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  • 特開-ウエブの熱処理装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087553
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ウエブの熱処理装置
(51)【国際特許分類】
   F27B 9/30 20060101AFI20230616BHJP
   F27B 9/28 20060101ALI20230616BHJP
   F27B 9/10 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
F27B9/30
F27B9/28
F27B9/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202006
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】000240341
【氏名又は名称】株式会社ヒラノテクシード
(74)【代理人】
【識別番号】100076314
【弁理士】
【氏名又は名称】蔦田 正人
(74)【代理人】
【識別番号】100112612
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲士
(74)【代理人】
【識別番号】100112623
【弁理士】
【氏名又は名称】富田 克幸
(74)【代理人】
【識別番号】100163393
【弁理士】
【氏名又は名称】有近 康臣
(74)【代理人】
【識別番号】100189393
【弁理士】
【氏名又は名称】前澤 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100203091
【弁理士】
【氏名又は名称】水鳥 正裕
(72)【発明者】
【氏名】中村 行良
(72)【発明者】
【氏名】元野 智一
(72)【発明者】
【氏名】久保井 学
【テーマコード(参考)】
4K050
【Fターム(参考)】
4K050AA05
4K050BA01
4K050BA11
4K050CA15
4K050CA19
4K050CD16
4K050CD17
4K050CG04
(57)【要約】
【課題】熱処理室が傾斜していても、横開きの扉をゆっくり開くことができるウエブの熱処理装置を提供する。
【解決手段】熱処理室10は、水平面に対して傾斜角度θ°(0°<θ°45°)で傾斜して設けられ、扉20は、傾斜している熱処理室10の左側壁12において高い方から低い方に横開きで開閉自在であり、扉20の上方にある左側壁12にエアーシリンダ44のシリンダ本体46の基部が接続され、シリンダ本体46から延びたロッド50の先端に扉20が接続され、シリンダ本体46内のロッド50側の第1閉鎖空間58にスピードコントローラ62が接続され、このスピードコントローラ62からの単位時間当たりの排気量を傾斜角度θ°が大きいほど少なくする。
【選択図】 図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱性を有する熱処理室と、
前記熱処理室内部において前後方向に走行するウエブへ熱風を吹き付けるノズルと、
前記熱処理室の側壁に設けられた扉と、
を有し、
前記熱処理室は、水平面に対して前後方向が傾斜角度θ°(0°<θ°45°)で傾斜して設けられ、
前記扉は、傾斜している前記熱処理室の高い方から低い方に横開きで開閉自在であり、
前記扉の上方、又は下方にある前記側壁にエアーシリンダのシリンダ本体の基部が接続され、
前記シリンダ本体から延びたロッドの先端に前記扉が接続され、前記扉が開くほど前記ロッドが前記シリンダ本体から延び、
前記シリンダ本体内の前記ロッド側の閉鎖空間に排気量調整装置を接続し、
前記排気量調整装置による前記閉鎖空間からの単位時間当たりの排気量を、前記傾斜角度θ°が大きいほど少なくする、
ことを特徴とするウエブの熱処理装置。
【請求項2】
前記排気量調整装置は、スピードコントローラであり、
前記スピードコントローラの一端が、前記エアーシリンダ内の前記ロッド側の前記閉鎖空間に接続されている、
請求項1に記載のウエブの熱処理装置。
【請求項3】
前記スピードコントローラの他端は、大気圧に開放されている、
請求項2に記載のウエブの熱処理装置。
【請求項4】
連結された複数の前記熱処理室が、アーチ型の設定台に設置されている、
請求項1に記載のウエブの熱処理装置。
【請求項5】
前記熱処理室の内部の前後方向にある前記ウエブの搬送路の上方に、複数のノズルが所定間隔毎に設けられ、
前記搬送路の下方に前記ウエブを搬送する搬送ロールが所定間隔毎に設けられている、
請求項1に記載のウエブの熱処理装置。
【請求項6】
前記熱処理室の内部の前後方向にある前記ウエブの搬送路の上方に、複数の上ノズルが所定間隔毎に設けられ、
前記搬送路の下方に、複数の下ノズルが所定間隔毎に、かつ、前記上ノズルと千鳥状になるように設けられている、
請求項1に記載のウエブの熱処理装置。
【請求項7】
前記排気量調整装置の単位時間当たりの前記排気量は、前記扉が自重で開かず、かつ、前記熱処理室を水平に載置したときに前記扉を引っ張って開けるときの引っ張り力と同じ引っ張り力で前記扉を開けることができるように調整されている、
請求項1に記載のウエブの熱処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ウエブの熱処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、熱処理装置は、断熱性を有する熱処理室の内部に複数のノズルをウエブの搬送路に沿って設けられ、走行するウエブに対しこれらノズルから熱風を当ててウエブを乾燥している。そして、熱処理室の内部にあるノズルの調整などを目的として、熱処理室の側壁には開口部が設けられ、この開口部には横開きの扉が開閉自在に設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-116111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、熱処理室が傾斜して設けられていると、上記の扉を開ける場合に、扉の自重によって急に開いて作業員の安全性を脅かしたり、熱処理室に衝突して破損するという問題点があった。
【0005】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、熱処理室が傾斜していても、横開きの扉をゆっくり開くことができるウエブの熱処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、断熱性を有する熱処理室と、前記熱処理室内部において前後方向に走行するウエブへ熱風を吹き付けるノズルと、前記熱処理室の側壁に設けられた扉と、を有し、前記熱処理室は、水平面に対して前後方向が傾斜角度θ°(0°<θ°45°)で傾斜して設けられ、前記扉は、傾斜している前記熱処理室の高い方から低い方に横開きで開閉自在であり、前記扉の上方、又は下方にある前記側壁にエアーシリンダのシリンダ本体の基部が接続され、前記シリンダ本体から延びたロッドの先端に前記扉が接続され、前記扉が開くほど前記ロッドが前記シリンダ本体から延び、前記シリンダ本体内の前記ロッド側の閉鎖空間に排気量調整装置を接続し、前記排気量調整装置による前記閉鎖空間からの単位時間当たりの排気量を、前記傾斜角度θ°が大きいほど少なくする、ことを特徴とするウエブの熱処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、熱処理室の傾斜角度が大きいほど、エアーシリンダ内のロッド側の閉鎖空間からの単位時間当たりの排気量を少なくすることにより、横開きの扉をゆっくり開けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態を示す熱処理装置の左側面図である。
図2】3番目の熱処理室の拡大左側面図である。
図3】3番目の熱処理室の一部欠裁左側面図である。
図4】扉を開いた状態の平面図である。
図5】扉の開閉を行うためのエアー系統図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の一実施形態のウエブWの熱処理装置1について図1図5を参照して説明する。ウエブWとしては、長尺状のフィルム、金属箔、紙などである。
【0010】
(1)熱処理装置1の構造
図1を参照して、熱処理装置1の全体の構造について説明する。
【0011】
基台2が水平な床に設けられている。この基台2の水平な上面には設置台3が設けられている。設置台3は、その上面の前後方向が水平方向に対し弓形に湾曲し、前部と後部が最も低く、中央部が最も高い、いわゆるアーチ型に形成されている。
【0012】
アーチ型の設置台3の上面には、10台の熱処理室10が順番に前後方向に連結されて設置されている。図1において、ウエブWは、図1の右側(後側)から左側(前側)に搬送される。10台の熱処理室10に関して、最も右側(後側)の熱処理室10の参照番号を10-1、その次の熱処理室10を10-2、・・・、10-10として説明する。また、10台の熱処理室10-1、10-2、・・・10-10をまとめて説明するときは、熱処理室10という。図1に示すように、アーチ型の設置台3の上り方向には熱処理室10-1、10-2、10-3、10-4が設けられ、下り方向には、熱処理室10-6、10-7、10-8、10-9、10-10が設けられ、それぞれの熱処理室10は、水平面に対して傾斜して設けられている。しかし、設置台3の上面は、直線状の傾斜面でなく、アーチ型であるため、それぞれの熱処理室10の傾斜角θ°(但し、0°<θ°<45°である)はそれぞれ異なっている。
【0013】
(2)熱処理室10
次に、10台の熱処理室10の中で例示として、右から3番目の熱処理室10-3について図2図5を参照して説明する。
【0014】
熱処理室10-3は、断熱性を有する直方体であり前後方向に長く、前部は熱処理室10-2と連結され、後部は熱処理室10-4と連結されている。熱処理室10-3は、水平面に対して傾斜角度θ3°(但し、0°<θ3°<45°である)でアーチ型の設置台3に設けられ、熱処理室10-3の前部が、後部より高い位置にある。なお、熱処理室10-3は、アーチ型の設置台3に直接載置されるのでなく、熱処理室10の下面に設けられた4個の脚部38を用いて設置台3の上面に設置されている。
【0015】
熱処理室10-3の左側壁12の前部には、ほぼ正方形の開口部14が設けられ、この開口部14に横開きの扉16が設けられている。熱処理室10の左側壁12の後部には、ほぼ正方形の開口部18が設けられ、この開口部18には横開きの扉20が設けられている。
【0016】
扉16と扉20との間の左側壁12には、長方形の断熱性ガラスからなる窓22と窓26が設けられている。窓22には蓋24が設けられ、窓26には蓋28が設けられている。蓋24と蓋28には、それぞれ上部に一対のヒンジ部30,30が設けられ縦方向に開閉自在となっている。作業員が、蓋24、又は蓋28を上方に持ち上げ、窓22、又は窓26から熱処理室10-3の内部を見ることができる。
【0017】
熱処理室10-2で熱処理されたウエブWは、熱処理室10-2から熱処理室10-3の後部に搬入され、熱処理室10-3の内部の前後方向に延びた搬送路を通って、熱処理室10-3の前部から熱処理室10-4に搬出される。
【0018】
ウエブWの搬送路の上方には、前後方向に延びたダクト32が設けられ、このダクト32の下面には所定間隔毎にノズル34が複数設けられている。ノズル34は、ウエブWの幅方向(左右方向)に延びた直方体であり、ノズル34の下面に熱風の吹き出し口がスリット状に設けられている。搬送路の下方には、搬送ロール36が所定間隔毎に複数設けられ、搬送ロール36の上周面でウエブWを支えてウエブWを前方に搬送する。また、熱処理室10-3の右側壁には不図示の送風機と加熱装置が設けられ、外部から取り込んだ空気を加熱装置で加熱し、送風装置でダクト32に送風して、それぞれのノズル34から熱風としてウエブWの上面に吹き出し、ウエブWを熱処理(乾燥)させる。扉16、又は扉20を開けると、開口部14、又は開口部18からノズル34と搬送ロール36の点検や取り外しを行うことができる。
【0019】
(3)扉20の構造
次に、扉20の構造について図2図4図5を参照して説明する。
【0020】
ほぼ正方形の扉20の後側部の上下には、ヒンジ部40、ヒンジ部42が設けられ、開口部18の後縁部と接続されている。これにより、扉20は、ヒンジ部40、42を中心に開口部18に対し横開きに開閉する。そして開閉方向は、図2において右側、すなわち高さの低い方に開閉するため、扉20に対し常に重力によって開く方向に力が掛かる状態となる。
【0021】
扉20の上方であって、熱処理室10の左側壁12には、前後方向に沿ってエアーシリンダ44が設けられている。このエアーシリンダ44のシリンダ本体46の基部は壁接続金具48を用いて左側壁12に固定されている。この壁接続金具48には回動部が設けられ、図4に示すように、シリンダ本体46の先端部が水平方向に回動自在に設けられている。
【0022】
シリンダ本体46から延びているロッド50の先端部は、扉20の表面上部にあるヒンジ部40の近傍に設けられた扉接続金具52を介して扉20の表面に回動自在に固定されている。この扉接続金具52は、扉20を横開きに開くと、ロッド50を延ばす方向に移動する。
【0023】
熱処理室10の左側壁12において、ヒンジ部40、ヒンジ部42の近傍には、扉20のストッパ54,54が設けられている。このストッパ54は、図4に示すように、扉20が90°開いた状態でそれ以上開かないようにするために固定する。
【0024】
扉20には、不図示の鍵が設けられており、扉20を開ける場合にはこの鍵を外して開ける。
【0025】
次に、エアーシリンダ44のエアー系統図について図5を参照して説明する。エアーシリンダ44のシリンダ本体46内部には、ピストン56が設けられ、このピストン56からロッド50が突出している。シリンダ本体46の内部は、ピストン56によって2つの閉鎖空間に区切られ、ロッド50が存在する側の閉鎖空間を「第1閉鎖空間58」と呼び、ロッド50が存在しない反対側の閉鎖空間を「第2閉鎖空間60」と呼ぶ。
【0026】
第1閉鎖空間58には、スピードコントローラ62からの一方の配管(吸気側)が接続されている。スピードコントローラ62の他方の配管(排気側)は大気に開放されている。シリンダ本体46の第2閉鎖空間60には、排気を行うためにサイレンサ68からの配管が接続されている。
【0027】
図5において、扉20が開く方向に回転するとピストン56が第1閉鎖空間58側に移動する。熱処理室10-3が傾斜角度θ3°で傾斜しているため、重力の作用も加わり、扉20の自重によって急に開くこととなる。このとき、ピストン56の移動と共に第1閉鎖空間58から排気される空気は、スピードコントローラ62を通って大気に排気される。第1閉鎖空間58から排気される単位時間当たりの排気量はスピードコントローラ62によって調整され、この単位時間当たりの排気量が大きいとピストン56が重力の作用によって急に移動し、扉20が早く開くこととなる。そのため重力が作用しても扉20が自重で開かず、かつ、作業員に危険がないように作業員が自分で扉20を所定の引っ張り力で引っ張って開くことができるように、スピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量が調整されている。「所定の引っ張り力」とは、仮に熱処理室10-3を水平に載置したとき(傾斜角度θ°=0°)に作業員が扉20を引っ張って開くときと同じ引っ張り力を意味する。なお、傾斜角度θ3°が大きくなるほど重力の作用が大きくなり、スピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量を少なくする必要があるので、この単位時間当たりの排気量は、扉20の開閉について予め実験を行い、調整しておく。
【0028】
扉20が閉まる方向に回転する場合には、重力に逆らって作業員が閉めるため適切な力で閉めることができる。作業員が扉20を閉めていくと、ピストン56が第2閉鎖空間60側に移動し、第2閉鎖空間60の空気はサイレンサ68を通じて排気される。
【0029】
扉16においても、扉16の後側部にヒンジ部40とヒンジ部42が設けられ、熱処理室10の高さが低い側に扉16が横開きで開く。扉16の下方にある熱処理室10の左側壁12には、扉20と同様にエアーシリンダ44が取り付けられている。このエアーシリンダ44には、スピードコントローラ62、サイレンサ68が接続されている。スピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量は、扉20のスピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量と同じ排気量に設定されている。これにより、扉16はその自重で開かず、かつ、所定の引っ張り力で、扉20と同様に開く。
【0030】
他の熱処理室10-1、10-2、10-4~10-10の扉16,20も同様の構造を有している。そして、10台の熱処理室10の傾斜角度θ°が大きいほど、スピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量を少なくし、どの熱処理室10の扉16,20を開けても、扉16,20がその自重で開かず、かつ、作業員の所定の引っ張り力で開くことができる。
【0031】
(4)扉20の開閉状態
次に、熱処理室10-3の扉20を作業員が手で開閉する場合について説明する。
【0032】
作業員は、熱処理室10-3の扉20を開ける場合には不図示の鍵を開けて、扉20を横開きで開ける。このとき、エアーシリンダ44の第1閉鎖空間58からの空気の単位時間当たりの排気量が傾斜角度θ3°に合わせて少なくないため、ピストン56とロッド50の動きがゆっくりとなり、扉20がその自重で開くことなく、作業員の所定の引っ張り力でストッパ54の位置まで開けることができる。
【0033】
作業員が熱処理室10-3の内部の部品の交換、掃除などの所定の作業を終了して、扉20を閉める場合には、扉20を重力に逆らって閉めるので、ゆっくり閉めることができる。このときにロッド50がシリンダ本体46に収納され、第2閉鎖空間60内の空気がサイレンサ68を通じて外部に排気される。作業員は扉20を完全に閉めると不図示の鍵をかける。
【0034】
(5)効果
本実施形態によれば、アーチ型の設置台3に熱処理室10が傾斜して設置されていても、扉16,20を開けるときにその自重によって扉16,20が急に開くことがなく、作業員の所定の引っ張り力でゆっくり開く。そのため、作業員が安全に作業を行うことができる。
【0035】
特に、10台の熱処理室10は、直線状の傾斜面に設置されているのでなく、アーチ型の設置台3に設置されているため、それぞれの熱処理室10の傾斜角θ°は異なっているが、10台の熱処理室10は、それぞれの傾斜角度θ°に合わせてスピードコントローラ62の単位時間当たりの排気量が調整されているため、傾斜角度θ°が異なるどの熱処理室10の扉16,20を開けても扉16,20の自重で開かず、かつ、所定の引っ張り力で開く。
【0036】
また、扉16,20を閉じる場合でも重力に逆らって閉じるため、急に閉じることがない。
【0037】
(6)変更例
上記実施形態では、熱処理室10の内部において、ウエブWの搬送路の上方に複数のノズル34を設け、搬送路の下方に複数の搬送ロール36を設けたが、これに限らず、熱処理室10の搬送路の上方に、搬送路に沿って上ノズルを所定間隔毎に複数設け、搬送路の下方に下ノズルを所定間隔毎で、かつ、上ノズルと千鳥状に配されるように複数設ける。そして、上ノズルと下ノズルとの間でウエブWを、浮遊状態で走行させて乾燥させてもよい。
【0038】
また、上記実施形態では、スピードコントローラ62の排気側は開放し大気圧になっていたが、これに代えてレギュレータを接続してもよい。
【0039】
また、上記実施形態では、エアーシリンダ44の第1閉鎖空間58の単位時間当たりの排気量を調整するためにスピードコントローラ62を設けたが、これ以外の排気量調整装置を設けてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、アーチ型の設置台3に複数の熱処理室10を設けたが、これに限らず、上り方向のみある設置台や下り方向のみある設置台に熱処理室10を1個、又は複数設けた熱処理装置1であってもよい。
【0041】
上記では本発明の一実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の主旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0042】
1・・・熱処理装置、2・・・基台、3・・・設置台、10・・・熱処理室、12・・・左側壁、18・・・開口部、20・・・扉、32・・・ダクト、34・・・ノズル、36・・・搬送ロール、40・・・ヒンジ部、42・・・ヒンジ部、44・・・エアーシリンダ、46・・・シリンダ本体、50・・・ロッド、56・・・ピストン、58・・・第1閉鎖空間、60・・・第2閉鎖空間、62・・・スピードコントローラ
図1
図2
図3
図4
図5