(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087398
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】トイレ装置
(51)【国際特許分類】
E03D 9/08 20060101AFI20230616BHJP
【FI】
E03D9/08 Z
E03D9/08 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201755
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【弁理士】
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【弁理士】
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【弁理士】
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】辻 裕介
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 智理
(72)【発明者】
【氏名】奥山 弘祐
(72)【発明者】
【氏名】前田 克史
【テーマコード(参考)】
2D038
【Fターム(参考)】
2D038JA05
2D038JB02
2D038JB05
2D038JC01
2D038JH01
(57)【要約】
【課題】ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置させることができるトイレ装置を提供する。
【解決手段】開口部を有するケーシングと、前記開口部を通って、前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延びるアース線と、前記開口部に設けられ、前記アース線を固定するブッシュ部と、前記ケーシングの内部に設けられ、前記アース線の一端を固定する端子台と、を備え、前記アース線は、前記ブッシュ部から前記端子台の上方または側方まで延びる第1部分と、前記第1部分から前記端子台まで延びる第2部分と、を有し、前記第2部分は、前記第1部分から前記ブッシュ部とは反対側に延びる第1領域と、前記第1領域から前記ブッシュ部側に折り返される折り返し領域と、前記折り返し領域から前記ブッシュ部側に延びる第2領域と、を有することを特徴とするトイレ装置。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口部を有するケーシングと、
前記開口部を通って、前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延びるアース線と、
前記開口部に設けられ、前記アース線を固定するブッシュ部と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記アース線の一端を固定する端子台と、
を備え、
前記アース線は、
前記ブッシュ部から前記端子台の上方または側方まで延びる第1部分と、
前記第1部分から前記端子台まで延びる第2部分と、
を有し、
前記第2部分は、
前記第1部分から前記ブッシュ部とは反対側に延びる第1領域と、
前記第1領域から前記ブッシュ部側に折り返される折り返し領域と、
前記折り返し領域から前記ブッシュ部側に延びる第2領域と、
を有することを特徴とするトイレ装置。
【請求項2】
前記ケーシングは、側壁部を有し、
前記第1部分及び前記第2部分は、前記端子台と前記側壁部との間に位置しないことを特徴とする請求項1記載のトイレ装置。
【請求項3】
前記第1領域の上下方向の位置は、前記第2領域の上下方向の位置と異なることを特徴とする請求項1または2に記載のトイレ装置。
【請求項4】
前記第1領域及び前記第2領域は、交差することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項5】
前記アース線は、前記第2部分の先端に設けられ、前記端子台に接続される端子部を有し、
前記端子部は、前記第2部分が前記ブッシュ部とは反対側に延びるように、前記端子台に接続されることを特徴とする請求項1~4のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項6】
前記開口部を通って前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延び、前記ブッシュ部に固定される第1電源線と、
前記開口部を通って前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延び、前記ブッシュ部に固定される第2電源線と、
前記ケーシングの内部に設けられ、前記第1電源線及び前記第2電源線を固定する固定部と、
をさらに備え、
前記第1部分の長さと前記第2部分の長さの合計は、前記第1電源線の前記ブッシュ部から前記固定部までの長さよりも長く、前記第2電源線の前記ブッシュ部から前記固定部までの長さよりも長いことを特徴とする請求項1~5のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【請求項7】
前記ケーシングは、前記折り返し領域を収納する収納部を有し、
前記収納部は、上方に向かって開口することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載のトイレ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
暖房便座機能や温水洗浄機能などを備えたトイレ装置では、例えば、電源線によって家庭用電源などの供給電源からケーシング内部の機能部に電力を供給する。また、このようなトイレ装置では、漏電時の安全のために、アース線(接地線)が設けられる。
【0003】
アース線は、ケーシングの開口部を通ってケーシングの外部からケーシングの内部に延びるように設けられる。ケーシングの開口部には、水やホコリなどがケーシングの内部に侵入することを抑制するためのブッシュ部が設けられる。アース線は、このブッシュ部によって、ケーシング(開口部)に対して固定される。また、アース線の先端は、ケーシングの内部に設けられた端子台に固定される。ケーシングの外部からアース線が引っ張られた場合の断線を防止するために、アース線は、ブッシュ部と端子台との間に余長部分が生じるように設けられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、トイレ装置において、小型化及び多機能化が求められている。様々な機能部を内部に収納しつつケーシングを小型化するために、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置して、ケーシング内部の空間を有効に活用することが求められている。
【0006】
本発明の態様は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置させることができるトイレ装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1の発明は、開口部を有するケーシングと、前記開口部を通って、前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延びるアース線と、前記開口部に設けられ、前記アース線を固定するブッシュ部と、前記ケーシングの内部に設けられ、前記アース線の一端を固定する端子台と、を備え、前記アース線は、前記ブッシュ部から前記端子台の上方または側方まで延びる第1部分と、前記第1部分から前記端子台まで延びる第2部分と、を有し、前記第2部分は、前記第1部分から前記ブッシュ部とは反対側に延びる第1領域と、前記第1領域から前記ブッシュ部側に折り返される折り返し領域と、前記折り返し領域から前記ブッシュ部側に延びる第2領域と、を有することを特徴とするトイレ装置である。
【0008】
このトイレ装置によれば、ブッシュ部から端子台の上方または側方を通り、端子台を挟んでブッシュ部とは反対側の位置で折り返すようにアース線を設けることで、端子台を挟んでブッシュ部とは反対側の位置にアース線の余長部分である第2部分を収納することができる。これにより、例えば、アース線を折り返さない場合と比べて、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置して、ケーシング内部の空間を有効に活用することができる。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記ケーシングは、側壁部を有し、前記第1部分及び前記第2部分は、前記端子台と前記側壁部との間に位置しないことを特徴とするトイレ装置である。
【0010】
このトイレ装置によれば、第1部分及び第2部分が端子台と側壁部との間に位置しないようにすることで、ケーシングを閉める際に、第1部分や第2部分がケーシングに挟まることを抑制できる。これにより、トイレ装置の組立作業性を向上できる。
【0011】
第3の発明は、第1または第2の発明において、前記第1領域の上下方向の位置は、前記第2領域の上下方向の位置と異なることを特徴とするトイレ装置である。
【0012】
このトイレ装置によれば、第1領域の上下方向の位置が第2領域の上下方向の位置と異なることで、ケーシング内部においてアース線がブッシュ部から端子台に向かう方向に対して横に広がることを抑制でき、ケーシング内部の空間をより有効に活用することができる。
【0013】
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記第1領域及び前記第2領域は、交差することを特徴とするトイレ装置である。
【0014】
このトイレ装置によれば、第1領域及び第2領域が交差することで、第1領域及び第2領域が交差しない場合と比べて、同じ空間に収納される余長部分の長さをより長くすることができる。これにより、アース線の断線を抑制でき、トイレ装置の安全性を高めることができる。
【0015】
第5の発明は、第1~第4のいずれか1つの発明において、前記アース線は、前記第2部分の先端に設けられ、前記端子台に接続される端子部を有し、前記端子部は、前記第2部分が前記ブッシュ部とは反対側に延びるように、前記端子台に接続されることを特徴とするトイレ装置である。
【0016】
このトイレ装置によれば、第2部分がブッシュ部とは反対側に延びるように、端子部が端子台に接続されることで、ケーシング内部においてアース線がブッシュ部から端子台に向かう方向に対して横に広がることを抑制でき、ケーシング内部の空間をより有効に活用することができる。
【0017】
第6の発明は、第1~第5のいずれか1つの発明において、前記開口部を通って前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延び、前記ブッシュ部に固定される第1電源線と、前記開口部を通って前記ケーシングの外部から前記ケーシングの内部に延び、前記ブッシュ部に固定される第2電源線と、前記ケーシングの内部に設けられ、前記第1電源線及び前記第2電源線を固定する固定部と、をさらに備え、前記第1部分の長さと前記第2部分の長さの合計は、前記第1電源線の前記ブッシュ部から前記固定部までの長さよりも長く、前記第2電源線の前記ブッシュ部から前記固定部までの長さよりも長いことを特徴とするトイレ装置である。
【0018】
このトイレ装置によれば、第1部分の長さと第2部分の長さの合計を、第1電源線のブッシュ部から固定部までの長さよりも長くするとともに、第2電源線のブッシュ部から固定部までの長さよりも長くすることで、アース線、第1電源線、及び第2電源線が同時に引っ張られた場合に、第1電源線や第2電源線よりも先にアース線が断線することを抑制できる。これにより、トイレ装置の安全性を高めることができる。
【0019】
第7の発明は、第1~第6のいずれか1つの発明において、前記ケーシングは、前記折り返し領域を収納する収納部を有し、前記収納部は、上方に向かって開口することを特徴とするトイレ装置である。
【0020】
このトイレ装置によれば、第2部分の折り返し領域を収納する収納部を設けることで、ケーシング内部の空間をより有効に活用することができる。また、収納部が上方に向かって開口することで、アース線が引っ張られた際に、余長を出しやすくすることができる。これにより、アース線の断線を抑制でき、トイレ装置の安全性を高めることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の態様によれば、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置させることができるトイレ装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】実施形態に係るトイレ装置を表す斜視図である。
【
図2】実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトイレ装置の一部を表す平面図である。
【
図4】実施形態に係るトイレ装置のブッシュ部の周辺を表す斜視図である。
【
図5】実施形態に係るトイレ装置の一部を拡大して表す平面図である。
【
図6】実施形態に係るトイレ装置の一部を表す断面図である。
【
図7】実施形態に係るトイレ装置の第1、第2電源線の長さとアース線の長さとの関係を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
【0024】
図1は、実施形態に係るトイレ装置を表す斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置の要部構成を表すブロック図である。
図2では、水路系の要部構成と電気系の要部構成とを併せて表している。
図1に表したように、実施形態に係るトイレ装置100は、洋式腰掛便器(以下、説明の便宜上、単に「便器」と称する)90と、ケーシング10と、便座92と、便蓋94と、を備える。ケーシング10は、便器90の後部の上に設けられている。便座92及び便蓋94は、それぞれ、ケーシング10に対して開閉自在に軸支されている。
【0025】
以下の実施形態の説明では、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「右側方」、及び「左側方」を用いるが、これらの方向は、
図1に表すように、便座92に座った使用者から見た方向である。
【0026】
ケーシング10は、便器90の後部の上に載置されるケースプレート11(
図3参照)と、ケースプレート11の上方を覆うケースカバー12と、を有する。ケーシング10は、ケースプレート11及びケースカバー12により囲まれた空間の内部に、各種の機能部を内蔵している。
【0027】
ケーシング10の内部には、例えば、便座92に座った使用者の「おしり」などの洗浄を実現する温水洗浄機能部が内蔵されている。温水洗浄機能部は、例えば、ノズル80、流路81、電磁弁82、熱交換器83、流量切替弁84、流路切替弁85、ノズルモータ86、及びノズル洗浄室87などを含む(
図2参照)。
【0028】
ノズル80は、先端部に設けられた吐出口80aを有する。ノズル80は、水道や貯水タンクなどの給水源WSから供給された洗浄水を吐出口80aから吐出して、便座92に座った使用者の「おしり」などを洗浄する。
【0029】
給水源WSとノズル80とを結ぶ流路81の上流側には、電磁弁82が設けられている。電磁弁82は、開閉可能な電磁バルブであり、制御部70からの指令に基づいて水の供給を制御する。つまり、電磁弁82は、給水源WSから供給される水のノズル80への給水と止水とを切り替える。
【0030】
電磁弁82の下流には、熱交換器83が設けられている。熱交換器83は、ヒータにより、給水源WSから供給された水を加熱して例えば規定の温度まで昇温させる。熱交換器83は、給水源WSから供給された水を、設定された温度の温水に変換する。
【0031】
熱交換器83の下流には、流量の調整を行う流量切替弁84と、ノズル80やノズル洗浄室87への給水の開閉や給水先の切替を行う流路切替弁85と、が設けられている。流量切替弁84は、ノズル80へ流れる水の流量を調整する。流路切替弁85は、給水先(流路の接続先)をノズル80及びノズル洗浄室87のいずれかに切り替えることができる。流量切替弁84及び流路切替弁85は、1つのユニットとして設けられていてもよい。
【0032】
流量切替弁84及び流路切替弁85の下流には、ノズル80が設けられている。ノズル80は、ノズルモータ86からの駆動力を受け、便器90のボウル内に進出したり、ケーシング10の内部に後退したりすることができる。つまり、ノズルモータ86は、制御部70からの指令に基づいてノズル80を進退させることができる。
【0033】
ノズル洗浄室87は、その内部に設けられた図示しない吐水部から殺菌水あるいは水を噴射することにより、ノズル80の外周表面(胴体)を殺菌あるいは洗浄することができる。あるいは、ノズル洗浄室87は、収納された状態のノズル80の吐出口80aの部分を殺菌あるいは洗浄することができる。
【0034】
また、ケーシング10の内部には、例えば、便座92や便蓋94を電動で開閉する電動開閉機能部が内蔵されている。電動開閉機能部は、例えば、便座92や便蓋94を開閉するための開閉モータ96を含む(
図2参照)。
【0035】
また、便座92の内部には、例えば、便座92を温める暖房便座機能部が内蔵されている。暖房便座機能部は、例えば、便座ヒータ98を含む(
図2参照)。
【0036】
制御部70は、電源回路71を介して供給電源PSから電力を供給され、操作部72などからの信号に基づいて電磁弁82や、熱交換器83や、流量切替弁84や、流路切替弁85や、ノズルモータ86や、開閉モータ96や、便座ヒータ98の動作を制御する。
【0037】
供給電源PSは、例えば、交流電源である。供給電源PSは、例えば、AC100V(実効値)の商用電源である。電源回路71は、供給電源PSから供給された交流電力を直流電力に変換し、変換後の直流電力を制御部70に供給する。
【0038】
トイレ装置100は、供給電源PSからケーシング10の内部に電源を供給するための電源コード20を有する。電源コード20は、第1電源線31、第2電源線32、及びアース線40を有する。
【0039】
第1電源線31及び第2電源線32は、供給電源PSと電源回路71とを接続する。第1電源線31は、例えば、ライブ側の電源線(L線)であり、第2電源線32は、例えば、ニュートラル側の電源線(N線)である。
【0040】
アース線40は、供給電源PSと端子台45とを接続する。端子台45は、ケーシング10の内部に設けられ、アース線40の一端(先端)を固定する。
【0041】
図3は、実施形態に係るトイレ装置の一部を表す平面図である。
図4は、実施形態に係るトイレ装置のブッシュ部の周辺を表す斜視図である。
図5は、実施形態に係るトイレ装置の一部を拡大して表す平面図である。
図6は、実施形態に係るトイレ装置の一部を表す断面図である。
図5は、
図3に示した領域R1の拡大図である。
図6は、
図5に示したA1-A2線による断面図である。
図3~
図6では、ケーシング10のケースカバー12を外した状態を表している。また、
図3~
図6では、電源及びアースに関する部品以外は省略している。
【0042】
図3~
図6に表したように、ケーシング10には、開口部13が設けられている。開口部13は、ケーシング10を閉じた状態(すなわち、ケースプレート11をケースカバー12で覆った状態)で、ケーシング10の外部とケーシング10の内部との境界に位置し、ケーシング10を貫通する孔である。この例では、開口部13は、前後方向に貫通しており、開口部13から後方に向かって電源コード20が延びている。
【0043】
電源コード20は、絶縁性の被覆部材(シース)21を有する。被覆部材21は、第1電源線31、第2電源線32、及びアース線40を束ねた状態で、被覆している。電源コード20の先端には、ブッシュ部22が設けられている。なお、本願明細書では、供給電源PSに近い端部を「基端」、供給電源PSから遠い端部を「先端」とする。ブッシュ部22は、被覆部材21と一体的に形成されている。
【0044】
ブッシュ部22は、ケーシング10の開口部13に係合している。これにより、ブッシュ部22は、開口部13に対して固定されている。第1電源線31、第2電源線32、及びアース線40は、ブッシュ部22から先では束ねられておらず、ブッシュ部22とは反対側に延びている。このように、第1電源線31、第2電源線32、及びアース線40は、開口部13を通って、ケーシング10の外部からケーシング10の内部に延びており、ブッシュ部22を介してケーシング10(開口部13)に対して固定されている。
【0045】
ケーシング10の内部において、アース線40は、ブッシュ部22から端子台45まで延びている。この例では、端子台45は、ブッシュ部22の前方に設けられている。
【0046】
アース線40は、第1部分41と、第2部分42と、を有する。第1部分41は、ブッシュ部22から端子台45の上方または側方まで延びる部分である。第2部分42は、第1部分41から端子台45まで延びる部分である。第2部分42は、例えば、アース線40の余長部分である。第1部分41は、例えば、アース線40の余長部分以外の部分である。
【0047】
この例では、アース線40は、端子台45の上方を通っている。第1部分41の一部(第2部分42の一部)は、端子台45の上方に位置している。つまり、第1部分41の一部(第2部分42の一部)は、端子台45と上下方向で重なっている。実施形態において、アース線40は、端子台45の側方を通っていてもよい。第1部分41の一部(第2部分42の一部)は、端子台45の側方に位置していてもよい。つまり、第1部分41の一部(第2部分42の一部)は、端子台45と左右方向で重なっていてもよい。
【0048】
なお、アース線40が端子台45の側方を通る場合には、第1部分41及び第2部分42は、端子台45とケーシング10の側壁部14との間に位置しないことが好ましい。つまり、アース線40が端子台45の側方を通る場合には、端子台45を挟んでケーシング10の側壁部14とは反対側を通ることが好ましい。言い換えれば、アース線40が端子台45の側方を通る場合には、アース線40とケーシング10の側壁部14との間に端子台45が位置することが好ましい。
【0049】
第2部分42は、第1領域42aと、折り返し領域42bと、第2領域42cと、を有する。第1領域42aは、第1部分41と接続され、第1部分41からブッシュ部22とは反対側に延びる。折り返し領域42bは、第1領域42aと接続され、第1領域42aからブッシュ部22側に折り返される。第2領域42cは、折り返し領域42bと接続され、折り返し領域42bからブッシュ部22側に延びる。
【0050】
このように、ケーシング10の内部において、アース線40は、ブッシュ部22から端子台45の上方または側方を通り(第1部分41)、端子台45を挟んでブッシュ部22とは反対側に延び(第2部分42の第1領域42a)、折り返して(第2部分42の折り返し領域42b)、ブッシュ部22側に延び(第2部分42の第2領域42c)、端子台45に接続される。
【0051】
第1領域42aの上下方向の位置は、第2領域42cの上下方向の位置と異なることが好ましい。第1領域42aの少なくとも一部は、側面視において、第2領域42cよりも上方または第2領域42cよりも下方に位置することが好ましい。
【0052】
第1領域42a及び第2領域42cは、交差することが好ましい。第1領域42a及び第2領域42cは、側面視において、交差することが好ましい。第1領域42a及び第2領域42cは、例えば、平面視において、交差してもよい。
【0053】
第2部分42の先端には、端子台45に接続される端子部43が設けられている。端子部43は、第2部分42がブッシュ部22とは反対側に延びるように、端子台45に接続されている。つまり、第2部分42と端子部43との接続部は、端子台45を挟んでブッシュ部22とは反対側に位置している。この例では、端子部43は、第2部分42が端子台45から前方に向かって延びるように、端子台45に接続されている。つまり、この例では、第2部分42と端子部43との接続部は、端子台45の前方に位置している。
【0054】
なお、この例では、第2領域42cは、端子部43を介して、端子台45に接続されている。つまり、この例では、第2領域42cの先端に端子部43が設けられている。実施形態において、第2領域42cは、端子台45に接続されていなくてもよい。第2部分42は、例えば、第2領域42cと端子部43との間に位置する他の領域を有していてもよい。他の領域は、例えば、第2領域42cからブッシュ部22とは反対側に折り返される他の折り返し領域や、他の折り返し領域からブッシュ部22とは反対側に延びる領域などを有していてもよい。つまり、第2部分42は、例えば、複数の折り返し領域を有していてもよい。
【0055】
ケーシング10には、アース線40の一部を収納する収納部15が設けられている。収納部15には、例えば、アース線40の第2部分42の第1領域42aの一部、折り返し領域42b、及び第2領域42cの一部が収納される。
【0056】
収納部15は、前面部15aと、側面部15bと、を有する。前面部15aは、端子台45の前方に位置する。側面部15bは、ケーシング10の側壁部14と対向する。収納部15は、前面部15a、側面部15b、及びケーシング10の側壁部14により囲まれた空間に折り返し領域42bなどを収納する。収納部15は、上方に向かって開口している。
【0057】
ケーシング10の内部において、第1電源線31及び第2電源線32は、それぞれ、ブッシュ部22から固定部35まで延びている。固定部35は、ケーシング10の内部に設けられ、第1電源線31及び第2電源線32を固定している。固定部35は、例えば、ブッシュ部22から電源回路71に延びる第1電源線31及び第2電源線32の中間部分を保持する。この例では、固定部35は、アース線40の第1部分41を挟んでケーシング10の側面部14とは反対側に位置している。
【0058】
図7は、実施形態に係るトイレ装置の第1、第2電源線の長さとアース線の長さとの関係を表す説明図である。
図7に表したように、第1部分41の長さL1と第2部分42の長さL2の合計は、例えば、第1電源線31のブッシュ部22から固定部35までの長さL3よりも長い(L1+L2>L3)。また、第1部分41の長さL1と第2部分42の長さL2の合計は、例えば、第2電源線32のブッシュ部22から固定部35までの長さL4よりも長い(L1+L2>L4)。
【0059】
この例では、長さL3は、長さL4と同じである。長さL3は、長さL4と異なっていてもよい。また、この例では、長さL1は、長さL3よりも短く、長さL4よりも短い。長さL1は、長さL3よりも長くてもよい。長さL1は、長さL4よりも長くてもよい。また、この例では、長さL2は、長さL1よりも短い。長さL2は、長さL1と同じであってもよいし、長さL1よりも長くてもよい。
【0060】
以下、実施形態に係るトイレ装置100の作用効果について、説明する。
近年、トイレ装置において、小型化及び多機能化が求められている。様々な機能部を内部に収納しつつケーシングを小型化するために、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置して、ケーシング内部の空間を有効に活用することが求められている。
【0061】
これに対し、実施形態に係るトイレ装置100によれば、ブッシュ部22から端子台45の上方または側方を通り、端子台45を挟んでブッシュ部22とは反対側の位置で折り返すようにアース線40を設けることで、端子台45を挟んでブッシュ部22とは反対側の位置にアース線40の余長部分である第2部分42を収納することができる。これにより、例えば、アース線40を折り返さない場合と比べて、ケーシング10内部のアース線40を適切な場所に配置して、ケーシング10内部の空間を有効に活用することができる。
【0062】
また、第1部分41及び第2部分42が端子台45と側壁部14との間に位置しないようにすることで、ケーシング10を閉める際に、第1部分41や第2部分42がケーシング10に挟まることを抑制できる。これにより、トイレ装置100の組立作業性を向上できる。
【0063】
また、第1領域42aの上下方向の位置が第2領域42cの上下方向の位置と異なることで、ケーシング10内部においてアース線40がブッシュ部22から端子台45に向かう方向に対して横に広がることを抑制でき、ケーシング10内部の空間をより有効に活用することができる。
【0064】
また、第1領域42a及び第2領域42cが交差することで、第1領域42a及び第2領域42cが交差しない場合と比べて、同じ空間に収納される余長部分の長さをより長くすることができる。これにより、アース線40の断線を抑制でき、トイレ装置100の安全性を高めることができる。
【0065】
また、第2部分42がブッシュ部22とは反対側に延びるように、端子部43が端子台45に接続されることで、ケーシング10内部においてアース線40がブッシュ部22から端子台45に向かう方向に対して横に広がることを抑制でき、ケーシング10内部の空間をより有効に活用することができる。
【0066】
また、第1部分41の長さL1と第2部分42の長さL2の合計を、第1電源線31のブッシュ部22から固定部35までの長さL3よりも長くするとともに、第2電源線32のブッシュ部22から固定部35までの長さL4よりも長くすることで、アース線40、第1電源線31、及び第2電源線32が同時に引っ張られた場合に、第1電源線31や第2電源線32よりも先にアース線40が断線することを抑制できる。これにより、トイレ装置100の安全性を高めることができる。
【0067】
また、第2部分42の折り返し領域42bを収納する収納部15を設けることで、ケーシング10内部の空間をより有効に活用することができる。また、収納部15が上方に向かって開口することで、アース線40が引っ張られた際に、余長を出しやすくすることができる。これにより、アース線40の断線を抑制でき、トイレ装置100の安全性を高めることができる。
【0068】
以上のように、実施形態によれば、ケーシング内部のアース線を適切な場所に配置させることができるトイレ装置が提供される。
【0069】
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0070】
10 ケーシング
11 ケースプレート
12 ケースカバー
13 開口部
14 側壁部
15 収納部
15a 前面部
15b 側面部
20 電源コード
21 被覆部材
22 ブッシュ部
31 第1電源線
32 第2電源線
35 固定部
40 アース線
41 第1部分
42 第2部分
42a 第1領域
42b 折り返し領域
42c 第2領域
43 端子部
45 端子台
70 制御部
71 電源回路
72 操作部
80 ノズル
80a 吐出口
81 流路
82 電磁弁
83 熱交換器
84 流量切替弁
85 流路切替弁
86 ノズルモータ
87 ノズル洗浄室
90 便器
92 便座
94 便蓋
96 開閉モータ
98 便座ヒータ
100 トイレ装置
L1~L4 長さ
PS 供給電源
WS 供給源