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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086717
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】口腔洗浄器
(51)【国際特許分類】
   A61C 17/02 20060101AFI20230615BHJP
   A61C 17/00 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
A61C17/02 J
A61C17/02 H
A61C17/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197260
(22)【出願日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】10-2021-0176884
(32)【優先日】2021-12-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】514112488
【氏名又は名称】エルジー ハウスホールド アンド ヘルスケア リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(74)【代理人】
【識別番号】100122161
【弁理士】
【氏名又は名称】渡部 崇
(72)【発明者】
【氏名】チャン・ファン・ヒュン
(72)【発明者】
【氏名】ソン・ウン・ミン
(72)【発明者】
【氏名】ウン・ミ・キム
(72)【発明者】
【氏名】キ・チュン・キム
(57)【要約】
【課題】本発明は口腔洗浄器に関する。
【解決手段】水を貯蔵する貯蔵部と、上記貯蔵部の水をポンピングするポンピング部と、上記ポンピング部によって加圧された水を口腔に噴射するノズル部と、上記ポンピング部の作動を制御する制御部と、を含み、上記制御部は、上記ポンピング部の負荷を徐々に増加させる初期段階、水の噴射圧力を第1圧力に一定時間保持する予備洗浄段階、水の噴射圧力を上記第1圧力より高い第2圧力に一定時間保持する本格洗浄段階、水の噴射圧力を上記第2圧力より低い第3圧力に一定時間保持する仕上げ洗浄段階が順に行われるパターンを保存し、作動信号の1回性の入力によって上記ポンピング部の負荷を上記パターンに応じて自動的に制御する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を貯蔵する貯蔵部と、
上記貯蔵部の水をポンピングするポンピング部と、
上記ポンピング部によって加圧された水を口腔に噴射するノズル部と、
上記ポンピング部の作動を制御する制御部と、を含み、
上記制御部は、
上記ポンピング部の負荷を徐々に増加させる初期段階、水の噴射圧力を第1圧力に一定時間保持する予備洗浄段階、水の噴射圧力を上記第1圧力より高い第2圧力に一定時間保持する本格洗浄段階、水の噴射圧力を上記第2圧力より低い第3圧力に一定時間保持する仕上げ洗浄段階が順に行われるパターンを保存し、
作動信号の1回性の入力によって上記ポンピング部の負荷を上記パターンに応じて自動的に制御することを特徴とする口腔洗浄器。
【請求項2】
作動信号の入力を受けるボタン部をさらに含み、
上記制御部は、
上記ボタン部の1回の操作時に上記ポンピング部の負荷を上記パターンに応じて自動的に制御することを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項3】
上記仕上げ洗浄段階は、
水の噴射圧力を上記第1圧力より低い上記第3圧力に保持して歯茎を洗浄するようにすることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項4】
上記パターンは、
上記貯蔵部の貯蔵容量に対して80%以上の水を使用するように構成されることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項5】
上記パターンは、
30秒以上からなることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項6】
上記パターンは、
上記仕上げ洗浄段階の後に上記ポンピング部の負荷を徐々に減少させる終了段階が追加されることを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項7】
上記制御部に保存された上記パターンの噴射圧力を調整するための入力信号を受信する圧力調整部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の口腔洗浄器。
【請求項8】
上記圧力調整部は、
スライドボタンで設けられ、上記第1圧力ないし上記第3圧力のうち少なくとも上記第2圧力が変更されるようにすることを特徴とする請求項7に記載の口腔洗浄器。
【請求項9】
周辺の照度を認識する照度センシング部と、
上記貯蔵部に貯蔵された水を殺菌する殺菌部と、をさらに含み、
上記殺菌部は、
上記照度センシング部によって周辺の照明が点灯したと検知すると、上記貯蔵部に貯蔵された水の殺菌を開始することを特徴とする請求項2に記載の口腔洗浄器。
【請求項10】
上記殺菌部は、
上記ボタン部の操作時に殺菌を中止することを特徴とする請求項9に記載の口腔洗浄器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は口腔洗浄器に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、口腔を清潔に管理するために歯ブラシが主に用いられる。歯ブラシは多数の毛が植毛されたヘッドと把持部を含む形態で設けられ、ユーザは歯磨き粉を付けた毛を利用して歯の表面に摩擦を起こす歯磨きを通じて歯の異物を除去する。
【0003】
しかし、歯磨きだけでは歯間、歯の表面の屈曲部位などに対して十分な洗浄が行われないため、清潔な歯の状態を保持するためには歯磨きに加えて歯間ブラシやデンタルフロスなどの使用が推奨される。
【0004】
ところが、このような歯間ブラシやデンタルフロスなどの補助道具を利用しても、ユーザが異物が位置する部位に歯間ブラシなどを直接接触させなければならないという点で洗浄力に限界がある。
【0005】
この限界を克服するために、最近では高圧の水を噴射して異物を除去する洗浄製品が多く脚光を浴びている。そのような製品は水を貯蔵し、自動的にまたは手動で水に圧力を加えることで、細いノズルを介して高圧水が噴射されて口腔内の異物を効果的に除去するようになる。
【0006】
ただし、このような水噴射型洗浄製品は、異物除去のために比較的強い圧力で水を噴射するため、作動開始時に強く噴射される水が舌や歯茎などに当たることによって不便を発生させるという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記のような従来技術の問題点を解決するために創出されたものであり、本発明の目的はパターンに応じて噴射圧力が自動的に調整されるようにして、不便なく、便利且つ快適な口腔洗浄を可能にする口腔洗浄器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面による口腔洗浄器は、水を貯蔵する貯蔵部と、上記貯蔵部の水をポンピングするポンピング部と、上記ポンピング部によって加圧された水を口腔に噴射するノズル部と、上記ポンピング部の作動を制御する制御部と、を含み、上記制御部は、上記ポンピング部の負荷を徐々に増加させる初期段階、水の噴射圧力を第1圧力に一定時間保持する予備洗浄段階、水の噴射圧力を上記第1圧力より高い第2圧力に一定時間保持する本格洗浄段階、水の噴射圧力を上記第2圧力より低い第3圧力に一定時間保持する仕上げ洗浄段階が順に行われるパターンを保存し、作動信号の1回性の入力によって上記ポンピング部の負荷を上記パターンに応じて自動的に制御する。
【0009】
具体的に、作動信号の入力を受けるボタン部をさらに含み、上記制御部は、上記ボタン部の1回の操作時に上記ポンピング部の負荷を上記パターンに応じて自動的に制御することができる。
【0010】
具体的に、上記仕上げ洗浄段階は、水の噴射圧力を上記第1圧力より低い上記第3圧力に保持して歯茎を洗浄するようにすることができる。
【0011】
具体的に、上記パターンは、上記貯蔵部の貯蔵容量に対して80%以上の水を使用するように構成されてもよい。
【0012】
具体的に、上記パターンは30秒以上からなってもよい。
【0013】
具体的に、上記パターンは、上記仕上げ洗浄段階の後に上記ポンピング部の負荷を徐々に減少させる終了段階が追加されてもよい。
【0014】
具体的に、上記制御部に保存された上記パターンの噴射圧力を調整するための入力信号を受信する圧力調整部をさらに含んでもよい。
【0015】
具体的に、上記圧力調整部は、スライドボタンで設けられ、上記第1圧力ないし上記第3圧力のうち少なくとも上記第2圧力が変更されるようにすることができる。
【0016】
具体的に、周辺の照度を認識する照度センシング部と、上記貯蔵部に貯蔵された水を殺菌する殺菌部と、をさらに含み、上記殺菌部は、上記照度センシング部によって周辺の照明が点灯したと検知すると、上記貯蔵部に貯蔵された水の殺菌を開始することができる。
【0017】
具体的に、上記殺菌部は上記ボタン部の操作時に殺菌を中止することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明による口腔洗浄器は、作動開始時に噴射強度が徐々に増加するようにして、誤って歯茎などに強い噴射水が当たる従来の不便を解消することができ、強度がパターンに応じて自動的に変化するようにして、水の使用量を節約しながらも直感的な使用を可能にすることで利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施例による口腔洗浄器の斜視図である。
図2】本発明の一実施例による口腔洗浄器のブロック図である。
図3】本発明の一実施例による口腔洗浄器の作動フローチャートである。
図4】本発明の一実施例による口腔洗浄器の洗浄パターンを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の目的、特定の利点及び新規な特徴は、添付の図面に関連する以下の詳細な説明及び好ましい実施例からより明らかになるであろう。また、本明細書では、各図面の構成要素に参照番号を付するにおいて、同じ構成要素に限っては異なる図面上に表示されても、できるだけ同じ番号を付したことに留意されたい。なお、本発明を説明するに当たり、関連する公知技術の具体的な説明が本発明の要旨を不要に不明確にすると判断される場合は、その詳細な説明を省略する。
【0021】
以下、添付の図面を参照して本発明の好ましい実施例を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の一実施例による口腔洗浄器の斜視図であり、図2は本発明の一実施例による口腔洗浄器のブロック図であり、図3は本発明の一実施例による口腔洗浄器の作動フローチャートである。また、図4は本発明の一実施例による口腔洗浄器の洗浄パターンを示す図である。
【0023】
図1図4を参照すると、本発明の一実施例による口腔洗浄器1は、把持部10、貯蔵部20、ポンピング部30、ノズル部40、制御部50、ボタン部60を含む。
【0024】
把持部10はユーザが把持できる胴体を構成する。把持部10は図1のように流線状の形状を有しており、ユーザが片手で把持できるようにし、上端にノズル部40が着脱可能に設けられてもよい。
【0025】
このような把持部10は前面にボタン部60が設けられ、底面に貯蔵部20が設けられてもよく、ノズル部40が結合された状態でユーザが把持部10を持ってボタン部60を押すと、貯蔵部20に貯蔵された水がノズル部40を介して噴射されることができる。このため、把持部10は貯蔵部20の水をノズル部40に伝達する流路を内蔵することができる。
【0026】
勿論、把持部10でのノズル部40、ボタン部60及び貯蔵部20の配置は多様に変更されてもよく、ユーザが片手で把持部10を握ったままボタン部60の操作及びノズル部40の方向調整が容易な形態を成すことができる。
【0027】
把持部10はその内部に水の噴射を具現するための電源部(符号不図示)を備えてもよく、電源部は充電可能なタイプで設けられるため、把持部10は充電が容易な構造を有する。例えば、把持部10は、別途のスタンド(不図示)に装着できる形態で設けられ、把持部10がスタンドに装着されると、電気的端子の接続方式または無線充電方式などの充電部(符号不図示)を介してスタンドから把持部10内の電源部に電力が供給されてもよい。
【0028】
把持部10はLEDラなどからなる表示灯(符号不図示)が表面に設けられてもよく、水の噴射有無などの作動状態に応じて表示灯が点灯または消灯されてもよい。また、把持部10に設けられた表示灯が点滅したり、発光色を変更させることで、ポンピング部30の作動状態を示すこともできる。以下で詳細に説明するが、ポンピング部30はパターンに応じて自動的に負荷が調整されることができ、表示灯はポンピング部30が現在作動する段階によって表示形態を異ならせることができる。
【0029】
貯蔵部20は水を貯蔵する。このとき、水は口腔(歯、歯茎、舌、口蓋など)を洗浄するためのものであり、浴室で容易に補充できる水道水であってもよい。貯蔵部20には水が容易に補給できるように開閉口(不図示)が設けられてもよく、開閉口はユーザの操作により簡単に開閉されることができる。
【0030】
貯蔵部20には殺菌部90が設けられてもよい。殺菌部90は貯蔵部20内に貯蔵された水を殺菌することができるように、少なくとも一部が貯蔵部20の内部を向く方向に設けられてもよい。例えば、殺菌部90は殺菌機能を有する波長の照明を備え、照明の発光方向が貯蔵部20を向くか、照明の発光が貯蔵部20に反射されるような形態であることができる。
【0031】
殺菌部90は貯蔵部20に貯蔵されてからノズル部40を介して噴射される水を殺菌する。このとき、殺菌部90は別途の外部操作によって作動されるか、または浴室内の照明のOn/Offによって自動的に作動されてもよい。
【0032】
例えば、本実施例は、本実施例が主に位置する浴室周辺の照度を認識する照度センシング部80を含み、照度センシング部80によって浴室の照明の点灯有無を確認することができる。
【0033】
ユーザが本実施例を使用するために浴室に入ろうとして浴室の照明をつけると、図3に示すように、照度センシング部80は、例えば、5lux以上の光を検知して照明のOnをセンシングすることにより、本実施例が間もなく使用されることを間接的に認識するようになる。このとき、殺菌部90は自動的に殺菌を開始することができる。即ち、殺菌部90は、照度センシング部80によって周辺の照明が点灯したと検知すると、貯蔵部20に貯蔵された水の殺菌を開始する。
【0034】
図3に示すように、殺菌部90は後述するボタン部60の操作が入力されると殺菌を中止することができる。即ち、殺菌部90はポンピング部30による水の噴射が始まると殺菌を自動的に終了する。
【0035】
口腔を洗浄するユーザは、通常、歯ブラシを先ず使用してから本実施例を使用するため、殺菌部90は平均的な歯磨き時間である2分前後の時間の間水を殺菌することができる。
【0036】
ただし、浴室の照明が点灯しても口腔洗浄以外の目的で浴室を使用することがあり、この場合は、ボタン部60の操作がない可能性があるため、殺菌部90はボタン部60の操作が入力されるか、または一定時間(図3を参照すると、例えば、3分前後)が経過すると、自動的に殺菌を終了させることができる。
【0037】
または、ユーザは浴室の照明をつけてから3分以内に消すこともあるが、この場合は、照度センシング部80は照明が消されたことを検知せず、殺菌部90はタイマーに基づいて一定時間殺菌を具現することができる。これは、ユーザが浴室の照明をつけて歯ブラシを取り出した後、浴室の照明を消した状態で浴室の外で歯磨きをする場合に備えるためであり、浴室の照明が消されても殺菌を終了する必要性が低いためである。
【0038】
殺菌部90は浴室内の照明の点灯に伴って殺菌を開始し、ボタン部60を介した信号入力により殺菌を終了することができ、さらには、水の噴射が自動終了したときに殺菌を行うこともできる。
【0039】
ただし、以下で説明するが、制御部50によって水の噴射が一定パターンに応じて自動的に行われるようになると、貯蔵部20の水は殆どが使い切るようになるため、水の噴射の終了後の殺菌は水の噴射の開始前の殺菌より短いか、弱く行われてもよい。
【0040】
また、本実施例は、殺菌部90の作動前に貯蔵部20に水が満たされた状態にするために、洗浄完了の直後または浴室に入って歯磨きをする前などの時点で水を貯蔵部20に入れることがユーザに提供することができる。
【0041】
ポンピング部30は貯蔵部20の水をポンピングする。ポンピング部30は把持部10内に収容され、貯蔵部20から水を吸い込んでノズル部40に伝達する構成であってもよい。このために、ポンピング部30は吸入端が貯蔵部20内に位置し、吐出端がノズル部40に位置することができる。
【0042】
ポンピング部30は水を加圧してノズル部40に伝達することで、ノズル部40から口腔に向けて噴射される水の噴射圧力を決める。即ち、ポンピング部30の負荷によって水の噴射圧力が異なることができる。
【0043】
特に、本実施例は、外部の信号入力なしにもポンピング部30の負荷が自動的に変更されるようにすることができるが、これについては制御部50を説明する過程で詳細に説明する。
【0044】
ノズル部40はポンピング部30によって加圧された水を口腔に噴射する。ノズル部40は口腔の奥深くまで水が効果的に浸透するように、細い管状に形成されてもよく、また、歯間や奥歯の後方などに水が伝達されるように上部が一定の角度で曲がった形状であってもよい。
【0045】
ノズル部40はその内部に流路が形成され、ポンピング部30によって加圧された水は流路に沿って高圧で流動しながらノズル部40の先端を介して直線状に噴射される。このようにノズル部40から噴射された水は口腔内の隙間などに挟まれている異物を洗い流すことができる。
【0046】
ただし、ユーザが把持部10を把持した状態でボタン部60を押したとき、ポンピング部30が最大負荷で直ちに作動すると、ノズル部40から強い水が噴射され得る。このとき、ユーザがノズル部40の先端方向を歯茎に隣接させているのであれば、歯茎が高圧水により傷つく恐れがある。
【0047】
このような問題に備えるべく、本実施例は、初期作動時にポンピング部30の負荷を徐々に増加させることができ、一般的なユーザの洗浄習慣を考慮してポンピング部30を一定のパターンに従って作動するようにする。このため、本実施例は、作動初期にノズル部40が歯茎に向かっていても歯茎が傷つくことを防止することができ、また、一般的にユーザが時間に沿ってノズル部40を移動させる習慣を考慮してポンピング部30の作動負荷を自動調整するため、効率的な洗浄が可能となる。
【0048】
上述したように、ノズル部40は把持部10やポンピング部30に対して着脱できるように設けられ、交換できるように設けられるが、ノズル部40が把持部10などから分離された状態ではポンピング部30が作動しないように制御できることは言うまでもない。
【0049】
制御部50はポンピング部30の作動を制御する。ポンピング部30の作動を制御するとは、結局、ノズル部40の先端から排出される水の噴射諸元(圧力など)を制御することとみることができるため、制御部50はノズル部40による水の噴射を調整するようになる。
【0050】
制御部50はポンピング部30を一定のパターンに応じて自動的に制御することができる。従来は、作動が開始すると、一定の固定圧力によって水が持続的に噴射されるか、または一定の変動圧力によって水がパルス状に噴射される機能を具現するだけであった。しかし、本実施例は、ユーザが水の噴射を活用して洗浄する習慣を考慮して一定のパターンを保存してポンピング部30を自動制御することにより、口腔洗浄における利便性を最大化した。
【0051】
以下では、図4を参照して制御部50が使用するポンピング部30のパターンについて説明する。
【0052】
図4を参照すると、制御部50はポンピング部30に対して段階別に噴射圧力を異ならせるパターンを保存することができる。このとき、パターンは貯蔵部20の貯蔵容量に対して80%以上の水を使用するように構成されるもので、30秒以上(例えば、37秒~40秒)からなる。即ち、1つのパターンはユーザが口腔洗浄器1を開始する時点から終了する時点までの全体を定義することができる。従って、ユーザは、一パターンによる水噴射を通じて口腔洗浄を完了することができる。
【0053】
このとき、パターンは、初期段階、予備洗浄段階、本格洗浄段階、仕上げ洗浄段階、終了段階を含む。初期段階はポンピング部30の負荷を徐々に増加させ、パターン全体の約10%前後(3秒前後)の時間を占めることができる。
【0054】
ポンピング部30が作動を開始するとき、すぐに高圧水を噴射すると、ノズル部40が歯茎などの軟組織に向かっている場合、ユーザは不便を感じる。従って、本実施例はこのような不便を解消するために、ポンピング部30によって水の噴射が開始されても水の圧力が急に高くなることを制限することができる。
【0055】
例えば、初期段階における水の噴射圧力は水流を作る程度に急に増加してから、歯茎などに痛みを与えずにユーザがノズル部40を適切な場所に位置させることができる水準になってから緩やかに増加することができる。即ち、初期段階での水の噴射圧力は急激に増加してから徐々に増加する様態を示すことができる。
【0056】
初期段階の噴射圧力は洗浄が主目的というより、ユーザに水の噴射が始まったので洗浄が必要な場所にノズル部40を向かわせるようにとガイドすることであることができる。この場合、噴射圧力が低いため、洗浄が不要な部位に水が伝達されても水の使用量を節減することができ、水が四方に飛び散ることを防止することができる。
【0057】
予備洗浄段階は水の噴射圧力を第1圧力に一定時間保持する。予備洗浄段階は、例えば、やわらかい洗浄段階と称することができ、予備洗浄段階は前歯を洗浄するのに使用されてもよい。
【0058】
第1圧力は強力な洗浄の具現に必要な第2圧力より低い圧力であってもよく、前歯及び前歯の歯間に対する洗浄を円滑に具現しながらも、歯茎を傷つけず、過度の水はねを防止することができる程度に設定されてもよい。
【0059】
予備洗浄段階は初期段階の後に洗浄が行われる段階であり、接近しやすい前歯の洗浄から始まってもよい。予備洗浄段階での洗浄は口腔の前面方向であり、ノズル部40が上歯、下歯に容易に移動すればよいため、他の洗浄動作より容易であることを踏まえて、予備洗浄段階は後述する本格洗浄段階より短く行われてもよく、例えば、パターン全体の30%前後の時間(例えば、10秒前後)と設定されてもよい。
【0060】
本格洗浄段階は、水の噴射圧力を第1圧力より高い第2圧力に一定時間保持する。本格洗浄段階は奥歯の内側などのように高い圧力で水を噴射して洗浄する段階であり、第2圧力はポンピング部30の最大負荷であってもよい。
【0061】
本実施例は、予備洗浄段階で前歯に対する洗浄が行われるようにした後、本格洗浄段階で奥歯に対するプラグ除去などの洗浄が行われるようにしてもよい。
【0062】
特に、歯の前面部に対して洗浄する予備洗浄段階とは異なり、本格洗浄段階では両側の奥歯に移動する時間が必要である。従って、本格洗浄段階はパターン全体で最も多い時間を占めることができ(例えば、40~50%前後、14秒前後)、噴射圧力が最も高く設定されるため、最も多い水を使用するようになる。
【0063】
ただし、本格洗浄段階は両側の奥歯に対する洗浄を具現するためのものであるが、左側の奥歯から右側の奥歯にへノズル部40が移動する過程でも最大圧力で水が噴射されると、不便を感じ得るため、本格洗浄段階の途中で1秒前後に水の噴射圧力が低くなるか、中止される区間があってもよい。このような区間は本格洗浄段階の途中に適用されてもよく、ユーザに音などで通知してノズル部40の方向を左右逆にすることを案内することができる。
【0064】
仕上げ洗浄段階は、水の噴射圧力を第2圧力より低い第3圧力に一定時間保持する。仕上げ洗浄段階は予備洗浄段階と類似してもよいが、予備洗浄段階が前歯の洗浄のためであったのであれば、仕上げ洗浄段階は歯茎の洗浄のためであってもよい。
【0065】
仕上げ洗浄段階は第3圧力が第1圧力よりも低く形成されてもよく、時間は予備洗浄段階と類似してもよい。例えば、仕上げ洗浄段階はパターンの20%前後の時間(例えば、8秒前後)に設定されてもよい。
【0066】
仕上げ洗浄段階はパルスが適用されてもよい。即ち、仕上げ洗浄段階は、図4に示すように噴射圧力が一定周期で大きくなってから小さくなることを繰り返してもよく、大きくなった噴射圧力は第1圧力より大きく、小さくなった噴射圧力は第1圧力より小さくてもよい。このような噴射により、本実施例は歯茎にマッサージ効果を与えることができる。
【0067】
また、仕上げ洗浄段階では、パルス効果により他の洗浄段階と比べて水の消費を50%以上節約することができる。本実施例の貯蔵部20が貯蔵できる水の量は制限されているが(約100ml~300ml、好ましくは150ml~250ml、最も好ましくは180ml~220ml)、本洗浄段階はパルス噴射を活用することで洗浄時間を数秒程度延長する効果が得られる。この場合、仕上げ洗浄段階は、予備洗浄段階と類似する洗浄時間を具現しながらも予備洗浄段階より少ない水を消費することができる。
【0068】
終了段階は、仕上げ洗浄段階の後にポンピング部30の負荷を減少させる。終了段階は、ユーザに水の噴射の自動終了を知らせるためのものであり、ポンピング部30の負荷を直ちにOFFにすることも可能であるが、最後の洗浄またはうがいのための水伝達などのために、ポンピング部30の負荷を徐々に減少させてもよい。
【0069】
このような終了段階は1秒~2秒程度に設定されてもよく、噴射圧力の変化態様は初期段階で急にポンピング部30の負荷が増加した部分と対称をなすことができる。
【0070】
このようなパターンは制御部50によって保存されており、作動信号の1回性入力によってポンピング部30を自動的に制御するために活用されてもよい。即ち、制御部50はポンピング部30の負荷をパターンに応じて30秒以上自動制御するようになる。
【0071】
従って、本実施例は、ユーザが複数のボタンを使用したり、ボタンを複数回押して噴射圧力を変更しなければならない従来の場合と比べると、ボタン部60の1回の操作でポンピング部30の負荷がパターンに応じて自動的に制御されるため、パターンに慣れれば非常に便利に洗浄できるようになる。
【0072】
即ち、本実施例は、モードを手動で変化させて噴射圧力を調整したり、ノズル部40を交換して噴射諸元を変更していた従来の複雑な使用方式から脱皮し、1つのボタン部60を1回押すことによって口腔洗浄の開始と終了まで噴射圧力が一定パターンに応じて自動的に具現されるようにすることで、直感的、且つシンプルな使用方式を達成することができる。
【0073】
このように、本実施例は、1回の作動で様々な洗浄段階からなる1つのパターンが自動的に行われるため、利便性を最大化することができる。さらに、本実施例は、ユーザが把持できる大きさと重さを考慮して貯蔵部20の水の貯蔵容量(100ml~300ml、好ましくは150ml~250ml、最も好ましくは180ml~220ml)を決め、ボタン部60の1回作動による全パターンの進行時に水の貯蔵容量の80%~95%を使用するようにすることができる。
【0074】
これにより、本実施例は、ユーザが洗浄前に貯蔵部20に水を満タンにするして一パターンの洗浄を完了すると、貯蔵部20の水をほぼ使い切るようにすることで、貯蔵部20に水が不要に溜まっているのを防止することができ、一パターンが進行して口腔全体に対する十分な洗浄が完了するまで水の補充が不要になるようにすることができる。
【0075】
また、本実施例は、予備洗浄、本格洗浄、仕上げ洗浄及び終了からなる一パターンに対して、30秒~50秒以内(好ましくは37秒~40秒)の洗浄時間が割り当てられるようにしてもよい。これは、口腔に必要な洗浄を十分に具現しながらもユーザが不便を感じない最適の時間であることができる。
【0076】
また、本実施例はユーザの口腔状態に応じて噴射圧力の絶対値の調整が必要な場合を考慮して、制御部50に保存されたパターンの噴射圧力を調整するための入力信号を受信する圧力調整部70をさらに含んでもよい。
【0077】
圧力調整部70はスライドボタンで設けられ、第1圧力~第3圧力のうち少なくとも第2圧力が変更されるようにして、最大噴射圧力を上げたり、下げたりすることができる。または、圧力調整部70の調整によってパターン全体に対する噴射圧力が比例的に増減されてもよい。
【0078】
ボタン部60は作動信号の入力を受ける。制御部50に保存されるパターンを説明しながら言及したように、本実施例はポンピング部30の作動開始のためのボタン部60が1つ設けられてもよく、ボタン部60を押すと、ポンピング部30が30秒以上一定のパターンに応じて水を噴射する。
【0079】
従って、本実施例では噴射圧力を調整するために2つ以上のボタン部60を使用する必要がなく、また、ボタン部60を複数回押して噴射圧力が異なるモードに変更する必要もなくなるため、ユーザの利便性を最大化することができる。
【0080】
また、ポンピング部30の水の噴射はパターンに応じた作動が完了すると、自動的に終了することができるため、ユーザは水の噴射をOffにするためにボタン部60を操作する必要もない。従って、ユーザは口腔洗浄のためにボタン部60を押し、パターンに合わせてノズル部40を適宜に移動させて口腔を洗浄すればよい。
【0081】
ただし、ボタン部60は、ポンピング部30による水の噴射が開始した後に噴射圧力を変更する機能ではない、噴射を一時停止する機能として使用されてもよい。これは、ユーザがノズル部40の位置を適切に変更したいとき、水の使用量を減らし、粘膜などが損傷することを防ぐためである。
【0082】
本実施例は、利便性を向上させるために、ボタン部60が一時停止機能を有する場合であっても、一時停止の解除は自動的に具現されるようにすることができる。即ち、ボタン部60を押すと、1秒~2秒程度ポンピング部30が一時停止し、その後、パターンに応じてポンピング部30の作動が続く。
【0083】
即ち、本実施例は、最適な口腔洗浄のためのパターンを保存しておき、ボタン部60の1回の操作で水の噴射がパターンに基づいて行われるようにしながらも、予期せぬ場合に備えてボタン部60に追加の機能(一時停止)を付与するが、ボタン部60を押す動作は最小化することができる。
【0084】
このように本実施例は、水の噴射圧力を徐々に増加させるパターンを使用することで、水が初期から強く噴射されることによって歯茎などが傷つく問題を解消することができ、また、30秒以上のパターンに応じた水の噴射を活用してボタン部60の追加操作なしに、前歯、奥歯、歯茎などに対する最適な洗浄を具現することができる。
【0085】
本発明は上述した実施例に限定されず、上記実施例と公知技術を組み合わせたものを新たな実施例として含むことができる。
【0086】
以上、本発明を具体的な実施例を通じて詳細に説明したが、これは本発明を具体的に説明するためのものであり、本発明はこれに限定されず、本発明の技術的思想内で当該分野の通常の知識を有する者によりその変形や改良が可能であることは明らかである。
【0087】
本発明の単純な変形または変更はすべて本発明の領域に属し、本発明の具体的な保護範囲は添付の特許請求の範囲によって明らかになる。
【符号の説明】
【0088】
1 口腔洗浄器
10 把持部
20 貯蔵部
30 ポンピング部
40 ノズル部
50 制御部
60 ボタン部
70 圧力調整部
80 照度センシング部
90 殺菌部
図1
図2
図3
図4