形例は、追加の電気構成要素を含んでもよい。例えば、近位フレックス回路(400)のいくつかの変形例は、上述のような追加のコイル部分を含んでもよい。加えて、又は代替的に、近位フレックス回路(400)のいくつかの変形例は、上述のような遠位フレックス回路(500)の電極パッド(520、522)と同様の電極パッドを含んでもよい。近位フレックス回路(400)が電極パッドを含む変形例では、他の遠位フレックス回路(500)はまた、電極パッド(520、522)を含んでもよいか、又は電極パッド(520、522)を欠いてもよい。
【0048】
図8に示すように、シャフトアセンブリ(300)の操縦可能部分(320)は、ワイヤ(452、550、552、554)を受容するように構成されたチャネル(326)を含む。いくつかの変形例では、チャネル(326)は、可撓性外層(324)内に配置された管を備える。いくつかの他の変形例では、チャネル(326)は、可撓性外層(324)の内部領域に形成され、編組構造(322)の外部にあるが、管腔内のワイヤ(452、550、552、554)が操縦可能部分(320)の外側の環境に露出しないように配向されている、管腔又は空隙を備える。あるいは、チャネル(326)は、任意の他の好適な形態をとってもよい。更に、いくつかの変形例では、複数のチャネル(326)が設けられてもよい。いくつかの変形例では、チャネル(326)は、シャフトアセンブリ(300)の近位端まで近位方向にずっと延在している。いくつかの他の変形例では、チャネル(326)は、別のチャネル又は管腔(図示せず)と連通しており、この他のチャネル又は管腔は、ワイヤ(452、550、552、554)が、最初にチャネル(326)に入り、その後、他のチャネル又は管腔を通って延び、シャフトアセンブリ(300)の近位端に到達するように、シャフトアセンブリ(300)の近位端まで近位方向にずっと延在する。いくつかのそのような変形例では、この他の管腔は、近位部分(310)の壁に形成される。更に別の様式として、ワイヤ(452、550、552、554)(又はワイヤ(452、550、552、554)を効果的に置き換えるトレースを含むフレックス回路)は、近位部分(310)の外部に接着される。
【0049】
ワイヤ(452、550、552、554)がシャフトアセンブリ(300)の近位端にどのように到達するかに関わらず、ワイヤ(452、550、552、554)は、最終的にハンドルアセンブリ(110)内の対応する接続点に到達し得る。ハンドルアセンブリ(110)内のそのような接続点は、ワイヤ(452、550、552、554)とケーブル(30)との間の電気的インターフェースを提供することができ、これは次に、誘導駆動システム(10)との電気通信のための経路を提供することができる。
【0050】
ワイヤ(452、550、552、554)がチャネル(326)を介して操縦可能部分(320)の長さの少なくとも一部に沿って延在している状態では、操縦可能部分(320)がシャフトアセンブリ(300)の動作中に横方向に偏向される際に、操縦可能部分(320)に対するワイヤ(452、550、552、554)の移動に対応することが望ましい場合がある。特に、操縦可能部分(320)がシャフトアセンブリ(300)の動作中に横方向に偏向されるときに、そのような横方向の偏向は、チャネル(326)内に配置されたワイヤ(452、550、552、554)の部分の有効長さを変化させる傾向があり得る。本実施例では、操縦可能部分(320)に対するワイヤ(452、550、552、554)の移動に対応するために、操縦可能部分(320)が直線構成にあるときに、ワイヤ(452、550、552、554)は、図11Aに示すように、束ねられた蛇行構成で提供される。図11A及び図11Bはワイヤ(550)のみを示しているが、ワイヤ(452、552、554)はチャネル(326)内のワイヤ(550)と同様に構成されてもよいことを理解されたい。図11Bに示すように、操縦可能部分(320)が、チャネル(326)内に配置されたワイヤ(550)の領域の有効長さを増加させる傾向がある方向に屈曲されると、チャネル(326)内に配置されたワイヤ(550)の領域は、実質的に真っ直ぐになり得る。したがって、図11Aに示されるような束ねられた蛇行構成は、サービスループのように効果的に機能することができ、チャネル(326)内のワイヤ(452、550、552、554)の移動の更なる自由度を提供する。操縦可能部分(320)における偏向が有効長さの減少を引き起こすシナリオでは、サービスループは、ワイヤ(452、550、552、554)の予測可能かつ制御された圧縮を提供し得る。
【0051】
いくつかの変形例では、ワイヤ(452、550、552、554)は、チャネル(326)内で図11Aに示すような束ねられた蛇行構成を達成するために、ワイヤ(452、550、552、554)を弾性的に付勢するアセンブリ内に組み込まれる。そのようなアセンブリは、ワイヤ(452、550、552、554)が伸縮性プラスチックの2枚のシートの間に挟まれている、弾性積層体の形態をとってもよい。単なる例として、プラスチック材料は、ポリエーテルブロックアミド及び/又は任意の他の好適な種類の材料を含んでもよい。更なる例のみとして、プラスチック材料は、25Dのデュロメータ又は任意の他の好適なデュロメータを有してもよい。伸縮性プラスチックのシート及びワイヤ(452、550、552、554)は、感圧接着剤、他の接着剤、プラスチックシートを一緒にリフローすることなどを含むがこれらに限定されない、任意の好適な特徴又は技術を使用して一緒に貼り付けられてもよい。使用時に、ワイヤ(452、550、552、554)及びプラスチックシートのアセンブリは、アセンブリが張力下に置かれていないとき(例えば、操縦可能部分(320)が直線構成にあるとき)、チャネル(326)内で図11Aに示すような束ねられた蛇行構成のワイヤ(452、550、552、554)を提供してもよい。アセンブリが張力下に置かれるとき(例えば、操縦可能部分(320)が偏向構成にあるとき)、アセンブリは、図11Bに示されるワイヤ(452、550、552、554)の実質的に真っ直ぐな構成を提供するように伸張し得る。その張力が除去されると(例えば、操縦可能部分(320)が直線構成に戻ると)、プラスチックシートの弾性は、ワイヤ(452、550、552、554)を図11Aに示すような束ねられた蛇行構成に戻すことができる。
【0052】
ワイヤ(452、550、552、554)は、操縦可能部分(320)が屈曲される方向と、ワイヤ(452、550、552、554)が位置付けられている操縦可能部分(320)の側部との組み合わせ(すなわち、ワイヤ(452、550、552、554)がカーブの内側にあるか、又はカーブの外側にあるか)に応じて、張力又は圧縮に遭遇し得ることを理解されたい。いくつかのシナリオでは、操縦可能部分(320)が屈曲される方向と、ワイヤ(452、550、552、554)が位置付けられている操縦可能部分(320)の側部との組み合わせに応じて、ワイヤ(452、550、552、554)は、張力も圧縮も受けない場合がある。
【0053】
ワイヤ(452、550、552、554)をプラスチックシートの間に積層する代わりに、各ワイヤ(452、550、552、554)は、各ワイヤ(452、550、552、554)を弾性的に付勢して、図11Aに示すような束ねられた蛇行構成をとる、可撓性材料で被覆されてもよい。別の変形例として、2枚のシートの代わりに単一のプラスチックシートが使用されてもよい。例えば、ワイヤ(452、550、552、554)は、プラスチックの単一のシート上に配置されてもよく、次いで、プラスチックシートは、ワイヤ(452、550、552、554)を覆って折り畳まれ、次いで、ワイヤ(452、550、552、554)に固定され、それによって、ワイヤ(452、550、552、554)を図11Aに示されるような束ねられた蛇行構成に付勢してもよい。別の変形例として、ワイヤ(452、550、552、554)は、プラスチックの単一のシート上に配置されてもよく、次いで、プラスチックシートは、ワイヤ(452、550、552、554)を覆って巻かれ、次いで、ワイヤ(452、550、552、554)に固定され、それによって、ワイヤ(452、550、552、554)を図11Aに示されるような束ねられた蛇行構成に付勢してもよい。別の変形例として、ワイヤ(452、550、552、554)は、プラスチックのシートがそれによってワイヤ(452、550、552、554)を図11Aに示されるような束ねられた蛇行構成に付勢し得るように、プラスチックの単一のシート内に埋め込まれてもよく、及び/又は他の方法でプラスチックのシートに直接固定されてもよい。当然ながら、ワイヤ(452、550、552、554)が、図11Aに示されるような束ねられた蛇行構成でチャネル(326)内に緩く位置付けられ得るように、1つ又は2つ以上のプラスチックシート及び/又は他の追加の材料が省略されてもよい。
【0054】
前述の実施例は、操縦可能部分(320)の屈曲によって付与される伸長に適応するたるみを提供するために、束ねられた蛇行構成に対するワイヤ(452、550、552、554)の形成を提供するが、ワイヤ(452、550、552、554)は、操縦可能部分(320)の屈曲によって付与される伸長に適応するために、任意の他の好適な構成で配設されてもよい。例えば、いくつかの変形例では、ワイヤ(452、550、552、554)のうちの1つ又は2つ以上は、操縦可能部分(320)の周囲に円周方向にルーティングされる。
【0055】
ワイヤ(452、550、552、554)とフレックス回路(400、500)との間の関係はまた、ワイヤ(452、550、552、554)と接続パッド(441、440、442、444)との間の接続の完全性も維持しながら、操縦可能部分(320)の屈曲中にチャネル(326)内でのワイヤ(452、550、552、554)の移動の自由度にも対応し得る。例えば、コイル部分(532)に関連付けられた遠位フレックス回路(500)の領域(R)において、ワイヤ(550、552、554)は、接着剤を介して又は任意の他の好適な様式で基板(502)に仮留めされてもよく、それによって、領域(R)内のワイヤ(550、552、554)の部分を基板(502)にしっかりと固定する。ワイヤ(550、552、554)は、領域(R)に沿ってフレキシブル基板(502)のテール部分(506)に沿って更に延在している。この領域(R)において、ワイヤ(550、552、554)は、フレキシブル基板(502)のテール部分(506)に仮留めされず、又は他の方法で固定されない。テール部分(506)は、チャネル(326)の遠位領域に配置される。チャネル(326)の遠位領域内で、テール部分(506)は、ワイヤ(550、552、554)の半径方向外側にあるが、依然として可撓性外層(324)内に収容されている。テール部分(506)は、テール部分(506)が配置されるチャネル(326)の遠位領域に対応する領域(R)に沿ってワイヤ(550、552、554)に更なる張力緩和を提供し得る。したがって、テール部分(506)は、特にワイヤ(550、552、554)がチャネル(326)に入る操縦可能部分(320)の屈曲中に、ワイヤ(550、552、554)を保護することができる。
【0056】
同様に、コイル部分(432)と関連付けられた近位フレックス回路(400)の領域(R)において、ワイヤ(452)は、接着剤を介して又は任意の他の好適な様式で基板(402)に仮留めされてもよく、それによって、領域(R)内のワイヤ(452)の部分を基板(402)にしっかりと固定する。ワイヤ(452)は、領域(R)に沿ってフレキシブル基板(402)のテール部分(406)に沿って更に延在している。この領域(R)において、ワイヤ(452)は、フレキシブル基板(402)のテール部分(406)に仮留めされず、又は他の方法で固定されない。テール部分(406)は、チャネル(326)の近位領域に配置される。チャネル(326)の近位領域内で、テール部分(406)は、ワイヤ(452)の半径方向外側にあるが、依然として可撓性外層(324)内に収容されている。テール部分(406)は、テール部分(406)が配置されるチャネル(326)の近位領域に対応する領域(R)に沿ってワイヤ(452)に更なる張力緩和を提供し得る。したがって、テール部分(406)は、特にワイヤ(452)がチャネル(326)に入る操縦可能部分(320)の屈曲中に、ワイヤ(452)を保護することができる。
【0057】
いくつかの変形例では、フレックス回路(400、500)は、同じ単一のフレックス回路に一体化される。いくつかのそのような変形例では、フレックス回路(400、500)は、同じフレキシブル基板を共有し、共有されたフレキシブル基板は、チャネル(326)に沿って延在しているストリップを含む。このストリップは、ワイヤ(452、550、552、554)を効果的に置き換えるトレースを更に含むことができる。このストリップは、ストリップ内のトレースが上述のフレックス回路(400、500)の電気構成要素との電気的連続性を維持しながら、操縦可能部分(320)と共に更に屈曲し得る。このストリップは、ストリップ内のトレースがハンドルアセンブリ(110)内の対応する接続点と直接結合するように、近位部分(310)の全長に沿って近位に更に延在してもよい。更に別の変形例として、フレックス回路(400、500)は、依然として、共通のフレキシブル基板を共有しない別個の回路であってもよいが、ワイヤ(550、552、554)は、基板(502)の細長いストリップ延長部上に形成されたトレースと置き換えられてもよく、ワイヤ(452)は、基板(402)の細長いストリップ延長部上に形成されたトレースと置き換えられてもよい。上述したように、基板(402、502)のこのような細長いストリップ延長部は、近位部分(310)の全長に沿って近位に更に延在してもよく、その結果、ストリップ延長部内のトレースは、ハンドルアセンブリ(110)内の対応する接続点と直接結合する。更に別の変形例として、電気的接続は、編組構造(322)内に、又はそれを通して統合されてもよい。
【0058】
V.一体型回路を有する代替的なシースシャフトアセンブリを製造する方法の実施例
図12は、シャフトアセンブリ(300)を製造する方法(600)の一実施例を示す。この実施例は、特に、遠位フレックス回路(500)をシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)に組み立てる方法に言及する。本実施例では、ブロック(602)に示すように、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)の周りに巻き付けられる。遠位フレックス回路(500)が遠位部分(330)の周りに巻き付けられると、ブロック(604)に示すように、電極パッド(520、522)はマスキングされてもよい。あくまで一実施例として、ポリイミド材料を使用して、電極パッド(520、522)をマスキングしてもよい。あるいは、任意の他の好適なマスク材料を使用できる。
【0059】
電極パッド(520、522)がマスキングされると、ブロック(606)に示されるように、プラスチック材料が遠位フレックス回路(500)上にリフローされてもよく、それによって、遠位フレックス回路(500)をプラスチック材料でコーティングする。熱と圧力との組み合わせを使用するものを含む、任意の好適なプラスチックリフロー技術を使用することができる。あるいは、遠位フレックス回路(500)は、任意の他の好適な様式でプラスチック材料でコーティングされてもよい。いくつかの変形例では、遠位フレックス回路(500)をコーティングするために使用されるのと同じプラスチック材料が、操縦可能部分(320)に沿って可撓性外層(324)を形成するためにも使用される。単なる例として、プラスチック材料は、ポリエーテルブロックアミド、熱可塑性ポリウレタン、又は任意の他の好適なプラスチック材料を含んでもよい。本実施例では、シャフトアセンブリ(300)及びフレックス回路(400、500)の外部の少なくとも一部分をコーティングするためのプラスチック材料の使用は、フレックス回路(400、500)が配置される領域においてシャフトアセンブリ(300)の外径を実質的に増加させることなく、フレックス回路(400、500)とシャフトアセンブリ(300)との間の確実な嵌合を提供し得る。
【0060】
遠位フレックス回路(500)がプラスチック材料で十分にコーティングされると、ブロック(608)に示すように、電極パッド(520、522)からマスクが除去される。したがって、電極パッド(520、522)は、電極パッド(520、522)が血液、組織などとの電気的連続性を達成し得るように、プラスチック材料に対して露出される。任意選択の仕上げステップとして、ブロック(610)に示すように、接着剤又は他の材料が、電極パッド(520、522)を取り囲むプラスチック材料の縁部に塗布され得る。単なる例として、この接着剤は、ポリウレタン、UV硬化エポキシ、又は任意の他の好適な材料を含んでもよい。接着マージンの使用は、電極パッド(520、522)がマスキングされたリフローされたプラスチック材料の縁部を、そのような平滑化が保証される程度まで効果的に平滑化することができる。接着剤を塗布する代わりに、プラスチック材料を2回リフローして、他の粗い縁部を滑らかにすることができる。
【0061】
図13は、図12の方法(600)によるシャフトアセンブリ(300)の製造の一部として、基板(502)内の開口部(504)によって果たされ得る役割を示している。例えば、図13に示す構成は、ブロック(606)を参照して上述したプラスチックリフロープロセス中、又はブロック(656)を参照して上述した加熱及び圧縮プロセス中に達成することができる。示されるように、可撓性外層(324)を形成するプラスチック材料が流動可能な状態にあるとき、流動するプラスチック材料の一部は、開口部(504)を通過する。プラスチック材料は、最終的に、基板(502)の半径方向内側の接地構造(710)に到達する。いくつかの変形例では、接地構造(710)は、シャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)によって提供される。いくつかの他の変形例では、接地構造(710)は、シャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)と基板(502)との間に半径方向に介在するいくつかの他の構成要素によって提供される。いずれのシナリオでも、流動プラスチック材料は、接地構造(710)と基板(502)との間に画定された間隙(gap、G)を通過し得る。図13における間隙(G)の描写は、例示目的のみのために誇張されている。流動プラスチック材料が間隙(G)内に流入すると、流動プラスチック材料の一部は間隙(G)内に広がる。プラスチック材料は、最終的に硬化する。この時点で、図13に示すように、開口部(504)内に配置されたプラスチック材料の部分は、シャフト(700)の形態であり、一方で、間隙(G)内に配置されたプラスチック材料の部分は、ヘッド(702)の形態である。したがって、硬化したプラスチック材料は、リベット形状を形成する。いくつかの変形例では、可撓性外層(324)を形成するプラスチック材料は、接地構造(710)を形成する材料と適合性があり、その結果、これらの材料は、同様の融点を有する。したがって、ヘッド(702)は、接地構造(710)と融合することができる。
【0062】
図13に示されるリベット形状は、遠位フレックス回路(500)を可撓性外層(324)に対して固定する。図13には1つの開口部(504)のみが示されているが、基板(502)の残りの開口部(504)に関連して同様のリベットが形成されてもよいことを理解されたい。同様に、リベットが近位フレックス回路(400)を可撓性外層(324)に対して固定することができるように、同じ種類のリベットが、基板(402)の開口部(404)に関連して形成されてもよい。いくつかの変形例では、可撓性外層(324)は、遠位部分(320)の長さの少なくとも一部、操縦可能部分(320)の全長、及び近位部分(310)の長さの少なくとも一部に沿って延在している。したがって、可撓性外層(324)は、両方のフレックス回路(400、500)をシャフトアセンブリ(300)の残りの部分に対して固定し得る。あるいは、任意の他の好適な種類の構造又は技術を使用して、フレックス回路(400、500)のいずれか又は両方をシャフトアセンブリ(300)の残りの部分に対して固定してもよい。
【0063】
図14は、シャフトアセンブリ(300)を製造する別の方法(650)の実施例を示す。この実施例も、特に、遠位フレックス回路(500)をシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)に組み立てる方法に言及する。本実施例では、ブロック(652)に示すように、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)の周りに巻き付けられる。遠位フレックス回路(500)が遠位部分(330)の周りに巻き付けられると、ブロック(654)に示されるように、遠位フレックス回路(500)は遠位部分(330)に仮留めされる。いくつかの変形例では、遠位フレックス回路(500)は、接着剤を介して遠位部分(330)に仮留めされる。あるいは、遠位フレックス回路(500)は、任意の他の好適な様式で遠位部分(330)に仮留めされてもよい。更に他の変形例では、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)に仮留めされず、その結果、いくつかの変形例では、ブロック(654)を省略することができる。
【0064】
遠位フレックス回路(500)が遠位部分(330)の周りに巻き付けられ、遠位フレックス回路(500)が遠位部分(330)に仮留めされると(保証される場合)、ブロック(656)に示すように、遠位フレックス回路(500)が巻き付けられる遠位部分(330)の領域の周りに熱及び圧縮が加えられる。熱及び圧縮の組み合わせは、遠位フレックス回路(500)の下にある遠位部分(330)の材料を軟化させることができ、その結果、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)のこの材料に埋め込まれるようになる。熱及び圧縮を適用するために使用され得る様々な好適な構成要素及び技術が、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなろう。
【0065】
遠位フレックス回路(500)が、上述の熱及び圧縮により遠位部分(330)のこの材料に埋め込まれた後、ブロック(658)に示すように、遠位フレックス回路(500)の周囲に接着マージンを適用してもよい。単なる例として、この接着剤は、ポリウレタン、UV硬化エポキシ、又は任意の他の好適な材料を含んでもよい。接着マージンの使用は、方法(600)の文脈で上述したように、縁部を効果的に平滑化することができる。いくつかの変形例では、接着マージンを適用する行為は、省略される。
【0066】
図15は、図14の方法(650)によるシャフトアセンブリ(300)の製造の一部として、基板(502)内の開口部(504)によって果たされ得る役割を示している。例えば、図15に示す構成は、ブロック(656)を参照して上述した加熱及び圧縮プロセス中に達成することができる。示されるように、遠位部分(330)を形成するプラスチック材料が軟化し、基板(502)が遠位部分(330)を形成する軟化したプラスチック材料に対して圧縮されると、遠位部分(330)を形成するプラスチック材料の一部が、開口部(504)を通過する。開口部(504)を通過した後、軟化したプラスチック材料の一部は、外側に広がる。プラスチック材料は、最終的に硬化する。この時点で、図15に示すように、開口部(504)内に配置されたプラスチック材料の部分は、シャフト(750)の形態であり、一方で、基板(502)に対して露出したプラスチック材料の部分は、ヘッド(752)の形態である。したがって、硬化したプラスチック材料は、リベット形状を形成する。
【0067】
図15に示されるリベット形状は、遠位フレックス回路(500)を可撓性外層(324)に対して固定する。図15には1つの開口部(504)のみが示されているが、基板(502)の残りの開口部(504)に関連して同様のリベットが形成されてもよいことを理解されたい。同様に、リベットが近位フレックス回路(400)を可撓性外層(324)に対して固定することができるように、同じ種類のリベットが、基板(402)の開口部(404)に関連して形成されてもよい。あるいは、任意の他の好適な種類の構造又は技術を使用して、フレックス回路(400、500)のいずれか又は両方をシャフトアセンブリ(300)の残りの部分に対して固定してもよい。
【0068】
方法(600、650)の前述の実施例は、単なる例示である。任意の他の好適な方法を使用して、遠位フレックス回路(500)をシャフトアセンブリ(300)の遠位部分(330)に組み付けてもよい。いくつかの変形例では、マスキングステップ(ブロック(604、608))が省略され、リフローされたプラスチック材料が最初に電極パッド(520、522)を覆う。リフローが完了し、かつプラスチック材料が硬化された後、電極パッド(520、520)を覆うプラスチックの部分は、機械的特徴(例えば、ブレード)を使用して、エネルギー(例えば、レーザ)を使用して、又は任意の他の好適な特徴若しくは技法を使用して除去されてもよい。あくまで更なる実施例として、遠位フレックス回路(500)は、遠位フレックス回路と遠位部分(330)との間に介在する接着剤を使用して、遠位部分(330)に接着されてもよい。別の構成は、接着マージンのみを含み、遠位フレックス回路(500)と遠位部分(330)との間に追加のプラスチックリフロー層及び接着剤を含まなくてもよい。マスキングは、かかる変形例では省略されてもよい。あくまで更なる実施例として、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)上に直接印刷されてもよい。あくまで更なる例として、遠位フレックス回路(500)を遠位部分(330)に接着固定するために、遠位フレックス回路(500)上にステッカーが適用されてもよい。あくまで更なる例として、遠位フレックス回路(500)は、遠位部分(330)に超音波溶接されてもよい。いくつかの変形例はまた、上述のように遠位フレックス回路(500)を遠位部分(330)の周りに平坦な状態から巻き付けるのではなく、遠位フレックス回路(500)を遠位部分(330)の周りに配置する前に、予め形成されたリング形状の遠位フレックス回路(500)を提供してもよい。
【0069】
また、近位フレックス回路(400)は、ブロック(606)を参照して上述したプラスチックリフロープロセスと同様のプラスチックリフロープロセスを使用して、又は上記で言及した代替技法のいずれかを使用して、シャフトアセンブリ(300)の近位部分(310)に組み立てられ得ることも理解されたい。いずれかのフレックス回路(400、500)が電極パッド(520、522)のような電極パッドを欠く変形例では、マスキング及びアンマスキングステップ(ブロック(604、608))並びに接着マージン適用ステップ(ブロック(610))は、省略されてもよい。
【0070】
VI.一体型回路を有する代替的なシースシャフトアセンブリを使用する方法の例
図16は、シャフトアセンブリ(300)を含む、誘導シース(200)の変形例と共に使用されるカテーテル(120)の例を示す。示されるように、回転ノブ(214)は、遠位部分(330)を横方向に偏向させるように作動されており、その結果、操縦可能部分(320)は、屈曲状態にある。カテーテル(120)は、エンドエフェクタ(140)が遠位部分(330)に対して遠位に、又はシャフトアセンブリ(300)の外側に突出するように、シャフトアセンブリ(300)を通って遠位に前進している。この動作状態では、近位フレックス回路(400)によって提供される第1の種類(例えば、電磁ベース)タイプのナビゲーションセンサは、近位フレックス回路(400)のリアルタイム位置を示す信号を生成する。近位フレックス回路(400)が第2の種類(例えば、インピーダンスベースの)タイプのナビゲーションセンサを更に含む変形例では、この第2の種類のナビゲーションセンサによって提供される位置データは、近位フレックス回路(400)のリアルタイム位置を示す第1の種類のナビゲーションセンサからの位置データを補完してもよい。同様に、本例では、遠位フレックス回路(500)によって提供される第1の種類(例えば、電磁ベース)及び第2の種類(例えば、インピーダンスベース)のナビゲーションセンサは、遠位フレックス回路(500)のリアルタイム位置を示す信号を生成する。すなわち、第1の種類のナビゲーションセンサ(例えば、コイル部分(510、512、530、532、534)によって形成される)及び第2の種類のナビゲーションセンサ(例えば、電極パッド(520、522)によって形成される)は、両方の種類が遠位フレックス回路(500)によって集合的に提供され、遠位フレックス回路(500)のリアルタイム位置を示す信号を生成する。同時に、ナビゲーションセンサアセンブリ(127)は、エンドエフェクタ(140)のリアルタイム位置を示す信号を生成する。これらの信号の全ては、エンドエフェクタ(140)及びシャフトアセンブリ(300)が患者(PA)内で移動するにつれて、エンドエフェクタ(140)及びシャフトアセンブリ(300)の周りの患者の解剖学的構造の領域におけるシャフトアセンブリ(300)及びエンドエフェクタ(140)の表現を描写するために、ディスプレイ(18)内の患者の解剖学的構造ビューをリアルタイムで更新するように、誘導駆動システム(10)のコンソール(12)のプロセッサによって処理され得る。
【0071】
フレックス回路(400、500)の別個のリアルタイム位置のディスプレイ(18)上での描写を可能にすることに加えて、フレックス回路(400、500)のナビゲーション感知能力は、操縦可能部分(320)のリアルタイム形状のディスプレイ(18)上での描写を可能にし得る。コンソール(12)のプロセッサは、補間技術を使用して、フレックス回路(400、500)からのリアルタイム位置データに基づいて操縦可能部分(320)のリアルタイム形状を決定してもよい。操縦可能部分(320)のリアルタイム形状をディスプレイ(18)上に提供することは、シャフトアセンブリ(300)が患者(PA)の解剖学的構造内でどのように位置付けられ、かつ配向されるかについての医師(PH)による理解を更に高めることができ、これは次に、エンドエフェクタ(140)が図16に示されるようにシャフトアセンブリ(300)から遠位に前進されるときに、エンドエフェクタ(140)が患者(PA)内のどこに位置付けられるかについての予測可能性を高めることができる。エンドエフェクタ(140)がシャフトアセンブリ(300)から遠位に前進すると、エンドエフェクタ(140)を利用して、EPマッピング処置を実施し、アブレーション処置を実施し、及び/又は任意の他の好適な種類の処置を実施することができる。カテーテル(120)は、シャフトアセンブリ(300)と共に使用可能であるものとして本明細書に示され、かつ説明されているが、シャフトアセンブリ(300)は、任意の他の好適な種類のカテーテル及び/又は他の種類の器具類と共に使用されてもよいことを理解されたい。
【0072】
本明細書に記載の実施例は、操縦可能部分(320)を有する誘導シース(200)のシャフトアセンブリ(300)へのフレックス回路(400、500)の組み込みを提供するが、フレックス回路(400、500)は、他の種類の器具に組み込まれてもよい。例えば、フレックス回路(400、500)は、操縦可能部分(320)のような操縦可能部分を欠く、誘導シースのシャフトアセンブリ内に組み込まれてもよい。別の実施例として、フレックス回路(400、500)は、拡張器具、カテーテル、又は他の細長い部材のシャフト内に組み込まれてもよい。
【0073】
VII.組み合わせの実施例
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例0074】
(a)本体と、(b)本体から遠位に延在しているシャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリが、(i)長手方向軸を画定する近位部分と、(ii)近位部分の遠位にある操縦可能部分と、(iii)操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、操縦可能部分が、遠位部分を長手方向軸から離れて横方向に、かつ長手方向軸に向かって駆動するように動作可能である、遠位部分と、(iv)少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、(A)操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、(B)操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、を含む、シャフトアセンブリと、を備える、装置。
【実施例0075】
第1のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つの電極と、を備え、少なくとも1つの電極が、インピーダンスを測定し、かつ少なくとも1つの電極のリアルタイム位置を生成するために、フレキシブル基板上に配置されている、実施例1に記載の装置。
【実施例0076】
第2のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つのコイル部分と、を備え、少なくとも1つのコイル部分が、磁気信号を測定し、かつ少なくとも1つのコイル部分のリアルタイム位置を生成するために、フレキシブル基板上に配置されている、実施例1又は2に記載の装置。
【実施例0077】
少なくとも1つのコイル部分が、フレキシブル基板上に配置された複数のコイル部分を含み、複数のコイル部分が、第2のナビゲーションセンサを集合的に形成するように互いに結合されている、実施例3に記載の装置。
【実施例0078】
複数のコイル部分が、第1のコイル部分と、第2のコイル部分と、を含み、第1のコイル部分及び第2のコイル部分が、シャフトアセンブリの円周の周りで直径方向に反対側の場所に位置付けられている、実施例4に記載の装置。
【実施例0079】
少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、シャフトアセンブリの近位部分の遠位端に位置付けられている、実施例1~5のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0080】
少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、操縦可能部分の近位端に位置付けられている、実施例1~6のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0081】
フレキシブル基板と、フレキシブル基板上に配置された少なくとも1つのコイル部分と、を含む、第2のフレックス回路アセンブリを更に備え、少なくとも1つのコイル部分が、ナビゲーションセンサを形成している、実施例1~7のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0082】
少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、第1のフレックス回路アセンブリと、第2のフレックス回路アセンブリと、を含み、第1のフレックス回路アセンブリ及び第2のフレックス回路アセンブリの各々が、(A)操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、(B)操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、実施例1~8のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0083】
第2のフレックス回路が、シャフトアセンブリの円周の周りで第1のフレックス回路アセンブリから角度的にオフセットされている、実施例9に記載の装置。
【実施例0084】
第2のフレックス回路が、第1のフレックス回路アセンブリから約90度だけ角度的にオフセットされている、実施例10に記載の装置。
【実施例0085】
第1のナビゲーションセンサが、複数の露出電極を備え、第2のナビゲーションセンサが、複数のコイルを備える、実施例1~11のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0086】
第1のナビゲーションセンサ及び第2のナビゲーションセンサの各々が、少なくとも1つのフレキシブル回路アセンブリ上に配置された複数の接続パッドを更に備え、装置が、接続パッドに固定された複数のワイヤを更に備える、実施例1~12のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0087】
シャフトアセンブリが、チャネルを更に含み、ワイヤが、チャネル内に配置されており、チャネルが、操縦可能部分に沿って延在している、実施例13に記載の装置。
【実施例0088】
ワイヤが、チャネル内の第1の構成とチャネル内の第2の構成との間で遷移するように構成されており、第1の構成におけるワイヤが、チャネル内のワイヤの移動の自由を提供するサービスループを画定しており、第2の構成におけるワイヤが、操縦可能部分の屈曲に応答して伸長されている、実施例14に記載の装置。
【実施例0089】
サービスループが、蛇行形状を備える、実施例15に記載の装置。
【実施例0090】
ワイヤが、第1の構成をとるように弾性的に付勢されている、実施例15又は16に記載の装置。
【実施例0091】
シャフトアセンブリが、1つ又は2つ以上のリング電極を更に備える、実施例1~17のいずれか1つに記載の装置。
【実施例0092】
(a)アクチュエータを有するハンドルアセンブリと、(b)本体から遠位に延在している中空シャフトアセンブリであって、シャフトアセンブリが、(i)長手方向軸を画定する近位部分と、(ii)近位部分の遠位にある操縦可能部分と、(iii)操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、操縦可能部分が、アクチュエータの作動に応答して屈曲し、それによって、遠位部分を長手方向軸から離れて横方向に、かつ長手方向軸に向かって駆動するように動作可能であり、遠位部分が、開放遠位端を有する、遠位部分と、(iv)操縦可能部分の遠位端に位置付けられた少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、(A)操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、(B)操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、(v)操縦可能部分の近位端に位置付けられた第2のフレックス回路アセンブリであって、第2のフレックス回路アセンブリが、(A)操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、(B)操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、第2のフレックス回路アセンブリと、を含む、中空シャフトアセンブリと、を備える、装置。
【実施例0093】
(a)第1のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの近位部分の遠位端に位置付けることであって、第1のフレックス回路アセンブリが、フレキシブル基板と、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、第2のナビゲーションセンサとして磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、(b)第2のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの遠位部分の近位端に位置付けることであって、シャフトアセンブリが、近位部分と遠位部分との間に延在している操縦可能部分を更に含み、第2のフレックス回路アセンブリが、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、(c)第1のフレックス回路アセンブリ及び第2のフレックス回路アセンブリを通して形成された1つ又は2つ以上の開口部を通してプラスチック材料を流し、それによって、第1のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの近位部分に固定し、それによって、第2のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの遠位部分に固定することと、を含む、方法。
【0094】
VIII.その他
本明細書に記載の器具のいずれも、処置前及び/又は処置後に洗浄及び滅菌することができる。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、限定されないが、ベータ線又はガンマ線、エチレンオキシド、過酸化水素、過酢酸、及びガスプラズマ又は水蒸気を伴う又は伴わない気相滅菌を含む当技術分野で既知の任意の他の技術を使用して滅菌されてもよい。
【0095】
本明細書に記載の実施例のいずれも、上述のものに加えて又はそれらの代わりに、様々な他の特徴を含み得ることを理解されたい。単なる例として、本明細書に記載の実施例のいずれも、参照により本明細書に組み込まれている様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むことができる。
【0096】
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法は、本明細書の教示に鑑みて当業者には容易に明らかであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0097】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0098】
本発明の様々な変形例について図示し説明してきたが、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適応は、本発明の範囲から逸脱することなく、当業者による適切な修正によって達成することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上述の実施例、変形例、幾何学的形状、材料、寸法、比率、ステップなどは例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0099】
〔実施の態様〕
(1) 装置であって、
(a)本体と、
(b)前記本体から遠位に延在しているシャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)長手方向軸を画定する近位部分と、
(ii)前記近位部分の遠位にある操縦可能部分と、
(iii)前記操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、前記操縦可能部分が、前記遠位部分を前記長手方向軸から離れて横方向に、かつ前記長手方向軸に向かって駆動するように動作可能である、遠位部分と、
(iv)少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、を含む、シャフトアセンブリと、を備える、装置。
(2) 前記第1のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つの電極と、を備え、前記少なくとも1つの電極が、インピーダンスを測定し、かつ前記少なくとも1つの電極のリアルタイム位置を生成するために、前記フレキシブル基板上に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(3) 前記第2のナビゲーションセンサが、フレキシブル基板と、少なくとも1つのコイル部分と、を備え、前記少なくとも1つのコイル部分が、磁気信号を測定し、かつ前記少なくとも1つのコイル部分のリアルタイム位置を生成するために、前記フレキシブル基板上に配置されている、実施態様1に記載の装置。
(4) 前記少なくとも1つのコイル部分が、前記フレキシブル基板上に配置された複数のコイル部分を含み、前記複数のコイル部分が、前記第2のナビゲーションセンサを集合的に形成するように互いに結合されている、実施態様3に記載の装置。
(5) 前記複数のコイル部分が、第1のコイル部分と、第2のコイル部分と、を含み、前記第1のコイル部分及び前記第2のコイル部分が、前記シャフトアセンブリの円周の周りで直径方向に反対側の場所に位置付けられている、実施態様4に記載の装置。
【0100】
(6) 前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、前記シャフトアセンブリの前記近位部分の遠位端に位置付けられている、実施態様1に記載の装置。
(7) 前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、前記操縦可能部分の近位端に位置付けられている、実施態様1に記載の装置。
(8) フレキシブル基板と、前記フレキシブル基板上に配置された少なくとも1つのコイル部分と、を含む、第2のフレックス回路アセンブリを更に備え、前記少なくとも1つのコイル部分が、ナビゲーションセンサを形成している、実施態様1に記載の装置。
(9) 前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、第1のフレックス回路アセンブリと、第2のフレックス回路アセンブリと、を含み、前記第1のフレックス回路アセンブリ及び前記第2のフレックス回路アセンブリの各々が、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、実施態様1に記載の装置。
(10) 前記第2のフレックス回路が、前記シャフトアセンブリの円周の周りで前記第1のフレックス回路アセンブリから角度的にオフセットされている、実施態様9に記載の装置。
【0101】
(11) 前記第2のフレックス回路が、前記第1のフレックス回路アセンブリから約90度だけ角度的にオフセットされている、実施態様10に記載の装置。
(12) 前記第1のナビゲーションセンサが、複数の露出電極を備え、前記第2のナビゲーションセンサが、複数のコイルを備える、実施態様1に記載の装置。
(13) 前記第1のナビゲーションセンサ及び前記第2のナビゲーションセンサの各々が、少なくとも1つのフレキシブル回路アセンブリ上に配置された複数の接続パッドを更に備え、前記装置が、前記接続パッドに固定された複数のワイヤを更に備える、実施態様1に記載の装置。
(14) 前記シャフトアセンブリが、チャネルを更に含み、前記ワイヤが、前記チャネル内に配置されており、前記チャネルが、前記操縦可能部分に沿って延在している、実施態様13に記載の装置。
(15) 前記ワイヤが、前記チャネル内の第1の構成と前記チャネル内の第2の構成との間で遷移するように構成されており、前記第1の構成における前記ワイヤが、前記チャネル内の前記ワイヤの移動の自由を提供するサービスループを画定しており、前記第2の構成における前記ワイヤが、前記操縦可能部分の屈曲に応答して伸長されている、実施態様14に記載の装置。
【0102】
(16) 前記サービスループが、蛇行形状を備える、実施態様15に記載の装置。
(17) 前記ワイヤが、前記第1の構成をとるように弾性的に付勢されている、実施態様15に記載の装置。
(18) 前記シャフトアセンブリが、1つ又は2つ以上のリング電極を更に備える、実施態様1に記載の装置。
(19) 装置であって、
(a)アクチュエータを有するハンドルアセンブリと、
(b)前記本体から遠位に延在している中空シャフトアセンブリであって、前記シャフトアセンブリが、
(i)長手方向軸を画定する近位部分と、
(ii)前記近位部分の遠位にある操縦可能部分と、
(iii)前記操縦可能部分の遠位にある遠位部分であって、前記操縦可能部分が、前記アクチュエータの作動に応答して屈曲し、それによって、前記遠位部分を前記長手方向軸から離れて横方向に、かつ前記長手方向軸に向かって駆動するように動作可能であり、前記遠位部分が、開放遠位端を有する、遠位部分と、
(iv)前記操縦可能部分の遠位端に位置付けられた少なくとも1つのフレックス回路アセンブリであって、前記少なくとも1つのフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、少なくとも1つのフレックス回路アセンブリと、
(v)前記操縦可能部分の近位端に位置付けられた第2のフレックス回路アセンブリであって、前記第2のフレックス回路アセンブリが、
(A)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示すインピーダンス信号を測定するように構成された第1のナビゲーションセンサと、
(B)前記操縦可能部分のリアルタイム位置を示す磁気信号を測定するように構成された第2のナビゲーションセンサと、を含む、第2のフレックス回路アセンブリと、を含む、中空シャフトアセンブリと、を備える、装置。
(20) 方法であって、
(a)第1のフレックス回路アセンブリをシャフトアセンブリの近位部分の遠位端に位置付けることであって、前記第1のフレックス回路アセンブリが、フレキシブル基板と、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、第2のナビゲーションセンサとして磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、
(b)第2のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの遠位部分の近位端に位置付けることであって、前記シャフトアセンブリが、前記近位部分と前記遠位部分との間に延在している操縦可能部分を更に含み、前記第2のフレックス回路アセンブリが、第1のナビゲーションセンサとしてインピーダンスを感知するように構成された1つ又は2つ以上の電極と、磁場を感知するように構成された1つ又は2つ以上のコイル部分と、を含む、位置付けることと、
(c)前記第1のフレックス回路アセンブリ及び前記第2のフレックス回路アセンブリを通して形成された1つ又は2つ以上の開口部を通してプラスチック材料を流し、それによって、前記第1のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの前記近位部分に固定し、それによって、前記第2のフレックス回路アセンブリを前記シャフトアセンブリの前記遠位部分に固定することと、を含む、方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11A
図11B
図12
図13
図14
図15
図16
【外国語明細書】