(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023008767
(43)【公開日】2023-01-19
(54)【発明の名称】車両用サンバイザモジュール
(51)【国際特許分類】
B60Q 3/82 20170101AFI20230112BHJP
B60J 3/02 20060101ALI20230112BHJP
H01H 3/16 20060101ALI20230112BHJP
B60Q 3/252 20170101ALI20230112BHJP
B60Q 3/74 20170101ALI20230112BHJP
【FI】
B60Q3/82
B60J3/02 P
B60J3/02 F
H01H3/16 A
B60Q3/252
B60Q3/74
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021205511
(22)【出願日】2021-12-17
(31)【優先権主張番号】P 2021112296
(32)【優先日】2021-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】599041329
【氏名又は名称】共和産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】原口 貴史
【テーマコード(参考)】
3K040
5G025
【Fターム(参考)】
3K040AA02
3K040DA02
3K040GA03
3K040GC01
3K040GC12
5G025AA06
5G025BA09
5G025CA05
(57)【要約】
【課題】照明装置への電力の供給を安定的に行うことができ、さらには、車両用サンバイザの構成を簡素な構成としつつも照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすること。
【解決手段】ガーニッシュ部11は、照明装置15、第1誘導形スイッチ31、及び第2誘導形スイッチ32を備える。よって、天井から配線を車両用サンバイザ20のバイザ本体21に引き込んで、配線を照明装置15に接続する必要が無い。車両用サンバイザ20は、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切換可能な第1マグネット41、及び第2誘導形スイッチ32をオン状態とオフ状態とに切換可能な第2マグネット42を有する。よって、車両用サンバイザ20に第1マグネット41及び第2マグネット42を設けるだけで、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切り換えたり、第2誘導形スイッチ32をオン状態とオフ状態とに切り換えたりすることが可能となる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の天井の少なくとも一部を構成する天井部と、
前記天井部に隣接して配置される車両用サンバイザと、
車室内に光を照射する照明装置と、を備え、
前記車両用サンバイザは、
前記天井部に対して使用位置と格納位置との間で回動可能であるバイザ本体と、
前記バイザ本体に取り付けられるミラーと、を有し、
前記天井部は、
前記照明装置と、
オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる誘導形スイッチと、を備え、
前記車両用サンバイザは、前記誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットを有する車両用サンバイザモジュール。
【請求項2】
前記車両用サンバイザは、前記ミラーを露出させる開位置と前記ミラーを覆う閉位置とに前記バイザ本体に対して移動可能な蓋体を有し、
前記誘導形スイッチは、オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる第1誘導形スイッチを含み、
前記マグネットは、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記第1誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記閉位置に位置すると前記第1誘導形スイッチをオフ状態とする第1マグネットを含む請求項1に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項3】
前記誘導形スイッチは、オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる第2誘導形スイッチを含み、
前記マグネットは、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置すると前記第2誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記格納位置に位置すると前記第2誘導形スイッチをオフ状態とする第2マグネットを含み、
前記照明装置は、前記第1誘導形スイッチ及び前記第2誘導形スイッチそれぞれがオン状態になることで点灯するとともに、前記第1誘導形スイッチ及び前記第2誘導形スイッチの少なくとも一方がオフ状態となることにより消灯する請求項2に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項4】
前記第1マグネットは、前記蓋体に設けられている請求項2又は請求項3に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項5】
前記バイザ本体は、前記第1誘導形スイッチをオン状態とする磁界を発生する第3マグネットをさらに有し、
前記第1マグネットは、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記第3マグネットから発生する磁界から遠ざかって前記第1誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記閉位置に位置すると前記第3マグネットから発生する磁界を打ち消して前記第1誘導形スイッチをオフ状態とする請求項4に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項6】
前記第1マグネットは、前記バイザ本体における前記第1誘導形スイッチに対応する位置に設けられており、
前記バイザ本体は、前記第1マグネットを前記第1誘導形スイッチに対して離間する方向へ付勢する付勢部を有し、
前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に向けて移動するに伴い前記蓋体が前記付勢部の付勢力に抗して前記第1マグネットを押圧し、前記第1マグネットが前記第1誘導形スイッチに接近することで前記第1誘導形スイッチがオン状態となるとともに、前記蓋体が前記閉位置に位置すると前記付勢部の付勢力によって前記第1マグネットが前記蓋体によって押圧される前の元の位置に移動して前記第1誘導形スイッチがオフ状態となる請求項2又は請求項3に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項7】
前記車両用サンバイザは、前記マグネットを前記誘導形スイッチに対して接離する方向へ移動させるメカスイッチを有し、
前記マグネットは、前記メカスイッチの操作が行われることにより、前記誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能である請求項1に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項8】
前記天井部は、前記誘導形スイッチを1つ備え、
前記バイザ本体は、前記マグネットを1つ備え、
前記車両用サンバイザは、前記ミラーを露出させる開位置と前記ミラーを覆う閉位置とに前記バイザ本体に対して移動可能な蓋体を有し、
前記マグネットは、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置し、且つ前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記誘導形スイッチをオン状態とするとともに、少なくとも前記バイザ本体が前記天井部に対して前記格納位置に位置すると前記誘導形スイッチをオフ状態とする請求項1に記載の車両用サンバイザモジュール。
【請求項9】
前記マグネットは、前記バイザ本体における前記誘導形スイッチに対応する位置に設けられており、
前記バイザ本体は、前記マグネットを前記誘導形スイッチに対して離間する方向へ付勢する付勢部を有し、
前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置している状態において、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に向けて移動するに伴い前記蓋体が前記付勢部の付勢力に抗して前記マグネットを押圧し、前記マグネットが前記誘導形スイッチに接近することで前記誘導形スイッチがオン状態となるとともに、前記蓋体が前記閉位置に位置すると前記付勢部の付勢力によって前記マグネットが前記蓋体によって押圧される前の元の位置に移動して前記誘導形スイッチがオフ状態となる請求項8に記載の車両用サンバイザモジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用サンバイザモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、車両の天井前方には、車両用サンバイザが取り付けられている。車両用サンバイザは、車外からの光が車室内の搭乗者の目に直射することを防ぐために用いられる。車両用サンバイザは、天井の少なくとも一部を構成する天井部に隣接して配置されている場合がある。この場合、車両用サンバイザは、天井部に対して使用位置と格納位置との間で回動可能であるバイザ本体を有している。
【0003】
また、バイザ本体には、搭乗者が化粧鏡として利用するミラーが取り付けられている場合がある。このような場合、ミラーを夜間でも使用可能とするために、例えば特許文献1のように、車両用サンバイザに照明装置が内蔵されているものが知られている。照明装置は、車室内に光を照射する。また、特許文献1では、車両用サンバイザに誘導形スイッチが内蔵されている。誘導形スイッチは、オン状態となることで照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで照明装置を消灯させる。
【0004】
照明装置は、誘導形スイッチを経由して車両の電源に電気的に接続されている。そして、照明装置は、誘導形スイッチがオン状態となると、車両の電源からの電力の供給が行われて点灯するとともに、誘導形スイッチがオフ状態となると、車両の電源からの電力の供給が遮断されて消灯する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、例えば特許文献1のように、照明装置及び誘導形スイッチが車両用サンバイザに内蔵されている場合、例えば、車両の天井から配線を車両用サンバイザのバイザ本体に引き込んで、誘導形スイッチを経由した状態で照明装置に電気的に接続する必要がある。したがって、車両の電源から照明装置までの導電経路が長くなってしまい、配線を介した車両の電源から照明装置への電力の供給が不安定になってしまう虞がある。また、車両の天井から配線をバイザ本体に引き込むには、天井と車両用サンバイザとが連結されている限られた部位から配線をバイザ本体に引き込む必要があるため、車両用サンバイザの構成が複雑化してしまう。そこで、照明装置への電力の供給を安定的に行うことができ、さらには、車両用サンバイザの構成を簡素な構成としつつも照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決する車両用サンバイザモジュールは、車両の天井の少なくとも一部を構成する天井部と、前記天井部に隣接して配置される車両用サンバイザと、車室内に光を照射する照明装置と、を備え、前記車両用サンバイザは、前記天井部に対して使用位置と格納位置との間で回動可能であるバイザ本体と、前記バイザ本体に取り付けられるミラーと、を有し、前記天井部は、前記照明装置と、オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる誘導形スイッチと、を備え、前記車両用サンバイザは、前記誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットを有する。
【0008】
これによれば、天井部が、照明装置及び誘導形スイッチを備えているため、従来技術のように、例えば、車両の天井から配線を車両用サンバイザのバイザ本体に引き込んで、配線を照明装置に電気的に接続する必要が無い。したがって、車両の電源から照明装置までの導電経路を短くすることができるため、照明装置への電力の供給を安定的に行うことができる。
【0009】
そして、車両用サンバイザは、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットを有している。したがって、車両用サンバイザにマグネットを設けるだけで、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることが可能となる。よって、車両用サンバイザの構成を簡素な構成としつつも照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。以上により、照明装置への電力の供給を安定的に行うことができ、さらには、車両用サンバイザの構成を簡素な構成としつつも照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。
【0010】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記車両用サンバイザは、前記ミラーを露出させる開位置と前記ミラーを覆う閉位置とに前記バイザ本体に対して移動可能な蓋体を有し、前記誘導形スイッチは、オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる第1誘導形スイッチを含み、前記マグネットは、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記第1誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記閉位置に位置すると前記第1誘導形スイッチをオフ状態とする第1マグネットを含むとよい。
【0011】
これによれば、蓋体をバイザ本体に対して開位置に位置させると、第1マグネットが第1誘導形スイッチをオン状態とし、照明装置を点灯させることができる。また、蓋体をバイザ本体に対して閉位置に位置させると、第1マグネットが第1誘導形スイッチをオフ状態とし、照明装置を消灯させることができる。このように、蓋体におけるバイザ本体に対する位置を変更することにより、照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。
【0012】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記誘導形スイッチは、オン状態となることで前記照明装置を点灯させるとともにオフ状態となることで前記照明装置を消灯させる第2誘導形スイッチを含み、前記マグネットは、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置すると前記第2誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記格納位置に位置すると前記第2誘導形スイッチをオフ状態とする第2マグネットを含み、前記照明装置は、前記第1誘導形スイッチ及び前記第2誘導形スイッチそれぞれがオン状態になることで点灯するとともに、前記第1誘導形スイッチ及び前記第2誘導形スイッチの少なくとも一方がオフ状態となることにより消灯するとよい。
【0013】
これによれば、照明装置は、第1誘導形スイッチ及び第2誘導形スイッチそれぞれがオン状態になることで点灯する。つまり、バイザ本体を天井部に対して使用位置に位置させ、且つ蓋体をバイザ本体に対して開位置に位置させたときにのみ、照明装置が点灯する。したがって、搭乗者が化粧鏡としてミラーを利用するときに照明装置を点灯させることができる。
【0014】
また、照明装置は、第1誘導形スイッチ及び第2誘導形スイッチの少なくとも一方がオフ状態となることにより消灯する。したがって、例えば、蓋体をバイザ本体に対して閉位置に位置させていなかったとしても、バイザ本体を天井部に対して格納位置に位置させることで、照明装置を消灯させることができる。よって、照明装置を消灯し忘れてしまうことを回避することができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0015】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記第1マグネットは、前記蓋体に設けられているとよい。
これによれば、第1マグネットが蓋体と一体的に移動するため、蓋体におけるバイザ本体に対する移動に連動して、第1誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。
【0016】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記バイザ本体は、前記第1誘導形スイッチをオン状態とする磁界を発生する第3マグネットをさらに有し、前記第1マグネットは、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記第3マグネットから発生する磁界から遠ざかって前記第1誘導形スイッチをオン状態とするとともに、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記閉位置に位置すると前記第3マグネットから発生する磁界を打ち消して前記第1誘導形スイッチをオフ状態とするとよい。
【0017】
これによれば、第1マグネットが発生する磁界の範囲外に第1誘導形スイッチを配置しても、バイザ本体が第3マグネットを有することで、第1誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、第1誘導形スイッチにおける天井部に対する配置位置や、第1マグネットにおける車両用サンバイザに対する配置位置の自由度の向上を図ることができる。
【0018】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記第1マグネットは、前記バイザ本体における前記第1誘導形スイッチに対応する位置に設けられており、前記バイザ本体は、前記第1マグネットを前記第1誘導形スイッチに対して離間する方向へ付勢する付勢部を有し、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に向けて移動するに伴い前記蓋体が前記付勢部の付勢力に抗して前記第1マグネットを押圧し、前記第1マグネットが前記第1誘導形スイッチに接近することで前記第1誘導形スイッチがオン状態となるとともに、前記蓋体が前記閉位置に位置すると前記付勢部の付勢力によって前記第1マグネットが前記蓋体によって押圧される前の元の位置に移動して前記第1誘導形スイッチがオフ状態となるとよい。
【0019】
これによれば、第1マグネットを蓋体に設けなくても、第1マグネットによって、第1誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、蓋体の構成を簡素化することができる。
【0020】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記車両用サンバイザは、前記マグネットを前記誘導形スイッチに対して接離する方向へ移動させるメカスイッチを有し、前記マグネットは、前記メカスイッチの操作が行われることにより、前記誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能であるとよい。
【0021】
このような構成は、例えば、車両用サンバイザが、ミラーを露出させる開位置とミラーを覆う閉位置とにバイザ本体に対して移動可能な蓋体を有していない構成の場合に好適である。
【0022】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記天井部は、前記誘導形スイッチを1つ備え、前記バイザ本体は、前記マグネットを1つ備え、前記車両用サンバイザは、前記ミラーを露出させる開位置と前記ミラーを覆う閉位置とに前記バイザ本体に対して移動可能な蓋体を有し、前記マグネットは、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置し、且つ前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に位置すると前記誘導形スイッチをオン状態とするとともに、少なくとも前記バイザ本体が前記天井部に対して前記格納位置に位置すると前記誘導形スイッチをオフ状態とするとよい。
【0023】
これによれば、バイザ本体を天井部に対して使用位置に位置させ、且つ蓋体をバイザ本体に対して開位置に位置させると、マグネットが誘導形スイッチをオン状態とし、照明装置を点灯させることができる。そして、少なくともバイザ本体を天井部に対して格納位置に位置させることで、マグネットが誘導形スイッチをオフ状態とし、照明装置を消灯させることができる。したがって、例えば、蓋体をバイザ本体に対して閉位置に位置させていなかったとしても、バイザ本体を天井部に対して格納位置に位置させることで、照明装置を消灯させることができる。よって、照明装置を消灯し忘れてしまうことを回避することができ、省エネルギー化を図ることができる。さらには、マグネットと誘導形スイッチとをそれぞれ1つだけ用いるだけで、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。
【0024】
上記車両用サンバイザモジュールにおいて、前記マグネットは、前記バイザ本体における前記誘導形スイッチに対応する位置に設けられており、前記バイザ本体は、前記マグネットを前記誘導形スイッチに対して離間する方向へ付勢する付勢部を有し、前記バイザ本体が前記天井部に対して前記使用位置に位置している状態において、前記蓋体が前記バイザ本体に対して前記開位置に向けて移動するに伴い前記蓋体が前記付勢部の付勢力に抗して前記マグネットを押圧し、前記マグネットが前記誘導形スイッチに接近することで前記誘導形スイッチがオン状態となるとともに、前記蓋体が前記閉位置に位置すると前記付勢部の付勢力によって前記マグネットが前記蓋体によって押圧される前の元の位置に移動して前記誘導形スイッチがオフ状態となるとよい。
【0025】
これによれば、バイザ本体が天井部に対して使用位置に位置している状態において、蓋体をバイザ本体に対して開位置と閉位置とに切り換えるだけで、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、例えば、蓋体にマグネットを設ける必要が無いため、蓋体の構成を簡素化することができる。
【発明の効果】
【0026】
この発明によれば、照明装置への電力の供給を安定的に行うことができ、さらには、車両用サンバイザの構成を簡素な構成としつつも照明装置を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】実施形態における車両用サンバイザモジュールを説明するための斜視図である。
【
図2】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して閉位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図3】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図4】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図5】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して開位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図6】別の実施形態におけるバイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して閉位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図7】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して開位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図8】別の実施形態におけるバイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して閉位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図9】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して開位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図10】別の実施形態におけるメカスイッチの操作部が第1切換位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図11】メカスイッチの操作部が第2切換位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図12】別の実施形態におけるバイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して閉位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図13】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図16】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置し、且つ蓋体がバイザ本体に対して開位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図17】バイザ本体がガーニッシュ部に対して使用位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図18】マグネットと誘導形スイッチとの位置関係を模式的に示す図である。
【
図19】バイザ本体がガーニッシュ部に対して格納位置に位置している状態を模式的に示す図である。
【
図20】マグネットと誘導形スイッチとの位置関係を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、車両用サンバイザモジュールを具体化した一実施形態を
図1~
図5にしたがって説明する。
(車両用サンバイザモジュール10の全体構成)
図1及び
図2に示すように、車両用サンバイザモジュール10は、天井部であるガーニッシュ部11と、車両用サンバイザ20と、照明装置15と、を備えている。車両用サンバイザ20は、車外からの光が車室内の搭乗者の目に直射することを防ぐために用いられる。照明装置15は、車室内に光を照射する。車両用サンバイザモジュール10は、ガーニッシュ部11が、例えば、ボルト等の締結部材によって車両の天井に固定されることにより、車両の天井前方に取り付けられている。車両用サンバイザ20は、ガーニッシュ部11に隣接して配置されている。
【0029】
(ガーニッシュ部11の構成)
図2に示すように、ガーニッシュ部11は、ガーニッシュ本体12を有している。ガーニッシュ本体12は、樹脂材料製である。ガーニッシュ本体12は、天井の一部を構成する板状である。したがって、ガーニッシュ部11は、車両の天井前方の一部を構成している。ガーニッシュ部11は、フック13を有している。フック13は、ガーニッシュ本体12から下方へ突出している。フック13は、樹脂材料製である。
【0030】
(照明装置15について)
図2及び
図3に示すように、ガーニッシュ部11は、照明装置15を備えている。ガーニッシュ本体12には、照明装置15から照射される光が出射される出射孔12hが形成されている。照明装置15は、照明装置15から照射される光が出射孔12hを通過して出射孔12hから車室内に向けて出射可能な状態で、ガーニッシュ本体12に取り付けられている。
【0031】
図3に示すように、照明装置15は、ガーニッシュ本体12における車室内とは反対側の面に対して、例えば、ボルトなどの締結部材によって取り付けられている。したがって、照明装置15は、ガーニッシュ部11に一体化されている。なお、照明装置15は、例えば、灯体としてのLEDチップやLEDチップの駆動を制御する制御基板などから構成されるLEDライトモジュールである。
【0032】
(第1誘導形スイッチ31の構成)
図2及び
図4に示すように、ガーニッシュ部11は、第1誘導形スイッチ31を備えている。第1誘導形スイッチ31は、オン状態となることで照明装置15を点灯させるとともにオフ状態となることで照明装置15を消灯させる誘導形スイッチである。なお、
図2では、第1誘導形スイッチ31のスイッチ回路を模式的に示し、
図4では、第1誘導形スイッチ31のスイッチ回路等を収容するケースを模式的に示している。第1誘導形スイッチ31は、磁界が作用するとオン状態となり、磁界が作用しなくなるとオフ状態となるノーマルオープン型のリードスイッチである。第1誘導形スイッチ31は、ガーニッシュ本体12に取り付けられている。したがって、第1誘導形スイッチ31は、ガーニッシュ部11に一体化されている。
【0033】
(第2誘導形スイッチ32の構成)
図2及び
図3に示すように、ガーニッシュ部11は、第2誘導形スイッチ32を備えている。第2誘導形スイッチ32は、オン状態となることで照明装置15を点灯させるとともにオフ状態となることで照明装置15を消灯させる誘導形スイッチである。したがって、誘導形スイッチは、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32を含む。なお、
図2では、第2誘導形スイッチ32のスイッチ回路を模式的に示し、
図3では、第2誘導形スイッチ32のスイッチ回路等を収容するケースを模式的に示している。第2誘導形スイッチ32は、磁界が作用するとオフ状態となり、磁界が作用しなくなるとオン状態となるノーマルクローズ型のリードスイッチである。第2誘導形スイッチ32は、ガーニッシュ本体12に取り付けられている。したがって、第2誘導形スイッチ32は、ガーニッシュ部11に一体化されている。
【0034】
(導電経路について)
図2に示すように、車両用サンバイザモジュール10は、配線33を備えている。配線33は、車両の電源34からの電力を照明装置15へ供給する。したがって、照明装置15は、配線33を介して車両の電源34に電気的に接続されている。配線33は、車両の電源34から照明装置15、第2誘導形スイッチ32、及び第1誘導形スイッチ31を経由してグランドに電気的に接続されている。配線33は、例えば、ガーニッシュ本体12における車室内とは反対側の面に係止された状態で、ガーニッシュ本体12における車室内とは反対側の面上に配策されている。
【0035】
そして、照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32それぞれがオン状態となると、電源34からグランドに至る導電経路が形成され、電源34からの電力の供給が行われて点灯する。一方で、照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32の少なくとも一方がオフ状態となると、電源34からグランドに至る導電経路が形成されなくなり、電源34からの電力の供給が遮断されて消灯する。
【0036】
(車両用サンバイザ20の構成)
車両用サンバイザ20は、バイザ本体21と、ミラー22と、蓋体23と、有している。なお、
図2以降では、バイザ本体21、ミラー22、及び蓋体23それぞれの関係を模式的に示している。バイザ本体21は、樹脂材料製である。バイザ本体21は、一対のシェル状の半割体を重ね合わせて接合されることにより構成されている。バイザ本体21は、扁平板状である。バイザ本体21は、平面視すると、長四角形状である。バイザ本体21は、バイザ本体21の長手方向が車幅方向に一致するようにガーニッシュ部11に対して配置されている。
【0037】
車両用サンバイザ20は、アーム24を有している。アーム24は、略L字状に屈曲された円柱状である。アーム24の一端は、ブラケット25を介してガーニッシュ部11に支持されている。アーム24の他端は、バイザ本体21の図示しない軸受部に挿し込まれている。
【0038】
図3に示すように、バイザ本体21は、アーム24を回動中心としてガーニッシュ部11に対して回動可能である。バイザ本体21は、ガーニッシュ部11に対して使用位置と格納位置との間で回動可能である。なお、
図1及び
図3では、バイザ本体21が使用位置に位置している状態を実線で示し、バイザ本体21が格納位置に位置している状態を二点鎖線で示している。そして、バイザ本体21が使用位置に位置すると、バイザ本体21は、車外からの光が車室内の搭乗者の目に直射することを防ぐ。
【0039】
図1及び
図2に示すように、バイザ本体21の縁部には、切欠21aが形成されている。また、車両用サンバイザ20は、円柱状の係止部26を有している。係止部26は、切欠21aの内縁におけるバイザ本体21の長手方向の両側に位置する部位を架け渡すようにバイザ本体21に対して設けられている。係止部26は、フック13に係止可能である。バイザ本体21は、係止部26がフック13に係止された状態で、アーム24を回動中心としてガーニッシュ部11に対して回動可能になっている。
【0040】
図5に示すように、バイザ本体21には、矩形状の開口21hが形成されている。開口21hは、平面視すると、略四角孔状である。また、バイザ本体21には、開口21hに連通するスライド機構27を有している。スライド機構27は、例えば、開口21hからバイザ本体21の長手方向に延びるレール等により構成されている。スライド機構27は、バイザ本体21の内部に設けられている。
【0041】
ミラー22は、バイザ本体21に取り付けられている。ミラー22は、平板状である。ミラー22は、ミラー22の厚み方向がバイザ本体21の厚み方向と一致した状態で、バイザ本体21に取り付けられている。ミラー22は、開口21hに嵌め込まれた状態でバイザ本体21に取り付けられている。
【0042】
図2及び
図5に示すように、蓋体23は、略長四角板状である。蓋体23は、樹脂材料製である。蓋体23は、スライド機構27に対してスライド移動可能に設けられている。蓋体23は、スライド機構27に沿って移動可能であり、開口21hに対して出没可能である。蓋体23は、スライド機構27によって開口21hに突出することにより、ミラー22を覆う。また、蓋体23は、スライド機構27によって開口21hからバイザ本体21の内部に没入することにより、ミラー22を露出させる。したがって、蓋体23は、ミラー22を露出させる開位置とミラー22を覆う閉位置とにバイザ本体21に対して移動可能である。なお、スライド機構27は、蓋体23を開位置と閉位置とにそれぞれ保持可能な構成になっている。
【0043】
(第1マグネット41について)
車両用サンバイザ20は、第1マグネット41を有している。なお、
図2以降では、第1マグネット41を模式的にドットハッチングで示している。第1マグネット41は、蓋体23に設けられている。第1マグネット41は、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、蓋体23におけるガーニッシュ部11側に位置する縁部に設けられている。第1マグネット41は磁界を発生する。そして、第1マグネット41は、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると第1誘導形スイッチ31をオン状態とするとともに、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると第1誘導形スイッチ31をオフ状態とする。したがって、第1マグネット41は、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットである。
【0044】
(第2マグネット42について)
図2及び
図3に示すように、車両用サンバイザ20は、第2マグネット42を有している。なお、
図2以降では、第2マグネット42を模式的にドットハッチングで示している。第2マグネット42は、バイザ本体21に内蔵されている。第2マグネット42は、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、バイザ本体21における開口21hとガーニッシュ部11との間に位置する部分に内蔵されている。第2マグネット42は、バイザ本体21における第2誘導形スイッチ32に対応する位置に設けられている。第2マグネット42は磁界を発生する。第2マグネット42は、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置すると第2誘導形スイッチ32をオン状態とするとともに、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置すると第2誘導形スイッチ32をオフ状態とする。したがって、第2マグネット42は、第2誘導形スイッチ32をオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットである。
【0045】
(第1マグネット41及び第2マグネット42の関係について)
このように、本実施形態においては、車両用サンバイザ20は、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切換可能なマグネットを有し、マグネットは、第1マグネット41及び第2マグネット42を含む。そして、照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32それぞれがオン状態になることで点灯するとともに、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32の少なくとも一方がオフ状態となることにより消灯する。
【0046】
(第3マグネット43について)
図2及び
図5に示すように、バイザ本体21は、第3マグネット43をさらに有している。なお、
図2以降では、第3マグネット43を模式的にドットハッチングで示している。第3マグネット43は、バイザ本体21に内蔵されている。第3マグネット43は、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、バイザ本体21におけるガーニッシュ部11側の縁部寄りに位置する部分に内蔵されている。第3マグネット43は、第1誘導形スイッチ31をオン状態とする磁界を発生する。第3マグネット43から発生する磁界の向きは、第1マグネット41から発生する磁界の向きとは逆向きである。
【0047】
(第1マグネット41と第3マグネット43との関係)
第3マグネット43は、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置するときに、第1マグネット41が第3マグネット43に対して最も近い位置となるようにバイザ本体21に設けられている。そして、第1マグネット41は、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると第3マグネット43から発生する磁界から遠ざかって第1誘導形スイッチ31をオン状態とする。一方で、第1マグネット41は、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると第3マグネット43から発生する磁界を打ち消して第1誘導形スイッチ31をオフ状態とする。
【0048】
(作用)
次に、本実施形態の作用について説明する。
例えば、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置し、且つ蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置しているとする。このとき、第1誘導形スイッチ31は、第1マグネット41が第3マグネット43から発生する磁界を打ち消すことでオフ状態となり、第2誘導形スイッチ32は、第2マグネット42の磁界が作用することによりオフ状態となる。これにより、照明装置15は、消灯した状態となっている。
【0049】
この状態から、例えば、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置すると、第2マグネット42が第2誘導形スイッチ32から遠ざかって、第2誘導形スイッチ32には第2マグネット42の磁界が作用しなくなる。これにより、第2誘導形スイッチ32がオン状態となる。
【0050】
続いて、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると、第1マグネット41が第3マグネット43から発生する磁界から遠ざかって、第1誘導形スイッチ31には第3マグネット43の磁界が作用する。これにより、第1誘導形スイッチ31がオン状態となる。その結果、照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32それぞれがオン状態となることで点灯する。
【0051】
一方で、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置し、且つ蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置しているとする。この状態から、例えば、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると、第1マグネット41が第3マグネット43に接近して、第1マグネット41が第3マグネット43から発生する磁界を打ち消す。これにより、第1誘導形スイッチ31には、第3マグネット43の磁界が作用しなくなり、第1誘導形スイッチ31がオフ状態となる。その結果、照明装置15は消灯する。
【0052】
また、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置し、且つ蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置しているとする。この状態から、例えば、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置した状態のまま、バイザ本体21をガーニッシュ部11に対して格納位置に位置させたとする。すると、第2マグネット42が第2誘導形スイッチ32に接近して、第2誘導形スイッチ32には第2マグネット42の磁界が作用する。これにより、第2誘導形スイッチ32がオフ状態となる。その結果、照明装置15は消灯する。
【0053】
(効果)
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)ガーニッシュ部11が、照明装置15、第1誘導形スイッチ31、及び第2誘導形スイッチ32を備えている。このため、従来技術のように、例えば、車両の天井から配線を車両用サンバイザ20のバイザ本体21に引き込んで、配線を照明装置15に電気的に接続する必要が無い。したがって、車両の電源34から照明装置15までの導電経路を短くすることができるため、照明装置15への電力の供給を安定的に行うことができる。
【0054】
そして、車両用サンバイザ20は、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切換可能な第1マグネット41、及び第2誘導形スイッチ32をオン状態とオフ状態とに切換可能な第2マグネット42を有している。したがって、車両用サンバイザ20に第1マグネット41及び第2マグネット42を設けるだけで、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切り換えたり、第2誘導形スイッチ32をオン状態とオフ状態とに切り換えたりすることが可能となる。よって、車両用サンバイザ20の構成を簡素な構成としつつも照明装置15を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。以上により、照明装置15への電力の供給を安定的に行うことができ、さらには、車両用サンバイザ20の構成を簡素な構成としつつも照明装置15を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。
【0055】
(2)蓋体23をバイザ本体21に対して開位置に位置させると、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31をオン状態とし、照明装置15を点灯させることができる。また、蓋体23をバイザ本体21に対して閉位置に位置させると、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31をオフ状態とし、照明装置15を消灯させることができる。このように、蓋体23におけるバイザ本体21に対する位置を変更することにより、照明装置15を容易に点灯させたり消灯させたりすることができる。
【0056】
(3)照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32それぞれがオン状態になることで点灯する。つまり、バイザ本体21をガーニッシュ部11に対して使用位置に位置させ、且つ蓋体23をバイザ本体21に対して開位置に位置させたときにのみ、照明装置15が点灯する。したがって、搭乗者が化粧鏡としてミラー22を利用するときに照明装置15を点灯させることができる。
【0057】
また、照明装置15は、第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32の少なくとも一方がオフ状態となることにより消灯する。したがって、例えば、蓋体23をバイザ本体21に対して閉位置に位置させていなかったとしても、バイザ本体21をガーニッシュ部11に対して格納位置に位置させることで、照明装置15を消灯させることができる。よって、照明装置15を消灯し忘れてしまうことを回避することができ、省エネルギー化を図ることができる。
【0058】
(4)第1マグネット41は、蓋体23に設けられている。これによれば、第1マグネット41が蓋体23と一体的に移動するため、蓋体23におけるバイザ本体21に対する移動に連動して、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。
【0059】
(5)バイザ本体21は、第1誘導形スイッチ31をオン状態とする磁界を発生する第3マグネット43をさらに有している。そして、第1マグネット41は、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると第3マグネット43から発生する磁界から遠ざかって第1誘導形スイッチ31をオン状態とする。一方で、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると第3マグネット43から発生する磁界を打ち消して第1誘導形スイッチ31をオフ状態とする。これによれば、第1マグネット41が発生する磁界の範囲外に第1誘導形スイッチ31を配置しても、バイザ本体21が第3マグネット43を有することで、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、第1誘導形スイッチ31におけるガーニッシュ部11に対する配置位置や、第1マグネット41における車両用サンバイザ20に対する配置位置の自由度の向上を図ることができる。
【0060】
(6)第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32は、磁界の作用の有無によってオン状態とオフ状態とに切り換わるため、例えば、メカスイッチのような動作音が生じ難い。したがって、静粛性を向上させることができる。
【0061】
(7)第1誘導形スイッチ31及び第2誘導形スイッチ32は、磁界の作用の有無によってオン状態とオフ状態とに切り換わるため、スイッチの接点数を極力抑えた設計にすることができる。したがって、構成の簡素化を図ることができる。
【0062】
(変更例)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0063】
・
図6及び
図7に示すように、第1マグネット41が、バイザ本体21における第1誘導形スイッチ31に対応する位置に設けられていてもよい。バイザ本体21は、付勢部51を有している。付勢部51は、第1マグネット41を第1誘導形スイッチ31に対して離間する方向へ付勢する圧縮ばねである。付勢部51は、バイザ本体21に内蔵されている。バイザ本体21は、第1マグネット41を支持する支持部材52を有している。支持部材52は、柱状の支持部52aと、支持部52aの一端から突出する板状の鍔部52bと、を有している。支持部材52は、支持部52aの軸方向が、バイザ本体21の長手方向に対して直交し、且つバイザ本体21の厚み方向にも直交する方向に一致した状態で、バイザ本体21に設けられている。第1マグネット41は、支持部52aの他端に取り付けられている。さらに、バイザ本体21は、付勢部51を支持するばね支持部53を有している。ばね支持部53は、筒状である。ばね支持部53は、バイザ本体21に内蔵されている。支持部52aの他端は、ばね支持部53の内側を通過している。付勢部51は、ばね支持部53と鍔部52bの間に介在されている。そして、付勢部51は、鍔部52bをばね支持部53に対して離間する方向へ付勢している。その結果、付勢部51は、第1マグネット41を第1誘導形スイッチ31に対して離間する方向へ付勢している。蓋体23は、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動すると、鍔部52bに当接可能である。
【0064】
図7に示すように、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動すると、蓋体23が鍔部52bに当接し、蓋体23が付勢部51の付勢力に抗して支持部材52を第1誘導形スイッチ31に向けて押圧する。これにより、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31に接近し、第1誘導形スイッチ31がオン状態となる。このように、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動するに伴い蓋体23が付勢部51の付勢力に抗して第1マグネット41を押圧する。そして、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31に接近することで第1誘導形スイッチ31がオン状態となる。
【0065】
図6に示すように、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると、付勢部51の付勢力によって支持部材52が蓋体23によって押圧される前の元の位置に復帰する。このように、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると付勢部51の付勢力によって第1マグネット41が蓋体23によって押圧される前の元の位置に移動して第1誘導形スイッチ31がオフ状態となる。このようにして、照明装置15を点灯させたり消灯させたりするようにしてもよい。
【0066】
・
図8及び
図9に示すように、第1誘導形スイッチ31が、例えば、フック13に内蔵されていてもよい。この場合、フック13は、中空状に形成されており、第1誘導形スイッチ31は、フック13の内部に収容されている。そして、
図9に示すように、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると、第1誘導形スイッチ31には第1マグネット41の磁界が作用し、第1誘導形スイッチ31はオン状態となる。一方で、
図8に示すように、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると、第1誘導形スイッチ31には第1マグネット41の磁界が作用しなくなり、第1誘導形スイッチ31はオフ状態となる。このようにして、照明装置15を点灯させたり消灯させたりするようにしてもよい。
【0067】
・
図10及び
図11に示すように、車両用サンバイザ20は、蓋体23を有していない構成であってもよい。そして、車両用サンバイザ20は、例えば、第1マグネット41を第1誘導形スイッチ31に対して接離する方向へ移動させるメカスイッチ60を有していてもよい。車両用サンバイザ20は、例えば、
図6及び
図7に示す実施形態で既に説明した付勢部51、支持部材52、及びばね支持部53を有している。
【0068】
バイザ本体21には、メカスイッチ60を案内する案内溝61が形成されている。メカスイッチ60は、案内溝61に沿って移動可能な操作部62と、操作部62と一体的に移動し支持部材52の鍔部52bに当接可能な当接部63と、を有している。操作部62は、案内溝61に沿って移動することにより、第1誘導形スイッチ31をオフ状態とする第1切換位置と、第1誘導形スイッチ31をオン状態とする第2切換位置と、に切換可能である。
【0069】
図11に示すように、メカスイッチ60の操作部62が第1切換位置から第2切換位置に向けて移動すると、当接部63が鍔部52bに当接し、当接部63が付勢部51の付勢力に抗して支持部材52を第1誘導形スイッチ31に向けて押圧する。これにより、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31に接近し、第1誘導形スイッチ31がオン状態となる。このように、操作部62が第1切換位置から第2切換位置に向けて移動するに伴い当接部63が付勢部51の付勢力に抗して第1マグネット41を押圧する。そして、第1マグネット41が第1誘導形スイッチ31に接近することで第1誘導形スイッチ31がオン状態となる。
【0070】
図10に示すように、メカスイッチ60の操作部62が第1切換位置に位置すると、付勢部51の付勢力によって支持部材52が当接部63によって押圧される前の元の位置に復帰する。このように、操作部62が第1切換位置に位置すると付勢部51の付勢力によって第1マグネット41が当接部63によって押圧される前の元の位置に移動して第1誘導形スイッチ31がオフ状態となる。したがって、第1マグネット41は、メカスイッチ60の操作が行われることにより、第1誘導形スイッチ31をオン状態とオフ状態とに切換可能である。このようにして、照明装置15を点灯させたり消灯させたりするようにしてもよい。
【0071】
・
図12及び
図13に示すように、車両用サンバイザモジュール10は、マグネット71と誘導形スイッチ72とをそれぞれ1つだけ備えている構成であってもよい。ガーニッシュ部11は、誘導形スイッチ72を1つ備えている。バイザ本体21は、マグネット71を1つ備えている。マグネット71は、例えば、長四角柱状である。マグネット71は、マグネット71の軸方向で着磁されている。マグネット71の軸方向において、マグネット71の第1端71aは、例えば、N極に着磁されており、マグネット71の第2端71bは、例えば、S極に着磁されている。なお、マグネット71は、マグネット71の第1端71aがS極に着磁されており、マグネット71の第2端71bがN極に着磁されている構成であってもよい。
【0072】
車両用サンバイザモジュール10は、マグネットスイッチ70を備えている。マグネットスイッチ70は、マグネット71を保持する。マグネットスイッチ70は、バイザ本体21に内蔵されている。したがって、バイザ本体21は、マグネットスイッチ70を有している。マグネットスイッチ70は、バイザ本体21における誘導形スイッチ72に対応する位置に設けられている。したがって、マグネット71は、バイザ本体21における誘導形スイッチ72に対応する位置に設けられている。
【0073】
図14及び
図15に示すように、マグネットスイッチ70は、ケーシング73と、移動体74と、付勢部75と、を有している。したがって、バイザ本体21は、付勢部75を有している。ケーシング73は、四角筒状である。ケーシング73は、樹脂材料製である。ケーシング73は、挿通孔73aを有している。挿通孔73aは、四角孔形状である。
【0074】
移動体74は、四角ブロック体である。移動体74は、樹脂材料製である。移動体74は、ホルダ部76を有している。ホルダ部76は、四角柱状である。ホルダ部76は、ケーシング73の挿通孔73aの内部を挿通可能である。そして、ホルダ部76の外面と挿通孔73aの内面とが接触することで、挿通孔73aの軸線を回転中心として、移動体74がケーシング73に対して回ってしまうことが規制されている。
【0075】
ホルダ部76には、長四角孔状の収容凹部76aが形成されている。収容凹部76aの長手方向は、ホルダ部76の軸方向に一致している。収容凹部76a内には、マグネット71が収容されている。マグネット71は、収容凹部76a内に収容された状態でホルダ部76に保持されている。マグネット71は、マグネット71の軸方向が収容凹部76aの長手方向と一致した状態で、収容凹部76a内に収容されている。
【0076】
移動体74は、ホルダ部76が突出する突出面74aを有している。突出面74aは、例えば、平坦面状である。突出面74aは、ホルダ部76の軸方向に対して直交する方向に延びている。なお、突出面74aは、平坦面状に限らず、突出面74aの形状は適宜変更可能である。また、移動体74は、湾曲面74bを有している。湾曲面74bは、移動体74における突出面74aとは反対側に位置する面である。湾曲面74bは、移動体74の第1側面74cから第2側面74dに向かうにつれて徐々に湾曲しながら傾斜している。湾曲面74bは、第1側面74cから離間するにつれて、突出面74aに対して徐々に離間しながら第2側面74dに向けて延びている。湾曲面74bは、突出面74aに対して凸となる面である。
【0077】
付勢部75は、圧縮ばねである。付勢部75は、ケーシング73と移動体74との間に介在されている。付勢部75は、移動体74をケーシング73に対して離間する方向へ付勢している。
【0078】
図12及び
図16に示すように、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態では、移動体74の湾曲面74bは、ケーシング73よりも誘導形スイッチ72に対して離間した位置にある。付勢部75は、移動体74を誘導形スイッチ72に対して離間する方向へ付勢している。その結果、付勢部75は、マグネット71を誘導形スイッチ72に対して離間する方向へ付勢する。また、移動体74の第1側面74cは、移動体74の第2側面74dよりもミラー22に近い位置にある。移動体74の移動方向は、蓋体23がスライド機構27に沿ってスライド移動する方向に対して直交する方向である。
図12及び
図13に示すように、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態では、移動体74の移動方向は、誘導形スイッチ72に対して接離する方向である。
【0079】
図16及び
図17に示すように、蓋体23は、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動すると、移動体74の湾曲面74bに当接可能である。蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動すると、蓋体23が移動体74の湾曲面74bに当接し、蓋体23が付勢部75の付勢力に抗して移動体74を誘導形スイッチ72に向けて押圧する。これにより、マグネット71が誘導形スイッチ72に接近する。
【0080】
図18に示すように、誘導形スイッチ72は、磁界が作用するとオン状態となり、磁界が作用しなくなるとオフ状態となるノーマルオープン型のリードスイッチである。具体的には、誘導形スイッチ72は、一対のリード片72aを有している。各リード片72aは、接点72sをそれぞれ有している。そして、誘導形スイッチ72は、各リード片72aの接点72s同士が接触することによりオン状態となる。一方、誘導形スイッチ72は、各リード片72aの接点72s同士が離間することによりオフ状態となる。
【0081】
図18では、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置しているときのマグネット71と誘導形スイッチ72との位置関係を示している。
図18に示すように、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態では、マグネット71は、一対のリード片72aのうちの一方に対応する位置に設けられている。バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態では、マグネット71の軸線L1は、誘導形スイッチ72の一部と交差している。具体的には、マグネット71の軸線L1は、一対のリード片72aのうちの一方と交差している。
【0082】
そして、例えば、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、移動体74が蓋体23に押圧されたとする。すると、マグネット71は、
図18に示すように、一対のリード片72aのうちの一方に接近する。このとき、マグネット71の第1端71aは、マグネット71の第2端71bよりも誘導形スイッチ72に近い位置にある。そして、マグネット71は、一対のリード片72aのうち、一方のリード片72aに近い位置にある。これにより、一対のリード片72aのうちの一方が磁化することになり、一対のリード片72aのうちの一方が、他方のリード片72aを磁力により引き付ける。その結果、各リード片72aの接点72s同士が接触した状態となり、誘導形スイッチ72がオン状態となる。
【0083】
したがって、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に向けて移動するに伴い蓋体23が付勢部75の付勢力に抗してマグネット71を押圧する。そして、マグネット71が誘導形スイッチ72に接近することで誘導形スイッチ72がオン状態となる。一方で、蓋体23がバイザ本体21に対して閉位置に位置すると付勢部75の付勢力によってマグネット71が蓋体23によって押圧される前の元の位置に移動する。そして、マグネット71が誘導形スイッチ72から離間することで誘導形スイッチ72がオフ状態となる。したがって、マグネット71は、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置し、且つ蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置すると誘導形スイッチ72をオン状態とする。
【0084】
図19に示すように、例えば、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置した状態のまま、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置したとする。すると、マグネット71は、バイザ本体21と一体的に回動して、誘導形スイッチ72に対する姿勢が変更される。
【0085】
図20では、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置しているときのマグネット71と誘導形スイッチ72との位置関係を示している。
図20に示すように、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置している状態では、マグネット71の軸線L1は、誘導形スイッチ72とは交差していない。そして、マグネット71の第1端71aと誘導形スイッチ72との距離L11、及びマグネット71の第2端71bと誘導形スイッチ72との距離L12がそれぞれ同等となる。これにより、一対のリード片72aのうちの一方が磁化しなくなり、一対のリード片72aのうちの一方が、他方のリード片72aを磁力により引き付けなくなる。その結果、各リード片72aの接点72s同士が離間した状態となり、誘導形スイッチ72がオフ状態となる。したがって、マグネット71は、少なくともバイザ本体21がガーニッシュ部11に対して格納位置に位置すると誘導形スイッチ72をオフ状態とする。
【0086】
上記構成によれば、バイザ本体21をガーニッシュ部11に対して使用位置に位置させ、且つ蓋体23をバイザ本体21に対して開位置に位置させると、マグネット71が誘導形スイッチ72をオン状態とし、照明装置15を点灯させることができる。そして、少なくともバイザ本体21をガーニッシュ部11に対して格納位置に位置させることで、マグネット71が誘導形スイッチ72をオフ状態とし、照明装置15を消灯させることができる。したがって、例えば、蓋体23をバイザ本体21に対して閉位置に位置させていなかったとしても、バイザ本体21をガーニッシュ部11に対して格納位置に位置させることで、照明装置15を消灯させることができる。よって、照明装置15を消灯し忘れてしまうことを回避することができ、省エネルギー化を図ることができる。さらには、マグネット71と誘導形スイッチ72とをそれぞれ1つだけ用いるだけで、誘導形スイッチ72をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。
【0087】
具体的には、例えば、マグネットを2つ用いて、誘導形スイッチをオン状態とオフ状態とに切り換える場合を考える。この場合、各マグネットの配置位置によっては、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置と格納位置との間を回動する際に、両マグネットから発生する磁界のどちらもが誘導形スイッチに届かない場合が生じる虞がある。さらには、マグネットを2つ用いる場合、両マグネットから発生する磁界同士が互いに影響を及ぼし合う虞があり、誘導形スイッチが正常に動作しない虞がある。しかしながら、上記構成のマグネットスイッチ70を採用すれば、マグネット71と誘導形スイッチ72とをそれぞれ1つだけ用いるだけで、誘導形スイッチ72をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、上述したような、マグネットを2つ用いる場合に生じる問題を回避することができる。
【0088】
また、バイザ本体21がガーニッシュ部11に対して使用位置に位置している状態において、蓋体23をバイザ本体21に対して開位置と閉位置とに切り換えるだけで、誘導形スイッチ72をオン状態とオフ状態とに切り換えることができる。したがって、例えば、蓋体23にマグネット71を設ける必要が無いため、蓋体23の構成を簡素化することができる。
【0089】
ところで、例えば、マグネットと誘導形スイッチとの間に遮蔽部材を配置して、マグネットから発生する磁界を遮蔽し、誘導形スイッチをオフ状態とすることが考えられる。そして、遮蔽部材を、例えば、蓋体23と一体的に設けて、遮蔽部材をバイザ本体21の内部を蓋体23と一体的にスライド移動させる構成が考えられる。このような構成は、バイザ本体21の内部において、蓋体23と一体的にスライド移動する遮蔽部材の移動領域にその他の部品等を配置することが不可能になるため、実現性に乏しい。一方で、上記構成のマグネットスイッチ70であれば、移動体74の移動方向は、蓋体23がスライド機構27に沿ってスライド移動する方向に対して直交する方向である。したがって、バイザ本体21の内部に配置されるその他の部品の配置に制約が生じ難く、部品レイアウトの自由度の向上を図ることができる。
【0090】
また、遮蔽部材が蓋体23と一体的にスライド移動する構成では、スライド機構27の構成に影響が生じる虞がある。しかしながら、上記構成のマグネットスイッチ70であれば、移動体74の移動方向は、蓋体23がスライド機構27に沿ってスライド移動する方向に対して直交する方向であるため、スライド機構27の構成に影響が生じ難い。したがって、スライド機構27の構成の変更を最小限に抑えることができる。
【0091】
また、遮蔽部材が蓋体23と一体的にスライド移動する構成では、遮蔽部材を含む蓋体23の体格が、開口21hに対して大きくなりがちであることから、蓋体23におけるバイザ本体21に対する組み付け手順に制約が生じる虞がある。また、遮蔽部材と蓋体23とがそれぞれ別部材である場合は、遮蔽部材と蓋体23とをそれぞれ接続する手段が必要となる。しかしながら、上記構成のマグネットスイッチ70であれば、蓋体23を既存の構成とすることができるため、蓋体23におけるバイザ本体21に対する組み付け手順に制約が生じることが無い。
【0092】
また、遮蔽部材が蓋体23と一体的にスライド移動する構成では、蓋体23がバイザ本体21に対して開位置に位置したときに、遮蔽部材がマグネット71から発生する磁界を遮蔽せず、マグネットと誘導形スイッチとが同一直線上に存在する必要がある。したがって、このような構成では、照明装置15の点灯及び消灯それぞれのタイミングが制限されることになる。一方で、上記構成のマグネットスイッチ70であれば、蓋体23におけるバイザ本体21に対する位置に関係無く、マグネット71を、バイザ本体21における誘導形スイッチ72に対応する位置に常に設けることができる。したがって、マグネットスイッチ70の設置位置や、誘導形スイッチ72の設置位置などを適宜調整することが容易であり、照明装置15の点灯及び消灯それぞれのタイミングを適宜調整することができる。
【0093】
・
図12~
図20に示す実施形態において、マグネット71の形状は、長四角柱状に限らず、例えば、円柱状であったり、多角柱状であったりしてもよい。
・
図12~
図20に示す実施形態において、マグネットスイッチ70は、ケーシング73がバイザ本体21と一体形成された状態で、バイザ本体21に内蔵されている構成であってもよい。
【0094】
・
図12~
図20に示す実施形態において、ケーシング73の挿通孔73aの形状は、四角孔形状に限らず、マグネット71の移動を阻害しない形状であれば、適宜変更してもよい。
【0095】
・
図12~
図20に示す実施形態において、移動体74は、湾曲面74bに代えて、例えば、平坦面状の傾斜面を有する構成としてもよい。
・
図12~
図20に示す実施形態において、付勢部75は、圧縮ばねに限らず、例えば、金属スプリングや樹脂製の弾性部材であってもよい。要は、付勢部75は、移動体74をケーシング73に対して離間する方向へ付勢するものであればよい。つまり、付勢部75は、移動体74を誘導形スイッチ72に対して離間する方向へ付勢するものであればよい。
【0096】
・実施形態において、バイザ本体21が、第3マグネット43を有していない構成であってもよい。この場合、第1マグネット41が発生する磁界の範囲内に第1誘導形スイッチ31が配置されるように、第1誘導形スイッチ31及び第1マグネット41それぞれの配置位置を調整する必要がある。
【0097】
・実施形態において、車両用サンバイザモジュール10は、ガーニッシュ部11が第2誘導形スイッチ32を有しておらず、車両用サンバイザ20が第2マグネット42を有していない構成であってもよい。
【0098】
・実施形態において、車両用サンバイザモジュール10は、ガーニッシュ部11が第1誘導形スイッチ31を有しておらず、車両用サンバイザ20が第1マグネット41を有していない構成であってもよい。
【0099】
・実施形態において、蓋体23は、スライド機構27にスライド移動可能に設けられていなくてもよく、例えば、バイザ本体21に対して回動可能にバイザ本体21に設けられていてもよい。そして、蓋体23がバイザ本体21に対して回動することで、蓋体23は、ミラー22を露出させる開位置とミラー22を覆う閉位置とにバイザ本体21に対して移動可能であってもよい。
【0100】
・実施形態において、車両用サンバイザモジュール10は、ガーニッシュ部11を備えていない構成であってもよい。要は、天井の少なくとも一部を構成する天井部が、照明装置15、第1誘導形スイッチ31、及び第2誘導形スイッチ32を備えていればよい。この場合、天井部は、例えば、天井の全体を構成する天井ルーフであってもよい。例えば、天井部として、天井ルーフを適用する場合、天井ルーフは、車両用サンバイザモジュール10の一部を構成する。
【符号の説明】
【0101】
10…車両用サンバイザモジュール、11…天井部であるガーニッシュ部、15…照明装置、20…車両用サンバイザ、21…バイザ本体、22…ミラー、23…蓋体、31…誘導形スイッチである第1誘導形スイッチ、32…誘導形スイッチである第2誘導形スイッチ、41…マグネットである第1マグネット、42…マグネットである第2マグネット、43…第3マグネット、51…付勢部、60…メカスイッチ、71…マグネット、72…誘導形スイッチ、75…付勢部。