IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 龍野 秀雄の特許一覧

<>
  • 特開-リング網を利用したハンドオーバー 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087151
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】リング網を利用したハンドオーバー
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/18 20090101AFI20230616BHJP
   H04W 76/11 20180101ALI20230616BHJP
   H04L 12/42 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H04W36/18
H04W76/11
H04L12/42 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201365
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】512243225
【氏名又は名称】龍野 秀雄
(72)【発明者】
【氏名】龍野 秀雄
【テーマコード(参考)】
5K031
5K067
【Fターム(参考)】
5K031AA05
5K031CB14
5K031DA06
5K067EE02
5K067EE10
5K067EE24
(57)【要約】      (修正有)
【課題】リング網を利用した2コネクションを使用しない簡単なハンドオーバーおよび携帯端末の近距離移動を実現する方法を提供する。
【解決手段】無線システムにおいて、移動元基地局および移動先基地局と移動端末間の無線区間は移動先基地局への移動時に両系経路確保した上で、有線区間は、リングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局のMACアドレスを記憶することで、基地局を帰属させたリング網を用いて、サーバからの移動端末へのパケットのリング上での宛先を、移動端末からの切り換え信号によりサーバで移動元基地局のMACアドレスから移動先基地局のMACアドレスにパケットの宛先MACアドレスを変更する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動元基地局および移動先基地局と移動端末間の無線区間は移動先基地局への移動時に両系経路確保した上で、有線区間は、リング網を用いた場合は、そのリングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを記憶することで基地局を帰属させたリング網または、ツリー状リング網を用いた場合は、そのツリー状リング網の各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に配下の基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを記憶することで、ツリー状リング網の最下位リングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を帰属させたツリー状リング網を用いて、サーバからの移動端末へのパケットのリング上でのハンドオーバーによる宛先変更を、移動端末からの移動先基地局経由のヒステリシスのある切り換え信号によりサーバで移動元基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスから移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスになるように、基地局に向かう、宛先移動端末のMACアドレスまたはIPv6アドレスを持つパケットの宛先MACアドレスまたはIPv6アドレスを変更することで行う方法。
【請求項2】
前記移動端末からの切り換え信号によりサーバで移動元基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスから移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスに、基地局に向かう、宛先移動端末のMACアドレスまたはIPv6アドレスを持つパケットの宛先MACアドレスまたはIPv6アドレスの変更は、
携帯端末から基地局とリング網またはツリー状リング網を介して、サーバ前のルータまたはゲートウェイに到着した移動端末からのパケットの送信元IPv4アドレス対応の送信元端末MACアドレスと通過基地局のMACアドレスまたはIPアドレスをあるいは、パケットの送信元IPv6アドレスの下位アドレス対応の通過基地局のIPv6アドレスを、第1のメモリに記憶し、サーバから移動端末に向かうIPパケットが前記ルータまたはゲートウェイに到着した場合に、そのIPアドレスの宛先IPアドレスから前記第1のメモリより対応するMACアドレスと基地局のMACアドレスまたはIPアドレスを読み出し、そのIPパケットに付与する宛先MACアドレスとしてその基地局のMACアドレスまたはIPアドレスのホストアドレス部分を用い、そのIPパケットに付与する送信元MACアドレスとして、ルータまたはゲートウェイのリングインタフェースのMACアドレスを用い、宛先携帯端末のMACアドレスをペイロードまたはIPヘッダのオプション領域に含んだMACパケットをリング網またはツリー状リング網に送出し、そのパケットの宛先MACアドレスがアドレステーブルに記憶されている宛先基地局帰属のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置でリング外に送出され、前記パケットが宛先基地局に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスをペイロード内またはIPヘッダのオプション領域に付与されている携帯端末への宛先MACアドレスに変換し、そのパケットを宛先携帯端末に送出するパケット転送方法において、携帯端末からのパケットが移動先基地局に到着した場合、そのパケットが移動先基地局を変えた直後のパケットである場合には、そのパケットにその基地局のMACアドレスまたはIPアドレスを挿入し、かつ、通過基地局変更指示信号を挿入して、そのパケットをリング網またはツリー状リング網を介して、前記サーバに送出し、そのパケットが前記ルータまたはゲートウェイに到着した場合、そのパケットの送信元IPアドレスから前記第1のメモリのそのIPアドレス対応の基地局のMACアドレスまたはIPアドレスをそのパケットに挿入されている前記基地局のMACアドレスまたはIPアドレスに変更することである請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ルータの第1のメモリの使用に変えて、ルータからサーバまで送信元端末MACアドレスと通過基地局MACアドレスをIPヘッダのオプション領域またペイロードで転送し、前記第1メモリと同じ内容のメモリをサーバ内に持つことを特徴とする請求項2に記載の方法。




















【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イーサネット(登録商標)パケットを転送するリング網を利用したハンドオーバーに関する。
【背景技術】
【0002】
ハンドオーバー方法の例として、特許文献1がある。この先行技術は、携帯端末とサーバ間にある基地局、ゲートウェイ経由の切り換え前の基地局経由のコネクションと切り換え先基地局経由のコネクションの2コネクションを持ち、コネクション経由のパケットがコネクション切り換え時に断時間を少なくする方法である。
【0003】
また、別のハンドオーバー方法の例として、特許文献2がある。この開示例はゲートウェイと移動端末間のパケット転送を前記移動端末の属する基地局のIPv6アドレスで基地局まで、移動端末識別子はトランスポートブロックセットで識別されるTCPヘッダのポート番号に端末のMACアドレスの下位アドレスを入れたような方法で識別して送り、その基地局が宛先移動端末のMACアドレスを持っており、前記トランスポートブロックセットの識別子から宛先MACアドレスを判別して、宛先移動端末宛てのMACアドレスとする。なお、移動端末のIPアドレスはその移動端末の属する基地局とゲートウェイ間はIPヘッダのオプション領域で送る案もある。この例は基地局がルータ機能を有しており、移動先基地局へのIPパケットは移動元の基地局を経由して、移動元の基地局で移動元に到着するパケット品質と移動先基地局経由のパケット品質を比較し、良好の方をゲートウェイに送る。ゲートウェイから移動端末へのパケットは両系路で送られる。移動端末は移動先基地局に移動元の基地局番号を持ってアクセスし、移動先基地局が移動元基地局にゲートウェイからのパケットが都着するように依頼する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】再表2017-195497 号公報
【特許文献2】再表2004-114695 号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のハンドオーバーの特許文献1は、サーバと携帯端末間に2つのコネクションを設けて切り換えているので、2つのコネクションの識別が必要になり、ハンドオーバー制御が複雑になる欠点がある。
【0006】
また、従来のハンドオーバーの特許文献2は、ゲートウェイと移動端末間にハンドオーバー時に切り換え前基地局と切り換え先基地局経由の2つのコネクションを得るため、IPアドレスの宛先を切り換え前基地局と切り換え先基地局の2IPアドレスを用いる。切り換え前基地局と切り換え先基地局の2つのコネクションが必要なのは、切り換えに伴う基地局の準備に時間を要するためと、切り換えを無瞬断で行うためである。上記トランスポートブロックセットとして、NATのようなTCPヘッダのポート番号に端末のMACアドレスの下位アドレスを用いる方法ではMAC下位アドレスが同じものがあり、誤動作となる問題がある。また、切り換え動作が複雑である。
従来の気付けアドレスは上位アドレスのみが異なり、それによって、基地局を選別できるものではないので、上記問題は気付けアドレスでは解決しない。IPアドレスを用いるのはゲートウェイ障害に対応するためもあるが、IPアドレスを用いる加入者系網はルータでの遅延が大きくハード規模も大きい問題がある。
【0007】
本発明の目的は、リング網を利用した2コネクションを使用しない簡単なハンドオーバーおよび携帯端末の近距離移動を実現する方法を示すことにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記従来技術の問題点を鑑みて成されたもので、解決手段は、移動元基地局または移動先基地局と移動端末間の無線区間は移動先基地局への移動時に両系路確保した上で、有線区間は、リングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局1つを帰属させ、サーバからの移動端末へのパケットのリング上での宛先を移動元基地局のMACアドレスから移動先基地局のMACアドレスにサーバで切り換える方法である。これにより、有線部分では移動先基地局への移動時も1コネクションのみとなり、簡単なハンドオーバーが実現する。
【0009】
本発明の第1の具体的手段は、移動元基地局および移動先基地局と移動端末間の無線区間は移動先基地局への移動時に両系経路確保した上で、有線区間は、リング網を用いた場合は、そのリングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを記憶することで基地局を帰属させたリング網または、ツリー状リング網を用いた場合は、そのツリー状リング網の各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に配下の基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスを記憶することで、ツリー状リング網の最下位リングの各パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置に基地局を帰属させたツリー状リング網を用いて、サーバからの移動端末へのパケットのリング上でのハンドオーバーによる宛先変更を、移動端末からの移動先基地局経由のヒステリシスのある切り換え信号によりサーバで移動元基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスから移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスになるように、基地局に向かう、宛先移動端末のMACアドレスまたはIPv6アドレスを持つパケットの宛先MACアドレスまたはIPv6アドレスを変更することで行う方法である。
【0010】
本発明の第2の具体的手段は、
前記移動端末からの切り換え信号によりサーバで移動元基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスから移動先基地局のMACアドレスまたはIPv6アドレスの下位アドレスに、基地局に向かう、宛先移動端末のMACアドレスまたはIPv6アドレスを持つパケットの宛先MACアドレスまたはIPv6アドレスの変更は、
携帯端末から基地局とリング網またはツリー状リング網を介して、サーバ前のルータまたはゲートウェイに到着した移動端末からのパケットの送信元IPv4アドレス対応の送信元端末MACアドレスと通過基地局のMACアドレスまたはIPアドレスをあるいは、パケットの送信元IPv6アドレスの下位アドレス対応の通過基地局のIPv6アドレスを、第1のメモリに記憶し、サーバから移動端末に向かうIPパケットが前記ルータまたはゲートウェイに到着した場合に、そのIPアドレスの宛先IPアドレスから前記第1のメモリより対応するMACアドレスと基地局のMACアドレスまたはIPアドレスを読み出し、そのIPパケットに付与する宛先MACアドレスとしてその基地局のMACアドレスまたはIPアドレスのホストアドレス部分を用い、そのIPパケットに付与する送信元MACアドレスとして、ルータまたはゲートウェイのリングインタフェースのMACアドレスを用い、宛先携帯端末のMACアドレスをペイロードまたはIPヘッダのオプション領域に含んだMACパケットをリング網またはツリー状リング網に送出し、そのパケットの宛先MACアドレスがアドレステーブルに記憶されている宛先基地局帰属のパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置でリング外に送出され、前記パケットが宛先基地局に到着した場合、前記パケットの宛先MACアドレスをペイロード内またはIPヘッダのオプション領域に付与されている携帯端末への宛先MACアドレスに変換し、そのパケットを宛先携帯端末に送出するパケット転送方法において、携帯端末からのパケットが移動先基地局に到着した場合、そのパケットが移動先基地局を変えた直後のパケットである場合には、そのパケットにその基地局のMACアドレスまたはIPアドレスを挿入し、かつ、通過基地局変更指示信号を挿入して、そのパケットをリング網またはツリー状リング網を介して、前記サーバに送出し、そのパケットが前記ルータまたはゲートウェイに到着した場合、そのパケットの送信元IPアドレスから前記第1のメモリのそのIPアドレス対応の基地局のMACアドレスまたはIPアドレスをそのパケットに挿入されている前記基地局のMACアドレスまたはIPアドレスに変更する方法である。
【0011】
本発明の第3の具体的手段は、前記ルータの第1メモリの使用に変えて、ルータからサーバまで送信元端末MACアドレスと通過基地局MACアドレスをIPヘッダのオプション領域またペイロードで転送し、前記第1メモリと同じ内容のメモリをサーバ内に持つ方法である。
【発明の効果】
【0012】
以上、説明したように、本発明は、イーサーネットフレームを転送するパケット転送経路が1経路のみのリング網によりヒステリシスのある移送先基地局切り換えする携帯端末のハンドオーバーを実現する方法なので、消費電力およびシステムコストが抑えられ、かつ、高速に通信できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の第1実施例のイーサーネットパケットを転送する、基地局MACアドレスまたは基地局IPアドレスの下位アドレスをリングのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶したツリー状リング網を、携帯端末がルータ的動作する基地局経由のパケットを通過させて、ルータに接続するサーバとの間で通信するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の第1実施例を図1により説明する。本実施例は、イーサーネットパケットを転送する、基地局MACアドレスまたは基地局IPアドレスの下位アドレスをリングのパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブルに記憶したツリー状リング網を、携帯端末がルータ的動作する基地局経由のパケットを通過させて、ルータに接続するサーバとの間で通信するネットワークのハンドオーバーの動作を説明するための図である。
の動作例である。前記サーバはインターネット接続サーバである。
【0015】
図1において、1は加入者系の左回りリング、2は加入者系の右回りリング、4-1,4-2は下位リングの頂点装置(上位リングに接続する装置)、4-3は上位リングの頂点装置(ルータに接続する装置)、6-1,6-2,6-3,6-4.6-5,6-6,6-7はパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置、11はリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル、25はルータ、12-1,12-2,12-3,12-4,12-5は基地局、13-1,13-2はTCP携帯端末、14は携帯端末の移動、20はサーバ,30は携帯端末毎の送信元IPアドレス対応の通過基地局MACアドレスのテーブルである。また、(1)~(26)はパケット、I0,I1,I2,I3はサービスプロバイダーの国内または地域IPアドレスである。またはIPv6アドレスである。
【0016】
以下に、図1の動作を説明する。最初に、TCP携帯端末13-1,13-2はARPテーブルにルータ25のIPアドレスI3とリング伝送路インタフェースのMACアドレスr4r5が既に記憶されているものとする。TCP携帯端末13-2がパケット(1)Ma3a2b3b2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、a3a2は携帯端末13-2が属する基地局12-2のMACアドレス、b3b2は携帯端末13-2のMACアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレス)を基地局12-2経由でサーバ20に送出した例を示す。基地局12-2はそのパケットをルータ25宛てのMACパケット(2)Mr4r5a3a2(I0、b3b2)(MはMACパケットを示し、r4はルータ25のインタフェースの上位MACアドレス、r5ははルータ25のインタフェースの下位MACアドレスを示し、a3a2は基地局12-2のMACアドレス、または基地局のIPv6アドレスのMACアドレス部分を示し、b3b2はTCP携帯端末13-2のMACアドレスである上位MACアドレスb3と下位MACアドレスb2を示し、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレスを示す)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2に送出する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2には予め帰属基地局のMACアドレス、または帰属基地局のIPv6アドレスのMACアドレス部分がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているものとする。このテーブルへの記憶アドレスは複数の基地局を示す複数アドレスでもよい。なお、このテーブルの記憶MACアドレスは到着パケットの送信元MACアドレスを記憶したものとすることもできる。そのパケットは左回り光リング1で(3)Mr4r5a3a2(I0、b3b2)により図に示すように転送され、頂点装置4-1、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6,6-7を経由して、頂点装置4-3からルータ25に(5)Mr4r5a3a2(I0、b3b2)として到着する。
【0017】
前記MACパケット(5)Mr4r5a3a2(I0、b3b2)がルータ25に到着した場合、そのパケットの宛先MACアドレスをサーバ宛てのMACアドレスのIPパケットにして、そのパケットはペイロード等に送信元MACアドレスa3a2を付与されてサーバ20に到達する。
【0018】
サーバ20は送信元MACアドレスa3a2を付与されたIPパケットが到着した場合、送信元携帯端末のIPアドレス対応のアドレステーブル30のIPアドレスI2位置に送信元携帯端末のMACアドレスb3b2と共に送信元基地局MACアドレスa3a2を記憶する。
【0019】
次に、TCP携帯端末13-1がパケット(6)Ma1a2b1b2(I0)(Mはイーサネットパケットを示し、a1a2は携帯端末13-1が属する基地局12-1のMACアドレス、b1b2は携帯端末13-1のMACアドレス、I0は宛先であるサーバ20のIPアドレス)を基地局12-1経由でサーバ20に送出した例を示す。基地局12-1はそのパケットをルータ25宛てのMACパケット(7)Mr4r5a1a2(I0、b1b2)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1に送出する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1には予め帰属基地局のMACアドレス、または帰属基地局のIPv6アドレスのMACアドレス部分がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているものとする。そのパケットは左回りリング1で(8)Mr4r5a1a2(I0、b1b2)により図に示すように転送され、頂点装置4-1、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6,6-7を経由して、頂点装置4-3からルータ25に(10)Mr4r5a1a2(I0、b1b2)として到着する。パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11には、予め基地局のMACアドレスa1a2、a3a2が記憶されているものとする。また、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-7のリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11には、予め基地局のMACアドレスh1h2、h3h2が記憶されているものとする。
【0020】
前記MACパケット(10)Mr4r5a1a2(I0、b1b2)がルータ25に到着した場合、そのパケットの宛先MACアドレスをサーバ宛てのMACアドレスのIPパケットにして、そのパケットはペイロード等に送信元MACアドレスa1a2を付与されてサーバ20に到達する。
【0021】
サーバ20は送信元MACアドレスa1a2を付与されたIPパケットが到着した場合、送信元携帯端末のMACアドレス対応のアドレステーブルのb1b2アドレス位置に送信元携帯端末のIPアドレスI1と共に送信元基地局MACアドレスa1a2を記憶する。または送信元携帯端末のIPアドレス対応のアドレステーブルのIPI1アドレス位置に送信元携帯端末のMACアドレスb1b2と共に送信元基地局MACアドレスa1a2を記憶する。図には後者の例を符号30として示している。
【0022】
次に、サーバからの携帯端末13-2への応答MACパケット(11)IPI0I2(a3a2,b3b2)がMb3b2a3a2(I2)として携帯端末13-2に到着する動作を示す。前記IPパケットにはペイロード等に経由する基地局のMACアドレスa3a2と宛先携帯端末のMACアドレスb3b2が付与されてルータ25に到着する。そのパケットはルータ25でMACパケット(12)Ma3a2r4r5(I2,b3b2)に組み立てられて頂点装置4-3に送出される。
【0023】
前記パケットは上位リングの右回りリング2を(13)Ma3a2r4r5(I2,b3b2)により図に示すように転送され、宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6でリング外に送出され、(14)Ma3a2r4r5(I2,b3b2)により図に示すように下位リングの頂点装置4-1を経由して、右回りリングを転送される。そのパケットは宛先MACアドレスa3a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-2でリング外に送出され、(16)Ma3a2r4r5(I2,b3b2)が基地局12-2に到着し、そのMACパケットから変換されたパケットMb3b2a3a2(I2)が携帯端末13-2に到着する。
【0024】
次に、携帯端末13-2が基地局12-2の配下から基地局12-1の配下に移動する動作を示す。携帯端末13-2は移動して、基地局12-2からの電波より基地局12-1からの電波強度が大きくなった場合に、元の基地局経由で移動先基地局MACアドレスを持つヒステリシスのある切り換え指示信号をサーバ20に送出して、サーバ20がテーブル30の携帯端末13-2のIPアドレスI2アドレス位置の基地局MACアドレスを即座に切り換える。または、携帯端末13-2が元の基地局経由で移動先基地局MACアドレスを持つ切り換え開始指示信号をサーバ20に送出し、サーバからの移動先基地局経由のパケットが受信できるようになった時点で、移動先基地局経由で切り換え終了指示信号をサーバ20に送出する。サーバ20は、その間、元の基地局MACアドレス宛のパケットと移動先基地局MACアドレス宛のパケットの2経路でパケット転送する。図では、前者の元の基地局経由で移動先基地局MACアドレスを持つ切り換え指示信号をサーバに送出して、サーバ20がテーブル30の携帯端末13-2のIPアドレスI2アドレス位置の基地局MACアドレスを即座にに切り換える例を示してある。
【0025】
TCP携帯端末13-2が移動先基地局切り換え信号を含むパケット(17)Ma1a2b3b2(I0)を基地局12-1経由でサーバ20に送出した例を示す。このパケットの代わりにTCP携帯端末13-2が移動先基地局切り換え信号を含む(17)Ma3a2b3b2(I0)を基地局12-2経由でサーバ20に送出してもよい。基地局12-1はそのパケットをルータ25宛てのMACパケット(18)Mr4r5a1a2(I0、b3b2)をパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1を経由して、左回りリング1を転送させる。前記パケットは、頂点装置4-1、パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6,6-7を(19)Mr4r5a1a2(I0、b3b2)、(20)Mr4r5a1a2(I0、b3b2)として経由して、頂点装置4-3からルータ25に到着する。
【0026】
前記MACパケット(20)Mr4r5a1a2(I0、b3b2)がルータ25に到着した場合、そのパケットはペイロード等に送信元MACアドレスa1a2を付与されてサーバ20に到達する。前記パケットには、TCP携帯端末13-2の移動先基地局切り換え信号を含むので、そのパケットの送信元携帯端末の送信元IPアドレスI2でアドレス指定されるテーブル30のアドレス位置の基地局MACアドレスをa3a2からa1a2に切り換える。その基地局MACアドレスの変更が図のテーブル30内の矢印で示してある。
【0027】
次に、テーブル30の変更後のサーバからの携帯端末13-2への応答MACパケット(21)IPI0I2(a1a2,b3b2)がMb3b2a1a2(I2)として携帯端末13-2に到着する動作を示す。前記パケットにはペイロード等に経由する移動先基地局のMACアドレスa1a2と宛先携帯端末のMACアドレスb3b2が付与されてルータ25に到着する。そのパケットはルータ25でMACパケット(22)Ma1a2r4r5(I2、b3b2)に組み立てられて頂点装置4-3に送出される。
【0028】
前記パケットは上位リングの右回りリング2を(23)Ma1a2r4r5(I2、b3b2)により図に示すように転送され、宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-6でリング外に送出され、(24)Ma1a2r4r5(I2、b3b2)により図に示すように下位リングの頂点装置4-1を経由して、下位リングの右回りリング2を転送される。そのパケットは宛先MACアドレスa1a2がリング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル11に記憶されているパケットのアッド、ドロップおよび通過の装置6-1でリング外に送出され、基地局12-1でMACパケット(25)Ma1a2r4r5(I2、b3b2)から(26)Mb3b2a1a2(I2)に変換されて図に示すように携帯端末13-2に到着する。
【符号の説明】
【0029】
1 加入者系の左回りリング
2 加入者系の右回りリング
4-1,4-2,4-3 頂点装置
6-1,6-2,6-3,6-4,6-5,6-6,6-7 パケットのアッド、ドロップおよび通過の装置
11 リング外へのパケット送出を指定するアドレステーブル
12-1,12-2,12-3,12-4,12-5 基地局
13-1,13-2 携帯端末
14 携帯端末の移動
20 サーバ
25 ルータ
30 携帯端末毎の送信元IPアドレス対応の通過基地局のMACアドレスのテーブル

図1