(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087667
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20230101AFI20230616BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022196581
(22)【出願日】2022-12-08
(31)【優先権主張番号】P 2021202089
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】515114289
【氏名又は名称】株式会社ラフール
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】結城 啓太
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA06
(57)【要約】
【課題】従業員同士でやり取りされた情報に基づいて、従業員の健康増進を支援する技術を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザ間で送受信可能な電子媒体に関する第1情報を取得する。分析ステップでは、第1情報と、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報とに基づき、第1情報と健康状態との相関関係を分析する。付与ステップでは、相関関係に基づき、ユーザに対して特典を付与する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置であって、
制御部を備え、
前記制御部は、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを実行するように構成され、
前記取得ステップでは、ユーザ間で送受信可能な電子媒体に関する第1情報を取得し、
前記分析ステップでは、前記第1情報と、前記ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報とに基づき、前記第1情報と前記健康状態との相関関係を分析し、
前記付与ステップでは、前記相関関係に基づき、前記ユーザに対して特典を付与する、
情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記第1情報は、ユーザ間で送受信された、視覚情報と電子的価値媒体とのうち少なくとも一つの送受信履歴を含む、
情報処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記視覚情報は、スタンプと、アイコンと、メッセージと、絵文字とのうち少なくとも一つを含む、
情報処理装置。
【請求項4】
請求項2に記載の情報処理装置において、
前記電子的価値媒体は、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨とのうち少なくとも一つを含む、
情報処理装置。
【請求項5】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記健康状態は、精神状態と、バイタル状態とのうち少なくとも一つを示し、
前記分析ステップでは、前記第1情報と、前記第2情報とに基づき、前記第1情報の受信前後における前記ユーザの健康状態の変化を分析する、
情報処理装置。
【請求項6】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記制御部は、表示制御ステップをさらに実行するように構成され、
前記表示制御ステップでは、前記相関関係の分析結果を表示させる、
情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
前記取得ステップでは、前記ユーザに提示された質問に対する回答を示す回答情報を取得し、
前記分析ステップでは、前記回答情報に基づき、前記ユーザの健康状態を分析し、
前記表示制御ステップでは、前記健康状態の分析結果を、前記第2情報として表示させる、
情報処理装置。
【請求項8】
請求項7に記載の情報処理装置において、
前記電子的価値媒体は、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨とのうち少なくとも一つを含み、
前記付与ステップでは、前記質問に対する回答を行なったユーザに対して、前記電子的価値媒体を付与する、
情報処理装置。
【請求項9】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを備える、
情報処理方法。
【請求項10】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~請求項8の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
組織内での情報活用やコミュニケーションの促進の観点から、従業員同士がインターネットを介して様々な情報をやり取りすることは推奨されているのが一般的である。特許文献1には、従業員管理システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、やり取りの内容によっては、従業員の健康状態に影響を与える可能性があり得る。
【0005】
本発明では上記事情を鑑み、従業員同士でやり取りされた情報に基づいて、従業員の健康増進を支援する技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様によれば、情報処理装置が提供される。この情報処理装置は、制御部を備える。制御部は、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを実行するように構成される。取得ステップでは、ユーザ間で送受信可能な電子媒体に関する第1情報を取得する。分析ステップでは、第1情報と、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報とに基づき、第1情報と健康状態との相関関係を分析する。付与ステップでは、相関関係に基づき、ユーザに対して特典を付与する。
【0007】
本開示によれば、従業員同士でやり取りされた情報に基づいて、従業員の健康増進を支援する技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【
図2】情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図3】情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。
【
図4】情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。
【
図5】ユーザ情報21の一例を示すイメージ図である。
【
図6】電子的価値媒体51の送受信履歴を示すイメージ図である。
【
図7】交換行動の分析結果を示すイメージ図である。
【
図8】ユーザ端末2に表示される質問情報61の一例である。
【
図9】電子的価値媒体51の贈与人数とユーザの健康状態との相関を示すイメージ図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0010】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0011】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0012】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0013】
1.ハードウェア構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のハードウェア構成について説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0014】
1.1 情報処理システム1
情報処理システム1は、複数のユーザ端末2(ユーザ端末2-1~ユーザ端末2-N)と、情報処理装置3と、管理者端末4とを備え、これらが電気通信回線を通じて通信可能に構成されている。情報処理装置3は、管理者端末4及びユーザ端末2-1~ユーザ端末2-Nのそれぞれと、インターネット等のネットワークを介して相互に通信可能となっている。これらの構成要素についてさらに説明する。
【0015】
1.2 ユーザ端末2
ユーザ端末2は、例えば、所定の組織に属する従業員が操作するものであり、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じて情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。なお、ユーザ端末2は、従業員だけでなくてもよい。例えば、ユーザ端末2は、本実施形態における各機能のうち少なくとも一つを利用するユーザによって操作されるものであてもよい。
【0016】
ユーザ端末2は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部とを有し、これらの構成要素がユーザ端末2の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。
【0017】
表示部は、例えば、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部は、現物アートの所有者が操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような表示部は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、ユーザ端末2の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、表示部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものとして説明する。
【0018】
入力部は、ユーザ端末2の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、現物アートの所有者は、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部が、現物アートの所有者によってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部に転送され、制御部が、必要に応じて、所定の制御や演算を実行し得る。
【0019】
通信部、記憶部及び制御部は、情報処理装置3と略同様のハードウェア構成を備える。次に説明する情報処理装置3における通信部31、記憶部32及び制御部33の記載を参照されたい。
【0020】
1.3 情報処理装置3
図2は、情報処理装置3のハードウェア構成を示すブロック図である。情報処理装置3は、通信部31と、記憶部32と、制御部33を備え、これらの構成要素が情報処理装置3の内部において通信バス30を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0021】
(通信部31)
通信部31は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。
【0022】
(記憶部32)
記憶部32は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部33によって実行される情報処理装置3に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組合せであってもよい。
【0023】
(制御部33)
制御部33は、情報処理装置3に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部33は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部33は、記憶部32に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、情報処理装置3に係る種々の機能を実現する。すなわち、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部(
図3参照)として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部33は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部33を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0024】
1.4 管理者端末4
管理者端末4は、従業員を管理する管理者または特典付与に関わる組織に属する管理者が操作するものである。管理者端末4は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じてユーザ端末2及び情報処理装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。
【0025】
管理者端末4は、表示部と、入力部と、通信部と、記憶部と、制御部と、撮像部とを有し、これらの構成要素が外部の管理者端末4の内部において通信バスを介して電気的に接続されている。各構成要素の説明はユーザ端末2及び情報処理装置3の記載を参照されたい。
【0026】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。
図3は、情報処理装置3の機能を示す機能ブロック図である。前述の通り、ソフトウェア(記憶部32に記憶されている)による情報処理がハードウェア(制御部33)によって具体的に実現されることで、制御部33に含まれる各機能部として実行されうる。
【0027】
具体的には、情報処理装置3(制御部33)は、各機能部として、取得部331と、分析部332と、表示制御部333と、付与部334とを備える。
【0028】
取得部331は、取得ステップを実行可能に構成される。具体的には、取得部331は、通信部31又は記憶部32を介して情報を受け付け、これを作業メモリに読出可能に構成される。特に、取得部331は、ユーザ端末2からネットワーク及び通信部31を介して種々の情報を受け付けるように構成される。本実施形態では、取得部331が取得した種々の情報は、記憶部32に記憶されるものとして説明する。特に、取得部331は、ユーザ情報21と、第1情報5と、第2情報6とをユーザ端末2から受け付ける。第2情報6には、ユーザのバイタル状態が含まれる。また、取得部331は、ユーザ端末2を介してユーザに対して行なった質問に対する回答情報62を第2情報6として取得してもよい。
【0029】
分析部332は、第1情報5と、第2情報6とに基づき、第1情報5及び第2情報6の関係を分析する。詳細は後述する。
【0030】
表示制御部333は、表示制御ステップを実行可能に構成される。具体的には、表示制御部333は、記憶部32に記憶された種々の情報又はこれらを含む画面等を、ユーザ端末2で視認可能な態様で表示させる。具体的には、表示制御部333は、画面、画像、アイコン、メッセージ等の視覚情報50を、ユーザ端末2の表示部に表示させるように制御する。表示制御部333は、視覚情報50をユーザ端末2に表示させるためのレンダリング情報だけを生成してもよい。
【0031】
付与部334は、付与ステップを実行可能に構成される。具体的には、付与部334は、所定の条件を満たしたユーザに対して、特典を付与する。詳細は後述する。
【0032】
3.情報処理の詳細
第3節では、イメージ図を参照しながら、アクティビティ図に沿って情報処理装置3により実行される情報処理方法について説明する。
図4は、情報処理装置3による情報処理の一例を示すアクティビティ図である。なお、以下の処理の順番は適宜入れ替えることができ、複数の処理が同時に実行されてもよいし、その全ての処理を実行しなくてもよい。下記に示す通り、情報処理方法は、情報処理装置3における各ステップを備える。
【0033】
取得部331は、ネットワーク及び通信部を介してユーザ端末2または管理者端末4からユーザ情報21を取得する(アクティビティA101)。
図5は、ユーザ情報21の一例を示すイメージ図である。
図5で示すように、ユーザ情報21には、ユーザの氏名、所属、所属部署、階級、年齢、性別等、ユーザの属性を含む種々の情報が含まれる。記憶部32は、所属組織ごとにユーザ情報21を関連付けて記憶する。
【0034】
ここで、ユーザ端末2を操作するユーザは、ユーザ同士で第1情報5を送受信可能である。第1情報5は、ユーザ間で送受信された、視覚情報50と電子的価値媒体51とのうち少なくとも一つの送受信履歴を含む。
【0035】
視覚情報50は、スタンプと、アイコンと、メッセージと、絵文字とのうち少なくとも一つを含む。すなわち、ユーザ同士は、任意のタイミングで、オブジェクト(例えば、スタンプ、アイコン、絵文字等)、メッセージ等を贈り合うことができる。任意のタイミングとは、例えば、視覚情報50を贈る相手に感謝の気持ちを示したいタイミングである。この場合、視覚情報50は、感謝の気持ちを示す情報である。換言すると、ユーザ端末2を操作するユーザは、視覚情報50または電子的価値媒体51を交換することができる。
【0036】
電子的価値媒体51は、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨とのうち少なくとも一つを含む。すなわち、ユーザ同士は、任意のタイミングで、電子的価値媒体51を贈り合うことができる。また、ユーザは、電子的価値媒体51を用いて、商品に換えることができる。なお、電子的価値媒体51を商品に換えるための条件として、管理者端末4によって、電子的価値媒体51を商品に換えるための必要金額以上、現金がチャージされている必要がある。
【0037】
取得部331は、ネットワーク及び通信部を介してユーザ間で送受信可能な電子媒体に関する第1情報5を取得する。具体的には、取得部331は、ユーザ間で送受信された第1情報5の送受信履歴を取得する(アクティビティA102)。
図6は、電子的価値媒体51の送受信履歴を示すイメージ図である。
図6で示すように、第1情報5の送受信履歴には、電子的価値媒体51の贈与者または受信者に関する情報と、交換された電子的価値媒体51の数、贈与者と受贈者との関係性等の情報が含まれる。
【0038】
次に、分析部332は、第1情報5に基づいて、第1情報5についてのユーザの交換行動を分析する(アクティビティA103)。交換行動には、送受信した第1情報5に関する一定期間あたりの合計または平均、第1情報5の送受信頻度、送受信相手の属性等が含まれる。
図7は、交換行動の分析結果を示すイメージ図である。
図7で示すように、分析部332は、例えば、電子的価値媒体51を贈与したポイント数の合計、贈与回数、贈与に際しての1回あたりのポイント数の合計、贈与相手の氏名または属性、贈与頻度等を分析する。また、分析部332は、電子的価値媒体51を受贈したポイント数の合計、受贈回数、受贈に際しての1回あたりのポイント数の合計、受贈相手の氏名または属性、受贈頻度等を分析する。
【0039】
また、表示制御部333は、通信部31およびネットワークを介してユーザのメンタルヘルスに関する質問情報61をユーザ端末2に表示させる(アクティビティA104)。
図8は、ユーザ端末2に表示される質問情報61の一例である。質問情報61は、ユーザのメンタルヘルスに関する質問を含み、仕事、人間関係、健康問題、恋愛問題等、多岐にわたるものであることが好ましい。
図8で示すように、ユーザは、ユーザ端末2を用いて表示された質問に対する回答を入力する。ユーザが回答を終了すると、回答結果は回答情報62として情報処理装置3に送信される。すなわち、回答情報62は、ユーザに提示された質問に対する回答を示す。
【0040】
その後、取得部331は、ネットワークおよび通信部31を介して回答情報62を取得する(アクティビティA105)。このとき、付与部334は、質問に対する回答を行なったユーザに対して、電子的価値媒体51を付与してもよい。
【0041】
なお、回答情報の取得は、上述した態様に限られない。取得部331は、外部のAPI(Application Programming Interface)を用いて回答情報を取得したり、ユーザのチャットツール等のアカウントを預かって回答情報を取得してもよく、取得部331は、メールを介して回答情報62を取得してもよい。
【0042】
回答情報62を取得すると、分析部332は、回答情報62に基づき、ユーザの健康状態を分析する(アクティビティA106)。具体的には例えば、分析部332は、回答情報62と参照情報に基づき、ユーザのメンタルヘルスを含む健康状態を数値化する。参照情報には、回答情報62に対応する、予め設定された指標が含まれる。このとき、表示制御部333は、この健康状態の分析結果を、第2情報6として表示させてもよい。分析結果は、第2情報6として記憶部32に記憶される。
【0043】
そして、分析部332は、第1情報5と、予め記憶された、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報6とに基づき、第1情報5と、健康状態との相関関係を分析する。具体的には、分析部332は、アクティビティA103で分析されたユーザの交換行動と、アクティビティA106で分析された健康状態との関連性を分析する(アクティビティA107)。そして、分析部332は、分析結果と参照情報とに基づいて、特典付与の達成条件を決定する(アクティビティA108)。具体的には例えば、分析部332は、ユーザの交換行動のなかから、ユーザの健康状態と正の相関にあるユーザの交換行動を特定する。分析部332は、特定された交換行動と参照情報に基づいて、特典付与の達成条件を設定する。例えば、分析部332は、特定された交換行動に関連する交換行動を特典付与の達成条件に設定する。なお、なお、このとき、表示制御部333は、特定された交換行動または相関関係の分析結果を、特典付与に関わる組織に属する管理者が操作する管理者端末4に表示させてもよい。また、取得部331は、管理者端末4から、条件の設定に関する種々の入力操作を受け付け、受け付けた条件の設定に関する情報は、参照情報として記憶部32に記憶される。
【0044】
図9は、電子的価値媒体51の贈与人数とユーザの健康状態との相関を示すイメージ図である。
図9では、電子的価値媒体51の贈与人数とユーザの健康状態に相関がある場合の例が示される。また、
図9で示すように、所定期間あたりの贈与人数の平均が7回であるユーザの健康スコアが高いものとする。この場合、分析部332は、例えば、特典付与の達成条件を「所定期間あたりにおける電子的価値媒体51の贈与人数が7人であること」に決定する。このように、分析部332は、第1情報5に対するユーザの交換行動を、項目ごとに、健康状態のスコアを参照して分析してもよい。
【0045】
次に、表示制御部333は、ユーザ端末2に達成条件を表示させる。そして、付与部334は、ユーザが達成条件を満たした場合、特典を付与する(アクティビティA109)。このように、付与部334は、第1情報5と第2情報6との相関関係に基づき、ユーザに対して特典を付与する。
【0046】
以上をまとめると、本実施形態に係る情報処理方法は、情報処理装置3により実行される。情報処理方法は、情報処理装置3における各ステップを備える。具体的には、情報処理方法は、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを備える。取得ステップでは、ユーザ間で送受信された第1情報5を取得する。分析ステップでは、第1情報5と、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報6とに基づき、第1情報5と、健康状態との相関関係を分析する。付与ステップでは、相関関係に基づき、ユーザに対して特典を付与する。
【0047】
また、別の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、情報処理装置3における各ステップを実行させる。具体的には、プログラムは、コンピュータに、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを備える。取得ステップでは、ユーザ間で送受信された第1情報5を取得する。分析ステップでは、第1情報5と、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報6とに基づき、第1情報5と、健康状態との相関関係を分析する。付与ステップでは、相関関係に基づき、ユーザに対して特典を付与する。
【0048】
また、別の態様によれば、情報処理方法は、取得ステップと、分析ステップと、表示制御部ステップとを備える。取得ステップでは、ユーザ間で送受信された第1情報5を取得する。分析ステップでは、第1情報5と、ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報6とに基づき、第1情報5と、健康状態との相関関係を分析する。表示制御ステップでは、相関関係の分析結果を表示させる。
【0049】
このような構成により、従業員同士でやり取りされた情報に基づいて、従業員の健康増進を支援する技術を提供することができる。具体的には、ユーザが健康の維持増進に関係のある交換行動を行うことを条件に特典を付与することで、ユーザの健康増進を支援することができる。
【0050】
また、本構成によれば、スタンプを贈り合ったことに対するユーザの心情変化を分析し、従業員に対して適切なアドバイスをすることができる。例えば、何かのイベントなどでスタンプやラフコインを多く受け取った日や、その次の日のメンタル状態や集中力が良いことが分析結果として出力された場合、多くスタンプを受け取った後は生産性が上がる人であることがわかる。この場合、管理者に対して、その人には積極的に御礼の言葉を伝えると良いことを伝えることができる。また例えば、スタンプを多く受け取った後に、メンタル状態が悪い場合、イベント後に集中力が欠けがちな人であることがわかる。その場合は、従業員に対して、管理者が「気持ちを切り替えて頑張りましょう」などのアドバイスを送ったりすることが可能となる。
[その他]
【0051】
分析部332は、感謝の気持ちを示す第1情報5だけでなく、贈った第1情報5の種類やタイミングを分析してもよい。例えば、分析部332は、カレンダーに含まれる従業員のイベント開催日時と照らし合わせて結果を蓄積し、第1情報5の送受信が多くなる期間を分析および推測してもよい。
【0052】
分析部332は、第1情報5と、第2情報6とに基づき、第1情報5の受信前後におけるユーザの健康状態の変化を分析してもよい。健康状態は、精神状態と、バイタル状態とのうち少なくとも一つを示す。バイタル状態には、ユーザの歩数、睡眠時間、自律神経、脈拍、体温に関する計測結果等を含む。
【0053】
【0054】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0055】
(1)情報処理装置であって、制御部を備え、前記制御部は、取得ステップと、分析ステップと、付与ステップとを実行するように構成され、前記取得ステップでは、ユーザ間で送受信可能な電子媒体に関する第1情報を取得し、前記分析ステップでは、前記第1情報と、前記ユーザの健康状態に関する調査結果を含む第2情報とに基づき、前記第1情報と前記健康状態との相関関係を分析し、前記付与ステップでは、前記相関関係に基づき、前記ユーザに対して特典を付与する、情報処理装置。
【0056】
(2)上記(1)に記載の情報処理装置において、前記第1情報は、ユーザ間で送受信された、視覚情報と電子的価値媒体とのうち少なくとも一つの送受信履歴を含む、情報処理装置。
【0057】
(3)上記(2)に記載の情報処理装置において、前記視覚情報は、スタンプと、アイコンと、メッセージと、絵文字とのうち少なくとも一つを含む、情報処理装置。
【0058】
(4)上記(2)又は(3)に記載の情報処理装置において、前記電子的価値媒体は、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨とのうち少なくとも一つを含む、情報処理装置。
【0059】
(5)上記(1)~(4)の何れか1つに記載の情報処理装置において、前記健康状態は、精神状態と、バイタル状態とのうち少なくとも一つを示し、前記分析ステップでは、前記第1情報と、前記第2情報とに基づき、前記第1情報の受信前後における前記ユーザの健康状態の変化を分析する、情報処理装置。
【0060】
(6)上記(1)~(5)の何れか1つに記載の情報処理装置において、前記制御部は、表示制御ステップをさらに実行するように構成され、前記表示制御ステップでは、前記相関関係の分析結果を表示させる、情報処理装置。
【0061】
(7)上記(6)に記載の情報処理装置において、前記取得ステップでは、前記ユーザに提示された質問に対する回答を示す回答情報を取得し、前記分析ステップでは、前記回答情報に基づき、前記ユーザの健康状態を分析し、前記表示制御ステップでは、前記健康状態の分析結果を、前記第2情報として表示させる、情報処理装置。
【0062】
(8)上記(7)に記載の情報処理装置において、前記電子的価値媒体は、電子マネー、電子ポイント、仮想通貨とのうち少なくとも一つを含み、前記付与ステップでは、前記質問に対する回答を行なったユーザに対して、前記電子的価値媒体を付与する、情報処理装置。
【0063】
(9)情報処理装置が実行する情報処理方法であって、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを備える、情報処理方法。
【0064】
(10)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(8)の何れか1つに記載の情報処理装置における各ステップを実行させる、プログラム。
もちろん、この限りではない。
【0065】
最後に、本発明に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0066】
1 :情報処理システム
2 :ユーザ端末
2-1 :ユーザ端末
2-N :ユーザ端末
21 :ユーザ情報
3 :情報処理装置
30 :通信バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
331 :取得部
332 :分析部
333 :表示制御部
334 :付与部
4 :管理者端末
5 :第1情報
50 :視覚情報
51 :電子的価値媒体
6 :第2情報
61 :質問情報
62 :回答情報