(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087673
(43)【公開日】2023-06-23
(54)【発明の名称】車両表示画像強調
(51)【国際特許分類】
G09G 5/00 20060101AFI20230616BHJP
G09G 5/10 20060101ALI20230616BHJP
G09G 5/02 20060101ALI20230616BHJP
B60K 35/00 20060101ALI20230616BHJP
B60R 11/02 20060101ALI20230616BHJP
H04N 23/76 20230101ALI20230616BHJP
【FI】
G09G5/00 550C
G09G5/10 B
G09G5/00 550H
G09G5/02 B
B60K35/00 Z
B60R11/02 C
H04N23/76
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022197801
(22)【出願日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】63/288,747
(32)【優先日】2021-12-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】505450755
【氏名又は名称】ビステオン グローバル テクノロジーズ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ポール フレドリック ルーサー ウェインドルフ
【テーマコード(参考)】
3D020
3D344
5C122
5C182
【Fターム(参考)】
3D020BA04
3D020BC03
3D020BE03
3D344AA21
3D344AA22
3D344AB01
3D344AD01
3D344AD13
5C122DA14
5C122EA47
5C122FH02
5C122FK08
5C122FK12
5C122HA75
5C122HA88
5C122HB05
5C122HB06
5C122HB10
5C182AB25
5C182AC02
5C182AC03
5C182AC43
5C182BA14
5C182BA25
5C182BA45
5C182BA47
5C182BA56
5C182BB01
5C182BB11
5C182BC25
5C182CA01
5C182CA11
5C182CA21
5C182CC24
5C182DA52
5C182DA66
(57)【要約】
【課題】 車両における画像強調システムを提供する。
【解決手段】 車両における画像強調システムは、前方光センサ、周囲光センサ、及び、電子制御ユニットを含む。前方光センサは、運転手によって視認される前方の光を感知して前方輝度値を生成するように構成されている。周囲光センサは、運転手によって視認される周囲光を感知して周囲輝度値を生成するように構成されている。電子制御ユニットは、前方輝度値及び周囲輝度値に基づいて表示輝度制御値を計算し、ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定し、前方輝度値、周囲輝度値及び表示輝度制御値に基づいて前記ビデオ画像におけるグレーの色合いを調整して強調されたビデオ画像を生成し、当該強調されたビデオ画像をディスプレイに提示する、ように構成されている。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両における画像強調システムであって、
前記車両の運転手がディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される前方の光を感知して、前方輝度値を生成するように構成された前方光センサと、
前記運転手が前記ディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される周囲光を感知して、周囲輝度値を生成するように構成された周囲光センサと、
電子制御ユニットと、
を備え、
前記電子制御ユニットは、
種々の照明条件において、強調されたビデオ画像の視認性を維持するために、前記前方輝度値及び前記周囲輝度値に基づいて、表示輝度制御値を計算し、
ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して、当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定し、
前記前方輝度値、前記周囲輝度値、及び、前記表示輝度制御値に基づいて、前記ビデオ画像におけるグレーの前記複数の色合いを調整して、前記強調されたビデオ画像を生成し、
前記強調されたビデオ画像を前記ディスプレイに提示する、
ように構成されている
ことを特徴とする画像強調システム。
【請求項2】
前記前方光センサは、前記車両のフロントガラスを通って入る前記前方の光を直接測定する専用の光センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項3】
前記前方光センサは、車両ダッシュボード昼光センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項4】
前記前方光センサは、前記運転手が前記ディスプレイを見ている間に前記運転手の瞳孔径を測定するように構成された生体認証センサであり、
前記電子制御ユニットは、更に、前記瞳孔径に応じて前記前方輝度値を計算するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項5】
前記前方光センサは、別の車両に配置され、
前記前方輝度値は、前記電子制御ユニットにおいて無線で受け取られる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項6】
前記前方光センサは、前記前方輝度値を決定するように構成されたカメラである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項7】
前記周囲光センサは、前記運転手の方を向く前記ディスプレイの表面上の光照射レベルを測定するように構成された専用の光センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項8】
前記周囲光センサは、車両ダッシュボード昼光センサである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項9】
前記周囲光センサは、前記運転手が前記ディスプレイを見ている間に前記運転手の瞳孔径を測定するように構成された生体認証センサであり、
前記電子制御ユニットは、前記瞳孔径に基づいて前記周囲輝度値を計算するように構成されている
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項10】
前記周囲光センサは、別の車両に配置され、
前記周囲輝度値は、前記電子制御ユニットによって無線で受け取られる
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項11】
前記周囲光センサは、前記周囲輝度値を測定するように構成されたカメラである
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項12】
前記電子制御ユニットは、前記表示輝度制御値を用いて、前記強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合いの視認性を調整及び維持する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項13】
前記電子制御ユニットは、前記前方輝度値及び前記周囲輝度値を用いて、前記強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合いの視認性を調整及び維持する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項14】
前記ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いの前記調整は、当該ビデオ画像の1または複数の部分を、当該1または複数の部分におけるグレースケールコンテンツに基づいて強調する
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項15】
前記電子制御ユニットは、前記表示輝度制御値、前記前方輝度値、前記周囲輝度値、及び、前記グレースケールコンテンツ、に基づいて、グレーの複数の中間の色合いを動的に調整する
ことを特徴とする請求項14に記載の画像強調システム。
【請求項16】
前記前方輝度値及び前記周囲輝度値は、前記車両の周りの無線気象データ、衛星ベースの前記車両の位置、衛星ベースの前記車両の進行方向、及び、時刻、から推定される
ことを特徴とする請求項1に記載の画像強調システム。
【請求項17】
車両における表示画像強調のための方法であって、
前記車両の運転手がディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される前方の光を、前方光センサを用いて感知して、前方輝度値を生成する工程と、
前記運転手が前記ディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される周囲光を、周囲光センサを用いて感知して、周囲輝度値を生成する工程と、
種々の照明条件において、強調されたビデオ画像の視認性を前記ディスプレイ上で維持するために、前記前方輝度値及び前記周囲輝度値に基づいて表示輝度制御値を計算する工程と、
ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して、当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定する工程と、
前記前方輝度値、前記周囲輝度値、及び、前記表示輝度制御値に基づいて、前記ビデオ画像におけるグレーの前記複数の色合いを調整して、前記強調されたビデオ画像を生成する工程と、
前記強調されたビデオ画像を前記ディスプレイ上で前記運転手に提示する工程と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項18】
前記ビデオ画像におけるグレーの前記複数の色合いの前記調整工程は、前記強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合い及びグレーの複数の中間の色合いを、周囲照明条件の関数として明るくする動的画像強調である
ことを特徴とする請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記表示輝度制御の前記生成工程は、前記ディスプレイの輝度レベルを周囲照明条件の関数として動的に調整する自動輝度制御である
ことを特徴とする請求項18に記載の方法。
【請求項20】
インスツルメントパネルであって、
強調されたビデオ画像を運転手に提示するように構成されたディスプレイと、
車両の前記運転手が前記ディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される前方の光を感知して、前方輝度値を生成するように構成された前方光センサと、
前記運転手が前記ディスプレイを見る間に当該運転手によって視認される周囲光を感知して、周囲輝度値を生成するように構成された周囲光センサと、
電子制御ユニットと、
を備え、
前記電子制御ユニットは、
種々の照明条件において、前記強調されたビデオ画像の視認性を前記ディスプレイ上で維持するために、前記前方輝度値及び前記周囲輝度値に基づいて、表示輝度制御値を計算し、
ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して、当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定し、
前記前方輝度値、前記周囲輝度値、及び、前記表示輝度制御値に基づいて、前記ビデオ画像におけるグレーの前記複数の色合いを調整して、前記強調されたビデオ画像を生成する
ように構成されている
ことを特徴とするインスツルメントパネル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、米国仮出願第63/288,747号(2021年12月13日出願)の利益を主張する。当該文献は、その全体において、当該参照により本明細書に組み込まれる(incorporated by reference)。
【0002】
[技術分野]
本開示は、全般的に、車両表示画像強調のためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
自動車のディスプレイ用途では、周囲照明環境の関数として表示輝度を自動的に制御するために光センサが用いられている。周囲照明環境が増すと、画像の見やすさを維持するために表示輝度が増す。自動輝度制御法によって、視認輝度の心地よいレベルが維持され、周囲照射が減るとディスプレイ消費電力が下がる。自動輝度制御法によって、ピークホワイトのグレー色合いの記号の見やすさは維持されるが、より低いグレー色合いの見やすさは損なわれる場合がある。最近、全てのグレー色合いがユーザにより見やすくなるのを助ける画像強調法が利用できるようになっている。しかし、このような画像強調法は、周囲照明レベルに応じて画像視認性を改善することはしていない。
【発明の概要】
【0004】
本明細書では、車両における画像強調システムが提供される。当該強調システムは、前方光センサ、周囲光センサ、及び、電子制御ユニットを含む。前方光センサは、車両の運転手がディスプレイを見ている間に当該運転手によって視認される前方の光を感知して、前方輝度値を生成するように構成されている。周囲光センサは、運転手がディスプレイを見ている間に運転手によって視認される周囲光を感知して、周囲輝度値を生成するように構成されている。
【0005】
電子制御ユニットは、種々の照明条件において、強調されたビデオ画像の視認性を維持するために、前方輝度値及び周囲輝度値に基づいて表示輝度制御値を計算し、ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して、当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定し、前方輝度値、周囲輝度値及び表示輝度制御値に基づいて前記ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いを調整して強調されたビデオ画像を生成し、当該強調されたビデオ画像をディスプレイに提示する、ように構成されている。
【0006】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方光センサは、車両のフロントガラスを通って入る前方の光を直接測定する専用の光センサである。
【0007】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方光センサは車両ダッシュボード昼光センサである。
【0008】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方光センサは、運転手がディスプレイを見ている間に運転手の瞳孔径を測定するように構成された生体認証センサであり、電子制御ユニットは更に、瞳孔径に応じて前方輝度値を計算するように構成されている。
【0009】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方光センサは別の車両に配置され、前方輝度値は電子制御ユニットにおいて無線で受け取られる。
【0010】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方光センサは、前方輝度値を決定するように構成されたカメラである。
【0011】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、周囲光センサは、運転手の方を向くディスプレイの表面上での光照射レベルを測定するように構成された専用の光センサである。
【0012】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、周囲光センサは車両ダッシュボード昼光センサである。
【0013】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、周囲光センサは、運転手がディスプレイを見ている間に運転手の瞳孔径を測定するように構成された生体認証センサであり、電子制御ユニットは、瞳孔径に基づいて周囲輝度値を計算するように構成されている。
【0014】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、周囲光センサは別の車両に配置され、周囲輝度値は電子制御ユニットによって無線で受け取られる。
【0015】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、周囲光センサは、周囲輝度値を測定するように構成されたカメラである。
【0016】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、電子制御ユニットは、表示輝度制御値を用いて、強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合いの視認性を調整及び維持する。
【0017】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、電子制御ユニットは、前方輝度値及び周囲輝度値を用いて、強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合いの視認性を調整及び維持する。
【0018】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いの調整は、当該ビデオ画像の1または複数の部分を、当該1または複数の部分におけるグレースケールコンテンツに基づいて強調する。
【0019】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、電子制御ユニットは、表示輝度制御値、前方輝度値、周囲輝度値、及び、グレースケールコンテンツ、に基づいて、グレーの複数の中間の色合いを動的に調整する。
【0020】
画像強調システムの1または複数の実施形態において、前方輝度値及び周囲輝度値は、車両の周りの無線気象データ、衛星ベースの車両の位置、衛星ベースの車両の進行方向、及び、時刻、から推定される。
【0021】
本明細書では、車両における表示画像を強調するための方法が提供される。当該方法は、車両の運転手がディスプレイを見ている間に運転手によって視認される前方の光を、前方光センサを用いて感知して、前方輝度値を生成する工程と、運転手がディスプレイを見ている間に運転手によって視認される周囲光を、周囲光センサを用いて感知して、周囲輝度値を生成する工程と、種々の照明条件において、強調されたビデオ画像の視認性をディスプレイ上で維持するために、前方輝度値及び周囲輝度値に基づいて表示輝度制御値を計算する工程と、を含む。
【0022】
当該方法は更に、ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して、当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定する工程と、前方輝度値、周囲輝度値及び表示輝度制御値に基づいて前記ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いを調整して、強調されたビデオ画像を生成する工程と、当該強調されたビデオ画像をディスプレイ上で運転手に提示する工程と、を含む。
【0023】
当該方法の1または複数の実施形態において、ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いの調整は、強調されたビデオ画像におけるグレーの複数の暗い色合い及びグレーの複数の中間の色合いを、周囲照明条件の関数として明るくする動的画像強調である。
【0024】
当該方法の1または複数の実施形態において、表示輝度制御の生成は、ディスプレイの輝度レベルを周囲照明条件の関数として動的に調整する自動輝度制御である。
【0025】
本明細書では、インスツルメントパネルが提供される。当該インスツルメントパネルは、ディスプレイ、前方光センサ、周囲光センサ、及び電子制御ユニットを含む。当該ディスプレイは、強調されたビデオ画像を運転手に示すように構成されている。前方光センサは、車両の運転手がディスプレイを見ている間に運転手によって視認される前方の光を感知して、前方輝度値を生成するように構成されている。周囲光センサは、運転手がディスプレイを見ている間に運転手によって視認される周囲光を感知して、周囲輝度値を生成するように構成されている。
【0026】
電子制御ユニットは、種々の照明条件において、強調されたビデオ画像の視認性をディスプレイ上で維持するために、前方輝度値及び周囲輝度値に基づいて表示輝度制御値を計算し、ビデオ入力信号におけるビデオ画像を分析して当該ビデオ画像内のグレーの複数の色合いを決定し、前方輝度値、周囲輝度値及び表示輝度制御値に基づいて前記ビデオ画像におけるグレーの複数の色合いを調整して強調されたビデオ画像を生成する、ように構成されている。
【0027】
本教示の前述の特徴及び利点と、他の特徴及び利点とが、添付図面に関連して解釈されるとき、当該教示を実行するためのベストモードの以下の詳細な説明から容易に明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【0029】
【
図2】1または複数の例示的な実施形態による、ディスプレイに対する運転手の側面概略図である。
【0030】
【
図3】1または複数の例示的な実施形態による電子制御ユニットの概略図である。
【0031】
【
図4】1または複数の例示的な実施形態による入力グレー色合いの関数としての表示輝度のグラフである。
【0032】
【
図5】1または複数の例示的な実施形態によるグレー色合い強調のグラフである。
【0033】
【
図6】1または複数の例示的な実施形態による光センサの概略図である。
【0034】
【
図7】1または複数の例示的な実施形態による他の光センサの概略図である。
【0035】
【
図8】1または複数の例示的な実施形態による更に他の光センサの概略図である。
【0036】
【
図9】1または複数の例示的な実施形態による光センサの概略図である。
【0037】
【
図10】1つの例示的な実施形態による光感知に対する概略図である。
【0038】
【
図11】1または複数の例示的な実施形態によるディスプレイ上に示された画像である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本開示には種々の変更及び代替的な形態があり得て、幾つかの例示的な実施形態が例として図面に示され、本明細書で詳細に説明される。本開示の新規な態様は、前述の列挙された図面に例示される特定の形態に限定されない。むしろ、本開示は、添付の請求項に包含される本開示の範囲に含まれる変更、均等物、及び組み合わせに及ぶ。
【0040】
本開示の実施形態によって全般的に、周囲照射の関数としての画像強調調整と結合された自動輝度制御の両方の利益をもたらす車両における表示強調システムが提供される。組み合わせによって、種々の周囲照明条件の下で画像全体の視認性をもたらすと同時に、ディスプレイシステムの総消費電力を減らす新製品クラスが提供される。
【0041】
図1に、車両90の状況を例示する。車両90は通常、ボディ92と、電子制御ユニット94と、1または複数のディスプレイ100a~100cを有するインスツルメントパネル96と、を含む。ボディ92は、車両90の内部ボディを構築し得る。車両90は、移動車両、例えば、自動車、トラック、モーターサイクル、ボート、列車、及び/または航空機、を含み得る。幾つかの実施形態では、ボディ92は静止物体の一部であり得る。静止物体は、掲示板、キオスク、及び/またはマーキー、を含み得るが、これらに限定されない。特定の応用例のデザイン基準を満たすように、他のタイプの車両90を実装し得る。
【0042】
電子制御ユニット94は、1または複数のディスプレイ駆動回路を実装し得る。電子制御ユニット94は通常、ディスプレイ100a~100cを駆動する制御信号を生成するように動作可能である。種々の実施形態では、制御信号を、ディスプレイ100a~100cのうちの少なくとも1つ(例えば、100a)に計装(例えば、スピード、タコメータ、燃料、温度など)を提供するように構成し得る。幾つかの実施形態では、制御信号を、ディスプレイ100a~100cにビデオ(例えば、後方確認カメラビデオ、前方確認カメラビデオ、オンボードDVDプレーヤなど)を提供するように構成し得る。他の実施形態では、制御信号を更に、ディスプレイ100a~100cのうちの1つ以上に示す英数字情報を提供するように構成し得る。
【0043】
種々の実施形態では、電子制御ユニット94は通常、少なくとも1つのマイクロコントローラを含む。当該少なくとも1つのマイクロコントローラは、1または複数のプロセッサを含み得て、それぞれ、別個のプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または専用の電子制御ユニット、として具体化し得る。当該少なくとも1つのマイクロコントローラは、任意の種類の電子プロセッサであり得る(ハードウェア、ハードウェア上で実行されるソフトウェア、または両方の組み合わせ、において実装される)。また、当該少なくとも1つのマイクロコントローラは、有形の非一時的メモリ(例えば、光学、磁気、及び/またはフラッシュメモリの形式の読み出し専用メモリ)を含み得る。例えば、当該少なくとも1つのマイクロコントローラは、用途に適した量のランダムアクセスメモリ、読み出し専用メモリ、フラッシュメモリ、及び、他のタイプの電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ、並びに、高速クロックまたはタイマ、アナログ/デジタル及びデジタル/アナログ回路、入力/出力回路及びデバイスの形式の付随するハードウェア、並びに、適切な信号処理及びバッファ回路、を含み得る。
【0044】
本方法を具現化するコンピュータ可読及び実行可能命令をメモリに記憶して、本明細書で述べるように実行し得る。当該実行可能命令は、少なくとも1つのマイクロコントローラ上で(フォアグラウンドまたはバックグラウンドのいずれかで)アプリケーションを実行するために用いられる一連の命令であり得る。少なくとも1つのマイクロコントローラは、コマンド及び情報を、車両90における種々の制御装置またはコンポーネントからの1または複数の入力信号の形式で受け取って、ディスプレイ100a~100cを制御するための1または複数の制御信号を通してディスプレイ100a~100cに命令を伝達し得る。
【0045】
インスツルメントパネル96は、ディスプレイ100a~100cをサポートする構造(またはインスツルメントクラスタ)を実装する。例示するように、ディスプレイ100aは、運転手が用いるために位置付けられたクラスターディスプレイであり得る。ディスプレイ100bは、運転手及び同乗者が用いるために位置付けられたコンソールディスプレイであり得る。ディスプレイ100cは、同乗者が用いるために位置付けられた同乗者ディスプレイであり得る。
【0046】
ディスプレイ100a~100cは通常、インスツルメントパネル96に取り付けられている。種々の実施形態では、ディスプレイ100a~100cのうちの1つ以上を車両90の内部に配置し得る。他の実施形態では、ディスプレイ100a~100cのうちの1つ以上を車両90の外側に配置し得る。ディスプレイ100a~100cのうちの1つ以上が、種々の照明条件下で運転手に見やすい強調された車両ディスプレイを実装し得る。ディスプレイ100a~100c上に画像を生成するために用いる制御信号を、電子制御ユニット94から電気通信として受け取り得る。
【0047】
図2に、1または複数の例示的な実施形態による、ディスプレイ100xに対する例示的な運転手98の側面概略図を例示する。ディスプレイ100xは、ディスプレイ100a~100cを表し得る(例えば、100a)。運転手98は、図示では、ディスプレイ100aの背後の車両90の運転席に座っている。他の実施形態では、運転手98は、別の座席に座っている同乗者並びに/または別のディスプレイ100b及び/もしくは100cの背後に位置する同乗者であり得る。ディスプレイ100xは通常、面(または前面)112が運転手98から見える。車両90は、電子制御ユニット94、フロントガラス102、前方光センサ104、及び周囲光センサ108、を含んでいる。
【0048】
太陽120が、フロントガラス102を通って前方光センサ104によって受け取られる前方の光122を与え得る。運転手98がディスプレイ100xを見上げてフロントガラス102の外を見ている間、運転手98には前方の光122も見える。
【0049】
周囲光124が、太陽120から以外の方向から運転手98に見え得る。周囲光124は、太陽120からの光、車両90の周りの他の光(例えば、街灯)、車両90内の光(例えば、車内灯)、他の車両ヘッドライト、などの反射から生じ得る。運転手98がディスプレイ100xの面112及び/またはインスツルメントパネル96に目を落としている間、運転手98には周囲光124が直接見える一方で、前方の光122は直視から外れている。
【0050】
電子制御ユニット94は、前方光センサ104、周囲光センサ108、及びディスプレイ100xと電気通信している。電子制御ユニット94は、前方光センサ104から前方輝度値106を受け取る。前方輝度値106は、前方光センサ104が感知する前方の光122の強度に比例している。電子制御ユニット94は、周囲光センサ108から周囲輝度値110も受け取る。周囲輝度値110は、周囲光センサ108が感知する周囲光124の強度に比例している。
【0051】
電子制御ユニット94は、前方輝度値106及び/または周囲輝度値110を用いて、ディスプレイ100xの表示輝度を、表示輝度制御値114を介して動的に調整するように動作可能である。運転手98の瞳が細まった明るい条件下では、電子制御ユニット94は、ディスプレイ100xの全体的な輝度を増大させて(例えば、ディスプレイ内の投影光源を増大させて)、ディスプレイ100x上の画像が色あせないようにする。したがって、運転手98は、ディスプレイ100x上の明るくなった画像を快適に視認し得る。運転手98の瞳が開いた暗い条件下では、電子制御ユニット94は、ディスプレイ100xの全体的な輝度を減少させて(例えば、投影光源を減少させて)、ディスプレイ100x上の画像が邪魔にならないようにする。ディスプレイ100xの輝度を下げることは、ディスプレイ100xの消費電力を減らすことにも役立つ。
【0052】
図3に、1または複数の例示的な実施形態による電子制御ユニット94の例示的な一実装形態の概略図を例示する。電子制御ユニット94は、前方光センサ104と通信して前方輝度値106を受け取り、周囲光センサ108と通信して周囲輝度値110を受け取る。表示輝度制御値114が電子制御ユニット94によって生成されて、ディスプレイ100xに伝送され得る。
【0053】
ビデオ入力信号130が電子制御ユニット94の入力ノードにおいて受け取られる。ビデオ入力信号130は通常、運転手98への提示を意図した一連のビデオ画像を伝える。ビデオ出力信号132が電子制御ユニット94によって生成されて、ディスプレイ100xに提示される。ビデオ出力信号132は、ビデオ入力信号130において受け取られたビデオ画像の強調されたバージョンを伝える。
【0054】
幾つかの実施形態では、電子制御ユニット94は、画像解析ブロック134、動的画像強調ブロック136、ビデオ修正ブロック138、背景(または周囲)輝度決定ブロック140、前方輝度決定ブロック142、及び、自動輝度決定ブロック144を含む。ブロック134~144は、ハードウェア及び/またはハードウェア上で実行されるソフトウェアに実装され得る。ビデオ入力信号130は、画像解析ブロック134及びビデオ修正ブロック138によって受け取られる。ビデオ出力信号132は、ビデオ修正ブロック138によって生成される。前方輝度値106が、前方輝度決定ブロック142によって受け取られる。周囲輝度値110が、背景輝度決定ブロック140によって受け取られる。表示輝度制御値114が、自動輝度決定ブロック144によって生成される。
【0055】
ビデオ入力信号130を、最初に、画像解析ブロック134がフレームごとに分析して、ピクセル毎のグレーの色合いレベルによって画像コンテンツを評価する。種々の実施形態では、フレームごとの分析を公称フレームレート(例えば、16ミリ秒/フレーム)で行って、運転手98の目に止まるデータ待ち時間がないことを確実にする。自動輝度決定ブロック144からの周囲輝度情報に基づいて、動的画像強調ブロック136がグレー色合い変更情報を決定して、ビデオ修正ブロック138に送る。ビデオ入力信号130を、その後、ビデオ修正ブロック138がリアルタイムで動的に変更して、画像内でのグレー色合いの視認性を強調する。ビデオ修正ブロック138は、強調された画像をビデオ出力信号132内に生成する。
【0056】
ディスプレイ100xを照らす/ディスプレイ100xから反射される周囲照射を周囲光センサ108が測定して、照射ルクスレベルを背景輝度決定ブロック140に伝達する。背景輝度決定ブロック140は、運転手98によってディスプレイ100xの正面112上で観察される周囲光124の背景輝度(LBG)情報を決定する。背景輝度LBG情報は、自動輝度決定ブロック144に中継される。自動輝度決定ブロック144は、背景輝度決定ブロック140から受け取った背景輝度LBG情報を用いて、所望の表示輝度制御値114を決定する。表示輝度制御値114をディスプレイ100xが用いて、ディスプレイ100xの輝度レベルを制御する。表示輝度(LDisplay)情報(例えば、電子制御ユニット94内部の表示輝度制御値114)は、動的画像強調ブロック136に伝送され得る。
【0057】
周囲(背景)輝度処理と並列に、前方光センサ104は、フロントガラス102を通して見ている運転手98によって視認される前方輝度値106を測定する。周囲光センサ106が測定した周囲輝度値110の関数として表示輝度を制御することに加えて、前方光センサ104を利用することによってディスプレイ視認性性能を向上させて、一過性の適応不一致または目の適応不一致の状態を補い得る。運転手98が明るいシーン(日の出または日没など)を見るときには、表示輝度を増大させ得る。なぜならば、運転手98の瞳は細くなっているため、画像視認性を得るために、より多い表示輝度を必要とし得るからである。日の出/日没シナリオの下では、周囲光センサ108は陰になる場合があるため、前方光センサ104を用いないと、表示輝度が下がる場合がある。前方光センサ104の実装により、表示輝度を適切に制御して、適切な場合に表示輝度を増大させ得る。
【0058】
前方光センサ104の照度ルクスレベルが、前方輝度決定ブロック142に伝送される。前方輝度決定ブロック142は、運転手98によって視認される前方の光122に対する前方輝度(LFL)情報を決定する。前方輝度LFL情報が、自動輝度決定部144に伝送される。自動輝度決定ブロック144は、この情報を背景輝度レベルLBG情報とともに用いて、適切な表示輝度制御値114を決定する。
【0059】
図4に、1または複数の例示的な実施形態による入力グレー色合いの関数としての例示的な表示輝度のグラフ150を示す。当該グラフ150は、第1の軸152及び第2の軸154を有する。第1の軸152は、全体として、入力ビデオ信号130において利用できる入力グレー色合いを示す。第2の軸154は、表示輝度をニトの単位で示す。ニトは、カンデラ毎平方メートル(cd/m2)の尺度であり得る。
【0060】
曲線156は、1000ニトにおけるディスプレイガンマを示す。明るい(または高い)グレー色合い(例えば、8ビット画像に対する最大255のうち、>約200)の場合、表示輝度は、グレー色合い200における約600ニトから、最大グレー色合い255における約1000ニトまでの範囲であり得る。暗い(または低い)グレー色合い(例えば、<約50)の場合、表示輝度は、グレー色合いの変化によってほとんど変化せず、ほぼゼロニトのままである。
【0061】
曲線158は、500ニトにおけるディスプレイガンマを示す。明るい(または高い)グレー色合い(例えば、最大255のうち、>約200)の場合、表示輝度は、グレー色合い200における約300ニトから、グレー色合い255における約500ニトまでの範囲である。暗い(または低い)グレー色合い(例えば、<約50)の場合、表示輝度は、グレー色合いの変化によってほとんど変化せず、ほぼゼロニトのままである。グレー色合いの他の範囲、並びに/または、明るい、中間及び暗いへの当該範囲の他の再分割を、特定の応用例のデザイン基準を満たすために実装し得る。
【0062】
自動輝度制御に関する固有の問題は、暗いグレー色合いが、全ての周囲照明条件の下で見えにくいことである。表示輝度を増大させるだけでは、暗いグレー色合いの視認性にはほとんど効果がない。それは主に、以下の式1による自動車ディスプレイ100a~100cにおいて用いられるガンマ関数(γ)の性質に起因する。
【0063】
LGrayShade=Lmax(GS/GSmax)γ (1)
【0064】
ここで、GSは、特定のグレー色合い、GSmaxは、ディスプレイが受け取った画像の最大グレー色合い、Lmaxは、ディスプレイの最大輝度、γは、ディスプレイ100xのガンマ関数、LGrayShadeは、特定のグレー色合いGSにおける表示輝度である。
【0065】
多くの自動車の画像は、ほとんどのピクセルが、暗いグレー色合い(例えば、GS<約50)及び中間グレー色合い(例えば、約51<GS<約200)にあり、少数のピクセルがより高い(明るい)グレー色合いコンテンツ(例えば、GS>約200)を伴う。したがって、暗いグレー色合い及び中間グレー色合いの良好な視認性を有するべく、暗いグレー色合いレベル及び中間グレー色合いレベルが、周囲照明条件の関数として、より高いグレー色合いレベルへと上方に動的に調整される。当該動的な調整は、動的画像強調(DIA)と呼ばれる。当該動的画像強調は、現在の照明条件を測定して画像コンテンツを画像視認性に対して動的に調整することによって、達成され得る。当該動的画像強調を自動輝度制御と結合すると、ディスプレイ画像は全ての照明条件下で見え続け得て、快適な視認を得るためにピークホワイト輝度が調整され得る。ピークホワイト輝度を制限すると、ディスプレイ消費電力が低下するという利益が得られる。
【0066】
図5に、1または複数の例示的な実施形態によるグレー色合いの例示的な強調のグラフ160を示す。グラフ160は、第1の軸162及び第2の軸164を有する。第1の軸162は、全体として、入力ビデオ信号130において利用できる入力グレー色合いを示す。この例における入力グレー色合いは、0~255の範囲を有する。第2の軸164は、出力ビデオ信号132において利用できる出力グレー色合いを示す。この例における出力グレー色合いも、0~255の範囲を有する。グレーの色合いの他の範囲(例えば、10ビット画像に対して0~1023)が、特定の応用例のデザイン基準を満たすために、実装され得る。
【0067】
曲線166(例えば、直線)が、入力ビデオ信号130から出力ビデオ信号132へのグレー色合いの非強調伝達を示す。出力ビデオ信号132における各グレー色合いは、入力ビデオ信号130における対応するグレー色合いと一致する。典型的な自動車用途では、入力ビデオ信号130における画像のわずかな割合(例えば、<5パーセント)が、明るい色合い領域178におけるライン170よりも右側(例えば、より明るい)にグレー色合いコンテンツを有する。グレー色合いコンテンツの大部分は、通常、ゼログレー色合いとライン172との間の暗い色合い領域174、及び、ライン170とライン172との間の中間の色合い領域176、にある。
【0068】
曲線168が、入力ビデオ信号130から出力ビデオ信号132へのグレー色合いの強調伝達を示す。当該強調は、暗い色合い領域174及び中間の色合い領域176における出力グレー色合いを増大させ得て、一方、明るい色合い領域178を変化がほとんどないか全くない状態に維持し得る。その結果、暗いグレー色合い及び中間グレー色合いが、ディスプレイ100x上でより明るいため、より明るい照明条件下で運転手98にはより容易に視認される。
【0069】
図6に、1または複数の例示的な実施形態による光センサの例示的な実装形態の概略図を例示する。ダッシュボード上及び/または電子ミラー(図示せず)内にある他の光センサ(例えば、昼光センサ180a及び180b)が、周囲光センサ108及び/または前方光センサ104のために用いられ得て、前方輝度値106及び周囲輝度値110を推定し得る。昼光センサ180aが、フロントガラス102を通して受け取られる前方の光122を感知するために位置決め及び配向され得る。昼光センサ180bが、周囲光124を感知するために位置決め及び配向され得る。
【0070】
図7に、1または複数の例示的な実施形態による光センサの別の例示的な実装形態の概略図を示す。運転手98の一方または両方の眼の瞳孔径を測定する生体認証センサ182が用いられ得て、前方の光122及び/または周囲光124を決定し得る。運転手98がフロントガラス102を通して見ている間に、生体認証センサ182は、前方を見ている瞳孔径184aを測定し得る。当該測定値から、生体認証センサ182は、前方の光122の概算の強度を決定して、推定した前方輝度値106を電子制御ユニット94に伝え得る。運転手98がディスプレイ100xを見ている間に、生体認証センサ182は、周囲を見ている瞳孔径184bを測定し得る。当該測定値から、生体認証センサ182は、周囲光124の概算の強度を決定して、推定した周囲輝度値110を電子制御ユニット94に伝え得る。
【0071】
図8に、1または複数の例示的な実施形態による光センサの更に別の例示的な実装形態の概略図を示す。種々の実施形態では、車両間通信が用いられ得て、車両90における前方の光122及び周囲光124を推定し、その後に当該情報を別の車両90aに伝達し得る。車両90及び他の車両90aが典型的な間隔を空けて同じ方向に進行している間、車両90に入る前方の光122は他の車両90aに入る前方の光122と類似または同じであり得る。同様に、車両90の内部で経験される周囲光124は、他の車両90aの内部で経験される周囲光124と類似または同じであり得る。したがって、車両90において決定される前方輝度値106及び周囲輝度値110は、他の車両90aにおけるディスプレイを制御するのに適し得る。
【0072】
図9に、1または複数の例示的な実施形態による光センサの例示的な実装形態の概略図を示す。前方を向くカメラ188aが前方光センサ104として用いられ得て、フロントガラス102を通して受け取られる前方の光122を取り込み得る。内側を向くカメラ188bが周囲光センサ108として用いられ得て、周囲光124を取り込み得る。種々の実施形態では、他の内部コックピットカメラ及び/または他のカメラが、特定の応用例のデザイン基準を満たすために実装され得る。
【0073】
図10に、例示的な実施形態による光感知に対する一実施例の概略図を示す。車両90は、インターネットに対する無線接続190と、衛星ベースの測位受信機192と、を含み得る。種々の実施形態では、衛星ベースの測位受信機は、グローバルポジショニングシステム(GPS)受信機であり得る。衛星ベースの測位受信機192が用いられ得て、車両90の時間、位置、向き、及び進行方向を決定し得る。無線接続190は、車両90の位置に対する天候条件、時間及び太陽光レポートを受け取り得る。当該気象データ、時間、太陽光データ、位置、向き、及び進行方向が用いられ得て、自動輝度決定ブロック144に対する入力データとして、太陽光照射条件(例えば、前方の光122)を推定し得る。それは、当該進行方向、天候条件、及び時刻に基づいて、運転手98が経験している場合があるものである。周囲光124が、オンボード光センサによって決定され得る。
【0074】
表示輝度LDisplay情報、背景輝度LBG情報、及び前方輝度LFL情報が、動的画像強調ブロック136に伝えられる。当該動的画像強調ブロックは、当該情報を用いて、完全なディスプレイ視認性に対する正確な画像強調補正を動的に決定する。動的画像強調ブロック136は、種々の実施態様によって実現され得て、人工知能及び/または決定論的な方法を採用し得る。
【0075】
統合される強調アプローチの一態様は、反射される背景LBG情報、前方輝度LFL情報、及び自動的に決定される表示輝度信号LDisplay情報を、動的画像強調138に送ることである。表示輝度信号LDisplay情報が利用可能であれば、動的画像強調138は、視認性を維持するために、当該命令される表示輝度を用いて、グレーの暗い色合い(複数可)に対する適切な補正値を決定する。したがって、たとえ表示輝度が減少され得ても、グレーの暗い色合いの視認性は独立に維持される。
【0076】
暗いグレー色合いの視認性を維持することに加えて、中間グレー色合いの視認性も、命令される表示輝度を補正係数の決定の際に用いることによって、維持される。したがって、表示輝度が自動的に減少されると、強調技術は、視認性を維持するために、中間グレー色合いに対する補正係数を独立に決定する。より上方の(より明るい)グレー色合い視認性は、より上方のグレー色合い(例えば、ピークホワイト記号)の快適な視認性を維持するために表示輝度を調整する自動輝度決定ブロック144によって維持される。
【0077】
図11に、1または複数の例示的な実施形態によるディスプレイ上に示される例示的な画像200を示す。画像200は、周囲照明の関数としての画像強調調整と結合される自動輝度制御の両方の利益を示している。図示された画像200のグレースケールは、再現性のために反転されている。したがって、実際の表示では、暗い記号は実際にはホワイトであり、ホワイト記号は実際には黒色であり、グレー記号はグレーである。
【0078】
画像200は、グレーの暗い側の色合いの部分202(例えば、0~255の範囲で約50未満のグレー色合い)、グレーの中間の色合いの部分204(例えば、約51~約200のグレー色合い)、及び、グレーの明るい色合いの複数の部分206a~206b(例えば、約200よりも大きいグレー色合い)を含んでいる。グレーの暗い側の色合いの部分202は、画像200の背景全体を含み得て、そのため、運転手98には黒色として見える。グレーの中間の色合いの部分204は、黒い背景上にグレー記号として現れる、複数のレーンマーキングと、予測されるコースと、を含む。グレーの明るい色合いの部分206a~206bは、走行情報(例えば、スピード、タコメータ、燃料など)を含み、通常は、画像200内の少量のスペースを消費する。
【0079】
当業者であれば分かるように、例えば「上方」「下方」「前方」「後方」「上方」「下方」「頂部」「底部」などの用語は、本開示の範囲に対する限定を示すことなく、本明細書では記述的に用いられ得る。更に、本教示は、機能及び/もしくは論理ブロックコンポーネント、並びに/または、種々の処理ステップ、に関して説明され得る。このようなブロックコンポーネントは、種々のハードウェアコンポーネント、ハードウェア上で実行されるソフトウェアコンポーネント、及び/または、ハードウェア上で実行されるファームウェアコンポーネント、から構成され得る。
【0080】
前述の詳細な説明及び図面は、本開示をサポートして記述しているが、本開示の範囲は、特許請求の範囲のみによって規定される。当業者であれば分かるように、添付の請求項において規定された本開示を実行するために、種々の代替的なデザイン及び実施形態が存在し得る。