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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086976
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】決済システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 20/06 20120101AFI20230615BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20230615BHJP
【FI】
G06Q20/06 300
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074812
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2022551651の分割
【原出願日】2022-02-07
(31)【優先権主張番号】P 2021017696
(32)【優先日】2021-02-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515160998
【氏名又は名称】株式会社ギフトパッド
(74)【代理人】
【識別番号】100205659
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 拓也
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【弁理士】
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】幡井 良至
(57)【要約】
【課題】決済システムにおける利便性を向上させることを目的とする。
【解決手段】サービス提供者サーバ1の第2決済情報取得部101は、第2決済情報を取得する。価値変換部102は、第2価値情報により示される第2価値を、第1価値に変換する処理を実行する。第3決済情報提供部103は、第1決済情報、価値変換手段により変換された第1価値の使用を示す第1価値情報、及び顧客情報を、第3決済情報としてQRコード(登録商標)決済者サーバ5に提供する。QRコード決済者サーバ5の第3決済情報取得部501は、第3決済情報を取得する。決済処理実行部502は、第3決済情報に基づいて、商品等の所定対価の顧客に対する決済を、第1価値で決済をする。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の商品又は役務を商品等として所定対価で顧客に譲渡する商品譲渡者により操作される商品譲渡者端末と、
前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値で決済をする決済者により操作される決済者端末と、
前記顧客により操作される顧客端末と、
前記商品等の決済として前記顧客により第2価値が使用された場合、前記決済者に対して前記第1価値の決済として依頼する決済代行者により操作される決済代行者端末と、
前記商品譲渡者により保有され、前記決済者に対して前記第1価値で決済させるために必要な情報、及び前記商品譲渡者を特定可能な情報を含む第1決済情報が付された決済用媒体と、
を備える決済システムにおいて、
前記顧客端末は、
少なくとも前記所定対価以上の前記第2価値の使用権利を取得する第2価値取得手段と、
前記第1決済情報を取得する第1決済情報取得手段と、
前記第1決済情報、前記所定対価に対応する前記第2価値の使用を示す第2価値情報、及び前記顧客を特定可能な顧客情報を、第2決済情報として前記決済代行者端末に提供する第2決済情報提供手段と、
を備え、
前記決済代行者端末は、
前記第2決済情報を取得する第2決済情報取得手段と、
前記第2価値情報により示される第2価値を、前記第1価値に変換する処理を実行する価値変換手段と、
前記第1決済情報、前記価値変換手段により変換された前記第1価値の使用を示す第1価値情報、及び前記顧客情報を、第3決済情報として前記決済者端末に提供する第3決済情報提供手段と、
前記決済者端末は、
前記第3決済情報を取得する第3決済情報取得手段と、
前記第3決済情報に基づいて、前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値で決済をする処理を実行する決済処理実行手段と、
を備える決済システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、決済システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、店頭に配置されたバーコード(例えば、二次元バーコードの一例であるQRコード(登録商標))を顧客の端末で読み込むことにより、決済を行う決済システムが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-173534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述のQRコードを用いた決済システムにおいては、決済システムを運営する決済者の夫々が、決済システムのインフラを夫々整備していた。即ち例えば、決済者の夫々は、決済システムを構築し、店舗にその決済システムの導入してもらう必要があった。このとき、店舗にとっては、店舗自身の各種情報を決済者に提供したり、店頭にQRコードを配置する等、相当なコストが必要であった。
また、新たな特色を持たせた決済システムを導入する際には、従来の決済システムとは別に、システム構築を行ったり、店舗に導入する必要があった。この結果、様々なQRコードを用いた決済システムが多数存在しているのが現状である。即ち、新たな決済システムの導入における利便性が望まれるが、十分とは言えない状況であった。
詳しくは後述するが、従来の商品等に対する対価そのものとは異なる価値による決済が可能となれば、新たなサービス展開により、決済における特色や利便性が得られる。しかしながら、このような新たな価値で決済することができる決済システムの導入における相応の労力が発生してしまう点では上述と同様である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、決済システムにおける利便性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の決済システムは、
所定の商品又は役務を商品等として所定対価で顧客に譲渡する商品譲渡者により操作される商品譲渡者端末と、
前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値で決済をする決済者により操作される決済者端末と、
前記顧客により操作される顧客端末と、
前記商品等の決済として前記顧客により第2価値が使用された場合、前記決済者に対して前記第1価値の決済として依頼する決済代行者により操作される決済代行者端末と、
前記商品譲渡者により保有され、前記所決済者に対して前記第1価値で決済させるために必要な情報、及び前記商品譲渡者を特定可能な情報を含む第1決済情報が付された決済用媒体と、
を備える決済システムにおいて、
前記顧客端末は、
少なくとも前記所定対価以上の前記第2価値の使用権利を取得する第2価値取得手段と、
前記第1決済情報を取得する第1決済情報取得手段と、
前記第1決済情報、前記所定対価に対応する前記第2価値の使用を示す第2価値情報、及び前記顧客を特定可能な顧客情報を、第2決済情報として前記決済代行者端末に提供する第2決済情報提供手段と、
を備え、
前記決済代行者端末は、
前記第2決済情報を取得する第2決済情報取得手段と、
前記第2価値情報により示される第2価値を、前記第1価値に変換する処理を実行する価値変換手段と、
前記第1決済情報、前記価値変換手段により変換された前記第1価値の使用を示す第1価値情報、及び前記顧客情報を、第3決済情報として前記決済者端末に提供する第3決済情報提供手段と、
前記決済者端末は、
前記第3決済情報を取得する第3決済情報取得手段と、
前記第3決済情報に基づいて、前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値で決済をする処理を実行する決済処理実行手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、新たな決済システムを導入する際の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態の情報処理システムにより実現可能なサービス(以下、「本サービス」と呼ぶ)の概要を示す図である。
図2】本発明の情報処理システムの一実施形態の構成を示す図である。
図3図2の情報処理システムのうちサービス提供者サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図4図3の情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図5図1の本サービスを利用した、地域通貨キャンペーンにおける地域通貨配布に係る用紙の一例を示す図である。
図6図5の用紙を用いて顧客端末にインストールされた地域PAYアプリの画面の一例を示す図である。
図7図6の地域PAYアプリにおいて、地域通貨に関するメニュー画面の一例を示す図である。
図8図7の地域PAYアプリにおいてチャージする操作がなされ、図5に示す用紙から地域通貨をチャージした際の画面の一例を示す図である。
図9図8に示す地域通貨のチャージ後における、図7に示す地域通貨に関するメニュー画面の一例である。
図10】店舗における支払いの様子を示す図である。
図11図10に示す店舗での支払い後における、地域通貨アプリの画面の一例をめす図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の情報処理システムにより実現可能な本サービスの概要を示す図である。
【0010】
図1の各ステップに沿って、本サービスを利用する各者の間における情報の授受等を説明する。
本サービスは、所定の商品又は役務を商品等として所定対価で提供される際に、従来利用されている価値に代えて、他の価値による決済を支援するものである。
即ち例えば、従来、現金や電子マネーは、法定通貨と同等の価値を持つものであり、所定対価についての支払手段として機能する。例えば、ある国における法定通貨の現金(貨幣)は、その国の国内における法定通貨の単位(例えば、円)の価値で通用する。
【0011】
本サービスにおいては、従来の顧客C、店舗S、及び、QRコード決済者QPの他に、他の価値を提供するサービスの提供をしようとする地方自治体PEと、本サービスのサービス提供者SAとが各種情報の授受を行う。
ここで、本サービスにおける顧客Cは、所定の商品又は役務を商品等として所定対価で購入しようとする者である。顧客Cは、所有しているスマートフォン等の端末(例えば、図2の顧客端末3)を操作して本サービスを利用する。
また、店舗Sは、商品等を所定対価で顧客Cに提供する者である。店舗Sは、POSシステム(例えば、図2の店舗端末4)を操作することで、当該店舗Sにおける決済状況を記録する。
従来、顧客Cと、店舗Sとは、上述のように現金や電子マネーを用いて商品等の所定対価の決済を行い、その対価として商品等が顧客Cに提供されるのが通常である。
【0012】
ここで、QRコード決済者QPは、商品等の所定対価の顧客Cに対する決済を第1価値でする者である。即ち、QRコード決済者QPは、法定通貨の単位(例えば、円)の価値を第1価値として、決済事業を行っている。具体的には例えば、従来、QRコード決済者QPは、QRコード決済者QPが提供する決済システムを、店舗Sや顧客Cに提供する。具体的には例えば、QRコード決済者QPにより用意されたQRコードが付されたプレート等がその店舗Sに配置される。そして、店舗Sや顧客Cは、QRコード決済者QPにより提供されるQRコード決済用のアプリケーションソフトウェア(以下、「QRコード決済アプリ」と呼ぶ)を利用して、決済を行う。
しかしながら、本発明の一実施形態に係る決済システムにおいては、顧客Cは、QRコード決済者QPにより提供されるQRコード決済アプリを直接的には利用せず、本サービスのサービス提供者SAを介してQRコード決済者QPにより提供される決済システムを利用することができる。
その結果として、サービス提供者SAは、本サービスの利用のため、店舗Sに対して勧誘を行ったり、店舗Sに決済用の端末や決済用のQRコード等を配置する必要なく、比較的容易に本サービスの提供が可能となる。また、店舗Sにとっても、同様に、新たな決済システムの導入を行うよりも容易に本サービスを導入することができるのである。
【0013】
また、地方自治体PEは、その地方自治体PEの管轄する特定地域(例えば、都道府県単位や市区町村単位等)の小売店(店舗S)の利用を促すためのキャンペーンを行うことがある。以下、地方自治体PEは、特定地域の店舗Sのみで利用可能な通貨を発行するキャンペーンを行うものとして説明する。
即ち、地方自治体PEは、その地方自治体PE自身の予算を原資として、その特定地域に住む者に地域通貨として有償譲渡(例えば、12000円相当の買物が可能な地域通貨を10000円で販売)したり、その特定地域に宿泊した者に無償譲渡(例えば、宿泊者に近隣店舗で3000円として利用可能なクーポン券を配布)したりする。
従来、このような、特定地域でのみ利用可能なチケットは、チケット形式で配布されることが多かった。このようなチケット形式での配布は、店舗や地方自治体でのチケットの管理等が煩雑となり、近年進んでいるキャッシュレス決済(QRコード決済等)とは相性が悪いものであった。
本サービスは、このような、第1価値とは異なり、特定地域のみで利用可能といった第2価値を用いて、その特定地域の店舗Sで利用可能な利便性の高い決済システムを提供するものである。
【0014】
即ち、本サービスは以下に示すメリットを有するものである。
まず、本サービスは、地方自治体PEにとって、コスト削減を図ることができる。即ち、地域通貨の配布には、チケットの発行や販売、チケットの管理、店舗Sに集まったチケットの換金、店舗Sの管理等多くのコストが発生していた。本サービスは、QRコード決済者QPによる決済システムを用いることで、これらの多くを解消することができる。
【0015】
また、本サービスは、地域への継続的な還元力を有する。即ち、詳しくは後述するが、本サービスを用いて特定地域の地域通貨を利用することで、その特定地域のみで利用可能なポイントが再度配布されるようにすることができる。これにより、地域通貨の額面以上にその地域での貨幣の循環を向上させることが可能となり得る。
【0016】
また、本サービスは、小売店(店舗S)にとって参画しやすいものとなっている。即ち、店舗Sにとっては、地域通貨のチケット等の管理の煩雑さからも解放され、新たなキャッシュレス決済サービスのために口座情報を登録したり、新たなキャッシュレス決済サービスのための設備(端末やQRコード等)を設置する必要が無い。即ち、店舗Sは、地域通貨のキャンペーン等に容易に参画することができる。
【0017】
また、本サービスは、顧客Cにとって地域貢献への満足度を向上させることができるものとなっている。即ち、上述したように店舗Sが容易に参画できることで、利用可能な店舗Sの数が多くなる。その結果、顧客Cにとっては地域通貨を利用可能な店舗Sが増加することとなり、さらに地域貢献の意識を高めることができる。
【0018】
以下、本サービスの利用の流れについて、図1を用いて説明する。
まず、前提として、ステップST11に示すように、QRコード決済者QPは、店舗Sに対して、QRコード決済システムを導入する。即ち、店舗Sには、QRコード決済者QPにより提供されるQRコードが付されたプレートの配置等がなされ、決済システムが利用可能な状態となる。また、この時、店舗Sの口座情報等もQRコード決済者QPに提供され、適宜管理される。
【0019】
次に、ステップST12に示すように、店舗Sは、地方自治体PEに対して、地域通貨のキャンペーンへの参加登録をする。地方自治体PEは、店舗Sが特定地域の店舗であること等を確認し、店舗Sをキャンペーンの対象店舗として管理する。
【0020】
次に、ステップST13に示すように、店舗Sは、サービス提供者SAにより提供される本サービスに参加する。具体的には例えば、地方自治体PEは、当該キャンペーンに本サービスを利用することを前提として、店舗Sは、店舗Sの情報と、QRコード決済者QPにより提供されるQRコード等を含む情報を店舗情報としてサービス提供者SAに提供する。
サービス提供者SAは、地方自治体PEにより提供される情報に基づき店舗Sがキャンペーンの対象店舗である場合には、店舗情報を対象店舗の情報として管理する。このとき、サービス提供者SAは、QRコード決済者QPにより店舗Sに割当てられたQRコードを取得して管理する。
【0021】
次に、ステップST21に示すように、地方自治体PEは、地域通貨を顧客Cに対して譲渡する。具体的には例えば、地方自治体PEは、特定地域に住む者に地域通貨として有償譲渡(例えば、12000円相当の買物が可能な地域通貨を10000円で販売)したり、その特定地域に宿泊した者に無償譲渡(例えば、宿泊者に近隣店舗で3000円として利用可能なクーポン券を配布)したりする。
【0022】
次に、ステップST22に示すように、顧客Cは、サービス提供者SAが提供する本サービスに登録すると共に地域通貨(第2価値)を管理させる。
ここで、地域通貨キャンペーンと記載された用紙には、2つのQRコードが印刷されている。第1のQRコードは、本サービスの利用のための専用のアプリケーションソフトウェア(以下、「専用アプリ」と呼ぶ)をインストールするためのURL(Uniform Resource Locator)等の情報が埋め込まれている。顧客Cは、第1のQRコードを読み込むことで、顧客Cが保有する端末に専用アプリをインストールする。
そして、サービス提供者SAにより提供されるマイページ登録機能により、顧客Cはマイページの作成・顧客C自身のユーザとしての情報(顧客情報)を管理することができる。
【0023】
また、第2のQRコードは、専用アプリにより譲渡された地域通貨を反映させるためのQRコードである。即ち、第2のQRコードには、地域通貨の額(第2価値の大きさ)や一意なシリアルコード等の情報が埋め込まれている。顧客Cは、専用アプリを用いて第2のQRコードを読み込むことで、譲渡された地域通貨を専用アプリ上で管理することができる。即ち、サービス提供者SAにより提供されるチャージ機能により、地域通貨のチャージを行うことができる。即ち、顧客Cの顧客情報に、地域通貨(第2価値)が対応付けられて管理される。
なお、本サービスでは、地域通貨(第2価値)の他に、通常の通貨(第1価値)についてもチャージし、第1価値と第2価値との両方を同時に用いて決済することができる。しかしながら、以下、説明を簡単とするため、第2価値のみがチャージされ、第2価値のみで商品の購入等を行うものとして説明する。
【0024】
次に、ステップST31に示すように、顧客Cは、店舗Sで商品等を購入する際に、専用アプリを起動し、QRコード決済者QPにより店舗Sに配置されたQRコードを読み込む。これにより、店舗Sを特定する情報が顧客Cに提供される。
【0025】
次に、ステップST32に示すように、顧客Cは、専用アプリ上で商品等の価格等(第1価値)を入力する。そして、ステップST31で提供された店舗Sに配置されたQRコードの情報と、商品等の価格、顧客Cを特定する情報が、サービス提供者SAに提供される。
【0026】
次に、ステップST33に示すように、サービス提供者SAは、顧客Cが商品等の価格等(第1価値)以上に地域通貨(第2価値)を保有しているか、店舗Sが地方自治体PEによりキャンペーンの対象店舗とされているか等を確認する。
顧客Cが商品等の価格等(第1価値)以上に地域通貨(第2価値)を保有しており、店舗Sが地方自治体PEによりキャンペーンの対象店舗とされている場合、確認の結果として、決済してよいと判定される。
【0027】
決済して良いと判定された場合、ステップST34に示すように、サービス提供者SAは、QRコード決済者QPに対して、QRコード決済者QPにより店舗Sに配置されたQRコードを利用して、商品等の価格等(第1価値)での決済を行う。
次に、ステップST35に示すようにQRコード決済者QPから決済完了の通知がなされる。
【0028】
次に、ステップST36に示すように、サービス提供者SAは、顧客情報に対応付けられた顧客Cの地域通貨(第2価値)から、決済に用いた商品等の価格等(第1価値)の相当額を引き去る。
そして、ステップST37に示すように、サービス提供者SAは、顧客Cに対して決済が完了した旨や、決済完了後の地域通貨(第2価値)の額等を通知する。
これにより、顧客Cは店舗Sに対して商品等に対する所定対価の支払いが完了したこととなる。
【0029】
また、ステップST41に示すように、地方自治体PEは、必要な時に、サービス提供者SAのシステムにWEBブラウザ等でアクセスすることにより、地域通貨の利用状況などの確認をすることができる。
また、ステップST42に示すように、QRコード決済者QPは、適宜、店舗Sに対して決済された所定対価(場合により、QRコード決済の利用料を差し引いた額)が振り込まれる。
このように、店舗Sにとっては、QRコード決済者QPによるサービスが直接利用された場合と、本サービスが利用された場合とで相違なく、対価が支払われるので、資金管理等の利便性が損なわれることはない。
【0030】
なお、図示はしないが、QRコード決済者QPが店舗Sに支払う分の資金等は、どの時点で渡されてもあってもよい。具体的には例えば、ステップST34においてサービス提供者SAや地方自治体PEがQRコード決済者に提供する際に資金等を電子的に渡すための処理がされてもよい。また例えば、所定の期日で資金等が集計され、サービス提供者SAや地方自治体PEからQRコード決済者QPに資金等を電子的に渡すための処理がされてもよい。
【0031】
以上、図1を用いて、本サービスの概要について説明した。
以下、図2乃至図4を用いて、本サービスの提供に係る情報処理システムの構成等について説明する。
【0032】
図2は、本発明の情報処理システムの一実施形態の構成を示す図である。
図3に示す情報処理システムは、サービス提供者サーバ1と、地方自治体端末2と、顧客端末3と、店舗端末4と、QRコード決済者サーバ5とを含むように構成されている。
【0033】
サービス提供者サーバ1と、サービス提供者サーバ1と、地方自治体端末2と、顧客端末3と、店舗端末4と、QRコード決済者サーバ5は、インターネット等の所定のネットワークNWを介して相互に接続されている。
【0034】
サービス提供者サーバ1は、サービス提供者SAにより管理される情報処理装置である。サービス提供者サーバ1は、地方自治体端末2と、顧客端末3と、店舗端末4と、QRコード決済者サーバ5と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。
【0035】
サービス提供者サーバ1は、サービス提供者SAにより管理され、本サービスの提供に係る各種情報の管理及び授受を行うものである。即ち、図1において、サービス提供者SAを介して行われていた各種情報の授受は、サービス提供者サーバ1を介して行われる。
【0036】
地方自治体端末2は、地方自治体PEの担当者等により利用される情報処理装置である。
顧客端末3は、顧客Cにより利用されるスマートフォン等の情報処理装置である。
店舗端末4は、店舗Sの担当者等により利用される情報処理装置である。例えば、店舗Sの担当者は、店舗端末4を用いて、本サービスへの利用の登録を行ったり、地域通貨での売り上げの確認を行うこともできる。
【0037】
QRコード決済者サーバ5は、QRコード決済者QPにより管理される情報処理装置である。即ち、QRコード決済者サーバ5は、QRコード決済者QPにより運営されているQRコード決済システムに係るサーバである。
なお、図1の説明における各者の間における情報の授受等については、基本的に各者が有する情報処理装置を介して行われる。
【0038】
図3は、図2の情報処理システムのうちサービス提供者サーバ1のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0039】
サービス提供者サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memoy)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0040】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0041】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0042】
出力部16は、液晶等のディスプレイにより構成され、各種画像を表示する。
入力部17は、各種ハードウェア釦等で構成され、操作者の指示操作に応じて各種情報を入力する。
【0043】
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNWを介して他の装置との間で行う通信を制御する。
【0044】
ドライブ20は、必要に応じて設けられる。ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア41が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア41から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部28にインストールされる。また、リムーバブルメディア41は、記憶部28に記憶されている各種データも、記憶部28と同様に記憶することができる。
【0045】
なお、図示はしないが、図3の情報処理システムのうち、地方自治体端末2と、顧客端末3と、店舗端末4と、QRコード決済者サーバ5も、図3に示すハードウェア構成を有している。なお、顧客端末3や店舗端末4は、出力部16及び入力部17が一体になったタッチパネル等を備えるスマートフォン等であってもよい。
【0046】
このような図3のサービス提供者サーバ1、地方自治体端末2、顧客端末3、店舗端末4及びQRコード決済者サーバ5の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、サービス提供者サーバ1と、地方自治体端末2と、顧客端末3と、店舗端末4と、QRコード決済者サーバ5とにおいて、各種処理の実行が可能になる。その結果、サービス提供者SAは、ユーザ企業UCや顧客Cに対し、上述の本サービスを提供することができる。
【0047】
図4は、図3の情報処理システムの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【0048】
図4に示すように、サービス提供者サーバ1においては、第2決済情報取得部101と、価値変換部102と、第3決済情報提供部103とが少なくとも機能する。
また、サービス提供者サーバ1の記憶部18の一領域には、店舗情報DB151と、顧客情報DB152とが備えられる。
また、顧客端末3においては、第2価値取得部301と、第1決済情報取得部302と、第2決済情報提供部303とが少なくとも機能する。
また、QRコード決済者サーバ5においては、第3決済情報取得部501と、決済処理実行部502とが少なくとも機能する。
【0049】
サービス提供者サーバ1は、図1のステップST11乃至ST13において、本サービスの対象となる店舗Sについての店舗情報を取得する。取得された店舗情報は、予め店舗情報DB151に格納されて管理される。
【0050】
また、サービス提供者サーバ1は、図1のステップST21及びST22において、顧客Cについての顧客情報を取得する。取得された顧客情報は、予め顧客情報DB152に格納されて管理される。
顧客情報には、顧客Cについての氏名等の各種情報や、地域通貨(第2価値)の残額等の情報が含まれる。
以下、図1のステップST31乃至ST37における各機能ブロックが発揮する機能について説明する。
【0051】
顧客端末3の第2価値取得部301は、少なくとも商品等の所定対価以上の地域通貨(第2価値)の使用権利を取得する。即ち、第2価値取得部301は、顧客Cが決済しようとしている商品等の所定対価以上の地域通貨の仕様権利を取得する。具体的には、第2価値取得部301は、例えば、顧客Cの操作により読み取られた地域通貨キャンペーンの用紙に印刷された第2のQRコードに基づいて、サービス提供者サーバ1において管理されている顧客情報として記憶させる。また、第2価値取得部301は、サービス提供者サーバ1において管理されている顧客情報に基づいて、現在顧客Cが少なくとも商品等の所定対価以上の地域通貨の使用権利を有している旨を取得することもできる。
【0052】
第1決済情報取得部302は、決済しようとしている店舗Sに配置されたQRコードを第1決済情報として取得する。
【0053】
第2決済情報提供部303は、第1決済情報、所定対価に対応する第2価値の使用を示す第2価値情報、及び顧客Cを特定可能な顧客情報を、第2決済情報としてQRコード決済者サーバ5に提供する。
なお、第2決済情報は、サービス提供者サーバ1を介してQRコード決済者サーバ5に提供される。この時、サービス提供者サーバ1は、第2決済情報に基づいた決済の可否について、判定する(図1のステップST33)。以下、第2決済情報に基づいた決済の可否において、可とされたものとして説明を続ける。
【0054】
サービス提供者サーバ1の第2決済情報取得部101は、第2決済情報を取得する。
【0055】
価値変換部102は、第2価値情報により示される第2価値を、第1価値に変換する処理を実行する。即ち、価値変換部102は、地域通貨といった第2価値に相当する第1価値を用いて、店舗Sに対しての決済をする。
【0056】
第3決済情報提供部103は、第1決済情報、価値変換手段により変換された第1価値の使用を示す第1価値情報、及び顧客情報を、第3決済情報としてQRコード決済者サーバ5に提供する。即ち、第3決済情報提供部103は、顧客情報で特定される顧客Cについて、第1価値によって店舗Sに対して決済を行うための情報を、QRコード決済者サーバ5に提供する。
【0057】
QRコード決済者サーバ5の第3決済情報取得部501は、第3決済情報を取得する。
決済処理実行部502は、第3決済情報に基づいて、商品等の所定対価の顧客Cに対する決済を、第1価値で決済をする処理を実行する。
【0058】
このように、サービス提供者サーバ1において地域通貨(第2価値)が管理されると共に、第2価値から第1価値への変換がなされ、QRコード決済者サーバ5を用いて第1価値での決済が行われるのである。
【0059】
以上、図2乃至図4を用いて、本サービスの提供に係る情報処理システムの構成等について説明した。
以下、本サービスの利用における、顧客Cによる顧客端末3の操作の流れについて、図5乃至図12を用いて説明する。
【0060】
図5は、図1の本サービスを利用した、地域通貨キャンペーンにおける地域通貨配布に係る用紙の一例を示す図である。
図5の用紙には、第1のQRコード(用紙左側)と第2のQRコード(用紙右側)が印刷されている。顧客Cは、顧客端末3を操作して第1のQRコードを読み取ることにより、専用アプリ(図5乃至図12の説明において、「地域PAYアプリ」と呼ぶ)をインストールする。
そして、詳しくは後述するが、顧客Cは、地域PAYアプリを用いて第2のQRコードを読み込むことで、地域通貨を取得することができる。
なお、図5の例に示す「XX」という名称は、地域名(市区町村名等)である。即ち、図5の例の用紙は、XXへようこそキャンペーン2021として、地域通貨が配布されるものである。
【0061】
図6は、図5の用紙を用いて顧客端末にインストールされた地域PAYアプリの画面の一例を示す図である。
【0062】
顧客Cが顧客端末3に地域PAYアプリがインストールされると、図6に示す画面が表示される。図6に示す画面においては、地域通貨(第2価値であって、ここでの単位はpt)は、ゼロとなったいる。また、残高の上には、XXPAYと表示されている。即ち、地域名XXにおける地域通貨である旨が示されている。
【0063】
図7は、図6の地域PAYアプリにおいて、地域通貨に関するメニュー画面の一例を示す図である。
図7に示すように、地域PAYアプリにおいては、地域通貨を用いた支払いとチャージとが可能である。初回においては、残高がゼロptである。そこで、顧客Cは、チャージボタンをタップ操作等する。
【0064】
図8は、図7の地域PAYアプリにおいてチャージする操作がなされ、図5に示す用紙から地域通貨をチャージした際の画面の一例を示す図である。
顧客Cが図7に示す画面等から、チャージボタンをタップ操作し、顧客端末3に図5に示す用紙の第2のQRコードを読み込ませると、第2のQRコードに基づき地域通貨がその顧客Cの顧客情報に反映される。
その結果、図8に示すように、例えば、顧客Cに対して3000ptの地域通貨(第2価値)を保有する旨が表示される。
【0065】
図9は、図8に示す地域通貨のチャージ後における、図7に示す地域通貨に関するメニュー画面の一例である。
図9に示すように、顧客Cは、自身が地域通貨(第2価値)を3000pt保有している旨を把握し、支払うボタンをタップ操作等することで、支払いを行うことができる。
【0066】
図10は、店舗における支払いの様子を示す図である。
図10に示すように、店舗Sにおいては、店舗端末4(ここでは、POS端末)に、2,200円と、通常の通貨(第1価値)として表示される。
顧客Cは、顧客端末3を操作し、店舗Sに配置されたQRコード決済者QP(ここでは、YYPAYの運営会社等)の決済用QRコードを読み込む。この時、顧客端末3では、YYPAYのアプリケーションソフトウェアではなく、本サービスのための地域PAYアプリのXXPAY(地域名XXの地域通貨利用画面)を用いて読み込む。
このように、QRコード決済者QPが設置したYYPAYのQRコードを用いて、XXPAYの地域通貨(第2価値)で、通常の通貨(第1価値)の商品等を購入することが可能となるのである。
【0067】
図11は、図10に示す店舗での支払い後における、地域PAYアプリの画面の一例をめす図である。
図11に示すように、上述のQRコード決済者QPにより提供される決済システムが利用され、決済が完了した場合、サービス提供者サーバ1を介して、地域PAYアプリには決済完了画面が表示される。また、地域通貨(第2価値)の残高として800ptが表示される。
このように、顧客Cの地域通貨(第2価値)の管理が行われるのである。
【0068】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0069】
ここで、以下、上述の実施形態とは別に、店舗Sと顧客C、サービス提供者SA等との間における、ギフトシステムについて説明する。
ギフトセレクトカードとは、ギフトを貰う権利を有することを示す情報が記載されたカードである。
店舗Sは、ギフトセレクトカードを顧客Cに販売する。そして、顧客Cは、ギフトカードに記載された情報を用いることで、第1乃至第3の商品等の何れかの商品等を受け取ることができる。また例えば、顧客Cは、ギフトセレクトカードを他者(知人等)に譲渡することで、ギフトセレクトカードをその他人に使わせることができる。即ち、ギフトセレクトカードを購入した顧客Cは、第1乃至第3の商品等(ギフト)を受け取る権利をギフトセレクトカードという形で他者に譲渡することができる。また、他者にとっては、第1乃至第3の商品等のうち、自身にとって好適な商品等を選択することができる。
【0070】
即ち、
1種以上のギフトを請求できる媒体(例えば、ギフトカード)を複数種類備える媒体プール(例えば、カードホルダ)を備え、
前記媒体プールを管理する管理システムであって、
1種以上の媒体の選択を受付ける選択受付手段と、
選択受付手段により受け付けられた媒体ないしは当該媒体に掲載されたギフトを送らせる送付手段と、
を備えれば、上述の効果を奏することができる。
【0071】
なお、上述の効果は、複数の商品等から1の商品等を得ることができるギフトセレクトカードでなくとも、単一の商品等を受け取る権利を有するギフトカードを複数種類用いる以下に示す解決手段により解決することもできる。
即ち、
1種以上のギフトを請求できる媒体(例えば、ギフトカード)を複数種類備える媒体プールを備え、
この媒体プールを管理する管理システムであって
1種以上の媒体の選択を受付ける選択受付手段と、
選択受付手段により受け付けられた媒体ないしは当該媒体に掲載されたギフトを送らせる送付手段と、
を備えれば足りる。
【0072】
また、上記ギフト提供システムにおいて、
1つの媒体(ギフトカード)中で選択できるギフトの種類数と、媒体プールの中で選択できる媒体の種類数と、を調整する調整手段であって、前記媒体の種類数を多くするにつれて前記ギフトの種類数を増減させる調整手段、
を備えると好適である。
【0073】
また例えば、ギフトカードについて、以下のような形態が考えられる。
即ち例えば、所定のモール内に各種商品等の提供店が存在する場合において、その各種商品等のうち所定の商品等(のうち1つ、又は、複数の内何れか)を受け取る権利を示すギフトカードが導入される。
そして、所定のモール内に自動車販売店等が存在する場合において、自動車販売に関する所定条件を満たした場合(例えば、自動車購入の成約や見積もり依頼)が有った場合において、ギフトカードをその顧客に対して譲渡することができる。
その結果、顧客にとっては、自動車を購入した際にモール内の他店の商品等をギフトとしてもらうことができる。また、自動車販売店にとっては、モール内ギフトをカードの形態で用意することができるため、在庫管理等を容易にすることができる。
これは、モールに限らず、近所のスーパー等に適用することができる。
即ち、
提供するサービスや商品を有する販売場所、この販売場所で提供されるサービスや商品に関連付けられたギフトを掲載した媒体(カード)を提供する提供手段と、
前記媒体(カード)に掲載されたギフトを提供するギフト提供場所を、前記販売場所で提供されるサービスや商品に対応したギフトを割り当てるにあたり、前記ギフト提供場所に既に存在する仕様品の時価を考慮して適宜その商品をギフトとして割り当てる割り当て手段と、
を備えるギフト提供システムであれば足りる。
【0074】
即ち、QRコード決済者QPによりQRコード決済システムの利用者(ここでは、顧客C)に対して付与されるポイントが、再度、サービス提供者SA(サービス提供者サーバ1)により管理されてもよい。
即ち、QRコード決済者QPは、QRコード決済システムの利用者(ここでは、顧客C)に対してそのQRコード決済システムで利用可能なポイントを配布(いわゆる、ポイント還元)することがある。
即ち、従来、このようなQRコード決済システムは、第1価値での支払いに対する還元であるため、第1価値として還元される。その結果、地方自治体PEの管轄外の店舗S等で利用されてしまう可能性が有った。
しかしながら、本サービスでは、QRコード決済者QPからの還元は、サービス提供者SAに対して行われるようにすることができる。そして、サービス提供者SAは、還元された第1価値を、第2価値に変換して、顧客Cに付与することができる。
このように、本サービスにより、還元された第1価値を再度第2価値として顧客Cに付与することで、地方自治体PEにより提供された資金等以上の第1価値が、店舗S等で利用されるようにすることが可能となる。即ち、地域通貨の額面以上にその地域での貨幣の循環を向上させることが可能となり得るのである。
【0075】
また、上述の実施形態において、第1価値は法定通貨の単位(例えば、円)の価値であって、第2価値は地域通貨の価値であるものとしたが、特にこれに限定されない。
即ち、第1価値と第2価値とは、互いに同一ではなく、異なる適用範囲であったり、異なる単位(例えば、円と所定レートで換算可能なpt)となるものであればよい。これにより、本サービスにより適用範囲やレートの管理が可能となる。
【0076】
また、上述の実施形態において、第2価値は地域通貨であるものとしたが、所定範囲で通用する価値であれば足りる。即ち例えば、第2価値は、所定の範囲として所定の店舗Sの連合(例えば、商店街)のみで通用する通貨であってもよい。
なお、この場合、地方自治体PEに代わり、商店街の運営者等が本サービスを利用することができる。
【0077】
また、上述の実施形態において、QRコード(登録商標)が用いられるものとして説明したが、特にこれに限定されない。即ち例えば、任意の一次元や二次元バーコード等の任意のバーコードが用いられてもよい。更に言えば、上述の実施形態は、バーコードに限定されず、任意の画像等により店舗等を特定する決済システムに適用することができる。
【0078】
図3に示すサービス提供者サーバ1のハードウェア構成は、本発明の目的を達成するための例示に過ぎず、特に限定されない。
【0079】
また、図4に示す機能ブロック図は、例示に過ぎず、特に限定されない。即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは、特に図4の例に限定されない。
【0080】
また、機能ブロックの存在場所も、図4に限定されず、任意でよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0081】
各機能ブロックの処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばプラットフォームサーバの他汎用のスマートホンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0082】
このようなプログラムを含む記録媒体は、各ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される、リムーバブルメディアにより構成されるだけではなく、装置本体に予め組み込まれた状態で各ユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0083】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に添って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
【0084】
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものである。
【0085】
以上まとめると、本発明が適用される情報処理システムは、次のような構成を取れば足り、各種各様な実施形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置は、
所定の商品又は役務を商品等として所定対価で顧客(例えば、図1の顧客C)に譲渡する商品譲渡者(例えば、図1の店舗S)により操作される商品譲渡者端末(例えば、図4の店舗端末4)、
前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値(例えば、明細書中における法定通貨)で決済をする決済者(例えば、明細書中のQRコード決裁者)により操作される決済者端末(例えば、図4のQRコード決裁者サーバ5)と、
前記顧客により操作される顧客端末(例えば、図4の顧客端末3)と、
前記商品等の決済として前記顧客により第2価値(例えば、明細書中における地域通貨)が使用された場合、前記決済者に対して前記第1価値の決済として依頼する決済代行者により操作される決済代行者端末(例えば、図4のサービス提供者サーバ1)と、
前記商品譲渡者により保有され、前記決済者に対して前記第1価値で決済させるために必要な情報、及び前記商品譲渡者を特定可能な情報を含む第1決済情報が付された決済用媒体(例えば、明細書中におけるQRコードが付されたプレート等)と、
を備える決済システムにおいて、
前記顧客端末は、
少なくとも前記所定対価以上の前記第2価値の使用権利を取得する第2価値取得手段(例えば、図4の第2価値取得部301)と、
前記第1決済情報を取得する第1決済情報取得手段(例えば、図4の第1決済情報取得部302)と、
前記第1決済情報、前記所定対価に対応する前記第2価値の使用を示す第2価値情報、及び前記顧客を特定可能な顧客情報を、第2決済情報として前記決済代行者端末に提供する第2決済情報提供手段(例えば、図4の第2決済情報取得部303)と、
を備え、
前記決済代行者端末は、
前記第2決済情報を取得する第2決済情報取得手段(例えば、図4の第2決済情報取得部101)と、
前記第2価値情報により示される第2価値を、前記第1価値に変換する処理を実行する価値変換手段(例えば、図4の価値変換部102)と、
前記第1決済情報、前記価値変換手段により変換された前記第1価値の使用を示す第1価値情報、及び前記顧客情報を、第3決済情報として前記決済者端末に提供する第3決済情報提供手段(例えば、図4の第3決済情報提供部103)と、
前記決済者端末は、
前記第3決済情報を取得する第3決済情報取得手段(例えば、図4の第3決済情報取得501)と、
前記第3決済情報に基づいて、前記商品等の前記所定対価の前記顧客に対する決済を、第1価値で決済をする処理を実行する決済処理実行手段(例えば、図4の決済処理実行部502)と、
を備えれば足りる。
これにより、新たな決済システムを導入する際の利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0086】
1・・・サービス提供者サーバ、2・・・地方自治体端末、3・・・顧客端末、4・・・店舗端末、5・・・コード決済者サーバ、11・・・CPU、20・・・ドライブ、28・・・記憶部、41・・・リムーバブルメディア、101・・・第2決済情報取得部、102・・・価値変換部、103・・・第3決済情報提供部、151・・・店舗情報DB、152・・・顧客情報DB、301・・・第2価値取得部、302・・・第1決済情報取得部、303・・・第2決済情報提供部、501・・・第3決済情報取得部、502・・・決済処理実行部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11