(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087306
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】バックライト
(51)【国際特許分類】
F21S 2/00 20160101AFI20230616BHJP
F21V 11/02 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
F21S2/00 431
F21V11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201616
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010098
【氏名又は名称】アルプスアルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105784
【弁理士】
【氏名又は名称】橘 和之
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(74)【代理人】
【識別番号】100099748
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 克志
(74)【代理人】
【識別番号】100103171
【弁理士】
【氏名又は名称】雨貝 正彦
(72)【発明者】
【氏名】坂本 務
【テーマコード(参考)】
3K244
【Fターム(参考)】
3K244AA01
3K244BA18
3K244CA02
3K244CA03
3K244DA01
3K244DA11
3K244DA20
3K244DA25
3K244EA02
3K244EA12
3K244EC30
3K244GA05
3K244GA06
3K244GA14
(57)【要約】
【課題】エッジ型バックライトの照射面の外側にダイレクト型バックライトのLEDを配置する一方、これによってローカルディミングにより生み出される高コントラストが阻害されることを抑制した「バックライト」を提供する。
【解決手段】バックライト1は、エッジ側LED7の光を拡散し照射する導光板を有するエッジ型バックライト5と、エッジ型バックライト5の照射面13の外側に配置された1つ以上のダイレクト側LED10を有するダイレクト型バックライト6と、照射面13の外縁のうちダイレクト側LED10の配置場所に対応する外縁の内側に設けられ、導光板9から照射された光の成分のうちダイレクト側LED10の配置場所へ向かう光の成分を低減するルーバフィルムユニット4(調整部材)とを備え、導光板9から照射された光がダイレクト側LED10の配置場所へ発散するのを抑制している。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エッジ側LEDの光を拡散し照射する導光板を有するエッジ型バックライトと、
前記エッジ型バックライトの照射面の外側に配置された1つ以上のダイレクト側LEDを有するダイレクト型バックライトと、
前記照射面の外縁のうち前記ダイレクト側LEDの配置場所に対応する外縁の内側に設けられ、前記導光板から照射された光の成分のうち前記ダイレクト側LEDの配置場所へ向かう光の成分を低減する調整部材とを備える
ことを特徴とするバックライト。
【請求項2】
前記調整部材は、ルーバフィルム、2枚のルーバフィルムをルーバが直交するように積層されたルーバフィルムユニット、または、ルーバが格子状に配置された格子ルーバフィルムであり、
前記ルーバフィルム、前記ルーバフィルムユニットまたは前記格子ルーバフィルムは、前記導光板から照射された光の成分のうち前記ダイレクト側LEDの配置場所へ向かう光の成分を低減する状態で設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項3】
前記ルーバフィルム、前記ルーバフィルムユニットまたは前記格子ルーバフィルムは、前記照射面の全域に設けられている
ことを特徴とする請求項2に記載のバックライト。
【請求項4】
前記調整部材は、板状部材が間隔をあけて平行に並べられたルーバ部材、板状部材が間隔をあけて平行に並べられたルーバ要素を板状部材が直交するように重ねたルーバ要素ユニット、または、板状部材が格子状に配置された格子ルーバ部材であり、
前記ルーバ部材、前記ルーバ要素ユニットまたは前記格子ルーバ部材は、前記導光板から照射された光の成分のうち前記ダイレクト側LEDの配置場所へ向かう光の成分が前記板状部材によって低減される状態で設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項5】
前記ルーバ部材、前記ルーバ要素ユニットまたは前記格子ルーバ部材は、前記照射面の全域に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のバックライト。
【請求項6】
前記調整部材は、底部に孔部が形成され、前記底部から前方に向かうに従って断面積が大きくなるように開口した開口部が形成されたリフレクタを複数有し、
複数の前記リフレクタは、前記開口部の最前面開口が同一平面上で連続するように並べて配置され、
個々の前記リフレクタは、前記底部が前記導光板に対向し、前記底部の前記孔部を介して前記導光板が照射する光が前記リフレクタの前記開口部に導かれ、かつ前記導光板から照射された光の成分のうち前記ダイレクト側LEDの配置場所へ向かう光の成分が前記リフレクタによって低減される状態で設けられている
ことを特徴とする請求項1に記載のバックライト。
【請求項7】
前記導光板は、前記リフレクタの前記底部の前記孔部に嵌合する突起部分を有し、
前記導光板が照射する光が前記突起部分を介して前記リフレクタの前記開口部に導かれる
ことを特徴とする請求項6に記載のバックライト。
【請求項8】
前記リフレクタの前記孔部を避けた領域に、前記導光板が照射する光を反射して前記導光板に戻す反射部材が設けられている
ことを特徴とする請求項6または7に記載のバックライト。
【請求項9】
前記リフレクタは、前記照射面の全域に設けられている
ことを特徴とする請求項6から8の何れか1項に記載のバックライト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライトに関し、特に、液晶パネル等の表示パネルに対して光を照射するバックライトに用いて好適なものである。
【背景技術】
【0002】
現在、液晶パネルを有する液晶表示装置が広く普及している。液晶表示装置は通常、液晶パネルに対して背後から光を照射するバックライトを備えている。このバックライトには大きく分けて2つのタイプが存在する。1つはエッジ型バックライトと呼ばれるものであり、液晶パネルの表示部とは重ならない領域に光源たるLEDを設置し、LEDが出力する光を導光板によって拡散し照射する方式である。エッジ型バックライトはLEDの個数が少なくて済み、装置全体を薄くすることが可能というメリットがある。もう1つの方式はダイレクト型バックライトと呼ばれるものであり、液晶パネル表示部の真裏に光源たるLEDを並べて配置する方式である。ダイレクト型バックライトでは多くの場合、複数のLEDをマトリックス状に配置する。ダイレクト型バックライトは、液晶パネル全面を照光するために多くのLEDを必要とするというデメリットがあるものの、部分的に必要な箇所のみLEDを発光させることで、表示上不要な部分のLEDを消光し、表示コントラストを高められるというメリットがある。ダイレクト型バックライトにおいてLEDを部分的に駆動することは、ローカルディミングと呼ばれる。
【0003】
エッジ型バックライトおよびダイレクト型バックライトに関して特許文献1には、これらを組み合わせた技術が開示されている。詳述すると特許文献1に係るバックライトは、ダイレクト型バックライトを備え、このダイレクト型バックライトの中央部付近にLEDが存在しない領域が形成される一方、当該領域に反射板が設けられている。なおLEDが存在しない領域は、液晶パネルによる高画質での表示が必要ない領域に対応している。更に特許文献1に係るバックライトでは、ダイレクト型バックライトの前面の全域に重なるようにエッジ型バックライトが取り付けられている。特許文献1に係るバックライトでは、このような構成によりダイレクト型バックライトに設けるLEDの個数を低減しつつ、液晶パネルによる高画質な画像の表示が維持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1が示唆するように、エッジ型バックライトとダイレクト型バックライトとを適切に組み合わせて用いることによって、双方のメリットを享受しつつ、双方のデメリットを補完するような相乗効果が期待できる。そしてエッジ型バックライトとダイレクト型バックライトとを組み合わせて用いる場合、特許文献1のようにエッジ型バックライトの照射面とダイレクト型バックライトのLEDとを前後方向に重ねて配置するのではなく、エッジ型バックライトの照射面の外側にダイレクト型バックライトのLEDを配置し、これによりエッジ型バックライトの照射面とダイレクト型バックライトのLEDとが正面視で隣り合うようにすることが考えられる。
【0006】
ここで上述したようにダイレクト型バックライトではローカルディミングが行われる。ローカルディミングについてより詳しい説明をすると、ローカルディミングは、液晶パネルに表示された映像との関係で、必要なLEDを発光させる一方、不要なLEDを消光し、これにより表示上のコントラストを高めるものである。そして上述のようにエッジ型バックライトの照射面の外側にダイレクト型バックライトのLEDを配置する構成とする場合、ローカルディミングにより生み出される高コントラストが阻害されない構成とすることが求められる。
【0007】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、エッジ型バックライトの照射面の外側にダイレクト型バックライトのLEDを配置する一方、これによってローカルディミングにより生み出される高コントラストが阻害されることを抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した課題を解決するために、本発明に係るバックライトは、エッジ側LEDの光を拡散し照射する導光板を有するエッジ型バックライトと、エッジ型バックライトの照射面の外側に配置された1つ以上のダイレクト側LEDを有するダイレクト型バックライトと、照射面の外縁のうちダイレクト側LEDの配置場所に対応する外縁の内側に設けられ、導光板から照射された光の成分のうちダイレクト側LEDの配置場所へ向かう光の成分を低減する調整部材とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
ローカルディミングによる高コントラストを達成するためには、ダイレクト型バックライトのあるLEDが消光しているときは、そのLEDの配置場所には、外部から光が供給されず、暗い状態であることが求められる。ここでエッジ型バックライトは、導光板から照射された光が照射面の外側に発散し、照射面の周囲に広がるという特性を持つことが知られている。従ってエッジ型バックライトの照射面の外側にダイレクト型バックライトのLEDを配置する場合において、何ら手当てをしないときには、エッジ型バックライトの照射面から発散した光がダイレクト型バックライトのLEDの配置場所に光が照射されてしまい、上記要求が満たされず、高コントラストが阻害される可能性がある。
【0010】
以上を踏まえ、上記のように構成した本発明によれば、調光部材の機能により、導光板から照射された光の成分のうち、ダイレクト型バックライトのLEDの配置場所へ向かう光の成分が低減されるため、エッジ型バックライトの照射面からLEDの配置場所に照射される光を低減することができ、これによりローカルディミングにより生み出される高コントラストが阻害されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るバックライトの正面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係るバックライトの斜視図である。
【
図3】本発明の第1実施形態に係るバックライトが搭載された液晶表示装置の断面図である。
【
図4】ルーバフィルムユニットを取り除いた液晶表示装置の断面図である。
【
図5】導光板から照射される光の角度分布を示す図である。
【
図6】
図4の液晶表示装置について、エッジ型バックライトを駆動した様子を示す図である。
【
図8】本発明の第1実施形態の第2変形例に係るバックライトが搭載された液晶表示装置の断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態の第3変形例に係るバックライトの正面図である。
【
図10】本発明の第2実施形態に係るバックライトが搭載された液晶表示装置の断面図である。
【
図12】ルーバ要素ユニットの一部の斜視図である。
【
図14】本発明の第3実施形態に係るバックライトの正面図である。
【
図15】本発明の第3実施形態に係るバックライトが搭載された液晶表示装置の断面図である。
【
図17】本発明の第3実施形態の第2変形例に係るバックライトが搭載された液晶表示装置の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るバックライト1の正面図である。
図2は、
図1で示すバックライト1の領域RA1付近を右斜め前方から見たときの斜視図である。
図3は、バックライト1が搭載された液晶表示装置8の断面図である。
図3は、
図1のA-A断面に対応する断面で液晶表示装置8を切断した様子を示している。また
図3では説明の便宜のため、後述するルーバフィルムユニット4(調整部材)を誇張して描画している。
【0013】
以下の説明では
図1、2で示すようにバックライト1を正面視したときの左右方向を「左右方向」とし、左右方向において正面視で右に向かう向きを「右」とし、左に向かう向きを「左」とする。また
図1、2、3で示すようにバックライト1を正面視したときの上下方向を「上下方向」とし、上下方向において正面視で上に向かう向きを「上」とし、下に向かう向きを「下」とする。またバックライト1を正面視したときの奥行方向を「前後方向」とし、前後方向において正面視で手前に向かう向きを「前」とし、奥に向かう向きを「後」とする。
【0014】
本実施形態に係るバックライト1は、エッジ型バックライト5と、ダイレクト型バックライト6とを含んで構成されている。エッジ型バックライト5は、光源たるエッジ側LED7(
図3)の出力光を導光板9によって拡散し照射するタイプのバックライトユニットである。一方、ダイレクト型バックライト6は、液晶パネル3(
図3)の裏側に、光源たる複数のダイレクト側LED10を並べて配置し、ダイレクト側LED10を液晶パネル3に直接照射するタイプのバックライトユニットである。
【0015】
エッジ型バックライト5は、導光板9および複数のエッジ側LED7(
図3)を少なくとも備えている。
図1で示すようにバックライト1の正面の全域であるバックライト正面領域12には、以下の態様で左側照射面13Lと右側照射面13Rとが形成されている。すなわちバックライト正面領域12を左右方向の中心で分割したときの左側の領域の略中央に正面視で矩形の左側照射面13Lが形成され、右側の領域の略中央に正面視で矩形の右側照射面13Rが形成されている。以下、左側照射面13Lおよび右側照射面13Rを区別しない場合、「照射面13」という。
【0016】
図1、3で示すように左側照射面13Lおよび右側照射面13Rの後方であって、正面視でこれら照射面13が包含される領域には導光板9が設けられている。導光板9の上側の側面14(
図3)に対向する位置には、LEDにより構成された複数のエッジ側LED7がこの側面14に沿うように並んで配置されている。エッジ型バックライト5は、エッジ側LED7が出力する光を導光板9に導き、導光板9で拡散し、照射面13から照射する。
【0017】
図1、3(特に
図3)で示すように導光板9の前面の上部の一定の領域の前方には、ダイレクト側LED10の基板15や、ダイレクト側リフレクタ17(後述)、筐体2等の部材が介在し、当該一定の領域から真っ直ぐ前方に向かう光がこれら部材によって遮られる構成となっている。導光板9の正面の左部、下部および右部の一定の領域についても同様である。一方、
図1、3で示すように導光板9の正面の領域のうち、上部、左部、下部および右部の一定の領域を除いた領域には、その前方にルーバフィルムユニット4(後述)が設けられており、ルーバフィルムユニット4を介して液晶パネル3に光が照射される構成となっている。導光板9の正面の領域のうち、上部、左部、下部および右部の一定の領域を除いた領域(ルーバフィルムユニット4が設けられた領域)が照射面13に相当する。本実施形態では照射面13の全域にルーバフィルムユニット4が設けられている。
【0018】
ダイレクト型バックライト6は、複数のダイレクト側LED10および付随する部材を備えている。
図1~3で示すように、ダイレクト型バックライト6のダイレクト側LED10は、右側照射面13Rおよび左側照射面13Lの外側(照射面13の面に沿った外側)を取り囲むように設けられている。ダイレクト側LED10のそれぞれは、LEDにより構成されており、ダイレクト型バックライト6の光源として機能する。このように本実施形態に係るバックライト1では、エッジ型バックライト5の照射面13の外側にダイレクト型バックライト6のダイレクト側LED10が配置されており、これによりエッジ型バックライト5の照射面13とダイレクト型バックライト6のダイレクト側LED10とが正面視で隣り合う構成となっている。
【0019】
図1、2で示すようにダイレクト側LED10は、上下方向および左右方向に沿ってマトリックス状に並んで配置されている。ただし照射面13に対応する位置にはダイレクト側LED10は配置されていない。以下ではマトリックス状に配置されたダイレクト側LED10について、左右方向に並ぶ1行分の配列を「行」と定義し、上から順に「第1行LED、第2行LED・・・」のように表現する。また上下方向に並ぶ1列分の配列を「列」と定義し、左から順に「第1列LED、第2列LED・・・」のように表現する。上述したように各行、各列において照射面13に対応する位置にはダイレクト側LED10は配置されていない。
【0020】
図1で示すように左側照射面13Lの上方には第2行LEDが設けられている。そして第2行LEDは左側照射面13Lの上辺18(
図1)の上側で、この上辺18と正面視で隣り合うように設けられており、左側照射面13Lの上辺18の全域に沿って第2行LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。右側照射面13Rについても、その上辺19(
図1)の全域に沿って第2行LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。
図1で示すように左側照射面13Lの左方には第2列LEDが設けられている。そして第2列LEDは左側照射面13Lの左辺20(
図1)の左側で、この左辺20と正面視で隣り合うように設けられており、左側照射面13Lの左辺20の全域に沿って第2列LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。右側照射面13Rについても、その左辺21(
図1)の全域に沿って第14列LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。
【0021】
図1で示すように左側照射面13Lの下方には第7行LEDが設けられている。そして第7行LEDは左側照射面13Lの下辺22(
図1)の下側で、この下辺22と正面視で隣り合うように設けられており、左側照射面13Lの下辺22の全域に沿って第7行LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。右側照射面13Rについても、その下辺23(
図1)の全域に沿って第7行LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。
図1で示すように左側照射面13Lの右方には第13列LEDが設けられている。そして第13列LEDは左側照射面13Lの右辺24(
図1)の右側で、この右辺24と正面視で隣り合うように設けられており、左側照射面13Lの右辺24の全域に沿って第13列LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。右側照射面13Rについても、その右辺25(
図1)の全域に沿って第25列LEDを構成するダイレクト側LED10が連続して並べて配置されている。
【0022】
図3で示すようにダイレクト側LED10のそれぞれは、ダイレクト側LED10の後側に設けられた基板15に実装されている。そして
図1~3で示すようにダイレクト側LED10のそれぞれに対応して、ダイレクト側リフレクタ17が設けられている。ダイレクト側リフレクタ17は、その底部27(
図3)に孔部28(
図3)が形成されると共に、底部27から前方に向かうに従って断面積が大きくなるように開口した開口部29が形成されている。
図3で示すように開口部29の形状(開口部29を物体で埋めたときの、その物体の形状)は、本実施形態では略四角錐形状であるが、これに限られず円錐形状や回転放物面形状であってもよい。ダイレクト側リフレクタ17の底部27は基板に接しており、底部27の孔部28にはダイレクト側LED10が貫通し、ダイレクト側LED10が孔部28を介して開口部29に進入している。
【0023】
図1、2、3で示すようにダイレクト側リフレクタ17のそれぞれは、開口部29の最前面開口が同一平面上で連続するように隙間なく並べて配置されている。ダイレクト側リフレクタ17は、ダイレクト側LED10が出力する光が、前方から傾いた向きに発散することを抑制し、前方に向かって効率的に光が投射されるようにダイレクト側LED10が出力する光を反射させる部材である。ダイレクト型バックライト6に関して、バックライト正面領域12(
図1)のうち照射面13を除いた領域が、ダイレクト型バックライト6のダイレクト側LED10が配置され、ダイレクト側LED10により光が照射される領域である。
【0024】
図3で示すように導光板9において照射面13に対応する領域の全域には、ルーバフィルムユニット4が設けられている。つまりルーバフィルムユニット4は、左側照射面13Lの全域および右側照射面13Rの全域に設けられている。ルーバフィルムユニット4の構造および機能については後に詳述する。
図3で示すようにバックライト1は、筐体2に取り付けられると共に、この筐体2に液晶パネル3が取り付けられ、これにより液晶表示装置8が構成される。
【0025】
以上の通り本実施形態に係るバックライト1は、エッジ型バックライト5とダイレクト型バックライト6とが組み合わせて用いられて構成されており、更にエッジ型バックライト5に係る照射面13の外側に、ダイレクト型バックライト6に係るダイレクト側LED10が配置され、これによりエッジ型バックライト5の照射面13と、ダイレクト側LED10とが正面視で隣り合う構造となっている。そして発明者らは、このような構造において以下のような現象が生じることを見出した。
【0026】
図4は上記現象を説明するために、
図3で示すバックライト1からルーバフィルムユニット4を取り除いた様子を示す図である。上述したようにエッジ型バックライト5は導光板9から光を照射するが、導光板9から照射される光は、導光板9の法線方向(本実施形態では前後方向に対応)に対する指向性(直進性)が弱く、当該法線方向に対して相当に傾いた向きについても、十分に強い強度を持つという特徴がある。
【0027】
図5は、導光板9から照射される光の水平面における角度分布について単純化して示す図である。
図5において角度0°は導光板9の法線方向を示す。
図5で示すようにプラス側の角度について、角度が大きくなるにつれて(角度0°から離れるにつれて)強度が大きくなっていっており、角度30°や角度50°といった角度においても角度0°の強度と比較して十分に強い強度となっていることが分かる。同様に
図5で示すようにマイナス側の角度について、角度が小さくなるにつれて(角度0°から離れるにつれて)強度が大きくなっていっており、角度-30°や角度-50°といった角度においても角度0°の強度と比して十分に強い強度となっていることが分かる。このようにエッジ型バックライト5の導光板9から照射される光は、直進性が弱く、照射面13の外側に向かって強い強度で発散するという性質がある。
【0028】
このため
図4で示すバックライト1(ルーバフィルムユニット4がないバックライト1)のエッジ型バックライト5を駆動した場合、導光板9の外側に向かって光が発散することになる。そして
図4の太い線の矢印で示すように導光板9の外側に向かって発散した光の一部は液晶パネル3に反射してダイレクト側LED10のダイレクト側リフレクタ17側に照射される。ダイレクト側リフレクタ17に照射された光は、ダイレクト側リフレクタ17内で更に反射して液晶パネル3側に照射され、その一部は再び液晶パネル3で反射する。このように照射面13の外側へ光が発散し、更に外側で乱反射する結果、照射面13の外側のダイレクト側LED10が配置された場所が明るくなるという現象が発生する。以下の説明ではダイレクト側LED10が配置された場所を「ダイレクト側LED配置場所」という場合がある。
【0029】
図6は、
図4のバックライト1(ルーバフィルムユニット4がないバックライト1)のエッジ型バックライト5を駆動する一方、ダイレクト型バックライト6を駆動していない(全てのダイレクト側LED10を発光させていない)状態の液晶表示装置8の一部を正面から見た様子を示す図である。
図6の破線は、照射面13の境界を示している。
図4のバックライト1においてエッジ型バックライト5のみを駆動した場合、照射面13の外側に対して光が発散し、照射面13の外側のダイレクト側LED10が配置された場所が明るくなることが
図6から分かる。
【0030】
ここでダイレクト型バックライト6は、ローカルディミングを行う機能を有している。周知の通りローカルディミングとは、液晶パネル3に表示された映像との関係で、必要なダイレクト側LED10を発光させる一方、不要なダイレクト側LED10を消光し、これにより表示上のコントラストを高めるものである。従って高コントラストという目的を達成するために、あるダイレクト側LED10が消光しているときは、そのダイレクト側LED10が配置された領域は、暗いことが求められる。一方で
図4のバックライト1(ルーバフィルムユニット4がないバックライト1)では、エッジ型バックライト5の照射面13から照射された光に起因して、照射面13の周囲に存在するダイレクト側LED配置場所が明るくなってしまい、上記要求が満たされないことになる。
【0031】
以上のように発明者らは、エッジ型バックライトの導光板9から照射される光は直進性が弱く、照射面13の外側に強い強度で発散するため、エッジ型バックライト5の照射面13の外側にダイレクト型バックライト6のダイレクト側LED10を配置すると、エッジ型バックライト5が照射する光が、ダイレクト型バックライト6の配置場所に拡散し、悪影響を与えることを見出した。
【0032】
以上を踏まえ、本実施形態に係るバックライト1は以下の構造的特徴を有する。すなわち
図1、3で示すように、バックライト1において導光板9の前面の「照射面13に対応する領域」の全域に、ルーバフィルムユニット4が設けられている。ルーバフィルムユニット4は、2枚のルーバフィルム4U、4Dを、各ルーバフィルム4U、4Dのルーバが直交するように積層させたものである。なお
図3では説明の便宜のため、ルーバフィルムユニット4(およびルーバフィルムユニット4を構成する2枚のルーバフィルム4U、4D)について誇張して描画しているが、ルーバフィルムユニット4は実際にはより薄い部材である。
【0033】
ルーバフィルム4Uは、ルーバフィルム4Uの法線方向の光およびルーバに対して平行な方向の光を透過し、それ以外の方向の光を遮断する特性を持つ。ルーバフィルム4Dについても同様である。そしてルーバフィルムユニット4は、2枚のルーバフィルム4U、4Dが、互いのルーバが直交するように積層されたものであるため、ルーバフィルムユニット4の法線方向の光を透過し、それ以外の方向の光を遮断する特性を持つ。このような特性を持つルーバフィルムユニット4が、導光板9の前面の「照射面13に対応する領域」の全域に設けられることにより、導光板9から照射された光のうち、照射面13の法線方向の成分の光がルーバフィルムユニット4を通過し、それ以外の方向の成分の光が遮断される。
【0034】
以上の構造的特徴により、導光板9から照射された光が照射面13の外側に発散し、照射面13の周囲に広がることが抑制される。これにより導光板9から照射された光が照射面13の周囲のダイレクト側LED配置場所にまで広がることが抑制され、エッジ型バックライト5が照射する光による悪影響が抑制される。
【0035】
ここで本実施形態ではルーバフィルムユニット4は、導光板9の前面の「照射面13に対応する領域」の全域に設けられている。このため、照射面13に対応する領域内に、ルーバフィルムユニット4が設けられている場所と、設けられていない場所が混在する場合と比較して、照射面13から照射される光にムラが発生することが抑制されている。
【0036】
なおルーバフィルムユニット4は、導光板9の前面の「照射面13に対応する領域」の全域に設けられている。従ってルーバフィルムユニット4が設けられた領域には、照射面13の外縁のうち、ダイレクト側LED配置場所に対応する外縁の内側の領域が含まれている。ルーバフィルムユニット4は、導光板9から照射された光の成分のうちダイレクト側LED配置場所へ向かう光の成分を低減する状態で設けられている。
【0037】
<第1実施形態の第1変形例>
次に第1実施形態の第1変形例について説明する。第1実施形態では、導光板9の前面の「照射面13に対応する領域」の全域にルーバフィルムユニット4が設けられている構成であった。この点に関し、照射面13に対応する領域の全域ではなく、領域の一部に設けられる構成でもよい。以下、左側照射面13Lを例にして説明する。
図7は左側照射面13Lを示す図である。例えば
図7で示すように、左側照射面13Lのうち上辺18の内側の一定の領域18A、左辺20の内側の一定の領域20A、下辺22の内側の一定の領域22Aおよび右辺24の内側の一定の領域24Aにルーバフィルムユニット4が設けられる構成でもよい。
【0038】
この構成において、例えば左側照射面13Lの上部の領域18Aに着目すると、領域18Aに設けられたルーバフィルムユニット4の機能により、上辺18の上側のダイレクト側LED配置場所に導光板9から照射された光が広がるのが抑制されることになる。すなわちルーバフィルムユニット4は、導光板9から照射された光の成分のうち、ダイレクト側LED配置場所へ向かう光の成分が低減されるような態様で、照射面13の外縁のうちダイレクト側LED配置場所に対応する外縁の内側に設けられていればよい。以上のことは、ルーバフィルムユニット4に代えて、後述するルーバフィルム31或いは格子ルーバフィルム32を用いる場合も同様である。ただし上述したように照射面13の全域にルーバフィルムユニット4を設けた方が、照射面13から照射される光にムラがなく、その点で利点がある。
【0039】
<第1実施形態の第2変形例>
次に第1実施形態の第2変形例について説明する。
図8は、第1実施形態の第2変形例に係る液晶表示装置8-2および液晶表示装置8-2に搭載されたバックライト1-2の断面図である。
図8は
図3に対応する図であり、
図8と
図3との相違は、ルーバフィルムユニット4に代えて格子ルーバフィルム32(後述)が設けられている点のみである。第1実施形態では、バックライト1にルーバフィルムユニット4が設けられる構成であった。この点に関し
図8で示すようにルーバフィルムユニット4に代えて、ルーバが格子状に配置された格子ルーバフィルム32(調整部材)が設けられる構成でもよい。ルーバフィルムユニット4と格子ルーバフィルム32とは同等の機能を有するからである。
【0040】
<第1実施形態の第3変形例>
次に第1実施形態の第3変形例について説明する。第1実施形態では、バックライト1にルーバフィルムユニット4が設けられる構成であった。この点に関し、以下の構成でもよい。
図9(A)は、第1実施形態の第3変形例に係るバックライト1-31の一例を示す図である。
図9(A)では、第1実施形態で説明した要素と同一の機能をもつ要素については同一の符号を付している。
図9(A)のバックライト1-31は、照射面13の対向する2辺(
図9(A)の例では左辺33および右辺34)の外側にダイレクト側LED10が設けらている一方、上辺35の外側および下辺36の外側にはダイレクト側LED10が設けられていない。
【0041】
このような構成の場合には、ルーバフィルムユニット4に代えて1枚のルーバフィルム31(調整部材)をバックライト1-31に設ける構成でもよい。この場合、ルーバフィルム31は、ダイレクト側LED10が設けられた領域に対応する辺(
図9(A)の例では左辺33および右辺34)と平行にルーバが延在するような状態で、導光板9に取り付けられる。この構成においても、ルーバフィルム31の機能により、導光板9から照射された光が左辺33の左側および右辺34の右側のダイレクト側LED配置場所に広がるのを抑制することができる。
【0042】
また以下の構成でもよい。
図9(B)は、第1実施形態の第3変形例に係るバックライト1-32の一例を示す図である。
図9(B)では、第1実施形態で説明した要素と同一の機能をもつ要素については同一の符号を付している。
図9(B)で示すように、照射面13の1辺(
図9(B)の例では左辺30)の外側にダイレクト側LED10が設けられている場合には、ルーバフィルムユニット4に代えて1枚のルーバフィルム31(調整部材)をバックライト1-32に設ける構成でもよい。この場合、ルーバフィルム31は、ダイレクト側LED10が設けられた領域に対応する辺(
図9(B)の例では左辺30)と平行にルーバが延在するような状態で、導光板9に取り付けられる。
【0043】
<第2実施形態>
次に第2実施形態について説明する。以下の第2実施形態の説明では、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その説明を省略する。
図10は本実施形態に係る液晶表示装置8Aおよび液晶表示装置8Aに搭載されたバックライト1Aの断面図であり、その断面位置は
図3のA-A断面に対応する。
図10と
図3との比較で明らかな通り、本実施形態に係るバックライト1Aは、ルーバフィルムユニット4が設けられておらず、代わりに格子ルーバ部材37が設けられている点で第1実施形態に係るバックライト1と構成が異なっている。
【0044】
図11は、格子ルーバ部材37の一部の斜視図である。格子ルーバ部材37は、板状部材38が格子状に配置された部材である。板状部材38の前後方向の厚み(
図10も併せて参照)は、ルーバフィルムユニット4の厚みよりも遥かに大きく、例えばダイレクト側リフレクタ17の前後方向の幅と同程度の大きさである。
図11で示すように格子ルーバ部材37には、板状部材38が格子状に配置されていることにより、前後方向に貫通した貫通部39がマトリックス状に形成されている。
【0045】
本実施形態において、導光板9から照射された光は、格子ルーバ部材37の貫通部39を通って液晶パネル3へ向かう。その際、貫通部39の側面を構成する板状部材38によって、照射面13の法線方向に対して一定以上傾いた光の成分が低減される。この結果、格子ルーバ部材37を通過した光は、直進性を得て、照射面13の周囲に広がることが抑制される。これにより導光板9から照射された光が照射面13の周囲のダイレクト側LED配置場所にまで広がることが抑制され、エッジ型バックライト5が照射する光が与える悪影響が抑制される。
【0046】
<第2実施形態の第1変形例>
次に第2実施形態の第1変形例について説明する。第2実施形態では、導光板9の前面の照射面13に対応する領域の全域に格子ルーバ部材37が設けられる構成であった。この点に関し、第1実施形態の第1変形例と同様、照射面13に対応する領域の全域ではなく、当該領域の一部に設けられる構成でもよい。例えば
図7で示した領域18A、20A、22A、24Aのそれぞれに格子ルーバ部材37を設ける構成でもよい。すなわち格子ルーバ部材37は、導光板9から照射された光の成分のうち、ダイレクト側LED配置場所へ向かう光の成分が低減されるような態様で、照射面13の外縁のうちダイレクト側LED配置場所に対応する外縁の内側に設けられていればよい。以上のことは、格子ルーバ部材37に代えて、後述するルーバ部材44或いはルーバ要素ユニット41をバックライト1Aに設ける場合も同様である。
【0047】
<第2実施形態の第2変形例>
次に第2実施形態の第2変形例について説明する。第2実施形態では、バックライト1Aに格子ルーバ部材37が設けられる構成であった。この点に関し格子ルーバ部材37に代えて、ルーバ要素ユニット41(調整部材)が設けられる構成でもよい。
【0048】
図12は、ルーバ要素ユニット41の一部の斜視図である。
図12で示すようにルーバ要素ユニット41は、第1ルーバ要素41Uと第2ルーバ要素41Dとの2つのルーバ要素を備えている。第1ルーバ要素41Uは、板状部材42が間隔をあけて平行に並べられて構成されている。同様に第2ルーバ要素41Dは、板状部材43が間隔をあけて平行に並べられて構成されている。ルーバ要素ユニット41は、第1ルーバ要素41Uの板状部材42と、第2ルーバ要素41Dの板状部材43とが直交するように重ねられることによって構成されている。格子ルーバ部材37とルーバ要素ユニット41とは同一の機能を持つため、ルーバ要素ユニット41を設けることによって、第2実施形態と同様の効果を奏する。
【0049】
<第2実施形態の第3変形例>
第2実施形態では、バックライト1Aに格子ルーバ部材37が設けられる構成であった。この点に関し、バックライト1Aの構成が
図9(A)で示すバックライト1-31と同等の構成である場合には、格子ルーバ部材37に代えて、1個のルーバ部材44(調整部材)をバックライト1に設ける構成でもよい。
図13は、ルーバ部材44の斜視図を示している。
図13で示すように、ルーバ部材44は、板状部材45が間隔をあけて平行に並べられて構成されている。
【0050】
この場合、ルーバ部材44は、ダイレクト側LED10が設けられた領域に対応する辺(
図9(A)の例では左辺33および右辺34)と平行に板状部材45が延在するような状態で、導光板9に取り付けられる。この構成においても、ルーバ部材44の機能により、導光板9から照射された光が左辺33の左側および右辺34の右側のダイレクト側LED配置場所に広がるのを抑制することができる。
【0051】
またバックライト1Aの構成が
図9(B)で示すバックライト1と同等の構成である場合には、格子ルーバ部材37に代えて、1個のルーバ部材44(調整部材)をバックライト1-32に設ける構成でもよい。この場合、ルーバ部材44は、ダイレクト側LED10が設けられた領域に対応する辺(
図9(B)の例では左辺30)と平行に板状部材45が延在するような状態で、導光板9に取り付けられる。
【0052】
<第3実施形態>
次に第3実施形態について説明する。以下の第3実施形態(第3実施形態の変形例を含む)の説明では、第1実施形態と同一の要素については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14は本実施形態に係るバックライト1Bの正面図である。
図15は、本実施形態に係るバックライト1Bが搭載された液晶表示装置8Bの断面図である。
図15は、
図14のB-B断面に対応する断面で液晶表示装置8Bを切断した様子を示している。
【0053】
本実施形態に係るバックライト1Bは、エッジ型バックライト5Bと、ダイレクト型バックライト6とを備えている。
図15で示すようにバックライト1Bにおいて、導光板9Bの前面の前方であって、照射面13に対応する領域は、照射面13に沿って延在する薄い反射部材48が設けられている。反射部材48は照射面13の全域に亘って延在している。この反射部材48には、複数のエッジ側リフレクタ46(特許請求の範囲の「リフレクタ」に相当)が設けられている。エッジ側リフレクタ46の形状は、第1実施形態で説明したダイレクト側リフレクタ17とほぼ同一であり、底部49(
図15)に孔部50(
図15)が形成されると共に、底部49から前方に向かうに従って断面積が大きくなるように開口した開口部51が形成されている。
【0054】
図14、15(特に
図15)で示すように開口部51の形状(開口部51を物体で埋めたときの、その物体の形状)は、本実施形態では略四角錐形状であるが、開口部51の形状は本実施形態で例示する形状に限られない。開口部51の形状は、例えば円錐形状や回転放物面形状であってもよい。エッジ側リフレクタ46の底部49の後面は、導光板9Bの前面に対向した状態で接している。エッジ側リフレクタ46の底部49の中央部には、底部49を前後方向に貫通する孔部50が形成されている。
図14、15で示すように複数のエッジ側リフレクタ46は、開口部51の最前面開口が同一平面上で連続するように並べて配置されている。本実施形態では、エッジ側リフレクタ46が配置された領域が、エッジ型バックライト5Bの照射面13に相当する。
図14では、分かりやすさのため、照射面13を薄く塗りつぶしてしる。
【0055】
個々のエッジ側リフレクタ46において、底部49の孔部50には、導光板9Bの突起部分52が挿入されており、突起部分52の一部が開口部51内に進入している。
図16は、本実施形態に係る導光板9Bについて説明に適した態様で単純化して示す図である。
図16は、導光板9Bに形成された突起部分52を説明することを目的とした図であり、他の図面との間での部材の縮尺(部材そのものの縮尺だけではなく、位置関係等の縮尺も含む)の整合は無視している。
図16で示すように、導光板9Bには一定のピッチでマトリックス状に突起部分52が設けられている(
図14も併せて参照)。エッジ側リフレクタ46のそれぞれは、その底部49の孔部50に突起部分52が嵌合されるように設けられる。逆に言えば、突起部分52は、エッジ側リフレクタ46のそれぞれの孔部50に対応する位置に設けられる。
【0056】
突起部分52は、導光板9Bの前面53(
図15、16)から前方に向かって一定距離だけ突起した部材(部分)である。導光板9Bにおいてベースとなる板状の部分54(以下「ベース部分54」という)と突起部分52とは一体成型されており、従ってベース部分54と突起部分52とは同じ材質である。このためエッジ側LED7が出力した光は、ベース部分54で拡散すると共に、その一部は突起部分52に導かれ、突起部分52内で更に拡散し、突起部分52から照射されて、開口部51に導かれる。
【0057】
反射部材48の後面55(導光板9Bの前面53に対向する面)(
図15)は、鏡面となっており、入射してきた光を反射する機能を有する。つまり導光板9Bの前面53に、反射部材48の後面55の鏡面が対向している。このため導光板9Bにから、反射部材48の後面55に照射された光は、後面55の鏡面に反射して導光板9Bに戻される。反射部材48は、エッジ側リフレクタ46の孔部50を避けた領域に設けられた部材であって、導光板9Bが照射する光を反射して導光板9Bに戻す機能を有する部材である。
【0058】
本実施形態に係るバックライト1Bは、以上の構造的特徴の下、エッジ型バックライト5Bから以下の態様で光を照射し、また、その構造的特徴に由来して以下の効果を奏する。すなわちエッジ側LED7が出力した光は、導光板9Bに導かれ、導光板9B内で拡散する。導光板9B内で拡散した光の一部は、ベース部分54と同一部材で一体的に形成された突起部分52に進入し、突起部分52においても拡散される。そして突起部分52内で拡散した光は、突起部分52から照射される。
【0059】
突起部分52から照射された光は、エッジ側リフレクタ46の機能により、前方(照射面13の法線方向に対応する向き)に対して傾いた向きに発散することが抑制され、前方に向かってある程度の直進性を持って照射される。つまり導光板9Bから照射された光の成分のうち、法線方向から傾いた向きに向かう成分が抑制された状態となる。この結果、導光板9Bの突起部分52から照射された光が照射面13の外側に発散し、照射面13の周囲に広がることが抑制される。これにより導光板9Bから照射された光が照射面13の周囲のダイレクト側LED配置場所にまで広がることが抑制され、エッジ型バックライト5Bが照射する光が与える悪影響が抑制される。
【0060】
更に本実施形態では、反射部材48の後面55が鏡面となっており、導光板9Bから、反射部材48に向かって照射された光は、反射部材48の後面55の鏡面に反射して導光板9B側に戻される。このため、このような構成でない場合と比較して、エッジ型バックライト5Bにおける光の損失が少なく、光の効率的利用および省電力化が実現されている。
【0061】
<第3実施形態の第1変形例>
次に第3実施形態の第1変形例について説明する。第3実施形態では、導光板9Bの前面53の照射面13に対応する領域の全域にエッジ側リフレクタ46が設けられている構成であった。この点に関し、第1実施形態の第1変形例と同様、照射面13に対応する領域の全域ではなく、当該領域の一部に設けられる構成でもよい。この場合、導光板9Bの前面53においてエッジ側リフレクタ46が存在しない領域には、突起部分52が形成されない。例えば
図7で示した領域18A、20A、22A、24Aにエッジ側リフレクタ46を設ける構成でもよい。すなわちエッジ側リフレクタ46は、その底部49が導光板9Bに対向し、底部49の孔部50を介して導光板9Bが照射する光がエッジ側リフレクタ46の開口部51に導かれ、かつ導光板9Bから照射された光の成分のうちダイレクト側LED配置場所へ向かう光の成分がエッジ側リフレクタ46によって低減される状態で設けられていればよい。
【0062】
<第3実施形態の第2変形例>
次に第3実施形態の第2変形例について説明する。
図17は、第3実施形態の第2変形例に係る液晶表示装置8B-2の断面図である。第3実施形態では、導光板9Bに突起部分52が設けられた構成であった。一方で、
図17で示すように、導光板9B-2に突起部分52がない構成でもよい。ただしエッジ側リフレクタ46の開口部51に、導光板9に導入された光を効率的に導くという観点からは、突起部分52があった方がよい。
【0063】
<第3実施形態の第3変形例>
次に第3実施形態の第3変形例について説明する。第3実施形態では、反射部材48の後面55が鏡面であったが、これを鏡面としない構成でもよい。ただし、光の損失を低減するという観点からは、第3実施形態の構成の方がよい。
【0064】
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記各実施形態(変形例を含む)は本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0065】
例えば第1実施形態(変形例を含む)で例示したバックライト1の具体的な物理的構造は、あくまで一例である。例えば、バックライト正面領域12に対する照射面13や導光板9の大きさや位置、ダイレクト側リフレクタ17の具体的な形状、各種LEDの具体的な配置場所、個数等は、第1実施形態で例示したものに限定さない。以上の点は第1実施形態以外の実施形態(変形例を含む)についても同様である。
【符号の説明】
【0066】
1、1A バックライト
4 ルーバフィルムユニット(調整部材)
4U、4D ルーバフィルム
5、5B エッジ型バックライト
6 ダイレクト型バックライト
7 エッジ側LED
9、9B、9B-2 導光板
10 ダイレクト側LED
13 照射面
13L 左側照射面(照射面)
13R 右側照射面(照射面)
31 ルーバフィルム(調整部材)
32格子ルーバフィルム(調整部材)
37 格子ルーバ部材(調整部材)
38、42、43 板状部材
41 ルーバ要素ユニット(調整部材)
41U 第1ルーバ要素(ルーバ要素)
41D 第2ルーバ要素(ルーバ要素)
44 ルーバ部材44(調整部材)
46 エッジ側リフレクタ(リフレクタ)
48 反射部材
49 底部
50 孔部
51 開口部
52 突起部分