(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087243
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】固形粉末化粧料
(51)【国際特許分類】
A61K 8/29 20060101AFI20230616BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20230616BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230616BHJP
A61K 8/25 20060101ALI20230616BHJP
A61Q 1/12 20060101ALI20230616BHJP
A61Q 1/02 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61K8/29
A61K8/02
A61K8/60
A61K8/25
A61Q1/12
A61Q1/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201522
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】595137022
【氏名又は名称】東色ピグメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087642
【弁理士】
【氏名又は名称】古谷 聡
(74)【代理人】
【氏名又は名称】義経 和昌
(72)【発明者】
【氏名】小川 毅
(72)【発明者】
【氏名】倉田 庸子
【テーマコード(参考)】
4C083
【Fターム(参考)】
4C083AA121
4C083AB152
4C083AB172
4C083AB241
4C083AB242
4C083AB431
4C083AB432
4C083AB441
4C083AB442
4C083AC421
4C083AC431
4C083AC441
4C083AD072
4C083AD241
4C083AD242
4C083AD262
4C083BB11
4C083BB21
4C083BB25
4C083BB46
4C083CC12
4C083CC19
4C083DD21
4C083EE01
4C083EE06
4C083EE07
(57)【要約】
【課題】高いSPF効果を有しており、感触が良く、化粧崩れし難い固形粉末化粧料の提供。
【解決手段】(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料。
【請求項2】
(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%、(C)球状セルロース粉末1~10質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料。
【請求項3】
(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%および(D)球状ウレタン粉末1~5質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料。
【請求項4】
さらに油剤で表面処理された粉体が、水添パーム核油、ヘキサンヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリルから選ばれる1または2以上の油剤で表面処理された無機粉体である、請求項1~3のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
【請求項5】
前記無機粉体が、タルク、セリサイト、マイカ、雲母チタン、酸化チタンから選ばれるものである、請求項4記載の固形粉末化粧料。
【請求項6】
SPFが12以上である、請求項1~5のいずれか1項記載の固形粉末化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウダーファンデーションなどの化粧料として使用できる固形粉末化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
日焼け止め効果が付与された化粧品には、SPF効果を持たせるため、微粒子酸化チタンが配合されたものが知られている。
特許文献1には、基材粒子と前記基材粒子に付着した複数の紫外線遮蔽微粒子とを備え、前記基材粒子がデンプンを含み、前記紫外線遮蔽微粒子が、酸化チタン、酸化亜鉛及び酸化セリウムから選ばれる少なくとも1種を含む、複合粒子と、前記複合粒子を含む化粧料の発明が記載されている(特許請求の範囲)。
前記複合粒子は、肌に滑らかな感触を与えることができること、生分解性材料であるデンプンを用いていることから生分解性にも優れているので、環境汚染の原因として指摘されているマイクロプラスチックの削減にも寄与でき、紫外線吸収微粒子の凝集が基材粒子により抑制されるため、紫外線遮蔽効果においても優れていることが記載されている(段落番号0008)。
【0003】
特許文献2には、球状炭酸カルシウム、球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体及びシリコーン処理球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体の中から選ばれた少なくとも1種の粉粒体を配合してなる化粧料であり、前記球状炭酸カルシウム‐アパタイト複合体が、球状軽質炭酸カルシウムの表面がアパタイトで被覆されたものである発明が記載されている(特許請求の範囲)。実施例では、二酸化チタンを配合した例が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2021-24789号公報
【特許文献2】特開平8-12527号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、高いSPF効果を有しており、化粧時のびと仕上がり感が良い固形粉末化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸
カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料を提供する。
また本発明は、(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%、(C)球状セルロース粉末1~10質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料を提供する。
また本発明は、(A)微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体5~22質量%、(B)炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体3~10質量%および(D)球状ウレタン粉末1~5質量%および油剤で表面処理された粉体を含有する固形粉末化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の固形粉末化粧料は、高いSPF効果を有しており、感触が良く、化粧時のびと仕上がり感が良い。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1実施形態の固形粉末化粧料)
第1実施形態の固形粉末化粧料は、(A)成分の微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体、(B)成分の炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体よび油剤で表面処理された粉体を含有しており、必要に応じて他の公知の化粧料成分を含有することができる。
【0009】
(A)成分の微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体は、微粒子酸化チタンとコーンスターチが一体化されたものである。
(A)成分の微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体は、例えば特開2021-24789号公報に記載されているものを使用することができる。
【0010】
(B)成分の炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体は、炭酸カルシウムとヒドロキシアパタイトが一体化された粉体である。
炭酸カルシウムは球状炭酸カルシウムが好ましい。球状炭酸カルシウムは、短径と長径の比(短径/長径)が1.0に近似している(例えば、0.9~1.1)ものである。
炭酸カルシウムとヒドロキシアパタイトの割合は、炭酸カルシウム100質量部に対してヒドロキシアパタイトが9~50質量部が好ましく、9~20質量部がより好ましい。
(B)成分の炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体は、表面がシリコーンオイルで被覆処理されたものでもよい。
炭酸カルシウム‐ヒドロキシアパタイト複合体とシリコーンオイルの割合は、炭酸カルシウム‐ヒドロキシアパタイト複合体100質量部に対してシリコーンオイルが0.1~50質量部が好ましく、0.1~20質量部がより好ましい。
シリコーンオイルとしては、ジメチルポリシロキサン、メチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、デカメチルテトラシクロシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、各種変性ポリシロキサンなどを挙げることができる。
(B)成分の炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体は、特開平8-12527号公報に記載されているものを使用することができる。
【0011】
油剤で表面処理された粉体は、水添パーム核油、ヘキサンヒドロキシステアリン酸ジペンタエリスリチル、イソステアリン酸水添ヒマシ油、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸)グリセリルから選ばれる1または2以上の油剤で表面処理された無機粉体であることが好ましいが、表面がシリコーンオイル処理された(B)成分の炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体は含まれない。
前記無機粉体は、タルク、セリサイト、マイカ、雲母チタン、酸化チタンから選ばれるものが好ましい。
油剤で表面処理された粉体の平均粒子径は、(A)成分および(B)成分の平均粒子径と同等以下であることが好ましい。
【0012】
第1実施形態の固形粉末化粧料中、
(A)成分の含有量は5~22質量%であり、5~20質量%が好ましく、7~20質量%がより好ましく、
(B)成分の含有量は3~10質量%であり、3~8質量%が好ましく、4~7質量%がより好ましい。
残部は、油剤で表面処理された粉体と必要に応じて含有することができる化粧料成分であり、合計で100質量%となる。
【0013】
(第2実施形態の固形粉末化粧料)
第2実施形態の固形粉末化粧料は、第1実施形態の固形粉末化粧料の(A)成分、(B)成分、油剤で表面処理された粉体に加えてさらに(C)成分の球状セルロース粉末を含有するものである。
【0014】
(C)成分の球状セルロース粉末は、セルロースのほか、酢酸セルロースを使用することができる。
(C)成分は、平均粒子径が3μm~10μmであるものが好ましく、4μm~8μmであるものがより好ましい。
(C)成分は真球状であるものが好ましく、前記真球状とは、いずれの方向から投影して見た場合にも概略真円状を示すものであって、粒子径の最小値が最大値の80%以上、より好ましくは90%以上であることを意味する。
【0015】
第2実施形態の固形粉末化粧料中、
(A)成分の含有量は5~22質量%であり、5~20質量%が好ましく、7~20質量%がより好ましく、
(B)成分の含有量は3~10質量%であり、3~8質量%が好ましく、4~7質量%がより好ましく、
(C)成分の含有量は1~10質量%であり、1~8質量%が好ましく、1~5質量%がより好ましい。
残部は、油剤で表面処理された粉体と必要に応じて含有することができる化粧料成分であり、合計で100質量%となる。
【0016】
(第3第実施形態の固形粉末化粧料)
第3実施形態の固形粉末化粧料は、第2実施形態の固形粉末化粧料の(A)成分、(B)成分、油剤で表面処理された粉体に加えてさらに(D)成分の球状ウレタン粉末を含有するものである。
【0017】
(D)成分の球状ウレタン粉末は、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(IPDI/ポリ(1,4-ブタンジオール)-14)クロスポリマー、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマーなど挙げることができ、1種または2種以上を選ぶことができる。
(D)成分の球状ウレタン粉末は、真球状であるものが好ましく、前記真球状とは、いずれの方向から投影して見た場合にも概略真円状を示すものであって、粒子径の最小値が最大値の80%以上、より好ましくは90%以上であることを意味する。
(D)成分の球状ウレタン粉体は、経日安定性の点から、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマーを使用することが好ましい。
(D)成分としては、東色ピグメント株式会社から販売されている製品名「D-400」、「D-800」、「CS-400」などを使用することができる。
【0018】
第3実施形態の固形粉末化粧料中、
(A)成分の含有量は5~22質量%であり、5~20質量%が好ましく、7~20質量%がより好ましく、
(B)成分の含有量は3~10質量%であり、3~8質量%が好ましく、4~7質量%がより好ましく、
(D)成分の含有量は1~5質量%であり、2~5質量%が好ましく、2~4質量%がより好ましい。
残部は、油剤で表面処理された粉体と必要に応じて含有することができる化粧料成分であり、合計で100質量%となる。
【0019】
本発明(第1実施形態~第3実施形態を含む)の固形粉末化粧料は、発明の効果が得られる範囲内で公知の化粧料成分を含有することができるが、プレス成形体を良くする点から油剤を含有することが好ましい。
炭化水素、スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、アルキッド、アクリル、スルホンアミド樹脂、ニトロセルロース;オリーブ油、アーモンド油、カカオ脂、マカデミアナッツ油、アボカド油、硬化パーム油、ヒマシ油、ヒマワリ油、ホホバ種子油、月見草油などの植物油;合成トリグリセライド、ロウ、ラノリン、酢酸ラノリン、高級脂肪酸、高級脂肪酸エステル、高級アルコール、合成エステル、直鎖・環状シリコーンオイル、ジメチルポリシロキサン、モノステアリン酸グリセリン、デカメチルシクロペンタンシロキサン、ポリオキシエチレン変性ジメチルポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、ポリフェニルメチルシロキサン、ロジンペンタエリスリトットエステル、ジイソオクタン酸ネオペンチルグリコール、トリイソオクタン酸グリセリン、ミリスチン酸イソプロピル、モノラウリン酸プロピレングリコール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、ミネラルオイル、などの油剤、
タルク、マイカ、カオリン、合成フルオロフロゴパイト、(フッ化/水酸化/酸化)/(Mg/K/ケイ素)、無水ケイ酸、含水ケイ酸、アルミナ、水酸化アルミニウム、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化セリウム、グンジョウ、紺青などの無機粉体、
ラウロイルリシン、ナイロン-6、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、(HDI/PPG/ポリカプロラクトン)クロスポリマー、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリル酸アルキル、メタクリル酸メチルクロスポリマー、(アクリル酸ブチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、(メタクリル酸メチル/ジメタクリル酸グリコール)クロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(ジフェニルジメチコン/ビニルジフェニルジメチコン/シルセスキオキサン)クロスポリマー、ポリシリコーン-1クロスポリマー、ポリシリコーン-22、金属石鹸類などの有機粉体、
グリセリン、プロピレングリコール、ソルビット、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、ジグリセリン、エチルヘキシルグリセリン、ペンタンジオール、ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、マンニトール、POEメチルグリコシド、生体高分子、蔗糖などの保湿剤、
ミネラルオイル、ワセリン、パラフィンワックス、セレシン、ポリエチレン、水添ポリイソブテン、水添ポリデセン、合成ワックス、スクワラン、高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル類、油脂類などのエモリエント成分、
メチルパラベン、エチルパラベン、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸ナトリウム、イソプロピルメチルフェノールなどの防腐・殺菌剤、
脂肪酸とショ糖とのエステル類などの界面活性剤、
アスコルビン酸ジパルミテート、リン酸アスコルビルMg及びその他の塩類、アスコルビルグルコシド、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パルミチン酸レチノール、ニコチン酸アミド、ビオチンなどのビタミンおよびその誘導体類、アミノ酸及びその誘導体類、
水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、硫酸マグネシウム、トリエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、アミノメチルプロパンジオール、クエン酸、クエン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムなどのpH調整剤、
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン、エチルヘキシルトリアゾン、オクトクリレン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジンなどの紫外線吸収剤、抗酸化剤、香料、防腐剤、キレート剤、酸化防止剤,顔料などの着色剤。
【0020】
本発明の固体粉末化粧料に含まれる成分の平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布測定機 SALD-2100[(株)島津製作所]から粒度分布を求め、積算体積50%粒子径を平均粒径とすることができる。
【0021】
本発明の固形粉末化粧料(第1実施形態~第3実施形態の固形粉末化粧料を含む)は、SPFが12以上であるものが好ましく、15以上であるものがより好ましく、18以上であるものがさらに好ましい。
【実施例0022】
<使用成分>
(A)成分
微粒子酸化チタン-コーンスターチ複合体:FTVO40‐CS(有限会社ハヤテマテリアル)
平均粒子径10μm
(B)成分
炭酸カルシウム-ヒドロキシアパタイト複合粉体:アパカル10(株式会社ニューライム)平均粒子径10μm
(C)成分
球状セルロース粉末:GE-800 (東色ピグメント株式会社),平均粒子径6.0μm
(D)成分
球状ウレタン粉末:製品名「D-400」、東色ピグメント株式会社製(平均粒径12~18μm、比重1.1~1.2、嵩比重0.6、吸油量60mL/100g、屈折率1.5)
(油剤で表面処理された粉末)
シリコーン処理タルク:TALC LS- 61D(東色ピグメント株式会社)
シリコーン処理セリサイト:Sericite WS-61D(東色ピグメント株式会社)
高粘度油剤で処理されたセリサイト:DM-TSUセリサイトW(東色ピグメント株式会社)
シリコーン処理雲母チタン:Super Mica ES-61D(東色ピグメント株式会社)
シリコーン処理酸化チタン:TiO2 AIS-61D(東色ピグメント株式会社)
(比較成分)
コーンスターチ:局方コーンスターチイエローJPCS-YN(日本コーンスターチ株式会社)
微粒子酸化チタン:チタンMT-100TV(テイカ株式会社)
球状シリカ:シリカマイクロビードP-1500(日揮触媒化成株式会社)
(その他の成分)
油剤:シリコーンオイル、エステル油、高級アルコール、植物油を含む混合油
窒化ホウ素:(SHP-3)水島合金鉄株式会社
着色剤:酸化鉄
【0023】
実施例および比較例
(A)成分、(B)成分と、(C)成分または(D)成分、着色剤、油剤で表面処理された粉末、窒化ホウ素をヘンシェルミキサーにて均一混合し、さらに油剤を混合したものを添加、混合した。
得られた混合物をアトマイザーにて粉砕を行った。その後、金皿にプレスをした。
得られた各固形粉末化粧料について、下記の項目について評価を行った。結果を表1、表2に示す。
【0024】
(1)プレス成形性
金皿に充填しプレス機で成形。プレスの状態を確認。
○:成型性良い
×:成型性悪い
【0025】
(2)使用性(伸びの良さ)
化粧用のパフを水で濡らさない状態で使用したときの使用性(肌上でののび)を次の基準で評価した。
○:のびが非常に良い
△:のびが普通
×:のびが悪い
【0026】
(3)使用性(仕上がり)
各化粧料を顔表面の一部に塗布した。仕上げる前や塗布中の塗布面及び、通常の化粧を施す方法で仕上げた後の塗布面を目視観察し、下記の基準で評価した。
○:化粧料を伸ばした時の、ストロークラインが残らないか、ほとんど残らず、容易に均一に仕上げられる。
△:化粧料を伸ばした時の、ストロークラインが残るが、丁寧に施せば均一に仕上げられる。
×:化粧料を伸ばした時の、ストロークラインが残り、均一に仕上げられない。
【0027】
(4)SPF
各化粧料をアナライザーで測定し、予測SPF値を算出した。
【0028】
(5)安定性
各化粧料を、金皿に充填、成型し、室温で6か月間、40℃で3か月間、50℃で1か月間、0℃~40℃/12時間サイクルで1か月間、0℃で1か月間の5条件で温度安定性試験を行った。全ての条件についての外観変化、変臭、使用感を確認し、下記の基準で評価した。
○:外観変化、変臭、使用感 5条件の全てで変化無し。
×:外観変化、変臭、使用感 5条件のうちの1条件以上で変化あり。
【0029】
【0030】
【0031】
表1の実施例1~5と、表2の比較例1、5、6および比較例4との対比から、(A)成分と(B)成分を組み合わせることによる効果が確認された。
実施例1~5の化粧料は、化粧時のびと仕上がり感が良く、化粧崩れもし難かった。
なお、(C)成分を含むことで使用性を高めることができ、(D)成分を所定量使用することで、プレス成形性や使用性(仕上がり)が良くなる。
本発明の固体粉末化粧料は、パウダーファンデーション、プレストパウダー、固形おしろい、ほほ紅、パウダーアイシャドウ、パウダーアイブロウ、パウダーアイライナーを含む粉末メイクアップ化粧料にすることができる。