(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087621
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】積層型キャパシタ
(51)【国際特許分類】
H01G 4/30 20060101AFI20230616BHJP
H01G 2/06 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
H01G4/30 511
H01G4/30 201H
H01G2/06 500
H01G4/30 512
H01G4/30 513
【審査請求】未請求
【請求項の数】16
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022065392
(22)【出願日】2022-04-11
(31)【優先権主張番号】10-2021-0177453
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(71)【出願人】
【識別番号】594023722
【氏名又は名称】サムソン エレクトロ-メカニックス カンパニーリミテッド.
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ビュン、マン ス
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、デ ヘオン
(72)【発明者】
【氏名】ソン、スー ホワン
(72)【発明者】
【氏名】シム、ウォン チュル
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AD04
5E001AF06
5E082AA01
5E082AB03
5E082EE01
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】 (修正有)
【課題】アコースティックノイズを低減させる積層型キャパシタを提供する。
【解決手段】第1内部電極と第2内部電極とが誘電体層を間に挟んで第1方向に積層された積層構造を含む本体と、第1内部電極及び第2内部電極に夫々連結される第1外部電極131及び第2外部電極132と、本体の一面と第1、第2外部電極の一面とを共にカバーする騒音低減絶縁層140とを含む。第1、第2外部電極の一面で互いに相対する方向において、第1、第2外部電極のそれぞれの長さの和を2で除した値はBW1であり、BW1の方向と平行な方向において、騒音低減絶縁層の長さはLであり、本体の一面に垂直な方向において、騒音低減絶縁層における本体をカバーする部分の厚さはT1であり、T1の方向と平行な方向において、第1、第2外部電極の一面における厚さはT2であり、[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.9448超過1未満である。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、
前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して前記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記本体の一面と前記第1外部電極及び前記第2外部電極の一面とを共にカバーする騒音低減絶縁層と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極の一面で互いに相対する方向において、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれの長さの和を2で除した値はBW1であり、
前記BW1の方向と平行な方向において、前記騒音低減絶縁層の長さはLであり、
前記本体の一面に垂直な方向において、前記騒音低減絶縁層における前記本体をカバーする部分の厚さはT1であり、
前記T1の方向と平行な方向において、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれの一面における厚さの和を2で除した値はT2であり、
[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.9448超過1未満である、積層型キャパシタ。
【請求項2】
互いに離隔して前記第1外部電極及び前記第2外部電極に配置された第1端子及び第2端子をさらに含み、
前記騒音低減絶縁層の第1部分は、前記第1外部電極と前記第1端子との間に配置され、前記騒音低減絶縁層の第2部分は、前記第2外部電極と前記第2端子との間に配置される、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項3】
前記本体において、前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極が前記第1外部電極及び前記第2外部電極に連結される面は、前記本体において前記騒音低減絶縁層によってカバーされる一面と平行でない、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項4】
前記騒音低減絶縁層は、前記少なくとも一つの誘電体層のヤング率(Young's modulus)よりも低いヤング率を有する、請求項1に記載の積層型キャパシタ。
【請求項5】
前記騒音低減絶縁層はエポキシ(epoxy)樹脂を含む、請求項4に記載の積層型キャパシタ。
【請求項6】
前記本体の一面に垂直な方向において、前記騒音低減絶縁層の一部分は前記本体に重ならない、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項7】
[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.9502以上である、請求項1から5のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項8】
Lは1.965mm未満であり、
[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.964以上である、請求項7に記載の積層型キャパシタ。
【請求項9】
Lは1.188mm超過であり、
[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.975以上である、請求項8に記載の積層型キャパシタ。
【請求項10】
少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、
前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して前記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、
前記本体の一面と前記第1外部電極及び前記第2外部電極の一面とを共にカバーする騒音低減絶縁層と、を含み、
前記第1外部電極及び前記第2外部電極の一面で互いに相対する方向と平行な方向において、前記騒音低減絶縁層の長さであるLは1.965mm未満であり、
前記本体の一面に垂直な方向において、前記騒音低減絶縁層における前記本体をカバーする部分の厚さはT1であり、
前記T1の方向と平行な方向において、前記第1外部電極及び前記第2外部電極のそれぞれの一面における厚さの和を2で除した値はT2であり、
(T2/T1)は0超過(23/101)未満である、積層型キャパシタ。
【請求項11】
(T2/T1)は(26/150)以下である、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項12】
Lは1.682mm未満であり、
(T2/T1)は(15/103)以下である、請求項11に記載の積層型キャパシタ。
【請求項13】
T1は200μm未満である、請求項10に記載の積層型キャパシタ。
【請求項14】
互いに離隔して前記第1外部電極及び前記第2外部電極に配置された第1端子及び第2端子をさらに含み、
前記騒音低減絶縁層の第1部分は、前記第1外部電極と前記第1端子との間に配置され、前記騒音低減絶縁層の第2部分は、前記第2外部電極と前記第2端子との間に配置される、請求項10から13のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項15】
前記本体において、前記少なくとも一つの第1内部電極及び前記少なくとも一つの第2内部電極が前記第1外部電極及び前記第2外部電極に連結される面は、前記本体において前記騒音低減絶縁層によってカバーされる一面と平行でない、請求項10から13のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【請求項16】
前記騒音低減絶縁層はエポキシ(epoxy)樹脂を含む、請求項10から13のいずれか一項に記載の積層型キャパシタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層型キャパシタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
積層型キャパシタは、小型でありながらも高容量が保障され、実装が容易であるという利点により、コンピュータ、PDA、携帯電話などの電子機器の部品として広く使用されており、高信頼性、高強度特性を有し、電気機器(車両を含む)の部品としても広く使用されている。
【0003】
積層型キャパシタに使用できる高誘電率の誘電体材料は、圧電性も有することができるため、積層型キャパシタは電圧の印加によって微細に振動する可能性がある。積層型キャパシタの微細な振動は、積層型キャパシタに連結可能な基板に伝達され、基板は伝達された振動によって騒音を誘発するおそれがある。上記騒音はアコースティックノイズ(acoustic noise)と定義することができる。
【0004】
アコースティックノイズは、基板を含む電子機器/電気機器の使用者の聴覚を刺激することができるため、使用者は、上記騒音により電子機器/電気機器が故障していると認識する可能性がある。また、アコースティックノイズは、電子機器/電気機器が聴覚的入力/出力を提供する場合に、上記聴覚的入力/出力の性能を低下させる可能性があり、電子機器/電気機器のセンサにノイズとして作用してセンサの感度を低下させる可能性がある。したがって、アコースティックノイズは、積層型キャパシタの様々な性能の一つとして要求されることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】韓国公開特許公報第10-2015-0080797号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、アコースティックノイズ及び/又は不良率(例:ピンホール発生率)を低減することができる積層型キャパシタを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、上記少なくとも一つの第1内部電極及び少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して上記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、上記本体の一面と上記第1外部電極及び上記第2外部電極の一面とを共にカバーする騒音低減絶縁層と、を含み、上記第1外部電極及び上記第2外部電極の一面で互いに相対する方向において、上記第1外部電極及び上記第2外部電極のそれぞれの長さの和を2で除した値はBW1であり、上記BW1の方向と平行な方向において、上記騒音低減絶縁層の長さはLであり、上記本体の一面に垂直な方向において、上記騒音低減絶縁層における上記本体をカバーする部分の厚さはT1であり、上記T1の方向と平行な方向において、上記第1外部電極及び上記第2外部電極のそれぞれの一面における厚さの和を2で除した値はT2であり、[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]は0.9448超過1未満であることができる。
【0008】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、少なくとも一つの第1内部電極と少なくとも一つの第2内部電極とが少なくとも一つの誘電体層を間に挟んで第1方向に交互に積層された積層構造を含む本体と、上記少なくとも一つの第1内部電極及び少なくとも一つの第2内部電極にそれぞれ連結されるように互いに離隔して上記本体に配置された第1外部電極及び第2外部電極と、上記本体の一面と上記第1外部電極及び上記第2外部電極の一面とを共にカバーする騒音低減絶縁層と、を含み、上記第1外部電極及び上記第2外部電極の一面で互いに相対する方向と平行な方向において、上記騒音低減絶縁層の長さであるLは1.965mm未満であり、上記本体の一面に垂直な方向において、上記騒音低減絶縁層における上記本体をカバーする部分の厚さはT1であり、上記T1の方向と平行な方向において、上記第1外部電極及び上記第2外部電極のそれぞれの一面における厚さの和を2で除した値はT2であり、(T2/T1)は0超過(23/101)未満であることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、アコースティックノイズ及び/又は不良率(例:ピンホール発生率)を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分を示す斜視図である。
【
図4】
図1の積層型キャパシタの一部分と残りの部分とを分けて示す斜視図である。
【
図5】本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す断面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの寸法を示す側面図である。
【
図7a】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層の良好(OK)及び不良(NG)を例示した写真である。
【
図7b】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層の良好(OK)を例示した写真である。
【
図7c】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層の不良(NG)を例示した写真である。
【
図7d】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層の不良(NG)を例示した写真である。
【
図8a】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層が騒音低減領域を拡張することを示す図である。
【
図8b】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの低減された騒音を示すグラフである。
【
図8c】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの低減された騒音を示すグラフである。
【
図8d】本発明の一実施形態による積層型キャパシタの低減された騒音を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態は、様々な他の形態に変形することができ、本発明の範囲は以下で説明する実施形態に限定されるものではない。また、本発明の実施形態は、当該技術分野において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。したがって、図面における要素の形状及び大きさなどは、より明確な説明のために誇張することができ、図面上の同一の符号で示される要素は同一の要素である。
【0012】
そして、図面において本発明を明確に説明するために説明と関係のない部分は省略し、複数の層及び領域を明確に表現するために厚さを拡大して示し、同一思想の範囲内の機能が同一である構成要素に対しては同一の参照符号を用いて説明する。明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」というとき、これは特に反対される記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに含むことができることを意味する。
【0013】
本発明の実施形態を明確に説明するために六面体の方向を定義すると、図面上に表されるX、Y及びZはそれぞれ長さ方向、幅方向及び厚さ方向を示す。ここで、厚さ方向は、誘電体層が積層される積層方向(又は第1方向)と同じ概念として使用されることができる。
【0014】
以下では、本発明の一実施形態による積層型キャパシタについて説明し、特に積層セラミックキャパシタ(Multi-layer ceramic capacitor、MLCC)として説明するが、これに限定されるものではない。
【0015】
図1は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分を示す斜視図であり、
図2は、
図1のA‐A'線に沿った断面図であり、
図3は、
図1のB‐B'線に沿った断面図である。
【0016】
図1、
図2及び
図3を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの一部分100preは、本体110、第1外部電極131及び第2外部電極132を含むことができる。
【0017】
本体110は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とが少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:Z方向)に交互に積層された積層構造を含むことができる。
【0018】
例えば、本体110は、積層構造の焼成によってセラミック本体で構成されることができる。ここで、本体110に配置された少なくとも一つの誘電体層111は焼結された状態であって、隣接する誘電体層の間の境界は走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を利用せずには確認しにくいほど一体化することができる。
【0019】
例えば、本体110は、長さ方向Xの両側面、幅方向Yの両側面及び厚さ方向Zの両側面を有する六面体で形成されることができ、上記六面体の角及び/又はコーナーは研磨されることにより丸い形態であることができる。ただし、本体110の形状、寸法及び誘電体層111の積層数が本実施形態に示されたものに限定されるものではない。
【0020】
少なくとも一つの誘電体層111は、その厚さを積層型キャパシタの一部分100preの容量設計に合わせて任意に変更することができ、高誘電率を有するセラミック粉末、例えば、チタン酸バリウム(BaTiO3)系粉末を含むことができるが、本発明はこれに限定されるものではない。また、積層型キャパシタの一部分100preの要求規格に応じて、セラミック粉末に各種のセラミック添加剤(例:MgO、Al2O3、SiO2、ZnO)、有機溶剤、可塑剤、結合剤、分散剤などを添加することができる。
【0021】
少なくとも一つの誘電体層111の形成に使用されるセラミック粉末の平均粒径は特に限定されず、積層型キャパシタの一部分100preの要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/又は高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される等)に応じて調節することができるが、例えば、400nm以下に調節することができる。
【0022】
例えば、少なくとも一つの誘電体層111は、チタン酸バリウム(BaTiO3)などのパウダーを含んで形成されたスラリーをキャリアフィルム(carrier film)上に塗布及び乾燥して複数個のセラミックシートを設けることによって形成されることができる。上記セラミックシートは、セラミック粉末、バインダー、溶剤を混合してスラリーを製造し、上記スラリーをドクターブレード法により数μmの厚さを有するシート(sheet)状に作製することによって形成されることができるが、これに限定されない。
【0023】
少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122は、導電性金属を含む導電性ペーストを印刷して誘電体層の積層方向(例:Z方向)に沿って本体110の長さ方向Xの一側面と他側面に交互に露出するように形成されることができ、中間に配置された誘電体層によって互いに電気的に絶縁されることができる。
【0024】
例えば、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれは、粒子の平均サイズが0.1~0.2μmであり、40~50重量%の導電性金属粉末を含む内部電極用導電性ペーストにより形成されることができるが、これに限定されない。上記導電性ペーストは、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、鉛(Pb)又は白金(Pt)等の単独又はこれらの合金であってよいが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0025】
例えば、上記セラミックシート上に上記内部電極用導電性ペーストを印刷工法などにより塗布して内部電極パターンを形成することができる。上記導電性ペーストの印刷方法としては、スクリーン印刷法、グラビア印刷法、インクジェット印刷法等を使用することができるが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、上記内部電極パターンが印刷されたセラミックシートを200~300層積層し、圧着、焼成することにより、本体110を作製することができる。
【0026】
積層型キャパシタの一部分100preの静電容量は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の積層方向(例:Z方向)の重なり面積に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の総積層数に比例し、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔に反比例することができる。上記間隔は、少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれの厚さと実質的に同一であってよい。
【0027】
積層型キャパシタの一部分100preは、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔が短いほど、厚さに対してより大きな静電容量を有することができる。これに対し、積層型キャパシタの一部分100preの耐電圧は、上記間隔が長いほど高くなることができる。したがって、上記間隔は積層型キャパシタの一部分100preの要求規格(例:電子機器用キャパシタのように小型化及び/又は高容量が要求されるか、電気機器用キャパシタのように高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される等)に応じて調節することができる。少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さも上記間隔の影響を受けることができる。
【0028】
例えば、積層型キャパシタの一部分100preは、高い耐電圧特性及び/又は強い強度が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122間の間隔がそれぞれの厚さの2倍を超えるように設計されることができる。例えば、積層型キャパシタの一部分100preは、小型化及び/又は高容量が要求される場合に、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122のそれぞれの厚さが0.4μm以下であり、総積層数が400層以上となるように設計されることができる。
【0029】
第1外部電極131及び第2外部電極132は、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122にそれぞれ連結されるように互いに離隔して本体110に配置されることができる。
【0030】
例えば、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれは、金属成分が含まれたペーストにディッピング(dipping)方法、導電性ペーストを印刷する方法、シート(Sheet)転写、パッド(Pad)転写方法、スパッタめっき、又は電解めっきなどにより形成されることができる。例えば、第1外部電極131及び第2外部電極132は、上記ペーストが焼成されることで形成された焼成層と、上記焼成層の外面に形成されためっき層とを含むことができ、上記焼成層と上記めっき層との間に導電性樹脂層をさらに含むことができる。例えば、上記導電性樹脂層は、エポキシのような熱硬化性樹脂に導電性粒子が含有されることによって形成されることができる。上記金属成分は、銅(Cu)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、金(Au)、銀(Ag)、鉛(Pb)、錫(Sn)等の単独又はこれらの合金であってよいが、これらに限定されない。
【0031】
積層型キャパシタの一部分100preは、外部基板(例:プリント回路基板)に実装又は内蔵されることができ、第1外部電極131及び第2外部電極132を介して上記外部基板の配線、ランド、半田及びバンプのうち少なくとも一つに連結されることにより、上記外部基板に電気的に連結された回路(例:集積回路、プロセッサ)に電気的に連結されることができる。
【0032】
図1、
図2及び
図3を参照すると、本体110は上部カバー層112、下部カバー層113及びコア領域115を含むことができ、コア領域115はマージン領域114及び容量領域116を含むことができる。
【0033】
上部カバー層112及び下部カバー層113は、第1方向(例:Z方向)にコア領域115を間に挟むように配置され、それぞれ少なくとも一つの誘電体層111のそれぞれよりも厚くてよい。上部カバー層112及び下部カバー層113は、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)がコア領域115に浸透することを防止することができ、本体110を外部衝撃から保護することができ、本体110の曲げ強度も向上させることができる。
【0034】
例えば、上部カバー層112及び下部カバー層113は、少なくとも一つの誘電体層111と同じ材料又は他の材料(例:エポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂)を含むことができる。
【0035】
容量領域116は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との間を含むことができるため、積層型キャパシタの一部分100preの静電容量を形成することができる。容量領域116は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122とが少なくとも一つの誘電体層111を間に挟んで第1方向(例:Z方向)に交互に積層された積層構造を含むことができ、上記積層構造と同じサイズを有することができる。
【0036】
マージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122の境界線Mと本体110の表面との間を含むことができる。複数のマージン領域114は、第1方向(例:Z方向)に垂直な第2方向(例:Y方向)に容量領域116を間に挟むように配置されてよい。例えば、複数のマージン領域114は、少なくとも一つの誘電体層111と類似の方式(積層方向が異なる)で形成されてよい。
【0037】
複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122が、本体110において第2方向(例:Y方向)の表面に露出することを防止することができるため、外部環境要素(例:水分、めっき液、異物)が上記第2方向の表面を介して少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122に浸透することを防止することができ、積層型キャパシタの一部分100preの信頼性及び寿命を向上させることができる。また、少なくとも一つの第1内部電極121及び少なくとも一つの第2内部電極122は、複数のマージン領域114により第2方向に効率的に拡張して形成されることができるため、複数のマージン領域114は、少なくとも一つの第1内部電極121と少なくとも一つの第2内部電極122との重なり面積を広げて積層型キャパシタの一部分100preの静電容量の向上にも寄与することができる。
【0038】
図4は、
図1の積層型キャパシタの一部分と残りの部分とを分けて示す斜視図であり、
図5は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタを示す断面図である。
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、本体110、第1外部電極131及び第2外部電極132、並びに騒音低減絶縁層140を含むことができる。
【0039】
本体110は、第1面1、第2面2、第3面3、第4面4、第5面5及び第6面6を含む六面体の形態であってよいが、これに限定されない。ここで、第1面1は、積層型キャパシタ100がこれに連結される基板210を相対する面として定義することができる。第3面3及び第4面4は、本体110において少なくとも一つの第1内部電極及び少なくとも一つの第2内部電極が第1外部電極131及び第2外部電極131、132に連結される面であってよく、第1面1に平行でなくてよい。第1面1は、騒音低減絶縁層140の上面及び/又は下面と平行であってよい。
【0040】
積層型キャパシタ100は、基板210の第1パッド221及び第2パッド222上に第1外部電極131及び第2外部電極132に配置されるように載置されることができ、半田230はリフロー(reflow)工程によって第1外部電極131及び第2外部電極132と第1パッド221及び第2パッド222との間を連結するように配置され、これらを固着させることができる。半田230は、第1外部電極131及び第2外部電極132に含有され得る銅(Cu)より低い溶融点を有することができ、錫(Sn)又は錫系合金を含むことができる。
【0041】
騒音低減絶縁層140は、本体110の一面(例:第1面1)と第1外部電極131及び第2外部電極132の一面(例:下面)とを共にカバーすることができる。例えば、騒音低減絶縁層140は、カバー部140aと突出部140bとを含むことができ、カバー部140aと突出部140bは互いに一体化することができる。突出部140bは、第1外部電極131及び第2外部電極132の間に配置されることができる。
【0042】
本体110の誘電体層とは異なり、騒音低減絶縁層140は静電容量に実質的に寄与しない可能性があるため、高い誘電率を有する必要はない。すなわち、騒音低減絶縁層140は、本体110の誘電体層に比べて圧電性の低い又は圧電性のない絶縁材料を含有するのに有利である可能性があり、アコースティックノイズを低減するのに有利である可能性がある。
【0043】
また、騒音低減絶縁層140は、本体110の下面だけでなく、第1外部電極131及び第2外部電極132の下面までもカバーできるため、騒音低減絶縁層140の上面及び/又は下面の面積は広くなることができる。これにより、騒音低減絶縁層140は単位厚さに対して大きな体積を有することができ、騒音低減絶縁層140の騒音低減性能は体積に比例することができるため、騒音低減絶縁層140はアコースティックノイズをより効率的に低減することができる。
【0044】
また、騒音低減絶縁層140において、第1外部電極131及び第2外部電極132にZ方向に重なる部分は、第1外部電極131及び第2外部電極132と第1パッド221及び第2パッド222との間の音波インピーダンスにさらに大きい影響を与えることができるため、本体110の振動が上記他の構造に伝達される効率を下げることができ、アコースティックノイズを低減することができる。
【0045】
例えば、騒音低減絶縁層140は、本体110の誘電体層のヤング率(Young's modulus)よりも低いヤング率を有することができる。これにより、本体110の振動による応力の一部は騒音低減絶縁層140で吸収されることができるため、アコースティックノイズは減少することができる。また、騒音低減絶縁層140の低いヤング率による応力の吸収は、本体110の応力によるクラック(crack)防止にも寄与することができるため、本体110の強度も向上させることができる。
【0046】
例えば、騒音低減絶縁層140はエポキシ(epoxy)樹脂を含むことができる。エポキシ樹脂のヤング率は3.8GPaであってよく、チタン酸バリウム(BaTiO3)系誘電体層のヤング率は135GPaであってよい。
【0047】
図4及び
図5を参照すると、本発明の一実施形態による積層型キャパシタ100は、互いに離隔して第1外部電極131及び第2外部電極132に配置された第1端子151及び第2端子152をさらに含むことができる。
【0048】
騒音低減絶縁層140の第1部分は第1外部電極131と第1端子151との間に配置され、騒音低減絶縁層140の第2部分は第2外部電極132と第2端子152との間に配置されることができる。第1端子151及び第2端子152は、積層型キャパシタ100と第1パッド221及び第2パッド222との間の電気的連結経路を安定的に提供することができ、騒音低減絶縁層140の端部において第1外部電極131及び第2外部電極132から離脱する余地を未然に防止することができる。
【0049】
本体110の一面(例:第1面1)に垂直な方向(例:Z方向)において、騒音低減絶縁層140の一部分(例:端部)は本体110と重ならなくてよい。これにより、騒音低減絶縁層140の側面と第1外部電極131及び第2外部電極132の側面間の段差は未然に防止されることができる。
【0050】
図6は、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの寸法を示す側面図である。
図6を参照すると、第1外部電極131及び第2外部電極132の一面で互いに相対する方向(例:X方向)において、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれの長さの和を2で除した値はBW1であることができる。第1端子151及び第2端子152の一面で互いに相対する方向(例:X方向)において、第1端子151及び第2端子152のそれぞれの長さの和を2で除した値はBW2であることができる。BW1の方向と平行な方向(例:X方向)において、騒音低減絶縁層140の長さはLであることができる。
【0051】
Lを測定する基準となるXY平面は、第1外部電極131及び第2外部電極132の一面と第1端子151及び第2端子152の一面との間の中心地点を含むことができ、BW1を測定する基準となるXY平面は、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれの中心地点を含むことができ、BW2を測定する基準となるXY平面は、第1端子151及び第2端子152のそれぞれの中心地点を含むことができる。L、BW1、BW2のそれぞれは、当該XY平面が露出するように測定用積層型キャパシタを切断又は研磨することによって測定することができ、当該XY平面内で当該寸法(例:L、BW1、BW2)が適用できる部分の平均寸法として測定することができる。
【0052】
図6を参照すると、本体110の一面に垂直な方向(例:Z方向)において、騒音低減絶縁層140における本体110をカバーする部分の厚さはT1であってよい。T1の方向と平行な方向(例:Z方向)において、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれの一面における厚さの和を2で除した値はT2であってよい。T1の方向と平行な方向(例:Z方向)において、騒音低減絶縁層140における第1外部電極131及び第2外部電極132と第1端子151及び第2端子152との間に位置する部分の厚さはT3であってよい。T1の方向と平行な方向(例:Z方向)において、第1端子151及び第2端子152の一面における厚さはT4であってよい。T1の方向と平行な方向(例:Z方向)において、本体110の中心の厚さはT0であってよい。
【0053】
T1を測定する基準となるYZ平面は本体110の中心地点を含むことができ、T2及びT3を測定する基準となるYZ平面は第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれの中心地点を含むことができ、T4を測定する基準となるYZ平面は、第1端子151及び第2端子152のそれぞれの中心地点を含むことができる。
【0054】
Lを測定する基準となるXY平面は、第1外部電極131及び第2外部電極132の一面と第1端子151及び第2端子152の一面との間の中心地点を含むことができ、BW1を測定する基準となるYZ平面は、第1外部電極131及び第2外部電極132のそれぞれの中心地点を含むことができ、BW2を測定する基準となるYZ平面は、第1端子151及び第2端子152のそれぞれの中心地点を含むことができる。T0、T1、T2、T3、T4のそれぞれは、当該YZ平面が露出するように測定用積層型キャパシタを切断又は研磨することにより測定することができ、当該YZ平面において当該寸法(例:T0、T1、T2、T3、T4)が適用できる部分の平均寸法として測定することができる。
【0055】
【0056】
上記表1は、X方向の長さとY方向の幅がそれぞれ1.0mmと0.5mmである積層型キャパシタの10個のサンプルに対する測定結果を示し、下記表2は、X方向の長さとY方向の幅がそれぞれ1.6mmと0.8mmである積層型キャパシタの8個のサンプルに対する測定結果を示し、下記表3は、X方向の長さとY方向の幅がそれぞれ2.0mmと1.2mmである積層型キャパシタの6個のサンプルに対する測定結果を示す。
【0057】
表1、2、3において、L、T1、BW1、T2の単位はmmであり、A.N.AVGはアコースティックノイズを示し、A.N.AVGの単位はdBであってよく、ピンホール検査のOKとはピンホール(pinhole)がないことを示し、ピンホール検査のNGとはピンホールがあることを示す。ピンホールのない積層型キャパシタは、ピンホールのある積層型キャパシタに比べて不良と判断される可能性が低い可能性がある。表1、2、3の騒音低減絶縁層はエポキシ樹脂を含むことができる。
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
上記表4は、表1、2、3の総24個のサンプルに5個ずつ対応する120個の測定サンプル(SPL)のアコースティックノイズと5個のアコースティックノイズの平均(A.N.AVG)を示す。表1、2、3を参照すると、[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]が高くなるほど、アコースティックノイズの平均(A.N.AVG)は低くなることができる。
【0062】
[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]が1である場合、第1外部電極131及び第2外部電極132は本体110の下面(第1面)に配置されないため、第1外部電極131及び第2外部電極132の本体110に対する配置安定性(例:外部電極の剥離防止、本体コーナーの露出による水分浸透経路の形成防止)は確保されない可能性がある。例えば、[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]が0.9998以下の場合、第1外部電極131及び第2外部電極132は本体110の下面(第1面)に配置されることができる。
【0063】
表1、2、3の24個のサンプルのうち、ピンホールのあるサンプル(ピンホール検査NG)の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]の最高値は0.9448であることができる。ピンホールは、第1外部電極131及び第2外部電極132の一部分(本体と騒音低減絶縁層との間)が過度に大きくなることによる騒音低減絶縁層140の段差及び/又は空気トラップ(air trap)により発生する可能性がある。
【0064】
したがって、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、0.9448を超え1未満の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/L×T1)]を有することにより、アコースティックノイズ低減性能だけでなく、ピンホールが発生しないことによる不良防止性能も確保することができ、外部電極の配置安定性も確保することができる。
【0065】
表1、2、3の24個のサンプルのうち、ピンホールのないサンプル(ピンホール検査OK)の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]の最低値は0.9502であることができる。したがって、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、0.9502以上の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]を有する場合にピンホールが発生しないことによる不良防止性能をより安定的に確保することができる。
【0066】
表3のLの最低値は1.965mmであり、表1、2の18個のサンプルのうち、ピンホールのないサンプル(ピンホール検査OK)の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]の最低値は0.964であることができる。したがって、Lが1.965mm未満の場合、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、0.964以上の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]を有する場合にピンホールが発生しないことによる不良防止性能をより安定的に確保することができる。
【0067】
表1のLの最高値は1.188mmであり、表2の8個のサンプルのうち、ピンホールのないサンプル(ピンホール検査OK)の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]の最低値は0.975であることができる。したがって、Lが1.188mm超過1.965mm未満の場合、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、0.975以上の[{(L×T1)-(BW1×T2)}/(L×T1)]を有する場合にピンホールが発生しないことによる不良防止性能をより安定的に確保することができる。
【0068】
一方、表1、2、3を参照すると、(T2/T1)が高くなるほど、アコースティックノイズの平均(A.N.AVG)は低くなることができる。(T2/T1)が0の場合、第1外部電極131及び第2外部電極132は本体110の下面(第1面)に配置されないため、第1外部電極131及び第2外部電極132の本体110に対する配置安定性(例:外部電極の剥離防止、本体コーナーの露出による水分浸透経路の形成防止)は確保されない可能性がある。
【0069】
表1、2、3の24個のサンプルのうち、ピンホールのあるサンプル(ピンホール検査NG)の(T2/T1)の最高値は(23/101)であることができる。したがって、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、0超過(23/101)未満の(T2/T1)を有することにより、アコースティックノイズ低減性能だけでなく、ピンホールが発生しないことによる不良防止性能も確保することができ、外部電極の配置安定性も確保することができる。
【0070】
表1、2、3の24個のサンプルのうち、ピンホールのないサンプル(ピンホール検査OK)の(T2/T1)の最低値は(26/150)であることができる。したがって、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、(26/150)以下の(T2/T1)を有する場合にピンホールが発生しないことによる不良防止性能をより安定的に確保することができる。
【0071】
表2のLの最低値は1.682mmであり、表1の10個のサンプルのうち、ピンホールのないサンプル(ピンホール検査OK)の(T2/T1)の最低値は(15/103)であることができる。したがって、Lが1.682mm未満の場合、本発明の一実施形態による積層型キャパシタは、(15/103)以下の(T2/T1)を有する場合にピンホールが発生しないことによる不良防止性能をより安定的に確保することができる。
【0072】
一方、表1、2、3のL、T1、BW1、T2はマイクロメータによって測定することができ、TEM(Transmission Electron Microscopy)、AFM(Atomic Force Microscope)、SEM(Scanning Electron Microscope)、光学顕微鏡、及びsurface profilerのうち少なくとも一つを使用した分析によって測定することもできる。アコースティックノイズは、無響チャンバ(chamber)内で基板に積層型キャパシタ100を実装させた後に基板を介して電圧を印加することで測定することができる。ピンホール検査は、騒音低減絶縁層140を本体110の第1面に印刷し、騒音低減絶縁層140の規格に適した乾燥条件(例:エポキシメーカーが提供する乾燥条件)に従って乾燥してピンホールの発生有無を確認する過程であってよい。
【0073】
図7a~
図7dは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層の良好(OK)及び不良(NG)を例示した写真である。
図7aを参照すると、総42個の測定用積層型キャパシタを設けることができる。
【0074】
図7a~
図7dは、ピンホールのないサンプル(OK)におけるピンホール有無の判断例と、ピンホールのあるサンプル(NG)におけるピンホール有無の判断例を示す。サンプルの個数は42個に限定されず、24個であってもよく、1000個であってもよい。
【0075】
図8aは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの騒音低減絶縁層が騒音低減領域を拡張することを示す図であり、
図8b~
図8dは、本発明の一実施形態による積層型キャパシタの低減された騒音を示すグラフである。
図8aを参照すると、騒音低減絶縁層が本体と外部電極とを共にカバーするため、水平方向に広い面積を有することができる。したがって、騒音低減絶縁層は、拡張された低騒音領域(expanded low AN region)を提供することができる。
【0076】
図8bを参照すると、
図8aの拡張された低騒音領域(expanded low AN region)を有する積層型キャパシタのアコースティックノイズ(Acoustic Noise)は、0~20kHzの周波数(Frequency)範囲のスペクトルとして提供されることができ、縦軸の平均値として計算されることができ、0~20kHzの周波数(Frequency)の範囲で全体的に低くなることができる。
【0077】
図8c及び
図8dを参照すると、
図8aの拡張された低騒音領域(expanded low AN region)を有する積層型キャパシタのアコースティックノイズ(Acoustic Noise)は、本体110の厚さ(Z方向)に応じて異なることができ、本体110の広い厚さの範囲で全体的に低くなることができる。
【0078】
以上のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は、上述した実施形態及び添付の図面によって限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。したがって、特許請求の範囲に記載された本発明の技術的思想から逸脱しない範囲内で、当該技術分野における通常の知識を有する者によって様々な形態の置換、変形及び変更が可能であり、これも本発明の範囲に属すると言える。
【符号の説明】
【0079】
100:積層型キャパシタ
110:本体(body)
111:誘電体層
112:上部カバー層
113:下部カバー層
114:マージン領域
115:コア領域
116:容量領域
121:第1内部電極
122:第2内部電極
131:第1外部電極
132:第2外部電極
140:騒音低減絶縁層
151:第1端子
152:第2端子