IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッドの特許一覧

特開2023-86847凍結融解安定性の油中水型乳化洗浄剤及び/又は研磨組成物
<>
  • 特開-凍結融解安定性の油中水型乳化洗浄剤及び/又は研磨組成物 図1
  • 特開-凍結融解安定性の油中水型乳化洗浄剤及び/又は研磨組成物 図2
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086847
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】凍結融解安定性の油中水型乳化洗浄剤及び/又は研磨組成物
(51)【国際特許分類】
   C11D 1/68 20060101AFI20230615BHJP
   C09K 23/34 20220101ALI20230615BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20230615BHJP
   C11D 3/18 20060101ALI20230615BHJP
【FI】
C11D1/68
C09K23/34
C11D3/20
C11D3/18
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023070806
(22)【出願日】2023-04-24
(62)【分割の表示】P 2020526499の分割
【原出願日】2018-10-30
(31)【優先権主張番号】15/813,894
(32)【優先日】2017-11-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】リ、ビン
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー、クリスティ エム.
(72)【発明者】
【氏名】リンチ、ロレッタ ジー.
(72)【発明者】
【氏名】テイラー、ベッカ ビー.
(57)【要約】
【課題】凍結融解安定性を有する家具ケア用、靴ケア用、又は車ケア用製品が提供される。
【解決手段】上記製品は、水と、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、少なくとも1つの凍結融解安定剤とを含有するW/O型乳濁液を含み、少なくとも1つの凍結融解安定剤は、凍結融解サイクル後での乳濁液の破壊を防ぐか、又は凍結融解サイクル後の破壊に続いて、乳化組成物を簡単に振ることにより乳濁液の再形成を可能にする。少なくとも1つの凍結融解安定剤は、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちから選択される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)3から40重量%の、少なくとも1つのアルカン炭化水素溶媒を含む、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(b)0.01から5重量%の、オレイン酸のソルビタンエステル、ラウリン酸のソルビタンエステル、20以下のエトキシ単位を有するポリエトキシル化ソルビタンエステル、脂肪形成脂肪酸のモノグリセリド、及び脂肪形成脂肪酸のジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、2から6のHLB値を有する少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(c)0.01から10重量%の、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちから選択される少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(d)任意に、0.001から20重量%の、ワックス又はシリコーンから選択される皮膜形成剤、追加の界面活性剤、追加の溶媒、香料成分、防腐剤、及び着色剤のうちの1つ以上と、
(e)前記組成物の100重量%までの残部である水と、を含み、
(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、水相が油相に均一に分散しているW/O型乳化組成物を形成するために十分な量で存在し、
前記少なくとも1つの凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときの前記乳化組成物の破壊を防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後の乳化組成物を振ることにより乳化組成物を再形成するために十分な量で存在する、製品。
【請求項2】
エアロゾルの家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)圧縮ガス又はLPG噴射剤を含む噴射剤と、
(b)油中水(W/O)型乳濁液であって、
(1)3から40重量%の、少なくとも1つのアルカン炭化水素溶媒を含む、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(2)0.01から5重量%の、オレイン酸のソルビタンエステル、ラウリン酸のソルビタンエステル、20以下のエトキシ単位を有するポリエトキシル化ソルビタンエステル、脂肪形成脂肪酸のモノグリセリド、及び脂肪形成脂肪酸のジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、2から6のHLB値を有する少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(3)0.01から10重量%の、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちから選択される少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(4)前記W/O型乳濁液の100重量%までの残部である水と、
(5)任意に、0.001から20重量%の、ワックス又はシリコーンから選択される皮膜形成剤、追加の溶媒、追加の界面活性剤、香料成分、防腐剤、及び着色剤のうちの1つ以上と、を含む乳濁液と、を含み、
前記噴射剤及び前記W/O型乳濁液は、合計で前記製品の100重量%の量で存在し、
前記凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときの前記乳濁液の破壊を防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後に振ることにより、前記W/O型乳濁液の再形成を可能にするために十分な量で存在する、製品。
【請求項3】
前記噴射剤が前記製品の重量に対し0.1から25重量%の量で存在する、請求項2に記載の製品。
【請求項4】
家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)少なくとも1つの圧縮ガス噴射剤と、
(b)油中水(W/O)型乳濁液であって、
(1)3から40重量%の、少なくとも1つのアルカン炭化水素溶媒を含む、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(2)0.05から2.0重量%のワックス及び0.1から20重量%のシリコーンのうちから選択される少なくとも1つの皮膜形成剤と、
(3)0.01から5重量%の、オレイン酸のソルビタンエステル、ラウリン酸のソルビタンエステル、20以下のエトキシ単位を有するポリエトキシル化ソルビタンエステル、脂肪形成脂肪酸のモノグリセリド、及び脂肪形成脂肪酸のジグリセリドのうちの少なくとも1つを含む、2から6のHLB値を有する少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(4)0.01から10重量%の、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちから選択される少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(5)前記W/O型乳濁液の100重量%までの残部である水と、
(6)任意に、0.001から20重量%の、香料成分、防腐剤、追加の溶媒、追加の界面活性剤、及び着色剤のうちの1つ以上と、を含む乳濁液と、を含み、
前記噴射剤及び前記W/O型乳濁液は、合計で前記製品の100重量%の量で存在し、
前記凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときの前記乳濁液の破壊を防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後に振ることにより、前記W/O型乳濁液の再形成を可能にするために十分な量で存在する、製品。
【請求項5】
前記少なくとも1つの圧縮ガス噴射剤が前記製品の重量に対し0.01から2重量%の量で存在する、請求項4に記載の製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水と、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、少なくとも1つの安定剤と、を含む、油中水(W/O)型乳化組成物であって、安定剤は、W/O型乳濁液への凍結融解安定性を提供する、W/O型乳化組成物に関する。W/O型乳化組成物が凍結融解サイクルにさらされると、凍結融解安定剤は、乳濁液の破壊を防ぐか、又は乳化組成物を含む容器を簡単に振ることにより乳濁液の再形成を可能にする。本発明の安定したW/O型乳化組成物は、洗浄及び/又は研磨組成物としての使用に特に適しており、より詳しくは、家具、靴及び自動車を洗浄及び/又は研磨するための組成物に有用である。
【背景技術】
【0002】
典型的な油中水(W/O)型乳化組成物が凍結融解サイクルを通過すると、乳濁液は通常壊れ、即ち、水相が組成物全体に均一に分散されなくなり、組成物を保持する容器の底部には大量の水が残っていることが知られている。凍結融解サイクルは、通常、乳化組成物を含む製品の冬期の出荷又は倉庫保管中に発生する。これは、組成物がポンプスプレー、トリガースプレー、注ぎボトル又はスクイズボトルなどのエアロゾル形態又は非エアロゾル形態で送達されるかどうかに関わらず、組成物が消費者の期待する性能を提供する形態で送達されなくなるため、消費者製品にとって好ましくない。
【0003】
凍結融解安定性のW/O型乳濁液は、乳濁液が凍結融解サイクルにさらされたときに、同じ乳化構造を保持できるか、又は乳濁液の破壊後、乳化組成物を保持する容器を簡単に振ることにより再形成できることが好ましい。これにより、使用者は、組成物の期待される望ましい性能を体験できる。
【0004】
凍結融解安定性のW/O型乳濁液を提供するための1つの努力が、調理器具の潤滑剤製品に関する特許文献1に開示されている。凍結融解安定性のW/O型レシチン乳濁液が、凍結融解状態での繰り返しのサイクルにもかかわらず、水の多い水中油型異成分への「破壊的な」転換を抑制又は防止するために、成分と濃度の両方を制御して臨界酸価レベルを保持しているW/O型レシチン乳化系にポリオールを添加することを含む、凍結融解安定性のW/O型レシチン乳濁液が説明されている。安定したW/O型レシチン乳濁液が得られたが、説明のように「臨界酸価レベル」の厳しい要件により、記載された方法のその他の乳化系への適用が大幅に制限されている。
【0005】
別の取り組みは、化粧品製品に関する特許文献2に開示されている。凍結融解安定性のシリコーン油中水型乳濁液が記載されている。凍結融解安定剤としてグリセリンを使用して、凍結融解サイクル後に乳濁液の破壊を防止した。他のポリオール、低級アルコール、有機酸塩又は無機塩を、グリセリンと組み合わせて、凍結融解安定性を改善した。この方法で凍結融解安定性の乳濁液が得られたが、独特なシリコーン油中水型乳濁液はコストが高いため、他の製品カテゴリーでは使用が困難である。
【0006】
食品業界では、多くのW/O型乳化系の加工食品(例えば、ホイップトッピング、テーブルスプレッド、ソース)は、長期保管を改善するために冷凍し、その後、さらに加工又は消費するために解凍する。非特許文献1の論文では、凍結融解サイクル中のW/O型乳濁液の安定性に影響する要因、即ち、界面結晶化とネットワーク結晶化、及び結晶化イベントの順序(即ち、分散相と連続相、又はその逆)を評価した。不安定化は、液状の乳化剤と、分散相の前に固化する連続油相において最も明白であると報告された。凍結融解サイクルに対して安定な乳濁液は、乳化剤が油と水の界面で結晶化するとき、又は水相を分散させた後に連続相が結晶化されている乳濁液で得られた。この方法は、食品の良いガイダンスである可能性があるが、他の製品カテゴリーではそれほど効果的ではない。
【0007】
家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品では、ワックスとメタノールが凍結融解安定性のW/O型乳濁液を生成するための安定剤として機能する。しかし、これらの凍結融解安定剤は、通常、乳濁液の破壊を防ぐことはできないが、そのような乳濁液を保持している容器を簡単に振ることにより乳濁液の再形成を可能にする。凍結融解安定剤としてワックスを使用することの不利な点には、処理された表面に残ったワックスの蓄積と、塗布及び使用中に、組成物を完全に拭き取るために使用者がより大きな努力をする必要性がある。組成物にメタノールを含めると、ロシアなどの国で政府の規制問題が発生するだけでなく、製品の製造中に潜在的な安全上の問題が発生する。
【0008】
従って、乳濁液の破壊を防ぐ、又は乳濁液の破壊後に乳化組成物を簡単に振ることによって乳濁液の再形成を可能にする乳化組成物は、特に規制上の問題や潜在的な安全上の問題を回避しながら、拭き取りも容易になり、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品において有利である。本発明は、凍結融解サイクルに対して安定であり、先行技術の問題に対処することができる、新しいW/O型乳化組成物を提供する。さらに、本発明は、凍結融解サイクルを通じて乳濁液が壊れた後、組成物を簡単に振ることによって再形成することができる、新しいW/O型乳化組成物を提供する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,073,411号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2014/0135405号明細書
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】S.GhoshとD.Rousseau、「油中水型乳濁液の凍結融解安定性(Freeze-thaw stability of water-in-oil emulsions)」、Journal of Colloid and Interface Science、第339巻、2009、第1号、p.91-102
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、水と、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、を含む、油中水(W/O)型乳化組成物であって、W/O型乳化組成物が凍結融解サイクルにさらされると、乳濁液の破壊が防止されるか、又は一旦壊れた乳濁液が乳化組成物を含む容器を簡単に振ることにより再形成されることが可能になる油中水(W/O)型乳化組成物に関する。以下に記載するように、他の成分を乳化組成物に含めてもよい。
【0012】
W/O型乳化組成物は、水相を油相に分散させることにより調製される。油相は、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、少なくとも1つの非イオン性乳化剤とを含む。組成物に含めるために適した凍結融解安定剤は、(1)ポリオール、例えば、グリセリン、ソルビトール、及びマルチトール、(2)糖、例えば、グルコース及びスクロース、(3)極性非プロトン性溶媒、例えば、ジメチルスルホキシド(DMSO)、及び(4)両性化合物、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシドである。使用する凍結融解安定剤の種類と、W/O型乳濁液の組成に応じて、より低い又はより高い濃度の凍結融解安定剤が使用される。一般に、より高い濃度の凍結融解安定剤は、乳濁液の破壊を防ぐために使用される一方、より低い濃度の安定剤は、乳化組成物を保持する容器を簡単に振ることにより乳濁液の再形成を可能にすることが理解できる。商業の世界では、このようなより低い濃度は、通常、より低いコストのために企業に好まれる。凍結融解安定剤の濃度が低すぎる場合、乳化組成物はその凍結融解安定性を失い、簡単に振っても乳濁液を再形成することができなくなる。
【0013】
本発明のW/O型乳化組成物は、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品において特に有用である。W/O型乳濁液をその一部として含む、典型的な家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品には、水と、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、任意に皮膜形成剤(例えば、シリコーン油)、香料成分、防腐剤、又は家具ケア、靴ケア、及び車ケアの洗浄及び/又は研磨組成物に含めるための従来の助剤のうちの1つ以上と、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、凍結融解サイクルを通過する前の、凍結融解安定剤を含まない、即ち、液相が油相全体に均一に分散しているW/O型乳化組成物を示す。
図2図2は、図1のW/O型乳化組成物が凍結融解サイクルを通過した後、乳濁液が壊れた、即ち、水相の一部が油相から分離し、容器の底部に見られることを示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
凍結融解安定性の油中水(W/O)型乳化組成物が記載されている。これらの安定な乳濁液は、「凍結融解安定剤」と呼ばれる機能性成分のうちの一種を使用して提供される。これらの凍結融解安定剤は、凍結融解サイクルにさらされた後の乳濁液の破壊を防ぐか、又は乳濁液の破壊後に、壊れた乳濁液を保持している容器を簡単に振る(即ち、手動又は手で振る)ことにより乳濁液の再形成を可能にする。図1は、炭化水素溶媒と、非イオン性乳化剤と、水とを含むが、凍結融解安定剤を含まない、W/O型乳化組成物を示し、ここで、水相が油相に均一に分散している、即ち、乳濁液が壊れていない。図2は、凍結融解サイクルにさらされた後、乳濁液が壊れた、即ち、水相の一部が乳化組成物から分離し、そして現在容器の底部に存在することを示す。本発明の凍結融解安定剤の少なくとも1つがW/O型乳化組成物中に含まれる場合、凍結融解安定剤の濃度によって乳濁液は、凍結融解サイクルにさらされても壊れずに図1に示すように保持されるか、図2に示すように壊れても乳化組成物を保持する容器を簡単に振ることにより、図1に示す乳濁液として再形成できる。どちらの場合でも、消費者は、使用時に乳化組成物の期待される性能を継続して体験することができる。
【0016】
使用時に、本発明の凍結融解安定剤が特に有益である乳化組成物は、家具、靴、及び自動車を洗浄及び/又は研磨するための組成物などの、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品である。W/O型乳濁液に基づく、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品は、一般に、水と、炭化水素溶媒と、非イオン性乳化剤と、任意に皮膜形成剤、香料成分、防腐剤、及び家具、靴、自動車を洗浄及び/又は研磨するための製品に従来から含まれている他の添加剤のうちの1つ以上と、を含む。
【0017】
W/O型乳化組成物に含めるための本発明の凍結融解安定剤には、(a)ポリオール(即ち、少なくとも2つのヒドロキシル基を有する化合物)、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ソルビトール及びマルチトール、(b)糖、例えば、グルコース及びスクロース、(c)極性非プロトン性溶媒、例えばジメチルスルホキシド(DMSO)、及び(d)両性化合物、例えば、ラウリルジメチルアミンオキシドが含まれる。一般に、乳化組成物に高濃度の凍結融解安定剤を含めると、W/O型乳濁液が壊れるのを防ぐことができる一方、安定剤の濃度が低いと、乳化組成物を保持する容器を簡単に振ることにより、壊れた乳濁液の再形成を可能にする。凍結融解安定剤の濃度が低すぎる場合、乳濁液が凍結融解に安定ではない、即ち、乳濁液は、凍結融解サイクルで壊れた後、簡単に振っても、乳濁液を再形成することができない。従って、凍結融解安定性を可能にするために必要な最小濃度がある。凍結融解安定剤の最小濃度は、乳化系によって異なってもよい。使用のための好ましい濃度範囲は、凍結融解安定剤の約0.01から約10重量%であり、より好ましい濃度範囲は約0.1から約2重量%であり、最も好ましい範囲は約0.1から約1重量%である。凍結融解安定剤は、単独で又は組み合わせて使用してもよい。
【0018】
本明細書及び特許請求の範囲で使用される総W/O型乳化組成物の重量パーセント(重量%)は、100重量%に基づく。与えられた材料の重量%は、特に明記しない限り、材料の有効成分の重量%に基づく。
【0019】
W/O型乳化組成物での使用に適した炭化水素溶媒について、特に家具、靴、自動車を洗浄及び/又は研磨するための製品として有用な乳化組成物は、基板表面から溶媒可溶性残存物を除去するための従来の家具ケア組成物、靴ケア組成物及び車ケア組成物で一般に使用されることが知られているものである。単独又は組み合わせで有用な炭化水素溶媒の例には、飽和炭化水素溶媒(例えば、アルカン)及び不飽和炭化水素溶媒(例えば、アルケン、アルキン及び芳香族)が含まれるが、これらに限定されない。
【0020】
エクソンモービルから「ISOPAR」(商品名)又は「EXXSOL」(商品名)で市販されているものや、シェブロンフィリップスから「SOLTROL」(商品名)で市販されているイソパラフィン系炭化水素溶媒など、さまざまな市販の飽和炭化水素溶媒は、現在、ほとんど臭いがないので好ましい。好ましい溶媒は、より短い炭素長(即ち、C10以下)を有するものである。
【0021】
他の適切な飽和炭化水素溶媒には、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、ナフサ、石油スピリット及び鉱油が含まれる。
単独又は組み合わせに有用な不飽和炭化水素溶媒の例には、ターペンタイン、トルエン及びキシレンが含まれるが、これらに限定されない。
【0022】
様々な飽和炭化水素溶媒及び不飽和炭化水素溶媒を、単独で又は組み合わせて利用してもよい。1つ以上の溶媒は、好ましくは約3から約40重量%、より好ましくは約5から約20重量%、最も好ましくは約8から約12重量%の量で存在する。
【0023】
家具、靴及び自動車を洗浄及び/又は研磨するための製品を含む本発明のW/O型乳化組成物は、乳濁液を生成するための少なくとも1つの非イオン性乳化剤を含む。
乳濁液は、乳化剤と呼ばれる物質の割合がわずかである懸濁液に保持された2つ以上の相互に混和しない液体の安定した混合物を含む。全てのW/O型乳濁液は、連続した油相と、連続した油相全体に分散している不連続な水相とを含む特徴がある。
【0024】
使用に適した非イオン性乳化剤には、一般に、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品に使用されているものが含まれる。このような従来の乳化剤は、単独で又は組み合わせて使用してもよい。使用に好ましい乳化剤は、約2から約6の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する。
【0025】
単独又は組み合わせに有用な非イオン性乳化剤の例には、オレイン酸及びラウリン酸のソルビタンエステル、20以下のエトキシ単位を有するポリエトキシル化ソルビタンエステル、脂肪形成脂肪酸のモノグリセリド及びジグリセリド、並びにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
【0026】
任意の市販の非イオン性乳化剤の追加の例には、現在クローダ株式会社から市販されている「SPAN」(商品名)及び「TWEEN」(商品名)で販売されている乳化剤が含まれる。このような乳化剤の特定の例には、モノオレイン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、及びモノパルミチン酸ソルビタンが含まれる。前記の様々な乳化剤の混合物も利用してもよい。
【0027】
少なくとも1つの非イオン性乳化剤は、好ましくは約0.01から約5重量%、より好ましくは約0.1から約2重量%、最も好ましくは約0.1から約1重量%の量で存在する。
【0028】
乳濁液の液相を構成する水成分は、脱イオン水、逆浸透水、蒸留水、水道水などであってもよい。水は、乳化組成物100重量%に基づいて、その残部を構成し、好ましくは約10から100重量%未満、より好ましくは約50から約95重量%、最も好ましくは約70から約90重量%の量で存在する。
【0029】
本発明の乳化組成物には、1つ以上の特定の任意材料も含まれてもよい。
本発明での使用に適した皮膜形成剤には、シリコーン及びワックスが含まれる。それらは、表面に強化された輝き/光沢を提供することができる。
【0030】
本発明において有用なシリコーンは、約5から約5,000センチストークス(cSt)(約5×10-6~約5×10-3/s)、好ましくは約100から1000cSt(約1×10-4~1×10-3/s)の粘度を有する低粘度のシリコーン流体を含む。
【0031】
本発明において有用なシリコーンは、シリコーン技術において知られている任意の有機基に置換してもよい。さらに注目されるのは、シリコーンガムである。シリコーンガムは、通常、架橋によってその高度な可塑性の状態から主に弾性の状態に変換できる、高分子量の直鎖ポリシロキサン又はシリコーンを指す。
【0032】
シリコーン成分は、好ましくは約0.1から約20重量%、より好ましくは約1から約11重量%、最も好ましくは約3から約7重量%の量で存在する。
使用に適した従来のワックスには、マイクロクリスタリンワックス及び石油ワックスなどの特定の合成ワックス、並びに「カルナウバ」ワックスなどの特定の天然ワックスが含まれるが、これらに限定されない。ワックス成分は、乳化組成物の総重量に基づいて、好ましくは約0.05から約2.0重量%のワックス、好ましくは約0.05から約0.5重量%のワックスの量で存在する。
【0033】
溶媒、界面活性剤、香料成分、防腐剤、及び着色剤が含まれるが、これらに限定されないさらに他の既知の添加剤のうちの1つ以上を、乳化組成物に添加してもよい。
乳濁液の洗浄力を高めるために溶媒を含んでもよい。使用に適した溶媒の例には、エチルアルコールなどの酸素化溶媒が含まれるが、これに限定されない。
【0034】
乳濁液の洗浄力を高めるために界面活性剤を含んでもよい。使用に適した界面活性剤の例には、陰イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤、及び両性界面活性剤が含まれる。
【0035】
有用な陰イオン性界面活性剤の例には、特定のアルカリ金属アルキル硫酸塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム)及びアルカリ金属アルキルエーテル硫酸塩、付着したポリエチレングリコール部分を含むスルホコハク酸塩、及びアルキルアリールスルホン酸塩が含まれるが、これらに限定されない。これらの界面活性剤の混合物も本発明で利用してもよい。
【0036】
使用に適した陽イオン性界面活性剤の例としては、ハロゲン化第四アンモニウム、硫酸第四アンモニウムなどの特定の第四アンモニウム化合物、エトキシル化され、約2から約10モルのエチレン酸化物を有する、いわゆる「脂肪」アミン、及びそのようなアミンの酢酸塩又は塩化物塩が含まれる。前記の界面活性剤の様々な混合物又は組み合わせも利用してもよい。
【0037】
使用に適した両性界面活性剤の例には、コカミドプロピルベタインが含まれるが、これに限定されない。両性界面活性剤が乳化系に含まれている場合、この両性化合物は、同時に凍結融解安定剤として機能する可能性がある。凍結融解安定性を可能にするために追加の凍結融解安定剤は必要ではない場合がある。
【0038】
香料成分は、所望の香りを与える香料又は香水のうちの1つ、又はそれらの混合物を含むと理解される。使用に適した従来の香料成分は、当業者によく知られており、従って、本明細書では詳細に説明しない。香料成分は、典型的には、所望の香り強度を付与するために有効な量で存在し、例えば、好ましくは乳化組成物の約0.01から約10重量%、より好ましくは約0.01から約1重量%の範囲内であってもよい。
【0039】
市販されている防腐剤は、ブロノポール(2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール)のような乳化組成物の保存寿命を伸ばすために含んでもよく、ブロノポールは、例えば、BASFによるPROTECTOL BN(商品名)、ダウケミカルカンパニーによるBIOBAN BP-PLUS(商品名)で販売されている。防腐剤は、好ましくは約0.001から約5重量%の量で存在してもよい。
【0040】
本発明の少なくとも1つの凍結融解安定剤を含む、家具ケア乳化製品、靴ケア乳化製品、又は車ケア乳化製品は、ポンプスプレー、トリガースプレー、注ぎボトル又はスクイズボトルなどの、エアロゾル又は非エアロゾルである。
【0041】
エアロゾルの家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品は、W/O型乳化組成物の中間組成物及び噴射剤を含む。噴射剤は、例えば、窒素、空気、二酸化炭素、亜酸化窒素、アルゴン、又はそれらの混合物などの圧縮ガス噴射剤、又は、炭化水素(例えば、ブタン、プロパン、イソブタン、及びそれらの混合物)、ジメチルエーテル、メチルエチルエーテルなど、使用が従来から知られている液体又は液化石油ガス(LPG)のうちの1つ以上であってもよい。1つ以上の噴射剤は、エーロゾルの処方組成物全体に基づいて、約0.1から約25重量%の量で、製品中に存在する。圧縮ガス噴射剤は、一般に、約0.1から約2重量%、より好ましくは約0.5から約1重量%のより低い範囲で存在する。LPG噴射剤は、約4から約25重量%、より好ましくは約6から約15重量%のより高い範囲で存在する。
【0042】
W/O型乳濁液のいくつかの基剤処方を以下に示す。それらは、一般に、家具ケア製品、靴ケア製品、及び車ケア製品によく見られる。これらの基剤処方には凍結融解安定剤が含まれていない。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【表3】
【0046】
【表4】
【0047】
【表5】
【0048】
本発明の凍結融解安定剤を、選択された濃度で、前記の処方基剤A~Eに加えた。これらの試験サンプルは、ガラス容器に基剤処方及び選択した凍結融解安定剤を充填することにより調製した。次に、試験サンプルを-18℃の冷凍庫に少なくとも12時間保管した。次に、試験サンプルを室温(即ち、約22℃)で少なくとも6時間、又は試験サンプルの温度が室温に達するまで解凍した。試験サンプルを検査した。乳濁液が壊れたとき、試験サンプルを手で振ることにより乳濁液を再形成できるかどうかを調べた。試験結果を以下の表1にまとめる。
【0049】
【表6】
【0050】
試験サンプル1~8は、本発明の凍結融解安定剤の有効性を実証するように設計された。これらの試験サンプルには、基剤Aの処方が含まれている。基剤Aには、W/O型乳濁液の形成に不可欠な3つの必須成分が全て含まれている。基剤Aは、凍結融解に安定ではない。基剤Aが凍結融解サイクルを通過した後、乳濁液が壊れ、容器を振っても再形成できなかった。しかし、以下の凍結融解安定剤:グリセリン、エチレングリコール、D-ソルビトール、スクロース、グルコース、DMSO及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちの1つを添加することにより、基剤Aに凍結融解安定性が付与された。
【0051】
試験サンプル9~19は、本発明の凍結融解安定剤が任意の成分を含有する様々な乳化系で機能できることを実証するように設計された。
試験サンプル9~10には、基剤Bの処方が含まれている。基剤Bの処方には、任意の皮膜形成剤としてのシリコーン100cStが含まれている。基剤Bは、凍結融解に安定ではないが、基剤Bに1.0重量%のグリセリンを添加すると、乳濁液の破壊後、簡単に振ることにより乳濁液を再形成できた。
【0052】
試験サンプル11~12には、基剤Cの処方が含まれている。基剤Cの処方には、任意の陰イオン性界面活性剤としてのラウリル硫酸ナトリウムが含まれている。基剤Cは凍結融解に安定ではないが、基剤Cに2.0重量%のグリセリンを添加すると、試験サンプル12は、凍結融解サイクル後に乳濁液が壊れるのが防止された。
【0053】
試験サンプル13~14には、基剤Dの処方が含まれている。基剤Dの処方には、任意の溶媒としてのエタノールが含まれている。基剤Dは凍結融解に安定ではないが、1.0重量%のグリセリンを添加すると、試験サンプル14は、乳濁液の破壊後、簡単に振ることにより乳濁液を再形成できた。
【0054】
試験サンプル15~19には、基剤Eの処方が含まれている。基剤Eの処方には、2つ以上の炭化水素溶媒、及び任意の香料が含まれている。基剤Eに0.5重量%のグリセリンを添加したとき、凍結融解試験後に乳濁液はまだ壊れていた。しかし、この同じ濃度で、グリセリンは、基剤Aへの凍結融解安定性を可能にした(試験番号2を参照)。グリセリンの濃度を、基剤Eの処方で、1.0重量%に増やした後、簡単に振ることにより乳濁液を再形成した。これは、それぞれの異なる乳化系について、凍結融解サイクルで乳濁液が壊れた後に乳濁液を再形成するための安定剤の最小濃度が互いに異なり得ることを示す。グリセリンの濃度が基剤Eの処方で3.0重量%にさらに増加したとき、乳濁液は、凍結融解サイクル後に安定した。これは、安定剤が乳濁液の破壊を防ぐことができる別の臨界濃度があることを示した。試験サンプル19では、2つの凍結融解安定剤を共に使用した。グリセリンは1.0重量%で含まれ、D-ソルビトールは2.0重量%で含まれていた。このような凍結融解安定剤によって、凍結融解サイクル後に乳濁液の破壊を防止した。
【0055】
好ましい本発明のエーロゾル処方例を以下に示す。
【0056】
【表7】
【0057】
本明細書に開示される例示的な実施形態は、網羅的であること、又は本発明の範囲を不要に制限することを意図していない。当業者が本発明を実施できるように本発明の原理を説明するために、例示的な実施形態を選択して説明した。当業者には明らかなように、前述の説明の範囲内で様々な修正を行うことができる。当業者の能力の範囲内であるそのような修正は、本発明の一部を形成し、添付の特許請求の範囲に含まれる。
【0058】
本開示は以下の項によっても定義される:
項1. 油中水(W/O)型乳化組成物であって、
(a)少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(b)ポリオール、糖、極性非プロトン性溶媒、及び両性化合物のうちの1つ以上を含む、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(c)少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(d)水と、を含み、
(a)、(b)、(c)及び(d)は、水相が油相に均一に分散しているW/O型乳化組成物を形成するために十分な量で存在し、
前記少なくとも1つの凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときに前記乳化組成物が壊れるのを防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後の乳化組成物を振ることにより乳化組成物を再形成するために十分な量で存在する、W/O型乳化組成物。
【0059】
項2. 前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちの1つ以上である、項1に記載のW/O型乳化組成物。
【0060】
項3. 前記炭化水素溶媒が、飽和炭化水素溶媒又は不飽和炭化水素溶媒である、項1に記載のW/O型乳化組成物。
項4. 前記非イオン性乳化剤が、約2から約6のHLB値を有する、項1に記載のW/O型乳化組成物。
【0061】
項5. 前記少なくとも1つの炭化水素溶媒が、約3から約40重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、約0.01から約10重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性乳化剤が、約0.01から約5重量%の量で存在し、前記水が、前記組成物の100重量%までの残部である、項1に記載のW/O型乳化組成物。
【0062】
項6. 前記組成物が、家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品に含まれている、項1に記載のW/O型乳化組成物。
項7. 家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(b)少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(c)ポリオール、糖、極性非プロトン性溶媒、及び両性界面活性剤のうちの1つ以上を含む、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(d)皮膜形成剤成分、界面活性剤、溶媒、香料成分、防腐剤、及び着色剤のうちの1つ以上と、
(e)水と、を含み、
(a)、(b)、(c)、(d)及び(e)は、水相が油相中に均一に分散しているW/O型乳化組成物を形成するために十分な量で存在し、
前記少なくとも1つの凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときに前記乳化組成物が壊れるのを防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後の乳化組成物を振ることにより乳化組成物を再形成するために十分な量で存在する、製品。
【0063】
項8. 前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、グリセリン、ソルビトール、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちの1つ以上である、項7に記載の製品。
【0064】
項9. 前記炭化水素溶媒が、飽和炭化水素溶媒又は不飽和炭化水素溶媒である、項7に記載の製品。
項10. 前記非イオン性乳化剤が、約2から約6のHLB値を有する、項7に記載の製品。
【0065】
項11. 前記少なくとも1つの炭化水素溶媒が、約3から約40重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、約0.01から約10重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性乳化剤が、約0.01から約5重量%の量で存在し、(d)の成分が、約0.001から約20重量%の量で存在し、前記水が、前記製品の100重量%までの残部である、項7に記載の製品。
【0066】
項12. エアロゾルの家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)圧縮ガス又はLPG噴射剤を含む噴射剤と、
(b)油中水(W/O)型乳濁液であって、
(1)少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(2)約2から約6のHLB値を有する、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(3)ポリオール、糖、極性非プロトン性溶媒及び両性界面活性剤のうちの1つ以上を含む、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(4)水と、
(5)任意に皮膜形成剤、溶媒、界面活性剤、香料成分、防腐剤、着色剤のうちの1つ以上と、を含む乳濁液と、を含み、
前記噴射剤及び前記W/O型乳濁液は、合計100重量%の量で存在し、
前記凍結融解安定剤は、(1)凍結融解サイクルにさらされたときの前記乳濁液の破壊を防ぐか、又は(2)凍結融解サイクルでの破壊後の前記W/O型乳濁液を振ることにより、前記W/O型乳濁液の再形成を可能にするために十分な量で存在する、製品。
【0067】
項13. 前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、グリセリン、エチレングリコール、ソルビトール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちの1つ以上である、項12に記載の製品。
【0068】
項14. 前記炭化水素溶媒が、飽和炭化水素溶媒又は不飽和炭化水素溶媒である、項12に記載の製品。
項15. 前記噴射剤が約0.1から約25重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの炭化水素溶媒が約3から約40重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が約0.01から約10重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性乳化剤が約0.01から約5重量%の量で存在し、(5)の任意成分が約0.001から約20重量%の量で存在し、前記水が前記製品の100重量%までの残部である、項12に記載の製品。
【0069】
項16. 家具ケア製品、靴ケア製品、又は車ケア製品であって、
(a)少なくとも1つの圧縮ガス噴射剤と、
(b)油中水(W/O)型乳濁液であって、
(1)少なくとも1つのアルカン炭化水素を含む、少なくとも1つの炭化水素溶媒と、
(2)少なくとも1つの皮膜形成成分と、
(3)約2から約6のHLB値を有する、少なくとも1つの非イオン性乳化剤と、
(4)ポリオール、糖、極性非プロトン性溶媒、及び両性界面活性剤のうちの1つ以上である、少なくとも1つの凍結融解安定剤と、
(5)水と、
(6)任意に香料成分、防腐剤、溶媒、界面活性剤、着色剤と、を含む油中水(W/O)型乳濁液と、を含み、
前記噴射剤及び前記W/O型乳濁液が100重量%の量で存在し、
前記W/O型乳濁液は、凍結融解サイクルにさらされたときに壊れないか、又は壊れた乳濁液が形成される場合、壊れた乳濁液を振ることにより、W/O型乳濁液として再形成する、製品。
【0070】
項17. 前記少なくとも1つの凍結融解安定剤が、グリセリン、エチレングリコール、マルチトール、スクロース、グルコース、ジメチルスルホキシド、及びラウリルジメチルアミンオキシドのうちの1つ以上である、項16に記載の製品。
【0071】
項18. 前記少なくとも1つの圧縮ガス噴射剤が約0.01から約2重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの炭化水素溶媒が約3から約40重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの皮膜形成剤成分が約0.05から約20重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの凍結/解凍安定剤が約0.01から約10重量%の量で存在し、前記少なくとも1つの非イオン性乳化剤が約0.01から約5重量%の量で存在し、前記水が前記製品の100重量%までの残部である、項16に記載の製品。
図1
図2
【外国語明細書】