(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087471
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】入出場管理システム及び入出場管理方法
(51)【国際特許分類】
G07B 15/00 20110101AFI20230616BHJP
G06Q 50/30 20120101ALI20230616BHJP
【FI】
G07B15/00 501
G07B15/00 G
G07B15/00 E
G06Q50/30
【審査請求】未請求
【請求項の数】24
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201870
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】504158881
【氏名又は名称】東京地下鉄株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【弁理士】
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 晃
(72)【発明者】
【氏名】中島 浩貴
(72)【発明者】
【氏名】上坂 直行
(72)【発明者】
【氏名】小川 祥吾
【テーマコード(参考)】
3E127
5L049
【Fターム(参考)】
3E127AA03
3E127BA01
3E127BA11
3E127BA50
3E127CA02
3E127CA35
3E127CA47
3E127CA59
3E127CA61
3E127DA02
3E127DA20
3E127EA02
3E127EA14
3E127EA31
3E127EA43
3E127EA45
3E127FA43
3E127FA50
5L049CC43
(57)【要約】
【課題】従来よりもコストを低減することが可能な入出場管理システム及び入出場管理方法を提供すること。
【解決手段】実施形態の入出場管理システムは、送信部、読取部、検知部、出場特定部及び入場特定部を備える。送信部は、第1の場所で出場する許可証としての機能を備える第1のトークンを端末装置に送信する。読取部は、前記端末装置から前記第1のトークンを読み取る。検知部は、前記端末装置が前記第1の場所で出場したことを検知する検知部。出場特定部は、前記第1のトークンが前記読取部によって読み取られ、前記検知部によって出場が検知された第1の場所を出場場所として特定する。入場特定部は、前記端末装置が入場した入場場所を特定する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の場所で出場する許可証としての機能を備える第1のトークンを端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置から前記第1のトークンを読み取る読取部と、
前記端末装置が前記第1の場所で出場したことを検知する検知部と、
前記第1のトークンが前記読取部によって読み取られ、前記検知部によって出場が検知された前記第1の場所を出場場所として特定する出場特定部と、
前記端末装置が入場した入場場所を特定する入場特定部と、を備える入出場管理システム。
【請求項2】
前記読取部によって前記第1のトークンが読み取られた場合、前記第1の場所から出場するための通路を通行可能にする出場制御部をさらに備える、請求項1に記載の入出場管理システム。
【請求項3】
前記送信部は、前記第1の場所の少なくとも一部を含む第1の範囲内にある前記端末装置に前記第1のトークンを送信する、請求項1又は請求項2に記載の入出場管理システム。
【請求項4】
前記送信部は、第2の場所から入場する許可証としての機能を備える第2のトークンを前記端末装置に送信し、
前記読取部は、前記端末装置から前記第2のトークンを読み取り、
前記検知部は、前記第2の場所で入場したことを検知し、
前記入場特定部は、前記第2のトークンが前記読取部によって読み取られ、前記検知部によって入場が検知された前記第2の場所を入場場所として特定する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項5】
第2の場所から入場する許可証としての機能を備える第2のトークンを端末装置に送信する送信部と、
前記端末装置から前記第2のトークンを読み取る読取部と、
前記端末装置が前記第2の場所で入場したことを検知する検知部と、
前記第2のトークンが前記読取部によって読み取られ、前記検知部によって入場が検知された前記第2の場所を入場場所として特定する入場特定部と、
前記端末装置が出場した出場場所を特定する出場特定部と、を備える入出場管理システム。
【請求項6】
前記読取部によって前記第2のトークンが読み取られた場合、前記第2の場所から入場するための通路を通行可能にする入場制御部をさらに備える、請求項4又は請求項5に記載の入出場管理システム。
【請求項7】
前記送信部は、前記第2の場所の少なくとも一部を含む第2の範囲内にある前記端末装置に前記第2のトークンを送信する、請求項4乃至請求項6のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項8】
前記送信部は、振替輸送用の前記第2のトークンを前記端末装置に送信する、請求項4乃至請求項7のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項9】
前記入場特定部は、前記端末装置の位置情報によって前記入場場所を特定する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項10】
前記出場特定部は、前記端末装置の位置情報によって前記出場場所を特定する、請求項5に記載の入出場管理システム。
【請求項11】
前記入場場所から前記出場場所までの移動にかかる料金を決定する料金決定部をさらに備える、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項12】
前記端末装置と位置を特定することで、前記端末装置が複数の前記通路のうちのどの前記通路を通行するかを特定する通行特定部をさらに備える、請求項2又は請求項6に記載の入出場管理システム。
【請求項13】
前記端末装置の位置情報を用いて、前記端末装置が前記入場場所から入場して前記出場場所から出場したことを確認する確認部をさらに備える、請求項1乃至請求項12のいずれか1項に記載の入出場管理システム。
【請求項14】
前記位置情報は、前記端末装置が通信するための基地局の通信エリアを用いて特定された位置情報である、請求項9、請求項10又は請求項13に記載の入出場管理システム。
【請求項15】
端末装置が入場した入場場所を、前記端末装置の位置情報を用いて特定する入場特定部と、
前記端末装置が出場した出場場所を、前記位置情報を用いて特定する出場特定部と、
前記入場場所から前記出場場所までの移動にかかる料金を決定する料金決定部と、を備える入出場管理システム。
【請求項16】
端末装置が入場した入場場所から前記端末装置が出場した出場場所までの経路を、前記端末装置の位置情報を用いて特定する経路特定部と、
前記経路のうち特定のサービスの利用が可能な区間の移動にかかる第1の料金を決定し、前記経路のうち前記特定のサービスが利用可能でない区間の移動にかかる第2の料金を決定する区間料金決定部、を備える入出場管理システム。
【請求項17】
端末装置が第3の場所から入場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知する入場検知部と、
前記端末装置が第4の場所から出場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知する出場検知部と、
前記第3の場所から前記第4の場所までの移動にかかる第1の料金を決定し、第5の場所に設置された改札機を用いて前記端末装置が前記第5の場所から入場したことを示す改札入場情報、及び第6の場所に設置された改札機を用いて前記端末装置が前記第6の場所から入場したことを示す改札出場情報を用いて、前記第5の場所から前記第6の場所までの移動にかかる第2の料金を決定する、改札料金決定部と、を備える入出場管理システム。
【請求項18】
端末装置が第3の場所から入場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知する入場検知部と、
前記端末装置が第4の場所から出場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知する出場検知部と、
前記第3の場所から前記第4の場所までの移動にかかる料金を、前記端末装置が前記第3の場所から前記第4の場所まで移動する間に特定の場所にあった場合の前記料金と、なかった場合の前記料金とが異なる金額となるように決定する変動料金決定部と、を備える入出場管理システム。
【請求項19】
第1の場所で出場する許可証としての機能を備える第1のトークンを端末装置に送信し、
前記端末装置から前記第1のトークンを読み取り、
前記端末装置が前記第1の場所で出場したことを検知し、
前記端末装置から前記第1のトークンが読み取られ、前記端末装置が出場したことが検知された前記第1の場所を出場場所として特定し、
前記端末装置が入場した入場場所を特定する、入出場管理方法。
【請求項20】
第2の場所から入場する許可証としての機能を備える第2のトークンを端末装置に送信し、
前記端末装置から前記第2のトークンを読み取り、
前記端末装置が前記第2の場所で入場したことを検知し、
前記端末装置から前記第2のトークンが読み取られ、前記端末装置が入場したことが検知された前記第2の場所を入場場所として特定し、
前記端末装置が出場した出場場所を特定する、入出場管理方法。
【請求項21】
端末装置が入場した入場場所を、前記端末装置の位置情報を用いて特定し、
前記端末装置が出場した出場場所を、前記位置情報を用いて特定し、
前記入場場所から前記出場場所までの移動にかかる料金を決定する、入出場管理方法。
【請求項22】
端末装置が入場した入場場所から前記端末装置が出場した出場場所までの経路を、前記端末装置の位置情報を用いて特定し、
前記経路のうち、特定のサービスの利用が可能な区間の移動にかかる第1の料金を決定し、前記特定のサービスが利用可能でない区間の移動にかかる第2の料金を決定する、入出場管理方法。
【請求項23】
端末装置が第3の場所から入場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知し、
前記端末装置が第4の場所から出場したことを、前記端末装置の位置情報を用いて検知し、
前記第3の場所から前記第4の場所までの移動にかかる第1の料金を決定し、第5の場所に設置された改札機を用いて前記端末装置が前記第5の場所から入場したことを示す改札入場情報、及び第6の場所に設置された改札機を用いて前記端末装置が前記第6の場所から入場したことを示す改札出場情報を用いて、前記第5の場所から前記第6の場所までの移動にかかる第2の料金を決定する、入出場管理方法。
【請求項24】
端末装置が第3の場所から入場したことを示す情報を、前記端末装置の位置情報を用いて検知し、
前記端末装置が第4の場所から出場したことを示す情報を、前記端末装置の位置情報を用いて検知し、
前記第3の場所から前記第4の場所までの移動にかかる料金を、前記端末装置が前記第3の場所から前記第4の場所まで移動する間に特定の場所にあった場合の前記料金と、なかった場合の前記料金とが異なる金額となるように決定する、入出場管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出場管理システム及び入出場管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、日本国内で普及している交通系モバイルICカードシステムは、Felica(登録商標)方式などの、ICカードを読み取るための短距離無線通信を利用したものである。この交通系モバイルICカードシステムは、利用者端末にFelicaチップが搭載されている必要がある。日本国外の端末にはFelicaチップが搭載されていないものも多く、そのような端末では利用できない。また、自動改札機はタッチした瞬間にFelicaチップのデータ読み出し、認証などの暗号処理、IDの有効無効判定、及び改札通過の認可処理など高度な処理を高速に行う。このため、自動改札機などのコスト増の一因となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002-260032号公報
【特許文献2】特開2007-200224号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】電気設備学会誌 2011年6月 Suicaシステムの概要
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態が解決しようとする課題は、従来よりもコストを低減することが可能な入出場管理システム及び入出場管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態の入出場管理システムは、送信部、読取部、検知部、出場特定部及び入場特定部を備える。送信部は、第1の場所で出場する許可証としての機能を備える第1のトークンを端末装置に送信する。読取部は、前記端末装置から前記第1のトークンを読み取る。検知部は、前記端末装置が前記第1の場所で出場したことを検知する検知部。出場特定部は、前記第1のトークンが前記読取部によって読み取られ、前記検知部によって出場が検知された第1の場所を出場場所として特定する。入場特定部は、前記端末装置が入場した入場場所を特定する。
【発明の効果】
【0007】
本発明は、従来よりもコストを低減することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る改札システムの要部構成の一例を示すブロック図。
【
図2】
図1中の中央サーバー及び駅サーバーの要部構成の一例などを示すブロック図。
【
図3】
図1中の読取装置及びゲート制御装置の要部構成の一例などを示すブロック図。
【
図4】実施形態に係るリーダー部、ゲート装置及びセンサーの一例を示す斜視図。
【
図5】
図1中の端末装置の要部構成の一例を示すブロック図。
【
図6】
図5中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図7】
図2中の中央サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図8】
図3中の読取装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図9】
図3中のゲート制御装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図10】
図2中の駅サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図11】第2実施形態に係る駅端末の要部構成の一例を示すブロック図。
【
図12】
図11中の駅端末のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図13】
図2中の中央サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図14】
図2中の駅サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図15】
図5中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図16】第4実施形態に係る改札システムの要部構成の一例を示すブロック図。
【
図17】
図3中の読取装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図18】
図2中の中央サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図19】第5実施形態に係る改札システムの要部構成の一例を示すブロック図。
【
図20】
図19中のICカードシステムに含まれる各装置の要部構成の一例を示すブロック図。
【
図21】
図19中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図22】
図19中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図23】
図19中の自動改札機のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図24】
図19中の自動改札機のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図25】
図19中の端末装置のプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【
図26】
図19中の中央サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート及びICセンターサーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャートを示す図。
【
図27】
図19中のIC駅サーバーのプロセッサーによる処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、いくつかの実施形態に係る改札システムについて図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、各部の縮尺を適宜変更している場合がある。また、以下の実施形態の説明に用いる各図面は、説明のため、構成を省略して示している場合がある。また、各図面及び本明細書中において、同一の符号は同様の要素を示す。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係る改札システム1の要部構成の一例を示すブロック図である。改札システム1は、一例として、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500、センサー600、基地局700、携帯電話システム800及び端末装置900を含む。なお、改札システム1は、入出場管理システムの一例である。
このうち、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500、及びセンサー600は、各駅STAに設置される。なお、駅STAは、ここでは鉄道の駅とする。駅STAは、複数ある。
図1は、複数の駅STAの例として、駅STA1、駅STA2、駅STA3、…を示している。なお、STAの右の数字は、駅ごとの関係を示すものではなく、例えば、駅STA1の隣が駅STA2ということを示しているわけではない。
【0010】
中央サーバー100、駅サーバー200、基地局700、及び携帯電話システム800などは、ネットワークNW1に接続する。ネットワークNW1は、典型的にはインターネット及び携帯電話回線網などを含む通信網である。ネットワークNW1は、典型的にはWAN(wide area network)を含む通信網である。また、ネットワークNW1は、専用線などを含む通信網であっても良い。ただし、ネットワークNW1は、イントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網であっても良い。ネットワークNW1は、LAN(local area network)を含む通信網であっても良い。
【0011】
駅サーバー200、読取装置300及びゲート制御装置400は、ネットワークNW2に接続する。ネットワークNW2は、各駅STAに構築される。ネットワークNW2は、典型的には1つの駅STA内を範囲とするイントラネットなどのプライベートネットワークを含む通信網である。ネットワークNW2は、典型的には1つの駅STA内を範囲とするLANを含む通信網である。ただし、ネットワークNW2は、インターネットを含む通信網であっても良い。ネットワークNW2は、WANを含む通信網であっても良い。
【0012】
中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500、センサー600、基地局700、携帯電話システム800及び端末装置900の各装置について、
図1に、
図2~
図5を併用して説明する。
【0013】
図2は、中央サーバー100及び駅サーバー200の要部構成の一例などを示すブロック図である。
中央サーバー100は、例えば、改札システム1全体の管理などを行うサーバーである。また、中央サーバー100は、改札サービスを提供するための処理などを行う。本実施形態における改札サービスは、端末装置900の位置情報を用いて改札、及び運賃の決定などを行う。中央サーバー100は、一例として、プロセッサー110、ROM(read-only memory)120、RAM(random-access memory)130、補助記憶装置140及び通信インターフェース150を含む。そして、バス160などが、これら各部を接続する。
【0014】
プロセッサー110は、中央サーバー100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー110は、例えば、CPU(central processing unit)、MPU(micro processing unit)、SoC(system on a chip)、DSP(digital signal processor)、GPU(graphics processing unit)、ASIC(application specific integrated circuit)、PLD(programmable logic device)又はFPGA(field-programmable gate array)などである。あるいは、プロセッサー110は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー110は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー110は、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、中央サーバー100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー110は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー110の回路内に組み込まれていても良い。
【0015】
ROM120及びRAM130は、プロセッサー110を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM120は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM120は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM120は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM130は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM130は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM130は、典型的には揮発性メモリである。
【0016】
補助記憶装置140は、プロセッサー110を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置140は、例えばEEPROM(electric erasable programmable read-only memory)、HDD(hard disk drive)又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置140は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置140は、プロセッサー110が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー110での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0017】
また、補助記憶装置140は、ユーザーDB(database)141、トークンDB142及び入出場DB143を記憶する。
ユーザーDB141は、改札サービスを利用するユーザーについてのユーザー情報などを記憶及び管理するデータベースである。なお、「改札サービスを利用するユーザー」を以下単に「ユーザー」という。ユーザーDB141は、各ユーザーについて、ユーザー情報を、例えば、ユーザーID(identifier)と関連付け(紐付け)て記憶する。ユーザーIDは、ユーザーごとにユニークな識別情報である。プロセッサー110は、例えば、ユーザー登録において各ユーザーにユーザーIDを割り当てる。ユーザー情報は、ユーザーに関する情報である。ユーザー情報は、例えば、ユーザーが使用する端末装置900の端末ID、ユーザーの加入者ID及び決済方法情報などを含む。端末IDは、IMEI(International Mobile Equipment Identity)などの端末装置900ごとにユニークな識別情報である。加入者IDは、例えば、IMSI(international mobile subscriber identity)又は電話番号などの、端末装置900を使用するための通信サービスの加入者ごとにユニークな識別情報である。決済方法情報は、運賃などを支払うための決済方法などを示す情報である。
また、ユーザーDB141は、各ユーザーについて、ユーザーIDに第1状態情報を関連付けて記憶する。第1状態情報は、当該ユーザーIDで特定されるユーザーが改札内にいるか改札外にいると推定されるかを示す。第1状態情報は、例えば、入場状態及び出場状態の2種類の状態に切り替え可能である。第1状態情報は、入場状態である場合、ユーザーが改札内にいることを示す。第1状態情報は、出場状態である場合、ユーザーが改札外にいることを示す。
【0018】
トークンDB142は、トークンなどを記憶及び管理する。トークンについては後述する。
入出場DB143は、改札内への入場及び改札内からの出場についての情報を記憶及び管理する。
【0019】
通信インターフェース150は、中央サーバー100がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。
【0020】
バス160は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、中央サーバー100の各部で授受される信号を伝送する。
【0021】
駅サーバー200は、例えば、各駅STAに設置されるサーバーである。駅サーバー200は、例えば、駅STA内の駅務機器などを管理する。駅サーバー200は、典型的には1つの駅STAの駅務機器などを管理する。しかしながら、駅サーバー200は、複数の駅STAの駅務機器などを管理しても良い。駅サーバー200は、一例として、プロセッサー210、ROM220、RAM230、補助記憶装置240及び通信インターフェース250を含む。そして、バス260などが、これら各部を接続する。
【0022】
プロセッサー210は、駅サーバー200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー210は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー210は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー210は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー210は、ROM220又は補助記憶装置240などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、駅サーバー200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー210は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー210の回路内に組み込まれていても良い。
【0023】
ROM220及びRAM230は、プロセッサー210を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM220は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM220は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM220は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM230は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM230は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM230は、典型的には揮発性メモリである。
【0024】
補助記憶装置240は、プロセッサー210を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置240は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置240は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置240は、プロセッサー210が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー210での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0025】
通信インターフェース250は、駅サーバー200がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。また、通信インターフェース250は、駅サーバー200がネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0026】
バス260は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、駅サーバー200の各部で授受される信号を伝送する。
【0027】
図3は、読取装置300及びゲート制御装置400の要部構成の一例などを示すブロック図である。
読取装置300は、例えば、端末装置900からトークンを読み取る駅務機器である。トークンは、例えば、改札内への入場の許可証又は改札内からの出場の許可証などの通行許可証(チケット)の機能を備える電子データである。
なお、改札内への入場に使用可能なトークンは、第1の場所から出場する許可証としての機能を備える第1のトークンの一例である。また、改札内からの出場に使用可能なトークンは、第2の場所から入場する許可証としての機能を備える第2のトークンの一例である。なお、入場と出場の両方が可能なトークンは、第1のトークンであり、第2のトークンでもある。また、トークンによって乗車可能な駅は、第2の場所の一例である。トークンによって降車可能な駅は、第1の場所の一例である。また、読取装置300は、トークンを読み取る読取部の一例である。
【0028】
読取装置300は、一例として、プロセッサー310、ROM320、RAM330、補助記憶装置340、通信インターフェース350及びリーダー部360を含む。そして、バス370などが、これら各部を接続する。
【0029】
プロセッサー310は、読取装置300の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー310は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー310は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー310は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー310は、ROM320又は補助記憶装置340などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、読取装置300の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー310は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー310の回路内に組み込まれていても良い。
【0030】
ROM320及びRAM330は、プロセッサー310を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM320は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM320は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM320は、プロセッサー310が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM330は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM330は、プロセッサー310が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM330は、典型的には揮発性メモリである。
【0031】
補助記憶装置340は、プロセッサー310を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置340は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置340は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置340は、プロセッサー310が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー310での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0032】
通信インターフェース350は、読取装置300がネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0033】
リーダー部360は、端末装置900からトークンを読み取る装置である。
リーダー部360は、例えば、Bluetooth(登録商標)又はRFID(radio frequency identifier)通信などの近距離無線通信を用いてトークンを読み取る装置である。この場合、リーダー部360は、無線通信用のアンテナなどを備える。リーダー部360は、例えば、端末装置900の近距離通信I/F980を介してトークンを読み取る。リーダー部360は、端末装置900の位置を測位する機能を備えたロケーターなどの装置であっても良い。当該ロケーターは、一例として、BLE(Bluetooth low energy)などを用いたロケーターである。
【0034】
測位機能を有するリーダー部360について、
図4を用いて説明する。
図4は、リーダー部360、ゲート装置500及びセンサー600の一例を示す斜視図である。
図4には、一例として、リーダー部360-1及びリーダー部360-2の2つのリーダー部360を示している。リーダー部360は、例えば、測位範囲AR内にある端末装置900の位置を、原点であるリーダー部360を基準とする方位角θ及び仰角φとして測位する。2台のリーダー部360のそれぞれは、リーダー部360から見てどの方向に端末装置900があるかが分かる。したがって、読取装置300などは、2台以上のリーダー部360を用いることで端末装置900の三次元位置の測位が可能となる。
図4には、リーダー部360-1から見た方位角θを方位角θ1、リーダー部360-1から見た仰角をφ1、リーダー部360-2から見た方位角θを方位角θ2、リーダー部360-2から見た仰角をφ2として示している。また、
図4には、リーダー部360-1の測位範囲AR1、リーダー部360-2の測位範囲AR2として示している。
【0035】
なお、リーダー部360は、1台で端末装置900の三次元位置の測位が可能な装置であっても良い。この場合のリーダー部360は、例えば、リーダー部360と端末装置900との間を電波が移動するのにかかる時間を用いてリーダー部360と端末装置900との距離を求める。あるいは、リーダー部360は、リーダー部360と端末装置900との間の通信強度を用いてリーダー部360と端末装置900との距離を求める。
【0036】
あるいは、リーダー部360は、光学的手段によってトークンを読み取る装置である。この場合、リーダー部360は、例えば、動画又は静止画などの画像を撮像するカメラ又はスキャナーなどである。あるいは、リーダー部360は、バーコードスキャナー又は二次元コードスキャナーなどであっても良い。
【0037】
なお、リーダー部360は、ゲート装置500に備え付けられたものであっても良いし、天井、床又は壁などに設置されたものでも良い。
【0038】
図3の説明に戻る。
バス370は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、読取装置300の各部で授受される信号を伝送する。
【0039】
ゲート制御装置400は、ゲート装置500及びセンサー600を制御する。ゲート制御装置400は、一例として、プロセッサー410、ROM420、RAM430、補助記憶装置440、通信インターフェース450及び制御インターフェース460を含む。そして、バス470などが、これら各部を接続する。
【0040】
プロセッサー410は、ゲート制御装置400の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー410は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー410は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー410は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー410は、ROM420又は補助記憶装置440などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、ゲート制御装置400の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー410は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー410の回路内に組み込まれていても良い。
【0041】
ROM420及びRAM430は、プロセッサー410を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM420は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM420は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM420は、プロセッサー410が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM430は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM430は、プロセッサー410が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM430は、典型的には揮発性メモリである。
【0042】
補助記憶装置440は、プロセッサー410を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置440は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置440は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置440は、プロセッサー410が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー410での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0043】
通信インターフェース450は、ゲート制御装置400がネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0044】
制御インターフェース460は、ゲート制御装置400がゲート装置500及びセンサー600などと通信するためのインターフェースである。ゲート制御装置400は、制御インターフェース460を介してゲート装置500及びセンサー600を制御する。
なお、ゲート装置500及びセンサー600は、ネットワークNW2に接続しても良い。この場合、ゲート制御装置400は、通信インターフェース450及びネットワークNW2を介してゲート装置500及びセンサー600と通信する。
【0045】
バス470は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、ゲート制御装置400の各部で授受される信号を伝送する。
【0046】
ゲート装置500及びセンサー600について
図4を用いて説明する。
ゲート装置500は、ターンスタイル型、リトラクタブル型、フラップドア型又はその他の方式のゲート510などを備える。ゲート装置500は、ゲート510を用いて人などの通行を制御するための装置である。ゲート装置500は、ゲート510を用いて通路を閉塞及び開放のいずれかの状態に切り替える機能を有する。なお、ゲート装置500が開放及び閉塞を切り替える通路を「ゲート通路」というものとする。ゲート装置500は、ゲート通路を閉塞することで、人などが当該ゲート通路を通行できないようにする。ゲート装置500は、ゲート通路を開放することで、人などが当該ゲート通路を通行できるようにする。ゲート装置500は、例えば、改札外から改札内へ入場する通路、又は改札内から改札外へ出場する通路などに設置される。したがって、ゲート通路は、改札外から改札内へ入場する通路又は改札内から改札外へ出場する通路などである。
また、ゲート装置500は、それぞれゲートIDを有する。ゲートIDは、ゲート装置500ごとにユニークなIDである。ただし、異なる駅のゲート装置500のゲートIDは重複しても良い。また、異なるゲート制御装置400が制御するゲート装置500のゲートIDは重複しても良い。
【0047】
センサー600は、例えば、人などを検知するセンサーである。センサー600は、ゲート通路を人などが通ろうとしたことを検知する。センサー600は、例えば、ゲート装置500に備え付けられたものであっても良いし、天井、床又は壁などに設置されたものでも良い。センサー600は、例えば、ゲート装置500と1対1に対応し、1つのセンサー600が1つのゲート通路の検知を行う。
【0048】
なお、1つのゲート制御装置400は、例えば、1又は複数のゲート装置500及び1又は複数のセンサー600を制御する。また、1つの駅STAにゲート制御装置400が複数あっても良い。
【0049】
基地局700は、例えば、携帯電話用の基地局である。基地局700は、周知の基地局と同様であっても良いので説明を省略する。
【0050】
携帯電話システム800は、端末装置900を使用するための通信サービスの提供、及び携帯電話回線網などの制御及び管理するシステムである。携帯電話システム800は、例えば、移動体通信事業者などによって運用される。携帯電話システム800は、例えば、基地局700から得られる情報などに基づき、各端末装置900の位置を特定する。すなわち、携帯電話システム800は、端末装置900の位置情報として、端末装置900がどの基地局700の通信エリアにあるかを特定する。また、携帯電話システム800は、時間ごとの各端末装置900の位置を記録するなどして、各端末装置900の位置の履歴を記録する。
また、携帯電話システム800は、端末装置900を使用するための通信サービスの加入者の個人情報などを記憶する。当該個人情報は、例えば、氏名、電話番号、及び口座番号又はクレジットカード番号などを含む。
【0051】
図5は、端末装置900の要部構成の一例を示すブロック図である。
端末装置900は、スマートホン又はタブレット端末などの携帯電話回線に接続可能な装置である。端末装置900は、一例として、プロセッサー910、ROM920、RAM930、補助記憶装置940、通信インターフェース950、タッチパネル960、スピーカー970及び近距離通信I/F(interface)980を含む。そして、バス990などが、これら各部を接続する。
【0052】
プロセッサー910は、端末装置900の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー910は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー910は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー910は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー910は、ROM920又は補助記憶装置940などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、端末装置900の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー910は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー910の回路内に組み込まれていても良い。
【0053】
ROM920及びRAM930は、プロセッサー910を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM920は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM920は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM920は、プロセッサー910が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM930は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM930は、プロセッサー910が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM930は、典型的には揮発性メモリである。
【0054】
補助記憶装置940は、プロセッサー910を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置940は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置940は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置940は、プロセッサー910が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー910での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。なお、補助記憶装置940は、SIM(subscriber identity module)カードを読み書きするためのカードリーダー及び当該SIMカードを含んでも良い。
【0055】
また、補助記憶装置940は、アプリケーションソフトウェアとして、例えば、改札サービスを利用するためのソフトウェア(以下「端末用アプリ」という。)を記憶する。また、補助記憶装置940は、ユーザー登録などにおいて付与されるユーザーIDを記憶する。また、補助記憶装置940などは、端末装置900の端末IDを記憶する。また、補助記憶装置940は、端末装置900を使用する加入者の加入者IDを記憶する。
【0056】
通信インターフェース950は、端末装置900が基地局700と通信するためのインターフェースである。端末装置900は、基地局700を介してネットワークNW1と接続する。
【0057】
タッチパネル960は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(electro-luminescence)ディスプレイなどのディスプレイとタッチ入力によるポインティングデバイスとが積層しているものである。タッチパネル960が備えるディスプレイは、端末装置900の操作者(以下、単に「操作者」という。)に各種情報を通知するための画面を表示する表示デバイスとして機能する。また、タッチパネル960は、操作者によるタッチ操作を受け付ける入力デバイスとして機能する。
【0058】
スピーカー970は、入力される音声信号を音波として出力する。
【0059】
近距離通信I/F980は、端末装置900がBluetooth又はRFID通信
通信などの近距離無線通信などによって無線通信するためのインターフェースである。
【0060】
バス990は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、端末装置900の各部で授受される信号を伝送する。
【0061】
以下、第1実施形態に係る改札システム1の動作を
図6~
図10などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図6は、端末装置900のプロセッサー910による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー910は、例えば、ROM920又は補助記憶装置940などに記憶されたプログラムに基づいて
図6の処理を実行する。
図7は、中央サーバー100のプロセッサー110による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー110は、例えば、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたプログラムに基づいて
図7の処理を実行する。
図8は、読取装置300のプロセッサー310による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー310は、例えば、ROM320又は補助記憶装置340などに記憶されたプログラムに基づいて
図8の処理を実行する。
図9は、ゲート制御装置400のプロセッサー410による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー410は、例えば、ROM420又は補助記憶装置440などに記憶されたプログラムに基づいて
図9の処理を実行する。
図10は、駅サーバー200のプロセッサー210による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー210は、例えば、ROM220又は補助記憶装置240などに記憶されたプログラムに基づいて
図10の処理を実行する。なお、本明細書におけるフローチャートでは詳細なプロトコル、データ送受信のエラーチェック及びベリファイ処理などは説明上で省略する場合がある。
【0062】
端末装置900のプロセッサー910は、例えば、端末用アプリの開始にともない
図6に示す処理を開始する。なお、以下の説明では、特定の1台の端末装置900の処理を説明する。実際にはそれぞれの端末装置900が同様の処理を行う。
【0063】
ステップST11においてプロセッサー910は、端末装置900の位置がいずれかの取得範囲内であるか否かを判定する。取得範囲は、予め定められた位置の範囲である。取得範囲は、端末装置900がトークンを取得するための処理を行う範囲である。取得範囲は、例えば、駅内及び駅の周辺などのうちの所定の範囲である。取得範囲は、例えば、ゲート装置500の周囲など、すなわち改札内への入出場を行う場所の周囲などである。取得範囲は、例えば、ゲート装置500が設置されている階層である。取得範囲は、例えば、駅の構内である。取得範囲は、例えば、駅内及び駅の周囲である。また、各取得範囲には駅IDが関連付け(紐付け)られている。駅IDは、駅ごとにユニークな識別情報である。当該駅IDは、関連付けられた取得範囲がどの駅に対応する範囲であるかを示す。
取得範囲は、第1の範囲及び第2の範囲の一例である。
【0064】
なお、プロセッサー910は、取得範囲についての情報を例えば補助記憶装置940などから取得する。あるいは、プロセッサー910は、取得範囲についての情報を例えば中央サーバー100などから取得する。また、プロセッサー910は、例えば、端末装置900の位置情報を携帯電話システム800から取得する。
【0065】
プロセッサー910は、端末装置900の位置がいずれの取得範囲内でもないならば、ステップST11においてNoと判定してステップST12へと進む。ただし、プロセッサー910は、端末装置900が取得範囲内にあっても、当該取得範囲に関連付けられた駅IDで特定される駅用の普通トークンを取得済みである場合にも、ステップST11においてNoと判定してステップST12へと進む。普通トークンについては後述する。
【0066】
ステップST12においてプロセッサー910は、操作者によって指定されるトークンを取得するために必要な処理を開始するように指示する入力を受けたか否かを判定する。当該入力は、例えば、操作者による操作入力に基づく。プロセッサー910は、操作者によって指定されるトークンを取得するために必要な処理を開始するように指示する入力を受けていないならば、ステップST12においてNoと判定してステップST11へと戻る。かくして、プロセッサー910は、端末装置900の位置が取得範囲内となるか、操作者によって指定されるトークンを取得するために必要な処理を開始するように指示する入力を受けたまでステップST11及びステップST12を繰り返す待受状態となる。
【0067】
プロセッサー910は、ステップST11及びステップST12の待受状態にある場合に端末装置900の位置がいずれかの取得範囲内であるならば、ステップST11においてYesと判定してステップST13へと進む。ここで、端末装置900が範囲内にある取得範囲を以下「対象範囲」というものとする。
【0068】
ステップST13においてプロセッサー910は、対象範囲に関連付けられた駅IDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。当該駅IDは、例えば、当該駅IDが示す駅に端末装置900があることを示す。あるいは、当該駅IDは、当該駅IDが示す駅又はその周辺に端末装置900があることを示す。
【0069】
ステップST14においてプロセッサー910は、第1トークン要求を生成する。第1トークン要求は、対象範囲に関連付けられた駅IDで特定される駅用の普通トークンを発行して送信するように要求する情報である。第1トークン要求は、一例として、宛先アドレス、発信元アドレス、ユーザーID,現在日時、位置情報、駅ID及びシーケンス番号を含む。第1トークン要求中のユーザーIDは、補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDである。第1トークン要求中の位置情報は、例えばステップST11の処理において携帯電話システム800から取得された端末装置900の位置情報である。第1トークン要求中の駅IDは、ステップST13で取得された駅IDである。なお、普通トークンは、トークンの一種であり、第1トークン要求を受信した中央サーバー100によって発行されるトークンである。また、普通トークンは、例えば、改札内への入場又は改札内からの出場に1回だけ用いることができるトークンである。プロセッサー910は、第1トークン要求を生成した後、当該第1トークン要求を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第1トークン要求を中央サーバー100に送信する。送信された当該第1トークン要求は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。
なお、プロセッサー910は、ステップST13で取得された駅IDで特定される駅用の有効な普通トークンを所有している場合、すなわち当該普通トークンを補助記憶装置940などに記憶している場合、第1トークン要求の生成及び送信を行わず、ステップST11に戻る。有効な普通トークンとは、例えば、期限切れになっていないトークンである。
【0070】
また、プロセッサー910は、ステップST11及びステップST12の待受状態にあるときに操作者によって指定されるトークンを取得するために必要な処理を開始するように指示する入力を受けたならば、ステップST12においてYesと判定してステップST15へと進む。
【0071】
ステップST15においてプロセッサー910は、取得画面に対応した画像を生成する。そして、プロセッサー910は、生成したこの画像を表示するようにタッチパネル960に対して指示する。表示の指示を受けてタッチパネル960は、取得画面を表示する。
【0072】
取得画面は、取得するトークンを指定するための情報(以下「指定情報」という。)などを操作者が入力するための画面である。取得画面は、例えば、指定情報を入力する入力欄及び送信ボタンなどを含む。取得画面の入力欄は、指定情報として、例えば、トークンの種別、トークンの有効範囲、及びトークンの使用日、トークンの使用開始日、及びトークンの有効期間などのうち必要な情報を入力できるようになっている。なお、有効範囲は、トークンを使用できる駅及び路線の範囲を示し、例えば、乗車駅、降車駅、及び経路などによって決定される。トークンの種別は、定期乗車券として使用可能なトークン(以下「定期トークン」という。)、1日乗車券などの、所定の範囲内の鉄道に乗り放題となる乗車券として使用可能なトークン(以下「乗り放題トークン」という。)又はその他の種類の乗車券として使用可能なトークンなどである。また、取得画面に入力するトークンの種別として普通トークンを指定することができても良い。トークンは、種別に応じてトークンの発行にかかる料金が後払いのもの及び先払いのものがある。定期トークン及び乗り放題トークンは、典型的には料金先払いである。また、発行が無料のトークンがあっても良い。普通トークンの発行にかかる料金は典型的には無料である。なお、使用日は、トークンを使用できる日を示す。
【0073】
送信ボタンは、取得画面の入力欄に必要な情報の入力が終わった場合に操作するためのボタンである。送信ボタンは、指定情報を送信してトークンを取得するように端末装置900に指示するためのボタンである。
【0074】
ステップST16においてプロセッサー910は、指定情報の入力が完了するのを待ち受ける。すなわち、プロセッサー910は、例えば、指定情報が入力された状態で送信ボタンが操作されるのを待ち受ける。プロセッサー910は、指定情報の入力が完了したと判定するならば、ステップST16においてYesと判定してステップST17へと進む。
【0075】
ステップST17においてプロセッサー910は、第2トークン要求を生成する。第2トークン要求は、宛先アドレス、発信元アドレス、ユーザーID,現在日時、位置情報、指定情報及びシーケンス番号を含む。第2トークン要求中のユーザーIDは、補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDである。第2トークン要求中の位置情報は、例えば携帯電話システム800から取得される端末装置900の位置情報である。第2トークン要求中の指定情報は、取得画面において入力された指定情報である。第2トークン要求は、当該指定情報によって指定されるトークンを発行して送信するように要求する情報である。プロセッサー910は、第2トークン要求を生成した後、当該第2トークン要求を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第2トークン要求を中央サーバー100に送信する。送信された当該第2トークン要求は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。
【0076】
一方、中央サーバー100のプロセッサー110は、例えば、改札システム1用のソフトウェアの開始にともない
図7の処理を開始している。
図7のステップST31において中央サーバー100のプロセッサー110は、通信インターフェース150によってトークン要求が受信されたか否かを判定する。なお、トークン要求は、第1トークン要求及び第2トークン要求の総称である。プロセッサー110は、トークン要求が受信されないならば、ステップST31においてNoと判定してステップST32へと進む。
【0077】
ステップST32においてプロセッサー110は、通信インターフェース150によって第2通過情報が受信されたか否かを判定する。第2通過情報については後述する。プロセッサー110は、第2通過情報が受信されないならば、ステップST32においてNoと判定してステップST31へと戻る。かくして、プロセッサー110は、トークン要求又は第2通過情報が受信されるまでステップST31及びステップST32を繰り返す待受状態となる。
【0078】
プロセッサー110は、ステップST31及びステップST32の待受状態にあるときにトークン要求が受信されたならば、ステップST31においてYesと判定してステップST33へと進む。
【0079】
ステップST33においてプロセッサー110は、トークンの発行を許可するか否かを判定する。プロセッサー110は、例えば、トークンの発行要求に不正がある場合などにトークンの発行を許可しない。また、プロセッサー110は、例えば、重複発行となるような場合にも発行を許可しない。プロセッサー110は、トークンの発行を許可するならば、ステップST33においてYesと判定してステップST34へと進む。
【0080】
ステップST34においてプロセッサー110は、ステップST31で受信されたトークン要求に基づきトークンを発行する。プロセッサー110は、例えば、トークンを生成することでトークンを発行する。
ステップST31で受信されたトークン要求が第1トークン要求である場合、プロセッサー110は、普通トークンを発行する。
普通トークンは、一例として、トークンID、有効期限情報、駅ID及びユーザーIDを含む。トークンIDは、トークンごとにユニークな識別情報である。普通トークン中の有効期限情報は、当該普通トークンが使用できる有効期限を示す情報である。プロセッサー110は、受信された第1トークン要求に含まれる現在日時に所定の時間を足した時刻を有効期限とする。普通トークン中の駅IDは、受信された第1トークン要求に含まれる駅IDと同じである。当該駅IDは、当該普通トークンを使用できる駅を示す。普通トークン中のユーザーIDは、受信された第1トークン要求に含まれるユーザーIDと同じである。トークンに含まれるユーザーIDは、当該トークンを使用できるユーザーを示す。
なお、普通トークンによって乗車可能な駅は、第2の場所の一例である。また、普通トークンによって降車可能な駅は、第1の場所の一例である。したがって、普通トークンに含まれる駅IDで特定される駅は、第1の場所の一例であり、第2の場所の一例である。
【0081】
ステップST31で受信されたトークン要求が第2トークン要求である場合、プロセッサー110は、当該第2トークン要求に含まれる指定情報で指定された種別のトークンを発行する。
定期トークンは、一例として、トークンID、有効期間情報、定期区間情報、及びユーザーIDを含む。定期トークン中の有効期間情報は、当該定期トークンの使用開始日及び使用可能期間を示す情報である。定期区間情報は、定期トークンを使用可能な区間を示す情報である。定期区間情報は、例えば、乗車駅ID、降車駅ID及び有効経路情報を含む。乗車駅IDは、定期トークの乗車駅を示す駅IDである。降車駅IDは、定期トークンの降車駅を示す駅IDである。有効経路情報は、定期トークンで乗車可能な経路を示す情報である。定期トークン中のユーザーIDは、受信された第2トークン要求に含まれるユーザーIDと同じである。
なお、定期トークンによって乗車可能な駅は、第2の場所の一例である。また、定期トークンによって降車可能な駅は、第1の場所の一例である。したがって、定期トークンに含まれる定期区間情報で示される区間に含まれる各駅は、第1の場所の一例であり、第2の場所の一例である。
【0082】
乗り放題トークンは、一例として、トークンID、有効期間情報、乗り放題範囲情報、及びユーザーIDを含む。乗り放題トークン中の有効期間情報は、当該乗り放題トークンの使用開始日及び使用終了日、又は使用日を示す情報である。乗り放題範囲情報は、乗り放題トークンを使用可能な駅及び路線の範囲を示す情報である。乗り放題トークン中のユーザーIDは、受信された第2トークン要求に含まれるユーザーIDと同じである。
なお、乗り放題トークンによって乗車可能な駅は、第2の場所の一例である。また、乗り放題トークンによって降車可能な駅は、第1の場所の一例である。したがって、乗り放題トークンに含まれる乗り放題範囲情報で示される範囲に含まれる各駅は、第1の場所の一例であり、第2の場所の一例である。
【0083】
また、プロセッサー110は、料金先払いのトークンを発行した場合、当該料金について決済する。なお、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST31で受信されたトークン要求に含まれるユーザーIDに関連付けられた決済方法情報を取得する。そして、プロセッサー110は、当該決済方法情報が示す決済方法で決済する。
【0084】
ステップST35においてプロセッサー110は、ステップST34で発行したトークンを、当該トークンのトークンIDと関連付けてトークンDB142に記憶する。
【0085】
ステップST36においてプロセッサー110は、第1端末トークン情報を生成する。第1端末トークン情報は、一例として、ステップST34で発行したトークン、宛先アドレス、送信元アドレス、及びシーケンス番号などを含む。第1端末トークン情報は、当該トークンを送信することを示す情報である。プロセッサー110は、第1端末トークン情報を生成した後、当該第1端末トークン情報を、トークン要求の送信元である端末装置900に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第1端末トークン情報を当該端末装置900に送信する。送信された当該第1端末トークン情報は、当該端末装置900の通信インターフェース950によって受信される。
なお、プロセッサー110は、通信インターフェース150と協働して、端末装置900にトークンを送信することで、送信部の一例として機能する。
【0086】
ステップST37においてプロセッサー110は、ステップST34で送信したトークンをどの駅の駅サーバー200に送信するか決定する。トークンの使用先の駅は、当該トークンを使用可能な駅である。普通トークンの送信先の駅は、当該普通トークン中の駅IDで特定される駅である。定期トークンの送信先の駅は、定期区間情報で特定される、定期トークンによって乗降可能な全ての駅である。乗り放題トークンの送信先の駅は、乗り放題範囲情報で特定される、乗り放題トークンによって乗降可能な全ての駅である。
【0087】
そして、プロセッサー110は、送信する駅別にどのトークンを送信するかをRAM130又は補助記憶装置140などに記憶しておく。プロセッサー110は、ステップST37の処理の後、ステップST31へと戻る。
なお、プロセッサー110は、トークン要求を受信するたびにステップST33~ステップST38の処理を行うこととなる。したがって、プロセッサー110は、ステップST37の処理を繰り返すことで、それぞれの駅について、送信するトークンとして記憶している数が増えていく。
【0088】
プロセッサー110は、送信するトークンの数が所定の数以上となった駅について、トークンを送信する。このために、プロセッサー110は、駅トークン情報を生成する。駅トークン情報は、一例として、当該駅に送信するべく記憶している複数のトークン、宛先アドレス、送信元アドレス、及びシーケンス番号を含む。駅トークン情報は、トークンを送信することを示す情報である。プロセッサー110は、駅トークン情報を生成した後、当該駅トークン情報を駅サーバー200に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該駅トークン情報を駅サーバー200に送信する。送信された当該駅トークン情報は、駅サーバー200の通信インターフェース250によって受信される。
【0089】
また、プロセッサー110は、前回駅トークン情報を送信してからの経過時間が所定以上の時間である駅についても、駅トークン情報を生成し送信する。ただし、前回駅トークン情報を送信してからの経過時間が所定以上の時間である場合でも、送信するトークンの数が0である場合には、駅トークン情報の生成及び送信は不要である。
【0090】
また、プロセッサー110は、駅トークン情報によって駅に送信したトークンを、当該駅に送信するトークンとして記憶していたが、これを削除する。
【0091】
なお、プロセッサー110は、トークンの発行を許可しないならば、ステップST33においてNoと判定してステップST38へと進む。
【0092】
ステップST38においてプロセッサー110は、第2端末トークン情報を生成する。第2端末トークン情報は、トークンを発行しなかったことを通知する情報である。プロセッサー110は、第2端末トークン情報を生成した後、当該第2端末トークン情報を、トークン要求の送信元である端末装置900に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2端末トークン情報を当該端末装置900に送信する。送信された当該第2端末トークン情報は、当該端末装置900の通信インターフェース950によって受信される。プロセッサー110は、ステップST38の処理の後、ステップST31へと戻る。
【0093】
一方、
図6のステップST18において端末装置900のプロセッサー910は、通信インターフェース950によって端末トークン情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー910は、端末トークン情報が受信されたならば、ステップST18においてYesと判定してステップST19へと進む。なお、端末トークン情報は、第1端末トークン情報及び第2端末トークン情報の総称である。
【0094】
ステップST19においてプロセッサー910は、トークンを取得できたか否かを判定する。プロセッサー910は、ステップST18で第1端末トークン情報が受信されたならば、トークンの取得ができている。そして、プロセッサー910は、ステップST18で第2端末トークン情報が受信されたならば、トークンの取得ができていない。プロセッサー910は、トークンを取得できたならば、ステップST19においてYesと判定してステップST20へと進む。
【0095】
ステップST20においてプロセッサー910は、ステップST18で受信された第1端末トークン情報に含まれるトークンを補助記憶装置940などに記憶する。プロセッサー910は、ステップST20の処理の後、ステップST11へと戻る。
【0096】
対して、プロセッサー910は、トークンを取得できなかったならば、ステップST19においてNoと判定してステップST21へと進む。
ステップST21においてプロセッサー910は、トークンが取得できなかった場合のエラー処理などを行う。例えば、プロセッサー910は、トークンが取得できなかったことを示す画像をタッチパネル960に表示させることで、操作者に報知する。プロセッサー910は、ステップST21の処理の後、ステップST11へと戻る。
【0097】
一方、
図6のステップST81において駅サーバー200のプロセッサー210は、通信インターフェース250によって駅トークン情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー210は、駅トークン情報が受信されないならば、ステップST81においてNoと判定してステップST82へと進む。
【0098】
ステップST82においてプロセッサー210は、通信インターフェース250によって第1読取情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー210は、第1読取情報が受信されないならば、ステップST82においてNoと判定してステップST83へと進む。
【0099】
ステップST83においてプロセッサー210は、通信インターフェース250によって第1通過情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー210は、通過情報が受信されないならば、ステップST83においてNoと判定してステップST81へと戻る。かくして、プロセッサー210は、駅トークン情報、第1読取情報、又は第1通過情報が受信されるまでステップST81~ステップST83を繰り返す待受状態となる。なお、第1読取情報及び第1通過情報については後述する。
【0100】
プロセッサー210は、ステップST81~ステップST83の待受状態にあるときに駅トークン情報が受信されたならば、ステップST81においてYesと判定してステップST84へと進む。
【0101】
ステップST84においてプロセッサー210は、駅トークン情報に含まれる1又は複数のトークンを補助記憶装置140などに記憶する。プロセッサー210は、ステップST84の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0102】
操作者は、改札内に入場する場合、ゲート通路を通って改札内に入場する。また、操作者は、改札内から出場する場合にも、ゲート通路を通って改札内から出場する。この際、操作者は、端末装置900に記憶されたトークンを読取装置300に読み取らせる必要がある。
リーダー部360が近距離無線通信を用いて端末装置900からトークンを読み取る場合、操作者は、ゲート通路に近付くだけで良い。あるいは、リーダー部360が数センチメートル~数十センチメートル以下程度の短い距離の近距離無線通信を用いて端末装置900からトークンを読み取る場合、操作者は、端末装置900をリーダー部360に近付ける。
【0103】
また、リーダー部360が光学的手段によってトークンを読み取る場合、操作者は、端末装置900を操作して、タッチパネル960にトークンを表示させるように端末装置900に指示する。また、操作者は、端末装置900を操作して、端末装置900に記憶されたトークンのうちのどのトークンを表示させるかも指定する。これらの操作に応じて、プロセッサー910は、タッチパネル960に、操作者によって指定されたトークンを表示させる。なお、プロセッサー910は、トークンを例えば二次元コードなどに変換してタッチパネル960に表示させる。そして、操作者は、トークンが表示されたタッチパネル960がリーダー部360の撮影範囲内に入るような位置に端末装置900を移動させる。
【0104】
読取装置300のプロセッサー310は、例えば、読取装置300の起動にともない
図8の処理を開始している。
図8のステップST51において読取装置300のプロセッサー310は、リーダー部360によってトークンが読み取られるのを待ち受ける。プロセッサー310は、リーダー部360によってトークンが読み取られたならば、ステップST51においてYesと判定してステップST52へと進む。
【0105】
ステップST52においてプロセッサー310は、ステップST51で取得されたトークンが、どのゲート装置500のゲート通路に操作者及び端末装置900が近付いたことによって読み取られたものであるかを特定する。そして、プロセッサー310は、特定したゲート装置500のゲートIDを取得する。
【0106】
リーダー部360がゲート装置500に備え付けられたものである場合、プロセッサー310は、例えば、トークンを読み取ったリーダー部360が備え付けられたゲート装置500のゲートIDを取得する。
リーダー部360が端末装置900の位置を測位する機能を有する場合、プロセッサー310は、例えば、端末装置900から最も近いゲート装置500のゲートIDを取得する。あるいは、プロセッサー310は、端末装置900の移動方向の延長線上にあるゲート装置500のゲートIDを取得しても良い。あるいは、プロセッサー310は、その他の方法により、操作者が通過するであろうゲート通路を予測し、当該ゲート通路の通行を制御するゲート装置500のゲートIDを取得しても良い。
プロセッサー310は、ステップST52においてゲートIDを取得することで、端末装置900が複数のゲート通路のうちのどのゲート通路を通行するかを特定する通行特定部の一例として機能する。
【0107】
ステップST53においてプロセッサー310は、ステップST51で取得されたトークンが、改札外で取得されたものであるか、改札内で取得されたものであるかを特定する。換言すると、プロセッサー310は、当該トークンの使用者が改札内に入場しようとしているか、改札内から出場しようとしているかを特定する。
【0108】
例えば、改札外側に設置されたリーダー部360によってトークンが読み取られている場合、プロセッサー310は、改札外で取得されたと判定する。対して、改札内側に設置されたリーダー部360によってトークンが読み取られている場合、プロセッサー310は、改札内で取得されたと判定する。
【0109】
あるいは、リーダー部360が端末装置900の位置を測位する機能を有する場合、プロセッサー310は、例えば、端末装置900の位置が改札外である場合に、改札外で取得されたと判定する。対して、プロセッサー310は、端末装置900の位置が改札内である場合に、改札内で取得されたと判定する。
【0110】
ステップST54においてプロセッサー310は、第1読取情報を生成する。第1読取情報は、ステップST51で読み取られたトークン、ステップST52で取得されたゲートID及び第1入出場区分を含む。第1入出場区分は、当該トークンが改札内への入場に用いられようとしているのか改札内からの出場に用いられようとしているのかを示す情報である。プロセッサー310は、例えば、ステップST53において改札外で取得したと判定した場合、第1入出場区分を入場用とする。プロセッサー310は、例えば、ステップST53において改札内で取得したと判定した場合、第1入出場区分を出場用とする。第1読取情報は、当該ゲートIDで特定されるゲート装置のゲート通路を通行しようとしている人が所持する端末装置900から読み取った当該トークンを送信することを示す情報である。プロセッサー310は、第1読取情報を生成した後、当該第1読取情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース350に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース350は、当該第1読取情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第1読取情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー310は、ステップST54の処理の後、ステップST51へと戻る。
【0111】
一方、ゲート制御装置400のプロセッサー410は、例えばゲート制御装置400の起動にともない
図9の処理を開始している。
ステップST61においてプロセッサー410は、各ゲート装置通路について、ゲート通路を閉塞するか否かを判定する。プロセッサー410は、例えば、ゲート通路が開放状態で且つセンサー600が当該ゲート通路を通ろうとしている人を検知した場合に当該ゲート通路を閉塞すると判定する。ただし、プロセッサー410は、後述の入場許可状態のゲート装置500が通行を制御するゲート通路については、入場しようとしている人を検知した場合でも閉塞すると判定しない。また、プロセッサー410は、後述の出場許可状態のゲート装置500が通行を制御するゲート通路については、出場しようとしている人を検知した場合でも閉塞すると判定しない。プロセッサー410は、いずれのゲート通路も閉塞すると判定しないならば、ステップST61においてNoと判定してステップST62へと進む。
【0112】
ステップST62においてプロセッサー410は、通信インターフェース450によって第1読取情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー410は、第1読取情報が受信されないならば、ステップST62においてNoと判定してステップST63へと進む。
【0113】
ステップST63においてプロセッサー410は、通信インターフェース450によって第1許可情報又は第1不許可情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー410は、第1許可情報及び第1不許可情報が受信されないならば、ステップST63においてNoと判定してステップST64へと進む。
【0114】
ステップST64においてプロセッサー410は、ゲート通路を人が通過したか否かを判定する。すなわち、プロセッサー410は、ゲート装置500から送信される通過通知が制御インターフェース460によって受信されたか否かを判定する。通過通知については後述する。プロセッサー410は、ゲート通路を人が通過していないならば、ステップST64においてNoと判定してステップST65へと進む。
【0115】
ステップST65においてプロセッサー410は、ゲート装置500がタイムアウトしたか否かを判定する。なお、ゲート装置500のタイムアウトについては後述する。プロセッサー410は、ゲート装置500がタイムアウトしていないならば、ステップST65においてNoと判定してステップST61へと戻る。かくして、プロセッサー410は、ゲート通路を閉塞すると判定するか、第1読取情報、第1許可情報又は第1不許可情報が受信されるか、ゲート通路を人が通過したと判定するか、ゲート装置500がタイムアウトするまでステップST61~ステップST65を繰り返す待受状態となる。第1読取情報、第1許可情報及び第1不許可情報については後述する。
【0116】
プロセッサー410は、ステップST61~ステップST65の待受状態にあるときにいずれかのゲート通路を閉塞すると判定するならば、ステップST61においてYesと判定してステップST66へと進む。
ステップST66においてプロセッサー410は、閉塞すると判定したゲート通路を閉塞する。このために、プロセッサー410は、当該ゲート通路の通行を制御しているゲート装置500を制御して当該ゲート通路を閉塞させる。プロセッサー410は、ステップST66の処理の後、ステップST62へと進む。
【0117】
プロセッサー410は、ステップST61~ステップST65の待受状態にあるときに第1読取情報が受信されたならば、ステップST62においてYesと判定してステップST67へと進む。
ステップST67においてプロセッサー410は、ステップST62で受信された第1読取情報を駅サーバー200に送信するように通信インターフェース450に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース450は、当該第1読取情報を駅サーバー200に送信する。送信された当該第1読取情報は、駅サーバー200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー410は、ステップST67の処理の後、ステップST61へと戻る。
【0118】
一方、駅サーバー200のプロセッサー210は、
図10のステップST81~ステップST83の待受状態にあるときに第1読取情報が受信されたならば、ステップST82においてYesと判定してステップST85へと進む。
【0119】
ステップST85においてプロセッサー210は、ステップST82で受信された第1読取情報に含まれるトークン(以下「受信トークン」という。)について、有効であるか否かを判定する。プロセッサー210は、ステップST84において記憶したトークンの中から、受信トークンとトークンIDが同じトークンを取得する。ただし、プロセッサー210は、ステップST84において記憶したトークンでも無効化されたものについては取得しない。そして、プロセッサー210は、取得したトークンと受信トークの2つのトークンが同一のデータであることの整合性を判定する。
【0120】
また、プロセッサー210は、受信トークンが現在日時において使用可能なものであるか否かを判定する。例えば、プロセッサー210は、受信トークンが普通トークンである場合、現在日時が有効期限情報の示す期限より前である場合、使用可能であると判定する。例えば、プロセッサー210は、受信トークンが定期トークンである場合、現在日時が、有効期間情報によって使用可能であると定められている期間内であるならば、使用可能であると判定する。例えば、プロセッサー210は、受信トークンが乗り放題トークンである場合、現在日時が、有効期間情報によって使用可能であると定められている期間内であるならば、使用可能であると判定する。
【0121】
ステップST86においてプロセッサー210は、受信トークンを用いたゲート通路の通行を許可するか否かを判定する。プロセッサー210は、ステップST85の処理により整合性がとれていると判定し、受信トークンが現在日時において使用可能なものであると判定したならば、通行を許可すると判定する。プロセッサー210は、通行を許可すると判定するならば、ステップST86においてYesと判定してステップST87へと進む。
【0122】
ステップST87においてプロセッサー210は、第1許可情報を生成する。第1許可情報は、一例として、受信トークンのトークンID、及びステップST82で受信された第1読取情報に含まれるゲートID及び第1入出場区分を含む。第1許可情報は、当該トークンIDで特定されるトークンを用いた当該ゲートIDで特定されるゲート装置500の通行を許可することを示す情報である。プロセッサー210は、第1許可情報を生成した後、当該第1許可情報を、第1読取情報の送信元であるゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該第1許可情報を当該ゲート制御装置400に送信する。送信された当該第1許可情報は、当該ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー210は、ステップST87の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0123】
対して、プロセッサー210は、ゲート通路の通行を許可しないならば、ステップST86においてNoと判定してステップST88へと進む。
ステップST88においてプロセッサー210は、第1不許可情報を生成する。第1不許可情報は、一例として、受信トークンのトークンID、及びステップST82で受信された第1読取情報に含まれるゲートIDを含む。第1不許可情報は、当該トークンIDで特定されるトークンを用いた当該ゲートIDで特定されるゲート装置500の通行を許可しないことを示す情報である。プロセッサー210は、第1不許可情報を生成した後、当該第1不許可情報を、第1読取情報の送信元であるゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該第1不許可情報を当該ゲート制御装置400に送信する。送信された当該第1不許可情報は、当該ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー210は、ステップST88の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0124】
一方、ゲート制御装置400のプロセッサー410は、
図9のステップST61~ステップST65の待受状態にあるときに第1許可情報又は第1不許可情報が受信されたならば、ステップST63においてYesと判定してステップST68へと進む。
【0125】
ステップST68においてプロセッサー410は、ゲート通路の通行が許可されたか否かを判定する。プロセッサー410は、ゲート通路の通行が許可されていないならば、すなわちステップST63で第1不許可情報が受信されたならば、ステップST68においてNoと判定してステップST61へと戻る。プロセッサー410は、ゲート通路の通行が許可されたならば、すなわちステップST63で第1許可情報が受信されたならば、ステップST68においてYesと判定してステップST69へと進む。
【0126】
ステップST69においてプロセッサー410は、ステップST63で受信された第1許可情報に含まれるゲートIDで特定されるゲート装置500を制御して入場許可状態又は出場許可状態にする。プロセッサー410は、第1許可情報に含まれる第1入出場区分が入場用である場合に、ゲート装置500を入場許可状態にする。プロセッサー410は、第1許可情報に含まれる第1入出場区分が出場用である場合に、ゲート装置500を出場許可状態にする。ゲート装置500は、入場許可状態又は出場許可状態に遷移する際、ゲート通路を閉塞している場合、ゲート通路を開放する。
また、プロセッサー410は、ステップST63で受信された第1許可情報に含まれるゲートIDと、当該第1許可情報に含まれるトークンIDとを関連付けてRAM130又は補助記憶装置140など記憶しておく。ここで記憶されるゲートIDは、削除されるまで入場許可状態又は出場許可状態であることを示す。
プロセッサー410は、ステップST69の処理の後、ステップST61へと戻る。
【0127】
以上より、プロセッサー410は、ゲート装置500を入場許可状態にすることで、入場制御部の一例として機能する。また、プロセッサー410は、ゲート装置500を出場許可状態にすることで、出場制御部の一例として機能する。
【0128】
前述したように、操作者は、改札内に入場する場合、ゲート通路を通って改札内に入場する。入場許可状態のゲート装置500は、ゲート通路が開放されており、前述のように入場しようとしても閉塞されないので、ゲート通路を通過して改札内に入場することが可能である。
また、操作者は、改札内から出場する場合にも、ゲート通路を通って改札内から出場する。出場許可状態のゲート装置500は、ゲート通路が開放されており、前述のように出場しようとしても閉塞されないので、ゲート通路を通過して改札内から出場することが可能である。
ゲート装置500は、通行を制御しているゲート通路を人などが通過して改札内に入場した場合、入場通知をゲート制御装置400に送信する。ゲート装置500は、通行を制御しているゲート通路を人などが通過して改札内から出場した場合、出場通知をゲート制御装置400に送信する。入場通知及び出場通知は、送信元のゲート装置500のゲートIDを含む。入場通知は、入場通知中のゲートIDで特定されるゲート装置500によって通行が制御されているゲート通路を人などが通過して改札内に入場したことを通知する情報である。出場通知は、出場通知中のゲートIDで特定されるゲート装置500によって通行が制御されているゲート通路を人などが通過して改札内から出場したことを通知する情報である。入場通知及び出場通知を総称して通過通知というものとする。通過通知は、ゲート制御装置400の制御インターフェース460によって受信される。
【0129】
プロセッサー410は、ステップST61~ステップST65の待受状態にあるときに通過通知が受信されたならば、ステップST64においてYesと判定してステップST70へと進む。
ステップST70においてプロセッサー410は、ステップST69で記憶したゲートID及びトークンIDを参照して、通過通知に含まれるゲートIDと同じゲートIDに関連付けられたトークンIDを取得する。
【0130】
ステップST71においてプロセッサー410は、通過通知の送信元のゲート装置500を制御して、当該ゲート装置500の入場許可状態及び出場許可状態を解除する。また、プロセッサー410は、ステップST69で記憶したゲートIDのうち、通過通知に含まれるゲートIDと同じゲートIDを削除する。また、プロセッサー410は、ステップST69で記憶したトークンIDのうち、削除したゲートIDに関連付けられたトークンIDも削除する。
【0131】
ステップST72においてプロセッサー410は、第1通過情報を生成する。第1通過情報は、一例として、ゲートID、トークンID、駅ID、現在日時及び第2入出場区分を含む。第1通過情報中のゲートIDは、ステップST64で受信された通過通知に含まれるゲートIDである。第1通過情報中のトークンIDは、ステップST70で取得されたトークンIDである。第1通過情報中の駅IDは、ステップST64で受信された通過通知に含まれるゲートIDで特定されるゲート装置500が設置されている駅の駅IDである。当該駅IDは、典型的には、ゲート制御装置400が設置されている駅の駅IDと同一である。第1通過情報中の現在日時は、例えば、当該第1通過情報の生成を行った時点の日時である。第2入出場区分は、第1通過情報中のトークンIDで特定されるトークンが入場及び出場のいずれに用いられたかを示す情報である。プロセッサー410は、例えば、ステップST64で受信された通過通知が入場通知であるならば、第2入出場区分を「入場」とする。対して、プロセッサー410は、例えば、ステップST64で受信された通過通知が出場通知であるならば、第2入出場区分を「出場」とする。第1通過情報は、第1通過情報に含まれるトークンIDで特定されるトークンを用いて入場又は出場が行われたことを通知する情報である。プロセッサー410は、第1通過情報を生成した後、当該第1通過情報を駅サーバー200に送信するように通信インターフェース450に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース450は、当該第1通過情報を駅サーバー200に送信する。送信された当該第1通過情報は、駅サーバー200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー410は、ステップST72の処理の後、ステップST61へと戻る。
【0132】
プロセッサー210は、ステップST81~ステップST83の待受状態にあるときに第1通過情報が受信されたならば、ステップST83においてYesと判定してステップST89へと進む。
ステップST89においてプロセッサー210は、ゲート装置500の通過に使用されたトークンについて、普通トークンなどの1回限り使用できるトークンについて、再使用できないようにする。例えばこのために、プロセッサー210は、ステップST84で記憶したトークンのうち、第1通過情報に含まれるトークンIDと同じトークンIDのトークンを削除する。あるいは、プロセッサー210は、無効化されたトークンであることを示す情報をトークンに関連付けることで再使用できなくしても良い。なお、プロセッサー210は再使用できないようにするトークンに含まれるユーザーIDを取得しておく。
【0133】
ステップST90においてプロセッサー210は、第2通過情報を生成する。第2通過情報は、一例として、第1通過情報に含まれるものと同じゲートID、トークンID、駅ID及び第2入出場区分を含む。さらに、第2通過情報は、ステップST89で取得されたユーザーIDを含む。第2通過情報は、当該第2通過情報に含まれるユーザーIDで特定されるユーザーが、当該第2通過情報に含まれるトークンIDで特定されるトークンを用いて入場又は出場したことを通知する情報である。プロセッサー210は、第2通過情報を生成した後、当該第2通過情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース250に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース250は、当該第2通過情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該第2通過情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー210は、ステップST90の処理の後、ステップST81へと戻る。
【0134】
プロセッサー110は、ステップST31及びステップST32の待受状態にあるときに第2通過情報が受信されたならば、ステップST32においてYesと判定してステップST39へと進む。
【0135】
一方、
図7のステップST39において中央サーバー100のプロセッサー110は、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれる第2入出場区分が入場であるか否かを判定する。プロセッサー110は、第2入出場区分が入場であるならば、ステップST39においてYesと判定してステップST40へと進む。
【0136】
ステップST40においてプロセッサー110は、受信された第2通過情報に基づき、入場についての情報を記憶する。例えば、プロセッサー110は、入場IDに、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーID、トークンID及び入場情報を関連付けて入出場DB143に記憶する。入場IDは、改札内への入場1回ごとにユニークな識別情報である。入場IDに関連付けられた入場情報は、当該入場IDで特定される入場についての情報である。入場情報は、入場駅ID及び入場日時を含む。入場駅IDは、入場駅を示す駅IDである。プロセッサー110は、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれる駅IDを入場駅IDとする。プロセッサー110は、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれる現在日時を入場日時とする。なお、入場IDに関連付けられたユーザーIDは、入場IDで特定される入場において入場したユーザーを示す。
【0137】
また、プロセッサー110は、ユーザーDB141において、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDに関連付けられた第1状態情報を入場状態にする。
プロセッサー110は、ステップST40の処理の後、ステップST31へと戻る。
なお、プロセッサー110は、第2通過情報に含まれる駅IDを入場駅IDとすることで、入場特定部の一例として機能する。
【0138】
対して、プロセッサー110は、第2入出場区分が出場であるならば、ステップST39においてNoと判定してステップST41へと進む。
【0139】
ステップST41においてプロセッサー110は、受信された第2通過情報に基づき、出場についての情報を記憶する。例えば、プロセッサー110は、出場IDに、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーID、トークンID及び出場情報を関連付けて入出場DB143に記憶する。出場IDは、改札内からの出場1回ごとにユニークな識別情報である。出場IDに関連付けられた出場情報は、当該出場IDで特定される出場についての情報である。出場情報は、出場駅ID及び出場日時を含む。出場駅IDは、出場駅を示す駅IDである。プロセッサー110は、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれる駅IDを出場駅IDとする。プロセッサー110は、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれる現在日時を出場日時とする。なお、出場IDに関連付けられたユーザーIDは、出場IDで特定される出場において出場したユーザーを示す。
【0140】
また、プロセッサー110は、入出場DB143を参照して、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDが関連付けられた入場IDのうち、関連付けられた入場日時が最新の入場IDを取得する。そして、プロセッサー110は、上述の処理で入出場DB143に記憶した出場IDと、取得した当該入場IDとを関連付けて入出場DB143に記憶する。このように関連付けられた入場IDと出場IDは、同一ユーザーによる改札内への入場とその後の改札外への出場を示す。入場IDと出場IDとを関連付けることにより、プロセッサー110は、改札内への入場と、その後の改札内からの出場とを1組として管理できる。
【0141】
また、プロセッサー110は、ユーザーDB141において、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDに関連付けられた第1状態情報を出場状態にする。
【0142】
以上より、プロセッサー110は、通信インターフェース150と協働して、第2通過情報を受信することで、検知部の一例として機能する。また、プロセッサー110は、第2通過情報に含まれる駅IDを出場駅IDとすることで、出場特定部の一例として機能する。
【0143】
ステップST42においてプロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDに関連付けられた端末ID又は加入者IDを取得する。そして、プロセッサー110は、取得した端末ID又は加入者IDで特定される端末装置900の位置情報の、入場日時から出場日時までの履歴を携帯電話システム800から取得する。ここでの入場日時及び出場日時は、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDのそれぞれに関連付けられた入場日時及び出場日時である。
【0144】
ステップST43においてプロセッサー110は、運賃を請求するか否かを判定する。このために、プロセッサー110は、例えば、ステップST42で取得した位置情報に基づき、ユーザーが鉄道車両に乗車して移動したか否かを判定する。例えば、プロセッサー110は、端末装置900が入場駅IDで特定される駅のホームにあり、その後出場駅IDで特定される駅のホームにあったならば、当該端末装置900を所持するユーザーが入場駅から出場駅まで鉄道車両に乗車して移動したと判定する。プロセッサー110は、例えば、ユーザーが入場駅から出場駅まで鉄道車両に乗車して移動したと判定するならば、運賃を請求すると判定する。なお、ここでの入場駅ID及び出場駅IDは、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDのそれぞれに関連付けられた入場駅ID及び出場駅IDである。プロセッサー110は、運賃を請求すると判定するならば、ステップST43においてYesと判定してステップST44へと進む。
なお、プロセッサー110は、位置情報に基づきユーザーが鉄道車両に乗車して移動したか否かを判定することで、端末装置900が入場場所から入場して出場場所から出場したことを確認する確認部の一例として機能する。
【0145】
ステップST44においてプロセッサー110は、運賃を決定する。プロセッサー110は、入場駅IDで示される駅から出場駅IDで示される駅までの運賃を、運賃表などから取得することで運賃を決定する。あるいは、プロセッサー110は、入場駅から出場駅までの営業キロなどから運賃を計算しても良い。なお、ここでの入場駅ID及び出場駅IDは、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDのそれぞれに関連付けられた入場駅ID及び出場駅IDである。
あるいは、プロセッサー110は、ステップST42で取得した位置情報に基づき、入場駅から出場駅までの経路に応じて運賃を計算しても良い。例えば、プロセッサー110は、駅STA1から駅STA2までの運賃が経路によって異なる場合、位置情報によって経路を決定する。一例として、プロセッサー110は、端末装置900が駅STA1から駅STA2までの間に駅STA3にあった場合に経路を経路R1と決定し、端末装置900が駅STA1から駅STA2までの間に駅STA4にあった場合に経路を経路R2と決定する。そして、プロセッサー110は、例えば、運賃表などから経路R1又は経路R2の運賃を取得することで運賃を決定する。あるいは、プロセッサー110は、経路R1又は経路R2の営業キロなどから運賃を計算しても良い。もちろん、プロセッサー110は、経路に拘らず入場駅及び出場駅から運賃を計算しても良い。
ただし、プロセッサー110は、使用されたトークンが料金先払いのトークンである場合は、例えば運賃を0とするなどして、二重に運賃を請求しないようにする。
【0146】
プロセッサー110は、運賃を決定することで、入場駅から出場駅までの移動に係る料金を決定する料金決定部として機能する。
【0147】
ステップST45においてプロセッサー110は、ステップST42で決定した運賃についての情報を、例えば、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDとに関連付けて入出場DB143に記憶する。運賃についての情報は、例えば、運賃の金額及び決済方法を含む。なお、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDに関連付けられた決済方法を取得する。
なお、プロセッサー110は、運賃について、1か月などの所定の期間分をまとめて決済する。あるいは、プロセッサー110は、運賃について、1回ごとに決済しても良い。
【0148】
対して、プロセッサー110は、例えば、ユーザーが入場駅から出場駅まで鉄道車両に乗車していないと判定するならば、運賃を請求しないと判定する。プロセッサー110は、運賃を請求しないと判定するならば、ステップST43においてNoと判定してステップST46へと進む。
【0149】
ステップST46においてプロセッサー110は、無効情報を、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDとに関連付けて入出場DB143に記憶する。無効情報は、関連付けられた入場ID及び出場IDで特定される入場及び出場が無効であることを示す。プロセッサー110は、ステップST46の処理の後、ステップST41へと戻る。
【0150】
なお、ゲート装置500は、入場許可状態又は出場許可状態になってから誰もゲート通路を通らない場合、タイムアウトしたとみなす。そして、ゲート装置500は、タイムアウト通知をゲート制御装置400に送信する。タイムアウト通知は、タイムアウトしたことを示す情報である。タイムアウト通知は、送信元のゲート装置500のゲートIDを含む。タイムアウト通知は、ゲート制御装置400の制御インターフェース460によって受信される。
ゲート制御装置400のプロセッサー410は、
図9のステップST61~ステップST65の待受状態にあるときにタイムアウト通知が受信されたならば、ステップST65においてYesと判定してステップST72へと進む。
【0151】
ステップST72においてプロセッサー410は、タイムアウト処理を行う。例えば、プロセッサー410は、タイムアウト通知の送信元のゲート装置500を制御して、当該ゲート装置500の入場許可状態及び出場許可状態を解除する。また、プロセッサー410は、ステップST69で記憶したゲートIDのうち、タイムアウト通知に含まれるゲートIDと同じゲートIDを削除する。また、プロセッサー410は、ステップST69で記憶したトークンIDのうち、削除したゲートIDに関連付けられたトークンIDも削除する。プロセッサー410は、ステップST72の処理の後、ステップST61へと戻る。
【0152】
第1実施形態の改札システム1は、端末装置900にICカードを利用するためのチップなどが不要なので、日本国外の多くの端末でも利用可能である。また、当該チップなどが不要なので、端末装置900にかかるコストを低減できる。
【0153】
また、第1実施形態の改札システム1は、ICカードを読み取るためのシステムが不要なので、ICカードを利用する場合よりもコストを低減することができる。
【0154】
また、第1実施形態の改札システム1は、端末装置900の位置情報として、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いる。当該位置情報は、GPS(Global Positioning System)などのGNSS(global navigation satellite system)と異なり、位置情報の改ざんが難しいため、位置情報の改ざんによる不正などを防ぐことができる。
【0155】
また、第1実施形態の改札システム1は、基地局を用いた通信が可能な端末装置900しか使えない。基地局を用いた通信にはSIM認証が必要である。このため、第1実施形態の改札システム1は、SIM認証が不要なシステムに比べてセキュリティ性が高い。
【0156】
また、第1実施形態の改札システム1は、トークンを読み取った場合にゲート通路を通行可能にする。これにより、第1実施形態の改札システム1は、トークンの所持者がゲート通路を通れるようにすることができる。
【0157】
また、第1実施形態の改札システム1は、入場駅から出場駅までの運賃を決定する。これにより第1実施形態の改札システム1は、運賃の請求が可能となる。
【0158】
また、第1実施形態の改札システム1は、端末装置900の位置を測位することによりユーザーが通過するゲート通路がどのゲート通路であるかを特定する。これにより、第1実施形態の改札システム1は、ユーザーが通過しようとするゲート通路とは異なるゲート通路を通行可能にしてしまうことを防ぐことができる。
【0159】
また、第1実施形態の改札システム1は、ユーザーが鉄道車両に乗車して移動したか否かを判定する。これにより、第1実施形態の改札システム1は、実際にはユーザーが鉄道車両に乗車していないにもかかわらず運賃を請求してしまうことを防ぐ。
【0160】
また、第1実施形態の改札システム1は、取得範囲内にある端末装置900にトークンを送信する。これにより、第1実施形態の改札システム1は、改札内に入場する可能性の高いユーザー及び改札内から出場する可能性の高いユーザーにトークンを配信することができる。
【0161】
〔第2実施形態〕
第2実施形態の改札システム1bは、振替輸送用のトークンである振替トークンを発行することができる。なお、振替トークンには普通振替トークン及び区間振替トークンなどの種類がある。
第2実施形態の改札システム1bは、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500、センサー600、基地局700、携帯電話システム800及び端末装置900に加えて駅端末1000を含む。
【0162】
図11は、駅端末1000の要部構成の一例を示すブロック図である。
【0163】
駅端末1000は、例えば、鉄道の運行指令所及び各駅STAなどにおいて使用される。駅端末1000は、例えば、サーバー用のコンソール、PC(personal computer)、タブレット端末又はスマートホンなどである。駅端末1000は、一例として、プロセッサー1010、ROM1020、RAM1030、補助記憶装置1040、通信インターフェース1050、入力デバイス1060及び表示デバイス1070を含む。そして、バス1080などが、これら各部を接続する。
【0164】
プロセッサー1010は、駅端末1000の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー1010は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー1010は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー1010は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー1010は、ROM1020又は補助記憶装置1040などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、駅端末1000の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー1010は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー1010の回路内に組み込まれていても良い。
【0165】
ROM1020及びRAM1030は、プロセッサー1010を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM1020は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM1020は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM1020は、プロセッサー1010が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM1030は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM1030は、プロセッサー1010が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM1030は、典型的には揮発性メモリである。
【0166】
補助記憶装置1040は、プロセッサー1010を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置1040は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置1040は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置1040は、プロセッサー1010が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー1010での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0167】
通信インターフェース1050は、駅端末1000がネットワークNW1又はネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0168】
入力デバイス1060は、駅端末1000の操作者による操作を受け付ける。入力デバイス1060は、例えば、キーボード、キーパッド、タッチパッド、マウス又はコントローラーなどである。また、入力デバイス1060は、音声入力用のデバイスであっても良い。
【0169】
表示デバイス1070は、駅端末1000の操作者に各種情報を通知するための画面を表示する。表示デバイス1070は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機ELディスプレイなどのディスプレイである。また、入力デバイス1060及び表示デバイス1070としては、タッチパネルを用いることもできる。すなわち、タッチパネルが備える表示パネルを表示デバイス1070として、タッチパネルが備えるタッチパッドを入力デバイス1060として用いることができる。
【0170】
バス1080は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、駅端末1000の各部で授受される信号を伝送する。
【0171】
以下、第2実施形態に係る改札システム1の動作を
図6~
図10及び
図12~
図14などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図12は、駅端末1000のプロセッサー1010による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー1010は、例えば、ROM1020又は補助記憶装置1040などに記憶されたプログラムに基づいて
図12の処理を実行する。
図13は、中央サーバー100のプロセッサー110による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー110は、例えば、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたプログラムに基づいて
図13の処理を実行する。
図14は、駅サーバー200のプロセッサー210による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー210は、例えば、ROM220又は補助記憶装置240などに記憶されたプログラムに基づいて
図14の処理を実行する。
【0172】
第2実施形態では、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、及び端末装置900は、第1実施形態と同様に
図6~
図10に示す処理を実行する。
第2実施形態の中央サーバー100は、例えば、
図7に示す処理と
図13に示す処理を並行又は並列で実行する。あるいは、
図13の処理が
図7の処理に組み込まれていても良い。
第2実施形態の駅サーバー200は、例えば、
図10に示す処理と
図14に示す処理を並行又は並列で実行する。あるいは、
図14の処理が
図10の処理に組み込まれていても良い。
【0173】
駅端末1000のプロセッサー1010は、例えば、改札システム1用のアプリケーションソフトウェアに基づき、
図12に示す処理を開始する。
【0174】
一方、
図12のステップST101において駅端末1000のプロセッサー1010は、振替輸送を開始するか否かを判定する。プロセッサー1010は、例えば、駅端末1000の操作者(以下、「駅操作者」という。)による、振替輸送を開始するように指示する操作入力があったことに応じて、振替輸送を開始すると判定する。プロセッサー1010は、振替輸送を開始すると判定しないならば、ステップST101においてNoと判定してステップST102へと進む。
【0175】
ステップST102においてプロセッサー1010は、振替輸送を終了するか否かを判定する。プロセッサー1010は、例えば、駅操作者による、振替輸送を終了するように指示する操作入力に基づき、振替輸送を終了すると判定する。プロセッサー1010は、振替輸送を終了すると判定しないならば、ステップST102においてNoと判定してステップST101へと戻る。かくして、プロセッサー1010は、振替輸送を開始すると判定するか、振替輸送を終了すると判定するまでステップST101及びステップST102を繰り返す待受状態となる。
【0176】
プロセッサー1010は、ステップST101及びステップST102の待受状態にあるときに振替輸送を開始すると判定するならば、ステップST101においてYesと判定してステップST103へと進む。
【0177】
ステップST103においてプロセッサー1010は、被振替輸送を開始する範囲(以下「開始範囲」という。)の入力を受ける。当該開始範囲は、例えば、駅操作者による操作によって入力される。被振替輸送は、振替輸送を受けることを示す。したがって、開始範囲は、例えば、運休又は大きな遅延などの運行の異常が発生しているような範囲である。開始範囲は、例えば、1又は複数の区間を含む。
【0178】
ステップST104においてプロセッサー1010は、振替開始情報を生成する。振替開始情報は、ステップST103で入力された開始範囲を含む。振替開始情報は、当該開始範囲の振替を開始するように指示する情報である。プロセッサー1010は、振替開始情報を生成した後、当該振替開始情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース1050に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース1050は、当該振替開始情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該振替開始情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー1010は、ステップST104の処理の後、ステップST101へと戻る。
【0179】
プロセッサー1010は、ステップST101及びステップST102の待受状態にあるときに振替輸送を終了すると判定するならば、ステップST102においてYesと判定してステップST105へと進む。
【0180】
ステップST105においてプロセッサー1010は、被振替輸送を終了する範囲(以下「終了範囲」という。)の入力を受ける。当該終了範囲は、例えば、駅操作者による操作によって入力される。なお、終了範囲は、例えば、被振替範囲に含まれる範囲である。終了範囲は、被振替範囲と一致していても良い。なお、被振替範囲は、振替輸送されている範囲を示す。
【0181】
ステップST104においてプロセッサー1010は、振替終了情報を生成する。振替終了情報は、ステップST103で入力された終了範囲を含む。振替終了情報は、当該終了範囲の振替を終了するように指示する情報である。プロセッサー1010は、振替終了情報を生成した後、当該振替終了情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース1050に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース1050は、当該振替終了情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該振替終了情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー1010は、ステップST104の処理の後、ステップST101へと戻る。
【0182】
一方、
図13のステップST111において中央サーバー100のプロセッサー110は、通信インターフェース150によって振替情報が受信されるのを待ち受けている。なお、振替情報は、振替開始情報及び振替終了情報の総称である。プロセッサー110は、振替情報が受信されたならば、ステップST111においてYesと判定してステップST112へと進む。
【0183】
ステップST112においてプロセッサー110は、振替輸送を開始するか否かを判定する。すなわち、プロセッサー110は、振替輸送を開始するか終了するかを判定する。プロセッサー110は、例えば、ステップST111で受信された振替情報が振替開始情報である場合、振替輸送を開始すると判定する。プロセッサー110は、例えば、ステップST111で受信された振替情報が振替終了情報である場合、振替輸送を終了すると判定する。プロセッサー110は、振替輸送を開始すると判定するならば、ステップST112においてYesと判定してステップST113へと進む。
【0184】
ステップST113においてプロセッサー110は、ステップST111で受信された振替開始情報に含まれる開始範囲を被振替範囲に追加する。なお、被振替範囲は、RAM130又は補助記憶装置140などが記憶する。なお、ステップST111の処理前の時点で被振替範囲となっている区間が無い状態である場合、ステップST111の処理後の被振替範囲は、開始範囲と一致する。
【0185】
ステップST114においてプロセッサー110は、被振替範囲から振替範囲を決定する。振替範囲は、振替輸送を行う範囲を示す。プロセッサー110は、例えば、被振替輸送となった場合にどの範囲で振替輸送を行うかを範囲ごとに定めたテーブル(以下「振替テーブル」という。)を参照するなどして振替範囲を決定する。当該テーブルは、一例として、駅STA5から駅STA6までの区間が被振替範囲になった場合、駅STA7から駅STA8及び駅STA9から駅STA10までを振替範囲とするといったように記憶している。
【0186】
ステップST115においてプロセッサー110は、振替輸送の対象となるユーザーを決定する。振替輸送の対象となるユーザーは、例えば、現在日時において使用可能な定期トークンを所持しており、当該定期トークンの区間の少なくとも一部が被振替範囲であるユーザーである。
なお、プロセッサー110は、定期トークン以外の、被振替範囲で使用可能なトークンの所持者も振替輸送の対象として決定しても良い。
【0187】
ステップST116においてプロセッサー110は、ステップST115で決定したユーザー用それぞれに対して、区間振替トークンを発行する。区間振替トークンは、一例として、トークンID、振替区間情報、及びユーザーIDを含む。振替区間情報は、当該区間振替トークンで乗降可能な区間を示す情報である。例えばユーザーが所持する定期トークンの区間のうちの被振替範囲となっている区間に対応する被振替範囲の区間である。なお、プロセッサー110は、例えば、振替テーブルを参照して、対応する被振替範囲の区間を決定する。なお、振替区間情報に複数の区間が含まれていても良い。また、区間振替トークン中のユーザーIDは、ステップST115で決定したユーザーのユーザーIDである。
【0188】
ステップST117においてプロセッサー110は、ステップST116で発行したそれぞれのトークンについて、トークンIDと関連付けてトークンDB142に記憶する。
【0189】
ステップST118においてプロセッサー110は、端末振替トークン情報を生成する。端末振替トークン情報は、一例として、ステップST116で発行した区間振替トークン、宛先アドレス、送信元アドレス、及びシーケンス番号などを含む。プロセッサー110は、端末振替トークン情報を生成した後、当該端末振替トークン情報を端末装置900に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。なお、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、区間振替トークンに含まれるユーザーIDに関連付けられた端末ID又は加入者IDを取得する。端末振替トークンの先送信先の端末装置900は、当該端末ID又は加入者IDで特定される端末装置900である。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該端末振替トークン情報を端末装置900に送信する。送信された当該端末振替トークン情報は、端末装置900の通信インターフェース950によって受信される。
プロセッサー110は、ステップST115で決定したユーザーそれぞれに対して上述のように端末振替トークン情報を生成して送信する。
【0190】
端末装置900のプロセッサー910は、受信された端末振替トークン情報に含まれる区間振替トークンを補助記憶装置940などに記憶する。
【0191】
ステップST119においてプロセッサー110は、ステップST116で発行したそれぞれの区間振替トークンについて、どの駅の駅サーバー200に送信するか決定する。プロセッサー110は、例えば、区間振替トークンに含まれる振替区間情報で示される区間内の全ての駅の駅サーバー200を送信先とする。そして、プロセッサー110は、送信する駅別にどの区間振替トークンを送信するかをRAM130又は補助記憶装置140などに記憶しておく。
図7のステップST37で説明したように、ここで記憶された区間振替トークンは、駅トークン情報に含まれる形で各駅に送信される。プロセッサー110は、ステップST119の処理の後、ステップST111へと戻る。
【0192】
また、実施形態2では、
図7のステップST34においてプロセッサー110は、ステップST31で受信されたトークン要求が第1トークン要求である場合、且つ当該第1トークン中に含まれる駅IDで示される駅が被振替駅である場合、普通トークンに代えて、振替駅用の普通振替トークンを発行する。あるいは、プロセッサー110は、当該普通トークンに加えて当該振替トークンも発行する。なお、被振替駅は、被振替範囲に含まれる駅である。プロセッサー110は、各駅について、被振替駅となった場合にどの駅を振替駅とするかを定めたテーブルを参照するなどして振替駅を決定する。プロセッサー110は、第1トークン中に含まれる駅IDで示される駅に対応する振替駅が複数ある場合、それぞれの振替駅用の普通振替トークンを発行する。
普通振替トークンは、一例として、普通トークンと同様に、トークンID、有効期限情報、駅ID及びユーザーIDを含む。なお、当該駅IDは、振替駅の駅IDである。
【0193】
プロセッサー110は、ステップST34において複数のトークンを発行した場合、例えば、ステップST36において当該複数のトークンを含む第1端末トークン情報を生成して送信する。
【0194】
一方、プロセッサー110は、振替輸送を終了すると判定するならば、
図13のステップST112においてNoと判定してステップST120へと進む。
ステップST120においてプロセッサー110は、被振替範囲を、ステップST111で受信された振替終了情報に含まれる終了範囲を除いた範囲にする。なお、ステップST120の処理前における被振替範囲と終了範囲が一致する場合、被振替範囲は全て解除される。ここで、被振替範囲が解除されるとは被振替範囲でなくなることである。
【0195】
ステップST121においてプロセッサー110は、ステップST114と同様に被振替範囲から振替範囲を決定する。そして、プロセッサー110は、ステップST120の被振替範囲の変更によって振替範囲から振替範囲でなくなる範囲(以下「振替終了範囲」という。)を求める。
【0196】
ステップST122においてプロセッサー110は、終了情報を、振替終了範囲に含まれる各駅の駅サーバー200に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該終了情報を各駅サーバー200に送信する。送信された当該終了情報は、各駅サーバー200の通信インターフェース250によって受信される。プロセッサー110は、ステップST122の処理の後、ステップST111へと戻る。
【0197】
一方、
図14のステップST131において駅サーバー200のプロセッサー210は、通信インターフェース250によって終了情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー210は、終了情報が受信されたならば、ステップST131においてYesと判定してステップST132へと進む。
【0198】
ステップST132においてプロセッサー210は、振替トークンを使用して改札内に入場できないようにする。例えば、プロセッサー210は、
図10のステップST82で記憶したトークンのうち、振替トークンを削除する。あるいは、プロセッサー210は、無効化されたトークンであることを示す情報を振替トークンに関連付ける。プロセッサー210は、ステップST132の処理の後、ステップST131へと戻る。
【0199】
なお、第2実施形態では、
図7のステップST44においてプロセッサー210は、運賃を、振替輸送側の運賃ではなく、被振替輸送側の運賃として求めても良い。例えば、入場駅が駅STA10であり、出場駅が駅STA11であるとする。そして、駅STA10は、被振替駅である駅STA12に対応する振替駅であるとする。また、駅STA11は、被振替駅である駅STA13に対応する振替駅であるとする。この場合、プロセッサー210は、駅STA10から駅STA11までの運賃ではなく、駅STA12から駅STA13までの運賃を運賃として決定しても良い。
【0200】
第2実施形態の改札システム1bは、第1実施形態の改札システム1と同様の効果が得られる。
【0201】
また、第2実施形態の改札システム1bは、振替輸送用のトークンを端末装置900に送信する。これにより、振替輸送における改札内への入場及び改札内からの出場がスムーズになる。
【0202】
第2実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の第2実施形態では、取得画面において入力するトークンの種別として振替トークンを指定可能であっても良い。ただし、トークンの種別として振替トークンを指定可能なのは、振替輸送が行われている場合に限ることが好ましい。
【0203】
〔第3実施形態〕
第3実施形態の改札システム1は、位置情報を用いて改札内への入場及び改札外への出場を検知する。第3実施形態の改札システム1の構成は、第1実施形態と同様であるので説明を省略する。第3実施形態の説明では、第1実施形態と同様の部分について説明を省略する。
【0204】
第3実施形態では、一部の駅STA又は全部の駅STAは、改札外から改札内へ入場する通路及び改札内から改札外へ出場する通路の少なくともいずれかは、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500及びセンサー600が無い。また、これらの装置が無い駅STAは、駅サーバー200も無くても良い。
【0205】
以下、第3実施形態に係る改札システム1の動作を
図6~
図10及び
図15などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。第3実施形態の改札システム1は、第1実施形態と同様に
図6~
図10の処理を行う。ただし、第3実施形態の端末装置900は、
図6の処理に加えて
図15に示す処理を行う。
図15は、端末装置900のプロセッサー910による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー910は、例えば、ROM920又は補助記憶装置940などに記憶されたプログラムに基づいて
図15の処理を実行する。
【0206】
第3実施形態では、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、及び端末装置900は、第1実施形態と同様に
図6~
図10に示す処理を実行する。
【0207】
第3実施形態では、端末装置900のプロセッサー910は、例えば、
図6の処理と
図15の処理を並行又は並列して行う。あるいは、プロセッサー910は、条件に応じて、
図6の処理と
図15の処理のいずれかを実行しても良い。
【0208】
ステップST151においてプロセッサー910は、自身の位置を示す位置情報を用いて、端末装置900が改札外から改札内に入場したか否かを判定する。プロセッサー910は、当該位置情報を、例えば、携帯電話システム800から取得する。当該位置情報は、例えば、基地局700の通信エリアを利用した位置情報である。あるいは、プロセッサー910は、GNSSを利用して自身の位置を測位することで位置情報を取得しても良い。あるいは、プロセッサー910は、Wi-Fiなどのアクセスポイント又はBluetoothなどの近距離無線通信の送信機の固有IDを無線信号より検出する。そして、プロセッサー910は、当該固有IDと位置情報とを関連付けたテーブル、又は当該固有IDと設備IDとを関連付けたテーブルを参照して、当該固有IDに関連付けられた位置情報又は設備IDなどを取得しても良い。なお、補助記憶装置940は、予め当該テーブルを記憶しておく。また、設備IDは、施設又は設備を特定する識別情報である。ここで取得される設備IDは、当該施設又は設備に当該端末装置900があることを示す位置情報の一種である。プロセッサー910は、取得した位置情報を用いて、端末装置900の位置が駅の改札外から改札内に遷移したことを検知する。プロセッサー910は、例えば、端末装置900の位置が駅の改札外から当該駅のホームに遷移した場合に、端末装置900が改札外から改札内に入場したと判定する。プロセッサー910は、改札外から改札内に入場していないならば、ステップST151においてNoと判定してステップST152へと進む。
【0209】
ステップST152においてプロセッサー910は、自身の位置を示す位置情報を用いて、端末装置900が改札内から改札外へ出場したか否かを判定する。プロセッサー910は、当該位置情報を、例えば、携帯電話システム800から取得する。当該位置情報は、例えば、基地局700の通信エリアを利用した位置情報である。あるいは、プロセッサー910は、GNSSを利用して自身の位置を測位することで位置情報を取得しても良い。あるいは、プロセッサー910は、Wi-Fiなどのアクセスポイント又はBluetoothなどの近距離無線通信の送信機の固有IDを無線信号より検出する。そして、プロセッサー910は、当該固有IDと位置情報とを関連付けたテーブル、又は当該固有IDと設備IDとを関連付けたテーブルを参照して、当該固有IDに関連付けられた位置情報及び設備IDを取得しても良い。なお、補助記憶装置940は、予め当該テーブルを記憶しておく。また、設備IDは、施設又は設備を特定する識別情報である。ここで取得される設備IDは、当該施設又は設備に当該端末装置900があることを示す位置情報の一種である。プロセッサー910は、取得した位置情報を用いて、端末装置900の位置が駅の改札内から改札外に遷移したことを検知する。プロセッサー910は、例えば、端末装置900の位置が駅のホームから当該駅の改札外に遷移した場合に、端末装置900が改札内から改札外へ出場したと判定する。プロセッサー910は、改札内から改札外へ出場していないならば、ステップST152においてNoと判定してステップST151へと戻る。かくして、プロセッサー910は、端末装置900が改札外から改札内に入場するか、改札内から改札外へ出場するまでステップST151及びステップST152を繰り返す待受状態となる。
【0210】
プロセッサー910は、ステップST151及びステップST152の待受状態にあるときに端末装置900が改札外から改札内に入場したと判定するならば、ステップST151においてYesと判定してステップST153へと進む。
【0211】
ステップST153においてプロセッサー910は、端末装置900が改札内に入場した駅の駅IDを取得する。プロセッサー910は、例えば、当該駅IDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。なお、端末装置900が改札内に入場した駅がどの駅であるかは、端末装置900の位置情報により特定される。
【0212】
ステップST154においてプロセッサー910は、第3通過情報を生成する。第3通過情報は、一例として、ステップST153で取得された駅ID、第2入出場区分及び補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDを含む。第3通過情報中の第2入出場区分は、端末装置900が入場したか出場したかを示す。ステップST154で生成される第3通過情報中の第2入出場区分は「入場」である。第3通過情報は、当該第3通過情報に含まれるユーザーIDで特定されるユーザーが、当該第3通過情報に含まれる駅IDで特定される駅で入場又は出場したことを通知する情報である。プロセッサー910は、第3通過情報を生成した後、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該第3通過情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー910は、ステップST154の処理の後、ステップST151へと戻る。
【0213】
また、プロセッサー910は、ステップST151及びステップST152の待受状態にあるときに端末装置900が改札内から改札外へ出場したと判定するならば、ステップST152においてYesと判定してステップST155へと進む。
【0214】
ステップST155においてプロセッサー910は、端末装置900が改札外へ出場した駅の駅IDを取得する。プロセッサー910は、例えば、当該駅IDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。なお、端末装置900が改札外へ出場した駅がどの駅であるかは、端末装置900の位置情報により特定される。
【0215】
ステップST156においてプロセッサー910は、第3通過情報を生成する。第3通過情報は、一例として、ステップST155で取得された駅ID、第2入出場区分補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDを含む。ステップST156で生成される第3通過情報中の第2入出場区分は「出場」である。プロセッサー910は、第3通過情報を生成した後、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該第3通過情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー910は、ステップST156の処理の後、ステップST151へと戻る。
【0216】
第3実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110は、
図7のステップST32において、第2通過情報又は第3通過情報が受信されたか否かを判定する。したがって、プロセッサー110は、ステップST31及びステップST32の待受状態にあるときに第3通過情報が受信されたならば、ステップST32においてYesと判定してステップST39へと進む。また、プロセッサー110は、第3通過情報が受信された場合のステップST39~ステップST46の処理を、第2通過情報に代えて第3通過情報を用いて行う。
【0217】
第3実施形態の改札システム1は、第1実施形態と同様の効果が得られる。
また、第3実施形態の改札システム1は、位置情報を用いて入場駅を特定することができる。したがって、入場駅では、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500及びセンサー600が不要である。このため、第3実施形態の改札システム1は、コスト削減が可能である。また、操作者は、ゲート通路を通過するために必要な操作などが不要である。
【0218】
また、第3実施形態の改札システム1は、位置情報を用いて出場駅を特定することができる。したがって、出場駅では、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500及びセンサー600が不要である。このため、第3実施形態の改札システム1は、コスト削減が可能である。また、操作者は、ゲート通路を通過するために必要な操作などが不要である。
【0219】
第3実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の第3実施形態では、端末装置900は、改札内に入場した場合及び改札外に出場した場合に第3通過情報を送信する。しかしながら、端末装置900は、出場した場合にのみ第3通過情報を送信しても良い。この場合、中央サーバー100のプロセッサー110は、端末装置900の位置情報を用いて入場駅を特定する。
【0220】
端末装置900は、
図15に示す処理を実行しなくても良い。この場合、中央サーバー100のプロセッサー110は、端末装置900の位置情報の履歴を定期的に取得する。そして、当該履歴を用いて、改札外から改札内に入場したこと及びその入場駅、並びに改札内から改札外に出場したこと及びその出場駅を特定する。そして、プロセッサー110は、特定した当該入場駅及び出場駅を用いて運賃の決定などを行う。なお、プロセッサー110は、予め定められた所定の範囲内にある端末装置900の位置情報のみ定期的に取得しても良い。当該所定の範囲は、例えば、駅の中と当該駅の周囲を合わせた範囲などである。
【0221】
端末装置900は、定期的に端末装置900の位置情報の履歴を中央サーバー100に送信しても良い。この場合、中央サーバー100のプロセッサー110は、当該履歴を用いて、改札外から改札内に入場したこと及びその入場駅、並びに改札内から改札外に出場したこと及びその出場駅を特定する。
【0222】
端末装置900は、第3通過情報を、入場時又は出場時以外のタイミングで送信しても良い。例えば、端末装置900は、所定の期間ごとに第3通過情報をまとめて送信する。
【0223】
〔第4実施形態〕
第4実施形態の改札システム1cは、第1実施形態の改札システム1を、交通系ICカードなどとの併用を可能としたシステムである。第4実施形態の説明では、第1実施形態と同様の部分について説明を省略する。
【0224】
図16は、第4実施形態に係る改札システム1cの要部構成の一例を示すブロック図である。改札システム1cは、一例として、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、ゲート装置500、センサー600、基地局700、携帯電話システム800、端末装置900、ICカードシステム1100及びリーダー装置1200を含む。
【0225】
ICカードシステム1100は、交通系ICカードの管理などを行うシステムである。交通系ICカードとは、改札内への入場及び出場に利用可能なICカードである。また、交通系ICカードは、カードID及び第2状態情報を記憶する。第2状態情報は、例えば、入場状態及び出場状態の2種類の状態に切り替え可能である。第2状態情報は、入場状態である場合、当該交通系ICカードを用いて行われた最後の入出場が入場であることを示す。第2状態情報は、出場状態である場合、当該交通系ICカードを用いて行われた最後の入出場が出場であることを示す。また、当該交通系ICカードを用いた入出場が一度も行われていない場合も第2状態情報は出場状態である。ICカードシステム1100は、ネットワークNW1及び中央サーバー100と接続する。
ICカードシステム1100は、ICカードシステム1100を運用するためのサーバーなどを含む。ICカードシステム1100は、管理機能及びインターフェース機能を備える。管理機能は、交通系ICカードの発行、並びに交通系ICカード内の乗車券情報などの登録、変更及び削除を行う機能である。インターフェース機能は、管理機能を外部から操作できる機能である。中央サーバー100は、インターフェース機能を用いて、ICカードシステム1100の管理機能を操作することができる。
【0226】
また、ICカードシステム1100は、契約情報DB1110を記憶する。
契約情報DB1110は、交通系ICカードの各カードについての情報を、カードIDに関連付けて記憶する。カードIDは、交通系ICカードごとにユニークな識別情報である。なお、第4実施形態で扱う交通系ICカードは、典型的にはモバイルICカードである。すなわち、端末装置900が交通系ICカードとしての機能を備える。例えば、端末装置900は、リーダー装置1200と通信可能なICチップなどを備える。例えば、当該ICチップは、交通系ICカードとして使用するための仕様に対応したものであり、交通系ICカードとして機能する。なお、当該ICチップは、近距離通信I/F980と共通であっても良い。
【0227】
また、端末装置900は、端末装置900を交通系ICカードとして機能させるアプリケーションソフトウェア(以下「ICアプリ」という。)と位置情報を利用した改札サービスを利用するためのアプリケーションソフトウェア(以下「位置情報アプリ」という。)が実装される。プロセッサー910は、例えば、ICアプリの処理と位置情報アプリの処理とを並行又は並列で実行する。
【0228】
端末装置900に実装される交通系ICカードの機能には、例えば、定期券機能、ストアードフェア機能及び電子マネーなどの機能を含む。定期券機能は、交通系ICカードを定期乗車券として機能させる機能である。当該交通系ICカードにあらかじめチャージされた電子マネーは乗車券のストアードフェア機能として自動改札機2300の運賃支払いに使用できるようになっている。なお、交通系ICカードは、プリペイド型に限らずポストペイ型であっても良い。
【0229】
また、第4実施形態では、ユーザーDB141は、ユーザーが使用する交通系ICカードのカードIDを、当該ユーザーのユーザーIDと関連付けて記憶する。改札システム1cは、例えば、交通系ICカードを使用するためのアプリケーションソフトウェアと、改札サービスを利用するためのアプリケーションソフトウェアを連動させることで、カードIDとユーザーIDを関連付ける。
【0230】
リーダー装置1200は、交通系ICカードに記憶された情報の読み書きを行う装置である。リーダー装置1200は、例えば、Felicaなどの近距離無線通信などを用いて読み書きを行う。また、リーダー装置1200は、電磁誘導によって交通系ICカードに電力を供給する機能を有する。リーダー装置1200は、例えば、ゲート装置500の、タッチしやすい位置などに設置される。また、リーダー装置1200は、例えば、入場用と出場用が設置される。なお、リーダー部360がリーダー装置1200を兼ねていても良い。例えば、読取装置300又はゲート制御装置400などがリーダー装置1200を制御する。以下の説明では、読取装置300がリーダー装置1200を制御するものとして説明する。
【0231】
以下、第4実施形態に係る改札システム1の動作を
図6~
図10、
図17及び
図18などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図17は、読取装置300のプロセッサー310による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー310は、例えば、ROM320又は補助記憶装置340などに記憶されたプログラムに基づいて
図17の処理を実行する。
図18は、中央サーバー100のプロセッサー110による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー110は、例えば、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたプログラムに基づいて
図18の処理を実行する。
【0232】
第4実施形態では、中央サーバー100、駅サーバー200、読取装置300、ゲート制御装置400、及び端末装置900は、第1実施形態と同様に
図6~
図10に示す処理を実行する。
【0233】
第4実施形態では、読取装置300のプロセッサー310は、例えば、
図8の処理及び
図17の処理を、並行又は並列で実行する。なお、第4実施形態では、一部の駅STAの読取装置300は、トークンを読み取る機能及び構成を備えていなくても良い。このような読取装置300は、
図8の処理を行わず、
図17の処理を行う。
【0234】
第4実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110は、例えば、
図7の処理及び
図18の処理を、並行又は並列で実行する。
【0235】
操作者は、第1実施形態など説明したトークンを用いた入出場、又は第3実施形態などで説明した位置情報を用いた入出場を行うことができない駅STAなどにおいて、リーダー装置1200があれば交通系ICカードを用いて改札外から改札内への入出場が可能である。なお、トークンを用いた入出場又は位置情報を用いた入出場が可能な駅区間をサービス適用区間というものとする。また、サービス適用区間以外をサービス未適用区間というものとする。
なお、サービス適用区間は、特定のサービスの利用が可能な区間の一例である。サービス未適用区間は、特定のサービスが利用可能でない区間の一例である。
【0236】
なお、改札サービスと交通系ICカードを併用する場合、併用サービスの加入が必要であっても良い。併用サービスは、改札サービスと交通系ICカードの併用を可能にするサービスである。併用サービスは、利用料金が必要であっても良い。利用料金は、例えば、所定の期間ごとに、決済される。決済方法は、例えば、ユーザーDB141においてユーザーIDに関連付けられた決済方法である。プロセッサー110は、併用サービスの利用料金の決済を、例えば、運賃とまとめて所定の期間ごとに決済する。なお、ユーザーDB141は、各ユーザーについて、併用サービスが有効であるか否かを記憶している。また、併用サービスを解約した場合には併用サービスの利用ができなくなる。
【0237】
入場駅から出場駅までの経路が、サービス適用区間とサービス未適用区間が混在する場合に、操作者は、交通系ICカードをリーダー装置1200に読み取らせる。操作者は、交通系ICカードをリーダー装置1200に近付けることで、交通系ICカードをリーダー装置1200に読み取らせる。リーダー装置1200は、当該交通系ICカードと通信することで、当該交通系ICカードから情報を読み取る。リーダー装置1200は、交通系ICカードから情報を読み取った場合、カード読取情報を出力する。カード読取情報は、例えば、交通系ICカードから読み取ったカードID、当該リーダー装置1200が設置されているゲート装置500のゲートID、及び当該リーダー装置1200が入場用であるか出場用であるかを示すリーダー区分情報を含む。
【0238】
図17のステップST171において読取装置300のプロセッサー310は、リーダー装置1200によって交通系ICカードが読み取られるのを待ち受ける。プロセッサー310は、リーダー装置1200によって交通系ICカードが読み取られたならば、ステップST171においてYesと判定してステップST172へと進む。
【0239】
ステップST172においてプロセッサー310は、ステップST171で読み取られた交通系ICカードが、どのゲート装置500に設置されたリーダー装置1200によって読み取られたかを特定する。そして、プロセッサー310は、当該ゲート装置500のゲートIDを取得する。ゲートIDは、カード読取情報に含まれるゲードIDである。
また、プロセッサー310は、当該リーダー装置1200及び当該ゲート装置500が設置されている駅の駅IDを取得する。
【0240】
ステップST173においてプロセッサー310は、交通系ICカードを読み取ったリーダー装置1200が入場用か出場用かを特定する。プロセッサー310は、例えば、カード読取情報中のリーダー区分情報によって当該リーダー装置1200が入場用か出場用かを特定する。
【0241】
ステップST174においてプロセッサー310は、第2読取情報を生成する。第2読取情報は、ステップST171でリーダー装置1200によって読み取られたカードID、ステップST172で取得されたゲートID、ステップST172で取得された駅ID、第3入出場区分、及び現在日時を含む。第3入出場区分は、当該リーダー装置1200が入場用であるか出場用であるかを示す情報である。ステップST173で入場用と特定された場合、第3入出場区分は「入場」である。ステップST173で出場用と特定された場合、第3入出場区分は「出場」である。プロセッサー310は、第2読取情報を生成した後、当該第2読取情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース350に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース350は、当該第2読取情報を中央サーバー100に送信する。なお、第2読取情報は、例えば、駅サーバー200を介して中央サーバー100に送信される。送信された当該第2読取情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー310は、ステップST174の処理の後、ステップST171へと戻る。
【0242】
一方、
図13のステップST181において中央サーバー100のプロセッサー110は、通信インターフェース150によって第2読取情報が受信されるのを待ち受けている。プロセッサー110は、第2読取情報が受信されたならば、ステップST181においてYesと判定してステップST182へと進む。
【0243】
ステップST182においてプロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST181で受信された第2読取情報中のカードIDが関連付けられたユーザーIDを特定し、当該ユーザーIDを取得する。
【0244】
ステップST183においてプロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST182で取得したユーザーIDに関連付けられた第1状態情報を特定し、当該第1状態情報を取得する。
【0245】
ステップST184においてプロセッサー110は、ステップST181で受信された第2読取情報中の第3入出場区分が「入場」であるか否かを判定する。プロセッサー110は、第3入出場区分が「入場」であるならば、ステップST184においてYesと判定してステップST185へと進む。
【0246】
ステップST185においてプロセッサー110は、改札外から改札内への入場を許可するか否かを判定する。プロセッサー110は、例えば、ステップST183で取得した第1状態情報が入場状態である場合、入場を許可しないと判定する。また、プロセッサー110は、交通系ICカードの残高が所定の金額以上でない場合にも入場を許可しないと判定しても良い。プロセッサー110は、入場を許可しないと判定しないならば入場を許可する。プロセッサー110は、入場を許可しないと判定するならば、ステップST185においてNoと判定してステップST186へと進む。
【0247】
ステップST186においてプロセッサー110は、第2不許可情報を生成する。第2不許可情報は、一例として、ステップST181で受信された第2読取情報中のゲートIDを含む。第2不許可情報は、当該ゲートIDで特定されるゲート装置500の通行を許可しないことを示す情報である。プロセッサー110は、第2不許可情報を生成した後、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第2不許可情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー110は、ステップST186の処理の後、ステップST181へと戻る。
【0248】
対して、プロセッサー110は、入場を許可すると判定するならば、ステップST185においてYesと判定してステップST187へと進む。
ステップST187においてプロセッサー110は、第2許可情報を生成する。第2許可情報は、一例として、ステップST181で受信された第2読取情報中のゲートID、及び第4入出場区分を含む。第2許可情報は、当該ゲートIDで特定されるゲート装置500の通行を許可することを示す情報である。第4入出場区分は、当該第2許可情報が入場を許可するものであるか出場を許可するものであるかを示す。ステップST187で生成される第2許可情報中の第4入出場区分は「入場」である。プロセッサー110は、第2許可情報を生成した後、当該第2許可情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2許可情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第2許可情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。
【0249】
ステップST188においてプロセッサー110は、ステップST181で受信された第2読取情報に基づき、入場についての情報を記憶する。例えば、プロセッサー110は、入場IDに、ステップST182で取得したユーザーID、及び入場情報を関連付けて入出場DB143に記憶する。当該入場情報は、入場駅ID及び入場日時を含む。プロセッサー110は、第2読取情報に含まれる駅IDを入場駅IDとする。プロセッサー110は、第2読取情報に含まれる現在日時を入場日時とする。
また、プロセッサー110は、ステップST183で特定した第1状態情報を書き換えて入場状態にする。プロセッサー110は、ステップST188の処理の後、ステップST181へと戻る。
【0250】
また、プロセッサー110は、第3入出場区分が「入場」でないならば、ステップST184においてNoと判定してステップST189へと進む。
【0251】
ステップST189においてプロセッサー110は、ステップST183で取得した第1状態情報が入場状態であるか否かを判定する。プロセッサー110は、第1状態情報が入場状態でないならば、すなわち、出場状態であるならば、ステップST189においてNoと判定してステップST190へと進む。
【0252】
ステップST190においてプロセッサー110は、第2不許可情報を生成する。プロセッサー110は、第2不許可情報を生成した後、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第2不許可情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー110は、ステップST190の処理の後、ステップST181へと戻る。
【0253】
対して、プロセッサー110は、第1状態情報が入場状態であるならば、ステップST189においてYesと判定してステップST191へと進む。
ステップST191においてプロセッサー110は、入出場DB143を参照して、ステップST182で取得したユーザーIDが関連付けられた入場IDのうち、関連付けられた入場日時が最新の入場IDを取得する。そして、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST182で取得したユーザーIDに関連付けられた端末ID又は加入者IDを取得する。さらに、プロセッサー110は、取得した端末ID又は加入者IDで特定される端末装置900の位置情報の、取得した入場IDに関連付けられた入場日時から現在日時までの履歴を携帯電話システム800から取得する。
【0254】
ステップST192においてプロセッサー110は、ステップST191で取得した位置情報に基づき、入場駅、出場駅、及び入場駅から出場駅までの経路を特定する。さらに、プロセッサー110は、入場駅から出場駅までの経路のうち、どの部分がサービス適用区間でどの部分がサービス未適用区間であるかを特定する。したがって、プロセッサー110は、ステップST192の処理を行うことで、端末装置900が入場した入場場所から端末装置900が出場した出場場所までの経路を、端末装置900の位置情報を用いて特定する経路特定部の一例として機能する。
【0255】
ステップST193においてプロセッサー110は、入場駅から出場駅までの運賃の金額を計算する。ここで、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST182で取得したユーザーIDで特定されるユーザーが併用サービスに加入しているかを確認する。
【0256】
プロセッサー110は、ユーザーが併用サービスに加入している場合には、例えば、サービス適用区間については定期乗車券を所持しているものとみなして入場駅から出場駅までの全区間の運賃を計算する。これにより、サービス未適用区間だけの運賃が計算可能である。このように算出される運賃は、交通系ICカードを用いて決済する運賃である。
また、プロセッサー110は、ユーザーが併用サービスに加入している場合には、サービス適用区間の運賃も計算する。このように算出される運賃は、改札サービスにおいて決済される運賃である。
【0257】
対して、プロセッサー110は、ユーザーが併用サービスに加入していない場合には、サービス適用区間及びサービス未適用区間に拘らず入場駅から出場駅までの運賃を計算する。このように算出される運賃は、交通系ICカードを用いて決済する運賃である。
プロセッサー110は、ステップST193の処理を行うことで、第1の料金及び第2の料金を決定する区間料金決定部の一例として機能する。
【0258】
ステップST194においてプロセッサー110は、ステップST193で算出した運賃のうち、交通系ICカードを用いて決済する運賃(以下「カード運賃」という。)について決済を行う。ここでは、プロセッサー110は、ステップST181で受信された第2読取情報中のカードIDで特定される交通系ICカードを用いて決済を行う。プロセッサー110は、例えば、ICカードシステム1100に、当該交通系ICカードの残高からカード運賃分の金額を差し引くように指示することで決済を行う。ICカードシステム1100は、当該指示を受けたならば、当該交通系ICカードの残高からカード運賃分の金額を差し引くことで決済する。ただし、プロセッサー110及びICカードシステム1100は、当該交通系ICカードの電子マネー残高がカード運賃に満たない場合は決済を中止する。なお、ここで決済に用いられる交通系ICカードである場合は、残高を用いて行うプリペイド型の交通系ICカードには限らず、例えば、ポストペイ型の交通系ICカードなどであっても良い。
なお、カード運賃は、特定のサービスが利用可能でない区間の移動にかかる第2の料金の一例である。
【0259】
ステップST195においてプロセッサー110は、改札内から改札外への出場を許可するか否かを判定する。プロセッサー110は、例えば、ステップST194において交通系ICカードを用いた決済が正常に行われた場合、出場を許可すると判定する。対して、プロセッサー110は、例えば、ステップST194において交通系ICカードの残高がカード運賃に満たないなどの理由で交通系ICカードを用いた決済が正常に行われなかった場合、出場を許可しないと判定する。プロセッサー110は、出場を許可しないならば、ステップST195においてNoと判定してステップST196へと進む。
【0260】
ステップST196においてプロセッサー110は、第2不許可情報を生成する。プロセッサー110は、第2不許可情報を生成した後、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2不許可情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第2不許可情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。プロセッサー110は、ステップST196の処理の後、ステップST181へと戻る。
【0261】
対して、プロセッサー110は、出場を許可するならば、ステップST195においてYesと判定してステップST197へと進む。
ステップST197においてプロセッサー110は、第2許可情報を生成する。ステップST187で生成される第2許可情報中の第4入出場区分は「出場」である。プロセッサー110は、第2許可情報を生成した後、当該第2許可情報をゲート制御装置400に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該第2許可情報をゲート制御装置400に送信する。送信された当該第2許可情報は、ゲート制御装置400の通信インターフェース450によって受信される。
ステップST198においてプロセッサー110は、ステップST181で受信された第2読取情報に基づき、出場についての情報を記憶する。例えば、プロセッサー110は、出場IDに、ステップST182で取得したユーザーID、及び出場情報を関連付けて入出場DB143に記憶する。当該出場情報は、出場駅ID及び出場日時を含む。プロセッサー110は、第2読取情報に含まれる駅IDを出場駅IDとする。あるいは、プロセッサー110は、ステップST192で特定した出場駅の駅IDを出場駅IDとしても良い。プロセッサー110は、第2読取情報に含まれる現在日時を出場日時とする。
【0262】
また、プロセッサー110は、入出場DB143を参照して、ステップST182で取得したユーザーIDが関連付けられた入場IDのうち、関連付けられた入場日時が最新の入場IDを取得する。そして、プロセッサー110は、上述の処理で入出場DB143に記憶した出場IDと、取得した当該入場IDとを関連付けて入出場DB143に記憶する。このように関連付けられた入場IDと出場IDは、同一ユーザーによる改札内への入場とその後の改札外への出場を示す。入場IDと出場IDとを関連付けることにより、プロセッサー110は、改札内への入場と、その後の改札内からの出場とを1組として管理できる。
【0263】
ステップST199においてプロセッサー110は、ステップST193で算出した運賃のうち、改札サービスにおいて決済される運賃(以下「改札運賃」という。)についての情報を例えば、ステップST198において関連付けた入場IDと出場IDとに関連付けて入出場DB143に記憶する。このように記憶された改札運賃は、
図7のステップST45と同様にして決済される。プロセッサー110は、ステップST199の処理の後、ステップST181へと戻る。
なお、改札運賃は、特定のサービスの利用が可能な区間の移動にかかる第1の料金の一例である。
【0264】
一方、第4実施形態では、ゲート制御装置400のプロセッサー410は、
図9のステップST63において第1許可情報、第1不許可情報、第2許可情報又は第2不許可情報が受信されたか否かを判定する。プロセッサー410は、第1許可情報、第1不許可情報、第2許可情報又は第2不許可情報が受信されたならば、ステップST63においてYesと判定してステップST68へと進む。
【0265】
そして、プロセッサー410は、ステップST63で第2許可情報又は第2不許可情報が受信されたならば、ステップST68及びステップST69の処理を、第1許可情報に代えて第2許可情報を、第1不許可情報に代えて第2不許可情報を、第1入出場区分に代えて第4入出場区分を用いて処理する。ただし、プロセッサー410は、トークンIDに代えて、カード通過情報をゲートIDに関連付ける。カード通過情報は、交通系ICカードを用いてゲート通路を通行することを示す情報である。また、プロセッサー410は、入場許可状態にしたゲート装置500に設置された読取装置300に指示して、通信中の交通系ICカード中の第2状態情報を入場状態に書き換えさせる。プロセッサー410は、出場許可状態にしたゲート装置500に設置された読取装置300に指示して、通信中の交通系ICカード中の第2状態情報を出場状態に書き換えさせる。
【0266】
また、第4実施形態では、プロセッサー410は、ステップST70において、ゲートIDにトークンIDが関連付けられておらず、カード通過情報が関連付けられている場合、ステップST70の処理をスキップする。そして、プロセッサー410は、ステップST71において、トークンIDに代えて当該カード通過情報を削除する。さらに、プロセッサー410は、ステップSTST72の処理をスキップしてステップST61へと戻る。
【0267】
ステップST42においてプロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、ステップST32で受信された第2通過情報に含まれるユーザーIDに関連付けられた端末ID又は加入者IDを取得する。そして、プロセッサー110は、取得した端末ID又は加入者IDで特定される端末装置900の位置情報の、入場日時から出場日時までの履歴を携帯電話システム800から取得する。ここでの入場日時及び出場日時は、ステップST41において関連付けた入場IDと出場IDのそれぞれに関連付けられた入場日時及び出場日時である。
【0268】
第4実施形態の改札システム1cは、入場駅から出場駅までの経路がサービス適用区間とサービス未適用区間の両方を含んでいても、当該経路のうちのサービス適用区間において改札サービスの利用が可能となる。したがって、第4実施形態の改札システム1cは、改札サービスを実施している路線と、改札サービスを実施していない路線との間での列車の乗り入れなどが容易となる。
【0269】
上記の第4実施形態は以下のような変形も可能である。
上記の第4実施形態では、中央サーバー100がゲート装置500の通行を許可するか否かを判定した。しかしながら、駅サーバー200、ゲート制御装置400又はゲート装置500が通行を許可するかの判定を行っても良い。この場合、駅サーバー200、ゲート制御装置400又はゲート装置500は、例えば、第1状態情報に代えて第2状態情報を用いて通行を許可するかの判定を行う。
【0270】
上記の第4実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110は、ステップST192において位置情報を用いて入場駅及び出場駅を特定した。しかしながら、プロセッサー110は、第2読取情報中の駅IDを用いて入場駅及び出場駅を特定しても良い。
【0271】
〔第5実施形態〕
第5実施形態の改札システム1dは、位置情報を利用した改札サービスと交通系ICカードシステムの併用を可能としたシステムである。第5実施形態の説明では、第1実施形態~第4実施形態と同様の部分については説明を省略する。
【0272】
図19は、第5実施形態に係る改札システム1dの要部構成の一例を示すブロック図である。改札システム1dは、一例として、中央サーバー100、基地局700、携帯電話システム800、端末装置900、及びICカードシステム2000を含む。また、ICカードシステム2000は、一例として、ICセンターサーバー2100、IC駅サーバー2200、及び自動改札機2300を含む。ICカードシステム2000は、交通系ICカードの利用を可能とするシステムである。
【0273】
図20は、ICカードシステム2000に含まれる各装置の要部構成の一例を示すブロック図である。
ICセンターサーバー2100は、例えば、ICカードシステム2000全体の制御及び管理などを行うサーバーである。ICセンターサーバー2100は、一例として、プロセッサー2110、ROM2120、RAM2130、補助記憶装置2140及び通信インターフェース2150を含む。そして、バス2160などが、これら各部を接続する。
【0274】
プロセッサー2110は、ICセンターサーバー2100の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー2110は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー2110は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー2110は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー2110は、ROM2120又は補助記憶装置2140などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、ICセンターサーバー2100の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー2110は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー2110の回路内に組み込まれていても良い。
【0275】
ROM2120及びRAM2130は、プロセッサー2110を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM2120は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM2120は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM2120は、プロセッサー2110が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM2130は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM2130は、プロセッサー2110が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM2130は、典型的には揮発性メモリである。
【0276】
補助記憶装置2140は、プロセッサー2110を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置2140は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置2140は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置2140は、プロセッサー2110が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー2110での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0277】
また、補助記憶装置2140は、契約情報DB2141及び改札履歴DB2142を記憶する。
契約情報DB2141は、交通系ICカードについて、カードIDと関連付けてその交通系ICカードの有効情報、定期券利用の有無を示す情報、及び定期券の有効な期間及び区間を示す情報を記憶及び管理するデータベースである。なお、カードIDは、ICカードシステム2000を利用する交通系ICカード1枚ごとにユニークに割り当てられた識別情報である。また、有効情報は、当該交通系ICカードが有効な状態であるか無効な状態であるかを示す情報である。
【0278】
改札履歴DB2142は、カードIDごとに一定期間内の自動改札機2300の入出場履歴を記憶及び管理するデータベースである。入出場履歴は、自動改札機2300が設置される駅ID、自動改札機2300に割り振られたゲートID、入場及び出場の日時を含むデータである。入出場履歴は、各自動改札機2300で交通系ICカードによる入場又は出場が行われる都度、その処理1件ごとに自動改札機2300から送信されたデータを記録したものである。各自動改札機2300から送信されるデータは、IC駅サーバー2200を介してICセンターサーバー2100に到達する。また、入出場履歴は、交通系ICカードの運賃精算の改札処理1件ごとの明細としてエビデンス利用されるものである。
【0279】
IC駅サーバー2200は、例えば、各駅STAに設置されるサーバーである。IC駅サーバー2200は、例えば、当該IC駅サーバー2200と同じ駅STAに設置され、当該IC駅サーバー2200と接続している自動改札機2300の管理などを行う。IC駅サーバー2200は、例えば、当該自動改札機2300の改札処理において無効な交通系ICカードを判定する機能及び当該自動改札機2300の稼働状況の監視を行う機能を備える。IC駅サーバー2200は、典型的にはネットワークNW2を介して1つの駅STAの自動改札機2300を管理するが、ネットワークNW1又はネットワークNW2などを介して複数の駅STAの自動改札機2300を管理しても良い。
【0280】
また、IC駅サーバー2200は、ICセンターサーバー2100から、契約情報DB2141に登録された各交通系ICカードのカードID及び有効情報を取得して補助記憶装置2240に記憶しておく。そして、IC駅サーバー2200は、自動改札機2300からカードIDを指定した問い合わせに対して、有効情報を参照することで、当該カードIDで特定される交通系ICカードが有効又は無効のいずれであるかを示す判定結果を通知する。
【0281】
また、IC駅サーバー2200は、ネットワークNW2を介して接続した自動改札機2300の管理をするため、当該自動改札機2300で改札処理実行の都度、カードID、日時及び入場又は出場を示す情報を含む改札処理結果を当該自動改札機2300から受信し稼働状態を監視するとともに当該改札処理結果が正常な場合は、カードID、日時及び入場又は出場の情報に当該自動改札機2300が設置された駅IDと当該自動改札機2300を示すゲートIDを付与してICセンターサーバー2100に送信し、交通系ICカードの利用履歴として改札履歴DB2142に記憶される。
【0282】
IC駅サーバー2200は、一例として、プロセッサー2210、ROM2220、RAM2230、補助記憶装置2240、通信インターフェース2250を含む。そして、バス2260などが、これら各部を接続する。プロセッサー2210は、IC駅サーバー2200の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー2210は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー2210は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー2210は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー2210は、ROM2220又は補助記憶装置2240などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、IC駅サーバー2200の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー2210は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー2210の回路内に組み込まれていても良い。
【0283】
ROM2220及びRAM2230は、プロセッサー2210を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM2220は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM2220は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM2220は、プロセッサー2210が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM2230は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM2230は、プロセッサー2210が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM2230は、典型的には揮発性メモリである。
【0284】
補助記憶装置2240は、プロセッサー2210を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置2240は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置2240は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置2240は、プロセッサー2210が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー2210での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0285】
通信インターフェース2250は、IC駅サーバー2200がネットワークNW1などを介して通信するためのインターフェースである。また、通信インターフェース2250は、IC駅サーバー2200がネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0286】
バス2260は、コントロールバス、アドレスバス及びデータバスなどを含み、IC駅サーバー2200の各部で授受される信号を伝送する。
【0287】
自動改札機2300は、改札内への入出場の許可及び禁止などを行う装置である。自動改札機2300は、一例として、プロセッサー2310、ROM2320、RAM2330、補助記憶装置2340、通信インターフェース2350、リーダーライター部2360、及び制御インターフェース2370を含む。そして、バス2380などが、これら各部を接続する。また、自動改札機2300は、ゲート装置2371及びセンサー2372を含む。ただし、ゲート装置2371及びセンサー2372は、外付けの装置などであっても良い。
【0288】
プロセッサー2310は、自動改札機2300の動作に必要な演算及び制御などの処理を行うコンピューターの中枢部分であり、各種演算及び処理などを行う。プロセッサー550は、例えば、CPU、MPU、SoC、DSP、GPU、ASIC、PLD又はFPGAなどである。あるいは、プロセッサー550は、これらのうちの複数を組み合わせたものである。また、プロセッサー550は、これらにハードウェアアクセラレーターなどを組み合わせたものあっても良い。プロセッサー550は、ROM2320又は補助記憶装置2340などに記憶されたファームウェア、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどのプログラムに基づいて、自動改札機2300の各種の機能を実現するべく各部を制御する。また、プロセッサー2310は、当該プログラムに基づいて後述する処理を実行する。なお、当該プログラムの一部又は全部は、プロセッサー2310の回路内に組み込まれていても良い。
【0289】
ROM2320及びRAM2330は、プロセッサー2310を中枢としたコンピューターの主記憶装置である。
ROM2320は、専らデータの読み出しに用いられる不揮発性メモリである。ROM2320は、上記のプログラムのうち、例えばファームウェアなどを記憶する。また、ROM2320は、プロセッサー2310が各種の処理を行う上で使用するデータなども記憶する。
RAM2330は、データの読み書きに用いられるメモリである。RAM2330は、プロセッサー2310が各種の処理を行う上で一時的に使用するデータを記憶するワークエリアなどとして利用される。RAM2330は、典型的には揮発性メモリである。
【0290】
補助記憶装置2340は、プロセッサー2310を中枢としたコンピューターの補助記憶装置である。補助記憶装置2340は、例えばEEPROM、HDD又はフラッシュメモリなどである。補助記憶装置2340は、上記のプログラムのうち、例えば、システムソフトウェア及びアプリケーションソフトウェアなどを記憶する。また、補助記憶装置2340は、プロセッサー2310が各種の処理を行う上で使用するデータ、プロセッサー2310での処理によって生成されたデータ及び各種の設定値などを記憶する。
【0291】
通信インターフェース2350は、自動改札機2300がネットワークNW2などを介して通信するためのインターフェースである。
【0292】
リーダーライター部2360は、交通系ICカード内のデータの読み出し及び書き込みを行う装置である。リーダーライター部2360は、例えば、Felicaなどの近距離無線通信などを用いて読み書きを行う。また、リーダーライター部2360は、電磁誘導によって交通系ICカードに電力を供給する機能を有する。リーダーライター部2360は、例えば、自動改札機2300の、タッチしやすい位置などに設置される。また、リーダーライター部2360は、例えば、入場用と出場用が設置される。
【0293】
制御インターフェース2370は、例えば、ゲート装置2371及びセンサー2372を制御するためのインターフェースである。プロセッサー2310は、制御インターフェース2370を介して、ゲート装置2371に対して制御コマンドなどを送受信する。また、制御インターフェース2370は、は、センサー2372が出力する検出信号をプロセッサー2310に入力する。
【0294】
ゲート装置2371は、例えば、ゲート510と同様のゲートを備える。ゲート装置2371は、ゲートを開閉することで、自動改札機2300が設置された通路を閉塞及び開放のいずれかの状態に切り替える機能を備える。これにより、ゲート装置2371は、改札内への入出場の許可及び禁止を行う。
センサー2372は、自動改札機2300が設置された通路を通行する人の検出などを行う。
ゲート装置2371及びセンサー2372は、例えば、交通系ICカードを用いて自動改札機2300を入出場する人の流れをスムーズにするために自動改札機2300の適切な場所に組み込まれるものとする。
【0295】
第5実施形態における端末装置900は、第1実施形態~第4実施形態と同様の構成のものである。ただし、第5実施形態の端末装置900は、第4実施形態と同様に、交通系ICカードとしての機能を有する。また、端末装置900は、ICアプリ及び位置情報アプリが実装される。例えば、端末装置900は、近距離通信I/F980を用いてリーダーライター部2360と通信する。あるいは、端末装置900は、リーダーライター部2360と通信可能なICチップなどを備える。
【0296】
端末装置900は、交通系ICカードとして利用するための乗車券情報としてカードID、種別情報、定期の有効期間及び区間の情報、改札履歴情報、及び電子マネー情報を、補助記憶装置940に記憶している。種別情報は、当該交通系ICカードが、定期乗車券であるか否かなどを識別する情報であり、乗車券種別を示す情報である。改札履歴情報は、当該交通系ICカードにより自動改札機2300を入出場した駅ID及び入出場の日時を含むデータである。電子マネー情報は、当該交通系ICカードの電子マネーの情報であり、チャージ金額及び電子マネー残高などを含む情報である。端末装置900は、乗車券情報を、ICセンターサーバー2100の契約情報DB2141に記憶されたデータと同一の内容となるよう契約情報DB2141のデータ更新時に補助記憶装置940内のデータも適宜更新する。例えば、端末装置900のプロセッサー910は、ICアプリの起動後、
図21に示す処理を所定の間隔で繰り返し実施することで、データの更新を行う。
【0297】
以下、第5実施形態に係る改札システム1dの動作を
図21~
図27などに基づいて説明する。なお、以下の動作説明における処理の内容は一例であって、同様な結果を得ることが可能な様々な処理を適宜に利用できる。
図21及び
図22は、端末装置900のプロセッサー910による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー910は、例えば、ROM920又は補助記憶装置940などに記憶されたプログラムに基づいて
図21、
図22及び
図25の処理を実行する。
図23及び
図24は、自動改札機2300のプロセッサー2310による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー2310は、例えば、ROM2320又は補助記憶装置2340などに記憶されたプログラムに基づいて
図23及び
図24の処理を実行する。
図26は、中央サーバー100のプロセッサー110による処理の一例を示すフローチャートF1及びICセンターサーバー2100のプロセッサー2110による処理の一例を示すフローチャートF2を示す図。プロセッサー110は、例えば、ROM120又は補助記憶装置140などに記憶されたプログラムに基づいて
図26のフローチャートF1の処理を実行する。プロセッサー2110は、例えば、ROM2120又は補助記憶装置2140などに記憶されたプログラムに基づいて
図26のフローチャートF2の処理を実行する。
図27は、IC駅サーバー2200のプロセッサー2210による処理の一例を示すフローチャートである。プロセッサー2210は、例えば、ROM2220又は補助記憶装置2240などに記憶されたプログラムに基づいて
図27の処理を実行する。
【0298】
図21のステップST501において端末装置900のプロセッサー910は、通信インターフェース950を介してICセンターサーバー2100へ当該端末装置の交通系カードIDに対応する契約情報(乗車券情報)に変更(更新)が無いか問い合わせする。
【0299】
ステップST502においてプロセッサー910は、問い合わせ結果に基づき、乗車券情報に更新があるか否かを判定する。プロセッサー910は、乗車券情報に更新がないならば、ステップST502においてNoと判定してステップST501へと戻る。対して、プロセッサー910は、乗車券情報に更新があるならば、ステップST502においてYesと判定してステップST503へと進む。
【0300】
ステップST503においてプロセッサー910は、通信インターフェース950を介してICセンターサーバー2100からIC更新データをダウンロードする。IC更新データは、乗車券情報の更新内容を示すデータである。プロセッサー910は、当該IC更新データに基づき、補助記憶装置940に記憶された乗車券情報を書き換えてデータを更新する。プロセッサー910は、ステップST503の処理の後、ステップST501へと戻る。
【0301】
図22は、端末装置900に実装された交通系ICカードとしての機能を使用し自動改札機2300を入出場する場合の端末装置900のフローチャートの一例を示す。
図23は、交通系ICカードによって入場する場合の自動改札機2300で行われる処理のフローチャートの一例を示す。
【0302】
端末装置900を自動改札機2300のリーダーライター部2360にかざすと当該リーダーライター部2360と当該端末装置900の近距離通信I/F980の間で電磁誘導及び無線伝送が開始される。
【0303】
図22のステップST201において端末装置900のプロセッサー910は、近距離通信I/F980がリーダーライター部2360を検知するのを待ち受ける。プロセッサー910は、近距離通信I/F980がリーダーライター部2360を検知したならば、ステップST201においてYesと判定してステップST202へと進む。
【0304】
ステップST202においてプロセッサー910は、ICアプリを起動する。
【0305】
一方、
図23のステップST211において自動改札機2300のプロセッサー2310は、リーダーライター部2360が交通系ICカード(端末装置900)を検知するのを待ち受ける。プロセッサー2310は、リーダーライター部2360が交通系ICカード(端末装置900)を検知したならば、ステップST211においてYesと判定してステップST212へと進む。
【0306】
ステップST212においてプロセッサー2310は、データリクエストを端末装置900に送信するようにリーダーライター部2360に対して指示する。この送信の指示を受けてリーダーライター部2360は、当該データリクエストを端末装置900に送信する。送信された当該データリクエストは、端末装置900の近距離通信I/F980によって受信される。
【0307】
一方、
図22のステップST203において端末装置900のプロセッサー910は、近距離通信I/F980によってデータリクエストが受信されるのを待ち受けている。プロセッサー910は、データリクエストが受信されたならば、ステップST203においてYesと判定してステップST204へと進む。
【0308】
ステップST204においてプロセッサー910は、カードデータを自動改札機2300に送信するように近距離通信I/F980に対して指示する。カードデータは、交通系ICカード内のデータである。プロセッサー910は、例えば、補助記憶装置940に記憶されている乗車券情報、改札状態情報、電子マネーチャージ金額のデータを読み出し、カードデータとして当該自動改札機2300へ送信する。この送信の指示を受けて近距離通信I/F980は、当該カードデータを自動改札機2300に送信する。送信された当該カードデータは、自動改札機2300のリーダーライター部2360によって受信される。
【0309】
一方、
図23のステップST213において自動改札機2300のプロセッサー2310は、リーダーライター部2360によってカードデータが受信されるのを待ち受けている。プロセッサー2310は、カードデータが受信されたならば、ステップST213においてYesと判定してステップST214へと進む。
【0310】
ステップST214においてプロセッサー2310は、ステップST213で受信されたカードデータ内のカードIDをIC駅サーバー2200へ送信することで、当該カードIDで特定される交通系ICカードが有効か否かを問い合わせる。なお、当該問合せに対してIC駅サーバー2200は、補助記憶装置2240に登録された交通系ICカードのステータスが有効の場合は正常とし、当該ステータスが無効の場合又は当該カードIDが補助記憶装置2240に登録されていない場合は無効なカードIDとしてレスポンスする。
そして、プロセッサー2310は、当該レスポンスに基づき当該交通系ICカードが有効であるか否かを判定する。プロセッサー2310は、当該交通系ICカードが有効であるならば、ステップST214においてYesと判定してステップST215へと進む。対して、プロセッサー2310は、当該交通系ICカードが有効でないならば、すなわち無効であるならば、ステップST214においてNoと判定してステップST221へと進む。
【0311】
ステップST215においてプロセッサー2310は、定期券による入場であるか否かを判定する。プロセッサー2310は、ステップST213にて受信したデータ内の乗車券情報より当該交通系ICカードの定期券が有効であるか否か、定期券の路線、区間及び有効期間内であるか否かを判定する。プロセッサー2310は、例えば、定期券が有効であり、定期券の有効期間内であり、入場駅が定期券の区間に含まれる場合に定期券による入場であると判定する。プロセッサー2310は、定期券による入場でないならば、ステップST215においてNoと判定してステップST216へと進む。対して、プロセッサー2310は、定期券による入場であるならば、ステップST215においてYesと判定してステップST217へと進む。
【0312】
ステップST216においてプロセッサー2310は、当該交通系ICカードに改札入場に必要なチャージ残高があるか否かを判定する。必要なチャージ残高は例えば、1円又は初乗り運賃である。なお、必要なチャージ残高が設定されていなくても良い。この場合、プロセッサー2310は、ステップST216の処理をスキップしてステップST217へと進む。プロセッサー2310は、当該交通系ICカードのチャージ残高が必要なチャージ残高以上であるならば、ステップST216においてYesと判定してステップST217へと進む。対して、プロセッサー2310は、当該交通系ICカードのチャージ残高に満たないならば、ステップST216においてNoと判定してステップST221へと進む。
【0313】
ステップST217においてプロセッサー2310は、当該交通系ICカードによる当該自動改札機2300の通行(改札への入場)が許可されたものとし、入場データを生成する。入場データは、当該自動改札機2300の入場履歴を示すデータと当該ICカードの状態を改札内とするように指示するデータを含む。
【0314】
ステップST218においてプロセッサー2310は、ステップST217で生成した入場データを端末装置900に送信するようにリーダーライター部2360に対して指示する。この送信の指示を受けてリーダーライター部2360は、当該入場データを端末装置900に送信する。送信された当該入場データは、端末装置900の近距離通信I/F980によって受信される。
【0315】
一方、
図22のステップST205において端末装置900のプロセッサー910は、通信インターフェース950によって入場データが受信されたか否かを判定する。プロセッサー910は、入場データが受信されないならば、ステップST205においてNoと判定してステップST206へと進む。
【0316】
ステップST206においてプロセッサー910は、通信インターフェース950によって出場データが受信されたか否かを判定する。プロセッサー910は、出場データが受信されないならば、ステップST206においてNoと判定してステップST205へと戻る。かくして、プロセッサー910は、入場データ又は出場データが受信されるまでステップST205及びステップST206を繰り返す待受状態となる。
【0317】
プロセッサー910は、ステップST205及びステップST206の待受状態にあるときに入場データが受信されたならば、ステップST205においてYesと判定してステップST207へと進む。
【0318】
ステップST207においてプロセッサー910は、自動改札機2300から送信された入場データに基づき、補助記憶装置940に記憶されている交通系ICカードのデータの更新処理を実行する。
【0319】
ステップST208においてプロセッサー910は、ICアプリの終了処理を行う。プロセッサー910は、ステップST208の処理の後、ステップST201へと戻る。
【0320】
一方、
図23のステップST219において自動改札機2300のプロセッサー2310は、当該交通系ICカードに対する自動改札機2300の改札入場処理の結果を示す入場結果情報をIC駅サーバー2200に送信(アップロード)する。入場結果情報は、例えば、入場駅の駅ID及び現在日時を含む。IC駅サーバー2200は、受信した入場結果情報をICセンターサーバー2100に送信する。ICセンターサーバー2100は、通信インターフェース2150を介して当該入場結果情報を受信する。ICセンターサーバー2100のプロセッサー2110は、当該入場結果情報を補助記憶装置2140の改札履歴DB2142に記憶する。
なお、入場結果情報は、第5の場所に設置された改札機を用いて端末装置900が第5の場所から入場したことを示す改札入場情報の一例である。なお、当該入場結果情報中の駅IDで特定される駅は、第5の場所の一例である。また、当該駅に設置された自動改札機2300は、第5の場所に設置された改札機の一例である。
【0321】
ステップST220においてプロセッサー2310は、制御インターフェース2370を介してゲート装置2371を制御してゲートを開き、自動改札機2300の通路を開放する。プロセッサー2310は、センサー2372にて改札通過を検知した後、ステップST211へと戻り次の改札処理を待機する。
【0322】
また、ステップST221においてプロセッサー2310は、エラー処理を行う。プロセッサー2310は、エラー処理において、ゲート装置2371を制御してゲートを閉じ、自動改札機2300の通路を閉塞する。プロセッサー2310は、ステップST221の後、ステップST211へと戻る。
【0323】
図24は、交通系ICカードによって出場する場合の自動改札機2300で行われる処理のフローチャートの一例を示す。
【0324】
図24のステップST231~ステップST234及びステップST221は
図23のステップST201~ステップST214及びステップST244と同様であるため説明を省略する。
【0325】
ステップST235においてプロセッサー2310は、定期券を利用するか否かを判定する。プロセッサー2310は、入場駅から出場駅までの区間の少なくとも一部が、交通系ICカードの定期券区間の少なくとも一部を含むならば定期券を利用すると判定する。プロセッサー2310は、定期券が無効である場合、及び入場駅から出場駅までの区間の全てが定期券区間のいずれも含まない場合、定期券を利用しないと判定する。なお、ステップST235は、運賃計算において定期券区間の乗車がある場合とない場合で運賃計算方法を分けるための条件判定である。プロセッサー2310は、定期券を利用しないならば、ステップST235においてNoと判定してステップST236へと進む。対して、プロセッサー2310は、定期券を利用するならば、ステップST235においてYesと判定してステップST237へと進む。
【0326】
ステップST236においてプロセッサー2310は、ステップST233で受信されたデータに含まれる改札履歴情報より直近の改札入場駅と当該自動改札機2300が設置される駅間を乗車区間とした運賃を求める。プロセッサー2310は、例えば、運賃を算出する、又はテーブルから取得することで、運賃を求める。
【0327】
ステップST237においてプロセッサー2310は、定期券区間を除く区間の運賃を求める。
プロセッサー2310は、ステップST236又はステップST237の処理の後、ステップST238へと進む。
【0328】
ステップST238においてプロセッサー2310は、ステップST236又はステップST237で求めた運賃に対してステップST233で受信したデータが示す当該交通系ICカードにチャージされている金額の残高で足りるか否かを判定する。プロセッサー2310は、残高が足りるならば、ステップST238においてYesと判定してステップST239へと進む。対して、プロセッサー2310は、残高が足りないならば、ステップST238においてNoと判定してステップST244へと進む。
【0329】
ステップST239においてプロセッサー2310は、例えば、チャージ金額の残高から、求めた当該運賃を減額することで運賃の決済を行う。
【0330】
ステップST240においてプロセッサー2310は、出場データを生成する。出場データは、当該交通系ICカードにより当該自動改札機2300を出場した履歴を加えた改札履歴情報、及び端末装置900内に記憶されるチャージ金額の残高のデータをステップST239の決済結果に基づく残高に更新するためのデータを含む。
【0331】
ステップST241においてプロセッサー2310は、ステップST240で生成した出場データを端末装置900に送信するようにリーダーライター部2360に対して指示する。この送信の指示を受けてリーダーライター部2360は、当該出場データを端末装置900に送信する。送信された当該出場データは、端末装置900の近距離通信I/F980によって受信される。
【0332】
一方、端末装置900のプロセッサー910は、ステップST205及びステップST206の待受状態にあるときに出場データが受信されたならば、ステップST206においてYesと判定してステップST209へと進む。
【0333】
ステップST209においてプロセッサー910は、出場データに基づき、当該端末装置900内に記憶される改札履歴情報及び電子マネーの残高を更新する。プロセッサー910は、ステップST209の処理の後、ステップST218へと進みICアプリの終了処理を行う。
【0334】
当該自動改札機2300では、プロセッサー2310はステップST249にて当該交通系ICカードに対する自動改札機2300の改札出場処理の結果をIC駅サーバー2200に送信する。IC駅サーバー2200は、受信した改札出場処理の結果をICセンターサーバー2100に送信し、ICセンターサーバー2100のプロセッサー2110は、通信インターフェース2150を介して当該改札出場処理の結果を補助記憶装置2140の改札履歴DB2142に記憶する。
【0335】
一方、
図23のステップST242において自動改札機2300のプロセッサー2310は、当該交通系ICカードに対する自動改札機2300の改札出場処理の結果を示す出場結果情報をIC駅サーバー2200に送信(アップロード)する。出場結果情報は、例えば、出場駅の駅ID及び現在日時を含む。IC駅サーバー2200は、受信した出場結果情報をICセンターサーバー2100に送信する。ICセンターサーバー2100は、通信インターフェース2150を介して当該出場結果情報を受信する。ICセンターサーバー2100のプロセッサー2110は、当該出場結果情報を補助記憶装置2140の改札履歴DB2142に記憶する。
なお、出場結果情報は、第6の場所に設置された改札機を用いて端末装置900が第6の場所から入場したことを示す改札出場情報の一例である。なお、当該出場結果情報中の駅IDで特定される駅は、第6の場所の一例である。また、当該駅に設置された自動改札機2300は、第6の場所に設置された改札機の一例である。
【0336】
ステップST243においてプロセッサー2310は、制御インターフェース2370を介してゲート装置2371を制御してゲートを開き自動改札機2300の通路を開放する。プロセッサー2310は、センサー2372にて改札通過を検知したのち、ステップST231へと戻り次の改札処理を待機する。
【0337】
ステップST244においてプロセッサー2310は、エラー処理を行う。プロセッサー2310は、エラー処理において、ゲート装置2371を制御してゲートを閉じ、自動改札機2300の通路を閉塞する。プロセッサー2310は、ステップST244の後、ステップST231へと戻る。
【0338】
第5実施形態での端末装置900のプロセッサー910は、前述の交通系ICカードの改札入場及び出場に関わる
図22の処理とは独立に並行又は並列して
図25に示す位置情報アプリの処理を実行する。
【0339】
第5実施形態での端末装置900のプロセッサー910は、自身の位置を示す位置情報を用いて、端末装置900が駅構内又は列車の車両内などの特定エリア内に位置すること、端末装置900が改札外から改札内に入場したこと、及び改札内から改札外へ出場したことを判定する。プロセッサー910は、当該位置情報を、例えば、携帯電話システム800から取得する。当該位置情報は、例えば、基地局700の通信エリアを利用した位置情報である。また、基地局700は地上の一般エリアを対象として設置されたもののほかに特定エリアを対象として設置されたものを含んでも良い。あるいは、プロセッサー910は、GNSSを利用して自身の位置を測位することで位置情報を取得しても良い。あるいは、プロセッサー910は、Wi-Fiなどのアクセスポイント又はBluetoothなどの近距離無線通信の送信機の固有IDを無線信号より検出する。そして、プロセッサー910は、当該固有IDと位置情報とを関連付けたテーブル、又は当該固有IDと設備IDとを関連付けたテーブルを参照して、当該固有IDに関連付けられた位置情報及び設備IDを取得しても良い。なお、補助記憶装置940は、予め当該テーブルを記憶しておく。
【0340】
ステップST301においてプロセッサー910は、端末装置900の位置がいずれかの判定範囲内であるか否かを判定する。判定範囲は、予め定められた位置の範囲である。判定範囲は、例えば、端末装置900が改札を通過したことの判定処理を行う範囲、改札を通らない乗り換えのために通過する範囲、又は駅構内の特定施設若しくは設備又は列車の車両内などの特定エリアに位置したことの判定処理を行う範囲である。なお、改札を通過したことを判定するための範囲と、当該特定エリアとは重複した範囲があっても構わない。
【0341】
各判定範囲には駅ID又は特定エリアを識別するエリアIDが関連付けられている。駅IDは、駅ごとにユニークな識別情報である。当該駅IDは、関連付けられた判定範囲がどの駅に対応する範囲であるかを示す。また、エリアIDは、特定エリアごとにユニークな識別情報である。駅IDとエリアIDは同一データとして扱えるようそれぞれ付与する番号体系によって識別できる形式であっても良い。
【0342】
ステップST302においてプロセッサー910は、端末装置900の位置があらかじめ登録された特定エリア内か否かを判定する。プロセッサー910は、特定エリアの判定に使用する座標などの位置情報又はWi-Fiなどのアクセスポイント若しくはBluetoothなど近距離無線通信の送信機の固有IDは端末装置900の補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。プロセッサー910は、端末装置900の位置があらかじめ登録された特定エリア内であるならば、ステップST302においてYesと判定してステップST303へと進む。対して、プロセッサー910は、端末装置900の位置があらかじめ登録された特定エリア内でないならば、ステップST302においてNoと判定してステップST305へと進む。
【0343】
ステップST303においてプロセッサー910は、当該特定エリアのエリアIDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。当該エリアIDは、ステップST302の処理で特定エリア内か否かを判定するために使用された位置情報又は固有IDのデータと関連付けて管理されるものとする。
【0344】
ステップST304においてプロセッサー910は、ステップST303で取得した当該エリアIDにユーザーID及び現在日時を付与したデータを滞在情報として生成する。そして、プロセッサー910は、当該滞在情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該滞在情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該滞在情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。中央サーバー100のプロセッサー110は、例えば、当該滞在情報を補助記憶装置140などに記憶する。
【0345】
ステップST305において端末装置900のプロセッサー910は、ステップST301で取得した位置情報を用いて、端末装置900が駅の改札外から改札内に入場したか否かを判定する。プロセッサー910は、例えば、端末装置900の位置が駅の改札外から当該駅のホームなどの改札内の所定の範囲内に遷移した場合に、端末装置900が改札外から改札内に入場したと判定する。プロセッサー910は、端末装置900が改札外から改札内に入場したと判定しないならば、ステップST305においてNoと判定してステップST306へと進む。
【0346】
ステップST306においてプロセッサー910は、ステップST301で取得した位置情報を用いて、端末装置900が駅の改札内から改札外に出場したか否かを判定する。プロセッサー910は、例えば、端末装置900の位置が駅のホームなどの改札内の所定の範囲内から当該駅の改札外に遷移した場合に、端末装置900が改札内から改札外へ出場したと判定する。プロセッサー910は、端末装置900が改札内から改札外へ出場したと判定しないならば、ステップST306においてNoと判定してステップST301へと戻る。かくして、プロセッサー910は、端末装置900の位置が判定範囲内である間、端末装置900の位置が特定エリア内となるか、端末装置900が改札外から改札内に入場するか、端末装置900が改札内から改札外へ出場するまでステップST301、ステップST302、ステップST305及びステップST306を繰り返す待受状態となる。
【0347】
プロセッサー910は、端末装置900が改札外から改札内に入場したと判定するならば、ステップST305においてYesと判定してステップST307へと進む。
ステップST307においてプロセッサー910は、端末装置900が改札内に入場した駅の駅IDを取得する。プロセッサー910は、例えば、当該駅IDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。なお、プロセッサー910は、端末装置900が改札内に入場した駅がどの駅であるかは、端末装置900の位置情報により特定する。
【0348】
以上より、プロセッサー910は、ステップST305の処理を行うことで、端末装置900が第3の場所から入場したことを、端末装置900の位置情報を用いて検知する入場検知部の一例として機能する。なお、ステップST307で取得される駅IDが示す駅は、第3の場所の一例である。
【0349】
ステップST308においてプロセッサー910は、第3通過情報を生成する。第3通過情報は、一例として、ステップST307で取得された駅ID、第2入出場区分及び補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDを含む。第3通過情報中の第2入出場区分は、端末装置900が入場したか出場したかを示す。ステップST308で生成される第3通過情報中の第2入出場区分は「入場」である。第3通過情報は、当該第3通過情報に含まれるユーザーIDで特定されるユーザーが、当該第3通過情報に含まれる駅IDで特定される駅で入場又は出場したことを通知する情報である。プロセッサー910は、第3通過情報を生成した後、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該第3通過情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。中央サーバー100のプロセッサー110は、当該第3通過情報に現在日時を追加して、補助記憶装置140などに記憶する。当該日時は、ユーザーが改札に入場した日時を示す。端末装置900のプロセッサー910は、ステップST308の処理の後、ステップST301へと戻る。
【0350】
プロセッサー910は、端末装置900が改札内から改札外に出場したと判定するならば、ステップST306においてYesと判定してステップST309へと進む。
ステップST309においてプロセッサー910は、端末装置900が改札外に出場した駅の駅IDを取得する。プロセッサー910は、例えば、当該駅IDを補助記憶装置940又は中央サーバー100などから取得する。なお、プロセッサー910は、端末装置900が改札外に出場した駅がどの駅であるかは、端末装置900の位置情報により特定する。
【0351】
以上より、プロセッサー910は、ステップST308の処理を行うことで、端末装置900が第4の場所から出場したことを、端末装置900の位置情報を用いて検知する出場検知部の一例として機能する。なお、ステップST309で取得される駅IDが示す駅は、第4の場所の一例である。
【0352】
ステップST310においてプロセッサー910は、第3通過情報を生成する。第3通過情報は、一例として、ステップST309で取得された駅ID、第2入出場区分補助記憶装置940に記憶されたユーザーIDを含む。ステップST310で生成される第3通過情報中の第2入出場区分は「出場」である。プロセッサー910は、第3通過情報を生成した後、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信するように通信インターフェース950に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース950は、当該第3通過情報を中央サーバー100に送信する。送信された当該第3通過情報は、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。中央サーバー100のプロセッサー110は、当該第3通過情報に現在日時を追加して、補助記憶装置140などに記憶する。当該現在日時は、ユーザーが改札から出場した日時を示す。プロセッサー910は、ステップST310の処理の後、ステップST301へと戻る。
【0353】
第5実施形態の改札システム1dは、改札入出場を端末装置900に実装された交通系ICカード及び自動改札機2300で制御する。そして、改札システム1dは、運賃計算をICセンターサーバー2100の改札履歴DB2142に記憶された入場結果情報及び出場結果情報、及び中央サーバー100に記憶される滞在情報及び第3通過情報をもとに実施する。なお、入場結果情報と出場結果情報を合わせたものを改札履歴データというものとする。
【0354】
端末装置900のプロセッサー910は、ICアプリの処理と後述の位置情報アプリの処理とを独立に並行又は並列に実行する。改札システム1dは、ICセンターサーバー2100の契約情報DB2141で管理される交通系ICカードに付与されるカードIDと中央サーバー100のユーザーDBで管理されるユーザーIDとは当該ユーザーDB上で関連付けて管理する。これにより、改札システム1dは、交通系ICカードを使用した改札入出場と鉄道利用の運賃計算が連携したサービスを提供可能としている。
【0355】
また、端末装置900の交通系ICカードの機能は、後述の位置情報アプリによる改札サービスが適用される路線、区間、期間に対して定期券として機能する。改札システム1dは、当該定期券に対する交通系ICカード利用の利用料と当該改札サービスの利用料の合計を中央サーバー100のプロセッサー110による精算処理で扱う。そして、改札システム1dは、当該定期券以外の当該交通系ICカード利用に対する利用料を当該交通系ICカードの電子マネーの機能及びICセンターサーバー2100にて実施する。
【0356】
第5実施形態における契約情報の登録及び更新に関する中央サーバー100、ICセンターサーバー2100、IC駅サーバー2200及び端末装置900の処理の流れについて
図21及び
図25~
図27を用いて説明する。
【0357】
第5実施形態のユーザーDB141は、第5実施形態の改札サービスを利用するユーザーについてのユーザー情報を記憶及び管理するデータベースである。ユーザーDB141は、各ユーザーについて、ユーザー情報を、例えば、ユーザーIDと関連付けて記憶する。ユーザーIDは、ユーザーごとにユニークな識別情報である。プロセッサー110は、例えば、ユーザー登録において各ユーザーにユーザーIDを割り当てる。ユーザー情報は、ユーザーに関する情報である。第5実施形態のユーザー情報は、例えば、ユーザーが使用する端末装置900の端末ID、当該端末装置900に実装された交通系ICカードのカードID、当該交通系ICカードについての各種情報、ユーザーの加入者ID及び決済方法情報などを含む。すなわち、第5実施形態のユーザー情報は第1実施形態~第3実施形態のユーザー情報に交通系ICカードのカードID及び各種情報のデータを追加したものである。なお、交通系ICカードのみ利用するユーザーに関する情報はICセンターサーバー2100に直接登録されるので、中央サーバー100のユーザーDB141への登録は不要である。
【0358】
各ユーザー情報は、各ユーザーからの申し込みにより新規登録、登録内容の変更、及び利用停止が行われる。各ユーザーは、端末装置900又はその他のスマートフォン、タブレット端末若しくはPCなどの端末を利用して中央サーバー100が用意する所定の入力画面にデータを入力する。ユーザーDB141は、当該データに基づきユーザー情報の登録、変更、及び削除を行う。当該所定の入力画面で入力できる項目は、例えば、ユーザーが利用する改札サービスの利用路線、利用区間、利用期間、交通系ICカードのカードID、加入者ID、及び決済方法情報などである。
【0359】
図26は、第5実施形態における中央サーバー100とICセンターサーバー2100により交通系ICカードを併用した改札サービスの提供に関わる処理を説明するための図である。中央サーバー100のプロセッサー110は、例えば、一日に1回又は複数回、所定の時間にフローチャートF1の処理を実行する。
【0360】
図26のフローチャートF1のステップST401において中央サーバー100のプロセッサー110は、ユーザーDB141のユーザー情報にデータの変更があったか否かをユーザーDB141の更新履歴などにより判定する。当該データの変更は、例えば、新規登録、登録内容の変更、及び削除などである。プロセッサー110は、ユーザーDB141のユーザー情報にデータの変更があったならば、ステップST401においてYesと判定してステップST402へと進む。対して、プロセッサー110は、ユーザーDB141のユーザー情報にデータの変更がなかったならば、ステップST401においてNoと判定してステップST404へと進む。
【0361】
ステップST402においてプロセッサー110は、ユーザー情報にデータの更新があったユーザーそれぞれについて、当該ユーザーのユーザーIDに紐付く交通系ICカードに関するデータを更新することを示す更新データを生成する。当該更新データは、定期券の新規登録、更新又は終了を指定する情報、当該定期券の有効又は無効を指定する情報、及び定期券の利用路線、利用区間及び利用期間を示す情報などを含む。
【0362】
プロセッサー110は、ステップST402の処理を、例えば、通信インターフェース150及びネットワークNW1を介してICセンターサーバー2100と接続し、交通系ICカードの乗車券情報を管理する契約情報DB2141の交通系ICカードの新規登録、変更、及び利用終了のためのデータ更新を受け付けるインターフェースを利用して行う。ステップST402で生成される更新データのフォーマットは、当該インターフェースに入力するための所定のフォーマットである。
【0363】
また、プロセッサー110は、ユーザーが所有する端末装置900に実装される交通系ICカードを既に利用している当該ユーザーが改札サービスを新規に利用開始する場合、契約情報DB2141に登録済みのカードIDに関するデータを更新することを示す更新データを生成する。当該更新データは、当該改札サービスに対応する路線、区間、及び期間の定期券を追加登録するためのデータを含む。
また、プロセッサー110は、ユーザーが所有する端末装置900に実装される交通系ICカードを未使用の当該ユーザーが改札サービスを新規に利用開始する場合、契約情報DB2141に新たにカードID、及び当該改札サービスに対応する路線、区間及び期間の定期券を登録することを示す更新データを生成する。
【0364】
また、プロセッサー110は、ユーザーが改札サービスを既に利用しておりその利用条件である路線、区間及び期間の少なくともいずれかを変更する場合、契約情報DB2141に登録済みの当該ユーザーのカードIDに関するデータを更新することを示す更新データを生成する。当該更新データは、当該改札サービスに対応する路線、区間、及び期間の定期券の利用条件を変更登録することを示すデータを含む。
【0365】
また、プロセッサー110は、ユーザーが利用中の改札サービスの利用を停止する場合、契約情報DB2141に登録済みの当該ユーザーのカードIDに関するデータを更新することを示す更新データを生成する。当該更新データは、当該カードIDの改札サービス利用に対応する路線、及び区間での定期券利用を無効とすることを示すデータを含む。なお、プロセッサー110は、当該改札サービスのうち一部の路線又は区間でのサービス利用を停止する場合、当該改札サービスの利用を継続する路線、区間及び期間の定期券を有効とし、当該改札サービスの利用を停止する路線及び区間の定期券の利用を無効とすることを示す更新データを生成する。
【0366】
また、プロセッサー110は、ユーザーが利用中の改札サービスを利用する路線及び区間の変更がなく、利用期間満了前に当該改札サービス利用に対する運賃精算単位の期日を迎えた場合、契約情報DB2141に登録済みの当該ユーザーのカードIDに関するデータを更新することを示す更新データを生成する。当該更新データは、当該カードIDの改札サービス利用に対応する路線及び区間での定期券利用期間を運賃精算単位の期間分延長する更新データを生成する。なお、運賃精算単位とは運賃精算の処理を行う間隔のことであり毎月の利用額を毎月精算するのであれば1ヶ月となるもので、改札サービス利用の契約期間中、利用開始日より運賃精算単位ごとに運賃精算処理が行われる。なお、運賃精算単位は、例えば、改札サービスが運賃精算単位の期間内に利用した運賃を後払い精算するため、運賃精算単位の長さは未払いリスクと運賃精算手数料など経済条件を考慮して別途定められる。
【0367】
ステップST403においてプロセッサー110は、ステップST402で生成した更新データをICセンターサーバー2100に送信するように通信インターフェース150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該更新データをICセンターサーバー2100に送信する。送信された当該更新データは、ICセンターサーバー2100の通信インターフェース2150によって受信される。当該更新データは、契約情報DB2141のインターフェースに入力する。なお、契約情報DB2141が1ユーザーごとに更新データを受け付けるインターフェースのみ提供している場合、プロセッサー110は、1ユーザー分の更新データごとにICセンターサーバー2100と接続して更新データを1件ずつ送信する。
【0368】
一方、フローチャートF2のステップST420においてプロセッサー2110は、更新データの入力があるか否かを判定する。プロセッサー2110は、外部システムからの契約情報の更新データ入力のアクセスがあるか通信インターフェース2150に問い合わせることで当該判定を行う。プロセッサー2110は、更新データの入力があるならば、ステップST420においてYesと判定してステップST421へと進む。対して、プロセッサー2110は、更新データの入力がないならば、ステップST420においてNoと判定してステップST424へと進む。
【0369】
ステップST421においてプロセッサー2110は、中央サーバー100からステップST403にて送信された交通系ICカードの契約情報の更新データを通信インターフェース2150を介して受信する。そして、プロセッサー2110は、当該更新データを契約情報DB2141に登録する。
【0370】
ステップST422においてプロセッサー2110は、ステップST421で受信された更新データから、データに更新があったカードIDと、当該更新の内容を示すデータを抽出する。そして、プロセッサー2110は、抽出したカードID及びデータを含む駅更新データを生成する。プロセッサー2110は、IC駅サーバー2200から交通系ICカードの契約情報に更新があるか問い合わせがあった場合、更新があるか否かを示す問い合わせ結果をIC駅サーバー2200に送信する。そして、プロセッサー2110は、駅更新データを送信するよう通信インターフェース2150に指示する。当該指示を受けて通信インターフェース2150は、当該駅更新データをIC駅サーバー2200に送信する。当該駅更新データは、IC駅サーバー2200の通信インターフェース2250によって受信される。
【0371】
各駅のIC駅サーバー2200のプロセッサー2210は
図27の処理を一定の周期で実行している。
図27のステップST511においてプロセッサー2210は、ICセンターサーバー2100に対して問い合わせ情報を送信する。問い合わせ情報は、無効ICカード又は有効ICカードの契約情報に更新があったか問い合わせることを示す情報であり、当該無効ICカード又は有効ICカードのカードIDを含む。なお、無効ICカードは、無効な交通系ICカードであり、有効情報が無効を示す交通系ICカードである。また、有効ICカードは、有効な交通系ICカードであり、有効情報が有効を示す交通系ICカードである。
【0372】
ステップST512においてプロセッサー2210は、問い合わせ結果に基づき、当該無効ICカード又は有効ICカードのデータに更新があるか否かを判定する。プロセッサー2210は、更新があるならば、ステップST512においてYesと判定してステップST513へと進む。対して、プロセッサー2210は、更新がないならば、ステップST512においてNoと判定して
図27の処理を終了する。
【0373】
ステップST513においてプロセッサー2210は、通信インターフェース2250を制御して駅更新データをダウンロードする。
【0374】
ステップST514においてプロセッサー2210は、受信した当該駅更新データに基づき、補助記憶装置2240に記憶されている、無効ICカード又は有効ICカードのカードIDに関連付けられたデータを更新する。例えば、プロセッサー2210は、無効ICカードの有効情報を有効に更新して、無効ICカードを有効ICカードにする。例えば、プロセッサー2210は、有効ICカードの有効情報を無効に更新して、無効ICカードを有効ICカードにする。
プロセッサー2210は、ステップST514の処理の後、
図27に示す処理を終了する。
【0375】
図26のステップST423においてICセンターサーバー2100のプロセッサー2110は、IC更新データを生成する。IC更新データは、駅更新データと同様である。プロセッサー2110は、端末装置900から交通系ICカードの契約情報に更新があるか問い合わせがあった場合、更新があるか否かを示す問い合わせ結果を端末装置900に送信する。更新データの問い合わせに応じてIC更新データを送信するよう通信インターフェース2150に指示する。当該指示を受けて通信インターフェース2150は、当該IC更新データを端末装置900に送信する。当該IC更新データは、端末装置900の通信インターフェース950によって受信される。
【0376】
第5実施形態における運賃計算に関する中央サーバー100及びICセンターサーバー2100の処理の流れについて
図26を用いて説明する。
【0377】
第5実施形態では中央サーバー100は、入場結果情報を記憶した改札履歴DB2142のデータと、補助記憶装置140に記憶された第3通過情報又は滞在情報を用いて運賃計算を行う。また、中央サーバー100は、ユーザーごとの当該運賃計算を、例えば、運賃計算日に行う。運賃計算日は、ユーザーの改札サービス利用開始日を基点とした運賃精算単位経過日以降の日である。運賃精算単位経過日は、例えば、基点から運賃精算単位のn倍の期間が経過した日である。運賃精算単位が1か月であるならば、運賃精算単位経過日は、基点から((1か月)×n)経過した日である。なお、nは、1以上の整数である。
【0378】
図26のステップST404において中央サーバー100のプロセッサー110は、ユーザーDB141に登録された各ユーザーIDから、運賃計算の対象となるユーザーのユーザーIDを抽出する。運賃計算の対象となるユーザーは、現在の日付が運賃計算日であるユーザーである。ただし、当該運賃計算日における運賃の計算が既に終わっているユーザーは運賃計算の対象とはしない。なお、ステップST404で抽出されたユーザーIDを以下「対象ユーザーID」というものとする。
【0379】
ステップST405においてプロセッサー110は、運賃計算の対象となるユーザーがいるか否かを判定する。すなわち、プロセッサー110は、ステップST404で抽出した対象ユーザーIDの数が1以上であるか否かを判定する。プロセッサー110は、対象ユーザーIDの数が0である場合、ステップST405においてNoと判定してフローチャートF1の処理を終了する。対して、プロセッサー110は、当該数が1以上である場合は、ステップST405においてYesと判定してステップST406の処理に進む。
【0380】
ステップST406においてプロセッサー110は、対象ユーザーIDが使用する交通系ICカードのカードIDをユーザーDB141より取得する。当該カードIDは、当該対象ユーザーIDに関連付けられたユーザー情報に含まれるカードIDである。そして、ステップST406においてプロセッサー110は、当該カードIDを含む履歴要求を生成する。履歴要求は、ICセンターサーバー2100から当該カードIDに対応する運賃精算単位の期間の改札履歴データを要求することを示す情報である。当該期間は、例えば、前回の運賃精算単位経過日の翌日から最新(今回)の運賃精算単位経過日までである。この送信の指示を受けて通信インターフェース150は、当該履歴要求をICセンターサーバー2100に送信する。送信された当該履歴要求は、ICセンターサーバー2100の通信インターフェース2150によって受信される。
【0381】
一方、
図26のステップST424においてICセンターサーバー2100のプロセッサー2110は、通信インターフェース2150によって履歴要求が受信されたか否かを判定する。プロセッサー2110は、履歴要求が受信されたならば、ステップST424においてYesと判定してステップST425へと進む。対して、プロセッサー2110は、履歴要求が受信されないならば、ステップST424においてNoと判定してステップST420へと戻る。
【0382】
ステップST425においてプロセッサー2110は、当該履歴要求で指示される改札履歴データを抽出する。そして、プロセッサー2110は、抽出した改札履歴データを中央サーバー100に送信するように通信インターフェース2150に対して指示する。この送信の指示を受けて通信インターフェース2150は、当該改札履歴データを中央サーバー100に送信する。送信された当該改札履歴データは、中央サーバー100の通信インターフェース150によって受信される。プロセッサー2110は、ステップST426の処理の後、ステップST420へと戻る。
【0383】
一方、
図26のステップST407において中央サーバー100のプロセッサー110は、通信インターフェース150によって改札履歴データが受信されるのを待ち受けている。プロセッサー110は、改札履歴データが受信されたならば、当該改札履歴データを補助記憶装置140の作業エリアなどに格納する。そして、プロセッサー110は、ステップST407においてYesと判定してステップST408へと進む。
【0384】
ステップST408においてプロセッサー110は、ICセンターサーバー2100から取得した改札履歴データ、並びに補助記憶装置140に記憶された第3通過情報及び滞在情報を対象ユーザーIDごとに時系列にソートする。ここでソートされたデータを以下「ソートデータ」という。すなわち、プロセッサー110は、対象ユーザーIDごとのソートデータを生成する。
【0385】
ステップST409においてプロセッサー110は、ソートデータを用いて、対象ユーザーIDごとに移動履歴データを以下の手順により生成する。移動履歴データは、場所区分、入出区分及び日時を含む。なお、当該場所区分の値は、駅を示す駅ID又は特定エリアを示すエリアIDの値である。また、当該入出区分の値は、改札へ入場したか出場したかを示す第2入出場区分の値又はエリアIDの示す位置に入場したか出場したかを示す値である。
【0386】
プロセッサー110は、ソートデータ中の改札履歴データについては、改札履歴データ中の駅IDを場所区分とし、改札履歴データが入場結果情報である場合は入出区分の値を入場とし、改札履歴データが出場結果情報である場合は入出区分の値を出場とし、改札履歴データ中の日時を移動履歴データの日時として移動履歴データを生成する。
【0387】
プロセッサー110は、ソートデータ中の第3通過情報については、第3通過情報中の駅IDを場所区分とし、第3通過情報の第2入出場区分の値を入出区分とし、第3通過情報の日時を移動履歴データの日時とした移動履歴データを生成する。
【0388】
なお、プロセッサー110は、場所区分の値が同一で、入出区分の値が同一で、日時がほぼ同一時刻である改札履歴データと第3通過情報がある場合、当該改札履歴データを採用し第3通過情報を採用しない。すなわち、プロセッサー110は、採用した改札履歴データを用いて生成される移動履歴データをステップST410以降の処理で用い、採用しない第3通過情報を用いて生成される移動履歴データをステップST410以降の処理で用いない。なお、プロセッサー110は、例えば、改札履歴データ中の日時と第3通過情報中の日時の時刻差が所定の時間以内である場合にほぼ同一時刻であるとみなす。
【0389】
プロセッサー110は、ソートデータ中の滞在情報については、滞在情報のエリアIDを場所区分とし、入出区分を入場とし、滞在情報の日時を移動履歴データの日時とした移動履歴データを生成する。なお、プロセッサー110は、同一のエリアIDの滞在情報が連続する場合は、連続する滞在情報の最も早い日時の滞在情報と最も遅い日時の滞在情報のみを採用する。プロセッサー110は、採用した最も早い日時の滞在情報を用いて生成される移動履歴データの入出区分を入場とする。プロセッサー110は、採用した最も遅い日時の滞在情報を用いて生成される移動履歴データの入出区分を出場とする。
【0390】
プロセッサー110は、生成した移動履歴データを、対応する対象ユーザーIDと関連付けてユーザーDB141に登録する。ユーザーDB141は、当該移動履歴データを記憶する。なお、プロセッサー110は、移動履歴データを時系列の順に並べてユーザーDB141に登録する。
【0391】
ステップST410においてプロセッサー110は、対象ユーザーIDごとに、ステップST409で生成した移動履歴データから乗車履歴データを生成する。乗車履歴データは、乗車区間情報を含む。乗車区間情報は、ユーザーが列車に乗って移動した入場駅から出場駅までの区間である乗車区間を示す。
【0392】
移動履歴データのうち、場所区分が駅IDである移動履歴データ(以下「駅履歴データ」という。)だけを時系列順に見ると、入出区分が入場である駅履歴データ(以下「入場駅履歴データ」という。)と入出区分が出場である駅履歴データ(以下「出場駅履歴データ」という。)が交互に並んでいるはずである。ここで、入場駅履歴データの数をm個とする。この場合、出場駅履歴データの数もm個のはずである。なお、mは、0以上の整数である。
プロセッサー110は、入場駅履歴データを時系列順に見てk番目の入場駅履歴データと、出場駅履歴データを時系列順に見てk番目の出場駅履歴データとを用いて、k番目の乗車履歴データを1つ生成する。なお、kは、1以上m以下の整数である。プロセッサー110は、k=1の場合からk=mの場合までm個の乗車履歴データを生成する。ただし、プロセッサー110は、mが0である対象ユーザーIDについては、乗車履歴データの生成は行わない。
k番目の乗車履歴データは、k番目の入場駅履歴データの場所区分で指定される駅IDを入場駅として、k番目の出場駅履歴データの場所区分で指定される駅IDを出場駅とした乗車区間情報を含む。
プロセッサー110は、生成した乗車履歴データを対応する対象ユーザーIDに関連付けてユーザーDB141に登録する。ユーザーDB141は、当該乗車履歴データを記憶する。
【0393】
なお、プロセッサー110は、移動履歴データを時系列順に見た場合に、k番目の入場駅履歴データとk番目の出場駅履歴データとの間に、場所区分がエリアIDである移動履歴データ(以下「エリア履歴データ」という。)がある場合、当該エリア履歴データをk番目の乗車履歴データに関連付けてユーザーDB141に登録する。これにより、入場駅から出場駅までの間にユーザーがいた特定エリアのエリアIDが参照可能となる。
【0394】
ステップST411においてプロセッサー110は、ステップST410で生成した各乗車履歴データについて、乗車区間情報が示す乗車区間に対応した運賃を所定の運賃計算式で算出することにより求める。あるいは、プロセッサー110は、テーブルを用いるなどのその他の方法で運賃を求めても良い。なお、プロセッサー110は、乗車履歴データにエリア履歴データ関連付けられている場合、当該エリア履歴データ中のエリアIDに応じて運賃の金額を増減させても良い。例えば、プロセッサー110は、当該エリアIDが、グリーン車などの乗車に追加料金が必要な車両を示すエリアIDである場合、運賃の金額を増額させる。
プロセッサー110は、同じ対象ユーザーIDが関連付けられた乗車履歴データについて、求めた運賃を合算することで、運賃精算単位の期間分の運賃の合計金額を求める。なお、プロセッサー110は、運賃精算単位の期間内の乗車回数に応じて合計金額を増減させても良い。
【0395】
プロセッサー110は、求めた当該合計金額を、当該対象ユーザーIDで特定されるユーザーの当該運賃精算単位の期間分の利用料金に加算する。なお、当該対象ユーザーIDが次の運賃精算単位の期間も改札サービスを利用する場合、次の運賃精算単位の期間に交通系ICカードを使用して当該改札サービスを適用する路線及び区間の改札入出場を可能とするための料金を基本料金として利用料金に加算する。
プロセッサー110は、当該対象ユーザーIDの利用料金を示す利用料請求データを生成する。そして、プロセッサー110は、当該対象ユーザーIDと関連付けて利用料請求データをユーザーDB141に登録する。ユーザーDB141は、利用料請求データを記憶する。
【0396】
プロセッサー110は、対象ユーザーIDごとに上記のようにして合計金額及び利用料金を求める。
ただし、プロセッサー110は、乗車履歴データの数が0であるユーザーについては運賃の合計金額を0円とする。
【0397】
プロセッサー110は、ステップST411の処理を行うことで、第3の場所から第4の場所までの移動にかかる第1の料金を決定し、改札入場情報及び改札出場情報を用いて第2の料金を決定する改札料金決定部の一例として機能する。なお、乗車履歴データの生成に用いられた移動履歴データが、移動履歴データを用いて生成されている場合、当該乗車履歴データを用いて求められた運賃は、第1の料金の一例である。また、乗車履歴データの生成に用いられた移動履歴データが、改札履歴データを用いて生成されている場合、当該乗車履歴データを用いて求められた運賃は、第2の料金の一例である。
また、プロセッサー110は、ステップST411の処理において、乗車履歴データに関連付けられたエリア履歴データ中のエリアIDに応じて運賃の金額を増減(変動)させることで、第3の場所から第4の場所までの移動にかかる料金を、端末装置が前記第3の場所から前記第4の場所まで移動する間に特定の場所にあった場合の料金と、なかった場合の料金とが異なる金額となるように決定する変動料金決定部の一例として機能する。なお、乗車履歴データに関連付けられたエリア履歴データ中のエリアIDが示す場所は、当該特定の場所の一例である。また、増減された運賃は、端末装置が特定の場所にあった場合の料金の一例である。
【0398】
ステップST412においてプロセッサー110は、対象ユーザーIDごとに、ステップST412で生成した利用料請求データを用いて請求処理を行う。なお、プロセッサー110は、請求処理済みであることを示すフラグが関連付けられていない利用料請求データを用いて請求処理を行う。請求処理は、当該対象ユーザーIDで特定されるユーザーに対して、当該利用料請求データが示す利用料金分の請求及び決済を行う処理である。このために、プロセッサー110は、ユーザーDB141を参照して、当該対象ユーザーIDに関連付けられた決済方法を取得する。そして、プロセッサー110は、当該決済方法情報が示す決済方法を用いて決済を行う。なお、プロセッサー110は、請求処理実行後、ユーザーDB141の当該ユーザーID及び請求処理を行った利用料請求データに対して請求処理済みであることを示すフラグを関連付け、次回の運賃精算の期日まで重複した請求処理が行われないようにする。
【0399】
第5実施形態の改札システム1dは、ICカードシステム2000を併用した改札サービスが実現できる。また、第5実施形態の改札システム1dは、現行の自動改札機を流用できる。このため、第5実施形態の改札システム1dは、駅設備整備のためのコスト削減が期待できる。また、第5実施形態の改札システム1dは、本実施形態の改札サービスを実施していない路線と改札サービスを実施している路線との間での列車の乗り入れなどを容易にする。また、第5実施形態の改札システム1dは、自動改札機などが無い場合でも位置情報を利用した入出場の検知ができるため、例えば、同一駅ホームで改札を通らず鉄道からバスや路面電車などの2次交通への乗り換えを行う場合でも、鉄道と2次交通の運賃計算を一括して実施することができる。
【0400】
第5実施形態の改札システム1dは、運賃計算の根拠として改札入出場のほかにエリアIDを使用した滞在情報を利用することができる。このため、第5実施形態の改札システム1dは、例えば、車両に設置されたWi-Fiのアクセスポイントの情報を利用した位置情報により利用車両に応じた運賃設定が可能となる。
【0401】
第5実施形態は、以下のような変形も可能である。
上記の第5実施形態の改札システム1dは、端末装置900の位置情報として、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いる。しかしながら、改札システム1は、端末装置900の位置情報として、他の方法で測位した位置情報を用いても良い。例えば、改札システム1は、端末装置900の位置情報として、GPSなどのGNSSを用いた位置情報、又はWi-Fiなどのアクセスポイント若しくはBluetoothなど近距離無線通信の送信機の固有IDを用いた位置情報などを用いる。なお、改札システム1は、複数種類の位置情報を併用しても良い。
【0402】
改札システム1dが端末装置900の位置情報として基地局700の通信エリアを利用した位置情報以外の位置情報を用いる場合、中央サーバー100のプロセッサー110などは、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いて、位置情報の改変などの不正が行われていないか判定しても良い。例えば、プロセッサー110は、ステップST409において、ソートデータ中の、含まれる日時がほぼ同一である第3通過情報と改札履歴データについて、当該第3通過情報中の駅IDと当該改札履歴データ中の駅IDとが異なり、且つ当該2つの駅IDの示す2つの駅が、異なる基地局700の通信エリア内にあり、且つ当該2つの通信エリアが重複しない異なるエリアである場合、端末装置900で使用された位置情報に誤りがないか照合する。端末装置900で使用された位置情報は、例えば、ステップST301で使用された位置情報である。プロセッサー110は、例えば、当該第3通過情報中の日時と同じ時間帯の端末装置900の位置情報の履歴を、携帯電話システム800から取得する。そして、プロセッサー110は、取得した位置情報が示す位置と、当該第3通過情報中の駅IDが示す駅の位置が異なる場合は、当該端末装置900を使用するユーザーについての、ユーザーDB141に記憶されたユーザー情報を更新して、当該ユーザーが使用する交通系ICカードを無効にする。また、プロセッサー110は、当該ユーザーについて、改札サービスの利用を停止しても良い。改札システム1dは、これにより、ユーザーの不正利用を抑止する。
【0403】
あるいは、プロセッサー110は、ソートデータ中の、含まれる日時がほぼ同一である第3通過情報と改札履歴データについて、当該第3通過情報中の駅IDと当該改札履歴データ中の駅IDとが異なり、且つ当該2つの駅IDの示す2つの駅が、異なる基地局700の通信エリア内にあり、且つ当該2つの通信エリアが重複しない異なるエリアである場合に限らず第3通過情報について端末装置900で使用された位置情報に誤りがないか照合しても良い。あるいは、プロセッサー110は、ランダムにサンプリングした第3通過情報について、端末装置900で使用された位置情報に誤りがないか照合しても良い。
【0404】
第3通過情報は、ステップST301で使用された位置情報を含んでも良い。この場合、プロセッサー110は、第3通過情報に含まれる位置情報と、携帯電話システム800から取得した位置情報とを用いて、端末装置900で使用された位置情報に誤りがないか照合する。プロセッサー110は、取得した位置情報が示す位置と、当該第3通過情報中の位置情報が異なる場合は、当該端末装置900を使用するユーザーについての、ユーザーDB141に記憶されたユーザー情報を更新して、当該ユーザーが使用する交通系ICカードを無効にする。また、プロセッサー110は、当該ユーザーについて、改札サービスの利用を停止しても良い。例えば、プロセッサー110は、当該ユーザーのユーザー情報に、改札サービスが無効であることを示すサービス無効情報を関連付けることで、改札サービスの利用を停止する。
【0405】
ICカードシステム2000は、交通系ICカードを使用して自動改札機2300を入場又は出場したタイミングであらかじめ指定された1又は複数のメールアドレスに対して改札通過したことを通知する電子メールを送信する通知機能を備えていても良い。例えば、ICセンターサーバー2100が当該電子メールを送信する。上記の第5実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110は、改札履歴データをステップST406及びステップST407の処理によって取得している。しかしながら、プロセッサー110は、当該通知機能によって送信される当該電子メールを、通信インターフェース150を介して受信した都度、補助記憶装置140に記憶することで改札履歴データを取得しても良い。この場合、予め指定されたメールアドレスのうちの1つは中央サーバー100が使用するメールアドレスである。また、中央サーバー100宛の当該電子メールは改札履歴データを含む。なお、改札通過通知の手段としては例えば特許文献2に開示された方法がある。また、改札通過の通知は、例えば、見守りサービスとして日本の首都圏の鉄道事業者において商用サービスとして提供されている。
【0406】
また、上記の各実施形態は、以下のような変形も可能である。
基地局700は携帯電話用の基地局に限らず、その他の無線通信用の基地局であっても良い。
【0407】
上記の実施形態では改札システム1は、基地局700の通信エリアを用いた位置情報を用いる。しかしながら、改札システム1は、その他の方法を用いた位置情報を用いても良い。
【0408】
上記の実施形態では、改札システム1は、端末装置900の位置情報として、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いる。しかしながら、改札システム1は、端末装置900の位置情報として、他の方法で測位した位置情報を用いても良い。例えば、改札システム1は、端末装置900の位置情報として、GPSなどのGNSSを用いた位置情報、又はWi-Fiなどのアクセスポイント若しくはBluetoothなどの近距離無線通信の送信機の固有IDを用いた位置情報などを用いる。なお、改札システム1は、複数種類の位置情報を併用しても良い。
【0409】
駅サーバー200のプロセッサー210は、使用できる期限を過ぎたトークンについて、補助記憶装置240などから削除しても良い。
【0410】
上記の実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110が振替範囲を決定した。しかしながら、駅操作者などが振替範囲を決定しても良い。この場合、駅端末1000のプロセッサー1010は、ステップST103において、開始範囲に加えて、振替範囲として追加する範囲の入力を受ける。振替範囲として追加する範囲は、例えば、駅操作者による操作によって入力される。また、プロセッサー1010は、振替範囲として追加する範囲を含む振替開始情報を送信する。そして、中央サーバー100のプロセッサー110は、ステップST114において、振替範囲として追加する範囲を振替範囲に追加する。
【0411】
上記の実施形態では、中央サーバー100のプロセッサー110が振替終了範囲を決定した。しかしながら、駅操作者などが振替終了範囲を決定しても良い。この場合、駅端末1000のプロセッサー1010は、ステップST105において、終了範囲に加えて、振替終了範囲の入力を受ける。振替終了範囲は、例えば、駅操作者による操作によって入力される。また、プロセッサー1010は、振替終了範囲を含む振替終了情報を送信する。そして、中央サーバー100のプロセッサー110は、ステップST121において、当該振替終了範囲を用いる。
【0412】
中央サーバー100のプロセッサー110は、位置情報を用いて運賃請求をするか否かの判定をしなくても良い。この場合、プロセッサー110は、例えば、ステップST41の処理の後、ステップST42及びステップST43の処理を行わずにステップST44へと進む。
【0413】
なお、改札システム1が端末装置900の位置情報として基地局700の通信エリアを利用した位置情報以外の位置情報を用いる場合、中央サーバー100のプロセッサー110などは、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いて、位置情報の改変などの不正が行われていないか判定しても良い。例えば、プロセッサー110は、ステップST33において、第1トークン要求に含まれる駅IDで特定される駅又は当該駅IDに関連付けられた取得範囲内に端末装置900があるかを、基地局700の通信エリアを利用した位置情報を用いて判定する。そして、プロセッサー110は、当該駅又は当該取得範囲内に端末装置900があると判定しないならば、不正が行われているとみなし、ステップST33においてNoと判定する。なお、プロセッサー110は、基地局700の通信エリアを利用した位置情報が示す端末装置900の位置が、当該駅又は当該取得範囲から外れていても、外れている距離が所定の範囲内であれば端末装置900があると判定しても良い。
【0414】
上記の実施形態では、鉄道を例に説明した。しかしながら、他の交通機関であっても良い。例えば、実施形態の改札システムは、鉄道に代えてバスなどにも利用可能である。バスに対して利用する場合の改札システムにおける改札内への入場は、例えば、乗車するバス亭におけるバス内への乗車である。また、改札内からの出場は、降車するバス停におけるバスからの降車である。実施形態の改札システムは、その他、航空機又は船舶などにおいても利用可能である。
【0415】
プロセッサー110、プロセッサー210、プロセッサー2210、プロセッサー310、プロセッサー410、プロセッサー2310、プロセッサー910、プロセッサー1010又はプロセッサー2110は、上記実施形態においてプログラムによって実現する処理の一部又は全部を、回路のハードウェア構成によって実現するものであっても良い。
【0416】
実施形態の処理を実現するプログラムは、例えば装置に記憶された状態で譲渡される。しかしながら、当該装置は、当該プログラムが記憶されない状態で譲渡されても良い。そして、当該プログラムが別途に譲渡され、当該装置へと書き込まれても良い。このときのプログラムの譲渡は、例えば、リムーバブルな記憶媒体に記録して、あるいはインターネット又はLANなどのネットワークを介したダウンロードによって実現できる。
【0417】
以上、本発明の実施形態を説明したが、例として示したものであり、本発明の範囲を限定するものではない。本発明の実施形態は、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施可能である。
【符号の説明】
【0418】
1,1c,1d 改札システム
100 中央サーバー
110,210,310,410,910,1010,2110,2210,2310 プロセッサー
120,220,320,420,920,1020,2120,2220,2320 ROM
130,230,330,430,930,1030,2130,2230,2330 RAM
140,240,340,440,940,1040,2140,2240,2340 補助記憶装置
141 ユーザーDB
142 トークンDB
143 入出場DB
150,250,350,450,950,1050,2150,2250,2350 通信インターフェース
160,260,370,470,990,1080,2160,2260,2380 バス
200 駅サーバー
300 読取装置
360 リーダー部
400 ゲート制御装置
460,2370 制御インターフェース
500,2371 ゲート装置
600,2372 センサー
700 基地局
800 携帯電話システム
900 端末装置
960 タッチパネル
970 スピーカー
980 近距離通信I/F
1000 駅端末
1060 入力デバイス
1070 表示デバイス
1100,2000 ICカードシステム
1110,2141 契約情報DB
1200 リーダー装置
2100 ICセンターサーバー
2142 改札履歴DB
2200 IC駅サーバー
2300 自動改札機
2360 リーダーライター部