(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008713
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】クッション及び椅子
(51)【国際特許分類】
A47C 27/22 20060101AFI20230112BHJP
A47G 9/10 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
A47C27/22 A
A47G9/10 G
A47G9/10 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021131804
(22)【出願日】2021-07-02
(71)【出願人】
【識別番号】521357526
【氏名又は名称】藤井 誠
(72)【発明者】
【氏名】藤井 誠
【テーマコード(参考)】
3B096
3B102
【Fターム(参考)】
3B096AA01
3B096BA03
3B102AA02
3B102AA05
3B102AB09
3B102AC01
(57)【要約】
【課題】木材をクッション材とすることで芳香が及ぼす嗅覚への効果、及びフィトンチッドによる空気中に発散する物質からの効のみだけではなく、木の質感を目視することによる、ゆらぎ効果、目に優しい光を得られる効果、木材の色が及ぼすリラックス効果を得ることができ、廃棄物となるヒノキ材及びスギ材の木毛により、木が与える癒しの効果を最大限に発揮することができるクッション及び椅子を提供する。
【解決手段】クッション及び椅子7は、透明性、透過性及び通気性および強度を備える包被体1と、包被体1内に詰物としてフィトンチッドを発するヒノキ及びスギの木毛2を含んで成る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透過性、通気性及び強度を備える素材で縫製された包被体に、フィトンチッドを含む樹木で形成された詰物で構成された特性を持つクッション及び椅子
【請求項2】
前記包被体のカバーは透明性を有し、内部詰物を外部から目視出来ることを特徴とする請求項1のクッション及び椅子
【請求項3】
前記樹木は木毛体、フレーク状体、オガクズ状体、チップ状体のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする請求項1及び2のいずれかの項のクッション及び椅子
【請求項4】
前記包被体は縫製されることで、縫い目を設け多数の小さな孔を開け、孔から充填された詰め物のフィトンチッドの発散を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれかの項のクッション及び椅子
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明性及び透過性のある包被体に廃棄物となるヒノキ材およびスギ材の木毛を内容物として充填したクッション及び椅子に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、クッション材や枕の詰め物として木材を原料とした木毛やウッドチップ、オガクズがある。樹木が発散するフィトンチッドにより、殺菌作用、防虫・防かび効果、精神安定、安眠効果などがあり、また、ヒノキ材、スギ材特有の芳香性を得ることが出来る。
そのようなクッションの包被体は布材、メッシュシート、皮材で制作されているものが広く知られている。
【0003】
下記特許文献1、2は共に、クッション材としての木毛及び木屑、鉋屑の特性に触れ、芳香が及ぼす嗅覚への効果、及びフィトンチッドによる空気中に発散する物質からの効果及びクッション性に優れる素材であることを記載しており、包被体は布材と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実登3138416
【特許文献2】実登3230511
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1、2の包被体は非透明の特性を持つため、内容物を可視出来ない状況となる。内容物である木毛は、芳香が及ぼす嗅覚への効果、及びフィトンチッドによる空気中に発散する物質からの効果のみではなく、木の質感を目視することによる、不規則性から得られるゆらぎ効果、木材の光の反射率が低いことにより有害な紫外線を吸収し目に優しい光を得られる効果、暖色と呼ばれる黄色~赤色が基調とした木材の色が及ぼすリラックス効果を得ることが出来る。
廃棄物となる、ヒノキ材及びスギ材の木毛が、木が与える癒しの効果を視覚の効果も含め、最大限に発揮することができるクッション及び椅子を提供するべく検討を重ねた結果、本考案に至った。
【課題を解決するための手段】
【0006】
即ち、本考案のクッション及び椅子は、透明性、透過性、通気性及び強度を備える素材で縫製された包被体に、フィトンチッドを含む樹木で形成された詰物で構成された特性を持つクッション及び椅子であり、樹木は木毛体、フレーク状体、オガクズ状体、チップ状体のうちの少なくとも一つを含むことを特徴とする。また、包被体は縫製されることで、縫い目を設け多数の小さな孔を開け、孔から充填された詰め物のフィトンチッドの発散を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本考案のクッション及び椅子によると、包被体に透明性があることによって詰物である木を可視できすることができ、木の質感を目視することによる、不規則性から得られるゆらぎ効果、木材の光の反射率が低いことにより有害な紫外線を吸収し目に優しい光を得られる効果、暖色と呼ばれる黄色~赤色が基調とした木材の色が及ぼすリラックス効果を得ることが出来る。また、ヒノキ材およびスギ材の特有の芳香性やフィドンチットの効果である殺菌作用、防虫・防かび効果、精神安定効果などが得られ、安眠効果およびリラックス効果を得られる。
また、木質感が表れていることで、観葉植物などと同じように観賞する目的を持った、審美性のある木のオブジェとなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】
図1のクッション(円形型)の背面部を示す斜視図である。
【
図3】
図1のクッション(円形型)の上面部を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本考案のクッション及び椅子の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
図1は、本考案の一実施形態に係るクッション6の透過斜視図、
図2は、
図1に示したクッション6の背面部を示す斜視図、
図3は、
図1に示したクッション6の上面部を示す平面図、
図4は、
図3に示した本実施形態のクッション6におけるV-VI断面図、
図5は、本考案の一実施形態に係るクッション7の透過斜視図、
図6は、本考案の一実施形態に係るクッション8の透過斜視図。これらの図に示すように、本考案の一実施形態に係るクッション6、7、8は、透明性、透過性及び通気性および強度を備える包被体1と、包被体1内に詰物であるフィトンチッドを発するヒノキ及びスギの木毛2を含んで成る。
【0010】
本実施形態のクッション6,7,8に係る包被体1は、透明性、透過性、通気性が確保されており、且つクッションカバーとしての内容物が外部へ流出しないよう強度が必要である。そこで、工事現場で用いるブルーシートのように、ポリエチレンのフィルムを短冊状にカット(スリット)し、延伸することにより強度を持たせた、平らな糸がポリエチレンシートで挟まれた特性を持つもので且つ透過性がある透明シート材を使用する。
また、クッション材としての木毛及び木屑、鉋屑の芳香が及ぼす嗅覚への効果、及びフィトンチッドによる空気中に発散する物質からの効果を発散する為に、包被体である透明シート材は他の透過性を持つポリ材及びビニール材と比較し、酸素透過度が高いポリエチレン素材のシート材を使用する。
【0011】
本実施形態のクッション6,7,8に係る包被体1は縫製することにより製造されるものであり、縫目5があることによって、多数の小さな孔をあけ、よりヒノキ及びスギの木毛2からフィトンチッドを発しやすい設計となっている。この孔は木毛および、木毛が砕けることにより出来る木屑より小さな孔であり、且つ縫糸が孔を通っている為、木毛及び木屑が外部に流出することがない特性を持つ。また、縫目5の箇所は過重がかかりやすい箇所であり、破れたり木毛2が外部に流出しづらいようバイアステープ3にて縫い代を覆うものとする。包被体1に透過性があるためバイアステープ3は袋の内側に設けられるが、可視することが出来るので、より審美性を強めることが出来る。
【0012】
包被体1には、ファスナー4を設けることが好ましい。これらのファスナーを設けることによって、包被体1が開閉自在となるため、充填されるヒノキ及びスギの木毛2の出し入れを容易に行うことができる。また、この包被体1に設けるファスナーは木毛2を外部に流出しづらい様、包被体1の内側に設けることが好ましい。
【0013】
本実施形態のクッション6,7,8に係る包被体1に充填されるヒノキ及びスギの木毛2は、ヒノキ材およびスギ材の木目2に対して平行に、帯状に削ったものである。木毛2はヒノキチップ等に比べて表面積が広く、また復元性も高いため、防虫・防かび効果や消臭効果、吸湿効果がより得られやすくなるとともに、柔らかいフィット感を得ることができる。
【0014】
以上の構成を備える本考案の一実施形態に係るクッション6,7,8によると、包被体に透明性があることにより木の質感を目視することによるリラックス効果が高いと共に、ヒノキ材及びスギ材特有の芳香性や殺菌作用、防虫・防かび効果、精神安定効果などのフィドンチットの効果得られるクッション6,7,8を提供することができる。
【0015】
以上、本考案のクッションの実施形態について詳述したが、本考案の技術的思想を実質的に限定するものと解してはならない。例えば、本考案のクッション及び椅子に係る形状については特に限定されず、クッション6の円形,クッション7の直方体,クッション8の円柱のように、何れであってもよい。用途に関してもクッションであり、形状を変えることによりクッション9の円柱のような形状の椅子にもなる。また、縫目5の縫製方法についても、縫目の位置や形状、バイアステープ3が設置されるかについても何れであってもよい。本考案は透明性、透過性及び通気性をもつという要旨を逸脱しない範囲で当業者の創意と工夫により、適宜に改良、変更又は追加をしながら実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0016】
本発明であるクッション及び椅子は、内容物が廃棄となる可能性の高い、木毛を使用しており、それを使用することにより、産業廃棄物から、審美性の高い商品を作り出すことで新たな産業を生み出す可能性がある。
また、カバー材が布材ではなく、ポリエチレン素材である為、汚れに強く半屋外のテラスや保育施設等での利用の可能性がある。
【符号の説明】
1.包被体である袋
2.ヒノキ及びスギの木毛
3.バイアステープ
4.ファスナー
5.袋の形成上必要な縫目
6.クッション(円形)
7.クッション(直方体)
8.クッション及び椅子(円柱)