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特開2023-8709ブースターケーブルおよびスターティング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008709
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】ブースターケーブルおよびスターティング装置
(51)【国際特許分類】
   H01T 15/00 20060101AFI20230112BHJP
【FI】
H01T15/00 C
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021131788
(22)【出願日】2021-08-12
(31)【優先権主張番号】202110763309.6
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202110763308.1
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】521357423
【氏名又は名称】深▲せん▼市天成実業科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】Shenzhen Caross Co., Ltd
【住所又は居所原語表記】North E, 5F, Building E, Baoshi Technology Park, Baoshi Road, Tangtou Community, Shiyan Street, Baoan District, Shenzhen City, Guangdong, China
(74)【代理人】
【識別番号】110002262
【氏名又は名称】TRY国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】朱 純益
(57)【要約】      (修正有)
【課題】点火の成功率を向上させるブースターケーブルおよびスターティング装置を提供する。
【解決手段】ブースターケーブルは、電源接続端と2個の点火クリップを含み、電源接続端は起動電源に接続され、2個の点火クリップは負荷のストレージ・バッテリーに接続され、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを更に含む。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールに接続され、クリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールは2個の点火クリップに接続される。クリップ極性検出モジュールはストレージ・バッテリーの電極の極性を検出し、メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、検出結果によりクリップ接続モジュールがストレージ・バッテリーの電極の極性により2個の点火クリップの極性を確定し、2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源接続端と2個の点火クリップを含み、前記電源接続端は起動電源に接続され、前記2個の点火クリップは負荷のストレージ・バッテリーに接続されるブースターケーブルであって、
前記ブースターケーブルは、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを更に含み、
前記メイン制御装置は前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールに接続され、前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールは前記2個の点火クリップに接続され、
前記2個の点火クリップを前記ストレージ・バッテリーに接続させるとき、前記クリップ極性検出モジュールは前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性を検出し、前記メイン制御装置は前記クリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつ前記検出結果により前記クリップ接続モジュールが前記ストレージ・バッテリーの電極の極性により前記2個の点火クリップの極性を確定し、かつ前記起動電源と前記2個の点火クリップが通電状態になるように制御し、それにより前記2個の点火クリップを前記ストレージ・バッテリーに接続させることを特徴とするブースターケーブル。
【請求項2】
前記クリップ極性検出モジュールは第一クリップ極性検出モジュールと第二クリップ極性検出モジュールを含み、
前記第一クリップ極性検出モジュールと前記第二クリップ極性検出モジュールはいずれもメイン制御装置に接続されるとともに前記2個の点火クリップ中の第一点火クリップと第二点火クリップにそれぞれ接続され、
前記メイン制御装置は、前記第一クリップ極性検出モジュールがレベル信号がローレベル信号に変化することを検出するとき、前記第二点火クリップがストレージ・バッテリーの正極に接続されると確定し、前記第二クリップ極性検出モジュールがレベル信号がローレベル信号に変化することを検出するとき、前記第一点火クリップがストレージ・バッテリーの正極に接続されると確定することを特徴とする請求項1に記載のブースターケーブル。
【請求項3】
前記メイン制御装置は、前記第一クリップ極性検出モジュールと前記第二クリップ極性検出モジュールがレベル信号がいずれもハイレベル信号であることを検出するとき、前記ストレージ・バッテリーは前記第一クリップ極性検出モジュールと前記第二点火クリップに接続されなかったと確定することを特徴とする請求項2に記載のブースターケーブル。
【請求項4】
前記第一クリップ極性検出モジュールは第一フォトカプラーと第一抵抗を含み、前記第二クリップ極性検出モジュールは第二フォトカプラーと第二抵抗を含み、
前記第一フォトカプラーの第一ピンは前記第一抵抗の一端に接続され、前記第一抵抗の他端は前記第一点火クリップに接続され、前記第一フォトカプラーの第二ピンは前記第二点火クリップに接続され、前記第一フォトカプラーの第三ピンは接地され、前記第一フォトカプラーの第四ピンは前記メイン制御装置の第一ピンに接続され、
前記第二フォトカプラーの第一ピンは前記第二抵抗の一端に接続され、前記第二抵抗の他端は前記第二点火クリップに接続され、前記第二フォトカプラーの第二ピンは前記第一点火クリップに接続され、前記第二フォトカプラーの第三ピンは接地され、前記第二フォトカプラーの第四ピンは前記メイン制御装置の第二ピンに接続されることを特徴とする請求項3に記載のブースターケーブル。
【請求項5】
前記ブースターケーブルは入力極性検出モジュールを更に含み、前記入力極性検出モジュールは前記電源接続端と前記メイン制御装置に接続され、
前記入力極性検出モジュールは前記電源接続端に接続される2個の極性端子を含み、電源接続端を前記起動電源に接続させるとき、前記2個の極性端子が前記起動電源に接続されることによりレベル信号が形成され、前記メイン制御装置は前記入力極性検出モジュールにより前記レベル信号を受信し、かつ前記レベル信号により前記2個の極性端子が接続されている前記起動電源の電極の極性を判断することを特徴とする請求項1に記載のブースターケーブル。
【請求項6】
前記ブースターケーブルは入力極性制御モジュールと電圧安定モジュールを更に含み、
前記入力極性制御モジュールは前記入力極性検出モジュールと前記電圧安定モジュールに接続され、前記電圧安定モジュールは前記メイン制御装置に接続され、
前記入力極性制御モジュールは2組のダイオードを含み、前記各組のダイオードは正極が負極に接続されている2個のダイオードを含み、前記各組のダイオードは前記入力極性検出モジュールの前記2個の極性端子のうち所定の1個の極性端子に接続されることにより前記入力極性検出モジュールが入力する電気信号を整流し、整流された電気信号を前記電圧安定モジュールに送信し、前記電圧安定モジュールは整流された前記電気信号に対して電圧安定処理をし、電圧安定処理がされた電気信号を前記メイン制御装置に送信することにより前記メイン制御装置に給電することを特徴とする請求項5に記載のブースターケーブル。
【請求項7】
前記入力極性検出モジュールは第三フォトカプラーと第三抵抗を含み、前記入力極性制御モジュールは、第一ダイオード、第二ダイオード、第三ダイオード、第四ダイオードおよび第四抵抗を含み、前記電圧安定モジュールは電圧安定チップを含み、
前記第三フォトカプラーの第一ピンは前記2個の極性端子中の第一極性端子に接続されるとともに前記第一ダイオードの正極と前記第二ダイオードの負極に接続され、前記第三フォトカプラーの第二ピンは前記2個の極性端子中の第二極性端子に接続されるとともに前記第三ダイオードの正極と前記第四ダイオードの負極に接続され、前記第三フォトカプラーの第三ピンは接地され、前記第三フォトカプラーの第四ピンは前記メイン制御装置の第三ピンに接続され、
前記第一ダイオードの負極と前記第三ダイオードの負極は前記第四抵抗により前記電圧安定チップの入力端に接続され、前記電圧安定チップの出力端は前記メイン制御装置の第四ピンに接続され、
前記起動電源を前記電源接続端に接続させるとき、前記メイン制御装置の第三ピンが前記レベル信号がローレベル信号であることを検出すると、前記第一極性端子は前記起動電源の正極に接続され、前記第二極性端子は前記起動電源の負極に接続され、前記メイン制御装置の第三ピンがレベル信号がハイレベル信号であることを検出すると、前記第一極性端子は前記起動電源の負極に接続され、前記第二極性端子は前記起動電源の正極に接続されることを特徴とする請求項6に記載のブースターケーブル。
【請求項8】
前記クリップ接続モジュールは複数個のスイッチ制御モジュールと複数個のスイッチを含み、
前記複数個のスイッチ制御モジュールは前記メイン制御装置のさまざまなピンに一対一に接続されるとともに前記複数個のスイッチに一対一に接続され、前記複数個のスイッチはそれぞれ第一点火クリップと前記第二点火クリップに接続され、
前記メイン制御装置は前記入力極性検出モジュールが検出しかつ前記2個の極性端子がそれぞれ接続されている前記起動電源の電極の極性と、前記クリップ極性検出モジュールが検出しかつ前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性とにより、前記複数個のスイッチ制御モジュールが前記複数個のスイッチを導電状態にすることを制御し、極性が対応するように前記電源接続端と前記ストレージ・バッテリーを接続させることを特徴とする請求項5に記載のブースターケーブル。
【請求項9】
前記クリップ接続モジュールは複数個のリレー制御モジュールと複数個のリレースイッチを含み、
前記複数個のリレー制御モジュールは前記メイン制御装置のさまざまなピンに一対一に接続されるとともに前記複数個のリレースイッチに一対一に接続され、前記複数個のリレースイッチはそれぞれ、第一点火クリップと前記第二点火クリップに接続され、
前記メイン制御装置は前記入力極性検出モジュールが検出しかつ前記2個の極性端子がそれぞれ接続されている前記起動電源の電極の極性と、前記クリップ極性検出モジュールが検出しかつ前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性とにより、前記複数個のリレー制御モジュールが前記複数個のリレースイッチを導電状態にすることを制御し、極性が対応するように前記電源接続端と前記ストレージ・バッテリーを接続させることを特徴とする請求項5に記載のブースターケーブル。
【請求項10】
前記複数個のリレースイッチは、第一リレースイッチ、第二リレースイッチ、第三リレースイッチおよび第四リレースイッチを含み、
各前記リレー制御モジュールはいずれも2個のリレー制御サブモジュールを含み、前記各リレー制御サブモジュールは少なくとも1個の抵抗と1個の三極管を含み、
前記抵抗の一端は前記メイン制御装置の1個のピンに接続され、他端は前記三極管のベース電極に接続され、前記三極管のコレクターは前記リレースイッチの1個のピンに接続され、
前記第一点火クリップは前記第二リレースイッチの第一ピンと前記第三リレースイッチの第一ピンに接続され、
前記第二点火クリップは前記第一リレースイッチの第一ピンと前記第四リレースイッチの第一ピンに接続されることを特徴とする請求項9に記載のブースターケーブル。
【請求項11】
前記ブースターケーブルは複数個のリレー検出モジュールを更に含み、そのリレー検出モジュールにより前記リレースイッチが常閉状態にされているかを検出し、
各前記リレー検出モジュールはいずれも、2個のダイオード、1個の三極管および2個の抵抗を含み、
1個の前記ダイオードの正極は前記メイン制御装置の1個のピンと前記1個の三極管のコレクターに接続され、前記ダイオードの負極は検出対象の前記リレースイッチの第五ピンに接続され、前記1個の三極管のベース電極はそれぞれ前記2個の抵抗の一端に接続され、前記1個の抵抗の他端は他の1個の前記ダイオードの負極に接続され、前記他の1個のダイオードの正極は前記リレースイッチの第一ピンに接続され、
前記メイン制御装置のピンは、レベル信号がハイレベル信号に変化することを検出すると、ピンに対応する前記リレースイッチが常閉状態にされていると判断することを特徴とする請求項10に記載のブースターケーブル。
【請求項12】
起動電源と請求項1~11のうちいずれか一項に記載のブースターケーブルを含み、前記起動電源は出力端を含み、前記ブースターケーブルの電源接続端は前記起動電源の出力端に挿入可能に接続されることを特徴とするスターティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子技術の分野に属し、特にブースターケーブルおよびスターティング装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車はマイクロプロセッサで制御する点火システムを用いている。自動車の排気容量が異なっているので、点火に用いられる電流、電圧およびパワーも異なっている。自動車のストレージ・バッテリーの低電圧(電圧不足)と故障の程度も異なっているので、さまざまな機能を有している点火クリップが提案された。例えば、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor、MOSFET)制御型点火クリップ、パワーダイオード型点火クリップ、直通型点火クリップ等がある。
【0003】
しかしながら、前記複数の点火クリップはさまざまな欠点を有している。MOS制御型点火クリップにより排気容量が大きいエンジンを容易に起動させることができず、放熱による高温によりMOSが破損されるおそれがある。また、点火に成功した後は点火の成功を検出することができないので、点火回路をオフさせることができない。また、ストレージ・バッテリーが破損されることによりエンジンを起動することができないという欠点等を有している。パワーダイオード型点火クリップは排気容量が大きいエンジンを容易に起動させることができず、放熱による高温によりダイオードが破損されるおそれがある。また、短絡保護回路がなく、点火に成功した後は点火の成功を検出することができないので、点火回路をオフさせることができない。直通型点火クリップには逆挿入保護構造が設けられず、短絡保護回路がないので、点火クリップとストレージ・バッテリーの電極の極性が対応しないように接続させるとき、短絡により火事になるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例においてブースターケーブルおよびスターティング装置を提供することにより従来のイグニッション・クリップが有している技術的問題を解決しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例に係るブースターケーブルは、電源接続端と2個の点火クリップを含み、前記電源接続端は起動電源に接続され、前記2個の点火クリップは負荷のストレージ・バッテリーに接続される。前記ブースターケーブルは、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを更に含む。
前記メイン制御装置は前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールに接続され、前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールは前記2個の点火クリップに接続される。
前記2個の点火クリップを前記ストレージ・バッテリーに接続させるとき、前記クリップ極性検出モジュールは前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性を検出し、前記メイン制御装置は前記クリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつ前記検出結果により前記クリップ接続モジュールが前記ストレージ・バッテリーの電極の極性により前記2個の点火クリップの極性を確定し、かつ前記起動電源と前記2個の点火クリップが通電状態になるように制御し、それにより前記2個の点火クリップを前記ストレージ・バッテリーに接続させる。
【0006】
本発明の実施例に係るスターティング装置は起動電源と前記ブースターケーブルを含み、前記起動電源は出力端を含み、前記ブースターケーブルの電源接続端は前記起動電源の出力端に挿入可能に接続される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の実施例において、ブースターケーブルは、電源接続端、2個の点火クリップ、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを含む。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールに接続され、クリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールは2個の点火クリップにも接続される。2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュールは2個の点火クリップがそれぞれ接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつその検出結果によりクリップ接続モジュールがストレージ・バッテリーの電極の極性により2個の点火クリップの極性を確定し、かつ起動電源と2個の点火クリップ、ストレージ・バッテリーとの間の回路を接続させるように制御する。2個の点火クリップの極性はストレージ・バッテリーの電極の極性により自動的に確定されるので、ストレージ・バッテリーと点火クリップの極性が対応するかを予め確認する必要がない。前記ブースターケーブルの2個の点火クリップはストレージ・バッテリーの電極の極性によりストレージ・バッテリーに接続されるので、それにより点火を有効にし、点火クリップによる点火の成功率を向上させることができる。また、点火クリップとストレージ・バッテリーを接続させるとき極性を対応させる必要がないので、極性が対応しないことによる事故を避け、点火クリップの安定性と使用上の寿命を延長させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
以下、本発明の実施例に係る技術的事項または従来技術の技術的事項をより詳細に説明するため、本発明の実施例の図面または従来技術の図面を簡単に説明する。注意されたいことは、下記図面は本発明の例示にしかすぎないことである。
図1】本発明の実施例に係るブースターケーブルの原理を示す図である。
図2】本発明の他の実施例に係るブースターケーブルの原理を示す図である。
図3】本発明の他の実施例に係るブースターケーブルのメイン制御装置の構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。
図4】本発明の他の実施例に係るクリップ極性検出モジュールの構造と接続関係を示す図である。
図5】本発明の他の実施例に係るブースターケーブルの入力極性検出モジュール、クリップ接続モジュールおよびリレー検出モジュールの構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。
図6】本発明の実施例に係るブースターケーブルの入力極性制御モジュール、電圧安定モジュールおよび通報モジュールの構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。
図7】本発明の実施例に係るブースターケーブルの指示モジュールの構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。
図8】本発明の実施例に係る起動点火制御方法を示す流れ図である。
図9】本発明の実施例に係るスターティング装置を示す斜視図である。
図10図9のスターティング装置のブースターケーブルを示す局部拡大図である。
図11図9のスターティング装置の起動電源を示す局部拡大図である。
図12】本発明の実施例に係るブースターケーブルの点火クリップを示す斜視図である。
図13図12のブースターケーブルの本体の構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の目的、特徴、発明の効果をより詳細に理解するため、以下、本発明の実施例の図面により本発明の実施例に係る技術的事項をより詳細に説明する。明らかに、下記実施例は、本発明の実施例の一部を示すものであり、本発明のすべての実施例を示すものでない。この技術分野の技術者が本発明の実施例を参照する場合、創造的な研究をしなくても他の実施例を想到することができ、そのような実施例であっても本発明に含まれることは勿論である。
【0010】
図1を参照すると、図1は本発明の実施例に係るブースターケーブル(jumper cables)の構造を示す図である。前記ブースターケーブルは自動車、遊覧ボート等の点火装置の電子システムに用いられる。前記ブースターケーブルにより外部起動電源(例えば、携帯型バッテリーまたは予備バッテリー)と自動車、遊覧ボート等のストレージ・バッテリー(storage battery)を接続させることによりエンジンを起動させることができる。以下、自動車の点火を例として説明する。前記ブースターケーブルは2個の点火クリップ、すなわち第一点火クリップ11と第二点火クリップ12を含む。前記2個のクリップ11、12は前記自動車のストレージ・バッテリーに接続される。前記ブースターケーブルは前記起動電源の出力端に接続される電源接続端(図示せず)を更に含む。
【0011】
前記ブースターケーブルは、メイン制御装置13、クリップ極性検出モジュール14およびクリップ接続モジュール15を含む。
【0012】
メイン制御装置13は具体的にマスター・コントロール・チップ(Master control chip)とその周辺回路を含み、前記マスター・コントロール・チップは具体的にMCU(Microcontroller Unit)であり、具体的な型番はHT66F018であることができる。前記マスター・コントロール・チップは20個のピンを具備する。
【0013】
メイン制御装置13はクリップ極性検出モジュール14とクリップ接続モジュール15に接続され、クリップ極性検出モジュール14とクリップ接続モジュール15はいずれも、第一点火クリップ11と第二点火クリップ12に接続される。
【0014】
自動車のストレージ・バッテリーは正極と負極を含む。ブースターケーブルにより外部起動電源と自動車のストレージ・バッテリーを接続させるとき、第一点火クリップ11と第二点火クリップ12のうち1つは正極点火クリップになり、他の1つは負極点火クリップになる。しかしながら、本発明の実施例の2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、点火クリップの正極と負極を区分する必要がない。すなわち本発明の2個の点火クリップにおいて、回路を接続させる前に正極と負極を区分する必要がなく、いずれか1つの点火クリップをストレージ・バッテリーの正極に接続させ、他の1つの点火クリップをストレージ・バッテリーの負極に接続させることができる。例えば、第一点火クリップ11をストレージ・バッテリーの正極に接続させ、第二点火クリップ12をストレージ・バッテリーの負極に接続させるか、或いは、第一点火クリップ11をストレージ・バッテリーの負極に接続させ、第二点火クリップ12をストレージ・バッテリーの正極に接続させることができる。前記2個の点火クリップを前記ストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュール14は前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。すなわち前記2個の点火クリップは、前記ストレージ・バッテリーの正極に接続されるか或いは負極に接続されるかを検出する。メイン制御装置13はクリップ極性検出モジュール14の検出結果を受信する。前記クリップ極性検出モジュール14の検出結果は具体的にレベル信号であり、好ましくは、前記検出結果はローレベル信号である。
【0015】
図2を参照すると、図2は本発明の他の実施例に係るブースターケーブルの構造を示す図である。前記第一実施例と比較してみると、本実施例のクリップ極性検出モジュール14は第一クリップ極性検出モジュール141と第二クリップ極性検出モジュール142を含む。第一クリップ極性検出モジュール141と第二クリップ極性検出モジュール142は第一点火クリップ11と第二点火クリップ12にそれぞれ接続されるとともにメイン制御装置13のさまざまなピンにそれぞれ接続される。前記2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、第一クリップ極性検出モジュール141が接続されるメイン制御装置13のピンが、ハイレベル信号がローレベル信号に変化することを検出すると、ストレージ・バッテリーの正極に接続されることは第二点火クリップ12であると判断する。逆の場合、第二クリップ極性検出モジュール142が接続されるメイン制御装置13のピンが、ハイレベル信号がローレベル信号に変化することを検出すると、ストレージ・バッテリーの正極に接続されることは第一点火クリップ11であると判断する。
【0016】
メイン制御装置13は前記検出結果に関する信号を獲得し、かつそれによりクリップ接続モジュール15が前記2個の点火クリップが接続されている前記ストレージ・バッテリーの電極の極性により前記2個の点火クリップの極性を判断するとともに同じ極性を接続させるように制御する。すなわち前記ストレージ・バッテリーの正極に接続される点火クリップは正極点火クリップであり、前記ストレージ・バッテリーの負極に接続される点火クリップは負極点火クリップである場合、第一点火クリップ11と第二点火クリップ12を起動電源の正極と負極に接続させることにより点火をする。本発明の実施例において、点火クリップの極性は2個の点火クリップが接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性により自動的に確定されるので、ストレージ・バッテリーと点火クリップの極性が対応するかを予め確定する必要がなく、自動車の起動にも影響を与えない。
【0017】
本発明の実施例において、ブースターケーブルは、電源接続端、2個の点火クリップ、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを含む。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールに接続され、クリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールは2個の点火クリップにも接続される。2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュールは2個の点火クリップがそれぞれ接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつそれによりクリップ接続モジュールがストレージ・バッテリーの電極の極性により2個の点火クリップの極性を確定し、かつ起動電源と2個の点火クリップ、ストレージ・バッテリーとの間の回路を接続させるように制御する。2個の点火クリップの極性はストレージ・バッテリーの電極の極性により自動的に確定されるので、ストレージ・バッテリーと点火クリップの極性が対応するかを予め確認する必要がない。前記ブースターケーブルの2個の点火クリップはストレージ・バッテリーの電極の極性によりストレージ・バッテリーに接続されるので、それにより点火を有効にし、点火クリップによる点火の成功率を向上させることができる。また、点火クリップとストレージ・バッテリーを接続させるとき極性を対応させる必要がないので、点火クリップの使用上の寿命を延長させることができる。
【0018】
図2を参照すると、前記ブースターケーブルは、入力極性検出モジュール16、入力極性制御モジュール17および電圧安定モジュール18を更に含む。具体的に、入力極性検出モジュール16はメイン制御装置13に接続される。入力極性検出モジュール16は電源接続端に接続される2個の極性端子を含む。電源接続端を起動電源のソケットに挿入するとき、入力極性検出モジュール16の2個の極性端子は電源接続端により前記起動電源の2個の電極にそれぞれ接続され、それによりレベル信号が形成される。メイン制御装置13は入力極性検出モジュール16により前記レベル信号を受信し、かつ前記レベル信号により前記2個の極性端子が接続されている前記起動電源の電極の極性を判断するとともに前記2個の極性端子の極性を確定する。
【0019】
入力極性制御モジュール17は入力極性検出モジュール16と電圧安定モジュール18に接続され、電圧安定モジュール18はメイン制御装置13に接続される。入力極性制御モジュール17は、入力極性検出モジュール16が入力する電気信号を整流し、整流された電気信号を電圧安定モジュール18に送信する。電圧安定モジュール18は、整流された前記電気信号に対して電圧安定処理をし、電圧安定処理がされた電気信号をメイン制御装置13に送信する。それによりメイン制御装置13に給電することができる。
【0020】
本発明の具体的な実施例において、入力極性制御モジュール17は2組のダイオードを含み、各組のダイオードは2個のダイオードを含む。前記2個の極性端子において各極性端子は1組のダイオードに接続され、各組の極性端子において1つのダイオードの尾部は他の1つのダイオードの頭部に接続される。すなわち1つのダイオードの負極は他の1つのダイオードの正極に接続されて、極性端子が接続される起動電源の正極と負極を区分する必要がなく、いずれも入力極性制御モジュール17により電圧安定モジュール18に接続されることができる。極性端子が接続される起動電源の電極の極性による影響を受けないので、入力極性検出モジュール16の電源入力端の2個のダイオードの極性(正極と負極)を区分せずにそのまま起動電源に接続してもメイン制御装置13への給電に影響を与えない。
【0021】
本発明の実施例は電源接続端中の2個の導電端子の極性の区分が不必要であるブースターケーブルを更に提供する。
【0022】
なお、本発明の実施例に係る極性の区分が不必要である導電端子と、本発明の実施例に係る極性の区分が不必要であるイグニッション・クリップを結合して実施することができる。
【0023】
具体的に、クリップ接続モジュール15は複数個のスイッチ制御モジュールと複数個のスイッチを含む。本実施例において、前記スイッチはリレースイッチ(relay switches)であり、前記スイッチ制御モジュールはリレー制御モジュールである。他の実施例において、前記スイッチはMOSトランジスター等であることができる。クリップ接続モジュール15は複数個のリレー制御モジュール151と複数個のリレースイッチ152を含む。複数個のリレー制御モジュール151はメイン制御装置13のさまざまなピンに一対一に接続されることにより複数個のリレースイッチ152に一対一に接続される。複数個のリレースイッチ152はそれぞれ、第一点火クリップ11と第二点火クリップ12に接続される。
【0024】
メイン制御装置13は、入力極性検出モジュール16が検出しかつ2個の極性端子がそれぞれ接続されている起動電源の電極の極性と、クリップ極性検出モジュール14が検出しかつ前記2個の点火クリップがそれぞれ接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性とにより、複数個のリレー制御モジュール151と複数個のリレースイッチ152との間の導電(conduction)状態を制御し、極性により前記2個の極性端子とストレージ・バッテリーを導電状態にすることができる。すなわち入力極性検出モジュール中の2個の極性端子は接続される起動電源の電極の極性により極性を確定し、2個の点火クリップはブースターケーブルの極性により極性を確定し、正極が正極に接続されかつ負極が負極に接続されるように2個の極性端子と2個の点火クリップを接続させることにより前記ストレージ・バッテリーに接続させることができる。
【0025】
前記ブースターケーブルは複数個のリレー検出モジュール19を更に含み、そのリレー検出モジュール19によりリレースイッチ152が常閉(Normally closed)状態にされているかを検出することができる。スイッチの常閉状態は、スイッチが制御不可能な状態になり、導電状態と不導電状態になるときスイッチの状態が正常に変換されないことを意味する。例えば、不導電状態になったが、導電状態と比較してみるとスイッチの状態が変化しないことを意味する。
【0026】
具体的に、各リレー検出モジュール19は、2個のダイオード、1個の三極管および2個の抵抗を含む。1個のダイオードの正極はメイン制御装置13の1個のピンと三極管のコレクター(collector)に接続され、ダイオードの負極は検出対象のリレースイッチの第五ピンに接続され、1個の三極管のベース電極はそれぞれ2個の抵抗の一端に接続され、1個の抵抗の他端は他の1個のダイオードの負極に接続され、他の1個のダイオードの正極はリレースイッチの第一ピンに接続される。
【0027】
メイン制御装置13のピンが、レベル信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化することを検出すると、ピンに対応するリレースイッチが常閉状態にされていると判断する。
【0028】
前記ブースターケーブルは通報モジュール20と指示モジュール21を更に含む。
【0029】
通報モジュール20はメイン制御装置13と電圧安定モジュール18に接続される。通報モジュール20はブザーを含み、そのブザーはメイン制御装置13の指令により完了を意味する音を出すことができる。
【0030】
指示モジュール21はメイン制御装置13に接続され、その指示モジュール21はカラーが異なっている2個の発光ダイオードを含む。その発光ダイオードはメイン制御装置13の指令により点滅をすることにより完了を知らせる。本発明は2個の発光ダイオードのカラーを限定せず、正常と異常を表示できるものであればいずれでもよい。
【0031】
前記ブースターケーブルは起動電源通信モジュールを更に含む。
【0032】
起動電源通信モジュールはDATA-1ネットワークと抵抗R11を含む。DATA-1ネットワークはメイン制御装置13の所定のピンに接続されるとともに前記抵抗R11の一端に接続され、前記抵抗R11の他端は接地されている。起動電源通信モジュールはメイン制御装置と起動電源側に通信可能に接続される。起動電源に故障が発生した場合、この故障に関する故障信号はDATA-1ネットワークによりメイン制御装置に送信され、メイン制御装置は通報信号を通報モジュールに送信することにより通報モジュールが異常を意味する通報信号および/または指示信号を指示モジュールに出力するようにする。具体的に、前記故障信号は起動電源の電圧が低すぎること(すなわち起動電源の電圧が予め設定電圧より低いこと)および/または起動電源の温度が高すぎること(すなわち起動電源の温度が予め設定温度より高いこと)を含む。
【0033】
図3を参照すると、図3はブースターケーブルのメイン制御装置の構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。メイン制御装置はチップU4を含み、メイン制御装置の第二ピンは入力極性検出モジュール16に接続され、第三ピンと第四ピンはそれぞれ第一クリップ極性検出モジュール141と第二クリップ極性検出モジュール142に接続され、第八ピン~第十一ピンはそれぞれ4個のリレー制御モジュール151に接続され、第十二ピンは起動電源通信モジュールのDATA-1ネットワークに接続され、第十六ピン~第十九ピンはそれぞれ4個のリレー検出モジュール19に接続され、第十三ピンは通報モジュール20に接続され、第五ピンと第七ピンはそれぞれ2個の指示モジュール21に接続される。メイン制御装置のチップU4の第十四ピンは温度検出モジュールに接続され、その温度検出モジュールはブースターケーブルの本体の温度を検出することに用いられる。チップU4の第十五ピンは電圧検出モジュールに接続され、その電圧検出モジュールはブースターケーブルの入力電圧(すなわち起動電源の電圧)と点火時電圧を検出することに用いられる。前記温度検出モジュールと電圧検出モジュールとして従来技術を用いることができるので、ここでは詳細に説明しない。
【0034】
具体的に、図4を参照すると、図4はクリップ極性検出モジュール14の構造と接続関係を示す図である。クリップ極性検出モジュール14は第一クリップ極性検出モジュールと第二クリップ極性検出モジュールを含む。第一クリップ極性検出モジュールは第一フォトカプラー(photocoupler)PC1と第一抵抗R19を含み、第二クリップ極性検出モジュールは第二フォトカプラーPC2と第二抵抗R20を含む。
【0035】
第一フォトカプラーPC1は1~4個のピンを含み、ピン1~2はPC1-A側に設けられ、ピン3~4はPC1-B側に設けられ、PC1-AとPC1-Bが接続されることにより第一フォトカプラーPC1を構成することができる。第二フォトカプラーPC2は1~4個のピンを含み、ピン1~2はPC2-A側に設けられ、ピン3~4はPC2-B側に設けられ、PC2-AとPC2-Bが接続されることにより第二フォトカプラーPC2を構成することができる。
【0036】
第一フォトカプラーPC1の第一ピンは第一抵抗R19の一端に接続される。第一抵抗R19の他端は第一点火クリップ11に接続される。第一フォトカプラーPC1の第二ピンは第二点火クリップ12に接続される。第一フォトカプラーPC1の第三ピンは接地されている。第一フォトカプラーPC1の第四ピンはメイン制御装置の第四ピンすなわちメイン制御装置のチップU4の第四ピンに接続される。
【0037】
第二フォトカプラーPC2の第一ピンは第二抵抗R20の一端に接続される。第二抵抗R20の他端は第二点火クリップ12に接続される。第二フォトカプラーPC2の第二ピンは第一点火クリップ11に接続される。第二フォトカプラーPC2の第三ピンは接地されている。第二フォトカプラーPC2の第四ピンはメイン制御装置の第三ピンすなわちメイン制御装置のチップU4の第三ピンに接続される。
【0038】
クリップの出力極性を認識するとき、メイン制御装置の第三ピンが、ハイレベル信号がローレベル信号に変化することを検出すると、OUT--1がストレージ・バッテリーの正極に接続されると判断し、メイン制御装置の第四ピンが、ハイレベル信号がローレベル信号に変化することを検出すると、OUT+-1がストレージ・バッテリーの正極に接続されると判断する。
【0039】
図5図6を参照すると、図5はブースターケーブルの入力極性検出モジュール16、クリップ接続モジュールおよびリレー検出モジュールの構造と接続関係表示用回路の構造を示す図であり、図6はブースターケーブルの入力極性制御モジュール17、電圧安定モジュール18および通報モジュール20の構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。入力極性検出モジュール16は、第一極性端子CE5-1-1、第二極性端子CE5-2-1、第三フォトカプラーPC3および第三抵抗R28を含む。第一極性端子CE5-1-1と第二極性端子CE5-2-1はそれぞれ電源接続端の2個の導電端子に接続される。入力極性制御モジュール17は、第一ダイオードD3、第二ダイオードD4、第三ダイオードD1、第四ダイオードD5および第四抵抗R8を含む。電圧安定モジュール18は電圧安定チップU3を含む。
【0040】
具体的に、第三フォトカプラーPC3は1~4個のピンを含み、ピン1~2はPC3-A側に設けられ、ピン3~4はPC3-B側に設けられる。前記ダイオードの型番はIN4148であることが好ましい。
【0041】
第三フォトカプラーPC3の第一ピンは第一極性端子CE5-1-1に接続されるとともに第一ダイオードD3の正極と第二ダイオードD4の負極に接続される。第三フォトカプラーPC3の第二ピンは第二極性端子CE5-2-1に接続されるとともに第三ダイオードD1の正極と第四ダイオードD5の負極に接続される。第三フォトカプラーPC3の第三ピンは接地され、第三フォトカプラーPC3の第四ピンはメイン制御装置の第二ピンすなわちメイン制御装置のチップU4の第二ピンに接続される。
【0042】
第一ダイオードD3の負極と第三ダイオードD1の負極は第四抵抗R8により電圧安定チップU3の入力端に接続される。電圧安定チップU3の出力端はメイン制御装置の第二十ピンすなわちメイン制御装置のチップU4の第二十ピンに接続される。
【0043】
入力極性を認識する場合、起動電源を電源接続端に接続させるとき、メイン制御装置の第二ピンが、レベル信号がローレベル信号であることを検出すると、第一極性端子CE5-1-1は起動電源の正極に接続され、第二極性端子CE5-2-1は起動電源の負極に接続される。メイン制御装置の第二ピンが、レベル信号がハイレベル信号であることを検出すると、第一極性端子CE5-1-1は起動電源の負極に接続され、第二極性端子CE5-2-1は起動電源の正極に接続される。
【0044】
電源接続端の2個の極性端子の正極と負極を区分しなくても、入力極性検出モジュールは前記2個の極性端子がそれぞれ接続される起動電源の電極の極性を自動的に認識することができるので、起動電源を電源接続端に接続させるとき正極と負極を区分する必要がなく、間違い操作を防止し、給電の成功率を向上させることができる。
【0045】
入力極性制御モジュール中の第一ダイオードD3の極性は第二ダイオードD4と第一極性端子CE5-1-1が接続される位置の極性と反対であり、第三ダイオードD1の極性は第四ダイオードD5と第二極性端子CE5-2-1が接続される位置の極性と反対であるので、第一極性端子CE5-1-1と第二極性端子CE5-2-1が出力する給電信号は前記4個のダイオードに電圧安定モジュールに入力され、メイン制御装置に安定的に給電することができる。
【0046】
クリップ接続モジュールは4個のリレー制御モジュールと4個のリレースイッチを含み、4個のリレー制御モジュールは、第一リレー制御モジュール、第二リレー制御モジュール、第三リレー制御モジュールおよび第四リレー制御モジュールを含み、4個のリレー制御モジュールはそれぞれ4個のリレースイッチとチップU4の第八ピン~第十一ピンすなわち図面のRELAY1~4に接続される。4個のリレースイッチは、第一リレースイッチRK3、第二リレースイッチRK1、第三リレースイッチRK2および第四リレースイッチRK4を含み、各リレースイッチは図5の5個のピンすなわち第一ピン~第五ピンに接続される。
【0047】
各リレー制御モジュールはいずれも2個のリレー制御サブモジュールを含み、各リレー制御サブモジュールは少なくとも1個の抵抗と1個の三極管を含む。前記抵抗の一端はメイン制御装置の1個のピンに接続され、他端は前記三極管のベース電極に接続される。前記三極管のコレクターはリレースイッチの1個のピンに接続される。
【0048】
図5に示すとおり、第一リレー制御モジュールは第一リレー制御サブモジュールと第二リレー制御サブモジュールを含む。前記第一リレー制御サブモジュールは少なくとも抵抗R6と三極管Q1を含むが、抵抗R7、抵抗R51、コンデンサーC18および三極管Q23を更に含むことができる。抵抗R6の一端はメイン制御装置のチップU4の第八ピンに接続され、他端は三極管Q1のベース電極に接続される。三極管Q1のコレクターは第一リレースイッチRK3の第四ピンすなわち図5のRK3の第四ピンに接続される。前記第二リレー制御サブモジュールは少なくとも抵抗R48と三極管Q21を含むが、抵抗R49、抵抗R50、コンデンサーC17および三極管Q22を更に含むことができる。抵抗R48の一端はメイン制御装置のチップU4の第八ピンに接続され、他端は三極管Q21のベース電極に接続される。三極管Q21のコレクターは第一リレースイッチRK3の第三ピンすなわち図5のRK3の第三ピンに接続される。
【0049】
第二リレー制御モジュール、第三リレー制御モジュールおよび第四リレー制御モジュールの構造は第一リレー制御モジュールの構造に似ており、第二リレー制御モジュール、第三リレー制御モジュールおよび第四リレー制御モジュールの構造と接続方法は図5を参照することができるので、ここでは再び説明しない。
【0050】
第一点火クリップ11は第二リレースイッチRK1の第一ピン(すなわちRK1のピン1)と第三リレースイッチRK2の第一ピン(すなわちRK2のピン1)に接続される。第二点火クリップ12は第一リレースイッチRK3の第一ピン(すなわちRK3のピン1)と第四リレースイッチRK4の第一ピン(すなわちRK4のピン1)に接続される。
【0051】
メイン制御装置は入力極性検出モジュールとクリップ極性検出モジュールの検出結果により4個のリレー制御モジュールを制御し、それにより4個のリレースイッチの開閉を制御する。電源接続端に接続される起動電源の電極の極性と2個の点火クリップが接続されるストレージ・バッテリーの電極の極性により正極が正極に接続されかつ負極が負極に接続されるようにする。すなわち2個の極性端子と2個の点火クリップを接続させるとともにそれらをストレージ・バッテリーに接続させる。
【0052】
第一のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがローレベル信号を検出し、第三ピンがローレベル信号を検出し、第四ピンがハイレベル信号を検出すると、前記極性端子と起動電源の接続方法と極性判断方法により第一極性端子CE5-1-1は起動電源の正極に接続され、第二点火クリップOUT--1はストレージ・バッテリーの正極に接続されることを検知することができる。その場合、マスター・コントロール・チップは第二リレー制御モジュールと第四リレー制御モジュールがリレースイッチRK1とリレースイッチRK4をオフさせるように制御するので、CE5-1-1とOUT--1との間は通電状態になり、CE5-2-1とOUT+-1との間は通電状態になる。
【0053】
第二のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがローレベル信号を検出し、第三ピンがハイレベル信号を検出し、第四ピンがローレベル信号を検出すると、前記極性端子と起動電源の接続方法と極性判断方法により第一極性端子CE5-1-1は起動電源の正極に接続され、第一点火クリップOUT+-1はストレージ・バッテリーの正極に接続されることを検知することができる。その場合、マスター・コントロール・チップは第一リレー制御モジュールと第三リレー制御モジュールがリレースイッチRK3とリレースイッチRK3をオフさせるように制御するので、CE5-1-1とOUT+-1との間は通電状態になり、CE5-2-1とOUT--1との間は通電状態になる。
【0054】
第三のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがローレベル信号を検出し、第三ピンがハイレベル信号を検出し、第四ピンがハイレベル信号を検出すると、クリップがストレージ・バッテリーに接続されていないか或いは点火クリップまたはストレージ・バッテリーに故障が発生していることを意味するので、マスター・コントロール・チップはいかなるリレースイッチも起動させず、起動電源とストレージ・バッテリーを不通電状態にする。
【0055】
第四のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがハイレベル信号を検出し、第三ピンがローレベル信号を検出し、第四ピンがハイレベル信号を検出すると、前記極性端子と起動電源の接続方法と極性判断方法により第二極性端子CE5-2-1は起動電源の正極に接続され、第二点火クリップOUT--1はストレージ・バッテリーの正極に接続されることを検知することができる。その場合、マスター・コントロール・チップは第一リレー制御モジュールと第三リレー制御モジュールがリレースイッチRK3とリレースイッチRK2をオフさせるように制御するので、CE5-2-1とOUT--1との間は通電状態になり、CE5-1-1とOUT+-1との間は通電状態になる。
【0056】
第五のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがハイレベル信号を検出し、第三ピンがハイレベル信号を検出し、第四ピンがローレベル信号を検出すると、前記極性端子と起動電源の接続方法と極性判断方法により第二極性端子CE5-2-1は起動電源の正極に接続され、第一点火クリップOUT+-1はストレージ・バッテリーの正極に接続されることを検知することができる。その場合、マスター・コントロール・チップは第二リレー制御モジュールと第四リレー制御モジュールがリレースイッチRK1とリレースイッチRK4をオフさせるように制御するので、CE5-2-1とOUT+-1との間は通電状態になり、CE5-2-1とOUT--1との間は通電状態になる。
【0057】
第六のケース、メイン制御装置のチップU4の第二ピンがハイレベル信号を検出し、第三ピンがハイレベル信号を検出し、第四ピンがハイレベル信号を検出すると、クリップがストレージ・バッテリーに接続されていないか或いは点火クリップまたはストレージ・バッテリーに故障が発生していることを意味するので、マスター・コントロール・チップはいかなるリレースイッチも起動させず、起動電源とストレージ・バッテリーを不通電状態にする。
【0058】
前記第一リレー制御サブモジュールと第二リレー制御サブモジュールにより2個の磁場極性変換モジュールが構成される。
【0059】
前記ブースターケーブルは4個のリレー検出モジュールを含み、4個のリレー検出モジュールがメイン制御装置のチップU4の第十六~第十九ピンすなわち図5のP1~P4ネットワークに接続されることにより前記4個のリレースイッチが常閉状態にされているかを検出することができる。
【0060】
各リレー検出モジュールは2個のダイオード、1個の三極管および2個の抵抗を含み、1個のダイオードの正極はメイン制御装置の1個のピンと三極管のコレクターに接続され、負極は検出対象のリレースイッチの第五ピンに接続され、1個の三極管のベース電極はそれぞれ2個の抵抗の一端に接続される。1個の抵抗の他端は他の1個のダイオードの負極に接続される。他の1個のダイオードの正極はリレースイッチの第一ピンに接続される。前記4個のリレー検出モジュールは、ダイオードD10-D17、三極管Q5-Q8、抵抗R9、R21~R27を含む。
【0061】
具体的に、第一リレー検出モジュールは、ダイオードD13およびD17、三極管Q8、抵抗R26およびR27を含む。ダイオードD13の負極は第一リレースイッチPK3の第五ピン(すなわちPK3のピン5)に接続され、正極は三極管Q8のコレクターに接続され、三極管Q8のベース電極は抵抗R26とR27の一端に接続される。抵抗R26の他端はダイオードD17の負極に接続され、抵抗R27の他端は接地されている。ダイオードD17の陽極は第一リレースイッチPK3の第一ピン(すなわちPK3のピン1)に接続される。
【0062】
第二リレー検出モジュールは、ダイオードD12およびD16、三極管Q7、抵抗R24およびR25を含み、それらの接続方法は図5を参照することができかつ第一リレー検出モジュールの接続方法に似ているので、ここでは再び説明しない。
【0063】
第三リレー検出モジュールは、ダイオードD10およびD15、三極管Q5、抵抗R9およびR21を含み、それらの接続方法は図5を参照することができかつ第一リレー検出モジュールの接続方法に似ているので、ここでは再び説明しない。
【0064】
第四リレー検出モジュールは、ダイオードD11およびD14、三極管Q6、抵抗R22およびR23を含み、それらの接続方法は図5を参照することができかつ第一リレー検出モジュールの接続方法に似ているので、ここでは再び説明しない。
【0065】
メイン制御装置と前記4個のリレー検出モジュールがそれぞれ接続されている4個のピンは、レベル信号がローレベル信号からハイレベル信号に変化することを検出すると、当該ピンに接続されるリレースイッチが常閉状態にされていると判断する。
【0066】
以下、第一リレー検出モジュールと第一リレースイッチRK3を例として説明する。第一リレースイッチRK3が不通電状態になるとき、第二ピン(すなわち図5のRK3のピン2)と第五ピン(RK3のピン5)は通電状態になる。そのとき、第一リレースイッチRK3の第二ピン(RK3のピン2)と第一ピン(RK3のピン1)は通電状態になると、第一リレースイッチRK3が常閉状態にされていると判断することができる。すなわち第一リレースイッチRK3と第五ピンが分離不可能に接触すると、第一リレースイッチRK3が常閉状態にされていると判断することができる。
【0067】
図5の通報モジュール20はメイン制御装置と電圧安定モジュール18に接続される。通報モジュール20はブザーBZを含み、そのブザーBZはメイン制御装置のチップU4の第十三ピンに接続される。前記ブザーBZはメイン制御装置の指令により完了を意味する音を出すことができる。
【0068】
図7を参照すると、図7はブースターケーブルの指示モジュールの構造と接続関係表示用回路の構造を示す図である。指示モジュールはメイン制御装置のチップU4のピン5とピン7に接続される。指示モジュールはカラーが異なっている2個の発光ダイオードLED1とLED2を含む。その発光ダイオードはメイン制御装置の指令により点滅をすることにより完了を知らせる。2個の発光ダイオードにおいて、1個の発光ダイオードが点滅不可能に故障しても他の1個の発光ダイオードの点滅により回路の接続状態を表示することができる。
【0069】
本発明の実施例において、ブースターケーブルは、電源接続端、2個の点火クリップ、メイン制御装置、入力極性検出モジュール、入力極性制御モジュール、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを含む。メイン制御装置は、入力極性検出モジュール、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールに接続され、入力極性検出モジュールと入力極性制御モジュールにより起動電源の電極の極性(正極と負極)を区分しなくてもメイン制御装置に正常に給電することができる。クリップ極性検出モジュールとクリップ接続モジュールには2個の点火クリップが更に接続される。2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュールは2個の点火クリップがそれぞれ接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつそれによりクリップ接続モジュールがストレージ・バッテリーの電極の極性により2個の点火クリップの極性を確定し、かつ起動電源とストレージ・バッテリーが通電状態になるように制御する。2個の点火クリップの極性はストレージ・バッテリーの電極の極性により自動的に確定されるので、ストレージ・バッテリーと点火クリップの極性が対応するかを予め確認する必要がない。前記ブースターケーブルの2個の点火クリップはストレージ・バッテリーの電極の極性によりストレージ・バッテリーに接続されるので、それにより点火を有効にし、点火クリップによる点火の成功率を向上させることができる。また、電源の入力と出力をするとき接続される電源の極性を区分する必要がないので、極性(正極と負極)を区分せずにそのまま接続させ、点火の過程を有効に検出するとともに安全に制御し、点火クリップの使用上の寿命を延長させることができる。
【0070】
図8を参照すると、図8は本発明の実施例に係る起動点火制御方法を示す流れ図である。前記起動点火制御方法を前記ブースターケーブルに用いることができる。前記ブースターケーブルは電源接続端と2個の点火クリップを含むが、メイン制御装置、クリップ極性検出モジュールおよびクリップ接続モジュールを更に含むことができる。メイン制御装置は前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールに接続され、前記クリップ極性検出モジュールと前記クリップ接続モジュールはそれぞれ、前記2個の点火クリップに接続される。それらの具体的な構造、接続方法および作動原理は前記実施例の説明を参照することができる。
【0071】
図8に示すとおり、前記ブースターケーブルの実施主体はメイン制御装置であり、メイン制御装置の内部のマスター・コントロール・チップによりコンピュータプログラムを実行することにより前記起動点火制御方法を実施することができる。前記起動点火制御方法は下記ステップを含む。
【0072】
ステップS801において、前記2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュールにより前記2個の点火クリップがそれぞれ接続される前記ストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。
【0073】
ステップS802において、前記クリップ極性検出モジュールの検出結果を受信する。
【0074】
ステップS803において、前記クリップ極性検出モジュールの検出結果により前記クリップ接続モジュールが前記ストレージ・バッテリーの電極の極性により前記2個の点火クリップの極性を確定しかつ前記電源接続端と前記2個の点火クリップが通電状態になるように制御することにより、前記ストレージ・バッテリーに接続させる。
【0075】
前記各ステップの技術的事項は前記実施例の説明を参照することができるので、ここでは再び説明しない。
【0076】
本発明の実施例において、ブースターケーブルにより点火をし、2個の点火クリップをストレージ・バッテリーに接続させるとき、クリップ極性検出モジュールは2個の点火クリップがそれぞれ接続されているストレージ・バッテリーの電極の極性を検出する。メイン制御装置はクリップ極性検出モジュールの検出結果を受信し、かつその検出結果によりクリップ接続モジュールがストレージ・バッテリーの電極の極性により2個の点火クリップの極性を確定し、かつ起動電源と2個の点火クリップが通電状態になるように制御する。2個の点火クリップの極性はストレージ・バッテリーの電極の極性により自動的に確定されるので、ストレージ・バッテリーと点火クリップの極性が対応するかを予め確認する必要がない。前記ブースターケーブルの2個の点火クリップはストレージ・バッテリーの電極の極性によりストレージ・バッテリーに接続されるので、それにより点火を有効にし、点火クリップによる点火の成功率を向上させることができる。また、点火クリップとストレージ・バッテリーを接続させるとき極性を対応させる必要がないので、点火クリップの使用上の寿命を延長させることができる。
【0077】
本発明の実施例はスターティング装置(Starting device)を更に提供し、そのスターティング装置は起動電源とその起動電源に接続されるブースターケーブルを含む。起動電源は携帯型バッテリー(予備バッテリー)であることが好ましい。
【0078】
図9は本発明の実施例に係るスターティング装置を示す斜視図である。スターティング装置は起動電源50とブースターケーブル60を含む。起動電源50は出力端52を具備する。
【0079】
前記ブースターケーブル60は、本体60、本体60に接続される電源接続端64、第一点火クリップ66および第二点火クリップ67を含む。ブースターケーブル60が起動電源50の出力端52に挿入されることにより電気接続が形成される。具体的に、電源接続端と出力端は対応する第一コネクタと第二コネクタであることができる。
【0080】
図10図11を参照すると、前記ブースターケーブル60の電源接続端64は挿入部であり、その電源接続端64は第一ベース641と第一ベース641に形成される挿入部642を含む。本実施例の電源接続端64は2個の挿入部642を含み、2個の挿入部642は間隔を空けて形成されている。挿入部642は円柱型に形成され、各挿入部642内には第一挿入孔644が形成され、各第一挿入孔644の内壁には導電端子646が取り付けられている。本実施例において、導電端子646は環状体である。前記起動電源50の出力端52は挿入部に対応するソケットであり、その出力端52は第二ベース542と第二ベース542に形成される第二挿入孔544を含み、第二挿入孔544内には2個の導電端子546が取り付けられている。本実施例には2個の第二挿入孔544が間隔を空けて形成され、前記2個の導電端子546はいずれも円柱型に形成される。前記2個の導電端子546において、1個は正極端子であり、他の1個は負極端子である。
【0081】
前記ブースターケーブル60の電源接続端64を前記起動電源50の出力端52に挿入するとき、電源接続端64の第一ベース641の2個の挿入部642はそれぞれ出力端52の第二挿入孔544内に挿入され、出力端52の2個の電源端子546はそれぞれ電源接続端64の2個の第一挿入孔644内に挿入されるとともに2個の第一挿入孔644内の導電端子646と接触することにより電気接続が形成される。好ましくは、電源接続端64の挿入部642の少なくとも一部分の形状は第二挿入孔544の形状に対応することにより電源接続端64の挿入部642を第二挿入孔544内に挿入することができる。
【0082】
本発明のブースターケーブル60の電源接続端64の外観は対称の構造に形成され、起動電源50の出力端52の裏側も対称の構造に形成されている。それにより、ブースターケーブル60の電源接続端64を正方向(第一方向)または反対方向(第二方向)に起動電源50の出力端52に挿入することができ、かつブースターケーブル60の2個の導電端子646と起動電源50の2個の電源端子546を電気接続させることができる。ブースターケーブル60の導電端子646を図面の方向に起動電源50の出力端52に挿入するか或いは反対方向(ブースターケーブル60の導電端子646を挿入する図面の方向から180度回転する方向)に起動電源50の出力端52に挿入することができる。ブースターケーブル60の導電端子646を挿入するとき挿入方向を考慮する必要がなく、2個の導電端子の極性を区分する必要もない。すなわちいずれか1個の導電端子を起動電源50の正極端子に接続させるか或いは起動電源50の負極端子に接続させることができる。
【0083】
本実施例において、ブースターケーブル60の電源接続端64の2個の挿入部642は間隔を空けて形成されている。他の実施例において、2個の挿入部642は一体に形成されることができる。すなわち一体に形成される1個の挿入部642を含み、その内部には2個の第一挿入孔が間隔を空けて形成されている。起動電源50の出力端52の第二挿入孔は1個であり、前記電源接続端64の挿入部を第二挿入孔に挿入することができる。1個の第二挿入孔内には2個の電源端子が間隔を空けて取り付けられている。ブースターケーブル60の挿入部を前記起動電源50の第二挿入孔に挿入するとき、2個の電源端子はそれぞれ2個の第一挿入孔に挿入されるとともに所定の導電端子と接触することにより電気接続が形成される。
【0084】
本発明の実施例において、起動電源50の出力端52の電源端子546の数量は2個であり、ブースターケーブル60の電源接続端64の導電端子の数量も2個である。他の実施例において、起動電源は第一信号端子を更に含み、ブースターケーブルは第二信号端子を更に含むことができる。前記2個の信号端子を接続させることにより信号を送信することができる。例えば、前記起動電源の故障信号を送信することができる。
【0085】
本発明の実施例において、ブースターケーブル60の電源接続端64のコネクタは雄型コネクタであり、起動電源50の出力端52のコネクタは雌型コネクタであるが、他の実施例においてブースターケーブル60の電源接続端64のコネクタを雌型コネクタに設け、起動電源50の出力端52のコネクタを雄型コネクタに設けることもできる。
【0086】
本発明の実施例に係るブースターケーブルの第一コネクタを2つの方向に起動電源の第二コネクタに挿入することができるので、ポカヨケ(Fool-proofing)を設ける必要がなく、挿入の利便性がよく、迅速に接続させることができる。
【0087】
図12を参照すると、ブースターケーブル60の第一点火クリップ66と第二点火クリップ67の形状と構造が同じであるので、以下、第一点火クリップ66を例として説明する。
【0088】
第一点火クリップ66は、ペンチ型に形成され、かつ後端に位置する把持部662と前端に位置する挟持部664を含む。把持部662により2個の挟持部664の開閉を制御し、挟持部664で自動車のストレージ・バッテリーを挟むことができる。対向している2個の挟持部664の裏側表面には歯形部666が形成され、歯形部666は挟持部624の縦方向に延伸し、その頂部は凹凸形に形成されている。歯形部666が形成されることにより第一点火クリップ66を自動車のストレージ・バッテリーに安定的に接続させ、振動等により第一点火クリップ66が脱離することを避けることができる。本実施例において、第一点火クリップ66上の2組の歯形部666は平行に形成され、2組の歯形部666は間隔を空けて形成され、2組の歯形部666の間の距離は第一距離である。各組の歯形部666は平行に形成される2列の歯形部666を含む。各組の2列の歯形部666は隣接するように形成され、2列の歯形部666の間の距離は第二距離であり、前記第二距離は第一距離より小さい。本実施例において、各組の歯形部666は平行に形成される2列の歯形部666を含む。各挟持部664の裏側には4列の歯形部666が形成され、2個の挟持部664の4列の歯形部666は上下に対向するように形成されることにより第一点火クリップ66で挟持する安定性を向上させ、ブースターケーブル60の安定性を増加させることができる。
【0089】
第二点火クリップ67の形状と構造は前記第一点火クリップの説明を参照することができるので、ここでは再び説明しない。
【0090】
なお、第一点火クリップ66と第二点火クリップ67を前記実施例の第一点火クリップ11と第二点火クリップ12として用いることができる。
【0091】
図13を参照すると、前記ブースターケーブル60の本体62はケース622とケース622内に設けられる制御装置624を含む。前記制御装置624は前記実施例のメイン制御装置13、入力極性検出モジュール16、入力極性制御モジュール17および電圧安定モジュール18を含む。
【0092】
本発明の実施例において、挿入方向を区分する必要がない前記実施例のブースターケーブル60の電源接続端64と正極と負極を区分する必要がない前記実施例の点火クリップを一緒に用いることができる。その場合、前記制御装置624は前記クリップ極性検出モジュール14とクリップ接続モジュール15を更に含む。それらの具体的な構造と作動原理は前記実施例の説明を参照することができるので、ここでは再び説明しない。
【0093】
前記複数個の実施例において、各実施例の重点または相違点を詳細に説明し、詳細に説明しない部分は他の実施例の説明を参照することができる。
【0094】
以上、本発明の実施例に係るブースターケーブル、起動点火制御方法およびスターティング装置を説明してきたが、前記実施例は本発明の例示にしか過ぎないものであるため、本発明は前記実施例の構成にのみ限定されるものではない。この技術分野の技術者は本発明の要旨を逸脱しない範囲内において設計の変更をすることができ、それらであっても本発明に含まれることは勿論である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13