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特開2023-8701サーバ装置、オンライン学習システム、プログラム、及び記憶媒体
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008701
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】サーバ装置、オンライン学習システム、プログラム、及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 21/32 20130101AFI20230112BHJP
【FI】
G06F21/32
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021114586
(22)【出願日】2021-07-09
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2022-05-09
(31)【優先権主張番号】P 2021110841
(32)【優先日】2021-07-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】519330386
【氏名又は名称】アカメディア・ジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120662
【弁理士】
【氏名又は名称】川上 桂子
(74)【代理人】
【識別番号】100216770
【弁理士】
【氏名又は名称】三品 明生
(74)【代理人】
【識別番号】100217364
【弁理士】
【氏名又は名称】田端 豊
(72)【発明者】
【氏名】菊池 参
(57)【要約】
【課題】ユーザの情報の流出リスクを低減しながら、登録されたユーザのデータがユーザ本人のものであることを保証できるサーバ装置、オンライン学習システム、プログラム、及び記憶媒体を提供する。
【解決手段】教育機関サーバ201は、公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部21と、公的証明書データを一時的に記憶する一時データ記憶部24と、登録データ記憶部21に記憶されるユーザ登録データと、一時データ記憶部24に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理部25と、を備える。一時データ記憶部24は、照合処理部25における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを保持しない。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部と、
公的証明書データを一時的に記憶する一時データ記憶部と、
前記登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データと、前記一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理部と、を備え、
前記一時データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを保持しない、サーバ装置。
【請求項2】
前記ユーザ登録データは、顔写真データを含み、
前記公的証明書データは、顔写真付き証明書データを含み、
前記照合処理部は、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データと、前記一時データ記憶部に記憶された顔写真付き公的証明書データとの照合を行う、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバ装置と、
ユーザ端末へ、オンライン学習教材を配信する配信制御部と、
ユーザ端末により撮影された画像と、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データとに基づいて、前記配信制御部により前記オンライン学習教材が配信される際に、ユーザの顔認証を行う認証処理部と、を備える、オンライン学習システム。
【請求項4】
コンピュータのプロセッサに、
ユーザ登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データであって、公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データと、一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理と、
前記照合処理における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを前記一時データ記憶部に保持させないデータ処理と、を行わせる、プログラム。
【請求項5】
請求項4に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ装置、オンライン学習システム、プログラム、及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、リアルタイム配信される講習または録画された講習を、インターネット等を介してオンライン学習させるいわゆるe-learningが広く用いられている。このようなオンライン学習において、本人以外による受講(成りすまし)を防止するために、認証サーバに事前にユーザのデータ(生体認証情報)が登録される。そして、認証サーバに登録された生体認証情報と、受講中にランダムなタイミングで取得された生体認証情報とを照合して本人認証(生体認証)を行うシステムが、例えば下記の特許文献1に開示されている。なお、特許文献1には、生体認証情報として指紋、静脈、虹彩、網膜などの固有の情報を用いることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009-276950号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、上記特許文献1のシステムは、認証サーバに事前に登録された生体認証情報が受講者本人のものであることが前提として構成されている。しかしながら、実際には、認証サーバに事前に登録されたデータが受講者本人(ユーザ本人)のものであることを保証するために、公的証明書の写しの提出を、ユーザに求めることがある。しかし、公的証明書の写しの情報を認証サーバに登録した場合、人的ミスまたは外部からの不正アクセス等により、認証サーバから公的証明書の写しの情報が流出してしまうと、ユーザにとって甚大な被害が生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、上記の課題を鑑み、ユーザの情報が流出するリスクを低減しながら、登録されたユーザのデータがユーザ本人のものであることを保証できるサーバ装置、オンライン学習システム、プログラム、及び記憶媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明のサーバ装置は、
公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部と、
公的証明書データを一時的に記憶する一時データ記憶部と、
前記登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データと、前記一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理部と、を備え、
前記一時データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを保持しない。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザ登録データが公的証明書データに照合されることにより、ユーザ登録データがユーザ本人のものであることを保証することができる。そして、照合に用いた公的証明書データは、照合の後は保持されないので、公的証明書データの流出を防止することができる。この結果、ユーザの情報の流出リスクを低減しながら、登録されたユーザのデータがユーザ本人のものであることを保証することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態にかかるオンライン学習システムの概略構成を示すブロック図である。
図2】教育機関サーバの概略構成を示すブロック図である。
図3】ユーザ端末の概略構成を示すブロック図である。
図4】オンライン学習教材の項目を示す図である。
図5】登録データ記憶部に記憶されたユーザ登録データの一例を示す図である。
図6】一時データ記憶部に記憶された顔写真付き公的証明書データの一例を示す図である。
図7A】生徒登録画面の一例を示す模式図である。
図7B】講師登録画面の一例を示す模式図である。
図8A】カメラを用いた認証用顔写真データの取得の一例を示す模式図である。
図8B】カメラを用いた認証用顔写真データの取得の一例を示す模式図である。
図9】照合が成功した場合の画面の一例を示す模式図である。
図10】照合が失敗した場合の画面の一例を示す模式図である。
図11】一時データ記憶部から顔写真付き公的証明書データが消去されたことを説明するための図である。
図12】ユーザ端末に表示されるログイン画面の一例を示す模式図である。
図13】ログインした後にユーザ端末に表示される画面の一例を示す模式図である。
図14】ユーザ端末に表示される項目一覧の一例を示す模式図である。
図15】ユーザ端末(パーソナルコンピュータ等)に表示されるオンライン学習教材の画面の一例を示す模式図である。
図16】オンライン学習教材の画面(講義動画)の一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されている例を示す模式図である。
図17】オンライン学習教材の画面(問題回答データ)の一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されている例を示す模式図である。
図18】オンライン学習教材の画面の一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されていない例を示す模式図である。
図19】ユーザ端末(スマートフォン)に表示されるオンライン学習教材の画面の一例を示す模式図である。
図20】ユーザ端末(スマートフォン)に表示される認証用ウィンドウの一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されている例を示す模式図である。
図21】ユーザ端末(スマートフォン)に表示される認証用ウィンドウの一例であって、認識枠に受講者の顔が正しく配置されていない例を示す模式図である。
図22】第2実施形態にかかる情報管理システムの概略構成を示すブロック図である。
図23】ユーザ登録画面の一例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0010】
[第1実施形態]
図1は、本実施形態にかかるオンライン学習システム100aの概略構成を示す概要図である。オンライン学習システム100aは、オンライン学習教材(コンテンツ)を、インターネット10を介して配信する配信装置100を含む。オンライン学習教材は、リアルタイム配信されるものであっても良いし、オンデマンド配信されるものであっても良い。また、オンライン学習教材は、動画であっても良いし、静止画であっても良い。さらに、オンライン学習教材は、一方向型教材(講師から受講者への一方的な講義)であっても良いし、双方向型教材であっても良い。また、オンライン学習教材は、講義形式の教材以外に、読み物や、問題を受講者に提示して回答を入力させて採点するオンラインドリル等も含む。
【0011】
図1に示すように、オンライン学習システム100aは、インターネット10を介して、配信装置100に接続された教育機関サーバ201a、201b、201c、・・・を含む。また、配信装置100は、インターネット10を介して、ユーザ端末301a、301b、301c、・・・と接続されている。以降、ユーザ端末のそれぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「ユーザ端末301」と表記する。教育機関サーバについても同様に、それぞれを区別して説明する必要がない場合は、単に「教育機関サーバ201」と表記する。なお、オンライン学習システム100aの「ユーザ」とは、オンライン学習システム100aを利用して学習を行うユーザ(受講者)の他に、オンライン学習システム100aを利用して教育を行う教育機関の講師、職員、管理者等を含む。すなわち、ユーザ端末301は、これらの「ユーザ」が使用する端末である。オンライン学習システム100aのユーザは、教育機関サーバ201においてユーザ登録を行う。図2は、教育機関サーバ201の構成を示すブロック図である。図3は、ユーザ端末301の構成を示すブロック図である。ユーザ端末301としては、パーソナルコンピュータ、タブレット、またはスマートフォン等の、インターネット10に接続可能であってWebブラウザを利用可能な端末であれば、任意の端末を利用できる。教育機関サーバ201は、厳密な受講管理が必要とされる講義(例えば、法定講習や、資格または単位認定講習等)を実施する教育機関のサーバである。「教育機関」には、これに限られないが、学校、教習所、資格認証機関等が含まれる。
【0012】
以下、配信装置100の構成および動作について説明する。図1に示すように、配信装置100は、講義データ記憶部11、受講進捗管理部12、受講者管理部13、認証処理部14、配信制御部15、及び通信部16を備えている。講義データ記憶部11は、ハードディスク等の記憶装置として実現される。受講進捗管理部12、受講者管理部13、認証処理部14、配信制御部15、及び通信部16は、サーバやコンピュータのプロセッサによって実現される。なお、これらの各部は、一つのコンピュータおよびその周辺装置によって実現されていても良いし、複数のコンピュータおよび周辺装置によって実現されていても良い。
【0013】
講義データ記憶部11は、オンライン学習教材を記憶している。図4は、講義データ記憶部11に記憶されているオンライン学習教材の項目の例を示す図である。例えば、受講者は、項目番号1-1の「入門」を受講した後、項目番号1-2の「基本」、項目番号1-3の「応用」、及び項目番号1-4の「発展」の順に、受講する。
【0014】
受講進捗管理部12は、各受講者の受講履歴(オンライン学習教材のどの項目の受講を修了したか)を記憶している。受講進捗管理部12は、さらに、認証処理部14と協働し、講義動画の再生中に、受講者がどこまで視聴したかを管理する。また、講義データ記憶部11に予め記憶された講義動画ではなく、講師による講義の様子(講義動画)をリアルタイムで配信する場合には、受講進捗管理部12は、認証処理部14と協働し、講義動画の配信中に、受講者がどこまで視聴したかを管理する。また、教材の画像データ、又は問題回答データ(オンラインドリル等のデータ)を受講者に配信している場合には、受講進捗管理部12は、認証処理部14と協働し、教材の画像データ、又は問題回答データの配信中(ユーザ端末301に講義動画、教材の画像データ、又は問題回答データが表示されている間)に、受講者がどこまで視聴したかを管理する。
【0015】
受講者管理部13は、受講者からのログイン処理等を管理する。認証処理部14は、オンライン学習教材の配信中に、受講者の本人確認および進捗確認を行う。配信制御部15は、講義動画の配信を制御する。通信部16は、インターネット10を介して、ユーザ端末301および教育機関サーバ201と通信する。
【0016】
教育機関サーバ201は、各教育機関において生徒(受講者)及び講師の管理を行うサーバである。教育機関サーバ201は、各教育機関内に設置されていても良いし、各教育機関がアクセス可能なクラウドサーバとして設けられていても良い。教育機関サーバ201は、図2に示すように、登録データ記憶部21、進捗データ受付部22、予約管理部23、一時データ記憶部24、照合処理部25、及び通信部26を備えている。
【0017】
図5は、登録データ記憶部21に記憶されたユーザ登録データの一例を示す図である。ユーザ登録データは、オンライン学習システム100aを利用する受講者又は講師によってユーザ端末301から入力され、登録データ記憶部21に記憶される。例えば、図5に示すように、登録データ記憶部21は、ユーザ登録データとして、名前(氏名)、住所、生年月日(図示省略)、及び認証用顔写真データを記憶する。また、登録データ記憶部21は、上記のデータに加えて、ユーザ登録データとして、その教育機関に通う各生徒の情報(例えば、電話番号(図示省略)、メールアドレス(図示省略)、講習の受講進捗具合や成績等を表す進捗データ(図示省略))を記憶しても良い。また、登録データ記憶部21は、生徒の情報に加えて、教育機関で講義を行う講師、及び教育機関サーバ201を管理する管理者の情報が記憶されている。なお、本実施形態および以降の実施形態におけるユーザ登録データは、なりすまし等を防ぐために、公的証明書に記載された情報に対応するデータ(公的証明書によって本人であることが証明できるデータ)を含む。すなわち、ユーザ登録データは、公的証明書に記載された氏名、住所、生年月日、顔画像等の少なくとも一部を含む。そして、後述するように、ユーザ登録を行う際には、ユーザによって入力されたユーザ登録データと、公的証明書上のデータとが照合される。
【0018】
また、図5に示すように、オンライン学習教材の利用を申し込んだ生徒については、オンライン学習教材を利用するためのログインIDおよびパスワードが発行され、それらの情報も登録データ記憶部21に記憶される。また、講師、又は管理者についても、教育機関サーバ201にアクセスする際に要求されるログインIDおよびパスワードが発行され、それらの情報も登録データ記憶部21に記憶される。
【0019】
また、オンライン学習教材の配信を受けるためには、配信中の本人確認のためにユーザの認証用顔写真データ(顔画像のデータ)を登録しておく必要がある。本実施形態では、講師、又は管理者についても、教育機関サーバ201にアクセスする際に本人確認するための本人の認証用顔写真データ(顔画像のデータ)が登録されている。認証用顔写真データは、図7A及び図7Bに示して後述するようにユーザ端末301からアップロードされてもよいし、教育機関において撮影された生徒、講師又は管理者の顔画像であってもよい。また、認証用顔写真データは、顔画像そのものに限られず、当該顔画像から抽出された認証用特徴データであってもよい。認証用顔写真データは、登録データ記憶部21に記憶される。
【0020】
進捗データ受付部22は、生徒がオンライン学習教材(コンテンツ)を修了する都度、その情報を受け付けて、進捗データとして管理する。予約管理部23は、講師がリアルタイムで行うオンライン講習に対する生徒からの予約、及び教育機関における講師と生徒とが対面して行われる講習に対する生徒からの予約を管理する。
【0021】
図6は、一時データ記憶部24に一時的に記憶される顔写真付き公的証明書データの一例を示す図である。一時データ記憶部24は、顔写真付き公的証明書データを一時的に記憶する。一時データ記憶部24では、顔写真付き公的証明書データは、ユーザ登録データの少なくとも一部のデータ(例えば、ログインID)と関連付けられて一時的に記憶される。ここで、「顔写真付き公的証明書」とは、公的機関から発行される顔写真付きの証明書であり、本人の身元・身分を特定するもの、または、法的資格を証明するものである。本実施形態における顔写真付き公的証明書は、これに限られないが、マイナンバーカード、運転免許証、在留カード、パスポート等の証明書を用いることができる。
【0022】
図2に示す照合処理部25は、登録データ記憶部21に記憶されるユーザ登録データと、一時データ記憶部24に記憶された顔写真付き公的証明書データとの照合を行う。照合に関する処理は、図9及び図10を示して後述する。通信部26は、ユーザ端末301および配信装置100との通信を制御する。
【0023】
図3は、ユーザ端末301の構成を示すブロック図である。図3に示すように、ユーザ端末301は、表示制御部31、操作部32、カメラ33、ディスプレイ34、記憶部35、及び通信部36を備えている。表示制御部31は、例えば、Webブラウザにより実現される。操作部32は、例えばディスプレイ34に一体化されたタッチパネル等で実現され、受講者からの入力を受け付ける。カメラ33は、ユーザ端末301に内蔵されているカメラであり、いわゆるインカメラとして、受講者がディスプレイ34を見ている状態で、当該受講者の画像を撮影可能に構成されている。通信部36は、配信装置100および教育機関サーバ201との通信を制御する。記憶部35には、カメラ33により撮影されたユーザの顔写真データ(認証用顔写真データ)と、ユーザによりデータ化された顔写真付き公的証明書データとが記憶されている。
【0024】
図7Aは、生徒登録画面の例を示す図である。図7Bは、講師登録画面の例を示す図である。生徒登録画面、講師登録画面、後述する各画面は、例えば、ユーザ端末301のディスプレイ34に表示される。なお、図7A及び図7Bでは、画面の全体を図示しているが、この画面の全体がユーザ端末301のディスプレイ面に一度で収まるように表示される必要はない。例えばスマートフォン等において、画面をスクロールさせることによって、この画面の全体を見られるようにしても良い。
【0025】
図7A及び図7Bに示すように、生徒登録画面及び講師登録画面には、入力欄41a~41eと、認証用顔写真データをアップロードするためのボタン42aと、顔写真付き公的証明書データをアップロードするためのボタン42bと、入力内容を確認するための確認ボタン43と、が表示される。入力欄41aには、生徒又は講師により、生徒が契約するか又は講師が所属する教育機関名が入力される。入力欄41bには、生徒又は講師により、生徒又は講師の名前(氏名)が入力される。入力欄41cには、生徒又は講師により、生徒又は講師のメールアドレスが入力される。入力欄41dには、生徒又は講師により、生徒又は講師のパスワードが入力される。なお、生徒登録画面には、さらに、生年月日を生徒が入力するための入力欄41f、住所の入力欄41g、生徒と教育機関との契約プランを生徒が入力するための入力欄、及び当該契約プランの契約期間を生徒が入力するための入力欄が表示されてもよい。
【0026】
生徒や講師等がユーザ登録を行う場合、認証用顔写真データと、顔写真付き公的証明書データとを、ユーザ端末301から教育機関サーバ201へアップロードする必要がある。このため、ユーザは、ユーザ端末301のカメラ33を用いて、自分の顔を撮影する。撮影された画像は、記憶部35に記憶される。なお、ユーザ登録時に顔を撮影する代わりに、事前に撮影されて記憶部35に記憶されている画像を使用することも可能である。同様に、ユーザが、顔写真付き公的証明書をカメラ33で撮影すると、撮影された画像は記憶部35に記憶される。ユーザ登録時に公的証明書を撮影する代わりに、事前に公的証明書を撮影しておけば、記憶部35に記憶されているその画像を使用することも可能である。ボタン42aが操作された場合、ユーザ端末301上の記憶部35に記憶された認証用顔写真データが教育機関サーバ201にアップロードされる。ボタン42bが操作された場合、ユーザ端末301上の記憶部35に記憶された顔写真付き公的証明書データが教育機関サーバ201にアップロードされ、一時データ記憶部24に一時的に記憶される。
【0027】
また、図7A及び図7Bに示すように、生徒登録画面及び講師登録画面には、さらに、認証用顔写真データとして利用するためのユーザの顔を撮影するためのボタン142aと、顔写真付き公的証明書を撮影するためのボタン142bと、撮影した認証用顔写真データを確認するための表示142cと、撮影した顔写真付き公的証明書データを確認するための表示142dとが表示される。ボタン142a又は142bがユーザにより操作される(タッチされる)と、ユーザ端末301のカメラ33が自動的に起動する。なお、図示しないが、カメラ33を起動させる際に、ユーザにカメラ33の起動の許可を取る画面が表示されてもよい。
【0028】
図8Aは、カメラ33を用いた認証用顔写真データの取得の一例を示す模式図であって、ボタン142aが操作された後の画面の図である。図8Bは、カメラ33を用いた顔写真付き公的証明書データの取得の一例を示す模式図であって、ボタン142bが操作された後の画面の図である。図8A及び図8Bに示すように、ユーザ端末301のディスプレイ34には、カメラ33により撮影された画像表示部34aと、ガイド枠34bと、撮影ボタン34cと、決定ボタン34dと、消去ボタン34eとが表示される。
【0029】
まず、ボタン142a又は142bがユーザにより操作されると、画像表示部34aには、カメラ33により現在撮影されている画像が表示される。そして、撮影ボタン34cがユーザにより操作されると、撮影ボタン34cが操作されたタイミングに撮影された画像が画像データとして一時的にメモリに保持(キャプチャリング)される。そして、撮影ボタン34cが操作されると、画像表示部34aには、キャプチャリングされた画像(静止画像)が表示される。また、消去ボタン34eが操作されると、キャプチャリングされた画像データが消去される。その後、画像表示部34aには、カメラ33により現在撮影されている画像が表示される。また、ガイド枠34bは、顔及び公的証明書を適切な寸法で撮影するためのガイド表示である。ガイド枠34bの形状は、図8A及び図8Bに示すように、顔の撮影、及び公的証明書の撮影の各々に応じた形状に設定されている。
【0030】
そして、決定ボタン34dがユーザにより操作されると、ユーザ端末301に表示される画面は、図7A又は図7Bの画面に戻り、キャプチャリングされた画像が、撮影した認証用顔写真データを確認するための表示142cと、撮影した顔写真付き公的証明書データを確認するための表示142dとのうちの対応する方に表示される。ユーザは、表示142c及び142dを確認し、撮影を再度行いたいと考えた場合には、再びボタン142a又は142bを操作することにより、画像の再撮影を行うことが可能である。
【0031】
そして、確認ボタン43が操作されると、照合処理部25は、顔写真付き公的証明書データから顔画像又は顔の特徴データを抽出する。そして、照合処理部25は、認証用顔写真データと、顔写真付き公的証明書データから抽出した顔画像又は顔の特徴データとのマッチング(照合)を行う。また、照合処理部25は、顔写真付き公的証明書データから氏名、住所及び生年月日などの文字データを抽出する。そして、照合処理部25は、生徒登録画面又は講師登録画面で入力されたデータ(ユーザ登録データ)と、顔写真付き公的証明書データから抽出した文字データとのマッチング(照合)を行う。
【0032】
上記マッチングの結果が一致していれば(照合が成功すれば)、図9に示すように、登録ボタン44がユーザ端末301に表示される。登録ボタン44は、生徒登録画面又は講師登録画面で入力されたデータのうち顔写真付き公的証明書データ以外のデータ(ユーザ登録データ)を、登録データ記憶部21に登録するためのボタンである。登録ボタン44が操作されると、認証用顔写真データを含むユーザ登録データ(図5参照)が登録データ記憶部21に登録される。また、マッチングの結果が一致しなければ(照合が失敗すれば)、図10に示すように、「照合が失敗しました。もう一度、入力し直してください。」等の再入力を促すメッセージと、生徒登録画面又は講師登録画面に戻るためのボタン45がユーザ端末301に表示される。ボタン45が操作されると、再び生徒登録画面又は講師登録画面が表示される。その後、生徒登録画面又は講師登録画面が表示された状態で、ユーザは入力した情報を修正するか、認証用顔写真データ又は顔写真付き公的証明書データをアップロードし直すことができる。
【0033】
図11は、照合処理部25における照合の後の一時データ記憶部24を説明するための図である。図11に示すように、本実施形態では、一時データ記憶部24は、照合処理部25における照合の後には、当該照合に用いた顔写真付き公的証明書データを保持しない。一時データ記憶部24は、照合処理部25における照合が成功した場合に、当該照合に用いた顔写真付き公的証明書データを消去する。すなわち、教育機関サーバ201又は配信装置100には、照合が完了した後は、顔写真付き公的証明書データは保存されない。また、一時データ記憶部24は、ユーザ端末301との通信が切断された場合や、その他の理由によって登録が中止された場合も、顔写真付き公的証明書データを消去する。これによれば、ユーザ登録データが顔写真付き公的証明書データに照合されることにより、ユーザ登録データがユーザ本人のものであることを保証することができる。そして、照合に用いた顔写真付き公的証明書データは、照合の後は保持されないので、顔写真付き公的証明書データの流出を防止することができる。この結果、ユーザの情報が流出するリスクを低減しながら、ユーザ登録データがユーザ本人のものであることを保証することができる。
【0034】
図12は、照合処理部25における照合が成功し、ユーザ登録データが登録データ記憶部21に登録された後のログイン画面の例を示す図である。図12に示すように、ユーザは、ログインIDおよびパスワードの発行を受けた後は、自らのユーザ端末301から配信装置100にログインすることにより、オンライン学習システム100aにアクセスすることができる。
【0035】
ここで、配信装置100を利用したオンライン講習の受講と、受講中の本人確認および進捗確認について説明する。ユーザは、教育機関から付与されたログインIDおよびパスワードの入力と顔認証とを用いて、配信装置100にログインすることができる。なお、教育機関の生徒に付与されたログインIDおよびパスワードは、教育機関サーバ201の登録データ記憶部21に記憶されると共に、教育機関サーバ201から配信装置100に送られ、受講者管理部13がアクセス可能なメモリに記憶される。また、オンライン学習中の本人確認のために教育機関サーバ201に姓と登録データ記憶部21に記憶された認証用顔写真データも、ログインIDおよびパスワードと共に、配信装置100に送られ、受講者管理部13がアクセス可能なメモリに記憶される。
【0036】
図12に示すように、ログイン画面のURLは、教育機関から受講者へURLまたはQRコード(登録商標)等によって通知される。図12は、ユーザ端末301に表示されるログイン画面の一例を示す模式図である。図12に示すように、ログイン画面には、ログインIDとパスワードの入力欄51a,51bが表示される。ユーザがログインIDとパスワードを入力し、その下の「ログイン」ボタン51cをタッチすることにより、オンライン学習システム100aを利用することが可能となる。なお、ログイン画面の最上部には、ログインIDとパスワードを発行した教育機関(受講者が通っている教育機関)のロゴ51dが表示される。
【0037】
図13は、ログイン後にユーザ端末301に表示される「マイページ」の一例を示す模式図である。図13に示した例では、ユーザ端末301の画面に、氏名やステータス等を含む、受講者のユーザ情報52aが表示されている。また、これから受講すべき項目が、受講予定講座52bとして表示されている。図13の例では、第一段階の項目のうち、未受講の項目のいくつかが、そのタイトル52b2と、内容を表すサムネイル画像52b1とによって表示されている。未受講の項目が多い場合は、そのうちのいくつかのみが画面に表示され、講座一覧ボタン52cをタッチすると、第一段階の全項目の一覧が表示されるようにしても良い(図14参照)。なお、第一段階が修了していない受講者に対しては、第一段階の受講項目のみが表示され、第二段階の講義を選択することはできない。タイトル52b2はハイパーリンクであり、受講者がこれにタッチすると、当該項目のオンライン学習教材の配信要求が、ユーザ端末301から配信装置100へ送信される。
【0038】
図14に示すように、講座一覧ボタン52cをタッチすると、第一段階の講義の全項目が一覧表示される。この一覧表示には、項目番号53a、タイトル53b、受講状況53c、受講選択ボタン53dが表示される。受講済みの項目については、受講状況53cに「〇」印が表示され、未受講の項目については「×」印と「受講する」ボタンが表示される。なお、受講済みの項目については「再受講する」ボタンが表示され、これをタッチすることにより再受講することが可能である。受講者が「受講する」ボタンまたは「再受講する」ボタンを選択することにより、選択された項目のオンライン学習教材の配信要求が、ユーザ端末301から配信装置100へ送信される。
【0039】
なお、前述のように、第一段階においては、最初に項目番号1-1の「入門」を受講しなければならないとされている。したがって、受講者が項目番号1-1を受講する前は、項目番号1-1においてのみ「受講する」ボタンが表示され、他の項目については受講選択ボタンが表示されないようになっている。
【0040】
配信装置100においては、通信部16が、ユーザ端末301からオンライン学習教材の配信要求を受け取り、配信制御部15に渡す。配信要求には、受講者のログインIDと、配信を希望するオンライン学習教材の項目番号とが含まれている。配信制御部15は、受講者管理部13に照会し、受け取った配信要求に含まれるログインIDが正規に発行されたログインIDであるか否かを確認する。ログインIDが正しい場合、配信制御部15は、配信要求された項目番号のオンライン学習教材を講義データ記憶部11から抽出し、通信部16およびインターネット10を介して、ユーザ端末301へ配信する。
【0041】
図15は、ユーザ端末301に配信されたオンライン学習教材(講義動画)の表示画面の一例である。なお、図15は、ユーザ端末301が、パーソナルコンピュータやタブレット等のように、比較的大きいディスプレイを有する場合の表示画面例である。スマートフォン等のようにディスプレイが小さい場合のオンライン学習教材の表示画面例については、後で説明する。図15に示すように、オンライン学習教材の表示画面には、配信中の講義の項目番号およびタイトルの表示欄54dと、受講ステータス欄54eが表示される。図15の例では、受講者は項目番号1-1の「入門」を初めて受講しているため、受講ステータス欄54eには「未受講」が表示されている。オンライン学習教材(図15では、講義動画)は、教材表示ウィンドウ54aに表示される。図15の例では、教材表示ウィンドウ54aの左上に、手話通訳動画が表示されている。また、教材表示ウィンドウ54aの下部には、日本語字幕が表示されている。手話通訳動画および日本語字幕を講義動画と同時に表示することにより、聴覚障害のある受講者も講義内容を十分に理解することができる。なお、字幕の言語を、日本語以外の言語から選択可能としても良い。教材表示ウィンドウ54aの下には、再生の一時停止や再開等を制御すると共に、現在の再生ポイントを表示する操作ウィンドウ54bが表示されている。さらにその下には、講座情報54cとして、講座で使用されている教本のタイトル、参照すべきページ数、講座の概要情報などが表示される。また、教材の画像データが配信されている場合、操作ウィンドウ54bには、ページ送りやページ戻りを制御する表示がなされていてもよい。また、問題回答データが配信されている場合、操作ウィンドウ54bには、次の問題へ進むこと又は前の問題へ戻ることを制御する表示がなされていてもよい。
【0042】
また、教材表示ウィンドウ54aの右横に、認証用ウィンドウ54fが表示されている。認証用ウィンドウ54fには、ユーザ端末301に内蔵されたカメラ33によって撮影された画像が、動画またはコマ送りの静止画として表示される。認証用ウィンドウ54fは、カメラ33によって撮影される範囲を示す。認証用ウィンドウ54fには、認識枠54gが表示されている。認識枠54gは、カメラ33で撮影されて認証用ウィンドウ54fに表示されている画像のうち、配信装置100に登録されている顔画像(認証用顔写真データ)とのマッチング対象とされる領域を表している。したがって、受講者は、図16に示すように、認識枠54g内に自分の顔が入るようにして、オンライン学習教材に取り組む必要がある。
【0043】
認証処理部14は、認識枠54g内の画像を一定の時間間隔でサンプリング(キャプチャ)し、受講者の認証用顔写真データとマッチングを行う。マッチングの結果が一致していれば、認証処理部14は、受講者本人がオンライン学習教材に取り組んでいるもの(講義動画の場合、聴講しているもの)と判断し、そのマッチングを行った時刻の情報を、受講進捗管理部12へ送る。受講進捗管理部12は、認証処理部14から受け取った時刻情報に基づき、オンライン学習教材のうちの認証できたポイントまで(動画の再生開始から受講者本人が聴講したことが確認できたポイントまで)を、受講済みとする。図16に示す講義動画の場合、動画の再生開始から受講者本人が聴講したことが確認できたポイントまでを、受講済みとする。また、図17に示す問題回答データ(オンラインドリル等のデータ)の場合、受講者本人が取り組んだことが確認できた問題までを、受講済み(回答済)とする。また、認証処理部14が、10秒おきにマッチングを行う場合、認証処理部14は、10秒おきに、オンライン学習教材における受講済みのポイントを更新することとなる。
【0044】
例えば、図16及び図17に示すように、受講者本人の顔部分が認識枠54gに入っていれば、認証処理部14によるマッチングの結果、受講者本人が聴講しているものと判断される蓋然性が高い。一方、受講者の顔部分が認識枠54gに入っていたとしても、受講者が本人でなければ、キャプチャされた顔画像が登録されているものとは異なるとして、本人認証が失敗する蓋然性が高い。また、図18に示すように、受講者が本人であったとしても、例えば居眠りをして俯いた結果、認識枠54g内に顔が入っていない場合は、本人認証は失敗する。また、受講者が離席している場合も、認識枠54g内に顔が入っていないので、本人認証は失敗する。認証処理部14は、1項目の講義の聴講中に本人認証の失敗が所定の回数以上発生した場合、または、本人認証の失敗が所定の回数以上連続して発生した場合に、受講が正しくなされていないものと判断する。その場合、受講進捗管理部12は、途中まであるいは最後まで聴講が進捗していたとしても、聴講されていた項目を「未受講」とし、当該項目については講義の最初から受講し直さなければならないものとする。なお、1項目の講義の聴講中に本人認証の失敗が所定の回数以上発生した時点、または、本人認証の失敗が所定の回数以上連続して発生した時点で、配信制御部15が、オンライン学習教材の配信を中止するようにしても良い。
【0045】
受講者が講義に集中して聴講している場合は、認識枠54gに顔が入るように姿勢を維持することは比較的容易である。また、認識枠54gは、教材表示ウィンドウ54aのすぐ横に表示されているので、受講者にとっては、教材表示ウィンドウ54aを見つつ、認識枠54g内に顔が入っているか否かを確認することは、困難ではない。したがって、オンライン学習システム100aによれば、オンライン学習教材を受講している受講者が、本人か否かを容易にかつ確実に判断することができる。これにより、学科教習をオンライン講義で受講させたとしても、教育機関の教室で受講している場合と同等の学習環境を提供でき、学習成果を保証することができる。また、オンライン学習システム100aでは、オンライン学習教材の配信中(表示中)に、ユーザ端末301に設けられたカメラ33で撮影した画像に基づき、バックグラウンドで顔認証が行われる。これにより、受講者が受講中に自発的かつ意図的に生体認証を行う必要がある従来のシステムと比較して、顔認証がオンライン学習教材の取り組みの妨げにならず、学習に対する受講者の集中力が削がれることがない。
【0046】
このように受講する時間や場所に制限が無く、受講者が自分の都合に合わせてオンライン学習を行うことが可能となり、受講者にとって非常に利便性が高い。例えば、24時間いつでも学習を行うことができるので、日中は職場や学校に行っている受講者や、海外出張中に時差のある地域から受講したい者にとって便利である。また、教育機関にとっても、大きな会場を確保しなくても済む等のメリットがある。
【0047】
なお、上記の例では、一定の時間間隔(例えば10秒おき)で本人認証を行うものとしたが、本人認証を行うタイミングをランダムに設定しても良い。この場合、受講者が、本人認証が行われるタイミングを予測できないので、成りすまし等の不正をより確実に防止することが可能となる。
【0048】
ここで、ユーザ端末301がスマートフォンのように比較的小さいディスプレイを有する場合の、受講動画の表示画面例を、図19に示す。図16図19とを比較することからわかるように、スマートフォン用の受講動画の表示画面(図19)には、パーソナルコンピュータ等のディスプレイに表示されていた認証用ウィンドウ54f(図16参照)は無い。その代わりに、図19に示すように、スマートフォンの表示画面において教材表示ウィンドウ54aの近傍に、認証チェックボタン54hが表示されている。なお、認証用ウィンドウが画面に表示されていなくても、オンライン学習教材の表示中には、バックグラウンドにおいて、一定間隔またはランダムなタイミングで、顔認証による本人確認が行われている。
【0049】
受講者は、自分がユーザ端末301に対して、顔認証が適切に行われるポジションに居るか否かを確認するために、認証チェックボタン54hを操作する。すなわち、講義開始前または講義中に、受講者が認証チェックボタン54hにタッチすると、スマートフォンの画面表示が切り替わり、図20に示すような認証用ウィンドウ54fが表示される。認証用ウィンドウ54f内には、認識枠54gが表示されている。ここで、図20に示すように、認識枠54g内に顔が入っていれば、受講中に本人確認が正しく行われる。一方、図21に示すように、認識枠54g内に顔が入っていなければ、受講中に本人確認が正しく行われない。したがって、受講者は、この画面を見ながら、ユーザ端末301の角度やポジションを調整する。認識枠54gに顔が入ったら、「講義に戻る」ボタン54iをタッチすることにより、オンライン学習教材の表示画面に戻ることができる。なお、講義動画が再生されている場合、図21に示した認証用ウィンドウ54fが表示されている間は、講義が進んでしまわないように、講義動画の再生は一時停止されている。
【0050】
なお、図21に示した例では、認証チェックボタン54hをタッチすることにより、認証用ウィンドウ54fが表示されるものとした。しかし、認証チェックボタン54hの代わりに、講義動画の再生中に操作ウィンドウ54b内に表示される一時停止ボタンを操作することにより、講義動画の再生が一時停止され、認証用ウィンドウ54fが表示されるようにしても良い。
【0051】
あるいは、認証チェックボタン54hを操作する代わりに、スマートフォンの画面をスワイプ操作することにより、認証用ウィンドウ54fが表示されるものとしても良い。
【0052】
[第2実施形態]
次に、図22及び図23を参照して、第2実施形態による情報管理システム100bについて説明する。第2実施形態は、オンライン学習システムとして構成されていた第1実施形態とは異なり、ユーザの情報を管理するための情報管理システム100bとして構成されている。なお、第1実施形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】
第2実施形態による情報管理システム100bは、例えば、オンラインで提供されるサービスを利用するユーザの情報の管理に用いられる。オンラインで提供されるサービスとしては、これに限られないが、オンラインショッピング、マッチング(出会い系)サービス、取引仲介サービス、コンテンツ配信サービス、オンライン医療サービス、予約管理サービス、及び電子メールサービス等が挙げられる。図22に示すように、情報管理システム100bは、ユーザ端末301と通信するサーバ装置401を含む。サーバ装置401は、登録データ記憶部21aと、一時データ記憶部24aと、照合処理部25aと、通信部26aとを含む。
【0054】
ユーザの氏名、電話番号、ログインID、パスワード、住所、及び生年月日等のユーザ登録データが、ユーザ端末301からユーザによって入力され、登録データ記憶部21aに記憶される。一時データ記憶部24aには、公的証明書データが一時的に記憶される。この公的証明書データは、第1実施形態と同様の顔写真付き公的証明書データであってもよいし、第1実施形態と異なり、顔写真が付されていない公的証明書データ(例えば、健康保険証など)であってもよい。
【0055】
図23は、ユーザ端末301(ユーザ端末301a~301cのいずれか)に表示されるユーザ登録画面の例を示す図である。図23に示すように、ユーザ登録画面では、入力欄41b~41gと、公的証明書データをアップロードするためのボタン42b2と、確認ボタン43と、ボタン142b2が表示される。ボタン42b2が操作されると、ユーザ端末301に記憶されている公的証明書データが、一時データ記憶部24aに記憶される。また、ボタン142b2が操作されると、ユーザ端末301のカメラ33が起動して、図8Bに示す画面が表示される。そして、上記第1実施形態と同様に公的証明書が撮影されると、図23に示すように、ユーザ登録画面に、撮影した画像が画像表示部142d2に表示される。
【0056】
照合処理部25aは、公的証明書データから名前、生年月日、及び住所等の文字データを抽出する。そして、照合処理部25aは、抽出した文字データと、ユーザ登録画面で入力された情報とを照合する。照合処理部25aは、照合が成功した場合、図9に示すように照合が成功したことを通知する画面をユーザ端末301に表示させる。そして、登録ボタン44が操作されることにより、登録データ記憶部21aに、ユーザ登録画面で入力された情報が登録される。また、照合処理部25aは、照合が失敗した場合、図10に示すように照合が失敗したことを通知する画面をユーザ端末301に表示させる。そして、一時データ記憶部24aは、照合の後は、公的証明書データを保持しない。例えば、一時データ記憶部24aは、照合が成功した時に公的証明書データを消去する。また、一時データ記憶部24aは、ユーザ端末301との通信が切断(登録作業が中止された場合)、公的証明書データを消去する。これにより、第2実施形態においても、ユーザの情報の流出リスクを低減しながら、登録されたユーザのデータがユーザ本人のものであることを保証することができる。
【0057】
[変形例]
上記第1及び第2実施形態に例示した具体例は、あくまでも一例であって、本発明の実施形態をこれに限定する趣旨ではない。
【0058】
例えば、上記第1及び第2実施形態においては、一時データ記憶部が、照合の後に公的証明書データを消去する例を示した。しかし、公的証明書データが一時データ記憶部に保持されないようにするために、上記のように公的証明書データを個別に能動的に消去する他に、別の公的証明書データを上書きすることにより、上書き前の公的証明書データが保持されないように一時データ記憶部を構成してもよい。あるいは、所定のタイミングで記憶内容が全消去されるように一時データ記憶部を構成してもよい。
【0059】
また、上記第1実施形態においては、配信装置と教育機関サーバとを別個に構成する例を示したが、配信装置と教育機関サーバとが一体的に構成されていてもよい。
【0060】
また、上記第1実施形態においては、照合処理部は、顔写真データと、顔写真付き公的証明書データとの照合に加えて、顔写真付き公的証明書データから文字データを抽出し、生徒登録画面又は講師登録画面で入力されたユーザ登録データと、抽出した文字データとのマッチング(照合)を行う例を示したが、照合処理部は、顔写真データと、顔写真付き公的証明書データとの照合のみを行ってもよい。
【0061】
また、上記第1実施形態においては、ユーザ端末301がカメラ33として内蔵カメラ(インカメラ)を有する構成を例示したが、受講中の受講者を撮影するためのカメラは内蔵カメラに限定されず、ユーザ端末301に接続して使用される外部カメラであっても良い。
【0062】
また、上記第1実施形態では、ユーザ端末301の記憶部35からアップロードした認証用画像データ、及びユーザ端末301のカメラ33により撮影された認証用画像データとのいずれか一方と、顔写真付き公的証明書データとを照合する例を示したが、これに限られない。例えば、ユーザ端末301の記憶部35からアップロードした認証用画像データと顔写真付き公的証明書データとを照合し、かつ、カメラ33により撮影された顔画像と顔写真付き公的証明書データとを照合して、両方の照合が成功した場合のみ、ユーザ登録データが登録データ記憶部21への登録が許可されるように、教育機関サーバ201が構成されてもよい。
【0063】
上記の実施形態においては、本発明の一例である配信装置100を、1つまたは複数のコンピュータおよびその周辺装置として、すなわちハードウェアとして実施する例を説明した。しかし、本発明は、配信装置100の機能を1つまたは複数のコンピュータ等に実行させるためのプログラムまたはそのプログラムを記憶した記録媒体としても、実施することができる。
【0064】
なお、本発明は以下のように説明することもできる。
【0065】
[第1の構成]
第1の構成にかかるサーバ装置は、
公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部と、
公的証明書データを一時的に記憶する一時データ記憶部と、
前記登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データと、前記一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理部と、を備え、
前記一時データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを保持しない。
【0066】
第1の構成によれば、ユーザ登録データが公的証明書データに照合されることにより、ユーザ登録データがユーザ本人のものであることを保証することができる。そして、照合に用いた公的証明書データは、照合の後は保持されないので、公的証明書データの流出を防止することができる。この結果、ユーザの情報の流出リスクを低減しながら、登録されたユーザのデータがユーザ本人のものであることを保証することができる。
【0067】
[第2の構成]
第2の構成にかかるサーバ装置は、第1の構成において、
前記ユーザ登録データは、顔写真データを含み、
前記公的証明書データは、顔写真付き証明書データを含み、
前記照合処理部は、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データと、前記一時データ記憶部に記憶された顔写真付き公的証明書データとの照合を行う。
【0068】
第2の構成によれば、ユーザ登録データに顔写真データが含まれる場合でも、ユーザの情報の流出リスクを低減しながら、顔写真データがユーザ本人のものであることを保証することができる。
【0069】
[第3の構成]
第3の構成にかかるオンライン学習システムは、第2の構成のサーバ装置と、
ユーザ端末へ、オンライン学習教材を配信する配信制御部と、
ユーザ端末により撮影された画像と、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データとに基づいて、前記配信制御部により前記オンライン学習教材が配信される際に、ユーザの顔認証を行う認証処理部と、を備える。
【0070】
第3の構成によれば、顔写真付き公的証明書データにより照合済の顔写真データを用いて、オンライン学習教材が配信される際にユーザの顔認証を行うことができるので、本人がオンライン学習を受講したことを保証できるオンライン学習システムを提供することが可能となる。
【0071】
ここに開示する発明は、ユーザ端末からアクセス可能なコンピュータのプロセッサで実行されるプログラム、または、そのプログラムを記録した記録媒体としても実施可能である。
【符号の説明】
【0072】
100a…オンライン学習システム、100b…情報管理システム、14…認証処理部、15…配信制御部、16…通信部、21,21a…登録データ記憶部、24,24a…一時データ記憶部、25,25a…照合処理部、100…配信装置、201…教育機関サーバ、301…ユーザ端末、401…サーバ装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7A
図7B
図8A
図8B
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
【手続補正書】
【提出日】2021-12-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部と、
公的証明書データを一時的に記憶する一時データ記憶部と、
前記登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データと、前記一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理部と、を備え、
前記一時データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを保持しないで、前記登録データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後でかつ前記照合処理部による照合が成功した場合、当該照合に用いたユーザ登録データを登録する、サーバ装置。
【請求項2】
ユーザ端末と通信する通信部と、
前記ユーザ端末から取得した情報と、前記照合に用いたユーザ登録データとに基づいて、本人確認を行う認証処理部と、をさらに備え、
前記登録データ記憶部は、前記認証処理部における認証後も継続して、前記照合に用いたユーザ登録データを保持する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記ユーザ登録データは、顔写真データを含み、
前記公的証明書データは、顔写真付き証明書データを含み、
前記照合処理部は、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データと、前記一時データ記憶部に記憶された顔写真付き公的証明書データとの照合を行う、請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
請求項に記載のサーバ装置と、
ユーザ端末へ、オンライン学習教材を配信する配信制御部と、
ユーザ端末により撮影された画像と、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データとに基づいて、前記配信制御部により前記オンライン学習教材が配信される際に、ユーザの顔認証を行う認証処理部と、を備える、オンライン学習システム。
【請求項5】
コンピュータのプロセッサに、
ユーザ登録データ記憶部に記憶されるユーザ登録データであって、公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データと、一時データ記憶部に記憶された公的証明書データとの照合を行う照合処理と、
前記照合処理における照合の後は、当該照合に用いた公的証明書データを前記一時データ記憶部に保持させないで、前記照合処理部における照合の後でかつ照合が成功した場合、当該照合に用いたユーザ登録データを登録するデータ処理と、を行わせる、プログラム。
【請求項6】
請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【手続補正書】
【提出日】2022-03-14
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データであって、顔写真データを含むユーザ登録データを記憶する登録データ記憶部と、
ユーザ端末と通信する通信部と、
ユーザ端末から、当該ユーザ端末で撮影された顔写真付き公的証明書データを取得して一時的に記憶する一時データ記憶部と、
前記ユーザ端末から、前記登録データ記憶部に前記ユーザ登録データとして記憶しようとする顔写真データを取得し、取得した前記顔写真データと、前記一時データ記憶部に記憶された前記顔写真付き公的証明書データとの照合を行う照合処理部と、を備え、
前記一時データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後は、当該照合に用いた前記顔写真付き公的証明書データを保持しないで、前記登録データ記憶部は、前記照合処理部における照合の後でかつ前記照合処理部による照合が成功した場合、当該照合に用いた前記顔写真データを含むユーザ登録データを登録する、サーバ装置。
【請求項2】
記ユーザ端末から取得した顔写真データと、前記照合に用いた顔写真データを含むユーザ登録データとに基づいて、本人確認を行う認証処理部と、をさらに備え、
前記登録データ記憶部は、前記認証処理部における認証後も継続して、前記照合に用いた顔写真データを含むユーザ登録データを保持する、請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のサーバ装置と、
ユーザ端末へ、オンライン学習教材を配信する配信制御部と、
ユーザ端末により撮影された画像と、前記登録データ記憶部に記憶された顔写真データとに基づいて、前記配信制御部により前記オンライン学習教材が配信される際に、ユーザの顔認証を行う顔認証処理部と、を備える、オンライン学習システム。
【請求項4】
コンピュータのプロセッサに、公的証明書に記載された情報に対応するユーザ登録データをユーザ登録データ記憶部に記憶させるために、
ユーザ端末から、当該ユーザ端末で撮影された顔写真付き公的証明書データを取得して一時データ記憶部に一時的に記憶させる処理と、
前記ユーザ端末から、登録データ記憶部にユーザ登録データとして記憶しようとする顔写真データを取得し、取得した前記顔写真データと、前記一時データ記憶部に記憶された前記顔写真付き公的証明書データとの照合を行う照合処理と、
前記照合処理における照合の後は、当該照合に用いた前記顔写真付き公的証明書データを前記一時データ記憶部に保持させないで、前記照合処理の後でかつ照合が成功した場合、当該照合に用いた前記顔写真を含むユーザ登録データを前記ユーザ登録データ記憶部に登録するデータ処理と、を行わせる、プログラム。
【請求項5】
請求項に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。