(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008716
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】リズム機能付きハンディファン
(51)【国際特許分類】
F04D 25/08 20060101AFI20230112BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20230112BHJP
【FI】
F04D25/08 301A
F04D29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】書面
(21)【出願番号】P 2021131808
(22)【出願日】2021-07-03
(71)【出願人】
【識別番号】598136954
【氏名又は名称】株式会社大文字
(72)【発明者】
【氏名】明本 信男
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB06
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA69A
3H130BA69G
3H130BA69H
3H130CA21
3H130DD01Z
3H130DF01X
3H130DF04X
3H130DF06X
3H130DF09X
3H130DJ03Z
(57)【要約】
【課題】 押ボタンの操作により、通常の送風と、リズムのある送風及びリズムのある音の出力に切り換えられる、リズム機能付きハンディファンにする。
【解決手段】電源ボタンと第2電源ボタンとを有する。電源ボタンをONさすると通常の送風が行なえ、第2電源ボタンをONすると、ファンを回転させるモータをリズムのある回転にさせ、スピーカーからリズムのある音が出力されるように構成した。これらのリズムのある回転と出力は、回路基板に実装されているメモリに格納されたプログラム情報に沿って実行される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータ駆動によりファンを回転させて涼風を体や被服等に向けて送ることができるハンディファンであり、
片手で把持できる大きさがありテーブル上に起立させて置くことができるハウジング本体と、モータとファンを内装したカゴ部とからなるハウジングを有し、
前記ハウジング本体内に、電子部品を実装した回路基板と電池とスピーカーとが配設され、
該ハウジング本体の外壁面に、前記モータのON/OFFと、該モータの回転速度を1段又は複数段に切り換える電源ボタンが設けられ、
該ハウジング本体における前記電源ボタンの近傍面に、前記モータのリズムを伴った回転速度と前記スピーカーのリズムを伴った出力とを行なう第2電源ボタンが設けられ、
前記電子部品の1つに、前記第2電源ボタンのON操作により前記モータのリズムを伴う回転速度にさせ、前記スピーカーから出力される音楽、打音、人や動物の声、風や波の自然音、等のうちの1又は複数の種類からなるリズムのある音情報とが入力されたメモリが含まれており、
前記電源ボタンのON操作を繰り返すと、前記ファンによる定速の弱・中・強の段階の送風と送風停止とが順に行われ、
前記第2電源ボタンをON操作すると、前記電源ボタンはOFFになり、前記ファンによるリズムのある送風が行われ、前記スピーカーからリズムのある前記音情報が出力されるように構成されている、リズム機能付きハンディファン。
【請求項2】
前記ハウジングの前面の1又は複数の適所にLEDが設けられ、前記第2電源ボタンがONされると、該LEDは、前記メモリに格納された点滅制御情報、は前記回路基板に実装された点滅回路に基づき、リズムのある点滅をする、請求項1に記載のリズム機能付きハンディファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、夏の暑さ対策として涼風を送るハンディファンに、リズム送風と、スピーカーからリズムのある音を出力させることもでき、また、更にLEDによるリズムのある点滅をさせることもできる、リズム機能付きハンディファンに関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、夏の暑い日に、扇子の代わりに、電動式のハンディファンを片手で持ち、自分の上半身に涼風を送る人々が増えている。
多くの機種のハンディファンは、例えば、特許文献1に開示されているように、電池を内装した手持ち部の上端部にモータで駆動するファンが配設された外観構造を有し、手持ち部に設けられている電源ボタン(電源スイッチ)を指先で押すと、モータがONしてファンを回転させ、送風を行う。多くの機種のハンディファンは、電源ボタンを押す操作によって弱・中・強の三段階の送風の切り換えと電源OFFが行える。
【先行特許文献】
【0003】
【0004】
しかしながら、上記従来のハンディファンは、送風を行なうだけであり、更なる楽しみや面白さに欠ける。
【0005】
本願発明は、夏の暑さ対策として涼風を送るハンディファンに、リズム送風と、スピーカーからリズムのある音を出力させることもでき、更にLEDによるリズムのある点滅をさせることもできるリズム機能付きハンディファンを提供することを解決課題とする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明の第1の課題は、外部から入力した音楽等の音情報の強弱に合わせてファンによる送風の強さを変化させる、リズム機能付きハンディファンにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に対応した態様のリズム機能付きハンディファンは、次の構成を備える。
(1)モータ駆動によりファンを回転させて涼風を体や被服等に向けて送ることができるハンディファンである。
(2)片手で把持できる大きさがあり、テーブル上に起立させて置くことができるハウジングを備える。
(3)該ハウジングは、手持ち部及び起立台になるハウジング本体と、モータとファンを内装したカゴ部とを有する。
(4)前記ハウジング本体内に、電子部品を実装した回路基板と電池とスピーカーとが配設されている。
(5)該ハウジング本体の外壁面に、前記モータのON/OFFと、該モータの回転速度を1段又は複数段に切り換える電源ボタンが設けられている。
(6)該ハウジング本体における前記電源ボタンの近傍面に、前記モータのリズムを伴った回転速度と前記スピーカーのリズムを伴った出力とを行なう第2電源ボタンが設けられている。
(7)前記電子部品の1つに、前記第2電源ボタンのON操作により前記モータのリズムを伴う回転速度にさせ、前記スピーカーから出力される音楽、打音、人や動物の声、風や波の自然音、等のうちの1又は複数の種類からなるリズムのある音情報とが入力されたメモリが含まれている。
(8)前記電源ボタンがONの状態にあり、前記第2電源ボタンがOFFの状態にあるとき、前記ファンによる定速の弱・通常・強のいずれかの送風が行われる。
(9)前記第2電源ボタンをON操作すると、前記電源ボタンはOFFに切り換わり、前記ファンによるリズムのある送風が行われ、前記スピーカーからリズムのある前記音情報が出力される。
(10)前記第2電源ボタンがONの状態にあるときに、前記電源ボタンをON操作すると、前記第2ボタンがOFFに切り換わるように構成されている。
【0008】
前記リズムは、周期的な動きや進行の調子、律動をいい、時間軸の中に人間に知覚されるものをいう。
【0009】
前記ハウジング本体は、例えば、4角が丸みのある4角柱形状、円柱形状等である。
前記カゴ部は、前記ハウジングの一部であり、前記ハウジング本体部の上端から上方に突出して設けられた構造が好適なものとして挙げられる。
該カゴ部は、ハウジングの内部から引き出して使用できる構造であってもよい。また、前記ファンと前記カゴ部は、風向きを変えるために、上下回動方向の角度調整ができる構造であってもよい。
【0010】
前記モータを回転させるリズムと、前記スピカーから出力される音のリズムとは、それぞれプロミングされており、双方が同じリズムであってもよく、異なるリズムであってもよい。
リズムを持たせて前記モータを駆動させる情報と、リズムのある音情報は、製品製造段階において前記メモリに格納されている。この音情報は、電子的に合成された音であってもよい。
【0011】
請求項2に対応した態様のリズム機能付きハンディファンは、更に、次の構成を備える。
(1)前記ハウジングの前面の1又は複数の適所にLEDが設けられている。
(2)該LEDは前記メモリに格納された点滅制御情報に基づき、前記第2電源ボタンがONの状態にあるとき、リズムのある点滅をする。
【0012】
該LEDの点滅も、LED点滅のための制御プログラムに沿って実行される。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に対応した態様のリズム機能付きハンディファンによれば、定速の送風だけに限られず、リズムのある送風が行える。
同時に、リズムのある音情報を前記スピーカーから出力させることができる。このため、従来のハンディファンよりも、格段に楽しいハンディファンになり、周囲の人の歓心も引く。
【0014】
請求項2に対応した態様のリズム機能付きハンディファンによれば、更に、LEDをリズムを伴って点灯させることができるため、更に楽しく、周囲の人の歓心を引き付けるハンディホンになる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本願発明に係るリズム機能付きハンディファンの好適なる実施形態を図面に沿って詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本願発明の実施形態1に係るリズム機能付きハンディファンの使用状態図。
【
図2】同じくテーブルの上に起立姿勢で置いた状態で示した使用状態図。
【
図3】(a)は同じく送風側を上向き状態で示した斜視図、(b)は右側面図。
【
図5】(a)は送風側を下向き状態で示した斜視図、(b)は電池フタを取り外して電池が入れられている状態を示した図。
【
図7】本願発明実施形態2に係るリズム機能付きハンディファンの正面図。
【実施例0017】
〔実施形態1〕
図1に示す実施形態1のリズム機能付きハンディファン1は、プラスチック製中空構造のハウジング2を備える。ハウジング2は、縦向き姿勢において下部側になるハウジング本体3と、上部になるカゴ部4とを有するプラスチック製の一体形成品である。ハウジング本体3は片手持ちできる大きさの略長角形状を有する。
【0018】
カゴ部4の内側にはモータ6で駆動するファン7が横向き姿勢で配設されている。モータ6は電池8を電源として駆動する。
【0019】
ハウジング2は、前後側と後部側の半割れ構造品による組付け品で構成されており、カゴ部4も2分割構造である。
【0020】
ハウジング本体3の内部は、仕切り板5によって、後部側と前部側に区分けされている。ハウジング本体3の内部空間における後部側は、3本の単4サイズの電池8,8・を収容する電池収容部9になっており、仕切り板5が電池ケース9の底板になっている。前部側には、電子部品を実装した回路基板12と、スピーカー13とが配設されている。
【0021】
ハウジング本体3の片側壁面には、電源ボタン10と第2電源ボタン11とが配設されている。第2電源ボタン11は、ハウジング本体3における電源ボタン10の近傍面に設けられている。
【0022】
電源ボタン10は、モータ6を定速度で回転させる押ボタンスイッチであり、モータ6を3段階の定速度で回転させる。電源ボタン10の指先で押す操作を繰り返すと、ファン7による送風が定速の弱・中・強の順で行われ、電源ボタン10を更に押すと電源OFFになる。
【0023】
第2電源ボタン11は、ファン7による送風をリズムのある送風にさせ、スピーカー13からリズムのある音を出力させる押ボタンスイッチである。
【0024】
電源ボタン10がONの状態にあるときに、第2電源ボタン11をON操作すると、電源ボタン10がOFFに切り換わる。
第2電源ボタン11がONの状態にあるときに、電源ボタン10をON操作すると、第2ボタン11がOFFに切り換わる。
これらの切り換わりは、電子リレースイッチで行なわれる。
【0025】
リズムのある送風と、スピーカー13から出力されるリズムのある音は、それぞれプログラム情報として回路基板12に実装されているメモリ14に読出し自在に格納されている。この音は、音楽、打音、人工音、電子音、人や動物の声、風や波の音、等のいずれか又は複数である。
【0026】
メモリ14には、モータ6をリズムを伴った回転にさせるプログラム情報と、スピーカー10からリズムを伴った音を出力させるプログラム情報とが、同時に読出し自在に格納されている。各情報は、同じリズムでもよく、別のリズムであってもよい。各情報が読出しは同時に行なわれ、ファン7がリズムのある回転をし、スピーカー13からリズムのある音が出力される。
【0027】
リズム機能付きハンディファン1の基本的な使用方法は2通りある。
1つは、ハウジング本体3を片手で把持して、ファン7による涼風を顔や頭、首筋、着衣等に送る方法であり、他の1つは、
図2に示すように、テーブル30の上に起立した姿勢で置いて使用する方法である。
【0028】
-構造の詳細-
図3(a)(b)、
図4(a)(b)に示すように、カゴ部4は外周が円形であり、後部側と前部側は略平坦な形になっている。
カゴ部4は、後部側と外周側と前部側に、略短冊形状の多数の通風口4a,4b,4cが設けられたカゴ構造を有する。
後部側の通風口4aと外周側の通風口4bは、ファン8の回転による空気吸入側になる通風口であり、前部側の通風口4cは、送風側になる通風口である。
【0029】
図5(a)(b)に示すように、電池収容部9内に電池8,8、・が収容された後、電池収容部9の開口はフタ9aで閉じられる。
【0030】
図1を参照しつつ
図6、
図7に示すように、仕切り板5で仕切られたハウジング本体3の内部空間における前部側には、回路基板12と、スピーカー13とが配設されている。
【0031】
回路基板12には、電源スイッチ10と第2電源スイッチ11の各本体部、メモリ14の他、モータ6の駆動とスピーカー13による音の出力に必要な電子部品や整流部品等が実装されている。
【0032】
回路基板12は、仕切り板5に浮かした状態で装着されている。
音出力時に微振動するスピーカー13は、出力側を前方に向けた姿勢でハウジング本体3の前部内側面に係止されて、この振動が回路基板12に伝わらないようにしてある。
【0033】
図7に示す実施形態2のリズム機能付きハンディファン1Aは、前述した実勢形態1のリズム機能付きハンディファン1の前面に、複数個のLED30,30・・・が配設されて構成されている。
より具体的には、LED30,30・・・は、カゴ部4の前面中央近傍箇所と、ハウジング本体3の前面に設けられて、第2電源ボタン11がONの状態にあるときに点滅するように電気接続されている。図示するLED30,30・・・の個数と配列と設ける位置は例示であり、ハウジング2の前面に設けられていれば足りる。LED30,30・・・は突出高さが低いもの(砲弾形ではない)ものが用いられている。
図示していないが、ハウジング本体3の前面に、点滅表示、文字の表示、絵柄等が点灯表示される小型の電光表示板を嵌め付けることも可能である。
また、ハウジング本体3の前面にホノグラムシート片を貼り付けてもよい。