(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087291
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨または家具
(51)【国際特許分類】
A45C 13/08 20060101AFI20230616BHJP
A63H 33/22 20060101ALN20230616BHJP
【FI】
A45C13/08 C
A63H33/22 J
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201597
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】721010995
【氏名又は名称】伊集院 美代子
(72)【発明者】
【氏名】伊集院 美代子
【テーマコード(参考)】
2C150
3B045
【Fターム(参考)】
2C150AA05
2C150DC22
2C150DD03
2C150DD24
2C150FC02
3B045AA51
3B045EA02
3B045GA01
3B045GB01
3B045GC01
3B045LA08
3B045LA10
3B045LB02
(57)【要約】
【課題】季節や天候、使用者の年齢や性別、嗜好、使用用途、その日の気分や服装などに合わせ、その場で複数種類もの絵柄を変えることができる装飾を変更可能な服飾雑貨または生活雑貨または家具を提供する。
【解決手段】装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具であって、異なる絵柄を有する複数の領域を含む帯状体と、前記帯状体の端に結合され前記帯状体を巻き付ける軸を備える2本の巻き取り装置と、からなる絵柄変換装置、および前記服飾雑貨、前記生活雑貨、または前記家具の一面に開口され、装飾が見える窓部、を備え、前記窓部を挟んで前記2本の巻き取り装置の各1本が配置され、前記2本の巻取り装置の一方に前記帯状体を巻き取ると、前記2本の巻取り装置の他方から送り出された前記帯状体が前記窓部を通過し、前記窓部の装飾を変更することを特徴とする装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具であって、
異なる絵柄を有する複数の領域を含む帯状体と、前記帯状体の端に結合され前記帯状体を巻き付ける軸を備える2本の巻き取り装置と、からなる絵柄変換装置、
および前記服飾雑貨、前記生活雑貨、または前記家具の一面に開口され、装飾が見える窓部、
を備え、
前記窓部を挟んで前記2本の巻き取り装置の各1本が配置され、前記2本の巻取り装置の一方に前記帯状体を巻き取ると、前記2本の巻取り装置の他方から送り出された前記帯状体が前記窓部を通過し、前記窓部の装飾を変更することを特徴とする装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【請求項2】
前記軸が、棒状または板状で形成される請求項1に記載の服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【請求項3】
前記軸に巻き取られている前記帯状体の巻き付きが緩むことによるずれを防止するため、受け皿状体を備える請求項1または請求項2に記載の服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【請求項4】
前記絵柄変換装置を固定するための留め具を備える請求項1~請求項3のいずれか一項に記載の服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【請求項5】
前記軸部分がカバーで覆われている請求項1~請求項4のいずれか一項に記載の服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【請求項6】
前記変換装置および前記窓部は、バッグ類をはじめとする服飾雑貨のほか
、生活雑貨、家具等に装着していることを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか一項に記載の服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数種類の絵柄に装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨または家具に関する。
【背景技術】
【0002】
ものに施されている絵柄は通常変えることができないため、もの自体はまだ使用できるにも関わらず、年齢に合わなくなる、嗜好が変化するなどの理由で捨てることになったり、季節にふさわしい絵柄への買い替えが必要であったり、天候や気分の変化に対応するためいくつも所持する必要があったりすることも少なくない。
【0003】
近年、世界的に「人間・社会・地球環境の持続可能な発展」を意味する「サスティナビリティ」という概念に注目が集まっている。ものを安易に手に入れ、不要になったからとすぐに処分するのではなく、初めから長く使用できるものを求める意識が広まりつつある。
【0004】
ものの絵柄を変化可能にした特許文献1~特許文献7がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】登録実用新案第3120551号
【特許文献2】登録実用新案第3161801号
【特許文献3】特許第4676559号
【特許文献4】登録実用新案第3180512号
【特許文献5】登録実用新案第3110597号
【特許文献6】登録実用新案第3141103号
【特許文献7】実開平05-009318号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1~特許文献7はいずれも一度に1種類の絵柄にしか変更することができず、また絵柄が施されたシートやカバーを取り外して別のもの取り付ける必要があるため、その都度シートやカバーの交換作業を行わなければならない。また交換したい時に交換品を持ち合わせていなかったり、保管時に紛失してしまったりする事もあり得る。特許文献7は鞄の表皮カバーの上半分を下方に折り曲げる事によって露出した裏面側の絵柄に変化させる構造であるため変更したい絵柄を取り外す必要はないが、使用可能な絵柄は2種類のみである。上記問題点に鑑み、いつでもその場で複数の絵柄への変更を可能にする装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨または家具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具であって、異なる絵柄を有する複数の領域を含む帯状体と、前記帯状体の端に結合され前記帯状体を巻き付ける軸を備える2本の巻き取り装置と、からなる絵柄変換装置、および前記服飾雑貨、前記生活雑貨、または前記家具の一面に開口され、装飾が見える窓部、を備え、前記窓部を挟んで前記2本の巻き取り装置の各1本が配置され、前記2本の巻取り装置の一方に前記帯状体を巻き取ると、前記2本の巻取り装置の他方から送り出された前記帯状体が前記窓部を通過し、前記窓部の装飾を変更することを特徴とする装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨、または家具。
【発明の効果】
【0008】
本発明の装飾を変更可能な服飾雑貨、生活雑貨または家具によれば、絵柄部分を取り外したり交換品を持ち歩いたりする必要もなく、その場で自在に、しかも複数種類の絵柄に交換することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施例のバッグに絵柄変換装置を装着する前の斜視図である。
【
図2】(a)は
図1に示したバッグに絵柄変換装置を装着した斜視図であり、(b)はバッグに絵柄変換装置を装着した断面図であり、(c)は絵柄変換装置を装着したバッグ表面裏側の正面図である。
【
図3】
図2に示したバッグの絵柄変換装置(巻き取り装置の器具が突起状のつまみである例)に受け皿状体を備えた斜視図である。
【
図4】
図2に示したバッグの絵柄変換装置の巻き取り装置に装着する前の帯状体の正面図である。
【
図5】
図2に示したバッグの絵柄変換装置(巻き取り装置の器具がハンドルである例)にカバーを装着した斜視図である。
【
図6】変形例の帽子に、絵柄変換装置を装着する前の正面図である。
【
図7】変形例の帽子に、絵柄変換装置を装着した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は絵柄変換装置装着前のバッグ1´を示す図である。バッグ1´はバッグ本体2に取っ手3、窓部4、透明カバー5を備える。
【0011】
バッグ本体2の使用時に表となる一面側の布(以下、表面21という)には縦に2本の切れ目があり、その間の部分に窓部4が設けられる。窓部4は透明カバー5で覆われている。窓部4はバッグ本体2の表面21の任意の場所に任意の大きさで設けられる。大きさはバッグ本体2の表面21全体の面積に対して3分の1程度が好ましく、形状としては横長の長方形が好ましく、位置としてはバッグ本体2の表面21中央が好ましい。窓部4は、後述する絵柄変換装置をバッグ1´に装着すると、絵柄変換装置に備えられた絵柄が見える部分となる。
【0012】
窓部4に透明カバー5を備えることで、窓部4から出された絵柄部分の汚れや破損を防ぐことが可能となる。透明カバー5の材質は、透明であれば任意の素材でよく、本実施例のようなバッグを含む服飾雑貨の場合は軟質プラスチック等が好ましい。
【0013】
透明カバー5の大きさは、短手方向が窓部4の両端の切れ目と同じ長さであり、長手方向は窓部4の長手方向より若干長めである。なぜならば透明カバー5の長手方向の両端は、それぞれ窓部4の両端の切れ目をくぐってバッグ本体2の表面21の裏側に位置し、窓部4裏側の両脇にそれぞれ接着されるからである。接着方法は、縫い付ける、接着剤やテープで貼り合わせる等、任意の方法でよい。表面21と透明カバー5の間には隙間があり、布等が間を通り抜けることが可能な構造となっている。
【0014】
図2は、
図1のバッグ1´に窓部4から見える絵柄を変換するための絵柄変換装置8を装着したバッグ1を示す図で、(a)は前から見た図、(b)は断面図、(c)はバッグ表面21を裏側から見た図である。ここで
図3の絵柄変換装置8の構造を詳細に示す。
図3に示すように絵柄変換装置8は、帯状体6と、2本の巻き取り装置11で構成されている。
図2(c)に示すようにの巻き取り装置11は窓部4の両側、好ましくは表面21裏側の両端部それぞれに固定して装着する。
図2(b)に示すように表面21と透明カバー5の間を帯状体6が通り、
図2(a)に示すように窓部4から帯状体6の絵柄が可視可能となる。
【0015】
帯状体6は
図4に示すように、同じ大きさで絵柄の異なる布等を何枚も繋ぎ合わせるか、または1枚の長い布等の複数の領域に異なる絵柄がプリントされたものが好ましい。帯状体6の1種類の絵柄部分の大きさについて、短手方向は窓部4の切れ目より少し短い。なぜならば帯状体6が窓部4をスムーズに通過するためである。長手方向は、窓部4の長手方向より少し長い。なぜならば、1つの絵柄を窓部4に位置させた時、隣り合わせた別の絵柄が見えてしまうことを防ぐためである。
【0016】
同じ大きさの1種類の布等を何枚も繋ぎ合わせる場合の方法としては、絵柄部分の短手方向の端同士を、例えば縫い合わせる、接着剤やテープで貼り合わせる等、任意の方法でよい。何種類の布等を繋ぎ合わせるか、何種類の絵柄をプリントするかは任意であるが、絵柄の種類を多くしすぎると重くなったり使用する際に邪魔になったりするので、絵柄変換装置を装着するものの大きさに合わせて考慮することが好ましい。
【0017】
帯状体6の材質については、例えば布、塩化ビニル樹脂、紙等、任意のものでよく、好ましくは巻き取ることや繋ぎ合わせることが可能で、絵柄をプリントすることが可能なものがよい。布の場合は、薄くて滑りの良いポリエステル素材が好ましい。なぜならば薄いことでより多くの種類の絵柄が装着可能となり、滑りがよいことで窓部4を通過する動きもスムーズとなるからである。また紙を使用する場合は、耐水性・耐久性に優れているものが好ましい。
【0018】
絵柄変換装置8のもう一つの構成要素である2本の巻き取り装置11は、
図3に示すように軸12と器具13で構成される。
図4の帯状体6を軸12に取り付けることにより絵柄変換装置8となる。取り付ける際は帯状体6の短手方向の両端を2本の軸12の縦方向にそれぞれ接着するが、接着方法としては接合部分を接着剤やテープで貼り付けることが好ましく、更に好ましくは面ファスナー等を使用して貼り合わせれば取り外し可能となり、帯状体自体が交換可能となる。
【0019】
2本の巻き取り装置11は帯状体6を巻き取る装置であって、窓部4を挟んで対抗するように設置することで、一方からは絵柄が送り出され一方からは巻き取られ、窓部4の絵柄を別のものに変換することができるものである。つまり本実施例のように帯状体6を左右に動かす場合、巻き取り装置11は窓部4を挟んで左右の両脇に設置されるが、帯状体6を上下に動かす場合は窓部4を挟んで上下に設置される。
【0020】
軸12は、それ自体が回転して帯状体6を巻き付けるものである。軸12の形状は、細い円柱状や円筒状が好ましい。なぜならばスムーズに回転するからである。しかし巻き付ける帯状体6の一部に厚みがあったり、例えばワッペンなどを備えたりする場合は、軸12を板状にすることで、厚みのある部分やワッペンを湾曲せず巻き取ることが可能となる。設置する際は、湾曲させたくない部分が軸の平面部分に当たるようにすることが好ましい。
【0021】
また軸12の長さは、帯状体6の短手方向よりも長い必要がある。なぜならば巻き取られた帯状体が器具13に重なることを防ぐためである。軸12の材質は、例えば硬質プラスチックや金属、厚紙、木材など、強度があれば任意のものでよい。
【0022】
器具13は軸12を手動または自動で回転させるためのものであり、軸12の片方の先端に固定される。本実施例のように帯状体6を左右に動かす場合は巻き取り装置11が縦に設置されるため、軸12の上側に固定される。大きさは邪魔にならない程度、例えば3~5センチメートル四方が好ましい。器具13を用いて軸12を回転させるため、器具13の形状は軸12を回転させる方法によって異なったものとなる。軸12を回転させる方法としては、例えばつまみ部分(突起状やキャップ状)を回す、ハンドルを回す、紐を引っ張る、レバーを押す、モーターのスイッチを押す等、任意の方法を用いることができるため、器具13の形状はそれぞれの方法に応じて例えばつまみやハンドル、紐、レバー、スイッチ等、任意のものとなる。本実施例では器具13は突起状のつまみであり、つまみを回すことによって軸12が回転し、帯状体6が軸回りに巻き取られて動くしくみとなっている。
【0023】
詳細には後述する
図5に、巻き取り装置11の器具13がハンドルである例を示す。この場合、ハンドルを回すことによって軸12が回転する。
【0024】
軸12を回転させる向きと器具13を回転させる向きを異なる方向としたい場合、軸12と器具13の間に歯車等を組み合わせて回転方向を変換させることにより可能となる。ハンドルを例に取ると、例えば軸12とハンドルの間に歯車を設けることで、地面に対して垂直に設けたハンドルの場合には垂直方向の回転を、歯車を介して軸12が水平方向に回転するよう変換する。
【0025】
図2(c)に戻って留め具9は、バッグ本体2と絵柄変換装置8を固定するものである。固定方法としては、バッグ本体2に接着された例えば針金状のものを軸12にくくりつけるように固定するか、または輪形状と棒状を組み合わせたものの輪形状部分を軸12に貫通させて棒状部分をバッグ本体2に固定するなど任意の方法でよい。材質としては強度があり表面の滑りがよいものが望ましい。なぜならば軸12の回転を妨げないようにするためである。
【0026】
留め具9の設置場所は、例えば帯状体6と器具13の間や、巻き取り装置11の下部等、軸12が回転した時にぐらつきがなければ任意の場所でよい。バッグ本体2の底部に細い突起状体を取り付け、円筒状の軸12を差し込むようにして固定することも可能である。
【0027】
本実施例のように巻き取り装置11を縦に設置した場合、巻き取った帯状体6が軸12から緩んでずれてしまうことを防ぐために、必要に応じて軸12の下部に受け皿状体10を備えることが好ましい。
図3に示すように位置としては帯状体6のすぐ下に、帯状体を受けるように設置する。形状としては帯状体6を全て軸12に巻き付けた時の円周より大きな円い皿状で、軸12を貫通することが可能な穴を中央に備えるものが好ましい。材質としては薄くて固いものが好ましく、巻き取った布等を支える強度があるものが望ましい。軸12への固定方法は、受け皿状体10の中央の穴に軸12を貫通させ、例えば接着剤やテープ等、任意の方法で接着させる。
【0028】
図5に示す絵柄変換装置8は、軸12と帯状体6がカバー14で覆われている例である。カバーを装着することによって、巻き取られた帯状体6を保護すると同時に視覚的にすっきりとした印象となるという効果がある。カバー14の材質は、例えば硬質プラスチックや木材、アルミ素材、厚紙等、ある程度強度のあるものが好ましく、形状としては例えば円筒状、角筒状、三角筒状等、軸を覆うように装着可能であれば任意でよく、底を含むことが好ましい。
【0029】
カバー14には、帯状体6が動く際の出入口として、開口部16を備える。開口部16の大きさは、長手方向がカバー14の長手方向の端から端までであることが好ましい。なぜならば開口部16の上部が閉じていた場合は、巻き取り装置11を引き抜こうとした際に帯状体6が引っ掛かってしまうからである。こうすることにより、カバー14から絵柄変換装置8を取り外すことが可能となり、帯状体6の交換作業等が容易となる。短手方向は帯状体6の厚みより大きい。なぜならば帯状体6がスムーズに通過するためである。
【0030】
カバー14の片方の先端には、蓋15が備えられることが好ましい。なぜならば巻き取り装置11がカバー14から出てしまうことを防ぐためである。本実施例では巻き取り装置11が縦向きに設置されるため、蓋15は巻き取り装置11の上部に備えられる。蓋15は例えばキャップ形状等で、回す、凹凸にはめ込む等、取り外し可能な任意の方法で装着されることが好ましく、材質としては例えば硬質プラスチックやアルミ素材、木材、ゴム素材のような強度のあるものが好ましい。また、蓋15の中央には軸12が貫通することのできる穴を備える。穴に軸12を通しその上に器具13を設置することによって、器具13を回しても蓋15が回転することなく軸12のみが回転する構造となる。
【0031】
カバー14を装着した場合、カバーが底部を備えていれば、巻き取り装置11を縦向きに装着する場合でも、固定する位置によっては受け皿状体10の装着は不要となることもある。なぜならば巻き取られた帯状体6をカバー底部で受けることが可能となるからである。
【0032】
カバー14を装着した場合に絵柄変換装置8をバッグ本体2へ固定する方法は、
図2(c)で説明した留め具9を用いてもよいし、カバー14をバッグ本体2に接着剤やテープ等で接着したり、絵柄変換装置8、バッグ本体2のいずれか一方に凹部、凸部を設置し係合したりするなど任意の方法でよく、使用時、巻き取り装置11にぐらつきがないように固定することが好ましい。
【0033】
また軸12が回転する際のブレを防ぐため、必要に応じてカバー14の底部内側中央に細い突起状体を設置し、円筒状の軸12を差し込むことが好ましい。
【0034】
カバー14で覆うことにより、巻き取られた帯状体6を保護することが可能となるが、例えばバッグやポーチなどでは更に、巻き取り装置11を含む表面21裏側の面全体を覆うような布状のカバー等を備えることが好ましい。なぜならば使用時に邪魔になったり視覚的な印象を損ねたりすることを防ぐためである。
【0035】
ここで2本の巻き取り装置11を備える絵柄変換装置8をバッグ1に装着する方法について説明する。帯状体6の両端を軸12に巻き付けた巻き取り装置11(2本)のうち一方を、バッグ本体2の表面21裏側から窓部4の切れ目をくぐらせて表面21側に出し、表面21と透明カバー5の間を通して(
図2(b))、反対側の切れ目をくぐらせ、表面21裏側へと戻す。巻き取り装置11は、それぞれ表面21裏側の好ましくは両端に、例えば
図2(c)に示す留め具9によって固定される。
【0036】
次に、窓部4から見える絵柄を動かすしくみについて説明する。バッグ本体2に絵柄変換装置8を装着後、巻き取り装置11の一方の軸12を回すことによって軸12に装着されている帯状体6が巻き取られるとともに他方の軸12から帯状体6が送り出されて動き、窓部4から見えている絵柄が変化するというしくみである。本実施例のバッグ表面21を正面から見た場合、右側の巻き取り装置11を回せば窓部4から見えている絵柄は左から右に動き、左側の巻き取り装置11を回せば絵柄は右から左に動くこととなる。
【0037】
このように本発明は、異なる絵柄を有する複数の領域を含む帯状体6と2本の巻き取り装置11を備える絵柄変換装置8と、窓部4によって構成され、両端に配置された巻き取り装置11の一方の器具13を回転させることにより、帯状体6が軸12に巻き取られて動き、窓部4から見える絵柄を動かすことが可能となるものである。本発明の変更可能な服飾雑貨、生活雑貨または家具によれば、絵柄部分を取り外したり交換品を持ち歩いたりする必要もなく、その場で自在に、しかも複数種類の絵柄に交換することが可能となる。
【0038】
上述したバッグ類以外の使用例として、帽子、靴、スリッパ、カチューシャ等の服飾雑貨をはじめ、ポーチ、ペンケース、スマホケース、食品や小物・衣類等の収納容器、照明器具、時計、温度湿度計、鏡、額縁、写真立て、人形、うちわ、カレンダー等の生活雑貨、机、椅子、棚、仏壇、ベッド、ドレッサー等の家具が挙げられる。
【0039】
絵柄を複数種類に交換可能であるため、多種のキャラクターを有するテーマパーク等の土産商品として、帯状体6の複数の領域に異なるキャラクターをプリントしたものを販売したり、スポーツ選手や芸能人等の写真をプリントして試合会場やコンサート会場等で販売したりすることも期待できる。
【0040】
また帯状体6に例えばアルファベットや英単語、地図や歴史年表等、暗記したいものをプリントしたり、迷路や絵探しゲーム等をプリントしたりすることにより、学習や知育等にも利用可能である。
【0041】
また、絵柄の雰囲気を変えれば親と子、兄弟姉妹等でひとつの物を共有することもできるのでいくつも購入する必要がなく、長く使用できるという点でサスティナビリティの概念を強調することができるため、現代の世の中において産業上のアピールがしやすい。
<変形例>
【0042】
次に本発明の変形例の帽子について詳述する。同一記号を有するものには同一記号を付する。
図6中、符号100は本変形例の帽子を示す図である。
図6は、絵柄変換装置8を装着する前の帽子の斜視図である。帽子表面には窓部4が設置されており、透明カバー5が備えられている。
【0043】
図7は絵柄変換装置8を装着した帽子の斜視図である。この変形例ではバッグの実施例と異なり、2本の巻き取り装置11が帽子の表面に配置されている。これによって帽子着用時に巻き取り装置11が邪魔にならないという効果がある。
【0044】
2本の巻き取り装置11にはカバー14と蓋15が備えられており、窓部4両脇の帽子本体101に接着されている。器具13が突起状のつまみとなっている例であるが、つまみ部分の形状を工夫してハート形や星型にし、絵柄だけでなく巻き取り装置11自体も帽子100にデザイン性をもたせるための一部となっている。
【符号の説明】
【0045】
1 バッグ
2 バッグ本体
21 表面
3 取っ手
4 窓部
5 透明カバー
6 帯状体
7 バッグ本体表面裏側
8 絵柄変換装置
9 留め具
10 受け皿状体
11 巻き取り装置
12 軸
13 器具
14 カバー
15 蓋
16 開口部
100 帽子
101 帽子本体