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特開2023-86919情報処理装置、サービス提供システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086919
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】情報処理装置、サービス提供システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/40 20120101AFI20230615BHJP
【FI】
G06Q20/40
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023073569
(22)【出願日】2023-04-27
(62)【分割の表示】P 2022059256の分割
【原出願日】2021-05-27
(71)【出願人】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【弁理士】
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】山口 王史
(57)【要約】
【課題】ユーザの実際の状況に応じてユーザ情報を迅速に変更することを可能にすること。
【解決手段】ユーザがサービスを利用するための情報として、前記サービスの提供元が保持しているユーザ情報を取得する情報取得部と、前記ユーザの端末装置にインストールされた決済アプリケーションプログラムと連携した電子決済サービスの提供元が保持している、前記ユーザ情報とは異なる内容である決済サービス関連情報に基づいて、前記ユーザ情報が示す内容に変化があったか否かを判定する変化判定部と、前記変化判定部によって前記内容に変化があったと判定された場合、前記端末装置に前記ユーザ情報の更新を依頼する更新依頼部と、を備える情報処理装置。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザがサービスを利用するための情報として、前記サービスの提供元が保持しているユーザ情報を取得する情報取得部と、
前記ユーザの端末装置にインストールされた決済アプリケーションプログラムと連携した電子決済サービスの提供元が保持している、前記ユーザ情報とは異なる内容である決済サービス関連情報に基づいて、前記ユーザ情報が示す内容に変化があったか否かを判定する変化判定部と、
前記変化判定部によって前記内容に変化があったと判定された場合、前記端末装置に前記ユーザ情報の更新を依頼する更新依頼部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記決済サービス関連情報は、決済履歴を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの勤務先情報を含み、
前記変化判定部は、前記決済履歴に含まれる決済地点の情報に基づいて前記勤務先情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの住所情報を含み、
前記変化判定部は、前記決済履歴に含まれる決済地点の情報に基づいて前記住所情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザ情報は、前記ユーザの年収情報を含み、
前記変化判定部は、前記決済履歴に含まれる決済金額の情報に基づいて前記年収情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決済サービス関連情報は、前記決済アプリケーションプログラムが前記電子決済サービスにアップロードする前記端末装置の位置情報を含み、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの勤務先情報を含み、
前記変化判定部は、前記位置情報に基づいて前記勤務先情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決済サービス関連情報は、前記決済アプリケーションプログラムが前記電子決済サービスにアップロードする前記端末装置の位置情報を含み、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの住所情報を含み、
前記変化判定部は、前記位置情報に基づいて前記住所情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決済サービス関連情報は、前記電子決済サービスを利用して行われる前記ユーザへの支払い情報を含み、
前記ユーザ情報は、前記ユーザの年収情報を含み、
前記変化判定部は、前記支払い情報に基づいて前記年収情報が示す内容に変化があったか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変化判定部による判定結果を前記ユーザ情報に係るサービスの提供元に提供する判定結果提供部を更に備える、
請求項1から8のうちいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理装置と、
前記サービスを提供するサービスサーバと、
を備え、
前記サービスサーバは、前記判定結果提供部によって提供された判定結果に応じて、前記ユーザに提供する前記サービスの内容を変更する、
サービス提供システム。
【請求項11】
請求項1から9のうちいずれか1項に記載の情報処理装置と、
電子決済サーバと、
ユーザの識別情報がエンコードされたコード情報を表示部に表示させ、または店舗に設けられたコード情報を読み取って、決済サーバと連携して電子決済サービスを実行する決済アプリケーションプログラムと、
を備える情報処理システム。
【請求項12】
コンピュータが、
ユーザがサービスを利用するための情報として、前記サービスの提供元が保持しているユーザ情報を取得し、
前記ユーザの端末装置にインストールされた決済アプリケーションプログラムと連携した電子決済サービスの提供元が保持している、前記ユーザ情報とは異なる内容である決済サービス関連情報に基づいて、前記ユーザ情報が示す内容に変化があったか否かを判定し、
前記内容に変化があったと判定された場合、前記端末装置に前記ユーザ情報の更新を依頼する、
情報処理方法。
【請求項13】
コンピュータに、
ユーザがサービスを利用するための情報として、前記サービスの提供元が保持しているユーザ情報を取得させ、
前記ユーザの端末装置にインストールされた決済アプリケーションプログラムと連携した電子決済サービスの提供元が保持している、前記ユーザ情報とは異なる内容である決済サービス関連情報に基づいて、前記ユーザ情報が示す内容に変化があったか否かを判定させ、
前記内容に変化があったと判定された場合、前記端末装置に前記ユーザ情報の更新を依頼させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、サービス提供システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザがネットワークを通じてサービスを利用するために登録した情報の信頼性を評価する技術が知られている。例えば、特許文献1には、ユーザが登録した情報と、事前に記憶した人事情報とを照合することによって、当該情報の信頼性を評価する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-190955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、ユーザが登録した情報の信頼性を評価するために、事前に当該ユーザに対応する人事情報を用意することが必要とされる。その結果、例えば、人事情報の内容に変更がある場合、ユーザは当該人事情報を保存する機関やシステムに変更を通知する必要がある。しかしながら、従来技術では、例えば、ユーザが変更の通知を失念することに起因して、ユーザの実際の状況に応じて人事情報が迅速に変更されない場合があった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、ユーザの実際の状況に応じてユーザ情報を迅速に変更することを可能にする情報処理装置、サービス提供システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、ユーザがサービスを利用するための情報として、前記サービスの提供元が保持しているユーザ情報を取得する情報取得部と、前記ユーザの端末装置にインストールされた決済アプリケーションプログラムと連携した電子決済サービスの提供元が保持している、前記ユーザ情報とは異なる内容である決済サービス関連情報に基づいて、前記ユーザ情報が示す内容に変化があったか否かを判定する変化判定部と、前記変化判定部によって前記内容に変化があったと判定された場合、前記端末装置に前記ユーザ情報の更新を依頼する更新依頼部と、を備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、ユーザの実際の状況に応じてユーザ情報を迅速に変更することを可能にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム1の構成の一例を示す図である。
図2】決済サーバ20の機能構成の一例を示す図である。
図3】ユーザが端末装置10の決済アプリケーションプログラムを用いて決済を行う場面の一例を示す図である。
図4】記憶部30に格納される残高情報32の例示的な構成を示す図である。
図5】記憶部30に格納される決済履歴情報34の例示的な構成を示す図である。
図6】記憶部30に格納されるアップロード情報36の例示的な構成を示す図である。
図7】情報処理装置60の機能構成の一例を示す図である。
図8】記憶部70に格納されるサービスユーザ情報74の例示的な構成を示す図である。
図9】記憶部30によって格納される残高情報32、決済履歴情報34、およびアップロード情報36と、記憶部70に格納されるサービスユーザ情報74との間の関係を説明するための図である。
図10】変化判定部66によって判定された、サービスユーザ情報74が示す内容に変化の一例を示す図である。
図11】記憶部70に格納される統合情報78の例示的な構成を示す図である。
図12】更新依頼部68がサービスユーザ情報74の更新を依頼することによって端末装置10に表示される更新依頼情報の一例を示す図である。
図13】システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、サービス提供システム、情報処理システム、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。
【0010】
図1は、システム1の構成の一例を示す図である。システム1は、例えば、端末装置10と、決済サーバ20と、サービスサーバ40と、情報処理装置60とを備える。サービスサーバ40と、情報処理装置60とを組み合わせたものが「サービス提供システム」の一例であり、端末装置10で動作する後述する決済アプリケーションプログラムと、決済サーバ20と、情報処理装置60とを組み合わせたものが、「情報処理システム」の一例である。
【0011】
端末装置10、決済サーバ20、サービスサーバ40、および情報処理装置60は、ネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、WAN(Wide Area Network)やLAN(Local Area Network)、インターネット、セルラー網などを含む。
【0012】
端末装置10は、スマートフォンやパーソナルコンピュータ、タブレット端末などの通信機能と表示機能を有するコンピュータ装置である。端末装置10では、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、ブラウザやアプリケーションプログラムなどのUA(User Agent)とが協働して動作することで、端末装置10の表示部にコンテンツを表示させたり、各種処理を実行させたりする。
【0013】
決済サーバ20は、例えば、端末装置10により送信されたリクエストに応じたコンテンツを端末装置10に提供したり、端末装置10にインストールされたアプリケーションが起動して、起動したアプリケーションプログラムと通信を行うことによってコンテンツを提供したりする。各種処理とは、例えば、電子マネーを用いた決済処理である。決済サーバ20の詳細については後述する。
【0014】
サービスサーバ40は、例えば、端末装置10により送信されたリクエストに応じたコンテンツを端末装置10に提供するサーバ装置や、端末装置10にインストールされたアプリケーションが起動して、起動したアプリケーションプログラムと通信を行って各種情報の送受信を行ってコンテンツを提供するサーバ装置である。サービスサーバ40は、例えば、電子マネー決済の後払いサービス、ニュースを提供するサービス、ショッピングサービス、オークションサービス、マッチングサービス、株式売買サービス、銀行業務に関するサービス、ソーシャルネット・ネットワーキング・サービス、ナビゲーションサービスなどを、ネットワークを介して提供する。本実施形態において、説明の便宜上、サービスサーバ40は電子マネー決済の後払いサービスを提供するものとするが、サービスサーバ40はこれに限定されず、異なるサービスを提供する複数のサービスサーバ40が存在してもよい。
【0015】
図2は、決済サーバ20の機能構成の一例を示す図である。決済サーバ20は、電子決済サービスを提供する。決済サーバ20は、例えば、情報取得部22と、決済管理部24と、決済処理部26と、記憶部30とを備える。情報取得部22と、決済管理部24と、決済処理部26とは、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶装置に記憶されたプログラムを実行して、後述する決済に関する処理を行う。記憶部30は、例えば、後述する残高情報32と、決済履歴情報34と、アップロード情報36とを格納する。残高情報32と、決済履歴情報34と、アップロード情報36とは、「決済サービス関連情報」の一例である。
【0016】
情報取得部22は、端末装置10にインストールされた決済アプリケーションプログラムにより送信された情報を取得する。決済管理部24は、情報取得部22により取得された情報を管理する。例えば、決済管理部24は、取得された情報を決済サービス関連情報として管理する。決済処理部26は、決済アプリケーションプログラムや、決済サーバが提供している決済サービスを利用可能な店舗端末(不図示)などと連携して、電子的な決済処理を行う。決済サーバ20は、例えば、取引対象の店舗やユーザにサービスを提供するサービス提供者の口座を管理し、ユーザや店舗からの決済のリクエストに従って、口座間における電子マネーの送金等を行うことで、各種決済を実現する。
【0017】
例えば、ユーザが決済アプリケーションプログラムにより生成されたコード情報(例えばバーコードなど)が表示された画面を、店舗の店員に提示し、店舗端末がコード情報をスキャナなどで読み取ると、店舗端末に設定された金額、店舗の識別情報、およびユーザの識別情報が決済サーバ20に送信される。例えば、コード情報にはユーザの識別情報がエンコードされており、店舗端末は、コード情報をデコードしてユーザの識別情報を取得し、更に、予め保持する店舗の識別情報や、精算する金額を決済サーバ20に送信する。決済サーバ20は、店舗端末から送信された金額を、チャージされたユーザの残高から差し引き、差し引いた金額のうち所定金額を店舗の識別情報に対応付けることで決済を行う。
【0018】
例えば、店舗が指定したコード情報を、ユーザが端末装置10で読み取り、端末装置10を操作して支払う金額を入力し、決済を行うための操作を行うと、決済サーバ20は、上記の操作に応じた情報、店舗の識別情報、およびユーザの識別情報を端末装置10から取得する。そして、決済サーバ20は、送信された金額を、チャージされたユーザの残高から差し引き、差し引いた金額のうち所定金額を店舗の識別情報に対応付けることで決済を行う。
【0019】
図3は、ユーザが端末装置10の決済アプリケーションプログラムを用いて決済を行う場面の一例を示す図である。図3に示す通り、端末装置10の表示部には、端末装置10の不図示のカメラによって読み取られたコード情報と、チャージ残高と、支払いボタンPB1と、後払いボタンPB2とが表示されている。ユーザは、端末装置10上で支払い金額を入力し支払いボタンPB1を押下することによって決済を行うことができる一方、後払いボタンPB2を押下することによって、決済アプリケーションプログラムはサービスサーバ40にアクセスし、ユーザはサービスサーバ40が提供する後払いサービスを利用することができる。ここで、後払いサービスとは、ユーザに電子決済サービスに事前入金させることなく、物品又はサービスの購入を可能とさせるサービスである。ユーザが利用した金額は、例えば、翌月の所定日にチャージ残高から引き落とされることで清算がなされる。後払いサービスを利用するに当たって、ユーザはサービスサーバ40にサービスユーザ情報を登録しているが、当該サービスユーザ情報の詳細については、図8を参照して後述する。
【0020】
なお、図3において、ユーザは端末装置10の決済アプリケーションプログラムを介してサービスサーバ40にアクセスし、後払いサービスを利用するものであるため、端末装置10は、サービスサーバ40が提供するサービスを実行するためのアプリケーションプログラムを別途、インストールする必要がない。これにより、端末装置10の識別情報は、決済サーバ20とサービスサーバ40との間で共有することができる。このため、以下の説明では、決済サーバ20とサービスサーバ40との間で適宜実行される、端末装置10を識別するための処理の説明を省略する場合がある。
【0021】
[データ構成]
次に、図4から図6を参照して、記憶部30が格納する残高情報32と、決済履歴情報34と、アップロード情報36の構成について説明する。図4は、記憶部30に格納される残高情報32の例示的な構成を示す図である。残高情報32は、記憶部30が電子決済サービスのユーザごとに格納するものである。図4に示す通り、残高情報32は、年月日に対して、摘要、出金、入金、チャージ残高などの情報が対応付けられたものである。
【0022】
摘要は、ユーザのチャージ残高に対して出金又は入金が行われた事由を示す情報であり、例えば、チャージ、給与振り込み、ユーザが物品又はサービスを購入した店舗名などを示す。出金は、ユーザのチャージ残高から引き落とされた金額を示す情報である。入金は、ユーザのチャージ残高に振り込まれた金額を示す情報である。チャージ残高は、ユーザの口座に対して出金又は入金の処理が実行された後に口座に残る金額を示す情報である。給与振り込みは、「ユーザへの支払い情報」の一例である。
【0023】
図5は、記憶部30に格納される決済履歴情報34の例示的な構成を示す図である。決済履歴情報34は、記憶部30が電子決済サービスのユーザごとに格納するものである。図5に示す通り、決済履歴情報34は、時刻に対して、決済地点や決済金額などの情報が対応付けられたものである。決済地点は、ユーザが電子決済サービスを利用して物品又はサービスの購入した店舗を示す情報である。図5においては、便宜上、店舗名のみを記載しているが、当該店舗の位置を示すGPS情報(経度・緯度情報)などが格納されていてもよい。決済金額は、ユーザが電子決済サービスを利用して物品又はサービスの購入した金額を示す情報である。
【0024】
図6は、記憶部30に格納されるアップロード情報36の例示的な構成を示す図である。アップロード情報36は、端末装置10が、決済アプリケーションプログラムのバックグラウンド処理によって定期的に決済サーバ20に送信する情報であり、記憶部30が電子決済サービスのユーザごとに格納するものである。図6に示す通り、アップロード情報36は、時刻に対して、位置などの情報が対応付けられたものである。図6は、一例として、端末装置10が、6時間ごとに端末装置10のGPS情報(経度・緯度情報)を決済サーバ20に送信している例を示しているが、本発明はこのような構成に限定されず、アップロード情報は、例えば、1時間ごとなど、所定の時間間隔で送信されてもよい。
【0025】
[情報処理装置]
図7は、情報処理装置60の機能構成の一例を示す図である。情報処理装置60は、例えば、情報取得部62と、ユーザ情報推定部64と、変化判定部66と、更新依頼部68と、記憶部70とを備える。情報取得部62と、ユーザ情報推定部64と、変化判定部66と、更新依頼部68は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。上記の全ての構成要素が一つのプロセッサにより実現される必要はなく、適宜、複数のプロセッサによる分散処理などがなされてもよい。また、情報処理装置60の機能構成の一部または全部は、決済サーバ20に含まれてもよい。
【0026】
情報取得部62は、決済サーバ20から、電子決済サービスに登録されたユーザ情報と、残高情報32と、決済履歴情報34と、アップロード情報36とを取得し、決済サービス関連情報72として記憶部70に格納する。情報取得部62は、さらに、ユーザが後払いサービスを利用するための情報として、サービスサーバ40が保持しているユーザ情報を取得し、サービスユーザ情報74として記憶部70に格納する。情報取得部62は、決済サービス関連情報72と、決済サービス関連情報72に基づいて推定されたユーザ情報(詳細は後述する)と、サービスユーザ情報74とを統合し、統合情報78として管理する。統合情報78とは、決済サーバ20およびサービスサーバ40から取得した情報に基づいて、ユーザごとに、そのユーザに関する情報を網羅的にまとめた情報である。
【0027】
図8は、記憶部70に格納されるサービスユーザ情報74の例示的な構成を示す図である。図8に示す通り、サービスユーザ情報74は、ユーザIDに対して、氏名、電話番号、メールアドレス、勤務先、住所、年収などの情報が対応付けられたものである。これらの情報は、ユーザが後払いサービスを利用する際に、端末装置10を用いてサービスサーバ40が提供する利用申込画面にて入力し、サービスサーバ40に送信したものである。後払いサービスではユーザの与信力を把握することが重要であるため、サービスユーザ情報74には、勤務先や年収など、当該ユーザの経済力を示す情報も格納されている。
【0028】
氏名は、ユーザIDに対応するユーザの氏名を示す情報である。電話番号は、ユーザIDに対応するユーザの電話番号を示す情報である。メールアドレスは、ユーザIDに対応するユーザのメールアドレスを示す情報である。勤務先は、ユーザIDに対応するユーザが働く会社の名称を示す情報である。住所は、ユーザIDに対応するユーザが住む住居の住所を示す情報である。年収は、ユーザIDに対応するユーザが年間で得た収入の金額を示す情報である。これらの情報は、ユーザIDに対応するユーザが後払いサービスの利用を開始する際に入力したものであるが、その後、一定期間が経過し、入力情報の内容に変更があった場合でも、例えば、ユーザが情報の更新を失念することなどによって、情報の内容が迅速に変更されないという問題がある。
【0029】
そこで、ユーザ情報推定部64は、決済サービス関連情報72に基づいて、サービスユーザ情報74の内容を推定する。より具体的には、ユーザ情報推定部64は、決済サービス関連情報72に基づいて、サービスユーザ情報74の各項目の内容を推定し、推定した内容を推定ユーザ情報76として記憶する。次に、変化判定部66は、ユーザ情報推定部64が推定した推定ユーザ情報76と、サービスユーザ情報74とを比較し、サービスユーザ情報74が示す内容に変化があったか否かを判定する。
【0030】
図9は、記憶部30によって格納される残高情報32、決済履歴情報34、およびアップロード情報36と、記憶部70に格納されるサービスユーザ情報74との間の関係を説明するための図である。ユーザ情報推定部64は、例えば、決済履歴情報34に含まれる決済地点の情報に基づいて、ユーザの勤務先情報を推定し、変化判定部66は、推定した勤務先情報と、サービスユーザ情報74の勤務先情報とを比較して、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化があったか否かを判定する。より具体的には、図5の決済履歴情報34を参照すると、ユーザは、4月および5月の毎日昼の時間帯にAストアで電子決済サービスを利用している。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの勤務先がAストア付近であると推定し、変化判定部66は、Aストアと、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示すC商事との間の距離を、情報処理装置60が格納する不図示の地図情報に基づいて計測する。この場合の「距離」は、AストアのGPS座標とC商事のGPS座標とを結ぶ直線距離であってもよいし、地図情報に設定された道路構造に基づいて計算されたユーザの歩行距離であってもよい。変化判定部66は、計測した距離を閾値(例えば、1[km])と比較して、当該距離が閾値未満であった場合、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化が無かったと判定する。図5の場合、AストアとC商事は、交差点を挟んで向かい側に位置しており、2つの地点の距離は閾値未満であるため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化が無かったと判定する。
【0031】
その後、3ヶ月が経過すると、図5の決済履歴情報34の下部に示す通り、ユーザは、7月および8月の毎日昼の時間帯にCストアで電子決済サービスを利用している。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの勤務先がCストア付近であると推定し、変化判定部66は、次に、Cストアと、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示すC商事との間の距離を再度、計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9を参照すると、CストアとC商事とは距離が離れているため、変化判定部66は、計測した距離が閾値以上であると判定し、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0032】
また、例えば、ユーザ情報推定部64は、例えば、決済履歴情報34に含まれる決済地点の情報に基づいて、ユーザの住所情報を推定し、変化判定部66は、推定した住所情報と、サービスユーザ情報74の住所情報とを比較して、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容に変化があったか否かを判定する。より具体的には、図5の決済履歴情報34を参照すると、ユーザは、4月および5月の毎日夜の時間帯にBストアで電子決済サービスを利用している。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの住所がBストア付近であると推定し、変化判定部66は、Bストアと、サービスユーザ情報74の住所情報が示す地点との間の距離を、地図情報に基づいて計測する。図5の場合、Bストアとサービスユーザ情報74の住所情報が示す地点は、道路を挟んで向かい側に位置しており、2つの地点の距離は閾値未満であるため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容に変化が無かったと判定する。
【0033】
その後、3ヶ月が経過すると、図5の決済履歴情報34の下部に示す通り、ユーザは、7月および8月の毎日夜の時間帯にDストアで電子決済サービスを利用している。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの勤務先がDストア付近であると推定し、変化判定部66は、次に、Dストアと、サービスユーザ情報74の住所情報が示す地点との間の距離を再度、計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9を参照すると、Dストアとサービスユーザ情報74の住所情報が示す地点とは距離が離れているため、変化判定部66は、計測した距離が閾値以上であると判定し、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0034】
なお、上記の説明において、ユーザ情報推定部64は、昼の時間帯における電子決済サービスの決済履歴から勤務先情報を推定し、夜の時間帯における電子決済サービスの決済履歴から住所情報を推定している。しかし、本発明は、このような構成に限定されない。例えば、ユーザによっては、夜に出勤し、昼に退社することも考えられる。そのため、ユーザ情報推定部64は、例えば、アップロード情報36に更に基づいて、勤務先情報又は住所情報を推定してもよい。例えば、ユーザ情報推定部64は、夜の時間帯におけるアップロード情報36のGPS座標がオフィスビルの位置を示している場合、夜の時間帯における電子決済サービスの決済履歴から勤務先情報を推定してもよいし、逆に、昼の時間帯におけるアップロード情報36のGPS座標が住居の位置を示している場合、昼の時間帯における電子決済サービスの決済履歴から住所情報を推定してもよい。
【0035】
また、例えば、ユーザ情報推定部64は、残高情報32に含まれる入金情報に基づいて、ユーザの年収情報を推定し、変化判定部66は、推定した年収情報と、サービスユーザ情報74の年収情報とを比較して、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化があったか否かを判定する。より具体的には、図4の残高情報32を参照すると、毎月6日に「給与振り込み」の摘要にて30万円が入金されている。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの年収が360万円であると推定し、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の年収情報が示す360万円と比較して、差額が閾値(例えば、100万円)未満であったとき、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化が無かったと判定する。この場合、差額はゼロであるため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化が無かったと判定する。
【0036】
その後、3ヶ月が経過すると、図4の残高情報32の下部に示す通り、ユーザの口座への給与振り込みは、金額が30万円から40万円に変わっている。そのため、ユーザ情報推定部64は、当該ユーザの年収が480万円であると推定し、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の年収情報が示す360万円と比較して、差額が閾値以上であると判定、すなわち、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0037】
また、例えば、ユーザ情報推定部64は、決済履歴情報34に含まれる決済金額に基づいて、ユーザの年収情報を推定する。より具体的には、例えば、ユーザ情報推定部64は、図5の決済履歴情報34に含まれる決済金額を一ヵ月間にわたって合計し、合計決済金額が大きいほどユーザの年収はより高く、当該合計決済金額が小さいほどユーザの年収はより低く推定する。変化判定部66は、毎月の合計決済金額を記録し、当該合計決済金額が増加(減少)した場合には、ユーザの年収は増加(減少)したと判定することができる。また、例えば、ユーザ情報推定部64は、合計決済金額に所定の係数を乗算することによってユーザの年収を推定することができる。この場合の所定の係数とは、例えば、複数のユーザの年収情報と1ヶ月間の決済金額との間の関係を示す統計データに基づいて決定することができる。また、例えば、ユーザ情報推定部64は、残高情報32に基づいて、ユーザによる電子決済サービスへのチャージ金額を一ヵ月間にわたって合計し、合計チャージ金額が大きいほどユーザの年収はより高く、当該合計チャージ金額が小さいほどユーザの年収はより低く推定する。変化判定部66は、毎月の合計チャージ金額を記録し、当該合計チャージ金額が増加(減少)した場合には、ユーザの年収は増加(減少)したと判定することができる。また、例えば、ユーザ情報推定部64は、合計チャージ金額に所定の係数を乗算することによってユーザの年収を推定することができる。この場合の所定の係数とは、例えば、複数のユーザの年収情報と1ヶ月間のチャージ金額との間の関係を示す統計データに基づいて決定することができる。
【0038】
変化判定部66は、推定した年収と、サービスユーザ情報74の年収情報が示す金額との間の差額が閾値未満であった場合、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化が無かったと判定する。一方、変化判定部66は、推定した年収と、サービスユーザ情報74の年収情報が示す金額との間の差額が閾値以上であった場合、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0039】
また、例えば、ユーザ情報推定部64は、アップロード情報36に含まれる端末装置10の位置情報に基づいて、ユーザの勤務先情報を推定し、変化判定部66は、推定した勤務先情報と、サービスユーザ情報74の勤務先情報とを比較して、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化があったか否かを判定する。より具体的には、ユーザ情報推定部64は、アップロード情報36に含まれる複数の位置座標のうち、所定回数(例えば、3回)以上、出現する位置座標であって、かつ地図情報に基づいて当該位置座標が、例えば、オフィスビルなどの仕事場を示している場合、当該位置座標をユーザの勤務先情報として推定する。例えば、図6および図9の場合、ユーザ情報推定部64は、「XX度XX分XX秒」の位置座標をユーザの勤務先として推定し、変化判定部66は、「XX度XX分XX秒」の位置座標と、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示すC商事との間の距離を計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9に示す通り、「XX度XX分XX秒」の位置座標とC商事とは一致しているため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化が無かったと判定する。
【0040】
その後、3ヶ月が経過すると、図6のアップロード情報36の下部に示す通り、「ZZ度ZZ分ZZ秒」の位置座標が、所定回数以上、出現し、かつ当該位置座標はオフィスビルを示しているため、ユーザ情報推定部64は、次に、「ZZ度ZZ分ZZ秒」の位置座標をユーザの勤務先情報として推定する。次に、変化判定部66は、「ZZ度ZZ分ZZ秒」の位置座標と、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示すC商事との間の距離を計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9に示す通り、「ZZ度ZZ分ZZ秒」の位置座標とC商事とは距離が離れているため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0041】
また、例えば、ユーザ情報推定部64は、アップロード情報36に含まれる端末装置10の位置情報に基づいて、ユーザの住所情報を推定し、変化判定部66は、推定した住所情報と、サービスユーザ情報74の住所情報とを比較して、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容に変化があったか否かを判定する。より具体的には、ユーザ情報推定部64は、アップロード情報36に含まれる複数の位置座標のうち、所定回数(例えば、3回)以上、出現する位置座標であって、かつ地図情報に基づいて当該住所が、例えば、マンションなどの住宅地を示している場合、当該位置座標をユーザの住所情報として推定する。例えば、図6および図9の場合、ユーザ情報推定部64は、「YY度YY分YY秒」の位置座標をユーザの住所として推定し、変化判定部66は、「YY度YY分YY秒」の位置座標と、サービスユーザ情報74の住所情報が示す「〇〇町91-6」との間の距離を計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9に示す通り、「YY度YY分YY秒」の位置座標と「〇〇町91-6」とは一致しているため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容に変化が無かったと判定する。
【0042】
その後、3ヶ月が経過すると、図6のアップロード情報36の下部に示す通り、「VV度VV分VV秒」の位置座標が、所定回数以上、出現し、かつ当該位置座標はアパートを示しているため、ユーザ情報推定部64は、次に、「VV度VV分VV秒」の位置座標をユーザの住所情報として推定する。次に、変化判定部66は、「VV度VV分VV秒」の位置座標と、サービスユーザ情報74の住所情報が示すC商事との間の距離を計測し、かつ計測した距離を閾値と比較する。図9に示す通り、「VV度VV分VV秒」の位置座標とC商事とは距離が離れているため、変化判定部66は、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容に変化があったと判定する。
【0043】
図10は、変化判定部66によって判定された、サービスユーザ情報74が示す内容の変化の一例を示す図である。図10に示す通り、変化判定部66は、残高情報32、決済履歴情報34、およびアップロード情報36に基づいて、サービスユーザ情報74の勤務先情報が示す内容がAストア付近からDストア付近に変化したと判定し、サービスユーザ情報74の住所情報が示す内容がBストア付近からCストア付近に変化したと判定し、サービスユーザ情報74の年収情報が示す内容が360万円から480万円に変化したと判定する。
【0044】
更新依頼部68は、変化判定部66によってサービスユーザ情報74のある項目が示す内容に変化があったと判定された場合、端末装置10にサービスユーザ情報74の更新を依頼する。より具体的には、更新依頼部68は、サービスサーバ40に、サービスユーザ情報74のある項目が示す内容が変化した可能性があることを通知し、サービスサーバ40は、当該通知を受信すると、端末装置10の決済アプリケーションプログラム上に、サービスユーザ情報74の更新の必要性を確認するための更新依頼情報を表示させる。
【0045】
図11は、統合情報78について説明するための図である。図11に示す通り、「決済サービス」の列に格納される情報は、電子決済サービスに登録されたユーザ情報(氏名、電話番号、メールアドレス)及び決済サービス関連情報72に基づいて推定されたユーザ情報(勤務先、住所、年収)に対応し、「第1サービス」の列に格納される情報は、サービスユーザ情報74に対応し、「第2サービス」以降の列に格納される情報は、電子決済サービスと連携する他のサービスサーバに格納されたサービスユーザ情報に対応する。
【0046】
更新依頼部68は、変化判定部66によって統合情報78の「決済サービス」の列に格納される情報の内容に変化があったと判定された場合、端末装置10にサービスユーザ情報74の更新を依頼するとともに、当該内容の変化をサービスサーバ40(及び他のサービスサーバ)に通知してもよい。例えば、図11において、「決済サービス」の列に格納される「電話番号」の情報の内容に変化があったと判定された場合、更新依頼部68は、端末装置10に「電話番号」の更新を依頼するとともに、当該内容の変化をサービスサーバ40(及び他のサービスサーバ)に通知してもよい。また、例えば、変化判定部66によって統合情報78の「勤務先」の情報の内容に変化があったと判定された場合、更新依頼部68は、端末装置10に「勤務先」の更新を依頼するとともに、当該内容の変化をサービスサーバ40(及び他のサービスサーバ)に通知してもよい。
【0047】
なお、更新依頼部68は、電子決済サービスによって登録又は推定された情報の変化を片方向にサービスサーバ40に通知するのみならず、サービスサーバ40によって登録された情報の変化を決済サーバ20及び他のサービスサーバに双方向に通知しても良い。換言すると、更新依頼部68は、統合情報78に登録された各列に格納された情報の間で乖離が発生した場合には、当該乖離を示す情報を決済サーバ20及びサービスサーバ40の全体で共有させてもよい。
【0048】
統合情報78が生成される際に、例えば、以下の処理が行われてもよい。情報処理装置60は、複数のサービスの提供元から取得した情報の内容、情報の種別、情報の形式、または情報に関連付けられたラベルの一部または全部に基づいて、情報がユーザ情報であると判別した場合、情報をユーザ情報として集約する。情報処理装置60は、情報の内容を認識し、その情報が、統合情報78で管理する対象のユーザの氏名や、住所、メールアドレスなどの情報であると判定した場合、その情報をユーザ情報として統合情報78の対象の項目に対応付ける。また、情報処理装置60は、例えば、情報の形式が所定の形式であると判定した場合、その情報をユーザ情報として統合情報78の対象の項目に対応付ける。例えば、アルファベット、数字またはこれらの組み合わせの後に「@」があり、「@」の後に「****.cоm」などのドメインと推定される文字列が含まれる場合、情報処理装置60は、この情報はユーザのメールアドレスと判別する。情報処理装置60は、予め保持する辞書情報に基づいて、ドメインを推定してもよいし、予め定められた文字列(例えば「.cоm」など)を有する場合、この情報はメールアドレスと推定する。また、情報処理装置60は、サービスの提供元から、項目情報の種別を示すラベル(例えば氏名の情報であることを示すラベルやメールアドレスの情報であることを示すラベル)と共に、そのラベルの情報を取得し、取得した情報に基づいて、統合情報78を生成してもよい。
【0049】
例えば、サービスサーバ40ごとに、情報処理装置60に送信する情報の形態が異なることがある。この場合、情報処理装置60は、上記のように情報の内容や、種別、形式、ラベルなどを参照して、取得した情報がどのような項目情報に該当するかを判別することができる。例えば、あるサービスサーバは、「email;XXX@XXX.cоm」を送信し、別のサービスサーバは、「mail address;XXX@XXX.cоm」を送信することがある。このようにメールアドレスの項目の表記に相違がある場合であっても、情報処理装置60は、例えば、所定の辞書情報や、キーワード、文字の意味を解析して、これらがメールアドレスに該当することを判別することができる。このように、情報処理装置60は、サービスサーバ40が異なる形態の情報を提供する場合であっても、具体的な情報の形式の類似性などを加味して、いわゆる名寄せを行って情報がどの項目情報に該当するかを突き合わせることができる。なお、サービスサーバ40が、情報処理装置60から情報を受け取る場合も、上記のように情報の形式の類似性などを加味して、受け取った情報の種別を判別してもよい。
【0050】
図12は、更新依頼部68がサービスユーザ情報74の更新を依頼することによって端末装置10に表示される更新依頼情報の一例を示す図である。図10を参照して上述した通り、変化判定部66によって、勤務先情報と、住所情報と、年収情報とに変化があったと判定されたため、更新依頼部68は、勤務先情報と、住所情報と、年収情報の更新の必要性を確認するための情報を端末装置10の決済アプリケーションプログラム上に表示させている。これにより、ユーザは、端末装置10上でサービスユーザ情報74の更新の必要性を確認することができ、ユーザの実際の状況に応じてユーザ情報を迅速に変更することができる。なお、図12は、更新の必要性があると推定される情報を具体的に表示する例について記載しているが、本発明は、このような構成に限定されず、更新の必要性があると推定されるユーザ情報を具体的に指定することなく、更新の確認メッセージを表示させてもよい。
【0051】
サービスサーバ40は、更新依頼部68から、サービスユーザ情報74のある項目が示す内容に変化の可能性があることを通知されると、当該通知に基づいて、ユーザに提供するサービスの内容を変更してもよい。例えば、図10の場合、サービスサーバ40は、ユーザの年収が360万円から480万円に変化した可能性があることを示す通知を受信したことに応じて、後払いサービスの後払い上限金額を増額させてもよい。
【0052】
[シーケンス]
図13は、システム1により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。まず、情報処理装置60が、推定ユーザ情報76に基づいて、サービスユーザ情報74が示す内容の変化を検知する(S100)。次に、情報処理装置60が、検知した内容の変化をサービスサーバ40に通知する(S101)。次に、サービスサーバ40が、端末装置10に、サービスユーザ情報74の更新を依頼する(S102)。
【0053】
次に、端末装置10が、サービスユーザ情報74の更新依頼を受信すると、表示部に、サービスユーザ情報74の更新の必要性を確認するための更新依頼情報を表示させ、ユーザによるサービスユーザ情報74の更新入力を受け付ける(S103)。次に、端末装置10が、更新したサービスユーザ情報74をサービスサーバ40に送信する(S104)。次に、サービスサーバ40は、更新したサービスユーザ情報74を受信すると、更新したサービスユーザ情報74を自身の記憶部に格納する(S105)。
【0054】
次に、サービスサーバ40が、更新したサービスユーザ情報74を情報処理装置60に送信する(S106)。次に、情報処理装置60が、受信したサービスユーザ情報74を記憶部70に格納する(S107)。これにより、シーケンス図の処理が終了する。
【0055】
なお、上記の実施形態においては、変化判定部66によってサービスユーザ情報74のある項目が示す内容に変化があったと判定された場合、端末装置10にサービスユーザ情報74の更新を依頼している。しかし、本発明はそのような構成に限定されず、端末装置10に更新を依頼することなく、変化判定部66による判定結果をサービスサーバ40に提供する判定結果提供部を備えてもよい。この場合、サービスサーバ40は、判定結果を受信すると。当該判定結果の内容に応じて、ユーザに提供するサービスの内容を変更してもよい。
【0056】
以上の通り説明した本発明の実施形態によれば、情報処理装置60は、決済サーバ20が保持している決済サービス関連情報に基づいて、サービスサーバ40が保持しているユーザ情報の内容を推定し、推定結果に基づいて当該ユーザ情報が示す内容に変化があったと判定した場合、端末装置10にユーザ情報の更新を依頼する。これにより、ユーザの実際の状況に応じてユーザ情報を迅速に変更することを可能にすることができる。
【0057】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0058】
1‥システム、10‥端末装置、20‥決済サーバ、22‥情報取得部、24‥決済管理部、26‥決済処理部、30‥記憶部、32‥残高情報、34‥決済履歴情報、36‥アップロード情報、40‥サービスサーバ、60‥情報処理装置、62‥情報取得部、64‥ユーザ情報推定部、66‥変化判定部、68‥更新依頼部、70‥記憶部、72‥決済サービス関連情報、74‥サービスユーザ情報、76‥推定ユーザ情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13