(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087595
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法、プリント配線板およびインクジェットソルダーレジスト組成物
(51)【国際特許分類】
H05K 3/28 20060101AFI20230616BHJP
B41M 5/00 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H05K3/28 B
B41M5/00 116
B41M5/00 100
B41M5/00 112
B41M5/00 120
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202081
(22)【出願日】2021-12-13
(71)【出願人】
【識別番号】310024066
【氏名又は名称】太陽インキ製造株式会社
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 秀之
(72)【発明者】
【氏名】市川 響
(72)【発明者】
【氏名】山田 辰一
【テーマコード(参考)】
2H186
5E314
【Fターム(参考)】
2H186AA17
2H186BA08
2H186DA08
2H186DA18
2H186FB04
2H186FB21
2H186FB36
2H186FB38
2H186FB44
2H186FB46
5E314AA24
5E314AA42
5E314BB07
5E314CC01
5E314CC20
5E314EE01
5E314GG09
5E314GG26
(57)【要約】
【課題】レイアウトの制約を発生させることなく、ランド近傍での基材のクラックを抑制でき、ナノフィラー含有インキを用いた場合であってもコストの低いプリント配線板の製造方法、プリント配線板およびインクジェットソルダーレジスト組成物の提供。
【解決手段】表面および裏面の少なくともいずれか一方にランド部 を有するプリント配線板の製造方法であって、前記ランド部の周りまたは少なくともランド部の外側を覆うようにナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物 で印刷する工程と、ナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷したすべての箇所または少なくとも一部を覆うように前記インクジェットソルダーレジスト組成物よりもナノフィラーの少ないインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程を少なくとも含むことを特徴とする。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面および裏面の少なくともいずれか一方にランド部 を有するプリント配線板の製造方法であって、
前記ランド部の周りまたは少なくともランド部の外側を覆うようにナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程と、
ナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷したすべての箇所または少なくとも一部を覆うように前記インクジェットソルダーレジスト組成物よりもナノフィラーの少ないインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程を少なくとも含むことを特徴とする、プリント配線板の製造方法。
【請求項2】
請求項1に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする、プリント配線板。
【請求項3】
請求項2に記載のプリント配線板に用いられることを特徴とする、インクジェットソルダーレジスト組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の製造方法、プリント配線板およびインクジェットソルダーレジスト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プリント配線板に形成したランドに対して、はんだを介して電子部品を実装することで電子装置が構成される。プリント配線板としては、例えばガラスクロスの両面を樹脂で構成される基材で封止したプリプレグ等が用いられ、基材内にフィラーが充填されている。フィラーとして様々なものが用いられているが、プリント配線板の線膨張係数や熱伝導性、基材の流動性の調整を目的としてフィラー材料や粒子径が選択されており、例えば粒子径の大きいものと小さいものとが混在させられたものが用いられている。そして、プリント配線板の全域において物性値が均等となるように、基材内へのフィラーの充填量も全域において均等に行われている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
さらに、特許文献1には、表面および裏面の少なくともいずれか一方にランド部 を有するプリント配線板の製造方法であって、
前記ランド部の周りまたは少なくともランド部の外側を覆うようにナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程と、
ナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷したすべての箇所または少なくとも一部を覆うように前記インクジェットソルダーレジスト組成物よりもナノフィラーの少ないインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程
を少なくとも含むことを特徴とする、プリント配線板の印刷製造方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなプリント配線板を用いて電子部品を実装する際には、電子部品を保護するために、電子部品やランドを覆うように封止樹脂によって封止することが行われる。ところが、封止樹脂やプリント配線板さらにはランドの構成材料の線膨張係数差に起因して、ランド近傍に応力が集中する。このため、ランドの近傍の応力が集中した箇所を起点としてプリント配線板の基材にクラックが生じる。このようなクラックが生じると、ランドとプリント配線板内に設けられる内層導体とが短絡するなどの課題が発生する。このような課題を解決するためには、例えばランドと対応する位置に配置される内層導体をランドと同電位とされるダミー導体とすることなどが考えられる。しかしながら、内層導体のレイアウトに制約が発生することになる。
本発明は上記点に鑑みて、レイアウトの制約を発生させることなく、ランド近傍での基材のクラックを抑制でき、ナノフィラー含有インキを用いた場合であってもコストの低いプリント配線板の製造方法、プリント配線板およびインクジェットソルダーレジスト組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の製造方法は、表面および裏面の少なくともいずれか一方にランド部を有するプリント配線板の製造方法であって、ランド部の周りまたは少なくともランド部の外側を覆うようにナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程ナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷したすべての箇所または少なくとも一部を覆うようにインクジェットソルダーレジスト組成物よりもナノフィラーの少ないインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程を少なくとも含む。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、レイアウトの制約を発生させることなく、ランド近傍での基材のクラックを抑制でき、ナノフィラー含有インキを用いた場合であってもコストの低いプリント配線板の製造方法、プリント配線板およびインクジェットソルダーレジスト組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本実施形態に係るプリント配線板の製造方法および電子装置の製造方法について説明する。
【0009】
本発明は、表面および裏面の少なくともいずれか一方にランド部 を有するプリント配線板の製造方法であって、
前記ランド部の周りまたは少なくともランド部の外側を覆うようにナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程と、
ナノフィラーを含むインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷したすべての箇所または少なくとも一部を覆うように前記インクジェットソルダーレジスト組成物よりもナノフィラーの少ないインクジェットソルダーレジスト組成物で印刷する工程を少なくとも含むことを特徴とする、プリント配線板の印刷製造方法。
【0010】
インクジェットソルダーレジスト組成物の好ましい使用方法では、インクジェットプリンターを用いて直接描画をした後、続いて組成物を硬化させてもよい。
【0011】
本発明の第10実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、上述した第5乃至第9実施態様のいずれかにおいて、前記コーティング層形成工程は、前記半田を付ける以外の前記積層体の表面上に第1絶縁膜を形成する第1絶縁膜形成工程、および前記第1絶縁膜の表面上に前記開口を備える第2絶縁膜を形成する第2絶縁膜形成工程を有することである。本発明の第8実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、上述した第5乃至第7実施態様のいずれかにおいて、前記シンボル部形成工程は、前記開口の幅よりも小さい塗布寸法により前記絶縁材料を塗布することである。本発明の第11実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、上述した第6乃至第10実施態様のいずれかにおいて、前記第2インクジェット描画工程では、前記下地部と同一の絶縁材料によって前記堰堤部および前記シンボル部を形成することである。本発明の第10実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、上述した第6乃至第9実施態様のいずれかにおいて、前記第2インクジェット描画工程では、前記第1インクジェット描画工程における解像度よりも高い解像度によってインクジェット描画を行うことである。
【0012】
例えば、ランド部の少なくとも一部を露出させる開口部を有するレジストにより被覆されていてもよい。
【0013】
また、ここでは第1層の表面に第2層が形成されたものを記載したが、図は積層基板にて構成されるプリント配線板のうちのランド側の2層分を図示したものであり、それよりも多い積層数であっても良い。このような構成のプリント配線板では、電子部品が接合されるランド側の基材のフィラーの含有率が高くなっているため、ランドの近傍での線膨張係数は基材を構成する樹脂よりもフィラーの方が支配的となって決まる。従来のプリント配線板製造工程は、ガラス布にエポキシやポリイミド等の樹脂を含浸したものや、セラミックベークライト等の基体の上に、金、銀、銅、アルミニウム等の金属層を設けた基板に、導体回路パターンに相当するエッチングレジストパターンを形成した後、エッチング処理による導体回路パターンを形成する。なお、本実施形態のプリント配線板およびそれを用いた電子装置は、例えば、自動車等の車両に搭載され、車両用の各種電子装置の駆動用など、過酷な市場ストレスを受ける環境のものへの適用に適したものである。また、特開平8‐242077号公報に記載の多層プリント配線板は、ビアホールを充填し、その直上に新たなビアホールを形成することによって隣接しない複数の層に存在する2点を接続することができるというものである。
【0014】
本実施形態の被覆プリント配線板の製造方法は、被覆プリント配線板を製造する方法であって、上記のソルダーレジスト組成物を、プリント配線板上に絶縁層および配線を覆うように配置することで、塗膜を形成する工程と、塗膜を露光する工程と、露光後の塗膜をアルカリ性現像液で現像する工程と、現像後の塗膜を加熱することで緑色の被膜を形成する工程と、を含む。本実施形態の被覆プリント配線板の製造方法は、被覆プリント配線板を製造する方法であって、本実施形態のソルダーレジスト組成物を、プリント配線板上に絶縁層および配線を覆うように配置することで、塗膜を形成する工程、塗膜を露光する工程、露光後の塗膜をアルカリ性現像液で現像する工程、および現像後の塗膜を加熱することで被膜を形成する工程を含む。本発明は、前記のインク用分散液を含有するインクを用いて基板上に導電性下地を設け、該導電性下地の上に電解金属メッキを施すことによって、該基板上に導電性回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法でもある。第十五の態様のプリント配線板の製造方法は、導体配線と、この導体配線に重なる絶縁膜とを備えるプリント配線板の製造方法であって、第一から第十のいずれか一つの態様の絶縁膜形成用の樹脂組成物から前記絶縁膜を作製することを含む。また、ソルダーレジスト膜形成予定領域のうちの非導体部の部分のみにソルダーレジストインクを付着させた後、次の段階で、プリント配線板内の導体部の輪郭部5(導体部と非導体部を含む)にソルダーレジストインクを付着させ、さらに次の段階で、ソルダーレジスト膜形成予定領域のうちの導体部の部分にソルダーレジストインクを付着させるようにしてもよい。
【0015】
本実施形態の被覆プリント配線板の製造方法は、被覆プリント配線板を製造する方法であって、上記のソルダーレジスト組成物を、プリント配線板上に絶縁層および配線を覆うように配置することで、塗膜を形成する工程と、塗膜を露光する工程と、露光後の塗膜をアルカリ性現像液で現像する工程と、現像後の塗膜を加熱することで緑色の被膜を形成する工程と、を含む。本実施形態の被覆プリント配線板の製造方法は、被覆プリント配線板を製造する方法であって、本実施形態のソルダーレジスト組成物を、プリント配線板上に絶縁層および配線を覆うように配置することで、塗膜を形成する工程、塗膜を露光する工程、露光後の塗膜をアルカリ性現像液で現像する工程、および現像後の塗膜を加熱することで被膜を形成する工程を含む。本発明は、前記のインク用分散液を含有するインクを用いて基板上に導電性下地を設け、該導電性下地の上に電解金属メッキを施すことによって、該基板上に導電性回路を形成することを特徴とするプリント配線板の製造方法でもある。第十五の態様のプリント配線板の製造方法は、導体配線と、この導体配線に重なる絶縁膜とを備えるプリント配線板の製造方法であって、第一から第十のいずれか一つの態様の絶縁膜形成用の樹脂組成物から前記絶縁膜を作製することを含む。本発明の第11実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁層の表面に配線パターンが形成された印刷対象物を準備する準備工程と、前記印刷対象物の被印刷面に絶縁材料からなるコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、を有するプリント配線板の製造方法であって、前記コーティング層形成工程は、インクジェットヘッドと共に紫外線照射装置を前記印刷対象物に対して主走査方向において相対的に移動させ、紫外線硬化型インクを前記印刷対象物の被印刷面の一部に塗布しつつ、紫外線を照射して印刷膜を形成する印刷硬化工程と、前記インクジェットヘッドと共に前記紫外線照射装置を前記印刷対象物に対して副走査方向において相対的に移動させ、前記印刷硬化工程を前記被印刷面の残部の少なくとも一部に対して行う繰り返し工程と、を含み、前記印刷膜の表面における接触角、表面張力、および濡れ性を均質とする範囲において、前記インクジェットヘッドのノズル幅と前記紫外線照射装置の紫外線照射幅と略同一とすることである。
【0016】
また、ソルダーレジスト膜形成予定領域のうちの非導体部の部分のみにソルダーレジストインクを付着させた後、次の段階で、プリント配線板内の導体部の輪郭部5(導体部と非導体部を含む)にソルダーレジストインクを付着させ、さらに次の段階で、ソルダーレジスト膜形成予定領域のうちの導体部の部分にソルダーレジストインクを付着させるようにしてもよい。上記のようにこの実施の形態では、開口部を有するレジスト膜を形成したプリント配線板の表面にプラズマを吹き付けることによって、開口部から露出する導体回路の露出部分およびその周辺に残存する汚染物質をプラズマの活性種で分解(灰化)して吹き飛ばして除去することができ、汚染物質の除去処理を行うことができるものである。硬化性樹脂および本発明のフィラーを含むインクジェット用組成物の好ましい使用方法では、組成物はプリント配線板表面に配置され、続いて組成物を硬化させてもよい。方法は、第1の前駆体液体および第2の前駆体液体を混合して、光重合性液体の第1の成分の混合物を含む重合性液体を生成する工程であって、)前記固化性の第2の成分の少なくとも1つの反応物が、前記第1の前駆体液体中に含有され、)前記固化性の第2の成分の少なくとも1つの反応物または触媒が、前記第2の前駆体液体中に含有される、工程と、次いで(前記混合工程の典型的には1日以内に、好ましくは1または2時間以内に)ビルド領域を重合性液体で充填するように進める工程とにより行われてもよい。ここで、基材へのフルカラー印刷をスクリーン印刷により行うようになっている場合、スクリーン印刷ではプリント配線板毎に異なるコードの印刷を行うことはできないため、プリント配線板に各種コードを表示する場合には、別途コードを印刷するための専用の装置が必要となる。
【0017】
本発明において、ナノフィラーとは、平均粒径が200nm未満であるフィラーを指す。ナノフィラーとしては、平均粒径が200nm未満である、シリカ(ナノシリカ)、アルミナ、酸化チタン等が挙げられ、より熱膨張係数を低減させる点からは、シリカ(ナノシリカ)が好ましい。シリカとしては、例えば、球状シリカ、無定形シリカ、溶融シリカ、結晶シリカ、合成シリカ等が挙げられる。
ナノフィラーは、樹脂組成物中における分散性向上および良好な導体層との密着性を得る観点から、球状であることが好ましい。
なお、平均粒径は、体積平均粒径を意味し、粒子の全体積を100%として粒径による累積度数分布曲線を求めたとき、体積50%に相当する点の粒径のことであり、レーザ回折散乱法を用いた粒度分布測定装置等で測定することができる。また、ナノフィラーの平均粒径とは、平均一次粒径を意味するものである。ナノフィラーは、市販品を用いてもよい。例えば、平均粒径が100nm以下のナノフィラーの市販品としては、日本アエロジル株式会社製の「AEROSIL R972」および「AEROSIL R202」(商品名)、扶桑化学工業株式会社製の「PL-1」(商品名、比表面積181m2/g)および「PL-7」(商品名、比表面積36m2/g)、CIKナノテック株式会社製の「AL-A06」(商品名、比表面積55m2/g)、アドマテックス社製の「アドマナノ」シリーズ(平均粒径が10nmで比表面積300m2/gのもの、平均粒径が50nmで比表面積が60m2/gのもの、平均粒径が100nmで比表面積が30m2/gのもの)等が挙げられる。ナノフィラーは、表面処理を施されていないもの、または耐湿性を向上させる観点から、シランカップリング剤等の表面処理剤で表面処理されたものであってもよく、分散性を向上させるために疎水性化処理されていてもよい。シランカップリング剤としては、フェニルシランカップリング剤、アミノシランカップリング剤、ビニルシランカップリング剤、エポキシシランカップリング剤等が挙げられる。
【0018】
現在、一部の民生用プリント配線板およびほとんどの産業用プリント配線板のソルダーレジスト組成物には、高精度、高密度の観点から、紫外線照射後、現像することにより画像形成し、熱および光照射の少なくとも何れか一方で仕上げ硬化(本硬化)する現像型ソルダーレジスト組成物が使用されている。尚、プリント配線板上に塗膜を形成するにあたっては、予め適宜の支持体上にソルダーレジスト組成物を印刷してから乾燥することで乾燥塗膜を形成し、この乾燥塗膜をプリント配線板に重ねてから、乾燥塗膜とプリント配線板に圧力をかけることで、プリント配線板上に乾燥塗膜を設けてもよい(ドライフィルム法)。このような基板表面に、ソルダーレジスト組成物の塗膜を形成する工程において、液状のアルカリ現像型ソルダーレジストを使用する方法と、アルカリ現像型ソルダーレジスト層を有するドライフィルムを使用する方法がある。例えば、ソルダーレジスト組成物の原料のうち、光重合性化合物と、有機溶剤の一部と、結晶性エポキシ化合物とを予め混合して分散させることで第一剤を調製し、ソルダーレジスト組成物の原料のうち残部を混合して分散させることで第二剤を調製してもよい。スクリーン印刷法、オフセット印刷法、インクジェット印刷法等の適宜の印刷手法でソルダーレジスト組成物を塗布することで適宜のパターン状の塗膜を形成してから、この塗膜全体を露光してもよい。
【0019】
本発明の第11実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁層の表面に配線パターンが形成された印刷対象物を準備する準備工程と、前記印刷対象物の被印刷面に絶縁材料からなるコーティング層を形成するコーティング層形成工程と、を有するプリント配線板の製造方法であって、前記コーティング層形成工程は、インクジェットヘッドと共に紫外線照射装置を前記印刷対象物に対して主走査方向において相対的に移動させ、紫外線硬化型インクを前記印刷対象物の被印刷面の一部に塗布しつつ、紫外線を照射して印刷膜を形成する印刷硬化工程と、前記インクジェットヘッドと共に前記紫外線照射装置を前記印刷対象物に対して副走査方向において相対的に移動させ、前記印刷硬化工程を前記被印刷面の残部の少なくとも一部に対して行う繰り返し工程と、を含み、前記印刷膜の表面における接触角、表面張力、および濡れ性を均質とする範囲において、前記インクジェットヘッドのノズル幅と前記紫外線照射装置の紫外線照射幅と略同一とすることである。本発明の第1実施態様に係るプリント配線板の製造方法は、絶縁層の表面上にパターニングされた導体層が積層された構造を備える積層体を準備する準備工程と、前記積層体の表面上であって前記導体層の少なくとも一部を露出して囲む第1印刷領域に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布して第1保護膜を形成する第1保護膜形成工程と、前記第1保護膜の表面および前記第1保護膜の内側領域で露出する前記積層体の少なくとも一部を被覆する第2印刷領域に、インクジェット方式によって絶縁材料を塗布して第2保護膜を形成する第2保護膜形成工程と、を有し、前記第2保護膜形成工程は、前記第1保護膜形成工程における解像度よりも高い解像度によってインクジェット描画を行うことである。
【0020】
誘電体部品の特徴的なサイズは、乾燥プレス(dry pressing)、テープキャスティング、シリンジ堆積、スクリーン印刷、デジタルまたはインクジェット印刷、マイクロスプレー、ホットプレス、冷間焼結(cold sintering)、ゾルゲル堆積、テープキャスティング、および押出堆積(extrusion deposition)を含む特定の生産技術を使用することによって、縮小したサイズのオーダーで、制御することができる。また、当業者であれば、別の特徴に「隣接して」配置される構造または特徴への言及は、隣接する特徴と重なり合う部分、または隣接する特徴の下方に存在する部分を有し得ることも理解することになる。例えば、これらの静的な非平面状の構造的特徴は、斜角を付けた端部、当該ディスプレイを収容するデバイスの長さ方向における湾曲、当該ディスプレイを収容するデバイスの幅方向における湾曲、ならびに湾曲した、屈曲した、または非平面状のディスプレイの構造的特徴の他の変化を有するディスプレイを構成することができる。特に都合のよいことに、本発明による熱可塑性組成物またはエラストマー組成物は、10~60重量%の澱粉質材料のエステルと、40~85重量%の澱粉以外のポリマーと、5~30重量%の可塑化剤と、を含むことを特徴とするものであってもよい。無機充填材は、ポリマー組成物中の無機充填材の良好な分散性を必要とするポリマー組成物並びにそのようなポリマー組成物から調製された対応するファイバ、フィラメント、フィルム、スレッドおよび通気性フィルム製品に対し十分に疎水性である;無機充填材は、水分吸着が例えば、≦0.8mg/gであるような低い吸湿感受性を有する; 無機充填材は、上昇した揮発性物質発生温度を特徴とする;無機充填材は、25℃と350℃の間で放出する揮発性物質の限定された総量を特徴とする;熱暴露下での表面処理時の安全性の要件を低減することができ、同等の処理温度での安全性リスクが低減されるように、同じアルキル置換基を含む脂肪族カルボン酸よりも高い引火点を特徴とする表面処理剤を同定するために;無機充填材の表面上に対応するカルシウム塩を生成するために表面処理剤と接触すると少なくとも1つの無機充填材が少なくとも部分的に塩交換を受けるか否かに関係なく、前記を実現する表面処理剤を同定するために;そのような無機充填材を含むファイバ、フィラメント、フィルム、スレッドおよび通気性フィルムは、引張弾性率、降伏点および破断点引張試験、破断時の伸びおよび引裂抵抗等の良好な機械的特性を示す。
【0021】
以下、本発明のインクジェット用組成物について詳細に説明する。本発明のインクジェットソルダーレジスト組成物は分子内に( メタ) アクリロイル基と熱硬化性官能基を有するモノマー( A )、重量平均分子量7 0 0 以下の前記( A ) 成分以外の光反応性希釈剤( B )、および光重合開始剤( C )を含むことが好ましい。以下、各成分に関して詳細に説明する。
【0022】
まず、分子内に( メタ) アクリロイル基と熱硬化性官能基を有するモノマー( A ) の熱硬化性官能基としては、水酸基、カルボキシル基、イソシアネート基、アミノ基、イミノ基、エポキシ基、オキセタニル基、メルカプト基、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基、オキサゾリン基等のモノマーが挙げられる。
【0023】
熱硬性官能基が水酸基のモノマー( A ) の具体的な例としては、2-ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピル( メタ) アクリレート、4-ヒドロキシブチル( メタ) アクリレート、ペンタエリスリトールトリ( メタ) アクリレート、ジペン
タエリスリトールモノヒドロキシペンタ( メタ) アクリレート、2-ヒドロキシプロピル
( メタ) アクリレート等が挙げられ、市販品としてはライトエステルH O 、ライトエステ
ルH O P 、ライトエステルH O A ( 以上、共栄社化学( 株) 製の商品名) 等がある。
【0024】
熱硬性官能基がカルボキシル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸ダイマー、2-メタクリロイロキシエチルコハク酸、2-メタクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられ、市販品としてはライトエステルH O-M S 、ライトエステルH O-H H( 以上、共栄社化学( 株) 製の商品名) 、アロニックスM-5 4 0 0 ( 東亞合成化学( 株) 製の商品名) 等がある。
【0025】
熱硬性官能基がイソシアネート基のモノマー( A ) の具体的な例としては、2 -メタクリロイオキシエチルイソシアネート( 例えば、昭和電工( 株) 製の商品名、M O I ) 等が挙げられる。
【0026】
熱硬性官能基がアミノ基のモノマー( A ) の具体的な例としては、アクリルアミド、N, N -ジメチルアミノエチルアクリレート、N , N -ジメチルアミノエチルメタクリレート、N , N -ジエチルアミノエチルアクリレート、N 、N -ジエチルアミノエチルメタアクリレート等が挙げられる。
【0027】
熱硬性官能基がエポキシ基のモノマー( A ) の具体的な例としては、グリシジルメタクリレート、( メタ) アクリロイル基含有脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、市販品としてはサイクロマーM 1 0 0 、サイクロマーA 2 0 0 、サイクロマー2 0 0 0 ( 以上、(株)ダイセル 製の商品名) 等がある。
【0028】
熱硬性官能基がオキセタニル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、オキセタン(メタ) アクリレート等が挙げられ、市販品としてはO X E -1 0 、O X E -3 0 (大阪有機化学( 株) 製の商品名) 等がある。
【0029】
熱硬性官能基がメルカプト基のモノマー( A ) の具体的な例としては、エチルチオアクリレート、エチルチオメタクリレート、ビフェニルチオアクリレート、ビフェニルチオメ
タクリレート、ニトロフェニルチオアクリレート、ニトロフェニルチオメタクリレート、
トリフェニルメチルチオアクリレート、トリフェニルメチルチオメタクリレート、1 , 2
-ビス[ ( 2 -メルカプトエチル) チオ] -3 -メルカプトプロパンのトリスアクリレート、2 -プロペン酸の2 -( メルカプトメチル) -メチルエステル、メタクリル酸の2-[ ( 2 -メルカプトエチル) チオ] エチルエステル等が挙げられる。
【0030】
熱硬性官能基がメトキシメチル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、メトキシメチルアクリレート、メトキシメチルメタクリレート、ジメトキシメチルアクリレート、ジメトキシメチルメタクリレート等が挙げられ、市販品としてはニカラックM X-3 0 2 (アクリル変性アルキル化メラミン、三和ケミカル( 株) 製の商品名) 等がある。
【0031】
熱硬性官能基がメトキシエチル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、1 -メトキシエチルアクリレート、1 -メトキシエチルメタクリレート、2 -メトキシエチルアクリレート、2 -メトキシエチルメタクリレート、1 , 1 -メトキシエチルアクリレート、1, 1 -メトキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0032】
熱硬性官能基がエトキシエチル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、1 -エトキシエチルアクリレート、1 -エトキシエチルメタクリレート、2 -エトキシエチルアクリレート、2 -エトキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
【0033】
熱硬性官能基がエトキシメチル基のモノマー( A ) の具体的な例としては、N -エトキシメチルアクリルアミド、N -エトキシメチルメタクリルアミド、エトキシメチルアクリ
レート、エトキシメチルメタクリレート等が挙げられる。
【0034】
熱硬性官能基がオキサゾリン基のモノマー( A ) の具体的な例としては、2 -プロペン酸の2 -メチル-2 -{ [ 3 -( 4 , 5 -ジヒドロ-2 -オキサゾイル) ベンゾイル] アミノ} エチルエステル、2 -プロペン酸の2 -メチル-2 -( 4 , 5 -ジヒドロ-2 -オキサゾイル) エチルエステル、2 -プロペン酸の3 -( 4 , 5 -ジヒドロ-4 , 4 -ジメチル-2 -オキサゾイル) プロピルエステル等が挙げられる。
【0035】
重量平均分子量7 0 0 以下の光反応性希釈剤( B ) は室温で液状であり、その光反応性基としては、代表的には( メタ) アクリロイル基が挙げられる。
【0036】
分子中に1 個の( メタ) アクリロイル基を持ったモノマーの具体例としては、例えば、メチル( メタ) アクリレート、エチル( メタ) アクリレート、ブチル( メタ) アクリレート、イソブチル( メタ) アクリレート、ラウリル( メタ) アクリレート、ステアリル( メタ) アクリレート、2 -ヒドロキシエチル( メタ) アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ) アクリレート、ヒドロキシブチル( メタ) アクリレート、グリシジルメタクリレート等の( メタ) アクリレート類や、アクリロイルモルホリン等を挙げることができる。
【0037】
分子中に2 個以上の( メタ) アクリロイル基を持った多官能モノマーの具体例としては、例えば、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート等のポリエチレングリコールジアクリレート、あるいはポリウレタンジアクリレート類およびそれ等に対応するメタアクリレート類、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールメタントリアクリレート、エチレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エピクロルヒドリン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、エチレンオキシド変性リン酸トリアクリレート、エピクロルヒドリン変性グリセロールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシアクリレート、ビスフェノールフルオレンジメタクリレート、あるいはこれらのシルセスキオキサン変性物等に代表される多官能アクリレート、あるいはこれらに対応するメタアクリレートモノマーが挙げられる。
【0038】
またポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸等のカルボキシル基含有ポリマーにブタンジオールモノアクリレート、ポリエチレングリコールアクリレート等をエステル化、アミド化反応させアクリレート基を導入した多官能( メタ) アクリレート類を用いることもできる。
【0039】
他の光反応性希釈剤( B ) としては、ビニルエーテル類、エチレン誘導体、スチレン、クロロメチルスチレン、α-メチルスチレン、無水マレイン酸、ジシクロペンタジエン、N-ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、キシリレンジオキセタン、オキセタンアルコール、3-エチル-3 -( フェノキシメチル) オキセタン、レゾルシノールジグリシジルエーテル等の不飽和二重結合やオキセタニル基、エポキシ基を有する化合物が挙げられる。
【0040】
本発明で用いる光重合開始剤( C ) としては、光ラジカル重合開始剤や光カチオン重合開始剤を用いることができる。
【0041】
光ラジカル重合開始剤は、光、レーザー、電子線等によりラジカルを発生し、ラジカル重合反応を開始する化合物であれば全て用いることができる。
【0042】
光ラジカル重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾインとベンゾインアルキルエーテル類; アセトフェノン、2 , 2 -ジメトキシ-2 -フェニルアセトフェノン、2 , 2 -ジエトキシ-2-フェニルアセトフェノン、1 , 1-ジクロロアセトフェノン等のアセトフェノン類; 2-メチル-1-[ 4-( メチルチオ) フェニル]-2-モルホリノプロパン-1-オン、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-( 4-モルホリノフェニル)-ブタン-1-オン、N , N-ジメチルアミノアセトフェノン等のアミノアセトフェノン類; 2-メチルアントラキノン、2-エチルアントラキノン、2-t-ブチルアントラキノン、1-クロロアントラキノン等のアントラキノン類; 2 , 4-ジメチルチオキサントン、2 , 4-ジエチルチオキサントン、2-クロロチオキサントン、2 , 4-ジイソプロピルチオキサントン等のチオキサントン類; アセトフェノンジメチルケタール、ベンジルジメチルケタール等のケタール類; 2 , 4 , 5-トリアリールイミダゾール二量体; リボフラビンテトラブチレート; 2-メルカプトベンゾイミダゾール、2-メルカプトベンゾオキサゾール、2-メルカプトベンゾチアゾール等のチオール化合物; 2 , 4, 6-トリス-s-トリアジン、2 , 2 , 2-トリブロモエタノール、トリブロモメチルフェニルスルホン等の有機ハロゲン化合物; ベンゾフェノン、4 , 4 ´-ビスジエチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類またはキサントン類; 2 , 4 , 6 -トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これら公知慣用の光重合開始剤は、単独でまたは2 種類以上の混合物として使用でき、さらにはN , N-ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N , N-ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、ペンチル-4 -ジメチルアミノベンゾエート、トリエチルアミン、トリエタノールアミン等の三級アミン類などの光開始助剤を加えることができる。また可視光領域に吸収のあるチタノセン化合物等も、光反応を促進するために添加することもできる。特にこれらに限られるものではなく、紫外光もしくは可視光領域で光を吸収し、( メタ) アクリロイル基等の不飽和基をラジカル重合させるものであれば、光重合開始剤、光開始助剤に限らず、単独であるいは複数併用して使用できる。
【0043】
本発明で使用する光カチオン重合開始剤は、光、レーザー、電子線等によりカチオン重合反応を開始する化合物であり、公知・慣用の光カチオン重合開始剤が使用できる。
【0044】
光によりカチオン種を発生する光カチオン重合開始剤としては、例えばジアゾニウム塩、ヨードニウム塩、ブロモニウム塩、クロロニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、ピリリウム塩、チアピリリウム塩、ピリジニウム塩等のオニウム塩; トリス( トリハロメチル) -s -トリアジンおよびその誘導体等のハロゲン化化合物; スルホン酸の2-ニトロベンジルエステル; イミノスルホナート; 1-オキソ-2-ジアゾナフトキノン-4-スルホナート誘導体; N -ヒドロキシイミド= スルホナート; トリ( メタンスルホニルオキシ) ベンゼン誘導体; ビススルホニルジアゾメタン類; スルホニルカルボニルアルカン類; スルホニルカルボニルジアゾメタン類; ジスルホン化合物等が挙げられる。
【0045】
市販されているものとしては、サイラキュアU V I -6 9 7 0 、U V I -6 9 7 4 、UV I -6 9 9 0 、U V I -6 9 5 0 ( 以上、U C C 社製の商品名) 、S P-1 5 0 、S P -1 5 2 、SP -1 7 0 ( 以上、旭電化工業( 株) 製の商品名) 、C I -2 7 34 、C I -2 8 5 5 、C I -2 8 2 3 、C I -2 7 5 8 ( 以上、日本曹達( 株) 製の商品名) 、P I -2 0 7 4 ( ローヌプーラン( 株) 製の商品名) 、F F C 5 0 9 ( 3 M ( 株)製の商品名) 、ロードシル フォトイニシエーター2 0 7 4 ( ローディア( 株) 製の商品名) 、B B I -1 0 2 、B B I -1 0 1 ( ミドリ化学( 株) 製の商品名) 、C D -1 0 12 ( サートマー( 株) 製の商品名) 等が挙げられる。
【0046】
本発明のインクジェットソルダーレジスト組成物は、前記成分( A ) ~ ( C ) に加えて、前記( A )成分および( B ) 成分以外の化合物、例えば、ジエチレングルコールジビニルエーテルなどのビニル基含有化合物、トリアリルイソシアネートなどのアリル基含有化合物、ビスフェノールA やビスフェノールA の水添物、フェノールノボラック樹脂などの水酸基含有化合物、キシリレンジイソシアネートなどのイソシアネート基含有化合物、メラミンなどのアミノ基含有化合物、メタンジチオールなどのメルカプト基含有化合物、1 , 3 -フェニレンビスオキサゾリンなどのオキサゾリン基含有化合物、マロン酸やコハク酸、シック酸などのカルボキシル基含有化合物、フェノールノボラック型オキセタンなどのオキセタニル基含有化合物、無水トリメリット酸や無水ピロメリット酸、無水ハイミック酸などの酸無水物基含有化合物、脂環式エポキシ樹脂やグルシジルエーテル型エポキシ樹脂などのエポキシ基含有化合物、メトキシメチル基含有化合物、イミノ基含有化合物、エトキシメチル基含有化合物をさらに熱硬化成分として配合することができる。かかる熱硬化成分を含有するインクジェットソルダーレジスト組成物は、該化合物が架橋剤としての役割を果たし、硬化膜の架橋密度が上がることにより、耐熱性、硬度、はんだ耐熱性、耐薬品性、電気絶縁性、無電解めっき耐性等の諸特性をさらに向上させることができる。
【0047】
本発明のインクジェットソルダーレジスト組成物は、必要に応じて、硬化触媒を配合することができる。この硬化触媒としては、例えば、イミダゾール誘導体類、グアナミン類、ポリアミン類並びにこれらの有機酸塩およびエポキシアダクトの少なくともいずれか1種、トリアジン誘導体類、三級アミン類、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩類、4 級アンモニウム塩類、多塩基酸無水物などの公知慣用の硬化剤類あるいは硬化促進剤類が挙げられる。これらの硬化剤類あるいは硬化促進剤類は、単独でまたは2 種以上を組み合わせて用いることができる。
【0048】
本発明のインクジェットソルダーレジスト組成物は、前記したように重量平均分子量が7 0 0 以下の光反応性希釈剤( B ) を用いているため、基本的に希釈溶剤の添加は不要であるが、粘度の調整を目的として希釈溶剤を添加することもできる。希釈溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類; トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼン等の芳香族炭化水素類; セロソルブ、メチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル等のグリコールエーテル類; 酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類; エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルコール類; オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素類; 石油エーテル、石油ナフサ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサ等の石油系溶剤類などが挙げられる。
【0049】
さらに本発明のインクジェットソルダーレジスト組成物は、必要に応じて、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの公知慣用の着色剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t e r t -ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等の公知慣用の重合禁止剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系等の消泡剤およびレベリング剤の少なくともいずれか1種、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等の密着性付与剤のような公知慣用の添加剤類を配合することができる。
【実施例0050】
以下、実施例を示して本発明について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0051】
実施例1、2および比較例1、2
以下の配合割合で混合し、ディスパーマットC A -4 0 CおよびM i l l i n g S y s t e m ( G e t m a n n 社製) で2 0 分間分散させ、1 . 0μ m のフィルターにて濾過を行ない、インクジェットソルダーレジスト組成物を得た。
インキA:インキ中にナノフィラー20wt%
インキB:インキ中にナノフィラー10wt%
インキC:インキ中にナノフィラー0wt%
【0052】
【0053】
表1に示すクラックおよび基板コストの評価は以下のように行った。
<クラック>
クラックはリフロー後に基板のランドを光学顕微鏡で100個観察して有無をカウント
〇:3%未満 ×:3%以上
<基板コスト>
基板コストはランドが100個ある基板に印刷を行ったとき、インキCのインキコストを1とするとAは1.5、Bは1.2としてそれぞれを組み合わせて印刷したときの使用量から調べた。
〇:コストアップ50%未満、×:コストアップ50%以上