(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087148
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ブロック舗装方法及びブロック舗装構造
(51)【国際特許分類】
E01C 5/00 20060101AFI20230616BHJP
E01C 11/24 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
E01C5/00
E01C11/24
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201348
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】395011285
【氏名又は名称】株式会社津田ペイブトンテクニック
(74)【代理人】
【識別番号】100080838
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 光康
(74)【代理人】
【識別番号】100194261
【弁理士】
【氏名又は名称】栢原 崇行
(72)【発明者】
【氏名】津田 外喜弘
(72)【発明者】
【氏名】稲垣 晢一
(72)【発明者】
【氏名】津田 寿
【テーマコード(参考)】
2D051
【Fターム(参考)】
2D051AA02
2D051AF01
2D051CA10
2D051DA01
(57)【要約】
【課題】透水持続期間を長くすることができ、泥水を舗装用ブロックの下方へ排出可能なブロック舗装方法及びブロック舗装構造を提供すること。
【解決手段】フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、サンドクッション層の上部に目地部を介して複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程と、目地部に目地砂を充填する目地砂充填工程とで構成され、目地砂充填工程では、舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで目地砂を充填し、またブロック敷設工程では、面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている舗装用ブロックを使用するブロック舗装方法。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、次に前記路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、次に前記サンドクッション層の上部に目地部を介して複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程と、前記目地部に目地砂を充填する目地砂充填工程とで構成され、前記目地砂充填工程では、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで前記目地砂を充填し、また前記ブロック敷設工程では、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている前記舗装用ブロックを使用するブロック舗装方法。
【請求項2】
前記ロック敷設工程では、前記サンドクッション層の上部にベース板と、該ベース板の上面から目地板を有する強化板を複数個用いて複数個の舗装用ブロックを敷設することを特徴とする請求項1に記載のブロック舗装方法。
【請求項3】
前記目地砂充填工程後又は前記目地砂充填工程と略同時に、前記目地部の上部に多数の前記砂粒を配置する砂粒配置工程を更に行い、
前記砂粒配置工程では、前記目地部の上端部付近に多数個の前記砂粒を隣り合う前記舗装用ブロックに係合状態で、かつ、前記砂粒間に泥水が通過できる間隔を有して設けることを特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載のブロック舗装方法。
【請求項4】
フィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に充填された目地砂とで構成され、前記目地砂は、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで充填され、前記舗装用ブロックには、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されているブロック舗装構造。
【請求項5】
フィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に充填された目地砂と、複数個の舗装用ブロック間にそれぞれ設けられた複数個の強化板とで構成され、前記目地砂は、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで充填され、前記舗装用ブロックには、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されているブロック舗装構造。
【請求項6】
前記目地部の上端部付近に、多数個の砂粒を隣り合う前記舗装用ブロックに係合状態で、かつ、前記砂粒間に泥水が通過できる間隔を有して更に設けたことを特徴とする請求項4又は請求項5のいずれかに記載のブロック舗装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は道路等を舗装するブロック舗装方法及びブロック舗装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
透水性ブロック舗装の主目的は、ブロック舗装の雨水による水溜りの防止である。例えば車いす利用者への配慮として、歩道の排水勾配をゆるく設計する場合、水はけが悪くなり水溜りが起きる。この水溜まりを防ぐために、ブロック表面に透水孔を設け、雨水を地中に浸透させるのが透水性ブロック舗装である。
【0003】
このようなブロック舗装方法としては、例えば「路盤層を形成した後、該路盤層の上部にサンドクッション層を形成する路盤形成工程と、この路盤形成工程後にサンドクッション層の上部に左右のブロックの底面に位置するベース板および該ベース板に設けた左右のブロック間に位置する目地板とからなる強化板を用いてブロックを敷設するブロック敷設工程と、このブロック敷設工程と同時あるいは後で、敷設されたブロック間の目地部に目地砂を充填する目地砂充填工程とを含むことを特徴とするブロック舗装方法」が知られている(特許文献1)。
【0004】
しかしながら、上記構成に於いては、供用中、舗装用ブロックの透水孔が泥詰まりを起こし、その結果、透水孔の機能を十分に果たすことができず、或いは透水しなくなって水溜りが起き、それ故に、泥が舗装用ブロックの表面に溜まり、汚れてしまうおそれがあった。
【0005】
また、このようなブロック舗装方法では、目地砂が用いられており、目地砂を目地に全体に充填する場合には舗装用ブロックのかみ合わせは大きく向上するものの、目地砂の間に泥水が入り込むことができず、泥水を舗装用ブロックの下方へ排出することができなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は以上のような従来の欠点に鑑み、透水持続期間を長くすることができ、泥水を舗装用ブロックの下方へ排出可能なブロック舗装方法及びブロック舗装構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に記載のブロック舗装方法は、フィルター層の上部に路盤層を形成する路盤層形成工程と、次に前記路盤層の上部にサンドクッション層を形成するサンドクッション層形成工程と、次に前記サンドクッション層の上部に目地部を介して複数個の舗装用ブロックを敷設するブロック敷設工程と、前記目地部に目地砂を充填する目地砂充填工程とで構成され、前記目地砂充填工程では、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで前記目地砂を充填し、また前記ブロック敷設工程では、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている前記舗装用ブロックを使用することを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載のブロック舗装方法のブロック敷設工程では、前記サンドクッション層の上部にベース板と、該ベース板の上面から目地板を有する強化板を複数個用いて複数個の舗装用ブロックを敷設することを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載のブロック舗装方法は、請求項1又は請求項2を前提として、前記目地砂充填工程後又は前記目地砂充填工程と略同時に、前記目地部の上部に多数の砂粒を配置する砂粒配置工程を更に行い、前記砂粒配置工程では、前記目地部の上端部付近に多数個の砂粒を隣り合う前記舗装用ブロックに係合状態で、かつ、前記砂粒間に泥水が通過できる間隔を有して設けることを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載のブロック舗装構造は、フィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に充填された目地砂とで構成され、前記目地砂は、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで充填され、前記舗装用ブロックには、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されていることを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載のブロック舗装構造は、フィルター層と、該フィルター層の上部に形成された路盤層と、該路盤層の上部に形成されたサンドクッション層と、該サンドクッション層の上面に配置された複数個の舗装用ブロックと、前記複数個の舗装用ブロックの間の目地部に充填された目地砂と、複数個の舗装用ブロック間にそれぞれ設けられた複数個の強化板とで構成され、前記目地砂は、前記舗装用ブロックの底部から50%乃至70%程度の高さまで充填され、前記舗装用ブロックには、上面及び下面と略直交する周方向の側面から少なくとも泥水を該舗装用ブロックの下面側へ浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されていることを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載のブロック舗装構造は、前記目地部の上端部付近に、多数個の砂粒を隣り合う前記舗装用ブロックに係合状態で、かつ、前記砂粒間に泥水が通過できる間隔を有して更に設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
(1)請求項1及び請求項4に記載された各発明においては、上面及び下面と略直交する周方向の側面から下面側へ少なくとも泥水を浸透させることが可能な泥水浸透孔が多数形成されている舗装用ブロックを使用しているので、泥水に含まれる泥や砂が舗装用ブロックの表面に溜まり、その結果、舗装用ブロックが目詰まりするという現象を防止することができる。したがって、確実に雨水等をサンドクッション層等へ浸透させることができる。
(2)舗装用ブロック間の目地部に目地砂を充填しない空間を形成しているため目地砂が泥水や雨水の浸透を妨害することを確実に防止することができる。
(3)請求項2及び請求項5に記載された各発明においては、前記(1)~(2)と同様の効果を得られるとともに、強化板を用いることにより車両等の通行にも対応することができる。
(4)請求項3及び請求項6に記載された各発明においては、前記(1)~(3)と同様の効果を得られるとともに、舗装用ブロック相互のかみ合わせをより高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1乃至
図10は本発明の第1の実施形態を示す説明図である。
図11乃至
図14は本発明の第2の実施形態を示す説明図である。
図15及び
図16は本発明の第3の実施形態を示す説明図である。
【
図2】第1実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
【
図8】砂粒配置工程を行った後の目地部の上部付近を示す説明図。
【
図10】第1実施形態のブロック舗装構造の透水量を示す図。
【
図11】第2実施形態のブロック舗装方法の工程図。
【
図12】第2実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
【
図15】第3実施形態のブロック舗装方法の工程図。
【
図16】第3実施形態のブロック舗装構造の概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面に示す本発明を実施するための形態により、本発明を詳細に説明する。
【0017】
図1乃至
図10に示す本発明を実施するための第1の形態において、1は道路等を舗装する際に用いられるブロック舗装方法である。
このブロック舗装方法1は、
図1等で示すように、フィルター層2の上部に路盤層3を形成する路盤層形成工程4と、前記路盤層3を形成した後に、前記路盤層3の上部にサンドクッション層5を形成するサンドクッション層形成工程6と、このサンドクッション層形成工程6の後に、前記サンドクッション層5の上部に目地部7を介して複数個の舗装用ブロック8を敷設するブロック敷設工程9と、前記目地部7に目地砂10を充填する目地砂充填工程11と、前記目地砂充填工程11後又は前記目地砂充填工程11と略同時に行われ、前記目地部7の上部に多数の砂粒12を配置する砂粒配置工程13とで構成されている。
【0018】
また、このような工程を経て形成された本発明のブロック舗装構造14は、
図2に示すように、フィルター層2と、該フィルター層2の上部に形成された路盤層3と、該路盤層3の上部に形成されたサンドクッション層5と、該サンドクッション層5の上面に配置された複数個の舗装用ブロック8と、前記複数個の舗装用ブロック8の間の目地部に充填された目地砂10と、前記目地部の上部に設けられた多数個の砂粒12とで構成されている。
【0019】
路盤層形成工程4は、例えば
図3に示すように、路床や路体の上部に砂等で形成されたフィルター層2の上部に路盤層3を形成する工程である。
この路盤層3は、本実施形態においては、インターロッキングブロック舗装の際に用いられる岩石または玉石をクラッシャで割っただけで篩い分けをしていない砕石(クラッシャラン)を用いて形成される。
【0020】
サンドクッション層形成工程6は、例えば
図4に示すように、路盤層3の上部にブロック舗装用敷砂によりサンドクッション層5を形成する。ところで、このサンドクッション層5と路盤層3との間に透水性シート等を設けてもよい。
【0021】
ブロック敷設工程9は、例えば
図5に示すように、本実施形態においては、このサンドクッション層5の上部にその側面から、少なくとも泥水を通過させることができる透水性を有する舗装用ブロック8を複数個敷設する工程である。この多数の舗装用ブロック8は、それぞれ下面及び上面に対して略直交する周方向の側面に目地部7が形成されるように敷設される。この目地部7は、通常3~4mmの幅となるように形成され、その幅が7mmを超えないように形成されることが望ましい。
【0022】
舗装用ブロック8は、例えば
図6で示すように、本実施形態では砂利、砕石、砂等の骨材15を結合させ、例えば平面視4つの線分を有する略直方体や略正方体等のブロック状に形成した舗装用ブロック本体16と、舗装用ブロック本体16に多数形成され、上面及び下面と略直交する周方向の側面16aから前記下面16bまで連通し、かつ、少なくとも泥水を舗装用ブロック本体16の上面側から下面側へ浸透させることができる泥水浸透孔17とから成る。
【0023】
なお、この舗装用ブロック8は、側面から下面へ泥水を透水できるものであれば、上面は透水性を有さないものを用いてもよいが、本実施形態においては、舗装用ブロック本体16の側面16aから下面16bまで水が通過できる程度の透水孔を備えるものが用いられている。
【0024】
また、本実施形態においては、舗装用ブロック8の上面側の角部には、角を30度、45度等に削り取る面取りが施されている。
【0025】
この泥水浸透孔17は、その大きさが75μm以上となるように形成されており、舗装用ブロック本体16に適宜削孔して設けてもよいし、骨材15等を結合させて固形化させた舗装用ブロック本体の場合には、骨材15等の空隙で泥水浸透孔17を形成してもよい。泥水浸透孔17が真円に近い形状である場合には、直径がこの範囲内となっていればよい。泥水浸透孔17が楕円や多角形、その他の形状の場合には、それぞれの泥水浸透孔17の最も狭い部分が75μm以上となるように形成されている。付言すると、本実施形態では、泥水浸透孔17は骨材15間の空隙で形成しており、骨材15同士の間隙を泥水が通過できる程度の隙間に形成することで泥水浸透孔17としている。泥水浸透孔17の最も狭い部分を75μm以上とすることにより、泥水内の泥を容易に下方へ浸透させることができる。
【0026】
このような泥水浸透孔17を有することにより、
図9に示すように、雨水だけでなく泥水も舗装用ブロック8の下面側へ浸透させることができる。
【0027】
目地砂充填工程11は、
図7に示すように、舗装用ブロック8の間の目地部7に目地砂10を充填する工程で、この目地砂10は前記舗装用ブロック8の底部から50%乃至70%程度の高さまで充填される(以下、この部位を「砂目地層」という)。このように舗装用ブロック8の底部から50%乃至70%程度の高さまで砂目地層を形成することにより、舗装用ブロック8相互のかみ合わせを高め荷重分散機能を確保しガタツキを防止でき、かつ、目地砂10が充填されていない空間から泥水等を効率よく泥水浸透孔17を通じて舗装用ブロック8の底部側へ流すことができる。また、舗装用ブロック8の上部から30%乃至50%には目地砂10を充填していない部位(以下、「水路層」という)を形成しているため、この部位に一時的に泥水等を流入させ、舗装用ブロック8の泥水浸透孔17から下方へ泥水を流すことができる。
【0028】
目地砂10は、目地部7の幅以内の最大粒径で構成された普通の目地砂10を用いてもよいが、好ましくは透水しやすいように1mm程度以下の微砂を取り除いた目地砂10を用いることが望ましい。目地部7の標準的な幅は3mmとなっているため、目地砂10の最大粒径は3mmより小さいものであることが望ましく、標準的には最大粒径が2.36mmの目地砂10が用いられる。すなわち、目地砂10の粒径は1mm以上2.36mm以下のものが望ましい。具体的には、2号硅砂又は3号硅砂、2号硅砂と3号硅砂を混合したものを用いることが望ましい。
【0029】
砂粒配置工程13は、
図8に示すように、目地部の上端部付近に、多数個の砂粒12を隣り合う舗装用ブロック8に係合状態で、かつ、前記砂粒12間に泥水等が通過できる適切な間隔を有して設ける(以下、この部位を「すのこ層」という)工程である。
この砂粒配置工程13は、目地砂充填工程11を行った後に別途行うものであってもよいが、本実施形態においては、目地砂充填工程11と同時に行う。
【0030】
具体的には、充填する目地砂10に粒径の大きい砂粒12(例えば1号硅砂)を混合し、この混合物(目地砂及び砂粒)を目地部に充填することで目地砂充填工程11と砂粒配置工程13を同時に行っている。
【0031】
この砂粒12を目地砂10と混合して目地砂充填工程11と砂粒配置工程13を同時に行う場合には、砂粒12の割合が全体の5~30%となるように混合することが望ましい。具体的には、砂粒12の割合を5%にした場合には、目地部7の幅を3mmにした際に適切な間隔で砂粒を設けることができ、砂粒12の割合を30%にした場合に目地部7の幅を4mmにした際に砂粒間に間隔を有した状態で設けることができるとともに、目地部7に目地砂10を適切に充填することができた。
【0032】
この割合よりも砂粒12を多く混合した場合には、砂粒12が目地砂10の目地への流入を抑制してしまい、所定の高さまで目地砂10を充填することができず、また、砂粒12間の隙間がほとんどなくなってしまうため、この割合で混合することが望ましい。
なお、砂粒配置工程13を目地砂充填工程11後に行ってもよく、そのような場合には、適切な量の目地砂10を充填した後、別途砂粒12を適切な間隔、具体的には1mm以上の間隔を有して設ければよい。
【0033】
ところで、砂粒12は最大粒径が目地部7の幅よりも大きいものを用いているため、舗装用ブロック8に面取り等がされていない場合には、舗装用ブロック8間に嵌合するように、上方から砂粒12にある程度の圧力をかけて砂粒12を配置することが望ましい。一方、舗装用ブロック8の上部側の角にC面取り等の面取りがされている場合には、面取りの傾斜面がガイドとなり、上方から砂粒12に圧力等をかけなくても砂粒12が嵌合状態となるため、舗装用ブロック8の角部には面取りをすることが望ましい。
【0034】
このように砂粒12をすのこ状に所定の間隔を有して隣り合う前記舗装用ブロックの上端部付近に係合状態となるように設けることで、舗装用ブロック8相互のかみ合わせをより高めることができガタツキ等を防止することができる。また、すのこ状に砂粒12を設けることにより、泥水の目地部7への流入を阻害することがなく、効率よく泥水を地中に排出することができる。
【0035】
このような工程を経て形成された本発明のブロック舗装構造14では、雨水が舗装用ブロック8の上面から下方へ浸透するとともに、泥を含んだ雨水についてはすのこ層を通過し、一時的に水路層に流入する。水路層は舗装用ブロック8の泥水浸透孔17が形成されている部位が露出しており、この泥水浸透孔17から泥水を舗装用ブロック8の下方(サンドクッション層5等)へスムーズに排出することができる。具体的には、
図10に示すように、(1)本発明のブロック舗装構造14であって上面からも雨水を透水可能で側面から雨水及び泥水を透水可能な舗装用ブロック8を用いたもの、(2)本発明のブロック舗装構造14であって側面からのみ雨水及び泥水を透水可能な舗装用ブロック8を用いたもの、(3)通常の目地砂を充填したブロック舗装構造とを用いて泥水の透水実験を行ったところ、(3)の従来のブロック舗装構造に比べて(1)の透水性ブロックを用いた本願発明のブロック舗装構造や、(2)の側面透水可能な舗装用ブロックを用いた本願発明のブロック舗装構造は長時間300ml/secの透水量を維持することができた。
【0036】
[発明を実施するための異なる形態]
次に、
図11乃至
図16に示す本発明を実施するための異なる形態につき説明する。なお、これらの本発明を実施するための異なる形態の説明に当って、前記本発明を実施するための第1の形態と同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【0037】
図11乃至
図14に示す本発明を実施するための第2の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、サンドクッション層5の上部にベース板18と、該ベース板18の上面に目地板19を有する強化板20を複数個用いて目地部7を介して複数個の舗装用ブロック8を敷設するブロック敷設工程9Aを行うブロック舗装方法1A及び舗装用ブロック8の間、すなわち目地部7に強化板20を有するブロック舗装構造15Aにした点で、このような構成にしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られるとともに、車両等が一時的に通過する歩道等の舗装にも利用することができる。
【0038】
この強化板20は、金属、樹脂等で形成されており、本実施形態では樹脂製で、サンドクッション層5の上面に載置され、舗装用ブロック8がその上面に載置される略矩形板状のベース板18と、このベース板18の上面に立設された単数又は複数個の目地板19とで構成されている。舗装用ブロック8は、この強化板20の目地板19を介してベース板18の左右にそれぞれ載置されて敷設される。
【0039】
ところで、本実施形態では、目地板19は、平面視十字状の中央目地板19aと、この中央目地板19aの延長線上に配置された複数個の平面視長方形状の端部目地板19bとで構成されており、舗装用ブロック8の角部が平面視十字状の中央目地板19aの角部に当接状態となるとともに、目地板19に周囲が当接する状態で設けられる。
【0040】
この目地板19の高さは、泥水の透水を阻害しない高さであればよいが、舗装用ブロック8の底部から50%乃至70%程度の高さとし、水路層には影響しない高さとすることが望ましい。
【0041】
図15及び
図16に示す本発明を実施するための第3の形態において、前記本発明を実施するための第1の形態と主に異なる点は、砂粒配置工程13を行わないブロック舗装方法1B及び砂粒12を有しないブロック舗装構造14Bにした点で、このような構成にしても前記本発明を実施するための第1の形態と同様な作用効果が得られる。本実施形態においては、強化板20を用いていないが、強化板20を用いてもよい。
【0042】
なお、本発明の実施形態では、上面からも雨水を透過できる透水性を有する舗装用ブロックを用いているが、例えば上面のみ雨水を通過させない天然石等で形成し、その下部に泥水透水孔を有する部材を固定して、側面から泥水等を透水可能な舗装用ブロックを用いてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明はブロック舗装を行う産業で利用される。
【符号の説明】
【0044】
1、1A、1B:ブロック舗装方法、 2:フィルター層、
3:路盤層、 4:路盤層形成工程、
5:サンドクッション層、 6:サンドクッション層形成工程、
7:目地部、 8:舗装用ブロック、
9、9A:ブロック敷設工程、 10:目地砂、
11:目地砂充填工程、 12:砂粒、
13:砂粒配置工程、
14、14A、14B:ブロック舗装構造、
15:骨材、 16:舗装用ブロック本体、
17:泥水浸透孔、 18:ベース板、
19:目地板、 20:強化板。