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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023086979
(43)【公開日】2023-06-22
(54)【発明の名称】端末及び基地局
(51)【国際特許分類】
   H04W 92/18 20090101AFI20230615BHJP
   H04W 72/0446 20230101ALI20230615BHJP
   H04W 88/04 20090101ALI20230615BHJP
   H04W 72/232 20230101ALI20230615BHJP
   H04W 72/231 20230101ALI20230615BHJP
   H04W 72/25 20230101ALI20230615BHJP
【FI】
H04W92/18
H04W72/0446
H04W88/04
H04W72/232
H04W72/231
H04W72/25
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023074958
(22)【出願日】2023-04-28
(62)【分割の表示】P 2020546582の分割
【原出願日】2018-09-11
(71)【出願人】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124844
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 隆治
(72)【発明者】
【氏名】大澤 良介
(72)【発明者】
【氏名】グオ シャオツェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン ホワン
(72)【発明者】
【氏名】コウ ギョウリン
(57)【要約】
【課題】端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定すること。
【解決手段】端末は、端末間直接通信に使用するリソースを要求する情報を基地局に送信する送信部と、端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を前記基地局から受信する受信部と、前記リソースを示す情報に基づいて、他の端末への送信を実行する制御部とを有し、前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であり、前記受信部は、前記準静的UE個別設定をRRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して前記基地局から受信し、前記動的設定を物理レイヤシグナリングを介して前記基地局から受信する。
【選択図】図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末間直接通信に使用するリソースを要求する情報を基地局に送信する送信部と、
端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を前記基地局から受信する受信部と、
前記リソースを示す情報に基づいて、他の端末への送信を実行する制御部とを有し、
前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であり、
前記受信部は、前記準静的UE個別設定をRRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して前記基地局から受信し、前記動的設定を物理レイヤシグナリングを介して前記基地局から受信する端末。
【請求項2】
前記準静的UE個別設定は、前記準静的UE共通設定の周期の整数倍の周期に対応するビットマップで端末間直接通信に使用するリソースを指定する請求項1記載の端末。
【請求項3】
前記準静的UE個別設定によって指定される端末間直接通信に使用するリソースのうち、すべての下りリンクリソース、同期信号又はシステム情報を含む下りリンクリソース、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を含む下りリンクリソース、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を含む上りリンクリソース、PRACH(Physical Random Access Channel)を含む上りリンクリソース又はSRS(Sounding Reference Signal)を含む上りリンクリソースは、端末間直接通信に使用するリソースから除外される請求項1記載の端末。
【請求項4】
前記制御部は、ある端末における前記基地局から送信される信号の測定結果が閾値を下回った場合、前記準静的UE個別設定又は前記動的設定を前記ある端末にリレーする請求項1記載の端末。
【請求項5】
前記制御部は、前記準静的UE個別設定又は前記動的設定を、前記基地局の圏外に位置するある端末にリレーする請求項1記載の端末。
【請求項6】
端末間直接通信に使用するリソースを要求する情報を端末から受信する受信部と、
端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を前記端末に送信する送信部と、
前記リソースを示す情報に基づいて、端末間直接通信を制御する制御部とを有し、
前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であり、
前記送信部は、前記準静的UE個別設定をRRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して前記端末に送信し、前記動的設定を物理レイヤシグナリングを介して前記端末に送信する基地局。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線通信システムにおける端末及び基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
LTE(Long Term Evolution)及びLTEの後継システム(例えば、LTE-A(LTE Advanced)、NR(New Radio)(5Gともいう。))では、ユーザ装置同士が基地局装置を介さないで直接通信を行うD2D(Device to Device)技術が検討されている(例えば非特許文献1)。
【0003】
D2Dは、ユーザ装置と基地局装置との間のトラフィックを軽減し、災害時等に基地局装置が通信不能になった場合でもユーザ装置間の通信を可能とする。なお、3GPP(登録商標)(3rd Generation Partnership Project)では、D2Dを「サイドリンク(sidelink)」と称しているが、本明細書では、より一般的な用語であるD2Dを使用する。ただし、後述する実施の形態の説明では必要に応じてサイドリンクも使用する。
【0004】
D2D通信は、通信可能な他のユーザ装置を発見するためのD2Dディスカバリ(D2D discovery、D2D発見ともいう。)と、ユーザ装置間で直接通信するためのD2Dコミュニケーション(D2D direct communication、D2D通信、端末間直接通信等ともいう。)と、に大別される。以下では、D2Dコミュニケーション、D2Dディスカバリ等を特に区別しないときは、単にD2Dと呼ぶ。また、D2Dで送受信される信号を、D2D信号と呼ぶ。NRにおけるV2X(Vehicle to Everything)に係るサービスの様々なユースケースが検討されている(例えば非特許文献2)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】3GPP TS 36.211 V15.2.0(2018-06)
【非特許文献2】3GPP TR 22.886 V15.1.0(2017-03)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
D2D通信に使用されるリソースが、上りリンク及び下りリンクに使用されるリソースと共通するバンドに設定される場合、要求されるトラフィックの特性に応じてリソースを柔軟に設定する方法が必要となる。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示の技術によれば、端末間直接通信に使用するリソースを要求する情報を基地局に送信する送信部と、端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を前記基地局から受信する受信部と、前記リソースを示す情報に基づいて、他の端末への送信を実行する制御部とを有し、前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であり、前記受信部は、前記準静的UE個別設定をRRC(Radio Resource Control)シグナリングを介して前記基地局から受信し、前記動的設定を物理レイヤシグナリングを介して前記基地局から受信する端末が提供される。
【発明の効果】
【0009】
開示の技術によれば、端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】V2Xを説明するための図である。
図2】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例を説明するための図である。
図3】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(1)を示す図である。
図4】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(2)を示す図である。
図5】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(3)を示す図である。
図6】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(4)を示す図である。
図7】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(5)を示す図である。
図8】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(6)を示す図である。
図9】本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(7)を示す図である。
図10】本発明の実施の形態における通信シーケンスの例(1)を説明するための図である。
図11】本発明の実施の形態における通信シーケンスの例(2)を説明するための図である。
図12】本発明の実施の形態における基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。
図13】本発明の実施の形態におけるユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。
図14】本発明の実施の形態における基地局装置10又はユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下で説明する実施の形態は一例であり、本発明が適用される実施の形態は、以下の実施の形態に限られない。
【0012】
本発明の実施の形態の無線通信システムの動作にあたっては、適宜、既存技術が使用される。ただし、当該既存技術は、例えば既存のLTEであるが、既存のLTEに限られない。また、本明細書で使用する用語「LTE」は、特に断らない限り、LTE-Advanced、LTE-Advanced以降の方式(例:NR)又は無線LAN(Local Area Network)を含む広い意味を有するものとする。
【0013】
また、本発明の実施の形態において、複信(Duplex)方式は、TDD(Time Division Duplex)方式でもよいし、FDD(Frequency Division Duplex)方式でもよいし、又はそれ以外(例えば、Flexible Duplex等)の方式でもよい。
【0014】
また、以下の説明において、送信ビームを用いて信号を送信する方法は、プリコーディングベクトルが乗算された(プリコーディングベクトルでプリコードされた)信号を送信するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF(Radio Frequency)回路内の可変移相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信する方法は、所定の重みベクトルを受信した信号に乗算するデジタルビームフォーミングであってもよいし、RF回路内の可変位相器を用いてビームフォーミングを実現するアナログビームフォーミングであってもよい。デジタルビームフォーミングとアナログビームフォーミングを組み合わせたハイブリッドビームフォーミングが送信及び受信に適用されてもよい。また、送信ビームを用いて信号を送信することは、特定のアンテナポートで信号を送信することであってもよい。同様に、受信ビームを用いて信号を受信することは、特定のアンテナポートで信号を受信することとであってもよい。アンテナポートとは、3GPPの規格で定義されている論理アンテナポート又は物理アンテナポートを指す。また、上記プリコーディング又はビームフォーミングは、プリコーダ又は空間領域フィルタ(Spatial domain filter)等と呼ばれてもよい。
【0015】
なお、送信ビーム及び受信ビームの形成方法は、上記の方法に限られない。例えば、複数アンテナを備える本発明の実施の形態の無線通信システムに含まれる基地局装置10又はユーザ装置20において、それぞれのアンテナの角度を変える方法を用いてもよいし、プリコーディングベクトルを用いる方法とアンテナの角度を変える方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、異なるアンテナパネルを切り替えて利用してもよいし、複数のアンテナパネルを合わせて使う方法を組み合わせる方法を用いてもよいし、その他の方法を用いてもよい。また、例えば、高周波数帯において、複数の互いに異なる送信ビームが使用されてもよい。複数の送信ビームが使用されることを、マルチビーム運用といい、ひとつの送信ビームが使用されることを、シングルビーム運用という。
【0016】
また、本発明の実施の形態において、無線パラメータ等が「設定される(Configure)」とは、所定の値が予め設定(Pre-configure)されることであってもよいし、基地局装置10又はユーザ装置20から通知される無線パラメータが設定されることであってもよい。
【0017】
図1は、V2Xを説明するための図である。3GPPでは、D2D機能を拡張することでV2X(Vehicle to Everything)あるいはeV2X(enhanced V2X)を実現することが検討され、仕様化が進められている。図1に示されるように、V2Xとは、ITS(Intelligent Transport Systems)の一部であり、自動車間で行われる通信形態を意味するV2V(Vehicle to Vehicle)、自動車と道路脇に設置される路側機(RSU:Road-Side Unit)との間で行われる通信形態を意味するV2I(Vehicle to Infrastructure)、自動車とドライバが所持するモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2N(Vehicle to Nomadic device)、及び、自動車と歩行者が所持するモバイル端末との間で行われる通信形態を意味するV2P(Vehicle to Pedestrian)の総称である。
【0018】
また、3GPPにおいて、LTE又はNRのセルラ通信及び端末間通信を用いたV2Xが検討されている。LTE又はNRのV2Xについて、今後3GPP仕様に限られない検討も進められることが想定される。例えば、インターオペラビリティの確保、上位レイヤの実装によるコストの低減、複数RAT(Radio Access Technology)の併用又は切替方法、各国におけるレギュレーション対応、LTE又はNRのV2Xプラットフォームのデータ取得、配信、データベース管理及び利用方法が検討されることが想定される。
【0019】
本発明の実施の形態において、通信装置が車両に搭載される形態を主に想定するが、本発明の実施の形態は、当該形態に限定されない。例えば、通信装置は人が保持する端末であってもよいし、通信装置がドローンあるいは航空機に搭載される装置であってもよいし、通信装置が基地局、RSU、中継局(リレーノード)、スケジューリング能力を有するユーザ装置等であってもよい。
【0020】
なお、SL(Sidelink)は、UL(Uplink)又はDL(Downlink)と以下1)-4)のいずれか又は組み合わせに基づいて区別されてもよい。また、SLは、他の名称であってもよい。
1)時間領域のリソース配置
2)周波数領域のリソース配置
3)参照する同期信号(SLSS(Sidelink Synchronization Signal)を含む)
4)送信電力制御のためのパスロス測定に用いる参照信号
【0021】
また、SL又はULのOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)に関して、CP-OFDM(Cyclic-Prefix OFDM)、DFT-S-OFDM(Discrete Fourier Transform - Spread - OFDM)、Transform precodingされていないOFDM又はTransform precodingされているOFDMのいずれが適用されてもよい。
【0022】
LTEのSLにおいて、ユーザ装置20へのSLのリソース割り当てに関してMode3とMode4が規定されている。Mode3では、基地局装置10からユーザ装置20に送信されるDCI(Downlink Control Information)によりダイナミックに送信リソースが割り当てられる。また、Mode3ではSPS(Semi Persistent Scheduling)も可能である。Mode4では、ユーザ装置20はリソースプールから自律的に送信リソースを選択する。
【0023】
本発明の実施の形態におけるスロットは、ミニスロット、サブフレーム、無線フレーム、TTI(Transmission Time Interval)等と読み替えられてもよい。
【0024】
図2は、既存のUL及びDLリソース設定の例を説明するための図である。図2に示されるように、UL及びDLリソース設定は、準静的設定(Semi-static configuration)又は動的設定(Dynamic configuration)される。準静的設定は、UE共通設定(RRC(Radio Resource Control)メッセージ:TDD-UL-DL-ConfigCommon)又はUE個別設定(RRCメッセージ:TDD-UL-DL-ConfigDedicated)を含む。動的設定は、UE共通設定(Group-common-DCI(Downlink Control Information) for SFI(Slot Format Information))を含む。準静的UE共通設定のフレキシブルスロットに対して、準静的UE個別設定又は動的UE共通設定が実行される。フレキシブルリソースは「F」、DLリソースは「D」、ULリソースは「U」と表記されてもよい。フレキシブルリソースとは、UL、DL又はSLのいずれにも使用可能なリソースである。
【0025】
ここで、特にUL、DL及びSLが共通のバンドに配置される場合、SLリソースに対して、準静的設定及び/又は動的設定がサポートされる。SLの動的設定は、トラフィック又は負荷に応じて実行することができる。例えば、大きなトラフィックを有するセルの場合、スロットごとにトラフィック負荷を変更することができる。また例えば、イベントトリガ型トラフィックの場合、優先するSLトラフィック負荷を変更することができる。
【0026】
図3は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(1)を示す図である。SLリソースは、ULリソース、DLリソース及び/又はフレキシブルリソースに対して、上書きして設定することができる。周波数領域のSLリソース設定は、LTEのSLリソース設定と同様に実行されてもよい。例えば、開始PRB(Physical Resource Block)と、周波数領域でのPRB長が設定される。もしくは、DL又はULリソースと共通のPRBがSLに用いられてもよい。ユーザ装置20は、設定されたSLリソースを使用して、SLの送信を実行する。
【0027】
時間領域のSLリソース設定は、TDD-UL-DL共通設定の周期のN倍に対してビットマップを通知することにより実行されてもよい。Nは非負の整数である。図2は、TDD-UL-DL共通設定の周期が10スロット、N=1の場合に10ビットのビットマップで通知される例である。「1」はSLが設定されるスロットであり、「0」はSLが設定されないスロットである。すなわち、スロットのインデックスを1から10とすると、図2の例では、スロット#4、スロット#5、スロット#6及びスロット#7にSLリソースが設定される。
【0028】
ビットマップ長は、予め規定されるか設定されることができる。ビットマップ長は、TDD-UL-DL共通設定の周期のN倍と等しい長さであってもよい。また、ビットマップ長は、固定長が予め規定されてもよい。例えば、最大で80ビット又は160ビットが固定長として予め規定されてもよく、TDD-UL-DL共通設定の周期のN倍を固定長が超える部分は切り捨てられてもよい。
【0029】
Nは、予め規定されるか設定されることができる。例えば、N=1としてもよい。また、Nは、最小又は最大のビットマップ長から定められてもよい。例えば、最小のビットマップ長より長いビットマップ長が選択されてもよいし、最大のビットマップ長より短いビットマップ長が選択されてもよい。最小又は最大のビットマップ長は、予め規定されるか設定されることができる。なお、SLリソースが設定されたスロットにおいて、1又は複数のシンボルがSLリソース割り当てから除外されてもよい。
【0030】
図4は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(2)を示す図である。1又は複数のスロットインデックス及び1スロット内のシンボル数に等しいか少ないシンボルビットマップにより、特定のスロット内のシンボル単位でのSLリソース設定が通知されてもよい。図4は、スロット#4、スロット#5、スロット#6及びスロット#7のそれぞれに、14ビットのシンボルビットマップでSLリソースが通知される例である。図4では1スロットが14シンボルで構成される場合を想定しているが、14シンボルに限られない。例えば、14シンボルよりも少ない又は多いシンボルが1スロットに含まれてもよく、1スロットに含まれるシンボル数に応じてシンボルビットマップの長さは変更されてもよい。また、シンボルビットマップによる通知がなされる場合においても、特定のシンボルはSLリソース割り当てから除外されてもよい。例えば、1スロット中に含まれるDLリソースのシンボルを除外したシンボル数に対応するシンボルビットマップが使用されてもよい。
【0031】
また、複数のスロットに共通するシンボルビットマップで、各スロット内のシンボル単位での共通のSLリソース設定が通知されてもよい。例えば、TDD-UL-DL共通設定の1周期内のスロットを1又は複数のグループにグループ化を行い、グループごとにシンボルビットマップを設定してもよい。グループ分けは、例えば、スロットインデックスに閾値を設けて行ってもよいし、スロットインデックスの偶数/奇数に基づいて行ってもよい。もしくは、TDD-UL-DL共通設定の周期すべてのスロットに共通するシンボルビットマップが通知されてもよい。
【0032】
なお、スロット内のSLリソースの設定は、シンボルビットマップを用いて行われてもよいし、SLリソース設定の開始シンボル位置及び終了シンボル位置が通知されてもよいし、SLリソース設定の開始シンボル位置及び長さ(シンボル数)が通知されてもよいし、SLリソース設定の終了シンボル位置及び長さ(シンボル数)が通知されてもよい。なお、終了シンボル位置は、先頭からの位置であってもよいし、末尾からの位置であってもよい。
【0033】
図5は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(3)を示す図である。TDD-UL-DL共通設定の周期ごとに、SLリソースの時間領域の長さが通知されてもよい。SLリソースの開始スロット及び/又はシンボルが設定されてもよいし予め規定されてもよい。SLリソースの終了スロット及び/又はシンボルが設定されてもよいし予め規定されてもよい。SLリソースの開始スロット又はシンボルからの長さ(スロット数又はシンボル数)が通知されてもよい。なお、SLリソースが設定されたスロット又はシンボルにおいて、1又は複数のシンボルがSLリソース割り当てから除外されてもよい。
【0034】
図5に示されるように、開始スロットまでの期間3スロット及び周期先頭から終了スロットまでの期間7スロットが通知されてもよい。また、図5に示されるように、周期先頭から終了までの期間7スロットの代わりに、周期末尾から終了スロットまでの期間3スロットが通知されてもよい。
【0035】
図6は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(4)を示す図である。図6に示されるように、SLリソースの開始位置スロット#3及びSLリソース長4スロットが通知されてもよい。
【0036】
図7は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(5)を示す図である。図7に示されるように、SLリソースの終了位置スロット#7及びSLリソース長4スロットが通知されてもよい。
【0037】
図8は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(6)を示す図である。図8において、SLリソース割り当てから除外されるリソースの例を説明する。図8に示されるように、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)に設定されるシンボルは、SLリソース割り当てから除外されてもよい。図8を含む以下に述べるSLリソース除外の例は、図3から図7までを用いて説明したリソース設定の例(1)~(5)にも適用可能である。
【0038】
また、以下のリソースが設定されるシンボル又はスロットは、SLリソース割り当てから除外されてもよい。
1)すべてのDLリソース
2)SS、PBCH(Physical Broadcast Channel)、RMSI(Remaining minimum system information)又はOSI(Other system information)を送信するDLリソース
3)PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を送信するDLリソース
4)PUCCHを送信するULリソース
5)PRACH(Physical Random Access Channel)を送信するULリソース
6)SRS(Sounding Reference Signal)を送信するULリソース
【0039】
また、SLリソース割り当てから除外されるリソース、シンボル又はスロットは、SL以外のリソース設定に基づいて決定されてもよい。SL以外のリソース設定とは、例えば、SS、PBCH、RMSI、OSI、PRACH、一部のPDCCH、一部のPUCCHのリソース設定である。ユーザ装置20はこれらのSL以外のリソース設定に基づいてSLリソース割り当てから一部又は全てのリソースを除外してもよい。
【0040】
また、SLリソース割り当てから除外されるリソース、シンボル又はスロットは、リソース設定通知によって通知されてもよい。例えば、PDCCH、PUCCH又はSRSリソース設定が上位レイヤシグナリング又はPHYレイヤシグナリングを介してユーザ装置20に通知された場合、ユーザ装置20は、当該リソース設定に基づいてSLリソース割り当てから一部又は全てのリソースを除外してもよい。
【0041】
図9は、本発明の実施の形態におけるリソース設定の例(7)を示す図である。準静的UE個別設定及び/又は動的設定が、準静的UE共通設定によるSLリソースを上書きできるか否かは、設定されるか予め規定されてもよい。例えば、図9に示されるように、動的設定が、準静的UE共通設定によるSLリソースに優先されなくてもよい。また、準静的UE共通設定と、動的設定と、準静的UE個別設定とに、それぞれ優先度が設定されるか予め規定されてもよい。
【0042】
また、動的設定は、時間領域におけるSLリソース設定をスロット及び/又はシンボル単位で実行することがサポートされてもよい。スロット及び/又はシンボル単位でSLリソース設定を行うため、図3から図8までを用いて説明したリソース設定の例(1)~(6)で述べた準静的設定と同様の方法が実施されてもよい。例えば、ビットマップを用いて、SL送信に使用可能又は使用不能であるスロット及び/又はシンボルが通知されてもよい。または、SL送信に使用可能又は不可能であるスロット及び/又はシンボルの開始位置、終了位置、又は長さ(スロット数又はシンボル数)が通知されてもよい。当該ビットマップ、SLリソースの開始位置、終了位置、又は長さ等は、DCI又はSCIに含まれてユーザ装置20に通知されてもよい。
【0043】
また、動的設定は、新たなスロットフォーマットとしてSLリソースを示す「S」シンボルを含んでもよい。異なるSLシンボル数が異なるスロットフォーマットに設定されてもよく、SLシンボル数は、スロットフォーマットを動的設定により切り替えることによって調整されてもよい。なお、既存のスロットフォーマットに用いられる「F」シンボルの一部又は全てを「S」シンボルで置き換えてもよい。
【0044】
また、動的設定は、既存のスロットフォーマットに用いられる「F」シンボルでSLリソースが示されてもよい。「F」シンボルがSLリソースに使用されることは、設定されてもよいし予め規定されてもよい。例えば、グループ共通DCIの追加ビットを介して当該設定が通知されてもよい。なお、スロットフォーマットに含まれる「F」シンボルの数は、設定することが可能である。
【0045】
上記の動的設定について、UE共通シグナリング及び/又はUE個別シグナリングが通知に使用されてもよい。また、上位レイヤシグナリング及び又はPHYレイヤシグナリングが通知に使用されてもよい。例えば、DCI、SCI、MAC-CE(Media Access Control Control element)/ヘッダ、RRCシグナリングが通知に使用されてもよい。また、例えば、グループ共通DCI又はグループ共通SCIが通知に使用されてもよい。
【0046】
周波数領域におけるSLリソースの動的設定は、スロット単位でサポートされてもよい。また、周波数領域におけるSLリソースの動的設定は、開始PRB又はサブキャリアと、周波数領域のリソース長とが、動的に設定されてもよい。また、BWP(Bandwidth part)-IDの通知により周波数領域のリソース長が設定されてもよい。上記の周波数領域におけるSLリソースの動的設定について、UE共通シグナリング及び/又はUE個別シグナリングが通知に使用されてもよい。また、上位レイヤシグナリング及び又はPHYレイヤシグナリングが通知に使用されてもよい。例えば、DCI又はRRCシグナリングが通知に使用されてもよい。また、例えば、グループ共通DCI又はグループ共通SCIが通知に使用されてもよい。
【0047】
図10は、本発明の実施の形態における通信シーケンスの例(1)を説明するための図である。SLの準静的設定及び動的設定は、隣接セル及び/又は部分カバレッジのケースを処理するための圏外シナリオにおけるユーザ装置20にリレーされてもよい。PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)がリレーに使用されてもよい。
【0048】
SLの準静的設定及び動的設定のリレーのトリガは、以下1)-3)であってもよい。
1)RSRP(Reference Signal Received Power)、RSSI(Received Signal Strength Indicator)、RSRQ(Reference Signal Received Quality)又はSINR(Signal to Noise Interference Ratio)が、在圏セルにおけるリレーを実行するユーザ装置20Aの測定において所定の閾値を下回った場合、又は/及び上回った場合。
2)RSRP、RSSI、RSRQ又はSINRが、在圏セルにおけるSLリソース設定を受けるユーザ装置20Bの測定において所定の閾値を下回った場合、又は/及び上回った場合。
3)基地局装置10の指示。
【0049】
図10に示されるステップS11において、ユーザ装置20Aは、SLリソース割り当て又はスケジューリングのためのアシスタンス情報又は要求を基地局装置10に送信する。アシスタンス情報は、例えば、SR(Scheduling request)又はBSR(Buffer status report)等である。続いて、ステップS12において、基地局装置10は、SLリソース設定をユーザ装置20Aに送信する。続いて、ユーザ装置20Aは、受信したSLリソース設定を、ユーザ装置20Bにリレーする。ユーザ装置20Bは、基地局装置10の圏外に位置してもよい。なお、ステップS11は実行されずに、ステップS12からシーケンスが開始されてもよい。
【0050】
図11は、本発明の実施の形態における通信シーケンスの例(2)を説明するための図である。図11に示されるステップS21において、ユーザ装置20Aは、SLリソース割り当て又はスケジューリングのためのアシスタンス情報又は要求を基地局装置10Aに送信する。アシスタンス情報は、例えば、SR、BSRである。続いて、ステップS22において、基地局装置10Aは、SLリソース設定をユーザ装置20Aに送信する。続いて、ステップS23において、ユーザ装置20Aは、受信したSLリソース設定を、ユーザ装置20Bにリレーする。ユーザ装置20Bは、基地局装置10の圏外に位置してもよい。続いて、ステップS24において、ユーザ装置20Bは、リレーされたSLリソース設定を基地局装置10Bに送信する。続いて、ステップS25において、基地局装置10Bは、受信したSLリソース設定に基づいて、SLリソース設定をユーザ装置20Bに行う。
【0051】
上述の実施例により、ユーザ装置20は、NRのバンドにおいてSLリソースの準静的設定又は動的設定を実行することが可能となり、ULリソース、DLリソース及びSLリソースでNRのバンドを共有することができる。
【0052】
すなわち、端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定することができる。
【0053】
(装置構成)
次に、これまでに説明した処理及び動作を実行する基地局装置10及びユーザ装置20の機能構成例を説明する。基地局装置10及びユーザ装置20は上述した実施例を実施する機能を含む。ただし、基地局装置10及びユーザ装置20はそれぞれ、実施例の中の一部の機能のみを備えることとしてもよい。
【0054】
<基地局装置10>
図12は、基地局装置10の機能構成の一例を示す図である。図12に示されるように、基地局装置10は、送信部110と、受信部120と、設定部130と、制御部140とを有する。図12に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0055】
送信部110は、ユーザ装置20側に送信する信号を生成し、当該信号を無線で送信する機能を含む。受信部120は、ユーザ装置20から送信された各種の信号を受信し、受信した信号から、例えばより上位のレイヤの情報を取得する機能を含む。また、送信部110は、ユーザ装置20へNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL制御信号、DL参照信号等を送信する機能を有する。
【0056】
設定部130は、予め設定される設定情報、及び、ユーザ装置20に送信する各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。設定情報の内容は、例えば、D2D通信のリソース設定に係る情報等である。
【0057】
制御部140は、実施例において説明したように、ユーザ装置20がD2D通信を行うためのリソース設定に係る処理を行う。制御部140は、ユーザ装置20にD2D通信を行うためのリソース設定を送信部110を介して送信する。制御部140における信号送信に関する機能部を送信部110に含め、制御部140における信号受信に関する機能部を受信部120に含めてもよい。
【0058】
<ユーザ装置20>
図13は、ユーザ装置20の機能構成の一例を示す図である。図13に示されるように、ユーザ装置20は、送信部210と、受信部220と、設定部230と、制御部240とを有する。図13に示される機能構成は一例に過ぎない。本発明の実施の形態に係る動作を実行できるのであれば、機能区分及び機能部の名称はどのようなものでもよい。
【0059】
送信部210は、送信データから送信信号を作成し、当該送信信号を無線で送信する。受信部220は、各種の信号を無線受信し、受信した物理レイヤの信号からより上位のレイヤの信号を取得する。また、受信部220は、基地局装置10から送信されるNR-PSS、NR-SSS、NR-PBCH、DL/UL/SL制御信号又は参照信号等を受信する機能を有する。また、例えば、送信部210は、D2D通信として、他のユーザ装置20に、PSCCH(Physical Sidelink Control Channel)、PSSCH(Physical Sidelink Shared Channel)、PSDCH(Physical Sidelink Discovery Channel)、PSBCH(Physical Sidelink Broadcast Channel)等を送信し、受信部220は、他のユーザ装置20から、PSCCH、PSSCH、PSDCH又はPSBCH等を受信する。
【0060】
設定部230は、受信部220により基地局装置10又はユーザ装置20から受信した各種の設定情報を記憶装置に格納し、必要に応じて記憶装置から読み出す。また、設定部230は、予め設定される設定情報も格納する。設定情報の内容は、例えば、D2D通信の設定に係る情報等である。
【0061】
制御部240は、実施例において説明したように、他のユーザ装置20との間のD2D通信を制御する。また、制御部240は、D2D通信のリソース設定に係る情報を他のユーザ装置20に送信部210を介して送信する。制御部240における信号送信に関する機能部を送信部210に含め、制御部240における信号受信に関する機能部を受信部220に含めてもよい。
【0062】
(ハードウェア構成)
上記実施形態の説明に用いたブロック図(図12及び図13)は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0063】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0064】
例えば、本開示の一実施の形態における基地局装置10、ユーザ装置20等は、本開示の無線通信方法の処理を行うコンピュータとして機能してもよい。図14は、本開示の一実施の形態に係る基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成の一例を示す図である。上述の基地局装置10及びユーザ装置20は、物理的には、プロセッサ1001、記憶装置1002、補助記憶装置1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0065】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニット等に読み替えることができる。基地局装置10及びユーザ装置20のハードウェア構成は、図に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0066】
基地局装置10及びユーザ装置20における各機能は、プロセッサ1001、記憶装置1002等のハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることによって、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信を制御したり、記憶装置1002及び補助記憶装置1003におけるデータの読み出し及び書き込みの少なくとも一方を制御したりすることによって実現される。
【0067】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインタフェース、制御装置、演算装置、レジスタ等を含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、上述の制御部140、制御部240等は、プロセッサ1001によって実現されてもよい。
【0068】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール又はデータ等を、補助記憶装置1003及び通信装置1004の少なくとも一方から記憶装置1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態において説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、図12に示した基地局装置10の制御部140は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。また、例えば、図13に示したユーザ装置20の制御部240は、記憶装置1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001によって実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップによって実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されてもよい。
【0069】
記憶装置1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)等の少なくとも1つによって構成されてもよい。記憶装置1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)等と呼ばれてもよい。記憶装置1002は、本開示の一実施の形態に係る通信方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュール等を保存することができる。
【0070】
補助記憶装置1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)等の光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップ等の少なくとも1つによって構成されてもよい。補助記憶装置1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、記憶装置1002及び補助記憶装置1003の少なくとも一方を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0071】
通信装置1004は、有線ネットワーク及び無線ネットワークの少なくとも一方を介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。通信装置1004は、例えば周波数分割複信(FDD:Frequency Division Duplex)及び時分割複信(TDD:Time Division Duplex)の少なくとも一方を実現するために、高周波スイッチ、デュプレクサ、フィルタ、周波数シンセサイザなどを含んで構成されてもよい。例えば、送受信アンテナ、アンプ部、送受信部、伝送路インターフェース等は、通信装置1004によって実現されてもよい。送受信部は、送信部と受信部とで、物理的に、または論理的に分離された実装がなされてもよい。
【0072】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサ等)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプ等)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0073】
また、プロセッサ1001及び記憶装置1002等の各装置は、情報を通信するためのバス1007によって接続される。バス1007は、単一のバスを用いて構成されてもよいし、装置間ごとに異なるバスを用いて構成されてもよい。
【0074】
また、基地局装置10及びユーザ装置20は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つを用いて実装されてもよい。
【0075】
(実施の形態のまとめ)
以上、説明したように、本発明の実施の形態によれば、端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を受信する受信部と、前記リソースを示す情報に基づいて、端末間直接通信の送信を実行する送信部とを有し、前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であるユーザ装置が提供される。
【0076】
上記の構成により、ユーザ装置20は、NRのバンドにおいてSLリソースの準静的設定又は動的設定を実行することが可能となり、ULリソース、DLリソース及びSLリソースでNRのバンドを共有することができる。すなわち、端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定することができる。
【0077】
前記準静的UE個別設定は、前記準静的UE共通設定の周期の整数倍の周期に対応するビットマップで端末間直接通信に使用するリソースを指定してもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、準静的UE共通設定に効率よく準静的UE個別設定を上書きすることができる。
【0078】
前記準静的UE個別設定によって指定される端末間直接通信に使用するリソースのうち、すべての下りリンクリソース、同期信号又はシステム情報を含む下りリンクリソース、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を含む下りリンクリソース、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を含む上りリンクリソース、PRACH(Physical Random Access Channel)を含む上りリンクリソース又はSRS(Sounding Reference Signal)を含む上りリンクリソースは、端末間直接通信に使用するリソースから除外されてもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、下りリンク通信又は上りリンク通信をサイドリンクの通信よりも優先させることができる。
【0079】
前記動的設定は、端末間直接通信に使用するシンボル数がそれぞれ異なる複数のスロットフォーマットを切り替える情報を含み、DCI(Downlink control information)又はSCI(Sidelink control information)によるPHYレイヤシグナリングで通知されてもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、サイドリンク通信のシンボル数をPHYレイヤシグナリングにより動的に切り替えて通信状況に追従することができる。
【0080】
前記準静的UE個別設定又は前記動的設定を、他のユーザ装置にリレーする制御部をさらに有してもよい。当該構成により、ユーザ装置20は、圏外に位置する他のユーザ装置にサイドリンクのリソース設定を通知することにより、基地局装置10がサイドリンク通信を制御する領域を拡張することができる。
【0081】
また、本発明の実施の形態によれば、端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を送信する送信部と、前記リソースを示す情報に基づいて、端末間直接通信を制御する制御部とを有し、前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定である基地局装置が提供される。
【0082】
上記の構成により、基地局装置10は、ユーザ装置20にNRのバンドにおいてSLリソースの準静的設定又は動的設定を実行することが可能となり、ULリソース、DLリソース及びSLリソースでNRのバンドを共有することができる。すなわち、端末間直接通信において、ユーザ装置が使用するリソースを柔軟に設定することができる。
【0083】
(実施形態の補足)
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、開示される発明はそのような実施形態に限定されず、当業者は様々な変形例、修正例、代替例、置換例等を理解するであろう。発明の理解を促すため具体的な数値例を用いて説明がなされたが、特に断りのない限り、それらの数値は単なる一例に過ぎず適切な如何なる値が使用されてもよい。上記の説明における項目の区分けは本発明に本質的ではなく、2以上の項目に記載された事項が必要に応じて組み合わせて使用されてよいし、ある項目に記載された事項が、別の項目に記載された事項に(矛盾しない限り)適用されてよい。機能ブロック図における機能部又は処理部の境界は必ずしも物理的な部品の境界に対応するとは限らない。複数の機能部の動作が物理的には1つの部品で行われてもよいし、あるいは1つの機能部の動作が物理的には複数の部品により行われてもよい。実施の形態で述べた処理手順については、矛盾の無い限り処理の順序を入れ替えてもよい。処理説明の便宜上、基地局装置10及びユーザ装置20は機能的なブロック図を用いて説明されたが、そのような装置はハードウェアで、ソフトウェアで又はそれらの組み合わせで実現されてもよい。本発明の実施の形態に従って基地局装置10が有するプロセッサにより動作するソフトウェア及び本発明の実施の形態に従ってユーザ装置20が有するプロセッサにより動作するソフトウェアはそれぞれ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ、読み取り専用メモリ(ROM)、EPROM、EEPROM、レジスタ、ハードディスク(HDD)、リムーバブルディスク、CD-ROM、データベース、サーバその他の適切な如何なる記憶媒体に保存されてもよい。
【0084】
また、情報の通知は、本開示で説明した態様/実施形態に限られず、他の方法を用いて行われてもよい。例えば、情報の通知は、物理レイヤシグナリング(例えば、DCI(Downlink Control Information)、UCI(Uplink Control Information))、上位レイヤシグナリング(例えば、RRC(Radio Resource Control)シグナリング、MAC(Medium Access Control)シグナリング、報知情報(MIB(Master Information Block)、SIB(System Information Block))、その他の信号又はこれらの組み合わせによって実施されてもよい。また、RRCシグナリングは、RRCメッセージと呼ばれてもよく、例えば、RRC接続セットアップ(RRC Connection Setup)メッセージ、RRC接続再構成(RRC Connection Reconfiguration)メッセージ等であってもよい。
【0085】
本開示において説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G(4th generation mobile communication system)、5G(5th generation mobile communication system)、FRA(Future Radio Access)、NR(new Radio)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi(登録商標))、IEEE 802.16(WiMAX(登録商標))、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及びこれらに基づいて拡張された次世代システムの少なくとも一つに適用されてもよい。また、複数のシステムが組み合わされて(例えば、LTE及びLTE-Aの少なくとも一方と5Gとの組み合わせ等)適用されてもよい。
【0086】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャート等は、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本開示において説明した方法については、例示的な順序を用いて様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0087】
本明細書において基地局装置10によって行われるとした特定動作は、場合によってはその上位ノード(upper node)によって行われることもある。基地局装置10を有する1つ又は複数のネットワークノード(network nodes)からなるネットワークにおいて、ユーザ装置20との通信のために行われる様々な動作は、基地局装置10及び基地局装置10以外の他のネットワークノード(例えば、MME又はS-GW等が考えられるが、これらに限られない)の少なくとも1つによって行われ得ることは明らかである。上記において基地局装置10以外の他のネットワークノードが1つである場合を例示したが、他のネットワークノードは、複数の他のネットワークノードの組み合わせ(例えば、MME及びS-GW)であってもよい。
【0088】
本開示において説明した情報又は信号等は、上位レイヤ(又は下位レイヤ)から下位レイヤ(又は上位レイヤ)へ出力され得る。複数のネットワークノードを介して入出力されてもよい。
【0089】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルを用いて管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、又は追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0090】
本開示における判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:true又はfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0091】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0092】
また、ソフトウェア、命令、情報などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、有線技術(同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア、デジタル加入者回線(DSL:Digital Subscriber Line)など)及び無線技術(赤外線、マイクロ波など)の少なくとも一方を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び無線技術の少なくとも一方は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0093】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0094】
なお、本開示において説明した用語及び本開示の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。例えば、チャネル及びシンボルの少なくとも一方は信号(シグナリング)であってもよい。また、信号はメッセージであってもよい。また、コンポーネントキャリア(CC:Component Carrier)は、キャリア周波数、セル、周波数キャリアなどと呼ばれてもよい。
【0095】
本開示において使用する「システム」及び「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0096】
また、本開示において説明した情報、パラメータなどは、絶対値を用いて表されてもよいし、所定の値からの相対値を用いて表されてもよいし、対応する別の情報を用いて表されてもよい。例えば、無線リソースはインデックスによって指示されるものであってもよい。
【0097】
上述したパラメータに使用する名称はいかなる点においても限定的な名称ではない。さらに、これらのパラメータを使用する数式等は、本開示で明示的に開示したものと異なる場合もある。様々なチャネル(例えば、PUCCH、PDCCHなど)及び情報要素は、あらゆる好適な名称によって識別できるので、これらの様々なチャネル及び情報要素に割り当てている様々な名称は、いかなる点においても限定的な名称ではない。
【0098】
本開示においては、「基地局(BS:Base Station)」、「無線基地局」、「基地局装置」、「固定局(fixed station)」、「NodeB」、「eNodeB(eNB)」、「gNodeB(gNB)」、「アクセスポイント(access point)」、「送信ポイント(transmission point)」、「受信ポイント(reception point)、「送受信ポイント(transmission/reception point)」、「セル」、「セクタ」、「セルグループ」、「キャリア」、「コンポーネントキャリア」などの用語は、互換的に使用され得る。基地局は、マクロセル、スモールセル、フェムトセル、ピコセルなどの用語で呼ばれる場合もある。
【0099】
基地局は、1つ又は複数(例えば、3つ)のセルを収容することができる。基地局が複数のセルを収容する場合、基地局のカバレッジエリア全体は複数のより小さいエリアに区分でき、各々のより小さいエリアは、基地局サブシステム(例えば、屋内用の小型基地局(RRH:Remote Radio Head)によって通信サービスを提供することもできる。「セル」又は「セクタ」という用語は、このカバレッジにおいて通信サービスを行う基地局及び基地局サブシステムの少なくとも一方のカバレッジエリアの一部又は全体を指す。
【0100】
本開示においては、「移動局(MS:Mobile Station)」、「ユーザ端末(user terminal)」、「ユーザ装置(UE:User Equipment)」、「端末」などの用語は、互換的に使用され得る。
【0101】
移動局は、当業者によって、加入者局、モバイルユニット、加入者ユニット、ワイヤレスユニット、リモートユニット、モバイルデバイス、ワイヤレスデバイス、ワイヤレス通信デバイス、リモートデバイス、モバイル加入者局、アクセス端末、モバイル端末、ワイヤレス端末、リモート端末、ハンドセット、ユーザエージェント、モバイルクライアント、クライアント、又はいくつかの他の適切な用語で呼ばれる場合もある。
【0102】
基地局及び移動局の少なくとも一方は、送信装置、受信装置、通信装置などと呼ばれてもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、移動体に搭載されたデバイス、移動体自体などであってもよい。当該移動体は、乗り物(例えば、車、飛行機など)であってもよいし、無人で動く移動体(例えば、ドローン、自動運転車など)であってもよいし、ロボット(有人型又は無人型)であってもよい。なお、基地局及び移動局の少なくとも一方は、必ずしも通信動作時に移動しない装置も含む。例えば、基地局及び移動局の少なくとも一方は、センサなどのIoT(Internet of Things)機器であってもよい。
【0103】
また、本開示における基地局は、ユーザ端末で読み替えてもよい。例えば、基地局及びユーザ端末間の通信を、複数のユーザ端末間の通信(例えば、D2D(Device-to-Device)、V2X(Vehicle-to-Everything)などと呼ばれてもよい)に置き換えた構成について、本開示の各態様/実施形態を適用してもよい。この場合、上述の基地局が有する機能をユーザ端末が有する構成としてもよい。また、「上り」及び「下り」などの文言は、端末間通信に対応する文言(例えば、「サイド(side)」)で読み替えられてもよい。例えば、上りチャネル、下りチャネルなどは、サイドチャネルで読み替えられてもよい。
【0104】
同様に、本開示におけるユーザ端末は、基地局で読み替えてもよい。この場合、上述のユーザ端末が有する機能を基地局が有する構成としてもよい。
【0105】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0106】
「接続された(connected)」、「結合された(coupled)」という用語、又はこれらのあらゆる変形は、2又はそれ以上の要素間の直接的又は間接的なあらゆる接続又は結合を意味し、互いに「接続」又は「結合」された2つの要素間に1又はそれ以上の中間要素が存在することを含むことができる。要素間の結合又は接続は、物理的なものであっても、論理的なものであっても、或いはこれらの組み合わせであってもよい。例えば、「接続」は「アクセス」で読み替えられてもよい。本開示で使用する場合、2つの要素は、1又はそれ以上の電線、ケーブル及びプリント電気接続の少なくとも一つを用いて、並びにいくつかの非限定的かつ非包括的な例として、無線周波数領域、マイクロ波領域及び光(可視及び不可視の両方)領域の波長を有する電磁エネルギーなどを用いて、互いに「接続」又は「結合」されると考えることができる。
【0107】
参照信号は、RS(Reference Signal)と略称することもでき、適用される標準によってパイロット(Pilot)と呼ばれてもよい。
【0108】
本開示において使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0109】
本開示において使用する「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した要素へのいかなる参照も、それらの要素の量又は順序を全般的に限定しない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本開示において使用され得る。したがって、第1及び第2の要素への参照は、2つの要素のみが採用され得ること、又は何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0110】
上記の各装置の構成における「手段」を、「部」、「回路」、「デバイス」等に置き換えてもよい。
【0111】
本開示において、「含む(include)」、「含んでいる(including)」及びそれらの変形が使用されている場合、これらの用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本開示において使用されている用語「又は(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0112】
無線フレームは時間領域において1つ又は複数のフレームによって構成されてもよい。時間領域において1つ又は複数の各フレームはサブフレームと呼ばれてもよい。サブフレームは更に時間領域において1つ又は複数のスロットによって構成されてもよい。サブフレームは、ニューメロロジ(numerology)に依存しない固定の時間長(例えば、1ms)であってもよい。
【0113】
ニューメロロジは、ある信号又はチャネルの送信及び受信の少なくとも一方に適用される通信パラメータであってもよい。ニューメロロジは、例えば、サブキャリア間隔(SCS:SubCarrier Spacing)、帯域幅、シンボル長、サイクリックプレフィックス長、送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)、TTIあたりのシンボル数、無線フレーム構成、送受信機が周波数領域において行う特定のフィルタリング処理、送受信機が時間領域において行う特定のウィンドウイング処理などの少なくとも1つを示してもよい。
【0114】
スロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボル(OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボル、SC-FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)シンボル等)で構成されてもよい。スロットは、ニューメロロジに基づく時間単位であってもよい。
【0115】
スロットは、複数のミニスロットを含んでもよい。各ミニスロットは、時間領域において1つ又は複数のシンボルによって構成されてもよい。また、ミニスロットは、サブスロットと呼ばれてもよい。ミニスロットは、スロットよりも少ない数のシンボルによって構成されてもよい。ミニスロットより大きい時間単位で送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプAと呼ばれてもよい。ミニスロットを用いて送信されるPDSCH(又はPUSCH)は、PDSCH(又はPUSCH)マッピングタイプBと呼ばれてもよい。
【0116】
無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、いずれも信号を伝送する際の時間単位を表す。無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルは、それぞれに対応する別の呼称が用いられてもよい。
【0117】
例えば、1サブフレームは送信時間間隔(TTI:Transmission Time Interval)と呼ばれてもよいし、複数の連続したサブフレームがTTIと呼ばれてよいし、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれてもよい。つまり、サブフレーム及びTTIの少なくとも一方は、既存のLTEにおけるサブフレーム(1ms)であってもよいし、1msより短い期間(例えば、1-13シンボル)であってもよいし、1msより長い期間であってもよい。なお、TTIを表す単位は、サブフレームではなくスロット、ミニスロットなどと呼ばれてもよい。
【0118】
ここで、TTIは、例えば、無線通信におけるスケジューリングの最小時間単位のことをいう。例えば、LTEシステムでは、基地局が各ユーザ装置20に対して、無線リソース(各ユーザ装置20において使用することが可能な周波数帯域幅、送信電力など)を、TTI単位で割り当てるスケジューリングを行う。なお、TTIの定義はこれに限られない。
【0119】
TTIは、チャネル符号化されたデータパケット(トランスポートブロック)、コードブロック、コードワードなどの送信時間単位であってもよいし、スケジューリング、リンクアダプテーションなどの処理単位となってもよい。なお、TTIが与えられたとき、実際にトランスポートブロック、コードブロック、コードワードなどがマッピングされる時間区間(例えば、シンボル数)は、当該TTIよりも短くてもよい。
【0120】
なお、1スロット又は1ミニスロットがTTIと呼ばれる場合、1以上のTTI(すなわち、1以上のスロット又は1以上のミニスロット)が、スケジューリングの最小時間単位となってもよい。また、当該スケジューリングの最小時間単位を構成するスロット数(ミニスロット数)は制御されてもよい。
【0121】
1msの時間長を有するTTIは、通常TTI(LTE Rel.8-12におけるTTI)、ノーマルTTI、ロングTTI、通常サブフレーム、ノーマルサブフレーム、ロングサブフレーム、スロットなどと呼ばれてもよい。通常TTIより短いTTIは、短縮TTI、ショートTTI、部分TTI(partial又はfractional TTI)、短縮サブフレーム、ショートサブフレーム、ミニスロット、サブスロット、スロットなどと呼ばれてもよい。
【0122】
なお、ロングTTI(例えば、通常TTI、サブフレームなど)は、1msを超える時間長を有するTTIで読み替えてもよいし、ショートTTI(例えば、短縮TTIなど)は、ロングTTIのTTI長未満かつ1ms以上のTTI長を有するTTIで読み替えてもよい。
【0123】
リソースブロック(RB)は、時間領域及び周波数領域のリソース割当単位であり、周波数領域において、1つ又は複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含んでもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに関わらず同じであってもよく、例えば12であってもよい。RBに含まれるサブキャリアの数は、ニューメロロジに基づいて決定されてもよい。
【0124】
また、RBの時間領域は、1つ又は複数個のシンボルを含んでもよく、1スロット、1ミニスロット、1サブフレーム、又は1TTIの長さであってもよい。1TTI、1サブフレームなどは、それぞれ1つ又は複数のリソースブロックで構成されてもよい。
【0125】
なお、1つ又は複数のRBは、物理リソースブロック(PRB:Physical RB)、サブキャリアグループ(SCG:Sub-Carrier Group)、リソースエレメントグループ(REG:Resource Element Group)、PRBペア、RBペアなどと呼ばれてもよい。
【0126】
また、リソースブロックは、1つ又は複数のリソースエレメント(RE:Resource Element)によって構成されてもよい。例えば、1REは、1サブキャリア及び1シンボルの無線リソース領域であってもよい。
【0127】
帯域幅部分(BWP:Bandwidth Part)(部分帯域幅などと呼ばれてもよい)は、あるキャリアにおいて、あるニューメロロジ用の連続する共通RB(common resource blocks)のサブセットのことを表してもよい。ここで、共通RBは、当該キャリアの共通参照ポイントを基準としたRBのインデックスによって特定されてもよい。PRBは、あるBWPで定義され、当該BWP内で番号付けされてもよい。
【0128】
BWPには、UL用のBWP(UL BWP)と、DL用のBWP(DL BWP)とが含まれてもよい。UEに対して、1キャリア内に1つ又は複数のBWPが設定されてもよい。
【0129】
設定されたBWPの少なくとも1つがアクティブであってもよく、UEは、アクティブなBWPの外で所定の信号/チャネルを送受信することを想定しなくてもよい。なお、本開示における「セル」、「キャリア」などは、「BWP」で読み替えられてもよい。
【0130】
上述した無線フレーム、サブフレーム、スロット、ミニスロット及びシンボルなどの構造は例示に過ぎない。例えば、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレーム又は無線フレームあたりのスロットの数、スロット内に含まれるミニスロットの数、スロット又はミニスロットに含まれるシンボル及びRBの数、RBに含まれるサブキャリアの数、並びにTTI内のシンボル数、シンボル長、サイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)長などの構成は、様々に変更することができる。
【0131】
本開示において、例えば、英語でのa, an及びtheのように、翻訳により冠詞が追加された場合、本開示は、これらの冠詞の後に続く名詞が複数形であることを含んでもよい。
【0132】
本開示において、「AとBが異なる」という用語は、「AとBが互いに異なる」ことを意味してもよい。なお、当該用語は、「AとBがそれぞれCと異なる」ことを意味してもよい。「離れる」、「結合される」などの用語も、「異なる」と同様に解釈されてもよい。
【0133】
本開示において説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0134】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0135】
<付記>
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記のようにも記載できる。
(付記1)
端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を受信する受信部と、
前記リソースを示す情報に基づいて、端末間直接通信の送信を実行する送信部とを有し、
前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定であるユーザ装置。
(付記2)
前記準静的UE個別設定は、前記準静的UE共通設定の周期の整数倍の周期に対応するビットマップで端末間直接通信に使用するリソースを指定する付記1記載のユーザ装置。
(付記3)
前記準静的UE個別設定によって指定される端末間直接通信に使用するリソースのうち、すべての下りリンクリソース、同期信号又はシステム情報を含む下りリンクリソース、PDCCH(Physical Downlink Control Channel)を含む下りリンクリソース、PUCCH(Physical Uplink Control Channel)を含む上りリンクリソース、PRACH(Physical Random Access Channel)を含む上りリンクリソース又はSRS(Sounding Reference Signal)を含む上りリンクリソースは、端末間直接通信に使用するリソースから除外される付記1記載のユーザ装置。
(付記4)
前記動的設定は、端末間直接通信に使用するシンボル数がそれぞれ異なる複数のスロットフォーマットを切り替える情報を含み、DCI(Downlink control information)又はSCI(Sidelink control information)によるPHYレイヤシグナリングで通知される付記1記載のユーザ装置。
(付記5)
前記準静的UE個別設定又は前記動的設定を、他のユーザ装置にリレーする制御部をさらに有する付記1記載のユーザ装置。
(付記6)
端末間直接通信に使用するリソースを示す情報を送信する送信部と、
前記リソースを示す情報に基づいて、端末間直接通信を制御する制御部とを有し、
前記リソースを示す情報は、準静的UE(User Equipment)共通設定において時分割多重される上りリンクリソース又はフレキシブルリソースに対して、端末間直接通信に使用するリソースが上書きされた情報を含む準静的UE個別設定又は動的設定である基地局装置。
【符号の説明】
【0136】
10 基地局装置
110 送信部
120 受信部
130 設定部
140 制御部
20 ユーザ装置
210 送信部
220 受信部
230 設定部
240 制御部
1001 プロセッサ
1002 記憶装置
1003 補助記憶装置
1004 通信装置
1005 入力装置
1006 出力装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14