(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087300
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ハンガー掛装置
(51)【国際特許分類】
A47G 25/02 20060101AFI20230616BHJP
A47G 29/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A47G25/02 D
A47G29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201608
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000107114
【氏名又は名称】シンコハンガー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【弁理士】
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(72)【発明者】
【氏名】楠本 雄大
【テーマコード(参考)】
3K099
3K100
【Fターム(参考)】
3K099AA01
3K099BA03
3K099CA09
3K099CA49
3K099EA05
3K099EA18
3K100AA06
3K100AA16
3K100AB07
3K100AC01
3K100AC06
3K100AD05
3K100AD07
3K100AE14
3K100AE20
3K100AF05
3K100AH30
3K100AJ05
(57)【要約】
【課題】主桿に対して多くのハンガーを掛けることができるとともに、ハンガーを掛けたり外したりする際にも主桿から外れ難いハンガー掛装置を提供する。
【解決手段】フック11,12のそれぞれは、主桿が下方から挿通する挿通部11f,12fが設けられた鉤形状を有する。フック11,12は、主桿に掛止される。ハンガー掛枠体10は、フック11,12の挿通部11f,12fを開状態と閉状態とに切換可能に、フック11,12同士間に取り付けられる。ハンガー掛枠体10は、主桿に沿って延びる第1桿部10a、第2桿部10b、および第3桿部10eと、桿支持部10c,10dとを有する。桿支持部10c,10dは、第1桿部10aと第2桿部10bと第3桿部10eとを接続するとともに、挿通部11f,12fの開状態および閉状態の各状態に応じて側面視でフック11,12の挿通部11f,12fを開閉する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる主桿が下方から挿通可能な挿通部が設けられた鉤形状をそれぞれ有することにより、それぞれが前記主桿に掛止される複数のフックと、
前記複数のフックのそれぞれにおける前記挿通部を開状態と閉状態とに切換可能に前記フック同士間に取り付けられるハンガー掛枠体と、
を備え、
前記ハンガー掛枠体は、前記主桿に沿って伸び、複数のハンガーを掛止可能に構成された第1桿部と、前記閉状態において前記第1桿部に対して上下方向および前後方向に離間した位置で前記主桿に沿って延び、複数のハンガーを掛止可能に構成された第2桿部と、前記複数のフックのそれぞれに対応して設けられ、前記第1桿部および前記第2桿部が接続されるとともに前記開状態および前記閉状態の各状態に応じて側面視で前記フックの前記挿通部を開閉する複数の桿支持部とを有する、
ハンガー掛装置。
【請求項2】
請求項1に記載のハンガー掛装置において、
前記複数のフックのそれぞれは、
当該フックを側面視する場合に下方に向けて開放された半円弧形状を有し、前記主桿を掛止する主桿掛止部と、
前記主桿掛止部における一方端に連続し、下方に向けて垂下する第1垂下部と、
前記主桿掛止部における他方端に連続し、下方に向けて垂下する第2垂下部と、
を有し、
前記第1垂下部は、当該第1垂下部の下端部分に設けられ、前記フックを側面視する場合に上方に向けて開放された鉤形状を有する第1掛止部と、
前記第2垂下部は、当該第2垂下部の下端部分に設けられ、前記フックを側面視する場合に上方に向けて開放された鉤形状を有する第2掛止部と、
を有し、
前記複数のフックのそれぞれは、バネ性を有する材料から構成され、
前記ハンガー掛枠体は、前記閉状態において、前後方向に向けて付勢力が付加された状態で前記フックに掛止される、
ハンガー掛装置。
【請求項3】
請求項2に記載のハンガー掛装置において、
前記ハンガー掛枠体は、前記閉状態において前記第1桿部に対して前後方向に離間し、且つ、前記第2桿部に対して上下方向および前後方向に離間した位置で前記主桿に沿って伸び、複数のハンガーを掛止可能に構成された第3桿部をさらに有し、
前記複数の桿支持部は、前記第1桿部、前記第2桿部、および前記第3桿部を、それぞれの長手方向の両端部で支持するとともに、側面視でそれぞれがV字形状またはU字形状を有する第1桿支持部および第2桿支持部を含み、
前記複数のフックは、
前記第1桿部における前記第1桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第1被掛止部を前記第1掛止部で掛止し、前記第3桿部における前記第1桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第2被掛止部を前記第2掛止部で掛止する第1フックと、
前記第1桿部における前記第2桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第1被掛止部を前記第1掛止部で掛止し、前記第3桿部における前記第2桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第2被掛止部を前記第2掛止部で掛止する第2フックと、
を含む、
ハンガー掛装置。
【請求項4】
請求項3に記載のハンガー掛装置において、
前記第1桿部および前記第3桿部のそれぞれは、
桿本体部と、
前記桿本体部の長手方向の両端部において、当該桿本体部よりも上方に配される第1被掛止部および第2被掛止部と、
前記第1被掛止部および前記第2被掛止部のそれぞれと前記桿本体部との間の段差を繋ぐ繋ぎ部と、
をさらに有する、
ハンガー掛装置。
【請求項5】
請求項2に記載のハンガー掛装置において、
前記複数の桿支持部は、前記第1桿部および前記第2桿部を、それぞれの長手方向の両端部で、前記第1桿部と前記第2桿部とが同一平面内に位置するように支持する第1桿支持部および第2桿支持部を含み、
前記複数のフックのそれぞれは、前記ハンガー掛枠体を着脱可能に掛止する、
ハンガー掛装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハンガーを掛けるためのハンガー掛装置に関する。
【背景技術】
【0002】
クローゼットやハンガーラック等には、ハンガーを掛けるための主桿が設けられている。主桿は、金属製パイプなどにより構成されており、水平方向に延びるように配設されている。このようなクローゼット等に衣類を収納する際には、衣類を吊るしたハンガーを主桿に掛けることでなされる。
【0003】
特許文献1には、限られた長さの主桿に対してより多くのハンガーを掛けるためのハンガー掛止具が開示されている。特許文献1に開示のハンガー掛止具は、複数のフック部材と、2本のハンガー掛止部材とにより構成されている。複数のフック部材は、それぞれが逆U字形状を有し、それぞれの弧状部分で主桿に掛止可能であって、互いに主桿の長手方向に間隔を空けた状態で掛止される。
【0004】
2本のハンガー掛止部材は、それぞれが棒状の部材であって、一方のハンガー掛止部材が各フック部材における前側に垂下する前側垂下部の下端に対して掛け渡された状態で取り付けられ、他方のハンガー掛止部材が各フック部材における奥側に垂下する奥側垂下部の下端に対して掛け渡された状態で取り付けられる。そして、特許文献1に開示のハンガー掛止具では、フック部材における奥側垂下部の長さを前側垂下部の長さよりも長くすることにより、上記一方のハンガー掛止部材に掛けられたハンガーと、上記他方のハンガー掛止部材にかけられたハンガーとの厚み方向での干渉を抑制することができる。これにより、特許文献1に開示のハンガー掛止具を用いることで、限られた長さの主桿に対してより多くのハンガーを掛けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に開示のハンガー掛止具では、ハンガー掛止部材にハンガーを掛けたり、掛かっているハンガーをハンガー掛止部材から取り外したりする際に、フック部材が主桿から外れてしまうことが生じ得る。例えば、奥側のハンガー掛止部材に掛かっているハンガーを取り外そうとした際に、ハンガーにおける肩部分が前側のハンガー掛止部材に当たることでフック部材が上方に持ち上げられて主桿から外れてしまう場合が生じ得る。
【0007】
特に、一方のハンガー掛止部材と他方のハンガー掛止部材とに掛けられているハンガーの数が互いに偏っているような場合には、重量バランスの関係に起因して主桿に対してフック部材が周方向に回転することがある。この場合には、ハンガーを掛けたり外したりする際にフック部材が主桿から外れ易くなる。
【0008】
上記のようにフック部材が主桿から外れてしまうと、掛けられている多くのハンガーも落下してしまうことになり、主桿へのハンガー掛止部材の装着およびハンガー掛止部材へハンガーを掛け直すという作業が必要となり、ユーザーにとって非常に煩わしいこととなる。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、主桿に対して多くのハンガーを掛けることができるとともに、ハンガーを掛けたり外したりする際にも主桿から外れ難いハンガー掛装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るハンガー掛装置は、複数のフックとハンガー掛枠体とを備える。前記複数のフックは、一方向に延びる主桿が下方から挿通可能な挿通部が設けられた鉤形状をそれぞれ有することにより、それぞれが前記主桿に掛止される。前記ハンガー掛枠体は、前記複数のフックのそれぞれにおける前記挿通部を開状態と閉状態とに切換可能に前記フック同士間に取り付けられる。
【0011】
本態様に係るハンガー掛装置において、前記ハンガー掛枠体は、第1桿部と、第2桿部と、複数の桿支持部とを有する。前記第1桿部は、前記主桿に沿って伸び、複数のハンガーを掛止可能に構成されている。前記第2桿部は、前記閉状態において前記第1桿部に対して上下方向および前後方向に離間した位置で前記主桿に沿って延び、複数のハンガーを掛止可能に構成されている。前記複数の桿支持部は、前記複数のフックのそれぞれに対応して設けられ、前記第1桿部および前記第2桿部が接続されるとともに前記開状態および前記閉状態の各状態に応じて側面視で前記フックの前記挿通部を開閉する。
【0012】
上記態様に係るハンガー掛装置では、各挿通部を開状態とした上でそれぞれの挿通部を通じて主桿に複数のフックを掛止し、複数のフックに対してそれぞれの挿通部が閉状態となるようにハンガー掛枠体を取り付けることにより、複数のフックのそれぞれにおける挿通部が側面視においてハンガー掛枠体の桿支持部によって閉じられる。このため、主桿にハンガー掛装置を取り付けた状態においては、主桿の軸心回りで閉ループを構成することができ、第1桿部や第2桿部に対してハンガーを掛けたり外したりする際の主桿からのハンガー掛装置の落下を抑制することができる。よって、上記態様に係るハンガー掛装置を使用するユーザーが煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0013】
また、上記態様に係るハンガー掛装置では、ハンガー掛枠体に第1桿部と第2桿部とが設けられ、フックの挿通部が閉状態である場合に、第1桿部と第2桿部とが上下方向および前後方向に離間するように配されているので、第1桿部に掛けられたハンガーと第2桿部に掛けられたハンガーとの干渉を抑えることができ、限られた長さの主桿に対して数多くのハンガーを掛けることができる。
【0014】
さらに、上記態様に係るハンガー掛装置では、ハンガー掛枠体における桿支持部が複数のフックの挿通部を開状態とすることもできるので、主桿に対して着脱可能である。このため、上記態様に係るハンガー掛装置は、既設の主桿に対して取り付けたり、あるいは不使用時などに取り外したりすることが可能である。
【0015】
上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数のフックのそれぞれは、当該フックを側面視する場合に下方に向けて開放された半円弧形状を有し、前記主桿を掛止する主桿掛止部と、前記主桿掛止部における一方端に連続し、下方に向けて垂下する第1垂下部と、前記主桿掛止部における他方端に連続し、下方に向けて垂下する第2垂下部と、を有してもよい。また、上記態様に係るハンガー掛装置において、前記第1垂下部は、当該第1垂下部の下端部分に設けられ、前記フックを側面視する場合に上方に向けて開放された鉤形状を有する第1掛止部と、前記第2垂下部は、当該第2垂下部の下端部分に設けられ、前記フックを側面視する場合に上方に向けて開放された鉤形状を有する第2掛止部と、を有してもよい。
【0016】
また、上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数のフックのそれぞれは、バネ性を有する材料から構成されてもよく、前記ハンガー掛枠体は、前記閉状態において、前後方向に向けて付勢力が付加された状態で前記フックに掛止されてもよい。
【0017】
上記態様に係るハンガー掛装置では、バネ性を有する材料から複数のフックが構成されているとともに、複数のフックにおける挿通部が閉状態である場合において、ハンガー掛枠体が前後方向に向けて付勢力が付加された状態とされる。このため、上記態様に係るハンガー掛装置では、主桿に対して着脱容易でありながら、装着状態においては、第1桿部や第2桿部に対してハンガーを掛けたり外したりする際に当該ハンガーがハンガー掛枠体の他の部分に当たったとしても外れ難い。
【0018】
上記態様に係るハンガー掛装置において、前記ハンガー掛枠体は、前記閉状態において前記第1桿部に対して前後方向に離間し、且つ、前記第2桿部に対して上下方向および前後方向に離間した位置で前記主桿に沿って伸び、複数のハンガーを掛止可能に構成された第3桿部をさらに有してもよい。また、上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数の桿支持部は、前記第1桿部、前記第2桿部、および前記第3桿部を、それぞれの長手方向の両端部で支持するとともに、側面視でそれぞれがV字形状またはU字形状を有する第1桿支持部および第2桿支持部を含んでもよい。
【0019】
さらに、上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数のフックは、第1フックと第2フックとを含んでもよい。前記第1フックは、前記第1桿部における前記第1桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第1被掛止部を前記第1掛止部で掛止し、前記第3桿部における前記第1桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第2被掛止部を前記第2掛止部で掛止する。前記第2フックは、前記第1桿部における前記第2桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第1被掛止部を前記第1掛止部で掛止し、前記第3桿部における前記第2桿支持部が接続された側の端部に位置する前記第2被掛止部を前記第2掛止部で掛止する。
【0020】
上記態様に係るハンガー掛装置では、ハンガー掛枠体が上記位置に配された第3桿部をさらに有するので、前後方向の一方側からハンガーを掛けるためにアクセスするユーザーは、第1桿部と第3桿部の内の一方と第2桿部とにハンガーを掛けることもできるし、前後方向の他方側からハンガーを掛けるためにアクセスするユーザーは、第1桿部と第3桿部の内の他方と第2桿部とにハンガーを掛けることもできる。よって、例えばユーザーが複数のフックに対して前後方向を間違えてハンガー掛枠体を取り付けたとしても、第1桿部と第3桿部の内の手前側に位置する桿部と第2桿部とにハンガーを掛けることができるなど、上記態様に係るハンガー掛装置では、ユーザーにとって使い勝手がよい。
【0021】
上記態様に係るハンガー掛装置において、前記第1桿部および前記第3桿部のそれぞれは、桿本体部と、第1被掛止部および第2被掛止部と、繋ぎ部とをさらに有してもよい。前記第1被掛止部および前記第2被掛止部のそれぞれは、前記桿本体部の両端部において、当該桿本体部よりも上方に配される。前記繋ぎ部は、前記第1被掛止部および前記第2被掛止部のそれぞれと前記桿本体部との間の段差を繋ぐ。
【0022】
上記態様に係るハンガー掛装置では、第1桿部における第1被掛止部が当該第1桿部の長手方向において第1桿支持部または第2桿支持部と繋ぎ部との間に配され、第3桿部における第2被掛止部が当該第3桿部の長手方向において第1桿支持部または第2桿支持部と繋ぎ部との間に配されているので、上記閉状態において、フックの第1掛止部および第2掛止部がハンガー掛枠体の第1被掛止部および第2被掛止部に対して左右方向にズレ難い。即ち、仮にフックが第1桿部または第3桿部の長手方向端部側に相対的にズレようとしても第1桿支持部または第2桿支持部でズレが規制され、逆にフックが第1桿部または第3桿部の長手方向内側に(桿本体部側に向けて)相対的にズレようとしても繋ぎ部(第1被掛止部または第2被掛止部から桿本体部に向けて斜め下方に延びる部分)によってズレが規制される。即ち、上記態様に係るハンガー掛装置では、第1桿支持部および第2桿支持部と繋ぎ部とにより、フックとハンガー掛枠体との相対的な左右方向でのズレを規制することができる。
【0023】
上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数の桿支持部は、前記第1桿部および前記第2桿部を、それぞれの長手方向の両端部で、前記第1桿部と前記第2桿部とが同一平面内に位置するように支持する。また、上記態様に係るハンガー掛装置において、前記複数のフックのそれぞれは、前記ハンガー掛枠体を着脱可能に掛止してもよい。
【0024】
上記態様に係るハンガー掛装置では、ハンガー掛枠体において、第1桿部と第2桿部とが同一平面内に位置するように、当該第1桿部および第2桿部の両端部が第1桿支持部および第2桿支持部により支持されているので、該ハンガー掛装置の不使用時や、販売に際しての自搬送時などに嵩張り難い。
【0025】
また、上記態様に係るハンガー掛装置では、第1桿部と第2桿部とがその両端部で第1桿支持部および第2桿支持部で支持されているので、高い剛性を確保することができ、数多くのハンガーをかけるのに好適である。
【発明の効果】
【0026】
上記の各態様に係るハンガー掛装置では、衣類収納用に設けられた主桿に対して多くのハンガーを掛けることができるとともに、ハンガーを掛けたり外したりする際にも主桿から外れ難い。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るハンガー掛装置の構成を示す正面図である。
【
図2】ハンガー掛装置の構成を示す展開斜視図である。
【
図3】ハンガー掛装置を主桿に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図4】ハンガー掛装置にハンガーを掛けた状態を示す側面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るハンガー掛装置の構成を示す展開斜視図である。
【
図6】ハンガー掛装置を主桿に取り付けた状態を示す側面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係るハンガー掛装置の構成を示す側面図である。
【
図8】本発明の第4実施形態に係るハンガー掛装置の構成を示す側面図である。
【
図9】本発明の第5実施形態に係るハンガー掛装置が備えるハンガー掛枠体の構成を示す側面図である。
【
図10】本発明の第6実施形態に係るハンガー掛装置が備えるハンガー掛枠体の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明を例示的に示すものであって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0029】
なお、以下の説明では、主桿が延びる方向を左右方向、左右方向および上下方向の双方に直交する方向を前後方向とし、図中の「FR」が前後方向の前側(ユーザーがハンガーを出し入れする側)、「RE」が奥側、「RI」が左右方向の右方(ユーザから見た右方)、「LE」が左方(ユーザーから見た左方)、「UP」が上方、「LO」が下方をそれぞれ指している。
【0030】
また、本明細書において、「正面視」とは前方または後方の一方から見た場合を指し、「側面視」とは左方または右方の一方から見た場合を指す。
【0031】
[第1実施形態]
1.ハンガー掛装置1の概略構成
本実施形態に係るハンガー掛装置1の概略構成について、
図1を用いて説明する。なお、
図1では、左右方向(一方向)に延びる主桿500の一部とその周辺部分だけを抜き出して図示している。
【0032】
図1に示すように、ハンガー掛装置1は、それぞれが主桿500に掛止される2つのフック11,12と、2つのフック11,12に掛止されたハンガー掛枠体10とを備える。フック11とフック12とは、同じ形状を有するとともに、左右方向に互いに間隔を空けた状態で主桿500に掛止される。なお、フック11,12は、バネ性を有する材料から構成され、主桿500に対して着脱可能となっている。
【0033】
ハンガー掛枠体10は、それぞれが主桿500の軸心Ax500に沿って配される第1桿部10aおよび第2桿部10bと、第1桿部10aの両端部と第2桿部10bの両端部とのそれぞれを接続し、第1桿部10aと第2桿部10bとの間隔を保持する機能を有する2つの桿支持部10c,10dとを有する。なお、フック11,12およびハンガー掛枠体10の詳細構造については、後述する。
【0034】
図1に示すように、フック11,12は主桿500に掛止され、ハンガー掛枠体10はフック11,12に掛止されている。そして、複数のハンガー501は、ハンガー掛枠体10の第1桿部10aと第2桿部10bとに振り分けられた状態で掛けられている。
【0035】
2.ハンガー掛装置1の各部構成
ハンガー掛装置1における各部の詳細構成について、
図2を用いて説明する。
【0036】
図2に示すように、フック11,12のそれぞれは、主桿500に掛止する部分であって側面視で鉤形状を有する主桿掛止部11a,12aと、主桿掛止部11a,12aの前側端(一方端)に連続し、下方に垂下する第1垂下部11b,12bと、主桿掛止部11a,12aの奥側端(他方端)に連続し、下方に垂下する第2垂下部11c,12cとを有する。そして、第1垂下部11b,12bおよび第2垂下部11c,12cのそれぞれは、下端部分に設けられた側面視で鉤形状の掛止部11d,11e,12d,12eを有する。
【0037】
フック11,12は、側面視において、下方が開放され全体として鉤形状を有する。なお、本明細書において「鉤形状」とは、円弧形状やV字形状、さらにU字形状やチャンネル(コの字)形状などを含む形状を示す。
【0038】
フック11,12は、下方に向けて開放された部分(挿通部11f,12f)を有する。フック11,12における挿通部11f,12fは、主桿500にフック11,12を掛止したり外したりする際に主桿500が挿通する部分として形成されている。
【0039】
フック部11,12のそれぞれにおいて、第1垂下部11b,12bと第2垂下部11c,12cとは、同じ長さとなるように形成されており、主桿500にフック11,12を掛止した状態において、前側の第1掛止部11d,12dと奥側の第2掛止部11e,12eとが同じ高さレベルに位置する。ただし、第1桿部10aや第2桿部10bにハンガー501を掛けることでフック11,12が主桿500に対して回転することで、第1掛止部11d,12dと第2掛止部11e,12eと互いの高さ位置が相対的に変化する。
【0040】
ハンガー掛枠体10は、主桿500に沿って左右方向に延びる棒状の第1桿部10aと、同じく主桿500に沿って延びる棒状の第2桿部10bと、2つの桿支持部部10c,10dとに加えて、主桿500に沿って延びる棒状の第3桿部10eも有する。なお、本実施形態において「棒状」とは、中実の棒形状のみならず、中空の棒形状も含む。
【0041】
本実施形態において、桿支持部10c,10dは、第1桿部10aと第2桿部10bと第3桿部10eとをそれぞれの長手方向における両端部で接続するように形成されており、側面視でV字形状を有する。第1桿部10aと第2桿部10bとは、桿支持部10c,10dでの接続により、互いに平行な状態で間隔が保持されている。同様に、第2桿部10bと第3桿部10eとも、桿支持部10c,10dでの接続により、互いに平行な状態で間隔が保持されている。第1桿部10aと第2桿部10bとは、前後方向および上下方向にずれた状態で配設され、第1桿部10aと第3桿部10eとは、前後方向にずれ、上下方向において同じ高さ位置に配設されている。ただし、桿部10a,10bや桿部10eなどへのハンガー501が掛けられた状態によっては、主桿500に対して装置1全体が回転することもあり、その場合には、第1桿部10aと第3桿部10eとの上下方向での高さ位置は変化する。
【0042】
ハンガー掛枠体10における第1桿部10aには、桿支持部10cが接続された部分に対して左右方向内側に隣接する部分に第1被掛止部10fが設けられている。第1被掛止部10fは、フック11の第1掛止部11dが掛止される部分である。また、第1桿部10aには、桿支持部10dが接続された部分に対して左右方向内側に隣接する部分に第3被掛止部10hが設けられている。第3被掛止部10hは、フック12の第1掛止部12dが掛止される部分である。そして、第1桿部10aは、第1被掛止部10fと第3被掛止部10hとの間の部分に、ハンガー501を掛止可能な桿本体部10nを有する。
【0043】
ハンガー掛枠体10における第3桿部10eには、桿支持部10cが接続された部分に対して左右方向内側に隣接する部分に第2被掛止部10gが設けられている。第2被掛止部10gは、フック11の第2掛止部11eが掛止される部分である。また、第1桿部10eには、桿支持部10dが接続された部分に対して左右方向内側に隣接する部分に第4被掛止部10iが設けられている。第4被掛止部10iは、フック12の第2掛止部12eが掛止される部分である。そして、第3桿部10eは、第2被掛止部10gと第4被掛止部10iとの間の部分に、ハンガー501を掛止可能な桿本体部10oを有する。なお、各被掛止部10f~10iは、桿本体部10n,10oよりも上方に位置するとともに、桿本体部10n,10oよりも前後方向外側に位置するように設けられている。
【0044】
さらに、ハンガー掛枠体10においては、各被掛止部10f~10iに対して左右方向内側に隣接し、且つ、桿本体部10n,10oと各被掛止部10f~10iとを繋ぐ部分(繋ぎ部10j~10m)が設けられている。これら繋ぎ部10j~10mは、被掛止部10f~10iと桿本体部10n,10oとの段差を繋ぐように斜め方向に延び、各被掛止部10f~10iに掛止されたフック11,12の第1掛止部11d,12dおよび第2掛止部11e,12eが、ハンガー掛枠体10に対して相対的に左右方向の内側にズレようとした場合に、当該ズレを規制するために設けられている。なお、ハンガー掛枠体10においては、第1桿部10aおよび第3桿部10eの長手方向の各端部分が桿支持部10c,10dで支持されているので、上記とは逆に、各被掛止部10f~10iに掛止されたフック11,12の第1掛止部11d,12dおよび第2掛止部11e,12eが、ハンガー掛枠体10に対して相対的に左右方向の外側にズレようとした場合にも、当該ズレが規制される。
【0045】
即ち、第1被掛止部10f、第2被掛止部10g,第3被掛止部10h、第4被掛止部10iに対して左右方向に隣接する内外両側部分には、フック11,12とハンガー掛枠体10との左右方向での相対的なズレを規制する横ズレ規制部が設けられている。
【0046】
3.主桿500に対するハンガー掛装置1の取り付け状態
ハンガー掛装置1におけるフック11,12の第2掛止部11e,12eのさらに詳細な構成と、主桿500に対するハンガー掛装置1の取り付け状態とについて、
図3を用いて説明する。なお、
図3では、2つのフック11,12の内の一方であるフック11のみを図示し、もう一方のフック12の図示を省略しているが、フック12とハンガー掛枠体10との掛止形態についてもフック11とハンガー掛枠体10との掛止形態と同じである。
【0047】
図3に示すように、ハンガー掛装置1は、フック11,12の主桿掛止部11a,12aが主桿500に掛止され、ハンガー掛枠体10がフック11,12の第1掛止部11d,12dおよび第2掛止部11e,12eに掛止される。ここで、フック11,12は、バネ性を有する材料から構成されており、矢印A1,A2で示すようにハンガー掛枠体10を前後方向外向きに付勢する。
【0048】
また、
図3に示すように、フック11,12の第1垂下部11b,12bと第2垂下部11c,12cとは、上部から下部へとゆくのに従って互いの間隔が狭くなるように形成されている。
【0049】
本実施形態に係るハンガー掛装置1では、フック11,12を主桿500に掛け、フック11,12の第1掛止部11d,12dおよび第2掛止部11e,12eにハンガー掛枠体10を掛止した状態において、ハンガー掛枠体10における桿支持部10c,10dがフック11,12における挿通部11f,12fを閉状態とする。換言すると、主桿500にフック11,12を掛け、フック11,12にハンガー掛枠体10を掛止し、フック11,12の挿通部11f,12fが閉じられた閉状態においては、ハンガー掛装置1により主桿500の軸心Ax500周りに閉ループが構成される。
【0050】
なお、フック11,12に対するハンガー掛枠体10の掛止状態を解除すると、フック11,12の挿通部11f,12fが開状態とされる。
【0051】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、フック11,12が矢印A1,A2で示すようにハンガー掛枠体10の被掛止部10f~10iを前後方向の外側に向けて付勢力を付加しているとともに、第1垂下部11b,12bと第2垂下部11c,12cとの間隔が下部にゆくほど狭くなるように構成されているので、ハンガー501を掛けたり外したりする際にハンガー掛枠体10に上方に向けての力が作用したとしてもフック11,12からハンガー掛枠体10が外れ難い。
【0052】
さらに、上述のように、ハンガー掛枠体10の被掛止部10f~10iは、桿本体部10n,10oよりも上方であって前後方向外側に位置するように設けられているので、フック11,12の付勢力と相まってフック11,12に容易に装着することが可能でありながら、フック11,12から外れ難い。
【0053】
4.ハンガー掛装置1に複数のハンガー501を掛けた状態
本実施形態に係るハンガー掛装置1を用いて複数のハンガー501を掛けた状態について、
図1および
図4を用いて説明する。
【0054】
図1および
図4に示すように、第1桿部10aに掛けられたハンガー501と第2桿部10bに掛けられたハンガー501とは、上下方向および前後方向にズレを有する状態となる。このため、主桿500にハンガー501を直接掛ける場合に比べて、左右方向における同じ長さ範囲に数多くのハンガー501を掛けることが可能である。
【0055】
なお、本実施形態に係るハンガー掛装置1は、前側に第1桿部10aが位置し、奥側に第2桿部10bが位置するように主桿500に対して掛止されるので、ユーザーがハンガー501の掛け外しを容易に行うことが可能である。
【0056】
ここで、桿部10a,10bに掛かっているハンガー501を取り外そうとする際には、ハンガー501の本体部501bを把持してハンガー501を少し上方に持ち上げ、フック部501aを桿部10a,10bから外すことになる。この場合に、例えば、第1桿部10aに掛かっているハンガー501を取り外そうとした場合には、ハンガー501の本体部501bが第2桿部10bに当たってしまうという事態が生じ得る。
【0057】
しかしながら、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、上述のように、フック11,12を主桿500に掛け、フック11,12の第1掛止部11d,12dおよび第2掛止部11e,12eにハンガー掛枠体10を掛けた状態において、フック11,12の各挿通部11f,12fがハンガー掛枠体10の桿支持部10c,10dにより閉じられ、主桿500の軸心Ax500周りで閉ループが構成されるので、主桿500に対してフック11,12が回転しても主桿500から外れ難い。
【0058】
また、フック11,12におけるバネ性と、第1垂下部11b,12bおよび第2垂下部11c,12cとの互いに間隔と、を上述のような関係で構成することによっても、フック11,12からハンガー掛枠体10が外れ難い。
【0059】
さらに、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、ハンガー掛枠体10が第3桿部10eも有するので、主桿500にハンガー掛装置1を取り付ける際に、ユーザーがハンガー掛枠体10を前後逆向きに取り付けた場合にも、第3桿部10eと第2桿部10bとにそれぞれハンガー501を掛けることができる。
【0060】
5.効果
本実施形態に係るハンガー掛装置1の構成を要約すると、次のようになる、
本実施形態に係るハンガー掛装置1は、2つのフック11,12とハンガー掛枠体10とを備える。2つのフック11,12は、左右方向に延びる主桿500が下方から挿通可能な挿通部11f,12fが設けられた鉤形状をそれぞれ有することにより、それぞれが主桿500に掛止される。ハンガー掛枠体10は、2つのフック11,12のそれぞれにおける挿通部11f,12fを開状態と閉状態とに切換可能にフック11,12同士間に取り付けられる。
【0061】
ハンガー掛装置1において、ハンガー掛枠体10は、第1桿部10aと、第2桿部10bと、2つの桿支持部10c,10dとを有する。第1桿部10aは、主桿500に沿って伸び、複数のハンガー501を掛止可能に構成されている。第2桿部10bは、上記閉状態において第1桿部10bに対して上下方向および前後方向に離間した位置で主桿500に沿って延び、複数のハンガー501を掛止可能に構成されている。2つの桿支持部10c,10dは、2つのフック11,12のそれぞれに対応して設けられ、第1桿部10aおよび第2桿部10bが接続されるとともに上記開状態および上記閉状態の各状態に応じて側面視でフック11,12の各挿通部11f,12fを開閉する。
【0062】
本実施形態に係るハンガー掛装置1では、フック11,12の各挿通部11f,12fを開状態とした上でそれぞれの挿通部11f,12fを通して主桿500に2つのフック11,12を掛止し、2つのフック11,12にハンガー掛枠体10を取り付けることにより、2つのフック11,12のそれぞれにおける挿通部11f,12fが側面視においてハンガー掛枠体10の桿支持部10c,10dによって閉じられる。このため、主桿500にハンガー掛装置1を取り付けた状態においては、主桿500の軸心Ax500回りで閉ループを構成することができ、第1桿部10aや第2桿部10bに対してハンガー501を掛けたり外したりする際の主桿500からのハンガー掛装置1の落下を抑制することができる。よって、ハンガー掛装置1を使用するユーザーが煩わしさを感得するのを抑制することができる。
【0063】
また、ハンガー掛装置1では、ハンガー掛枠体10に第1桿部10aと第2桿部10bとが設けられ、フック11,12の各挿通部11f,12fが閉状態である場合に、第1桿部10aと第2桿部10bとが上下方向および前後方向に離間するように配されているので、第1桿部10aに掛けられたハンガー501と第2桿部10bに掛けられたハンガー501との干渉を抑えることができ、限られた長さの主桿500に対して数多くのハンガー501を掛けることができる。
【0064】
さらに、ハンガー掛装置1では、ハンガー掛枠体10における桿支持部10c,10dが2つのフック11,12の挿通部11f,12fを開状態とすることもできるので、主桿500に対して着脱可能である。このため、ハンガー掛装置1は、既設の主桿500に対して取り付けたり、あるいは不使用時などに取り外したりすることが可能である。
【0065】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、バネ性を有する材料から2つのフック11,12が構成されているとともに、2つのフック11,12における挿通部11f,12fが閉状態である場合において、ハンガー掛枠体10における被掛止部10f,10hと被掛止部10g,10iとが前後方向に向けて付勢力が付加された状態とされる。このため、ハンガー掛装置1では、主桿500に対して着脱容易でありながら、装着状態においては、第1桿部10aや第2桿部10bに対してハンガー501を掛けたり外したりする際に当該ハンガー501がハンガー掛枠体10の他の部分に当たったとしても外れ難い。
【0066】
なお、上述のように、フック11,12のそれぞれは、第1垂下部11b,12bと第2垂下部11c,12cとの間隔が上部から下部へとゆくのに従って狭くなるように構成されていることによっても、ハンガー掛枠体10がフック11,12から外れ難い。
【0067】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、ハンガー掛枠体10が第3桿部10eをさらに有するので、前後方向の一方側からハンガー501を掛けるためにアクセスするユーザーは、第1桿部10aと第3桿部10eの内の一方と第2桿部10bとにハンガー501を掛けることもできるし、前後方向の他方側からハンガー501を掛けるためにアクセスするユーザーは、第1桿部10aと第3桿部10eの内の他方と第2桿部10bとにハンガー501を掛けることもできる。よって、例えば、ユーザーが2つのフック11,12に対して前後方向を間違えてハンガー掛枠体10を取り付けたとしても、第1桿部10aと第3桿部10eの内の手前側に位置する桿部10a,10eと第2桿部10bとにハンガー501を掛けることができるなど、ハンガー掛装置1は、ユーザーにとって使い勝手がよい。
【0068】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、第1桿部10aにおける被掛止部10f,10hが当該第1桿部10aの長手方向において桿支持部10c,10dと繋ぎ部10j,10lとの間に配され、第3幹部10eにおける被掛止部10g,10iが当該第3桿部10eの長手方向において桿支持部10c,10dと繋ぎ部10k,10mとの間に配されているので、上記閉状態において、フック11,12の掛止部11d,11e,12d,12eがハンガー掛枠体10の被掛止部10f~10iに対して左右方向にズレ難い。即ち、仮にフック11,12が第1桿部10aまたは第3桿部10eの長手方向端部側に相対的にズレようとしても桿支持部10c,10dでズレが規制され、逆にフック11,12が第1桿部10aまたは第3桿部10eの長手方向内側に(桿本体部10n,10o側に向けて)相対的にズレようとしても繋ぎ部10j~10mによってズレが規制される。即ち、ハンガー掛装置1では、桿支持部10c,10dと繋ぎ部10j~10mとにより、フック11,12とハンガー掛枠体10との相対的な左右方向でのズレを規制することができる。
【0069】
以上のように、本実施形態に係るハンガー掛装置1では、衣類収納用に設けられた主桿500に対して多くのハンガー501を掛けることができるとともに、ハンガー501を掛けたり外したりする際にも主桿500から外れ難い。
【0070】
[第2実施形態]
本発明の第2実施形態に係るハンガー掛装置2の構成について、
図5および
図6を用いて説明する。なお、以下では、上記第1実施形態に係るハンガー掛装置1との差異を中心に説明する。
【0071】
図5に示すように、ハンガー掛装置2は、2つのフック21,22とハンガー掛枠体20とを有する。フック21,22のそれぞれは、主桿500に掛止する部分である主桿掛止部21a,22aと、逆U字形状(鉤形状)の主桿掛止部21a,22aの前側および奥側の各端部に連続し、下方に垂下する第1垂下部21b,22bおよび第2垂下部21c,22cとを有する。そして、第1垂下部21b,22bおよび第2垂下部21c,22cの各下端部分には、ハンガー掛枠体20を掛止する第1掛止部21d,22dおよび第2掛止部21e,22eがそれぞれ設けられている。本実施形態では、第1垂下部21b,22bの長さが、第2垂下部21c,22cよりも短く設定されている。これにより、本実施形態に係るハンガー掛装置2におけるフック21,22は、全体として逆J字形状(鉤形状)を有する。
【0072】
なお、本実施形態でも、フック21,22がバネ性を有する材料から構成されているとともに、主桿500の挿通を可能とする挿通部21f,22fを第1掛止部21d,22dと第2掛止部21e,22eとの間に有する。また、
図5および
図6に示すように、フック21,22における第1垂下部21b,22bと第2垂下部21c,22cとは、上部から下部へゆくのに従って漸次狭くなるように形成されている。
【0073】
図5に示すように、ハンガー掛枠体20は、第1桿部20aと、第2桿部20bと、2つの桿支持部20c,20dとを有する。ハンガー掛枠体20も、棒状の部材を用いて第1桿部20a、第2桿部20b、および桿支持部20c,20dが一体に形成されている。第1桿部20aおよび第2桿部20bのそれぞれは、長手方向の中程部分にハンガー501を掛止可能な桿本体部20l,20mを有する。
【0074】
ハンガー掛枠体20は、当該ハンガー掛枠体20を正面視する場合に略矩形枠形状を有し、桿支持部20c,20dは、上記第1実施形態とは異なり、側面視でI字形状(真直ぐな棒形状)を有する。即ち、ハンガー掛枠体20では、第1桿部20aと第2桿部20bとが同一平面内に位置するように桿支持部20c,20dで支持されている。
【0075】
ハンガー掛枠体20は、第1桿部20aにおける桿本体部20lの長手方向端部と第2桿部20bにおける桿本体部20mの長手方向端部とを接続する桿接続部20j,20kをさらに有する。ハンガー掛枠体20において、桿接続部20j,20kも棒状の部材から構成された部分である。そして、ハンガー掛枠体20では、第1桿部20aにおける桿支持部20c,20dが接続された部分と桿接続部20j,20kが接続された部分との間がフック21,22の掛止部21d,22dが掛止される被掛止部20f,20hであり、第2桿部20bにおける桿支持部20c,20dが接続された部分と桿接続部20j,20kが接続された部分との間がフック21,22の掛止部21e,22eが掛止される被掛止部20g,20iである。
【0076】
ハンガー掛枠体20においても、各被掛止部20f~20iに対して隣接する桿支持部20c,20dおよび桿接続部20j,20kとにより、ハンガー掛枠体20とフック21,22との左右方向での相対的なズレを規制する横ズレ規制部が構成されている。
【0077】
図6に示すように、ハンガー掛装置2は、フック21,22の主桿掛止部21a,22aが主桿500に掛止され、ハンガー掛枠体20がフック21,22の第1掛止部21d,22dおよび第2掛止部21e,22eに掛止される。ここで、フック21,22についても、バネ性を有する材料から構成されており、矢印B1,B2で示すようにハンガー掛枠体20を前後方向外向きに付勢する。
【0078】
本実施形態に係るハンガー掛装置2においても、フック21,22を主桿500に掛け、フック21,22の第1掛止部21d,22dおよび第2掛止部21e,22eにハンガー掛枠体20を掛止した状態において、ハンガー掛枠体20における桿支持部20c,20dがフック21,22における挿通部21f,22fを閉状態とする。換言すると、主桿500にフック21,22を掛け、フック21,22にハンガー掛枠体20を掛止した状態では、ハンガー掛装置2により主桿500の軸心Ax500周りに閉ループが構成される。
【0079】
なお、フック21,22に対するハンガー掛枠体20の掛止状態を解除すると、フック21,22の挿通部21f,22fが開状態とされる。
【0080】
図6に示すように、フック21,22の第2掛止部21e,22e(
図6では、フック21eのみ図示。)は、鉤形状(またはJ字形状)に第2垂下部21c,22cの下端部分が曲折されて形成されており、曲折に係る屈曲部である掛止奥部21gと、掛止に係る口部である掛止口部21hとを有する。掛止奥部21gにおける内幅W1は、ハンガー掛枠体20における被掛止部20gの外径D20と同じか若干大きく設定されている。これに対して、掛止口部21hの内幅W2は、被掛止部20gの外径D20よりも若干小さく設定されている。
【0081】
なお、フック21,22はバネ性を有する材料から構成されているため、掛止口部21hに対して第2桿部20bにおける被掛止部20gを着脱する際には、掛止口部21hの内幅W2が被掛止部20gの出入り可能な状態まで拡がる。
【0082】
ここで、フック21,22では、第2垂下部21c,22cの下端部分に設けられた掛止部21e,22eについてのみ掛止口部21hの内幅W2を上記のように外径D20よりも狭くしているのは、次のような理由からである。
【0083】
上述のように、フック21,22の第1垂下部21b,22bと第2垂下部21c,22cとの間隔は上部から下部へとゆくのに従って狭くなっているので、ハンガー掛枠体20に振動などが加わった場合などにはハンガー掛枠体20の桿支持部20c,20dが水平になろうとするようにモーメントがかかる。即ち、ハンガー掛枠体20が矢印B3,B4で示すように回転しようとする。本実施形態に係るハンガー掛装置2では、ハンガー掛枠体20に上記のようなモーメントがかかった場合に被掛止部20g,20iが上方に移動しようとするが、フック21,22における掛止部21e,22eを
図6に示すように掛止口部21hを狭くしているので、被掛止部20g,20iが掛止部21e,22eから外れ難くすることができる。
【0084】
掛止部20f,20hについては矢印B3で示すように下方に向けて移動しようとするため、掛止口部を掛止部21e,22eのような形状とすることは必ずしも必要はない。ただし、よりハンガー掛枠体20を外れ難くするために、掛止部20f,20hについても、掛止部21e,22eと同様の構造とすることも可能である。
【0085】
本実施形態に係るハンガー掛装置2についても、主桿500に2つのフック21,22を掛止し、2つのフック21,22にハンガー掛枠体20を取り付けることにより、2つのフック21,22の各挿通部21f,22fがハンガー掛枠体20の桿支持部20c,20dによって閉じられる。このため、フック21,22の各挿通部21f,22fを閉状態とした場合においては、主桿500の軸心Ax500回りで閉ループを構成することができ、第1桿部20aや第2桿部20bに対してハンガー501を掛けたり外したりする際のハンガー掛装置2の主桿500からの落下を抑制することができる。よって、ハンガー掛装置2も、当該ハンガー掛装置2を使用するユーザーが煩わしさを感じるのを抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置2でも、ハンガー掛枠体20に第1桿部20aと第2桿部20bとが設けられ、主桿500に対してハンガー掛装置2を取り付けた状態において、第1桿部20aと第2桿部20bとが上下方向および前後方向に離間するよう配置されているので、第1桿部20aに掛けられたハンガー501と第2桿部20bに掛けられたハンガー501との干渉を抑えることができ、限られた長さの主桿500に対して数多くのハンガー501を掛けることができる。
【0087】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置2でも、ハンガー掛枠体20をフック21,22から外した状態では2つのフック21,22の挿通部21f,22fを開状態とすることができるので、主桿500に対して当該ハンガー掛装置2を着脱可能とできる。このため、ハンガー掛装置2は、既設の主桿500に対して取り付けたり、あるいは不使用時などに取り外したりすることが可能である。
【0088】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置2では、2つのフック21,22のそれぞれにおける第2掛止部21e,22eにおいて、掛止口部21hの内幅W2が当該掛止部21e,22eに掛止されるハンガー掛枠体20の被掛止部20gの外径D20よりも小さく形成されているので、ハンガー掛枠体20が多少上下に動いたとしても当該ハンガー掛枠体20がフック21,22から外れるのが抑制される。
【0089】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置2では、ハンガー掛枠体20が全体として厚みの雨水矩形枠形状を有するので、不使用時に主桿500から外して保管する場合や、販売などに際しての搬送時に嵩張り難い。
【0090】
また、本実施形態に係るハンガー掛装置2では、桿支持部20c,20dと桿接続部20j,20kとにより横ズレ規制部を構成するので、フック21,22とハンガー掛枠体20との左右方向での相対的なズレを抑制することができ、フック21,22からハンガー掛枠体20が外れてしまうのが抑制される。
【0091】
さらに、本実施形態に係るハンガー掛装置2では、第1桿部20aと第2桿部20bとの両端部を桿支持部20c,20dで支持しているので、桿支持部20c,20d同士の間隔を広くとることができ高い剛性を確保することができる。
【0092】
[第3実施形態]
本発明の第3実施形態に係るハンガー掛装置3の構成について、
図7を用いて説明する。なお、以下では、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2との差異を中心に説明する。
【0093】
図7に示すように、本実施形態に係るハンガー掛装置3は、2つのフック31とハンガー掛枠体20とを有する。なお、
図7では、2つのフック31の内の一方のフック31のみを図示しているが、もう一方のフックについても同じ構成を有する。
【0094】
2つのフック31のそれぞれは、主桿500に掛止する部分である主桿掛止部31aと、逆U字形状の主桿掛止部31aの前側および奥側の各端部に連続し、下方に垂下する第1垂下部31bおよび第2垂下部31cとを有する。第1垂下部31bおよび第2垂下部31cの各下端部分には、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2のフック21,22と同様に、鉤形状の第1掛止部31dおよび第2掛止部31eが設けられている。第1掛止部31dには、ハンガー掛枠体20の桿部20aに設けられた被掛止部20f,20h(
図7では、被掛止部20fのみを図示。)が掛止され、第2掛止部31eには、第2桿部20bに設けられた被掛止部20g,20i(
図7では、被掛止部20gのみを図示。)が掛止される。第1垂下部31bと第2垂下部31cの長さについては、上記第2実施形態と同様に、第2垂下部31cの方が第1垂下部31bよりも長く設定されている。なお、本実施形態でも、フック31がバネ性を有する材料から構成され、ハンガー掛枠体20の被掛止部20f~20iを前後方向外向きに付勢する。
【0095】
また、フック31においても、第1垂下部31bと第2垂下部31cとの間隔が上部から下部へとゆくのに従って狭くなるように構成されている。
【0096】
フック31における第1掛止部31dは、被掛止部20f,20hが挿通する掛止口部31iの内幅がW5に設定されており、側面視で鉤形状を有する。本実施形態において、内幅W5は、ハンガー掛枠体20における被掛止部20f,20hの外径D20よりも若干大きく設定されている。
【0097】
フック31における第2掛止部31eは、鉤形状に曲折されてなる部分であって、曲折に係る奥の部分である掛止奥部31gと、ハンガー掛枠体20の被掛止部20g,20iが挿通する口部である掛止口部31hと、掛止奥部31gと掛止口部31hとの間の部分である中間部31iとを有する。本実施形態においても、掛止奥部31gにおける内幅W3は、ハンガー掛枠体20における被掛止部20g,20iの外径D20と同じか若干大きく設定され、掛止口部31hの内幅W4は、被掛止部20g,20iの外径D20よりも若干小さく設定されている。
【0098】
中間部31iの内幅については、掛止奥部31gの内幅W3と略同一である。また、中間部31iの長さL2は、上記第2実施形態におけるハンガー掛装置2が備えるフック21,22における掛止奥部21gと掛止口部21hgとの間の長さL1(
図6を参照。)よりも長く設定されている。フック31における第2掛止部31eの中間部31iでは、ハンガー掛枠体20における被掛止部20g,20iが上下方向に移動可能である。
【0099】
本実施形態に係るハンガー掛装置3でも、上記実施形態1に係るハンガー掛装置1と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態に係るハンガー掛装置3では、フック31における第2掛止部31eが中間部31iを有しているので、ハンガー掛枠体20に対して←C1,C2で示すようなモーメントがかかった場合に被掛止部20g,20iが多少上下動したとしても、ハンガー掛枠体20における第2桿部20bの被掛止部20g,20iが中間部31i内を移動するのみであって、ハンガー掛枠体20における被掛止部20g,20iがフック31の第2掛止部31eから外れ難い。
【0100】
[第4実施形態]
本発明の第4実施形態に係るハンガー掛装置4の構成について、
図8を用いて説明する。なお、以下では、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2との差異を中心に説明する。
【0101】
図8に示すように、本実施形態に係るハンガー掛装置4は、2つのフック41とハンガー掛枠体20とを有する。なお、
図8では、2つのフック41の内の一方のフック41のみを図示しているが、もう一方のフックについても同じ構成を有する。また、
図8では、ハンガー掛枠体20の一部のみを図示しているが、本実施形態に係るハンガー掛装置4のハンガー掛枠体20も、上記第2実施形態と同様の構成を有する。
【0102】
図8に示すように、2つのフック41のそれぞれは、主桿500に掛止する部分である主桿掛止部41aと、逆U字形状の主桿掛止部41aの前側および奥側の各端部に連続し、下方に垂下する第1垂下部41bおよび第2垂下部41cとを有する。そして、第1垂下部41bの下端部分には、ハンガー掛枠体20の被掛止部(被固定部)20f,20hを回転可能に固定する固定部41dが設けられている。また、第2垂下部41cの下端部分には、ハンガー掛枠体20の被掛止部20g,20iを掛止する掛止部41eが設けられている。掛止部41eは、第2桿部20bの被掛止部20g,20iを着脱可能に掛止する。フック41において、固定部41dと掛止部41eとの間には、主桿500の挿通が可能な挿通部41fを有する。挿通部41fは、上記第2実施形態などと同様に、ハンガー掛枠体20の開閉により、開状態と閉状態とが切り換えられる。
【0103】
第1垂下部41bと第2垂下部41cの長さについては、上記第2実施形態と同様に、第2垂下部41cの方が第1垂下部41bよりも長く設定されている。なお、本実施形態でも、フック41がバネ性を有する材料から構成されている。
【0104】
本実施形態に係るハンガー掛装置4において、フック41にハンガー掛枠体20を取り付ける場合には、先ず、ハンガー掛枠体20の被掛止部(被固定部)20f,20hが固定部41dに固定されたフック41を主桿500に掛ける。その後に、フック41に対して被掛止部20f,20hを中心にハンガー掛枠体20を回転させ、フック41のバネ性を利用して掛止部41eにハンガー掛枠体20の被掛止部20g,20iを掛止する。
【0105】
本実施形態に係るハンガー掛装置4でも、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2と同様の効果を得ることができる。
【0106】
[第5実施形態]
本発明の第5実施形態に係るハンガー掛装置の構成について、
図9を用いて説明する。なお、本実施形態に係るハンガー掛装置は、上記第1実施形態に係るハンガー掛装置1に対して、ハンガー掛枠体50が構成上での差異であり、フックについては上記第1実施形態に係るハンガー掛装置1のフック11,12と同じ構成を有する。
【0107】
図9に示すように、ハンガー掛枠体50は、第1桿部50aと、第2桿部50bと、第3桿部50eと、桿支持部50dとを有する。なお、桿支持部50dについては、第1桿部50a、第2桿部50b、および第3桿部50eの各長手方向における他端同士にも
図9に示すのと同様の形状をもって配設されている。
【0108】
また、本実施形態においても、第1桿部50aおよび第3桿部50eには、フックに掛止される被掛止部50h,50iが設けられている。
【0109】
本実施形態では、側面視において、桿支持部50dは全体としてU字形状を有するように形成されている。
【0110】
本実施形態に係るハンガー掛装置でも、上記第1実施形態に係るハンガー掛装置1と同様の効果を得ることができる。
【0111】
[第6実施形態]
本発明の第6実施形態に係るハンガー掛装置の構成について、
図10を用いて説明する。なお、本実施形態に係るハンガー掛装置は、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2に対して、ハンガー掛枠体60が構成上での差異であり、フックについては上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2のフック21,22と同じ構成を有する。
【0112】
図10に示すように、本実施形態に係るハンガー掛装置のハンガー掛枠体60は、第1桿部60aおよび第2桿部60bと、桿支持部60c,60dと、桿接続部60j,60kとを有するのに加えて、第3桿部60lと、桿接続部60o,60pとを有する。
【0113】
ハンガー掛枠体60において、第1桿部60aおよび第2桿部60bと、桿支持部60c,60dと、桿接続部60j,60kとのそれぞれの構成、および互いの接続形態については、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2のハンガー掛枠体20と同様である。
【0114】
ハンガー掛枠体60において、第3桿部60lは、第1桿部60aおよび第2桿部60bと平行に配され、上下方向における第2桿部60bに対して第1桿部60aと反対側に配置されている。桿支持部60c,60dは第3桿部60lの長手方向端部まで延びるように形成されており、第3桿部60lは、長手方向の両端部で桿支持部60c,60dに接続されている。これにより、第3桿部60lは、第1桿部60aおよび第2桿部60bとの間隔が保持される。そして、桿接続部60o,60pのそれぞれは、桿支持部60c,60dよりも左右方向内側の部分で第3桿部60lと第2桿部60bとのそれぞれに接続されている。
【0115】
なお、本実施形態に係るハンガー掛装置においても、第1桿部60aにおける桿接続部60j,60kが接続された箇所よりも内側の部分がハンガー501を掛止可能な桿本体部60qであり、第2桿部60bにおける桿接続部60j,60k,60o,60pが接続された箇所よりも内側の部分がハンガー501を掛止可能な桿本体部60rであり、第3桿部60lにおける桿接続部60o,60pが接続された箇所よりも内側の部分がハンガー501を掛止可能な桿本体部60sである。
【0116】
図10に示すように、ハンガー掛枠体60は、前後方向からの正面視で矩形枠形状(格子形状)を有する。そして、桿支持部60c,60dも側面視で真直ぐな棒形状を有し、ハンガー掛枠体60は、全体として薄い矩形枠形状を有する。即ち、本実施形態に係るハンガー掛装置において、ハンガー掛枠体60は、第1桿部60a、第2桿部60b、および第3桿部60lが同一平面内に位置するように形成されている。
【0117】
本実施形態に係るハンガー掛装置でも、上記第2実施形態に係るハンガー掛装置2と同様の効果を得ることができる。さらに、本実施形態に係るハンガー掛装置では、3つの桿部60a,60b,60lを有するハンガー掛枠体60を備えるので、各桿部60a,60b,60lにハンガー501を掛けることができる。よって、限られた長さを主桿500に対してより多くのハンガー501を掛けることができる。
【0118】
また、
図10に示すように、ハンガー掛枠体60は、第2桿部60bを基準に上下方向で線対称の形状を有するので、ユーザーは、ハンガー掛枠体60の上下方向を気にすることなくフック21,22に掛止することができる。即ち、フック21,22の掛止部21d,21e,22d,22eをハンガー掛枠体60の被掛止部60f~60iに掛止することもできるし、ハンガー掛枠体60の被掛止部60g,60i,60m,60nに掛止することもできる。なお、何れの掛止形態を採った場合にあっても、桿支持部60c,60dと桿接続部60j,60k,60o,60pとによりフック21,22とハンガー掛枠体60との左右方向への相対的なズレを規制することが可能である。
【0119】
[変形例]
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、2つのフック11,12,21,22,31,41と1つのハンガー掛枠体10,20,50,60との組み合わせによりハンガー掛装置1~4を構成することとしたが、本発明は、3つ以上のフックを備える構成を採用してもよい。また、ハンガー掛枠体に対するフックの掛止位置についても、必ずしもハンガー掛枠体の左右方向端部とする必要もない。
【0120】
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、桿部10a,10b,10e,20a,20b,50a,50b,50i,60a,60b,60lと桿支持部10c,10d,20c,20d,50d,60c,60dとが接続されて一体形成されてなる構成を採用したが、本発明は、桿部と桿支持部部とが必ずしも一体形成されたものである必要はない。例えば、ヒンジを介して桿部と桿支持部とが連結された構成などを採用することもできる。
【0121】
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、それぞれがバネ性を有するフック11,12,21,22,31,41を採用することとしたが、本発明は、バネ性を有さないフックを採用することも可能である。また、上記第1実施形態から上記第6実施形態では、フック11,12,21,22,31,41がハンガー掛枠体10,20,50,60の各被掛止部を前後方向外向きに付勢することとしたが、本発明は、ハンガー掛枠体の被掛止部を前後方向内向きに付勢するフックを採用することが可能である。また、フックにおける第1垂下部と第2垂下部との間隔については、必ずしも上記第1実施形態から上記第4実施形態のように上部から下部へとゆくのに従って狭くなるようにする必要はない。
【0122】
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、桿部10a,10e,20a,20b,50a,50e,60a,60b,60lの各一部に被掛止部10f~10i,20f~20i,50h,50i,60f~60i,60m,60nを設けることとしたが、本発明は、桿部とは別の場所に被掛止部を設けることも可能である。
【0123】
上記第1実施形態から上記第6実施形態では、ハンガー掛枠体10,20,50,60に横ズレ規制部を設けることとしたが、本発明は、必ずしもハンガー掛枠体に横ズレ規制部を設ける必要はない。
【0124】
また、上記第1実施形態や上記第2実施形態に係るハンガー掛装置1,2に対して、上記第3実施形態や上記第4実施形態に係るハンガー掛装置3,4の一部構造(例えば、フックの構造)を適用したり、上記の各変形例に係る構造を適用したりすることも可能である。
【符号の説明】
【0125】
1~4 ハンガー掛装置
10,20,50,60 ハンガー掛枠体
10a,20a,50a,60a 第1桿部
10b,20b,50b,60b 第2桿部
10c,10d,20c,20d,50d,60c,60d 桿支持部
10f~10i,20f~20i,50h,50i,60f~60i,60m,60n 被掛止部(棒状の部分)
10j~10m 繋ぎ部
11,12,21,22,31,41 フック
11a,12a,21a,22a,31a,41a 主桿掛止部
11d,11e,12d,12e,21d,21e,22d,22e,31d,31e,41e 掛止部
11f,12f,21f,22f,31f,41f 挿通部