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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087645
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】ナノファイバー積層シート
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/02 20060101AFI20230616BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 8/86 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 8/65 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 8/64 20060101ALI20230616BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 9/70 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/36 20060101ALI20230616BHJP
   A61K 47/34 20170101ALI20230616BHJP
   A61K 47/42 20170101ALI20230616BHJP
   B32B 5/02 20060101ALI20230616BHJP
   B32B 7/06 20190101ALI20230616BHJP
   B32B 7/025 20190101ALI20230616BHJP
   B32B 7/12 20060101ALI20230616BHJP
   B32B 5/26 20060101ALI20230616BHJP
   B32B 27/02 20060101ALI20230616BHJP
   B32B 3/24 20060101ALI20230616BHJP
【FI】
A61K8/02
A61K8/73
A61K8/81
A61K8/86
A61K8/65
A61K8/64
A61Q19/00
A61K9/70
A61K47/32
A61K47/36
A61K47/34
A61K47/42
B32B5/02 A
B32B7/06
B32B7/025
B32B7/12
B32B5/26
B32B27/02
B32B3/24 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】26
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022162534
(22)【出願日】2022-10-07
(31)【優先権主張番号】P 2021202074
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】509127147
【氏名又は名称】株式会社キコーコーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 あい子
(72)【発明者】
【氏名】杉山 えり子
(72)【発明者】
【氏名】関口 徹
【テーマコード(参考)】
4C076
4C083
4F100
【Fターム(参考)】
4C076AA71
4C076BB31
4C076CC03
4C076EE03
4C076EE06
4C076EE07
4C076EE22
4C076EE23
4C076EE24
4C076EE36
4C076EE43
4C083AB342
4C083AD021
4C083AD041
4C083AD071
4C083AD091
4C083AD111
4C083AD112
4C083AD262
4C083AD301
4C083AD302
4C083AD331
4C083AD332
4C083AD431
4C083AD432
4C083AD451
4C083CC02
4C083CC04
4C083CC05
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4C083DD12
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4C083EE13
4C083FF04
4F100AJ09B
4F100AK04A
4F100AK07A
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(57)【要約】
【課題】顔の表面や創傷部位などにおいて短時間に簡単にゲルやフィルムを形成するためのシートおよび方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
基材シートと、該基材シートの表面に設けられたナノファイバーシートと、該ナノファイバーシートの表面に設けられたゲル化領域規定シートと、該ゲル化領域規定シートの表面に剥離可能に設けられたカバーシートと、を有するゲル形成シートを提供することによって、上記課題が解決された。ナノファイバーシートは、水分の存在によってゲル化することを特徴とする。例えば、本発明は、美容効果や創傷被膜によるキズの保護、および薬剤の貼付などを行うシートおよび方法が提供される。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材シートと、該基材シートの表面に剥離可能に設けられたナノファイバーシートと、該ナノファイバーシートの表面に設けられたゲル化領域規定シートと、該ゲル化領域規定シートの表面に剥離可能に設けられたカバーシートと、を有するゲル形成シート。
【請求項2】
基材シートと、該基材シートの表面に設けられたナノファイバーシートと、該ナノファイバーシートの表面に設けられたカバーシートと、を有するゲル形成シートであって、ここで、該基材シートが多数の開孔を備えるメッシュシートである、ゲル形成シート。
【請求項3】
前記基材シートは、JIS L1094に規定される半減期測定方法で測定される初期帯電圧が0.3kVを超える、請求項2に記載のゲル形成シート。
【請求項4】
前記ナノファイバーシートと、前記ゲル化領域規定シートとが、粘着剤によって貼り付けられている、請求項1に記載のゲル形成シート。
【請求項5】
前記ゲル化領域規定シートと、前記カバーシートとが、粘着剤によって貼り付けられている、請求項1に記載のゲル形成シート。
【請求項6】
前記ナノファイバーシートがエレクトロスピニング法によって前記基材シートの表面に形成されたシートである、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項7】
前記ナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項8】
前記ナノファイバーシートが、該ナノファイバーシートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項9】
前記ナノファイバーシートが、ヒアルロン酸ナトリウムおよびポリビニルアルコールを含むか、アルギン酸ナトリウムおよびポリエチレンオキサイドを含むか、コラーゲンを含むか、あるいは、シルクプロテインを含む、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項10】
前記ナノファイバーシートが正電荷を保有し、前記基材シートが負電荷を保有する、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項11】
前記基材シートが不織布である請求項1に記載のゲル形成シート。
【請求項12】
前記不織布が高分子化合物からなる請求項11に記載のゲル形成シート。
【請求項13】
前記高分子化合物がポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、および、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される請求項12に記載のゲル形成シート。
【請求項14】
前記基材シートがプラスチックメッシュシートである請求項2に記載のゲル形成シート。
【請求項15】
前記プラスチックメッシュシートが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、および、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される物質から形成される、請求項14に記載のゲル形成シート。
【請求項16】
前記ナノファイバーシートが、保湿クリーム、スキンクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、および美容ジェルからなる群から選択される少なくとも1種の化粧料を含有する請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項17】
前記ナノファイバーシートが、治療剤を含む、請求項1または2に記載のゲル形成シート。
【請求項18】
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に剥離可能に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられたゲル化領域規定シートと、該ゲル化領域規定シートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に剥離可能に設けられた第2の基材シートと、を有する二重ゲル形成シート。
【請求項19】
前記第1のナノファイバーシートと、前記ゲル化領域規定シートとが、粘着剤によって貼り付けられている、請求項18に記載の二重ゲル形成シート。
【請求項20】
前記ゲル化領域規定シートと、前記第2のナノファイバーシートとが、粘着剤によって貼り付けられている、請求項18に記載の二重ゲル形成シート。
【請求項21】
前記第1および第2のナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、請求項18に記載の二重ゲル形成シート。
【請求項22】
前記第1および第2のナノファイバーシートが、前記二重ゲル形成シートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、請求項18に記載の二重ゲル形成シート。
【請求項23】
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に剥離可能に設けられたカバーシートと、を有する二重ゲル形成シート。
【請求項24】
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に設けられた第2の基材シートと、を有する二重ゲル形成シートであって、ここで、該第1の基材シートと該第2の基材シートの少なくとも一方は剥離可能にナノファイバーシート上に配置される、二重ゲル形成シート。
【請求項25】
前記第1および第2のナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、請求項23または24に記載の二重ゲル形成シート。
【請求項26】
前記第1および第2のナノファイバーシートが、前記二重ゲル形成シートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、請求項23または24に記載の二重ゲル形成シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚上にシート状のゲルを形成するためのゲル形成シートおよび、そのゲル形成シートを使用する方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
化粧品においては殆どが「塗る」という方法でその目的を果たしている。メイクアップをする場合のファンデーションや口紅などにしても、保湿という肌の機能を改善する為の美容液やクリームなどにしても、指、掌、スパーテル、などを使用して「顔」や目的とする部分に「塗る」という方法によっている。
【0003】
最近、マイクロニードルに加工した美容液を肌に貼って溶かし、貼った部分の美容効果をあげる製品が出てきたが、化粧品全体から見ると僅かである。一方で医療機器や医薬品に於いては「貼る」という事でその目的を達成する商品は多い。医療機器であればバンドエイドやウンドヒーリング用のシートなどに代表される衛生用品がある。医薬品では貼付剤などが一般的である。今まで沢山の種類の美容成分や、医療機器、医薬品が開発され提供されてきたが、これらを貼ろうとする人体の部分は個体差があり、表面の凹凸にも個人差があり、これを克服するために貼付剤の材質を柔軟性がある物や、膜厚を薄い物に変更するなど、材料の面から工夫されて来た。
【0004】
近年、特許文献1(特許6480059号明細書)にあるような顔の表面に直接ウレタンなどの薄膜を作成してキズなどを隠し、美容効果やメイクアップ効果をより際立つようにする方法や、特許文献2(特開2021-168948号公報)の様に肌の上で直接2種類のポリマー溶液を反応させて傷やシワ、タルミなどをカバーする方法が開発され商品化されている。しかしこれらの方法は特殊な装置(電解紡糸装置)や特殊なポリマー溶液を必要としたり、肌に特殊な治具を用いてポリマー溶液を2回に分けて塗布し、反応が完結にするまで長い時間待つなどの実用的とは言いがたいものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許6480059号明細書
【特許文献2】特開2021-168948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、顔の表面や創傷部位などにおいて短時間に簡単にゲルやフィルムを形成するためのシートおよび方法を提供することを課題とする。例えば、本発明は、美容効果や創傷被膜によるキズの保護、および薬剤の貼付などを行うシートおよび方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明は以下を特徴とする。
(項目1)
基材シートと、該基材シートの表面に剥離可能に設けられたナノファイバーシートと、該ナノファイバーシートの表面に設けられたゲル化領域規定シートと、該ゲル化領域規定シートの表面に剥離可能に設けられたカバーシートと、を有するゲル形成シート。
(項目2)
基材シートと、該基材シートの表面に設けられたナノファイバーシートと、該ナノファイバーシートの表面に設けられたカバーシートと、を有するゲル形成シートであって、ここで、該基材シートが多数の開孔を備えるメッシュシートである、ゲル形成シート。
(項目3)
前記基材シートは、JIS L1094に規定される半減期測定方法で測定される初期帯電圧が0.3kVを超える、項目2に記載のゲル形成シート。
(項目4)
前記ナノファイバーシートと、前記ゲル化領域規定シートとが、粘着剤によって貼り付けられている、項目1に記載のゲル形成シート。
(項目5)
前記ゲル化領域規定シートと、前記カバーシートとが、粘着剤によって貼り付けられている、項目1に記載のゲル形成シート。
(項目6)
前記ナノファイバーシートがエレクトロスピニング法によって前記基材シートの表面に形成されたシートである、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目7)
前記ナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目8)
前記ナノファイバーシートが、該ナノファイバーシートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目9)
前記ナノファイバーシートが、ヒアルロン酸ナトリウムおよびポリビニルアルコールを含むか、アルギン酸ナトリウムおよびポリエチレンオキサイドを含むか、コラーゲンを含むか、あるいは、シルクプロテインを含む、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目10)
前記ナノファイバーシートが正電荷を保有し、前記基材シートが負電荷を保有する、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目11)
前記基材シートが不織布である項目1に記載のゲル形成シート。
(項目12)
前記不織布が高分子化合物からなる項目11に記載のゲル形成シート。
(項目13)
前記高分子化合物がポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、および、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される項目12に記載のゲル形成シート。
(項目14)
前記基材シートがプラスチックメッシュシートである項目2に記載のゲル形成シート。
(項目15)
前記プラスチックメッシュシートが、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリスチレン、および、ポリエチレン-酢酸ビニル共重合体からなる群から選択される物質から形成される、項目14に記載のゲル形成シート。
(項目16)
前記ナノファイバーシートが、保湿クリーム、スキンクリーム、美白クリーム、乳液、化粧水、美容液、および美容ジェルからなる群から選択される少なくとも1種の化粧料を含有する項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目17)
前記ナノファイバーシートが、治療剤を含む、項目1または2に記載のゲル形成シート。
(項目18)
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に剥離可能に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられたゲル化領域規定シートと、該ゲル化領域規定シートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に剥離可能に設けられた第2の基材シートと、を有する二重ゲル形成シート。
(項目19)
前記第1のナノファイバーシートと、前記ゲル化領域規定シートとが、粘着剤によって貼り付けられている、項目18に記載の二重ゲル形成シート。
(項目20)
前記ゲル化領域規定シートと、前記第2のナノファイバーシートとが、粘着剤によって貼り付けられている、項目18に記載の二重ゲル形成シート。
(項目21)
前記第1および第2のナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、項目18に記載の二重ゲル形成シート。
(項目22)
前記第1および第2のナノファイバーシートが、前記二重ゲル形成シートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、項目18に記載の二重ゲル形成シート。
(項目23)
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に剥離可能に設けられたカバーシートと、を有する二重ゲル形成シート。
(項目24)
第1の基材シートと、該第1の基材シートの表面に設けられた第1のナノファイバーシートと、該第1のナノファイバーシートの表面に設けられた第2のナノファイバーシートと、該第2のナノファイバーシートの表面に設けられた第2の基材シートと、を有する二重ゲル形成シートであって、ここで、該第1の基材シートと該第2の基材シートの少なくとも一方は剥離可能にナノファイバーシート上に配置される、二重ゲル形成シート。
(項目25)
前記第1および第2のナノファイバーシートが、水分の添加によってゲル化する、項目23または24に記載の二重ゲル形成シート。
(項目26)
前記第1および第2のナノファイバーシートが、前記二重ゲル形成シートを貼り付けた面の水分によってゲル化する、項目23または24に記載の二重ゲル形成シート。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、顔の表面や創傷部位などにおいて短時間に簡単にゲルやフィルムを形成するためのシートおよび方法が提供される。例えば、本発明は、美容効果や創傷被膜によるキズの保護、および薬剤の貼付などを行うシートおよび方法が提供される。
【0009】
ナノファイバーシートに所定の成分(美容成分、治療用成分など)を含有させることによって、皮膚上に、そのような所定の成分を含むゲルを形成することができる。また、ゲル形成で使用する水溶液に所定の成分(美容成分、治療用成分など)を含有させることによっても、皮膚上に、そのような所定の成分を含むゲルを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施例のゲル形成シートの断面図である。
図2】粘着剤を備える、本発明の一実施例のゲル形成シートの断面図である。
図3図1および図2に示すゲル化領域規定シートの平面図である。図3においてゲル化領域規定シートの中央部分は打ち抜かれている。
図4】本発明のゲル形成シートの使用の一例である。
図5】本発明のナノファイバーシートの製造装置の概略説明図である。
図6】本発明の二重ゲル形成シートを作製する一例を示す図である。
図7】本発明の二重ゲル形成シートを示す図である。
図8】本発明の一実施例のゲル形成シートの断面図である。
図9】本発明の一実施例の二重ゲル形成シートの断面図である。
図10】本発明の一実施例の二重ゲル形成シートの断面図である。
図11】本発明の一実施例のゲル形成シートによる、顔面用ナノファイバーシートの写真である。(A)顔面用ナノファイバーシートを顔に載せた写真、(B)顔に載せた顔面用ナノファイバーシートに精製水をスプレーした後の写真。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1に示すように、ゲル形成シート(10)は、基材シート(11)と基材シート(11)の表面に剥離可能に設けられたナノファイバーシート(12)と、ナノファイバーシート(12)の表面に設けられたゲル化領域規定シート(13)と、ゲル化領域規定シート(13)の表面に剥離可能に設けられたカバーシート(14)と、を有する。
本発明の一つの局面では、図8に示すように、ゲル形成シート(10)は、基材シート(11)と基材シート(11)の表面に設けられたナノファイバーシート(12)と、ナノファイバーシート(12)の表面に設けられたカバーシート(14)と、を有する。
【0013】
ナノファイバーシートと、ゲル化領域規定シートとは、粘着剤(15)によって貼り付けられていてもよい。また、ゲル化領域規定シートと、カバーシートとは、粘着剤(15)によって貼り付けられていてもよい。
【0014】
ゲル形成シート(10)において、ナノファイバーシート(12)とゲル化領域規定シート(13)とを粘着剤(15)によって貼り付け、さらに、ゲル化領域規定シート(13)とカバーシート(14)とを粘着剤(15)によって貼り付けて作製したゲル形成シート(20)を図2に示す。
【0015】
基材シート、ナノファイバーシート、ゲル化領域規定シート、および、カバーシートは、ほぼ同じ平面形状であっても、さらに、シートを貼付したり剥がすための操作を容易にするための把持部を備えていてもよい。ゲル化領域規定シートは、打ち抜かれた領域、および/または、欠けている領域を備え、その打ち抜かれた領域、および/または、欠けている領域では、ゲルの形成が意図される標的とされる部位(例えば、皮膚上の目的の領域)にナノファイバーシートが直接的に接する。
【0016】
図3は、ゲル化領域規定シート(13)の一例を示す。図3に示すゲル化領域規定シートは、その中央部が打ち抜かれている。この打ち抜かれている部分において、ナノファイバーシートは、直接、皮膚などの標的とされる部位に接することができる。ゲル化領域規定シートは、必ずしも打ち抜かれている領域を含む必要はなく、例えば、ゲル化領域規定シートにおいて、ナノファイバーシートと比較して欠けている領域を備えるような形状とし、その欠けている領域において、ゲルの形成が意図されてもよい。
【0017】
図4に、本発明のゲル形成シートによるゲル形成の一例を示す。(a)は、本発明のゲル形成シートである。(bおよびc)ゲル形成シートからカバーシートを剥がす。(d)カバーシートを剥がした面を、皮膚の所定の場所に貼る。(e、f、およびg)皮膚などの所定の場所に貼付したシートから基材シートを剥がす(これにより、ナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートが剥がれることなく皮膚上に残る)。皮膚上に残ったナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートに対して、水溶液または水を添加し、ゲル化する。(h)ゲル化領域規定シートを剥がす。図4のhの写真は、ナノファイバーがゲル化して全て肌に移りゲル形成領域のシートのみが残っていることを示す。
【0018】
あるいは、本発明のゲル形成シートによるゲル形成においては、予め標的とされる領域(例えば、皮膚の領域)に水溶液または水を塗布しておき、その上に本発明のゲル形成シートを貼付して、ゲルを形成してもよい。そのような手順の一例としては、例えば、(1)ゲル形成シートからカバーシートを剥がす、(2)予め水溶液または水を塗布しておいた標的とされる領域(例えば、皮膚の領域)にカバーシートを剥がした面を貼付し、(3)(ア)標的とされる領域に貼付したシートから基材シートを剥がし、続いて、ゲル化領域規定シートを剥がすか、あるいは、(イ)標的とされる領域に貼付した基材シートおよびゲル化領域規定シートを同時に剥がす、ことによって、標的とされる領域に形成されたゲルが剥がされることなく残る。
【0019】
本発明においては、図7に示すようなナノファイバーシートを二種類含む、二重ゲル形成シートを作製することができる。例えば、図6に例示するように、第1の基材シート(31)上に第1のナノファイバーシート(32)を形成した第1のシート(30)を作製し、第2の基材シート(41)上に第2のナノファイバーシート(42)を形成した第2のシート(40)を作製する。次に、第1のシートおよび第2のシートの間にゲル化領域規定シート(33)を挟むように各シートを重ねることによって、二重ゲル形成シートを作製する。この場合、ゲル化領域規定シートの片面あるいは両面は、粘着剤によって、ナノファイバーシートと貼り付けられてもよい。
【0020】
また、上記のように二重ゲル形成シートを作製し、さらに、第3の基材シート上に第3のナノファイバーシートを形成した第3のシートを作製し、二重ゲル形成シートにおける第1の基材シートまたは第2の基材シートのいずれか一方を剥がし、その面に対して、第3のシートの第3のナノファイバーシートを貼り付けることによって、三重ゲル形成シートを作製することもできる。また、三重ゲル形成シートを作製する場合、二重ゲル形成シートを作製する際にはゲル化領域規定シートを使用することなく、その後、二重ゲル形成シートに第3のシートを貼り付ける際に、ゲル化領域規定シートを挟んでもよい。また、同様の手法により、ナノファイバーシートを4種類(4枚)以上含む多重ゲル形成シートを作製することもできる。
【0021】
例えば、ゲルの形成において複数の成分が必要であるにも拘わらず、その複数の成分を同一のナノファイバーシートとして形成することが困難である場合(例えば、ヒアルロン酸とコラーゲンの組み合せ)、それら複数の成分を別々のナノファイバーシートとして形成し、上記にような二重ゲル形成シート(あるいは、三重ゲル形成シートなどの多重ゲル形成シート)を作製し、本発明のゲル形成シートとして使用して標的とする領域にゲルを形成することが可能である。
【0022】
本発明のゲル形成シートがゲルを形成する部位は、必ずしも皮膚でなくてもよい。本発明のゲル形成シートは、ゲル形成が望まれるあらゆる表面において、ゲルを形成することができる。
【0023】
(基材シート)
基材シートとしては、例えば、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン、ナイロン、キトサン、デンプン、ポリビニルアルコール若しくはポリ酢酸ビニル又はこれらの共重合体若しくは変性体等からなるシートを用いることができる。
【0024】
特に、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、レーヨン繊維、その他の合成繊維製からなる不織布や、和紙、綿、絹、麻、パルプ(セルロース)繊維等が混合されて製造された不織布等が挙げられる。
【0025】
これらの不織布のなかでも、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維からなる不織布であるのが好ましい。好ましくは、基材シートとして、ポリプロピレン、レーヨンからなる不織布であり、熱処理(スパンボンド)したポリプロピレン、レーヨンからなる不織布が最も好ましい。
基材シートとしては、メッシュシート、例えば、樹脂からなるメッシュシート、代表的にはプラスチックメッシュシートを使用してもよい。基材シートとしてメッシュシートを使用する場合、例えば、多数の開孔が形成されているメッシュシートを使用することができる。ナノファイバーシートを基材シートから剥離して使用する場合には、ナノファイバーシートが基材シートから剥離しやすくする処理を基材シートに行う必要がある。例えば、特許第5563908号では、基材シートについて、JIS L1094に規定される半減期測定方法で測定される初期帯電圧が0.3kV以下であること(あるいは、表面抵抗率を1012Ω以下、好ましくは1010Ω以下にすること)を必要とする。なぜなら、一般的にプラスチックメッシュに直接紡糸するとプラスチックメッシュの帯電性により防止されたナノファイバーシートが基材と強く結合し、基材から簡単に剥離できなくなるからである。そのため特許第5563908号などに示される従来技術においては、プラスチックメッシュを使う場合は基材を予め帯電防止処理する必要があった。これに対して本発明では、必ずしも基材シートをナノファイバーシートから剥離して使用する必要がない。例えば、本発明では、基材シートとナノファイバーシートを剥離することなく皮膚などの対象となる領域に貼付し、その上から水分を適用することによりナノファイバーシートをゲル化することにより対象となる領域上にゲルを形成する。ゲルが形成された場合、基材シートは容易にゲルから剥離される。
そのため、本発明においてメッシュシート(例えば、プラスチックシートなどの樹脂シート)を基材シートとして使用する場合、基材シートを予め帯電防止する必要がなく、むしろ強く帯電した状態で電界紡糸することで、安定したナノファイバーシートをメッシュシート上に作り、抜き加工や包装などの工程でメッシュシートからナノファイバーの脱落や剥がれを防ぐことができる。そのため、本発明において基材シートとしてメッシュシートを使用する場合、予め帯電防止処理をしていないシートを使用することが好ましい。本発明においてメッシュシートを基材シートとして使用する場合、好ましくは、初期の帯電圧は、0.3Kvを超える、0.31Kvを超える、0.32Kvを超える、0.33Kvを超える、0.34Kvを超える、0.35Kvを超える、0.36Kvを超える、0.37Kvを超える、0.38Kvを超える、0.39Kvを超える、または、0.4Kvを超える。あるいは、本発明においてメッシュシートを基材シートとして使用する場合、好ましくは、表面抵抗率は、1010Ω以上、1011Ω以上、または、1012Ω以上である。
従来技術において、メッシュの基材上に作成されたシートは水に不溶性であるため、基材からの層間剥離の条件が必要となる。例えば、特許第5563908号では、基材に対して界面活性剤処理またはコロナ処理を行い、初期耐電圧を0.3kv以下になるようにして、層間剥離が容易になるようにしている。これに対して、本発明の一つの局面では、基材上に作られたシートが水分によってゲル化して基材と分離するため層間剥離の必要が無い。むしろ、基材表面が0.3kvを超える初期耐電圧としたほうがナノファイバー層がしっかりと基材に密着し、その後の打ち抜き加工がやりやすくなるという優れた効果を発揮する。
また、基材シートとしてメッシュシートを用いる場合、基材シートとナノファイバーを剥離することなく皮膚などの適用部位に適用し、予め適用部位に存在した水部を使用するか、および/または、水分を基材シート上から適用することによって、適用部位にゲルを形成することが可能である。そのため、基材シートとしてメッシュシートを使用する場合、基材シートとナノファイバーが剥離可能でることは必ずしも必要ない。また、基材シートとしてメッシュシートを用いる場合、ナノファイバーシートの適用部位への適用の際に、基材シートがナノファイバーシートの形状を維持するのに役立つことから、ゲル化領域規定シートを用いなくてもナノファイバーシートの形状が維持される。
【0026】
(ナノファイバーシート)
本明細書でいうナノファイバーシートは、例えば、エレクトロスピニング法(電界防止法)によって得られたナノファイバーからなる繊維構造体を包含する。ナノファイバーの作製方法は、特に限定されることはなく、周知の他の方法を使用することが可能である。ナノファイバーは、サブミクロンあるいはナノメートルオーダーの超微細繊維をいう。エレクトロスピニング法で得られたナノファイバーは、通常、100μm以上の長さと30~2000nm(特に50~800nm)の範囲の繊維径を有している。シートの厚みは、典型的には5~30ミクロンである。
【0027】
ナノファイバーシートの作製に用いられるポリマー溶液は、限定されるものではないが、ナノファイバーシートに水溶液または水を適用した場合にゲル化するポリマー溶液であることが好ましい。そのようなポリマー溶液としては、ヒアルロン酸およびポリビニルアルコールを含む溶液、アルギン酸およびポリエチレンオキサイドを含む溶液があげられる。また、水溶性高分子で水への溶解性が高く、高分子同士が水溶液中で不溶成分を形成しない物質も好ましく、例えばコラーゲン、シルクプロテイン、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシルメチルセルロース、ペクチン、ローカストビーンガム、カラギーナン、プルラン、などが挙げられるがこれらに限定されない。皮膚への適合性を考慮すると、特にコラーゲン、ヒアルロン酸、シルクプロテイン、アルギン酸、シルクプロテインなどの種々の多糖類とたんぱく質が好ましい。
【0028】
ナノファイバーシートは、エレクトロスピニング法を用い、基材シートの表面にナノファイバーを紡糸して堆積させることで製造することができるが、ナノファイバーシートの製造方法としては、周知の他の方法を用いることも可能である。
【0029】
(エレクトロスピニング法)
図5に、エレクトロスピニング法を実施するための装置30の概略が示されている。この装置9はシリンジ1、高電圧源3、導電性コレクタ4を備えている。シリンジ1は、シリンダ1a、ピストン1b及び多数のキャピラリ1cを備えている。
【0030】
シリンダ1a内には、ナノファイバーの原料となる高分子化合物を含むポリマー溶液が充填されている。高電圧源3の正極はシリンジ1におけるポリマー溶液と導通している。高電圧源3の負極は接地されている。導電性コレクタ4は、例えば金属製の板であり接地されている。シリンジ1と導電性コレクタ4との間に電圧を印加した状態下に、シリンジ1のピストン1bを徐々に押し込み、キャピラリ1cの先端からポリマー溶液を押し出す。押し出されたポリマー溶液中の溶媒が揮発し、溶質である高分子化合物が固化しつつ、電位差によって伸長変形しながらナノファイバーを形成し、導電性コレクタ4に引き寄せられる。導電性コレクタ4の表面に基材シート2を配置しておくことで、基材シート2の表面にナノファイバーが堆積される。エレクトロスピニング法によってナノファイバーを基材シート2上に紡糸してナノファイバーシートを形成すると、一般には、ナノファイバーシートが正電荷を保有し、基材シート2が負電荷を保有する。
【0031】
ポリマー溶液は、ナノファイバーシートを形成するための高分子化合物に加えて他の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、化粧品成分、治療用成分、着色顔料、香料、界面活性剤、帯電防止剤などが挙げられる。
【0032】
(ゲル化領域規定シート)
ナノファイバーシートがゲル化する領域を限定するために、ナノファイバーシートと適用部位との間にゲル化領域規定シートを備えてもよい。また、ナノファイバーシートが予めゲルを形成する領域の形状である場合、ゲル化領域規定シートを備える必要はない(図8参照)。ゲル化領域規定シートとしては、基材シートと同じ材料を用いても、基材シートと異なる材料を用いてもよい。
【0033】
好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、レーヨン繊維、その他の合成繊維製からなる不織布や、綿、絹、麻、パルプ(セルロース)繊維等が混合されて製造された不織布等が挙げられる。
【0034】
これらの不織布のなかでも、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維からなる不織布であるのが好ましい。特に好ましくは、カバーシートとして、ポリプロピレン、レーヨンからなる不織布であり、熱処理(スパンボンド)されたポリプロピレン、レーヨンからなる不織布である。また、本発明において、和紙をゲル化領域規定シートとして使用してもよい。
【0035】
ゲル化領域規定シートは、ゲルを形成する領域を規定する。すなわち、ゲル化領域規定シートは、打ち抜かれた領域、および/または、欠けている領域を備え、その打ち抜かれた領域、および/または、欠けている領域では、ナノファイバーシートが直接的にゲルの形成が意図される標的とされる部位(例えば、皮膚)に接する。
【0036】
(カバーシート)
カバーシートとしては、基材シートと同じ材料を用いても、基材シートと異なる材料を用いてもよい。
【0037】
好ましくは、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド繊維、レーヨン繊維、その他の合成繊維製からなる不織布や、綿、絹、麻、パルプ(セルロース)繊維等が混合されて製造された不織布等が挙げられる。
【0038】
これらの不織布のなかでも、レーヨン繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維からなる不織布であるのが好ましい。特に好ましくは、カバーシートとして、ポリプロピレン、レーヨンからなる不織布であり、熱処理(スパンボンド)されたポリプロピレン、レーヨンからなる不織布である。
【0039】
(粘着剤)
ゲル形成シート(10)において、ナノファイバーシート(12)とゲル化領域規定シート(13)とを粘着剤(15)によって貼り付けてもよい。粘着剤を使用しない場合は、静電的相互作用または疎水的相互作用などによって貼り付けてもよい。さらに、ゲル化領域規定シート(13)とカバーシート(14)とを粘着剤(15)によって貼り付けてもよい。粘着剤を使用しない場合は、静電的相互作用または疎水的相互作用などによって貼り付けてもよい。
【0040】
粘着剤としては、例えば、アクリル樹脂系、ゴム系の粘着剤を用いることができる。その主剤としては、例えばポリ(メタ)アクリル酸エステル、塩化ゴム、天然ゴム、合成ゴム、再生ゴムが挙げられるがこれらに限定されない。好ましい粘着剤は、アクリル樹脂系の粘着剤である。
【0041】
(ゲル形成シートの製造)
本発明のゲル形成シートの製造は、限定されることはないが、代表的には、
(1)基材シート上にナノファイバーシートを形成する工程;
(2)基材シート上に形成されたナノファイバーシート上にゲル化領域規定シートを貼り付けて重層化する工程;および
(3)上記(2)で形成された重層化シートのゲル化領域規定シート上にさらにカバーシートを貼り付けて重層化する工程;
を含んでもよい。
【0042】
あるいは、別の実施形態では、本発明のゲル形成シートの製造は、
(1)基材シート上にナノファイバーシートを形成する工程;
(2)ゲル化領域規定シート上にカバーシートを貼り付けて重層化したシートを作製する工程;
(3)基材シート上に形成されたナノファイバーシート上に上記(2)で作製したシートを貼り付けて重層化する工程であって、ナノファイバーシートに対して、上記(2)で作製したシートのゲル化領域規定シートの面が接する、工程
を含んでもよい。
【0043】
上記の重層化では、粘着剤を用いても用いなくてもよい。粘着剤を使用しない場合、静電的相互作用または疎水的相互作用などによって重層化してもよい。
【0044】
(ゲル形成シートの使用)
例えば、本発明のゲル形成シートによって、顔の表面や創傷部位など皮膚表面にゲルを形成する場合、(1)ゲル形成シートからカバーシートを剥がす、(2)カバーシートを剥がした面を、皮膚などの所定の場所に貼る、(3)皮膚などの所定の場所に貼付したシートから基材シートを剥がす(これにより、ナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートが剥がれることなく皮膚上に残る)、(4)皮膚上に残ったナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートに対して、水溶液または水を添加ナノファイバーシートを瞬時にゲル化させる、(5)ゲル化領域規定シートを剥がすことによって、ゲル化領域規定シートによって規定される面積にゲルを形成することができる。上記(4)の水溶液または水の添加は、スプレーや加湿器などの噴霧器を用いてもよい。
【0045】
本発明の別の実施形態では、以下の手順により、本発明のゲル形成シートによって、顔の表面や創傷部位など皮膚表面にゲルを形成する場合、(1’)ゲル形成シートからカバーシートを剥がす、(2’)カバーシートを剥がした面を、予め水溶液または水を塗布した皮膚などの所定の場所に貼る、という手順によって、皮膚などの所定の表面にゲルを形成することができる(なお、ゲル形成が十分でない場合には、基材シートを剥がした後に水溶液または水を添加してもよい)。その後、(3’)(ア)皮膚などの所定の場所に貼付したシートから基材シートを剥がし、続いて、ゲル化領域規定シートを剥がすか、あるいは、(イ)皮膚などの所定の場所に貼付したシートから、基材シートおよびゲル化領域規定シートを同時に剥がす。
【0046】
上記(4)の水溶液もしく水、あるいは、上記(2’)において予め標的となる表面に塗布しておく水溶液または水には、所望の物質、例えば、医療用成分(例えば、抗生物質または抗菌剤)、あるいは、化粧用成分を含ませてもよい。あるいは、形成されるゲルにおいて望まれる物理的性質に応じて、例えば、硬いゲルを形成することが望まれる場合、アルギン酸からゲルを形成する場合にはカルシウムを添加してもよく、または、ヒアルロン酸からゲルを形成する場合には亜鉛やコンドロイチン硫酸などを添加してもよい。
【実施例0047】
以下に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0048】
(実施例1:ゲル形成シートの製造)
1.ヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社製ヒアルロン酸ナトリウムHA-LQ平均分子量85万)2gとポリビニルアルコール(三菱ケミカルポリビニルアルコールEG-05C)2.5gの水を添加して100mlとし、4時間かけて溶解し、ポリマー溶
液を調製した。このポリマー溶液を通常の条件で電界防止法により、スパンボンド(基材シート)上にナノファイバーを蓄積させてヒアルロン酸のナノファイバーシートを作製した。
【0049】
上記シートに対して、両面を粘着剤加工した50μmの厚みをもつPETフィルム(ゲル化領域規定シート)を貼り付けて重層化した。このPETフィルムは、ほぼ中央部分が眉型に打ち抜かれている。この打ち抜かれている部分は、ゲル形成シートを皮膚に貼付した場合に、ナノファイバーシートが直接皮膚と接する部分であり、それゆえ、ゲル形成シートの貼付後に水、水溶液、または化粧水をスプレーしてゲル化すると、同時にゲルが皮膚に貼りつく。
【0050】
(実施例2:ゲル形成シートの使用)
実施例1で作製した本発明のゲル形成シートによって、顔の表面や創傷部位など皮膚表面にゲルを形成する。代表的な使用法としては、例えば、図4に示されるように、(1)ゲル形成シートからカバーシートを剥がす、(2)カバーシートを剥がした面を、皮膚などの所定の場所に貼る、(3)皮膚などの所定の場所に貼付したシートから基材シートを剥がす(これにより、ナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートが剥がれることなく皮膚上に残る)、(4)皮膚上に残ったナノファイバーシートおよびゲル化領域規定シートに対して、水溶液をスプレーなどにより適用することによって、ナノファイバーシートを瞬時にゲル化させる、(5)ゲル化領域規定シートを剥がすことによって、ゲル化領域規定シートによって規定される面積にゲルを形成することができる。
【0051】
(実施例3:涙袋修正用メイクアップ用品)
加齢によって目の前下部分にたるみができ、これを涙袋という。涙袋が大きくなると老けた印象が強くなるため、色々な方法でこれ無くすためのメイクアップ用品が市販されている。本発明のゲル形成シートは、涙袋修正用メイクアップ用品としても使用可能である。
【0052】
アルギン酸ナトリウム(IL-2、重量平均分子量3万、キミカ社製)10gを水115gに加え、室温で攪拌溶解して8%アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。これとは別に、重量平均分子量60万~80万のポリエチレンオキサイド(アルコックスE-45、明成化学工業(株)製)0.5gを水19.5gに加え、室温で攪拌溶解してポリエチレンオキサイド水溶液を調製した。アルギン酸ナトリウム水溶液125gにポリエチレンオキサイド水溶液20gを添加混合して、紡糸用ポリマー溶液を作製した。この溶液をスパンボンド上に静電紡糸してアルギン酸ナノファイバーシートを得た。
【0053】
このアルギン酸ナノファイバーシートのアルギン酸シート(ナノファイバーシート)の面に、両面を粘着剤加工した50μの厚みをもつ和紙(ゲル化領域規定シート)の片面を貼りつけた。反対側の面にはシートの保護用の不織布(カバーシート)を貼った。この和紙にはほぼ中央部が目袋の大きさにあわせて勾玉状に打ち抜かれている。カバーシートを剥がした後、和紙において勾玉状に打ち抜かれている部分が涙袋に当たるように、皮膚に貼りつけた。基材シートを剥がした後に、アルギン酸ナノファイバーシートに対して、0.1%セルロースナノファイバー(スギノマシン)分散液に0.1-M塩化カルシウムを溶解させた液をスプレーし、アルギン酸ナノファイバーシートを溶解させてゲル化すると同時に肌の上で架橋させることで透明なアルギン酸膜が肌の上に構築された。乾燥するのを待ってからファンデーションで整える事で涙袋が目立たなくなり、若返った印象を作る事が出来た。
【0054】
(実施例4:2種類のナノファイバーシートを同時に貼る)
複数の美容成分をナノファイバーシートに仕上げてそれを肌に貼る事で、今までにない美容効果やスキンケアを可能にしようとするときは複数の美容成分を一緒に溶解して電界紡糸を行う方法がある。たとえば、ヒアルロン酸とコラーゲンを1つのシートの中に紡糸することが考えられる。しかしながら、ヒアルロン酸とコラーゲンは一緒に紡糸する事が出来ない場合が多いため、2種類のナノファイバーシートを別々に電界紡糸して2枚のナノファイバーシートを作製したのち、それぞれのナノファイバーシートを含むゲル形成シート(二重ゲル形成シート)を作製して標的とする肌に貼ることでヒアルロン酸とコラーゲンを含む1枚のシートを肌に貼るのと同じゲル形成効果が得られる。具体的には、以下の手順により二重ゲル形成シートを作製した。
【0055】
1.コラーゲンナノファイバーシートは、コラーゲン単体では繊維になりにくい為、濃度4質量%の酢酸水溶液100部中に、水溶性コラーゲン(旭陽化学工業株式会社製、フィッシュコラーゲンペプチドS)1部、ポリエチレングリコール(明成化学工業株式 会社製、アルコックスE-30)3部及びキトサン(株式会社キミカ製、キミカキトサン グレードF)6部を投入し攪拌混合して、高分子水溶液を得た。この高分子水溶液を電界紡糸しスパンボンド上にナノファイバー層を形成し、コラーゲンナノファイバーシートを得た。
【0056】
2.ヒアルロン酸ナノファイバーの作製
ヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社製ヒアルロン酸ナトリウムHA-LQ平均分子量85万)2gとポリビニルアルコール(三菱ケミカルポリビニルアルコールEG-
05C)2.5gの水を添加して100mlとし、4時間かけて溶解し、ポリマー溶液を調製した。このポリマー溶液を通常の条件で電界防止法により、スパンボンド(基材シート)上にナノファイバーを蓄積させてヒアルロン酸のナノファイバーシートを作製した。このようにして2種類のナノファイバーシートを調製し、それぞれのナノファイバーシートを向い合せて貼付し、二重ゲル形成シートを作製した。
【0057】
3.二重ゲル形成シートの使用
二重ゲル形成シートの一方の基材シートを剥がして、標的となる部位である眼窩部に二重ゲル形成シートを貼付し、その後、もう一方の基材シートを剥がした後に化粧水をスプレーすることでシートを溶解してヒアルロン酸とコラーゲンのゲルを形成した。その結果、2種類の美容成分の相乗効果が得られるゲルが形成された。
【0058】
(実施例5:2種類の厚いナノファイバーシートを1度に貼る)
皮膚の欠損部分や凹凸の深い所などには、従来シリコン系のパテ材を塗布し、乾燥させたのちにファンデーションなどでカバーリングをして欠損部や凹凸を目立たないようにする商品がある。しかしながら、基材となるパテをスパチュラなどで塗布する為、表面を平滑にする事が難しく、更に乾燥させる時間は顔の表情を変えることが出来ないなどの不都合が有った。そこで厚みのあるナノファイバーシートを調製して肌に貼る事が試みられたが電界紡糸法によるナノファイバーシートは、製造する場合の厚み、(坪量)に限界があるという問題があった。顔に貼るシートにおいて厚みが欲しい場合は限界まで厚く紡糸したナノファイバーシートを、複数回貼り付ける事になるが、この場合は最初に貼ったシートが乾くまで待たなければならないという問題がある。
【0059】
本発明のゲル形成シートを用いると、最大の厚みまで紡糸したナノファイバーシートの複数枚を備える二重ゲル形成シート(あるいは、三重ゲル形成シートなどの多重ゲル形成シート)を標的とする皮膚の領域(顔などの貼りたい部分)に貼付し、水や化粧水をスプレーする事で瞬間的に2枚(あるいは、3枚以上)のシートを溶かしてゲル形成することによって、標的とする皮膚の領域(顔などの貼りたい部分)にゲル形成することが出来る。
【0060】
本実施例では、ヒアルロン酸ナノファイバーシートの最大の厚みである坪量3g/mのナノファイバーシートを実施例1の方法により基材シート上に電界紡糸したシートを2枚作製した。これら2枚のシートについてナノファイバーシート同士を向い合せて貼付し二重ゲル形成シートを作製した。一方の基材シートを剥がして、顔面の皮膚欠損部の凹部に貼付し、他方の基材シートを剥がし、次に、化粧水をスプレーすることで2枚のシートを同時に溶解して皮膚欠損部にゲルを形成した。皮膚欠損部はヒアルロン酸のゲルで平滑となり、ゲルが乾燥したのちにファンデーションなどでカバーすることで皮膚の欠損部も目立たなくなった。
(実施例6:メッシュ形状の基材シートを使用するゲル形成シートの製造)
メッシュ形状の基材シートを使用して、以下のとおり本発明のゲル形成シートを作製した。
1.ヒアルロン酸ナトリウム(キューピー株式会社製ヒアルロン酸ナトリウムHA-LQ平均分子量85万)2gとポリビニルアルコール(三菱ケミカルポリビニルアルコールEG-05C)2.5gに水を添加して100mlとし、60℃で4時間かけて溶解し、ポリマー溶液を調製した。このポリマー溶液を通常の条件で電界防止法により、ポリエチレン製メッシュシートサンサンネットSL-6500(日本ワイドクロス株式会社製)を基材シートとしてその表面上にナノファイバーを蓄積させてヒアルロン酸のナノファイバーシートを作製した。必要に応じて、ナノファイバーシート上にカバーシートを配置する。カバーシートは好ましくは、ナノファイバーシートに対して剥離可能に配置される。
(ゲル形成シートの使用)
このシートを眉型に打ち抜き、予め精製水または化粧水などを塗布した肌にナノファイバーシート面を肌にあてシートを肌の上でゲル化させるか、ナノファイバーシートを肌にあて、基材シート面から精製水をスプレーし、ナノファイバーシートを溶解させて肌の上にヒアルロン酸のゲル層を作成した。シートは基材のメッシュシートを通過した精製水によって瞬時に溶解し、肌に移行してゲルになることが確認された。
(実施例7:涙袋修正用メイクアップ用品)
加齢によって目の前下部分にたるみができ、これを涙袋という。涙袋が大きくなると老けた印象が強くなるため、色々な方法でこれ無くすためのメイクアップ用品が市販されている。本発明のゲル形成シートは、涙袋修正用メイクアップ用品としても使用可能である。
アルギン酸ナトリウム(IL―2、重量平均分子量3万、キミカ社製)10gを水115gに加え、室温で攪拌溶解して8%アルギン酸ナトリウム水溶液を調製した。これとは別に、重量平均分子量60万~80万のポリエチレンオキサイド(アルコックスE―45、明成化学工業(株)製)0.5gを水19.5gに加え、室温で攪拌溶解してポリエチレンオキサイド水溶液を調製した。アルギン酸ナトリウム水溶液125gにポリエチレンオキサイド水溶液20gを添加混合して、紡糸用ポリマー溶液を作製した。この溶液ポリエチレンメッシュサンサンネットソフライトSL-6500上に静電紡糸してアルギン酸ナノファイバーシートを得た。
このアルギン酸ナノファイバーシートを勾玉状に打ち抜きカバーシートを剥がした後、ナノファイバー部分が涙袋に当たるように、皮膚に貼りつけた。このナノファイバーシートに対して、0.1%セルロースナノファイバー(スギノマシン)分散液に0.1M 塩化カルシウムを溶解させた液を基材メッシュ側からスプレーし、アルギン酸ナノファイバーシートを溶解させてから基材のメッシュシートを剥がすとゲル化すると同時に肌の上で架橋させることで透明なアルギン酸膜が肌の上に構築された。乾燥するのを待ってからファンデーションで整える事で涙袋が目立たなくなり、若返った印象を作る事が出来た。
(実施例8:追加のメッシュシートを用いる二重ゲル形成シートの作製)
実施例6に従い作製するゲル形成シートをさらに改変して、二重ゲル形成シートを作製することができる。例えば、
(1)実施例6に従い、第1の基材シート(31)であるメッシュシートの表面上に第1のナノファイバーシート(32)を作製する、
(2)上記(1)で作成したシートの第1のナノファイバーシート(32)の表面上に第2のナノファイバーシート(42)を作製する、
(3)第2のナノファイバーシート(42)の表面上にカバーシート(14)を配置する、
ことによって作製することができる(図9参照)。必要に応じて、第2のナノファイバーシート(42)の表面上に、第3のナノファイバーシート、第4のナノファイバーシートなどをさらに配置することもできる。
あるいは、
(1)実施例6に従い、第1の基材シート(31)であるメッシュシートの表面上に第1のナノファイバーシート(32)を作製する、
(2)実施例6に従い、第2の基材シート(41)であるメッシュシートの表面上に第2のナノファイバーシート(42)を作製する、
(3)上記(1)で作成したシートの第1のナノファイバーシート(32)と、上記(2)で作成したシートの第2のナノファイバーシート(42)が接するように、上記(1)で作成したシートと上記(2)で作成したシートを重ね合わせる
ことによっても、作製することができる(図10参照)。この場合、第1の基材シートまたは第2の基材シートの少なくとも一方は(好ましくは一方のみは)、ナノファイバーシーに対して剥離可能である。上記(3)の重ね合わせに際しては、粘着剤を用いてもよい。あるいは、上記(3)の重ね合わせに際しては、2つのナノファイバーシートの間にゲル化領域規定シートを挟んでもよい。
(実施例9:顔面用ナノファイバーシート)
実施例6の方法にしたがって、顔面を覆う大きさのナノファイバーシートを作製した。次にこれを顔型に打ち抜き、顔面用ナノファイバーシートを作製した。この顔面用ナノファイバーシートを顔に載せた(図11A)。次に、これに精製水をスプレーするとナノファイバーシートはゲル化して顔面に移行し、メッシュだけが残った(図11B)。
このようにして、本発明のゲル形成シートを用い、顔面全体の表面にゲルを形成することができた。
以上のように、本発明の好ましい実施形態を用いて本発明を例示してきたが、本発明は、請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願および文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明によれば、顔の表面や創傷部位などにおいて短時間に簡単にゲルやフィルムを形成するためのシートおよび方法が提供される。例えば、本発明は、美容効果や創傷被膜によるキズの保護、および薬剤の貼付などを行うシートおよび方法が提供される。
【符号の説明】
【0062】
2 基材シート
10 ゲル形成シート
11 基材シート
12 ナノファイバーシート
13 ゲル化領域規定シート
14 カバーシート
15 粘着剤
20 ゲル形成シート
30 第1のシート
31 第1の基材シート
32 第1のナノファイバーシート
33 ゲル化領域規定シート
40 第2のシート
41 第2の基材シート
42 第2のナノファイバーシート
50 二重ゲル形成シート
図1
図2
図3
図4
図5
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図10
図11