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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087317
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】組立体用支柱及び組立体
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/14 20060101AFI20230616BHJP
   A47B 31/00 20060101ALI20230616BHJP
   F16B 12/44 20060101ALI20230616BHJP
   F16B 7/14 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A47B96/14 F
A47B31/00 Z
F16B12/44 Z
F16B7/14 M
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201631
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】394016874
【氏名又は名称】河淳株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002538
【氏名又は名称】弁理士法人あしたば国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 暁彦
【テーマコード(参考)】
3J024
3J039
【Fターム(参考)】
3J024AA04
3J024BB06
3J024CA16
3J039AA07
3J039AB02
3J039BB02
3J039JA16
(57)【要約】
【課題】長さを変更可能で安定性に優れた組立体用支柱及び組立体を提供する。
【解決手段】組立体用支柱は、先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有する第1支柱部材と、先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有し、前記第1支柱部材の前記L字形の内面に適合する外面を有する第2支柱部材と、を備える。前記第1支柱部材の前記L字形のコーナー内面に、複数の第1係合部が長手方向に所定間隔で設けられており、前記第2支柱部材の前記L字形のコーナー外面に、前記第1係合部と係合可能な複数の第2係合部が長手方向に所定間隔で設けられている。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有する第1支柱部材と、
先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有し、前記第1支柱部材の前記L字形の内面に略適合する外面を有する第2支柱部材と、
を備え、
前記第1支柱部材の前記L字形のコーナー内面に、複数の第1係合部が長手方向に所定間隔で設けられており、
前記第2支柱部材の前記L字形のコーナー外面に、前記第1係合部と係合可能な複数の第2係合部が長手方向に所定間隔で設けられている、組立体用支柱。
【請求項2】
前記第1係合部は、前記内面から延びた第1延伸部と、前記第1延伸部から前記第1延伸部とは異なる方向に延びた第2延伸部とを有し、
前記第2係合部は、前記外面から延びた第3延伸部と、前記第3延伸部から前記第1延伸部とは異なる方向に延びた第4延伸部とを有し、
前記第1係合部及び前記第2係合部は、互いに略適合する形状である、請求項1に記載の組立体用支柱。
【請求項3】
前記第1延伸部は、前記内面から略水平に延びた第1水平延伸部であり、
前記第2延伸部は、前記第1水平延伸部から略鉛直に延びた第1鉛直延伸部であり、
前記第3延伸部は、前記外面から略水平に延びた第2水平延伸部であり、
前記第4延伸部は、前記第2水平延伸部から略鉛直に延びた第2鉛直延伸部である、請求項2に記載の組立体用支柱。
【請求項4】
前記第2延伸部と前記第4延伸部との一方には、突起部が設けられ、
前記第2延伸部と前記第4延伸部との他方には、前記突起部に嵌合する溝部が設けられている、請求項2又は3に記載の組立体用支柱。
【請求項5】
前記第1支柱部材の前記L字形の前記コーナー内面と前記第2支柱部材の前記L字形の前記コーナー外面との一方に設けられた少なくとも1つの規制部と、
前記第1支柱部材の前記L字形の前記コーナー内面と前記第2支柱部材の前記L字形の前記コーナー外面との他方に設けられ、前記規制部を受ける複数の規制受け部と、
を備える、請求項1~4のいずれか1項に記載の組立体用支柱。
【請求項6】
前記規制部は、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との一方の基端側に配置された凸部であり、
前記規制受け部は、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との他方の基端側から中央部にかけて配置された凹部である、請求項5に記載の組立体用支柱。
【請求項7】
前記規制部と前記規制受け部とが係合した状態で、複数の前記第1係合部及び前記第2係合部がそれぞれ係合している、請求項5又は6に記載の組立体用支柱。
【請求項8】
請求項1~7のいずれか1項に記載の組立体用支柱と、
前記組立体用支柱の先端に連結された第1載置部と、
前記組立体用支柱の基端に連結された第2載置部と、
を有する、組立体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、組立体用支柱及び組立体に関する。
【背景技術】
【0002】
載置部と支柱部とを組み付けて形成する組立式収納体が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-52457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の組立式収納体では、支柱形成係合部に連結する支柱形成部材の数を変更することで支柱部の長さ、つまり載置部間の高さ方向の間隔を変更可能である。支柱形成部材の数を変更する以外の方法でも支柱部の長さを変更可能であれば便利である。また、支柱部が複数の部材からなる場合、部材同士がずれたりがたついたりしないことが望まれる。
【0005】
そこで、本発明の目的は、長さを変更可能で安定性に優れた組立体用支柱及び組立体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題は、以下の本発明により解決される。すなわち、本発明(1)は、
先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有する第1支柱部材と、
先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有し、前記第1支柱部材の前記L字形の内面に略適合する外面を有する第2支柱部材と、
を備え、
前記第1支柱部材の前記L字形のコーナー内面に、複数の第1係合部が長手方向に所定間隔で設けられており、
前記第2支柱部材の前記L字形のコーナー外面に、前記第1係合部と係合可能な複数の第2係合部が長手方向に所定間隔で設けられている、組立体用支柱である。
【0007】
本発明(2)は、前記第1係合部は、前記内面から延びた第1延伸部と、前記第1延伸部から前記第1延伸部とは異なる方向に延びた第2延伸部とを有し、前記第2係合部は、前記外面から延びた第3延伸部と、前記第3延伸部から前記第1延伸部とは異なる方向に延びた第4延伸部とを有し、前記第1係合部及び前記第2係合部は、互いに略適合する形状である、(1)に記載の組立体用支柱である。
【0008】
本発明(3)は、前記第1延伸部は、前記内面から略水平に延びた第1水平延伸部であり、前記第2延伸部は、前記第1水平延伸部から略鉛直に延びた第1鉛直延伸部であり、前記第3延伸部は、前記外面から略水平に延びた第2水平延伸部であり、前記第4延伸部は、前記第2水平延伸部から略鉛直に延びた第2鉛直延伸部である、(2)に記載の組立体用支柱である。
【0009】
本発明(4)は、前記第2延伸部と前記第4延伸部との一方には、突起部が設けられ、前記第2延伸部と前記第4延伸部との他方には、前記突起部に嵌合する溝部が設けられている、(2)又は(3)に記載の組立体用支柱である。
【0010】
本発明(5)は、前記第1支柱部材の前記L字形の前記コーナー内面と前記第2支柱部材の前記L字形の前記コーナー外面との一方に設けられた少なくとも1つの規制部と、前記第1支柱部材の前記L字形の前記コーナー内面と前記第2支柱部材の前記L字形の前記コーナー外面との他方に設けられ、前記規制部を受ける複数の規制受け部と、を備える、(1)~(4)のいずれか1に記載の組立体用支柱である。
【0011】
本発明(6)は、前記規制部は、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との一方の基端側に配置された凸部であり、前記規制受け部は、前記第1支柱部材と前記第2支柱部材との他方の基端側から中央部にかけて配置された凹部である、(5)に記載の組立体用支柱である。
【0012】
本発明(7)は、前記規制部と前記規制受け部とが係合した状態で、複数の前記第1係合部及び前記第2係合部がそれぞれ係合している、(5)又は(6)に記載の組立体用支柱である。
【0013】
本発明(8)は、(1)~(7)のいずれか1に記載の組立体用支柱と、前記第1支柱部材の先端に連結された第1載置部と、前記第2支柱部材の基端に連結された第2載置部と、を有する、組立体である。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、長さを変更可能で安定性に優れた組立体用支柱及び組立体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、組立体用支柱を含むラックの一例を示す斜視図である。
図2図2は、組立体用支柱を含むラックの一例を示す斜視図である。
図3図3は、組立体用支柱を含むラックの一例を示す斜視図である。
図4図4は、第1載置部と組立体用支柱との一例を示す斜視図である。
図5図5は、第1載置部と組立体用支柱との連結箇所を示す拡大図である。
図6図6は、組立体用支柱と第2載置部とキャスター部との一例を示す斜視図である。
図7図7は、組立体用支柱と第2載置部との連結箇所を示す拡大図である。
図8図8は、第1支柱部材を示す正面図である。
図9図9は、第1支柱部材を示す側面図である。
図10図10は、第1支柱部材を示す平面図である。
図11図11は、第1支柱部材を示す底面図である。
図12図12は、第1支柱部材の図10のA-A線の断面図である。
図13図13は、第1支柱部材を示す斜視図である。
図14図14は、第1支柱部材を示す斜視図である。
図15図15は、第1支柱部材を示す斜視図である。
図16図16は、第2支柱部材を示す正面図である。
図17図17は、第2支柱部材を示す側面図である。
図18図18は、第2支柱部材を示す平面図である。
図19図19は、第2支柱部材の図18のB-B線の断面図である。
図20図20は、第2支柱部材を示す斜視図である。
図21図21は、第2支柱部材を示す斜視図である。
図22図22は、第2支柱部材を示す斜視図である。
図23図23は、組立体用支柱を最も短くした状態における正面図である。
図24図24は、組立体用支柱を最も短くした状態における側面図である。
図25図25は、組立体用支柱を最も短くした状態における平面図である。
図26図26は、組立体用支柱を最も短くした状態における底面図である。
図27図27は、組立体用支柱を最も短くした状態の図25のC-C線の断面図である。
図28図28は、第1支柱部材の第1係合部と第2支柱部材の第2係合部との係合箇所を示す拡大断面図である。
図29図29は、組立体用支柱を最も短くした状態における斜視図である。
図30図30は、組立体用支柱を最も短くした状態における斜視図である。
図31図31は、組立体用支柱を最も短くした状態における斜視図である。
図32図32は、組立体用支柱を最も長くした状態における正面図である。
図33図33は、組立体用支柱を最も長くした状態における側面図である。
図34図34は、組立体用支柱を最も長くした状態の図25のC-C線の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して本発明の実施形態に係る組立体用支柱について説明する。本実施形態に係る組立体用支柱は、L字形の断面形状を有する2つの支柱部材からなる。2つの支柱部材は、L字形のコーナー部に複数の係合部を有し、係合箇所を変えることで支柱の長さを変更可能である。コーナー部に係合部があることで、2つの支柱部材がずれにくく、がたつきにくい。
【0017】
図1図3は、本発明の実施形態に係る組立体用支柱1を含む組立体であるラック2の一例を示す斜視図である。ラック2は、載置部10と、キャスター部30と、組立体用支柱1(以下、単に支柱1とも称する)とを有している。
【0018】
載置部10は、物品を載置可能なトレイである。載置部10は、例えば樹脂製である。本実施形態では、載置部10は、第1載置部11と、第2載置部12とを有する。第1載置部11と第2載置部12の構成は同様であるため、ここでは第1載置部11の構成について説明し、第2載置部12の構成についての説明を省略する。
【0019】
第1載置部11は、表側13に、底壁14と周壁15とからなる矩形の収容部16を備える。収容部16の四隅には、支柱1を連結可能な上側開口部17がそれぞれ設けられている。上側開口部17は、支柱1の先端及び基端と略適合する形状を有する。また、第1載置部11の裏側18の四隅には、支柱1を連結可能な下側開口部19が設けられている。下側開口部19は、支柱1の先端及び基端と略適合する形状を有する。さらに、第1載置部11の裏側には、下側開口部19に隣接して、キャスター部30を取り付け可能な取付け部21が設けられている。取付け部21は、キャスター部30のシャフトと略適合する形状を有する。
【0020】
本実施形態では、図4及び図5に示すように、第1載置部11の下側開口部19には支柱1の先端が連結されている。また、図6及び図7に示すように、第2載置部12の上側開口部22には支柱1の基端が連結されている。さらに、図3に示すように、第2載置部12の取付け部21にはキャスター部30のシャフトが連結されている。なお、支柱1は上下反転させることも可能である。つまり、第1載置部11の下側開口部19に支柱1の基端を連結し、第2載置部12の上側開口部22に支柱1の先端を連結することもできる。
【0021】
支柱1は、第1支柱部材31と第2支柱部材32とにより構成されている。第1支柱部材31及び第2支柱部材32は、先端から基端に向かって長手方向に延びている。支柱1は、例えば樹脂製である。
【0022】
図8図15は、第1支柱部材31の一例を示す図である。第1支柱部材31は、載置連結部33と、支柱本体34とにより構成されている。
【0023】
載置連結部33は、第1支柱部材31の先端側の部分である。載置連結部33は、コーナー部35を備え、L字形の断面形状を有する。載置連結部33は、L字形の内面36と、L字形の外面37とを備える。載置連結部33は、載置部10の上側開口部17、22及び下側開口部19に略適合する形状を有している。載置連結部33の先端は、載置部10の上側開口部17、22又は下側開口部19に連結可能である。
【0024】
支柱本体34は、載置連結部33の基端側に形成されている。支柱本体34は、コーナー部38を備え、L字形の断面形状を有する。支柱本体34は、L字形の内面39と、L字形の外面41とを備える。載置連結部33と支柱本体34とは一体的に形成されており、載置連結部33のL字形の外面37に支柱本体34のL字形の内面39が沿うようになっている。載置連結部33のコーナー部35の長手軸と支柱本体34のコーナー部38の長手軸とは略平行である。
【0025】
支柱本体34のコーナー内面42には、複数の第1係合部43が設けられている。第1係合部43は、長手方向に所定間隔で設けられている。第1係合部43は、例えば突出部44であり、本実施形態では、先端側から基端側に向かって第1突出部45、第2突出部46、第3突出部47、第4突出部48、第5突出部49及び第6突出部51である6つの突出部44が長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。支柱本体34のコーナー外面52には、複数の開口部53が形成されている。開口部53は、第1係合部43を設けたことによる切り欠き部である。
【0026】
第1係合部43は、支柱本体34のL字形の内面39(コーナー内面42)から延びた第1延伸部54と、第1延伸部54とは異なる方向に延びた第2延伸部55とを有する。本実施形態では、第1延伸部54は、支柱本体34のL字形の内面39(コーナー内面42)から略水平に延びた第1水平延伸部56であり、第2延伸部55は、第1水平延伸部56から略鉛直に延びた第1鉛直延伸部57である。
【0027】
第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)には、突起部58が設けられている。突起部58は、例えば支柱本体34のL字形の外面41に向かう方向に設けられている。
【0028】
支柱本体34のコーナー内面42には、少なくとも1つの規制部59が設けられている。例えば第1支柱部材31の最下部の第1係合部43(第6突出部51)よりも基端側に、規制部59として凸部61が設けられている。
【0029】
図16図22は、第2支柱部材32の一例を示す図である。第2支柱部材32は、コーナー部62を備え、L字形の断面形状を有する。第2支柱部材32は、L字形の内面63と、L字形の外面64とを備える。第2支柱部材32のL字形の外面64は、第1支柱部材31の支柱本体34のL字形の内面39に略適合する形状である。また、第2支柱部材32は、載置部10の上側開口部17、22及び下側開口部19に略適合する形状を有している。第2支柱部材32の基端は、載置部10の上側開口部17、22又は下側開口部19に連結可能である。
【0030】
第2支柱部材32のコーナー外面65には、第1支柱部材31の第1係合部43と係合可能な複数の第2係合部66が設けられている。第2係合部66は、長手方向に所定間隔で設けられている。第2係合部66は、例えば開口部67であり、本実施形態では、先端側から基端側に向かって第1開口部68、第2開口部69、第3開口部71、第4開口部72、第5開口部73及び第6開口部74である6つの開口部67が長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。第2係合部66間の間隔は、第1係合部43間の間隔に対応している。
【0031】
第2係合部66は、第2支柱部材32のL字形の外面64(コーナー外面65)から延びた第3延伸部75と、第3延伸部75から第3延伸部75とは異なる方向に延びた第4延伸部76とを有する。本実施形態では、第3延伸部75は、第2支柱部材32の外面64(コーナー外面65)から略水平に延びた第2水平延伸部77であり、第4延伸部76は、第2水平延伸部77から略鉛直に延びた第2鉛直延伸部78である。第1係合部43及び第2係合部66は、互いに略適合する形状である。
【0032】
第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)には、第1支柱部材31の第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)の突起部58に嵌合する溝部79が設けられている。溝部79は、例えば第2支柱部材32のL字形の内面63に向かう方向に設けられている。なお、第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)に溝部を設け、第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)に当該溝部に嵌合する突起部を設けてもよい。
【0033】
第2支柱部材32のコーナー外面65には、第1支柱部材31の規制部59を受ける複数の規制受け部81が設けられている。例えば第2支柱部材32の基端側から中央部にかけて、規制受け部81として凹部82が設けられている。本実施形態では、規制受け部81として基端側から中央部にかけて第1凹部83、第2凹部84、第3凹部85及び第4凹部86である4つの凹部82が設けられている。4つの凹部82は、長手方向に所定の間隔を空けて配置されている。なお、第1支柱部材31の支柱本体34のコーナー内面42に規制受け部81として複数の凹部を設け、第2支柱部材32のコーナー外面65に当該凹部に嵌合する少なくとも1つの規制部59として凸部を設けてもよい。また、第1支柱部材31の先端側から中央部にかけて規制受け部81として凹部を設け、第2支柱部材32の先端側に規制部59として凸部を設けることも可能である。
【0034】
以下、第1支柱部材31と第2支柱部材32の組み付け、及び組立体用支柱1の長さの変更について説明する。組立体用支柱1は、複数の第1係合部及び第2係合部の係合箇所を変えることで支柱の長さを変更可能である。
【0035】
図23図28は、第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けて支柱1を最も短くした状態(第1状態)を示す図である。なお、図1に示すラック2の支柱1も第1状態である。
【0036】
第1状態では、第1係合部43である6つの突出部44が、第2係合部66である6つの開口部67にそれぞれ係合している。すなわち、第1突出部45が第1開口部68と係合し、第2突出部46が第2開口部69と係合し、第3突出部47が第3開口部71と係合し、第4突出部48が第4開口部72と係合し、第5突出部49が第5開口部73と係合し、第6突出部51が第6開口部74と係合している。第1状態では、第1支柱部材31の支柱本体34のL字形の内面39全体が第2支柱部材32のL字形の外面64に当接している。また、図28に示すように、第1係合部43の第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)の突起部58が、それぞれ、第2係合部66の第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)の溝部79に嵌合している。
【0037】
第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付ける際には、第1係合部43を第2係合部66に向かって水平方向に押し込み、さらに、鉛直方向に押し込む。水平方向への押し込みにより、第1延伸部54(第1水平延伸部56)と第3延伸部75(第2水平延伸部77)が嵌合し、鉛直方向への押し込みにより、突起部58が溝部79に押し込まれて嵌合するとともに、第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)と第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)が嵌合する。つまり、第1係合部43と第2係合部との係合により、第1水平延伸部56と第2水平延伸部77とが係合し、第1鉛直延伸部57と第2鉛直延伸部78とが係合し、突起部58と溝部79とが係合する。
【0038】
また、第1状態では、図27に示すように、第1支柱部材31の規制部59である凸部61が、第2支柱部材32の4つの規制受け部81のうち、最も基端側の規制受け部である第1凹部83に係合している。
【0039】
図29図34は、第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けて支柱1を最も長くした状態(第2状態)を示す図である。なお、図2図4及び図6に示すラック2の支柱1も第2状態である。
【0040】
第2状態では、第1係合部43である6つの突出部44のうち基端側から3つの突出部が、第2係合部66である6つの開口部67のうち先端側から3つの開口部にそれぞれ係合している。すなわち、第4突出部48が第1開口部68と係合し、第5突出部49が第2開口部69と係合し、第6突出部51が第3開口部71と係合している。第2状態では、第1支柱部材31の支柱本体34のL字形の内面39の一部が第2支柱部材32のL字形の外面64に当接している。第2状態でも、図28に示すのと同様に、第1係合部43の第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)の突起部58が、それぞれ、第2係合部66の第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)の溝部79に嵌合している。
【0041】
また、第2状態では、図34に示すように、第1支柱部材31の規制部59である凸部61が、第2支柱部材32の4つの規制受け部81のうち、最も先端側の規制受け部である第4凹部86に係合している。
【0042】
支柱1は、第1状態と第2状態との間の長さとすることができる。すなわち、第1係合部43である6つの突出部44のうち、基端側から5つの突出部(第2突出部46、第3突出部47、第4突出部48、第5突出部49及び第6突出部51)が、第2係合部66である6つの開口部67のうち、先端側から5つの開口部(第1開口部68、第2開口部69、第3開口部71、第4開口部72及び第5開口部73)にそれぞれ係合した状態、あるいは、基端側から4つの突出部(第3突出部47、第4突出部48、第5突出部49及び第6突出部51)が、先端側から4つの開口部(第1開口部68、第2開口部69、第3開口部71及び第4開口部72)にそれぞれ係合した状態をとることができる。基端側から5つの突出部が先端側から5つの開口部にそれぞれ係合した状態では、第1支柱部材31の規制部59である凸部61が、第2支柱部材32の4つの規制受け部81のうち、基端側から2つ目の規制受け部である第2凹部84に係合している。また、基端側から4つの突出部が先端側から4つの開口部にそれぞれ係合した状態では、第1支柱部材31の規制部59である凸部61が、第2支柱部材32の4つの規制受け部のうち、基端側から3つ目の規制受け部である第3凹部85に係合している。
【0043】
第2状態では、第1支柱部材31の基端側から3つの第1係合部43(第4突出部48、第5突出部49及び第6突出部51)と第2支柱部材32の先端側から3つの第2係合部66(第1開口部68、第2開口部69及び第3開口部71)とがそれぞれ係合している。また、第2状態では、図34に示すように、第1支柱部材31の規制部59である凸部61が、第2支柱部材32の4つの規制受け部81のうち基端側から最も離れた中央の規制受け部である第4凹部86に嵌合している。第2状態よりも支柱1を長くしようとしても、第2支柱部材32には第4凹部86より先端側に規制受け部がないため、第1支柱部材31の規制部59が第2支柱部材32のコーナー外面65に当接し、第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けることができない。第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けたとき、第1係合部43と第2係合部66との少なくとも3箇所の係合が確保される。なお、第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けた状態では、支柱の強度や安定性の観点から、複数の第1係合部43及び第2係合部66がそれぞれ係合していることが好ましい。
【0044】
本実施形態によれば、組立体用支柱1は、先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有する第1支柱部材31と、先端から基端に向かって長手方向に延び、L字形の断面形状を有し、第1支柱部材31のL字形の内面に略適合する外面を有する第2支柱部材32と、を備える。第1支柱部材31のL字形のコーナー内面42に、複数の第1係合部43が長手方向に所定間隔で設けられており、第2支柱部材32のL字形のコーナー外面65に、第1係合部43と係合可能な複数の第2係合部66が長手方向に所定間隔で設けられている。第1係合部43及び第2係合部66がそれぞれコーナー部に設けられ、第1支柱部材31と第2支柱部材32とがコーナー部で係合するため、ずれにくく、がたつきにくく、安定性に優れた組立体用支柱を提供することができる。また、長手方向に所定間隔で複数の第1係合部43及び第2係合部66が設けられているため、第1係合部43及び第2係合部66の係合箇所を変更することで支柱の長さを変更可能な組立体用支柱1を提供することができる。工具等を用いることなく、支柱の長さを簡便に変更できるため、扱いやすく、利便性が高い。
【0045】
第1係合部43は、コーナー内面42から延びた第1延伸部54と、第1延伸部54から第1延伸部54とは異なる方向に延びた第2延伸部55とを有し、第2係合部66は、コーナー外面65から延びた第3延伸部75と、第3延伸部75から第3延伸部75とは異なる方向に延びた第4延伸部76とを有し、第1係合部43及び第2係合部66は、互いに略適合する形状である。第1係合部43及び第2係合部66が異なる2方向に延びており、当該2方向で係合するため、ずれにくく、がたつきにくく、安定性に優れた組立体用支柱1を提供することができる。
【0046】
特に、第1延伸部54は、コーナー内面42から略水平に延びた第1水平延伸部56であり、第2延伸部55は、第1水平延伸部56から略鉛直に延びた第1鉛直延伸部57であり、第3延伸部75は、コーナー外面65から略水平に延びた第2水平延伸部77であり、第4延伸部76は、第2水平延伸部77から略鉛直に延びた第2鉛直延伸部78である。第1係合部43及び第2係合部66が略直交する2方向に延びており、当該2方向で係合するため、よりずれにくく、がたつきにくく、安定性に優れた組立体用支柱1を提供することができる。
【0047】
第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)と第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)との一方には、突起部58が設けられ、第2延伸部55(第1鉛直延伸部57)と第4延伸部76(第2鉛直延伸部78)との他方には、突起部58に嵌合する溝部79が設けられている。第2延伸部55及び第4延伸部76にさらなる突起部58及び溝部79が設けられていることにより、よりずれにくく、よりがたつきにくく、安定性に優れた組立体用支柱1を提供することができる。
【0048】
また、組立体用支柱1は、第1支柱部材31のコーナー内面42と第2支柱部材32のコーナー外面65との一方に設けられた少なくとも1つの規制部59と、第1支柱部材31のコーナー内面42と第2支柱部材32のコーナー外面65との他方に設けられ、規制部59を受ける複数の規制受け部81とを備える。規制部59と規制受け部81を設けたことで、第1支柱部材31の第1係合部43と第2支柱部材32の第2係合部66との係合範囲を制限し、組み付けた支柱の強度や安定性を高めることができる。
【0049】
支柱を長くすると第1支柱部材31と第2支柱部材32との重なり部分が短くなるが、ある程度の重なりがないと支柱の強度や安定性を保てない。そこで、規制部59と規制受け部81とを設けることで、第1支柱部材31と第2支柱部材32との所定以上の重なり部分を確保する。例えば、規制部59は、第1支柱部材31と第2支柱部材との一方の基端側に配置された凸部であり、規制受け部81は、第1支柱部材31と第2支柱部材32との他方の基端側から中央部にかけて配置された凹部である。先端側に規制受け部がないため、第1支柱部材31と第2支柱部材32とを組み付けたときに、第1支柱部材31と第2支柱部材32との所定以上の重なりが確保される。また、規制部59と規制受け部81とが係合した状態では、複数の第1係合部43及び第2係合部66がそれぞれ係合することとなるため、支柱の強度や安定性を高めることができる。
【0050】
また、このような組立体用支柱1と、組立体用支柱1の先端に連結された第1載置部11と、組立体用支柱1の基端に連結された第2載置部12とを有する組立体は、支柱の長さを変更して支柱の上下の載置部間の間隔を変更することで種々の高さの物品や商品を収納したり陳列したりでき、利便性が高い。比較的短い複数の支柱部材を連結して支柱を長くするような組立体用支柱とは異なり、支柱部材の数を変更することなく支柱の長さを変更できるため、支柱を短くしたときに支柱部材が余り保管が必要になるといったような問題も生じない。支柱を構成する部材の数が少ない上に、コーナー部に複数の係合部を設けたことで、ずれにくく、がたつきにくい組立体を提供することができる。
【0051】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形及び変更が可能である。例えば、組立体用支柱を含む組立体としてキャスター部を含むラックを挙げて説明してきたが、本実施形態に係る組立体用支柱は、キャスター部のない組立棚などにも適用可能である。載置部の数も2つに限定されず、3以上の載置部が支柱で連結されてもよい。載置部の形状もここに開示したものに限定されない。載置部に対する支柱の取り付け位置は四隅以外であってもよい。第1支柱部材及び第2支柱部材に設けられた係合部の数もここに開示したものに限定されない。載置部や支柱の材質もここに開示したものに限定されない。
【符号の説明】
【0052】
1 組立体用支柱
2 ラック(組立体)
10 載置部
30 キャスター部
31 第1支柱部材
32 第2支柱部材
42 コーナー内面
43 第1係合部
44 突出部
58 突起部
59 規制部
61 凸部
65 コーナー外面
66 第2係合部
79 溝部
81 規制受け部
82 凹部
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