(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087494
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】抗感染処置に用いるための組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 31/47 20060101AFI20230616BHJP
A61P 31/00 20060101ALI20230616BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20230616BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230616BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230616BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61K31/47 ZNA
A61P31/00
A61P31/04
A61P29/00
A61P43/00 111
A61P31/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021201903
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】501048930
【氏名又は名称】株式会社 バイオミメティクスシンパシーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】漆畑 直樹
(72)【発明者】
【氏名】隠岐 勝幸
(72)【発明者】
【氏名】吉原 誠一
(72)【発明者】
【氏名】大西 啓介
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086BC28
4C086GA13
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA14
4C086ZB32
4C086ZB33
4C086ZB35
4C086ZC02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】新たな抗感染性の作用を有する組成物を提供すること。
【解決手段】上記目的を達成するため、一側面において、本発明は以下を提供する。抗感染処置に用いるための組成物であって、前記組成物は、以下の式で表される化合物又はその塩を含む、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗感染処置に用いるための組成物であって、
前記組成物は、以下の式で表される化合物又はその塩を含む、組成物。
【化1】
{ただし、
R
1は、NH又はCH
2であり、
R
2は、N-R
8又はCH-R
8(R
8:H、又はC1~C4までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はC1~C2までのアルキル基であり、
R
5は、S又はOであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2、又はC1~C2までのアルキル基であり、
nは、1-11である。}
【請求項2】
請求項1の組成物であって、前記化合物が、以下の式で表される、組成物。
【化2】
{ただし、
R
1は、NHであり、
R
2は、N-R
8(R
8:C1~C3までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はCH
3であり、
R
5は、Oであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2であり、
nは、1-11である。}
【請求項3】
請求項1又は2の組成物であって、前記抗感染処置が、細菌に感染したときの抗炎症性作用を引き起こすための処置である、組成物。
【請求項4】
請求項3の組成物であって、前記細菌がグラム陽性細菌である、組成物。
【請求項5】
請求項3の組成物であって、前記細菌がグラム陰性細菌である、組成物。
【請求項6】
請求項1~5いずれか1項に記載の組成物であって、前記抗感染処置が、炎症性サイトカイン遺伝子の発現を抑制するための処置である、組成物。
【請求項7】
請求項6の組成物であって、前記炎症性サイトカイン遺伝子がIL-1β及び/又はTNFαである、組成物。
【請求項8】
請求項1~5いずれか1項に記載の組成物であって、前記抗感染処置が、抗炎症性サイトカイン遺伝子の発現を増強するための処置である、組成物。
【請求項9】
請求項8の組成物であって、前記抗炎症性サイトカイン遺伝子がIL-10である、組成物。
【請求項10】
請求項1又は2の組成物であって、前記抗感染処置が、ウイルスに感染したときのインターフェロンの発現を増強させるための処置である、組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、抗感染処置に用いるための組成物に関する。より具体的には、本開示は、特定の有効成分を含む、抗感染処置に用いるための組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
哺乳類等は免疫システムを獲得しており、細菌、及び、ウイルスに感染すると、様々な免疫応答を示す。最も典型的な免疫応答の1つとして炎症反応がある。炎症反応には、生体内で分泌される炎症性サイトカインが関与する。一方で、生体には、炎症を鎮める作用として、抗炎症性サイトカインを分泌する機能がある。両者のバランスが崩れると、過剰な炎症反応が起こり、生体に様々な悪影響を及ぼす。
【0003】
特許文献1では、抗炎症活性を有するペプチドが開示されている。具体的には、特許文献1では、炎症性サイトカインの発現を抑制するペプチドが開示されており、その抑制対象として、TNF-α(tumor necrosis factor-α)、IL-2及びINF-γが例示されている。
【0004】
また、感染後に放出される炎症性サイトカインの一種であるIL-6によって、血管内皮細胞から血栓を溶かす因子を阻害する因子(線溶阻害因子という)であるPAI-1(plasminogen activator inhibitor-1)が放出され、血管に血栓が出来やすくなってしまうことが明らかになっている(非特許文献1)。あるいは敗血症においても、播種性血管内凝固症候群という血栓が全身で多発する症状が見受けられる。これらの例からも解るように、感染症と血栓形成には密接な関係があり、実際にCOVID-19に伴う肺障害・呼吸不全に対して、PAI-1阻害剤が第2相臨床試験が終了次第、早期承認を目指す、という段階まで進んでいる(非特許文献2)。しかし、この薬はPAI-1を阻害するための薬剤であり、薬剤投与以前に引き起こされた肺障害・呼吸不全に対しては、患者本人の自然治癒力に任されてしまうという問題も抱えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】https://www.pnas.org/content/117/36/22351
【非特許文献2】https://bio.nikkeibp.co.jp/atcl/news/p1/21/09/13/08625/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
感染が起こった際に、望まれるのは、生体内において抗感染性の反応を誘導することである。こうした目的で、これまで、様々な組成物が開発されてきたが、いまだに改良の余地が残されている。そこで、本開示は、新たな抗感染性の作用を有する組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者が検討したところ、特定の化合物が、ある特定の抗感染性を誘発するのに有効であることを見出した。本発明はこうした知見に基づいて完成され、一側面において、以下の発明を包含する。
(発明1)
抗感染処置に用いるための組成物であって、
前記組成物は、以下の式で表される化合物又はその塩を含む、組成物。
【化1】
{ただし、
R
1は、NH又はCH
2であり、
R
2は、N-R
8又はCH-R
8(R
8:H、又はC1~C4までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はC1~C2までのアルキル基であり、
R
5は、S又はOであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2、又はC1~C2までのアルキル基であり、
nは、1-11である。}
(発明2)
発明1の組成物であって、前記化合物が、以下の式で表される、組成物。
【化2】
{ただし、
R
1は、NHであり、
R
2は、N-R
8(R
8:C1~C3までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はCH
3であり、
R
5は、Oであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2であり、
nは、1-11である。}
(発明3)
発明1又は2の組成物であって、前記抗感染処置が、細菌に感染したときの抗炎症性作用を引き起こすための処置である、組成物。
(発明4)
発明3の組成物であって、前記細菌がグラム陽性細菌である、組成物。
(発明5)
発明3の組成物であって、前記細菌がグラム陰性細菌である、組成物。
(発明6)
発明1~5いずれか1つに記載の組成物であって、前記抗感染処置が、炎症性サイトカイン遺伝子の発現を抑制するための処置である、組成物。
(発明7)
発明6の組成物であって、前記炎症性サイトカイン遺伝子がIL-1β及び/又はTNFαである、組成物。
(発明8)
発明1~5いずれか1つに記載の組成物であって、前記抗感染処置が、抗炎症性サイトカイン遺伝子の発現を増強するための処置である、組成物。
(発明9)
発明8の組成物であって、前記抗炎症性サイトカイン遺伝子がIL-10である、組成物。
(発明10)
発明1又は2の組成物であって、前記抗感染処置が、ウイルスに感染したときのインターフェロンの発現を増強させるための処置である、組成物。
(発明11)
発明1又は2の組成物であって、前記抗感染処置が、血管内皮細胞が炎症性サイトカインに曝露された際に発現上昇されるPAI-1遺伝子の発現を抑制するための、組成物。
【発明の効果】
【0009】
一実施形態において、本開示の組成物は、上記式で表される化合物を含む。これにより、抗感染性の作用を誘発することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態において、本開示の組成物が、グラム陰性細菌に感染したときの炎症性サイトカイン及び抗炎症性サイトカインの遺伝子の発現に影響を及ぼすことを示す。
【
図2】一実施形態において、本開示の組成物が、網羅的遺伝子発現解析から特定の遺伝子発現を制御することを示す。
【
図3】一実施形態において、本開示の組成物が、インスリンシグナル経路とは異なる経路にて遺伝子発現を抑制することを示す。
【
図4】一実施形態において、本開示の組成物が、HGFシグナル経路とは異なる経路にて遺伝子発現を抑制することを示す。
【
図5】一実施形態において、本開示の組成物が、グラム陽性細菌に感染したときの炎症性サイトカイン及び抗炎症性サイトカインの遺伝子の発現に影響を及ぼすことを示す。
【
図6】一実施形態において、本開示の組成物が、ウイルスに感染したときのインターフェロンの遺伝子の発現に影響を及ぼすことを示す。
【
図7】一実施形態において、本開示の組成物が、インスリンシグナル経路とは異なる経路にて遺伝子発現を抑制することを示す。
【
図8】一実施形態において、本開示の組成物が、炎症性サイトカインTNFα刺激による血管内皮細胞でのPAI-1の発現亢進を抑制することを示す結果である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0012】
1.有効成分
一実施形態において、本開示は、ある有効成分を含む組成物に関する。前記有効成分は、以下の構造式で表される化合物又はその塩である。
【0013】
【化3】
{ただし、
R
1は、NH又はCH
2であり、
R
2は、N-R
8又はCH-R
8(R
8:H、又はC1~C4までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はC1~C2までのアルキル基であり、
R
5は、S又はOであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2、又はC1~C2までのアルキル基であり、
nは、1-11である。}
【0014】
塩の形態は特に限定されず、ナトリウム塩、カリウム塩等であってもよい。
【0015】
好ましい実施形態において、上記化合物は、以下の式で表される化合物又はその塩であってもよい。
【0016】
【化4】
{ただし、
R
1は、NHであり、
R
2は、N-R
8(R
8:C1~C3までのアルキル基)であり、
R
3は、F、Cl、Br、又はIであり、
R
4は、それぞれ独立して、H又はCH
3であり、
R
5は、Oであり、
R
6は、カルボキシル基であり、
R
7は、NH
2であり、
nは、1-11である。}
【0017】
最も好ましい実施形態において、上記化合物は、以下の式で表される化合物(CAS番号 836620-48-5)又はその塩であってもよい。
【0018】
【化5】
2.組成物としての他の成分
上述した一実施形態において、組成物は、上述した化合物のほかに、適宜他の成分を含んでもよい。応用形態にもよるが、例えば、組成物は、以下の成分のうち1種以上を含んでもよい。
pH調整剤(例えば、リン酸バッファ、トリスバッファ等)
無機塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム等)
糖類(例えば、ラクトース、スクロース等)
賦形剤(例えば、水、精製水、アルコール、グリセリン、乳糖、デンプン、デキストリン、白糖、沈降シリカ等)
【0019】
また、組成物は、固体の形態でもよく、或いは、液体の形態であってもよい。液体の場合には、溶媒は特に限定されず、水であってもよく、有機溶媒であってもよい。
【0020】
3.抗感染性作用
一実施形態において、本開示の組成物は、抗感染処置に用いる。抗感染処置は、特に限定されないが、例えば、抗炎症処置、抗ウイルス感染処置などが挙げられる。抗炎症処置の具体的な例としては、炎症性サイトカイン遺伝子(例えば、IL-1β及び/又はTNFα)の発現を抑制するための処置、及び/又は、抗炎症性サイトカイン遺伝子(例えば、IL-10)の発現を増強するための処置などが挙げられる。また、抗ウイルス感染処置の具体的な例としては、ウイルスに感染したときのインターフェロンの発現を増強させるための処置が挙げられる。
【0021】
また、感染を引き起こす感染源については、特に限定されないが、典型的には、細菌、及び/又は、ウイルスが挙げられる。
【0022】
細菌についても、特に限定されず、グラム陽性菌であってもよく、グラム陰性菌であってもよい。グラム陰性菌についても、特に限定されず、例えば、LPS(lipopolysaccharide)を有する細菌が挙げられる。一方、グラム陽性菌についても、特に限定されず、例えば、LTA(Lipoteichoic acid)を有する細菌が挙げられる。
【0023】
ウイルスについても、特に限定されず、DNAウイルスでもよく、或いは、RNAウイルスであってもよい。また、1本鎖ウイルスであってもよく、或いは、2本鎖ウイルスであってもよい。さらには、逆転写型のウイルスであってもよい。また、1本鎖RNAウイルスの場合には、(+)型であってもよく、(-)型であってもよい。
【0024】
4.対象となる遺伝子
一実施形態において、本開示の組成物は、その有効成分の作用により、特定の遺伝子の発現を増強することができる。例えば、本開示の組成物は、以下から選択される1種以上の遺伝子の発現を増強することができる。
・抗ウイルス活性を有する遺伝子(例えば、インターフェロン、好ましくは、I型インターフェロン、更に好ましくは、インターフェロンβ)
【0025】
別の一実施形態において、本開示の組成物は、以下から選択される1種以上の遺伝子の発現を抑制することができる。
・炎症性サイトカイン遺伝子(例えば、TNFα、IL-1β等)
【0026】
更に別の一実施形態において、本開示の組成物は、以下から選択される1種以上の遺伝子の発現を促進することができる。
・抗炎症性サイトカイン遺伝子(例えば、IL-10等)
【0027】
また、上述した遺伝子は、ヒト型でも他の動物種であってもよいが、好ましくは、ヒト型である。
【0028】
4-1.抗ウイルス活性を有する遺伝子
細胞がウイルスに感染したとき、細胞は、他の細胞等においてウイルスの感染を抑制する因子を分泌する機能を有する。こうしたウイルスの感染を抑制する因子として、インターフェロンが挙げられる。インターフェロンは、I型、II型、III型に分類される。
【0029】
一実施形態において、本開示の組成物は、インターフェロンの遺伝子の発現を促進する。好ましくは、本開示の組成物は、I型インターフェロンの遺伝子の発現を促進し、更に好ましくは、インターフェロンβの遺伝子の発現を促進する。これにより、抗ウイルス活性が誘発される。
【0030】
4-2.炎症性サイトカイン
炎症性サイトカインは、生体内における様々な炎症症状を引き起こす原因因子として関与する。一実施形態において、本開示の組成物は、炎症性サイトカインの遺伝子の発現を抑制する。炎症性サイトカインの遺伝子の例としては、TNFα、IL-1β等が挙げられる。
【0031】
4-3.抗炎症性サイトカイン
上記の炎症性サイトカインとは逆となるが、抗炎症性サイトカインは、炎症症状を抑制する働きをもつサイトカインである。一実施形態において、本開示の組成物は、抗炎症性サイトカインの遺伝子の発現を促進する。抗炎症性サイトカインの遺伝子の例としては、IL-10等が挙げられる。
【0032】
従って、一実施形態において、本開示の組成物は、炎症を抑制する方向に作用することができる。
【0033】
5.対象となる組織又は細胞
一実施形態において、本開示の組成物は、特定の細胞に作用させることを目的として使用されてもよい。例えば、本開示の組成物は、免疫細胞に作用させることができる。免疫細胞の例として、白血球細胞(例えば、マクロファージやT細胞)などが挙げられる。
【実施例0034】
以下では、上記実施形態に関連する更なる具体的な例を示す。上記の実施形態と同様、以下の例は、本発明の理解を促進する目的で記載されるものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
THP-1(ヒト単球系白血病細胞株)を用いた。THP-1を、12 well plate(Corning,3336)の各ウェルに300,000cells/mLで1mL/ウェルの分量で播種し、当該細胞はRPMI-1640(Gibco,11875-093)+10%FBS(SIGMA,F7524)の血清培地で24時間培養した(37℃、5%CO2)。その際、マクロファージ分化を促すため、PMA(ホルボール12-ミリスタート13-アセタート)(100nM)を添加した。24時間後、PMAを除くためにRPMI-1640+10%FBS培地に培地交換し、さらに、DMSOに溶解したAS1842856を最終濃度1μMになるように投与した。また、同時にLPSを最終濃度1.0μg/mLになるように投与した。LPSは、グラム陰性菌の感染状態を模するため投与した。また、よりヒトでの感染を模すため、1.0μg/mLのLPSを先に投与し、感染状態にした後に、AS1842856を添加した。具体的にはLPSを投与してから8時間後にAS1842856を投与した。
AS1842856の投与に対するコントロールとして、同じ量のDMSO(Vehicle)を投与した。また、LPSの投与に対するコントロールとして、同じ量のPBS(-)を投与した。
同時投与の場合、投与後、24時間培養を継続後、細胞からRNAを回収した。LPSの先投与の場合、LPS添加時より24時間培養を継続後、細胞からRNAを回収した。より具合的には、培養後、ReliaPrep RNA Miniprep system(Promega,Z6012)を用いて細胞からTotal RNAを抽出した。抽出後、500ngのRNAを用いてcDNA合成(PrimeScript RT Master Mix;Takara,RR036A)を行い、更に、定量的PCR(Thunderbird Sybr qPCR Mix;TOYOBO,QPS-201X5)を行った。
上記ミクスチャを、Applied Biosystems社のVeriti 96 well Thermal Cyclerを用いて、以下の条件で処理した。
37℃ 15分
↓
85℃ 5秒
↓
4℃ ∞
合成したcDNA(10μl)は90μlのTE(10mM Tris-HCl pH8.0+1mM EDTA pH8.0)を用いて10倍に希釈した。当該希釈物を、定量PCRに供した。