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特開2023-87692情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
<図1>
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図1
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図2
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図3
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図4
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図5
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図6A
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図6B
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図7
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図8
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図9
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図10
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図11
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図12
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図13
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図14A
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図14B
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図15
  • 特開-情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法 図16
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087692
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/34 20060101AFI20230616BHJP
   G08G 1/13 20060101ALI20230616BHJP
   G08G 1/0968 20060101ALI20230616BHJP
   B65G 61/00 20060101ALI20230616BHJP
   G06Q 10/04 20230101ALI20230616BHJP
   G16Y 10/40 20200101ALI20230616BHJP
   G16Y 40/60 20200101ALI20230616BHJP
【FI】
G01C21/34
G08G1/13
G08G1/0968
B65G61/00 544
G06Q10/04
G16Y10/40
G16Y40/60
【審査請求】未請求
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202004
(22)【出願日】2021-12-13
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 1.公開日 令和3年9月29日 2.ウェブサイトのアドレス (1) https://corporate.navitime.co.jp/topics/pr/202109/29_5388.html (2) https://fleet.navitime.co.jp/information/20210929.html 3.公開者名 株式会社ナビタイムジャパン 1.公開日 令和3年9月29日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 2.ウェブサイトのアドレス (1) http://news.nicovideo.jp/watch/nw9938618 (2) http://www.iza.ne.jp/kiji/pressrelease/newslist/../../../kiji/pressrelease/news/210929/prl21092920460935-n1.html (3) http://toyokeizai.net/ud/pressrelease/61544f4e7765613fa12b0000 (4) https://straightpress.jp/company_news/detail?pr=000000111.000026884 (5) http://gendai.ismedia.jp/ud/pressrelease/6154500a77656108563e0000 (6) https://techable.jp/archives/000000111.000026884 (7) http://news.jorudan.co.jp/docs/news/detail.cgi?newsid=PT000111A000026884
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (8) https://www.sankei.com/economy/news/210929/prl2109290935-n1.html (9) https://news.toremaga.com/release/others/2003417.html (10) https://www.newscafe.ne.jp/release/prtimes2/20210929/813280.html (11) https://mag.osdn.jp/pr/21/09/29/142000 (12) https://news.infoseek.co.jp/article/prtimes_000000111_000026884/ (13) https://www.jiji.com/jc/article?k=000000111.000026884&g=prt (14) https://www.rbbtoday.com/release/prtimes2-today/20210929/661729.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (15) https://business.nifty.com/cs/catalog/business_release/catalog_prt000000111000026884_1.htm (16) https://news.biglobe.ne.jp/economy/0929/prt_210929_9600367166.html (17) https://yab.yomiuri.co.jp/adv/feature/release/detail/000000111000026884.html (18) https://japan.cnet.com/release/30596216/ (19) https://www.logi-today.com/458363 (20) https://www.lnews.jp/2021/09/n0929308.html (21) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000111.000026884.html
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 3.公開者名 (1) 株式会社ドワンゴ (2) 株式会社産経デジタル (3) 株式会社東洋経済新報社 (4) 株式会社PR TIMES (5) 株式会社講談社 (6) 株式会社PR TIMES (7) ジョルダン株式会社 (8) 株式会社産経デジタル (9) 株式会社サイトスコープ (10) 株式会社イード (11) 株式会社アピリッツ (12) 楽天株式会社 (13) 株式会社時事通信社 (14) 株式会社イード (15) ニフティ株式会社 (16) ビッグローブ株式会社 (17) 株式会社読売新聞社 (18) 朝日インタラクティブ株式会社 (19) マーケティングパートナー株式会社 (20) 株式会社ロジスティクス・パートナー (21) 株式会社PR TIMES 1.公開日 令和3年9月30日 2.ウェブサイトのアドレス (1)https://geo-news.jp/archives/3728 (2)https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000112.000026884.html 3.公開者名 (1)GeoNews運営代表 (2)株式会社PR TIMES 1.公開日 令和3年10月5日 2.刊行物名 カーゴニュース(東京)令和3年10月5日版 3.公開者名 株式会社カーゴ・ジャパン 1.公開日 令和3年10月18日 2.刊行物名 物流タイムズ(東京)令和3年10月18日版 3.公開者名 物流タイムズ
(71)【出願人】
【識別番号】500168811
【氏名又は名称】株式会社ナビタイムジャパン
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100152205
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 昌司
(72)【発明者】
【氏名】半間 一臣
(72)【発明者】
【氏名】福重 豊
(72)【発明者】
【氏名】五十嵐 悠
(72)【発明者】
【氏名】寺田 大樹
【テーマコード(参考)】
2F129
5H181
5L049
【Fターム(参考)】
2F129AA03
2F129AA06
2F129CC03
2F129DD13
2F129DD14
2F129DD15
2F129DD20
2F129DD30
2F129DD39
2F129DD51
2F129DD63
2F129DD70
2F129EE02
2F129EE43
2F129EE53
2F129EE54
2F129EE62
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2F129EE79
2F129EE80
2F129EE83
2F129EE84
2F129EE89
2F129EE94
2F129FF02
2F129FF12
2F129FF15
2F129FF20
2F129FF32
2F129FF47
2F129FF51
2F129FF52
2F129FF62
2F129FF63
2F129FF64
2F129FF67
2F129FF68
2F129FF71
2F129HH02
2F129HH04
2F129HH12
2F129HH20
2F129HH21
5H181AA01
5H181AA15
5H181BB04
5H181BB05
5H181BB13
5H181EE07
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF22
5H181FF33
5L049AA04
(57)【要約】
【課題】出発地から最終経由地までの経路を最適化する。
【解決手段】
実施形態に係る情報処理システム1は、出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、出発地から複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索部312と、第1経路に係る情報を出力する情報出力手段と212とを備える。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段と、
前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記第1経路に係る情報は、前記第1経路の移動コストを表示するための情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第1経路に係る情報は、前記最終経由地に到達する到達予想時刻および予想所要時間のうちの少なくともいずれか1つを表示するための情報を含むことを特徴とする請求項2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記経路探索手段は、前記出発地から前記複数の経由地を経由し前記目的地に到るまでの間の移動コストを最適化する第2経路をさらに探索すること、
を特徴とする請求項1~3のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記情報出力手段は、前記第1経路と前記第2経路とを比較可能に表示するための情報を出力する、ことを特徴とする請求項4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記情報出力手段は、前記第1経路と前記第2経路の移動コストの差分を表示するための情報を出力すること、
を特徴とする請求項5に記載の情報処理システム。
【請求項7】
車両に係る車両情報に基づいて複数の車両の配車を行う自動配車手段 をさらに備え、
前記経路探索手段は、出発地から複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストを最適化する第1経路を、前記配車された複数の車両ごとに探索すること、
を特徴とする請求項1~6のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記配車された複数の車両ごとに探索された第1経路は、それぞれ別の経路であること、
を特徴とする請求項7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
車両に乗車して移動する複数の移動者に係る移動者情報を記憶した移動者データベースをさらに備え、
前記自動配車手段は、前記移動者情報に基づいて前記配車された複数の車両ごとに移動者を割り当てること、
を特徴とする請求項7または8に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記移動者が貨物の集配を行う集配業者であり、
前記複数の経由地は、前記貨物を集配する集配所であり、
前記移動者情報は、前記集配業者が保有する自動車運転免許の種類、および前記集配所に関する経験のうちの少なくともいずれか1つを含むこと、
を特徴とする請求項9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
前記経路探索手段は、前記配車された前記車両ごとに、前記出発地から前記複数の経由地を経由し前記目的地に到るまでの間の移動コストを最適化する第2経路をさらに探索することを特徴とする請求項7~10のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項12】
前記経路探索手段が過去に探索した第1経路および/または第2経路に係る情報を蓄積する移動コスト情報データベースと、
前記蓄積した情報を統計処理することで、前記第1経路および/または前記第2経路に係る統計情報を生成する統計情報生成手段と、をさらに備えること、
を特徴とする請求項1~11のいずれか一項に記載の情報処理システム。
【請求項13】
サーバと通信可能に接続された端末装置において実行される情報処理プログラムであって、
前記サーバは、出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段を有し、
前記情報処理プログラムは、コンピュータを、前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項14】
コンピュータを、
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段、
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項15】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって構成される情報処理システムであって、
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段と、
前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータの少なくとも1つを上記手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項16】
通信可能に接続された複数のコンピュータによって、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムを機能させるために、
上記コンピュータのうちの1つを請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項17】
コンピュータを、請求項1~12のいずれかに記載の情報処理システムにおける各手段の少なくとも1つとして機能させるための情報処理プログラム。
【請求項18】
通信可能に接続された複数の情報処理装置によって、
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段と、
前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段と、
を備えた情報処理システムを構成するために、
上記手段の少なくとも1つを備えたことを特徴とする情報処理装置。
【請求項19】
コンピュータを、
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段、および、
前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段
として機能させるための情報処理プログラム。
【請求項20】
経路探索手段が、出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索するステップと、
情報出力手段が、前記第1経路に係る情報を出力するステップと、
を備えることを特徴とする情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流業界が取り扱う貨物の増加に伴い、貨物を集配する地点(集配所)が増加してきている。これにより、それぞれの集配所を経由して移動するための集配経路が複雑化している。その結果、所定の時刻に集配所に到達できない遅配のリスクが上昇している。
【0003】
従来技術では、出発地から目的地までの巡回経路を最適化する方法(特許文献1)や、集配所と次の集配所までの経路を最適化する方法(特許文献2)が提案されている。しかしながら、これらの従来技術は、集配業者が出発地を出発したのち、巡回すべき最後の集配所(最終経由地)までの経路を最適化するものではない。したがって、最後の集配所にできるだけ早く到着するための経路を提示できないことがあり、遅配のリスクを十分に低減するには至っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001-091284号公報
【特許文献2】特開2010-112797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、出発地から最終経由地までの経路を最適化できる、情報処理システム、情報処理プログラム、情報処理装置、および情報処理方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報処理システムは、
出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る第1経路であって、前記出発地から前記複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する経路探索手段と、
前記第1経路に係る情報を出力する情報出力手段と、
を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、出発地から最終経由地までの経路を最適化できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明に係る情報処理システム全体の概略的構成の一例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係る端末装置の概略的構成を示す図である。
図3】第1の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
図4】第1の実施形態に係る第1経路を探索する方法を説明する図である。
図5】第1の実施形態に係る第2経路を探索する方法を説明する図である。
図6A】第1の実施形態に係る情報処理システムの端末装置とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図6B図6Aに続く、第1の実施形態に係る情報処理システムの端末装置とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図7】第1の実施形態に係る端末装置における、経路探索条件を入力するための操作入力部の一例を示す図である。
図8】第1の実施形態に係る端末装置に表示される、第1経路および第2経路に係る経路情報を比較するための画面例を示す図である。
図9】第1の実施形態に係る端末装置に表示される、第1経路に係る詳細な経路情報を示す画面例である。
図10】第1の実施形態に係る端末装置に表示される、第1経路および第2経路に係る経路情報を比較するための別の画面例を示す図である。
図11】第2の実施形態に係るサーバの概略的構成を示す図である。
図12】第2の実施形態に係る車両データベースの一例を示す図である。
図13】第2の実施形態に係る移動者データベースの一例を示す図である。
図14A】第2の実施形態に係る情報処理システムの端末装置とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図14B図14Aに続く、第2の実施形態に係る情報処理システムの端末装置とサーバ間における処理動作の一例を示すシーケンス図である。
図15】第2の実施形態に係る複数の移動者のそれぞれの第1経路を示す図である。
図16】第2の実施形態に係る自動配車部が作成した配車に関する情報の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る各実施形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。なお、各図において同等の機能を有する構成要素には同一の符号を付し、同一符号の構成要素の詳しい説明は繰り返さない。
【0010】
<情報処理システム1>
図1を参照して、本発明の各実施形態に共通する情報処理システムの概略的な構成について説明する。この情報処理システムは、端末装置2と、サーバ3と、ネットワーク4とを備えている。端末装置2とサーバ3とは、インターネット等のネットワーク4を介して互いに通信可能に接続されている。ネットワーク4は、有線回線または無線回線のいずれでもよく、回線の種類や形態は問わない。
【0011】
端末装置2は、ユーザが例えば、移動者情報や車両情報をサーバ3の各データベースに登録したり、経路を探索するための情報処理装置である。端末装置2は、例えばノートパソコン、デスクトップ型のパソコンであるが、スマートフォンやタブレット端末等であってもよい。なお、端末装置2がスマートフォン等の可搬型の端末装置であれば、ユーザが車両等で移動している場合でも実施形態の実現が可能となる。
【0012】
(第1の実施形態)
図2および図3を参照して、第1の実施形態に係る情報処理システム1の端末装置2およびサーバ3の構成について詳しく説明する。
【0013】
図2に示すように、端末装置2は、制御部21と、通信部22と、記憶部23と、操作入力部24と、表示部25とを有する。
【0014】
制御部21は、情報取得部211と情報出力部212とを有する。制御部21の各部は、端末装置2内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部21の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0015】
ここで、制御部21の各部の詳細について説明する。
情報取得部211は、操作入力部24を介してユーザが入力した情報を取得する。取得される情報は、例えば、経路探索条件であり、地点に係る情報(出発地、目的地、経由地)、出発地を出発する時刻、および到着地に到着する時刻を含む。なお、経路探索条件として、複数の経由地が取得されてもよい。また、出発時刻および到着予測時刻のうち少なくともいずれか一方を取得してもよい。
【0016】
情報出力部212は、端末装置2のユーザに提示すべき各種情報を出力先に応じた形態で出力する。例えば、出力先が表示部25である場合、情報出力部212は、出力すべき情報を映像信号に変換して表示部25に出力する。本実施形態では、情報出力部212は、サーバ3が探索した第1経路および/または第2経路(後述)に係る情報を出力する。
【0017】
通信部22は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信するためのインタフェースである。
【0018】
記憶部23は、サーバ3との間で送受信するためのデータや、制御部21による情報処理に必要なプログラムおよびデータが記憶される。記憶部23は、例えば、ハードディスク、半導体メモリ(SSD等)などの記憶デバイスにより構成される。
【0019】
操作入力部24は、ユーザが端末装置2に情報を入力するためのインタフェースであり、例えばキーボード、マウス、タッチパネル、マイクロフォン(モバイル端末の内蔵マイク等)などの情報入力手段である。
【0020】
表示部25は、端末装置2からユーザに対して各種情報を出力するインタフェースであり、例えば液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等の映像表示手段である。表示部25は、音声案内等を行うために音声出力手段(スピーカ)を有してもよい。
【0021】
なお、表示部25がタッチパネルの場合には、表示部25が操作入力部24を兼ねてもよい。また、表示部25は、ユーザに情報を直接提示するものでなくてもよい。例えば、表示部25は、端末装置2の外部に接続される映像表示手段や音声出力手段に、映像信号や音声信号を出力するものであってもよいし、外部の記憶装置にデータを出力して記憶させるものであってもよい。
【0022】
次に、サーバ3について説明する。
図3に示すように、サーバ3は、制御部31と、通信部32と、記憶部33とを有する。
【0023】
制御部31は、情報受付部311と経路探索部312とを有する。制御部31の各部はサーバ3内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部31の各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。
【0024】
通信部32は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3との間で情報を送受信するためのインタフェースである。
【0025】
記憶部33は、地点情報データベース331と、移動コスト情報データベース332と、地図情報データベース333とを有する。この記憶部33は、例えば、ハードディスク、半導体メモリ(SSD等)などの記憶デバイスにより構成される。記憶部33には、制御部31で実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。なお、記憶部33の少なくとも一部がサーバ3と通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。
【0026】
ここで、制御部31の各部の詳細について説明する。
情報受付部311は、端末装置2から送信された情報を、通信部32を介して受け付ける。例えば、情報受付部311は、端末装置2から送信された経路探索条件(出発地、目的地および経由地等)を受け付ける。
【0027】
経路探索部312は、情報受付部311が受け付けた経路探索条件および記憶部33に記憶された各データベースに基づいて経路探索を行う。本実施形態では、経路探索部312は、第1経路および第2経路を探索する。ここで、第1経路とは、出発地から複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストを最適化した経路である。第2経路とは、出発地から複数の経由地を経由し目的地に至るまでの間の移動コストを最適化した経路である。なお、移動コストには、例えば、探索された経路の移動時間、移動費用および一般化費用のうち少なくともいずれか1つを含んでよい。なお、一般化費用とは、移動時間や移動費用などを統計処理し、これらを統一して一つの単位で表した費用をいう。なお、第1経路および第2経路を探索する方法は後述する。
【0028】
次に、記憶部33の各データベースの詳細について説明する。
地点情報データベース331は、地点の位置情報や名称情報等を含む地点情報のデータベースであり、主に地点検索(例えば、住所検索、フリーワード検索およびカテゴリ検索など)や、経路探索条件の地点設定等に用いられる。なお、地点情報データベース331は、情報受付部311が受け付けた出発地、目的地または複数の経由地等を一時的に記憶し、経路探索部312が経路の探索時にこれら出発地等の情報を取得してもよい。
【0029】
移動コスト情報データベース332は、経路探索部312が経路探索を実行する際に使用されるデータベースであり、移動コスト情報(ノード間コスト)を含む道路ネットワーク情報を含んでいる。道路網の情報は、例えば、交差点等の道路網表現上の結節点(ノード)のデータと、結節点間の道路区間であるリンクのデータとの組み合わせによって表現される。なお、道路ネットワーク情報は、移動手段ごとに異なるデータであってもよい。また、道路ネットワーク情報の各リンクに、移動手段ごとの移動コストが設定されてもよい。
【0030】
地図情報データベース333は、主に地図表示用、あるいは地点検索(例えば、緯度経度検索)用に用いられる。例えば、地図情報データベース333は、経路探索により得られた経路を重畳表示するための地図情報を記憶してもよい。
【0031】
<第1経路および第2経路の探索方法>
次に、図4および図5を参照して、第1経路および第2経路を探索する方法を説明する。図4は第1経路を探索する方法を説明するための図であり、図5は第2経路を探索する方法を説明するための図である。
【0032】
まず、図4を参照して、第1経路(出発地から複数の経由地のうち、最後に経由する経由地までの移動コストが最適化された経路)を探索する方法を説明する。
【0033】
図4(a)は出発地(ノードS)から目的地(ノードG)までの間に複数の経由地(ノードA~C)を経由する経路を示している。なお、図4(a)に示す経路は、目的地が出発地と同じ地点である巡回経路である。図4(b)は出発地、目的地、および複数の経由地の間の移動に係るコストを格納するコストテーブルを示している。以下、このようなノード間の移動コストをノード間コストと呼ぶ。
【0034】
図4(a)は、ノードS、ノードGおよびノードA~Cの中から2つのノードを抽出し、抽出したノード間の経路をそれぞれ示している。具体的には、ノードS~ノードAをルートR1、ノードA~ノードBをルートR2、ノードB~ノードCをルートR3、ノードS~ノードCをルートR4、ノードC~ノードAをルートR5、およびノードB~ノードGをルートR6で示している。
【0035】
図4(b)は、図4(a)で示すルートR1~R6の移動に関するノード間コストを示している。図4(b)の列CL1には、出発地点(Origin)のノードが示され、行RW1には、目的地点(Destination)のノードが示されている。そして、出発地点および目的地点の間のノード間コストがコストテーブルのセル内に示されている。
【0036】
図4(b)を参照して、ノード間コストの具体例を説明する。例えば、ノードS~ノードAに関するルートR1については、列CL1の「S」と行RW1の「A」とに対応するセルを参照すればよく、この場合のノード間コストは「5」となる。以下では、ルートとノード間コストとの関係を、“ルート名(出発地点,到着地点;ノード間コスト)”で記載する。すなわち上記の場合では、“ルートR1(ノードS,ノードA;5)”となる。
【0037】
図4(b)の列CL2が示すように、移動先がノードG(目的地)の場合は、常にノード間コストは「0」である。より詳細には、ノードA~CからノードGに向かう場合、いずれのノード間コストは「0」である。これにより、第1経路の探索が可能となる。
【0038】
第1経路は、上述したように、出発地から複数の経由地のうち、最後に経由する経由地までの移動コストが最適化された経路である。このため、図4(b)では、ノードSからノードA~Cのうち最後に経由するノードまでの、ノード間コストの総和が最適化(最小化)された経路が第1経路となる。図4(b)の例で言えば、第1経路は、ルートR4(ノードS,ノードC;2)と、ルートR5(ノードC,ノードA;7)と、ルートR2(ノードA,ノードB;8)とを経る経路であり、ノードBが最終経由地となる。図4(b)における第1経路の移動コストは、17(=2+8+7)である。
【0039】
上記をまとめると、本実施形態では、第1経路を探索するために、まず各ノード間のノード間コストをそれぞれ取得する。そして、出発地から最終経由地までのノード間コストの総和が、最小化される経路を第1経路として求める。このとき、最終経由地と目的地との間のノード間コストを常に「0」としているため、最終経由地に早く到着可能な第1経路を容易に探索することが可能となる。
【0040】
なお、上記の第1経路の探索方法は一例に過ぎず、出発地から最終経由地までの経路を最適化する他の探索方法を採ってもよい。
【0041】
次に、図5を参照して、第2経路(出発地から複数の経由地を経由し、目的地に到るまでの移動コストが最適化された経路)を探索する方法について説明する。
【0042】
図5(a)は、図4(a)と同様に出発地(ノードS)から目的地(ノードG)までの間に複数の経由地(ノードA~C)を経由する経路を示している。なお、図5(a)で示す経路は、目的地が出発地と同じ地点である巡回経路である。図5(b)は、図4(b)と同様に出発地、目的地、および複数の経由地の間の移動に係るノード間コストについてのコストテーブルを示している。
【0043】
図5(a)における、ノード間の経路とルートR1~R6との対応関係は、図4(a)と同様である。また、図5(b)における、テーブル内のノード間コストとルートR1~R6との関係は、図4(b)と同様である。
【0044】
図5(b)の列CL2が示すように、目的地点がノードGの場合においても、ノード間コストが記載されている。より詳細には、図5(b)には、ルートR1(ノードS,ノードA;5)と、ルートR6(ノードB,ノードG;15)と、ルートR4(ノードC,ノードG;2)と記載されている。これにより、第2経路の探索が可能となる。
【0045】
第2経路は、上述のように、出発地から複数の経由地を経由し、目的地に到るまでの移動コストが最適化(最小化)された経路である。このため、図5(b)では、ノードSからノードA~Cを経由し、ノードGに到るまでのノード間コストの総和が最小化された経路が第2経路となる。より詳細には、図5(b)の第2経路は、ルートR1(ノードS,ノードA;5)と、ルートR2(ノードA,ノードB;8)と、ルートR3(ノードB,ノードC;12)と、ルートR4(ノードC,ノードG;2)とを経る経路である。図5(b)における第2経路の移動コストは、27(=5+8+12+2)である。
【0046】
上記をまとめると、本実施形態では、第2経路の探索のために、まず各ノード間のノード間コストをそれぞれ取得する。そして出発地から目的地までのノード間コストの総和が、最小化される経路を第2経路としている。このとき、最終経由地と目的地との間のノード間コストも取得するため、第2経路の探索が可能となる。
【0047】
<情報処理システム1の処理動作>
図6Aおよび図6Bのフローチャートを参照して、情報処理システム1の処理動作の一例を説明する。
【0048】
まず、端末装置2の情報取得部211は、地点(出発地、目的地、経由地)と、出発時刻および/または到着予測時刻に関する情報とを経路探索条件として取得し、通信部22を介してサーバ3に送信する(ステップS11)。なお、上記の経路探索条件は、操作入力部24を介して端末装置2のユーザにより入力される。
【0049】
次に、サーバ3の情報受付部311は、地点および出発時刻/到着予測時刻に関する情報を受け付ける。続いて経路探索部312は、地点情報データベース331および移動コスト情報データベース332を参照し、受信した地点および出発時刻/到着予測時刻に関する情報に基づいて、それぞれの地点間のノード間コストを取得する(ステップS21)。具体的には、経路探索部312は、地点(地点S、地点G、地点1~21)から抽出した2地点間の組み合わせ(地点S~地点1、地点1~地点2、または地点2~地点3など)に関するノード間コストを移動コスト情報データベース332から取得する。
なお、ノード間コストは、地点間の道路に関する情報(例えば、道路の幅員、工事/事故の有無、有料/一般道の別、道路交通法に基づく規制など)に基づいてサーバ3により計算されてもよい。また、ノード間コストは、出発時間および/または到着時間に基づいて変化させてもよい。
【0050】
次に、サーバ3の経路探索部312は、ステップS21で取得した地点間のノード間コストに基づいて、第1経路および第2経路を探索する(ステップS22)。第1経路および第2経路としてそれぞれ複数の経路が探索されてもよい。例えば、走行距離優先、有料道路優先、一般道路優先、混雑回避優先などの条件ごとに経路探索を行って、複数の第1経路を得るようにしてもよい。
【0051】
本実施形態では、経路探索部312は、地図情報データベース333を用いて、第1経路および第2経路を地図上に表示するための情報を生成する。これにより、第1経路および第2経路に係る情報が得られる。
【0052】
なお、第1経路および第2経路に係る情報は、例えば、出発地の出発時刻、目的地の到着予側時刻、経路を移動するための所要時間、経路の走行距離、経路における有料料金、最終経由地の到着予側時刻、および、最終経由地までの所要時間を含んでもよい(図8の表示窓W3参照)。経路探索部312は、上記の経路情報を第1経路および第2経路の各々について取得してもよい。言い換えると、経路探索部312が探索する第1経路および第2経路に係る情報は、第1経路および第2経路の移動コストを表示するための情報を含む。
【0053】
次に、サーバ3は、ステップS22において経路探索部312により探索された第1経路および第2経路に係る経路情報を、通信部32を介して端末装置2に送信する(ステップS23)。なお、この第1経路に係る経路情報は、最終経由地に到達する到達予測時刻および予想所要時間のうちの少なくともいずれか1つを表示するための情報を含む。
【0054】
次に、端末装置2の情報出力部212は、サーバ3から受信した第1経路および第2経路に係る経路情報を比較可能に表示するための情報を出力する(ステップS12)。ステップS12により、本実施形態の情報処理システム1の処理動作は終了する。
【0055】
ここで、図7を参照してステップS11において、ユーザが経路探索条件を入力するために表示部25に表示された画面の一例を説明する。
【0056】
図7に示すように、経路探索条件を入力するための画面は入力窓E1を含む。さらに、入力窓E1は入力窓E11~E14を含む。
【0057】
入力窓E11には、出発地の情報、および、探索する経路の選択に係る情報を入力する。図7の例では、出発地として「地点S」が入力されており、探索する経路として「第1経路」が選択されている。なお、経路探索部312は、選択されていない第2経路についても、第1経路と併せて探索してもよい。また、第2経路が選択された場合に、経路探索部312は第1経路についても探索してよい。
【0058】
入力窓E12には、経由地の情報、目的地の情報、および、出発日時/到着日時に係る情報を入力する。図7の例では、複数の経由地として「経由地A~C」が入力されている。ここで、各経由地における貨物の積降などによる作業時間(例えば10分)を入力できるようにしてもよい。これにより、経路の所要時間をより精度よく算出することが可能となる。
また、図7の例では、目的地として「地点G」が入力され、出発日時として「2020年6月11日 10時」が入力されている。なお、出発日時に代えて到着日時を入力してもよい。
【0059】
入力窓E13には、車種タイプの情報、および、優先探索に係る情報を入力する。図7の例では、車種タイプとして、移動者が使用する車両のサイズ等(例えば中型車)に係る情報を入力する。優先探索は、優先して利用する経路の種類を入力する。例えば、推奨(所要時間を優先する)、有料優先(有料道路を優先する)、または、一般優先(一般道路を優先する)のいずれかから選択できるようにしてもよい。
【0060】
入力窓E14には、経路探索の実行の可否を入力する。図7の例では、「作成」を押下した場合、入力窓E11~13に入力した情報に基づいて経路探索を実行する。「キャンセル」を押下した場合、入力窓E11~13に入力した情報を削除する。
【0061】
次に、図8図10を参照して、ステップS12において表示部25に示される、第1経路および第2経路に係る比較可能な表示例を説明する。
【0062】
図8は、経路情報に加えて移動コストも表示されている例を示している。図8の表示部25には、表示窓W1と、表示窓W2と、表示窓W3とが表示されている。表示窓W1には第1経路が示され、表示窓W2には第2経路が示されている。図8に示すように、表示窓W1と表示窓W2とを上下に並べて表示することで、第1経路と第2経路との差異が一目で比較可能となっている。
【0063】
図8の表示窓W1またはW2には、第1経路および第2経路に加えて、出発地(地点S)、目的地(地点G)および複数の経由地(地点1~21)に関する情報が示されている。地点に関する情報は、地点の住所、電話番号、緯度経度、または名称などでよい。図8の表示窓W3が示には、出発時刻または到着予側時刻に関する情報が示されている。出発時刻とは、出発地を出発すべき時刻であり、到着予測時刻とは最終経由地または目的地に到着すべき時刻である。
【0064】
さらに、本実施形態では、図8の表示窓W1、W2に示すように、第1経路上および第2経路の各地点に経由する順番を表示することで、第1経路と第2経路との差異が一目で比較可能となる。例えば、表示窓W1のポイントP2には、「1」が表示され、表示窓W2のポイントP2には、「21」が表示されている。すなわち、第1経路ではポイントP2の地点は最初(1番目)に経由し、第2経路ではポイントP2の地点は最後(21番目)に経由することが一目で理解できる。また、第1経路および第2経路ともに、出発地の「S」の表示および目的地の「G」の表示が、ポイントP1に位置する。
なお、表示窓W1、W2において、最終経由地を他の経由地と識別可能な態様で表示してもよい(図10参照)。例えば、最終経由地のピン表示の色または形を他の経由地のピン表示と異なるものとしてもよいし、あるいは、最終経由地の番号のフォントやサイズを他の経由地の番号と異なるものとしてもよい。
【0065】
図8の表示窓W3には、第1経路および第2経路に係る経路情報(移動コスト)が表示されている。具体的には、表示窓W31に第1経路に係る経路情報が表示され、表示窓W32に第2経路に係る経路情報が表示されている。図8に示すように、表示窓W31と表示窓W32とを左右に並べて表示することで、第1経路と第2経路との移動コストの差異が一目で比較可能となっている。
【0066】
なお、図8に示すように、表示窓W1と、表示窓W2と、表示窓W3とを比較可能に表示することで、最終経由地に係る位置と到着予側時刻が一目で把握できる。具体的には、第1経路では、表示窓W1のポイントP3に最終経由地の「21」が表示され、表示窓W31の最終経由地の到着予側時刻に時刻「12:50」が表示されている。同様に、第2経路では、表示窓W2のポイントP2に最終経由地の「21」が表示され、表示窓W32の最終経由地の到着予側時刻に時刻「13:29」が表示されている。
【0067】
図8に示すようにすることで、第1経路および第2経路ごとに、最終経由地に係る位置と到着予側時刻が一目で把握できる。これにより、ユーザは目的に応じて第1経路または第2経路を選択することができる。すなわち、ユーザが出発地から最終経由地までの所要時間を短縮したい場合は第1経路を選択することができ(選択ボタンWB1を押下する)、他方、出発地から目的地までの所要時間を短縮したい場合は第2経路を選択することができる(選択ボタンWB2を押下する)。
【0068】
なお、図8には第1経路および第2経路が表示されているが、第1経路を表示し、第2経路を表示しなくてもよい。すなわち、図8の表示窓W32が省略されていてもよい。この場合、図9の表示窓W4に第1経路に係るさらに詳細な経路情報を表示してもよい。例えば、表示窓W4にさらに、最終経由地までの所要時間、最終経由地の地点情報を表示してもよい。これにより、第1経路に係るさらに詳細な情報を把握することができ、ユーザがより適切な経路を選択できる。ただし、上述のように、第2経路を表示しない場合であっても、経路探索部312は第2経路を探索しておいてもよい。
【0069】
次に、図9について説明する。図9は、第1経路に関する詳細な経路情報を表示する一例を示す。すなわち、図9は、図8の選択ボタンWB1が押下された場合に、表示部25に表示される一例を示す。
【0070】
図9は、表示部25に表示窓W4が表示されていることを示し、さらに表示窓W4は、表示窓W41と、表示窓W42と、表示窓W43と、選択ボタンWB3と、選択ボタンWB4とを含むことを示す。
【0071】
表示窓W41~W43は、いずれも第1経路の移動コストに係る経路情報を示している。具体的には、表示窓W41は経路探索で得られた複数の第1経路のうち推奨経路を示し、表示窓W42は第1経路のうち有料優先経路を示し、表示窓W43は第1経路のうち一般優先経路を示す。
【0072】
図9に示すように、第1経路に係る推奨経路、有料優先経路、および一般優先経路を比較可能に表示することで、ユーザは目的に応じて推奨経路、有料優先経路、および一般優先経路を選択することができる。例えば、ユーザが情報処理システム1により推奨された経路を選択したい場合は推奨経路を選択し、所要時間を短縮したい場合は有料優先経路を選択し、有料料金を節約したい場合は一般優先経路を選択することができる。
【0073】
図9の画面において、ユーザが推奨経路を選択するには、表示窓W41を押下して推奨経路の表示を活性化させ、選択ボタンWB3を押下する。このユーザの操作により、図8の表示窓W1に第1経路の推奨経路が表示され、表示窓W31に第1経路の推奨経路の経路情報が表示される。ユーザが第1経路から第2経路に変更するには、図9の選択ボタンWB4を押下する。これにより、図8に示す表示部25の表示画面に戻る。
【0074】
なお、図9では、第1経路を例として説明したが、第2経路においても同様に表示してもよい。すなわち、ユーザが図8の選択ボタンWB2を押下した場合、表示窓W4には第2経路に係る推奨経路、有料優先経路、および一般優先経路を比較可能に表示される。
【0075】
図8の表示と図9の表示とを、同時に表示部25内に表示してもよい。具体的には、図8の第1経路の経路情報に、図9のさらに詳細な経路情報(推奨経路、有料優先経路、一般優先経路)を併せて表示してもよい。これにより、第1経路に係るさらに詳細な情報を、ユーザが一目で把握することができ、より適切な経路を選択できる。なお、ユーザが第2経路を選択した場合は、第1経路の場合と同様に、第2経路の経路情報に第2経路のさらに詳細な経路情報を併せて表示してもよい。
【0076】
次に、図10について説明する。図10は、第1経路と第2経路の移動コストの差分を表示する画面例を示す。詳しくは、図10は、端末装置2の情報出力部212が、第1経路と第2経路の移動コストの差分を表示するための情報を出力し、この情報を表示部25が表示した一例を示している。
【0077】
図10は、表示部25に表示窓W5が表示されていることを示し、さらに表示窓W5は、表示窓W51と、表示窓W52と、表示窓W53と、表示窓W54とを含むことを示す。表示窓W51には第2経路が示され、最終経由地であるポイントP2の地点には「最」の表示がされている。同様に、表示窓W52には第1経路が示され、最終経由地であるポイントP3の地点には「最」の表示がされている。
【0078】
上記の最終経由地には、それぞれの到着予測時刻の表示が関連付けられて表示されている。すなわち、表示窓W53には、第1経路の最終経由地の到着予測時刻「12:00」が表示され、表示窓W54には、第2経路の最終経由地の到着予測時刻「13:29」が表示されている。そして、表示窓W53が第1経路のポイントP3に関連付けられ、表示窓54が第2経路のポイントP2に関連付けられている。
【0079】
さらに、表示窓W53には、到着予測時刻の差分「(-1:29)」がさらに表示されている。より詳しくは、第1経路の最終経由地の到着予測時刻と、第2経路の最終経由地の到着予測時刻との差分がさらに表示されている。これにより、ユーザは第1経路と第2経路の移動コスト(例えば、最終経由地の到着予測時刻)の差分を一目で把握することができる。
【0080】
以上説明したように、本実施形態では、出発地から複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストを最適化する第1経路を探索し、ユーザに当該第1経路に係る情報を出力する。これにより、ユーザは出発地から最終経由地までの最適な経路を把握することができ、最終経由地に早く到着することができる。その結果、例えば、集配業者の遅配リスクを低減することができる。
【0081】
言い換えると、本実施形態では、経路探索部312が、出発地から複数の経由地を経由して目的地へ到る経路であって、出発地から複数の経由地のうち最後に経由する最終経由地までの間の移動コストが最適となる第1経路を探索する。そして、情報出力部212が、探索された第1経路に係る情報を出力する。第1経路によれば、集配業者の遅配リスクを低減することができる。
【0082】
また、本実施形態では、出発地から複数の経由地を経由し目的地に到るまでの間の移動コストを最適化する第2経路をさらに探索する。これにより、ユーザは第1経路と第2経路のいずれも把握することができ、目的に応じた経路の選択をすることができる。
【0083】
また、本実施形態では、第1経路の移動コスト(所要時間、走行距離、有料料金など)と第2経路の移動コストとを比較可能に表示するための情報を出力する。これにより、ユーザはより正確に第1経路および第2経路を把握することができ、目的に応じた経路をさらに適切に選択することができる。
【0084】
また、本実施形態では、第1経路と第2経路の移動コストの差分を表示するための情報を出力する。これにより、ユーザは移動コストの差分(例えば、最終経由地の到着予測時刻の差分)に着目し、第1経路または第2経路を目的に応じて容易に選択することができる。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態に係る情報処理システム1Aは、第1の実施形態に加えて自動配車手段を備えている。これにより、トラック等の複数の車両を自動的に配車することができる。以下、第1の実施形態と異なる部分を中心に説明する。
【0086】
<情報処理システム1Aの構成>
図11を参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの構成について説明する。
なお、情報処理システム1Aの全体構成および端末装置2の構成は、第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0087】
図11に示すように、サーバ3Aは、制御部31Aと、通信部32と、記憶部33Aとを有する。通信部32は、ネットワーク4を介して端末装置2とサーバ3Aとの間で情報の送受信をするためのインタフェースである。
【0088】
制御部31Aは、情報受付部311と、経路探索部312と、自動配車部313と、統計情報生成部314とを有する。制御部31Aの各部はサーバ3A内のプロセッサが所定のプログラムを実行することにより実現される。なお、制御部31Aの各部のうち少なくとも一部がハードウェアにより実現されてもよい。情報受付部311および経路探索部312は、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0089】
自動配車部313は、後述する車両データベース334に記憶された車両情報に基づいて車両の配車を行う。さらに自動配車部313は、後述する移動者データベース335に記憶された移動者情報に基づいて、自動配車部313により配車された車両ごとに移動者の割り当てを行う。なお、車両情報は、車両データベース334に記憶される場合に限られず、移動者データベース335に記憶された移動者に関連付けて記憶されてもよい。
【0090】
ここで、自動配車部313が行う自動配車とは、例えば、案件数を均等にする自動配車、稼働時間を均等にする自動配車、または、必要な車両台数を算出する自動配車である。
具体的には、案件数を均等にする自動配車では、移動者(移動車両)の数が固定されている場合に、それぞれの移動者に予定されている案件を均等に割り振る。稼働時間を均等にする自動配車では、移動者が各地点を巡回するルート(第1経路または第2経路)を算出し、該ルートの移動に要する時間が均等になるように地点を割り振る。必要な車両台数を算出する自動配車では、事前条件として、それぞれの案件での貨物量を設定し、使用する移動車両の積載可能な貨物量および移動者一人あたりの稼働時間を指定する。そして、該事前条件に適合した配送を行うための最適な人数を算出して案件を割り振る。なお、自動配車部313による自動配車は上記以外の方法による配車であってもよい。
【0091】
統計情報生成部314は、移動コスト情報データベース332に蓄積された、経路探索部312が過去に探索した第1経路および/または第2経路に係る情報を統計処理する。これにより、第1経路および/または第2経路に係る統計情報を生成する。統計情報は、例えば、過去1か月の間に、ユーザが利用した第1経路および第2経路のそれぞれの回数(頻度)などである。
【0092】
記憶部33Aは、地点情報データベース331と、移動コスト情報データベース332と、地図情報データベース333と、車両データベース334と、移動者データベース335とを有する。この記憶部33Aは、例えば、ハードディスク、半導体メモリ(SSD等)などの記憶デバイスにより構成される。記憶部33Aには、制御部31Aで実行されるプログラムや、当該プログラムによる処理に必要なデータが記憶されてもよい。なお、記憶部33Aは、サーバ3Aと通信可能に接続された別のサーバに設けられてもよい。また、地点情報データベース331と、移動コスト情報データベース332と、地図情報データベース333とは、第1の実施形態と同様であるため説明は省略する。
【0093】
車両データベース334は、車両に係る車両情報を記憶したデータベースである。移動者データベース335は、移動者に係る情報を記憶したデータベースである。移動者は、車両データベース334に記憶された車両に乗車して移動する者である。移動者は、例えば貨物の集配を行う集配業者である。この場合、出発地、目的地、または複数の経由地は、貨物の集配を行う集配所(倉庫、集配センターなど)または車両基地などである。
【0094】
次に、図12を参照して、車両データベース334に記憶される車両情報の一例を説明する。図12に示すように、車両情報は、例えば、車両IDと、車両の状態と、車両の可積数と、車両のサイズとを含む。なお、車両情報はさらに詳細な情報を含んでいてもよく、例えば、車両の積載量と、車両の重量とを含んでいてもよい。図12において、車両は集配業者が使用する集配用の車両(トラックまたはトレーラーなど)である。
【0095】
車両IDは、車両の識別するための情報である。図12では、車両IDは、通し番号である。車両IDは、車両を識別可能な情報であればこれに限られず、例えば車両番号(ナンバープレートの番号)であってもよい。車両の状態は、現在の車両の状態に関する情報である。車両の状態は、図12に示すように、車両が車庫内に駐車されていることを示す「車庫」や、車両が貨物の集配のため稼働していることを示す「集配中」などの情報である。
【0096】
可積数は、車両が集配用車両である場合、積載可能な貨物数に関する情報である。車両サイズは、車両の物理的な寸法に関する情報である。車両サイズは寸法のほか、図12が示すように、免許の種類であってもよい。すなわち、車両サイズとして、車両総重量が8t未満のトラックである場合は「8t限定中型」や、車両総重量が11t未満のトラックである場合は「中型」などの情報を用いてもよい。なお、図12に示すように、車両サイズは車両ごとに異なっていてもよく、同一であってもよい。
【0097】
次に、図13を参照して、移動者データベース335に記憶される移動者情報の一例を説明する。図13に示すように、移動者情報は、例えば、移動者IDと、移動者の集配所に関する経験と、移動者の保有免許とを含む。なお、図13の移動者は集配業者である。
【0098】
移動者IDは、移動者を識別するための情報である。図13が示すように、移動者IDは、通し番号である。移動者IDは移動者を識別可能であればこれに限られず、例えば社員番号、個人名であってもよい。
【0099】
集配所に関する経験は、移動者が該集配所において集配した経験を有しているか否かを示す情報である。例えば、移動者が貨物を集配した経験を有する集配所の識別情報が記載される。経験を有する移動者は、該集配所の勝手(駐車場の位置・大きさ、集配所の営業時間など)について知っていることから、貨物の集配がより迅速に効率良く行われ得る。
【0100】
移動者の保有免許は、移動者が実際に保有している免許の種類である。保有免許は、図13に示すように、8t限定中型免許または大型免許のように免許の種類である。また、保有免許情報は、移動者の運転技量をさらに把握するために、1種または2種の種類も含んでもよい。
【0101】
図13に示すように、例えば、移動者B0001は、ポイントP1、P2およびP3の集配所に関する経験を有しており、保有する免許の種類が8t限定中型免許である。なお、移動者に係る集配所の経験または保有免許に変更があった場合、移動者情報は逐次更新されてもよい。
【0102】
制御部31Aの自動配車部313による自動配車ついて詳しく説明する。自動配車部313は、上記の車両情報および移動者情報を用いることで、各種条件(貨物の数や位置、車両の台数・種類など)に応じて自動的に配車を行うことが可能となる。具体的には、自動配車部313は、車両の状態(車庫/集配中)により現在配車が可能な車両を抽出でき、抽出した車両の可積数により積載が可能な貨物数を算出することができる。また、自動配車部313は、車両サイズにより道路の幅員や状況に応じて、配車を行うことが可能となる。また、自動配車部313は、移動者(ドライバー)の経験および/または保有免許に基づいて配車を行ってもよい。なお、車両サイズが全て同一である場合、自動配車部313は、車両サイズを考慮しなくとも車両の配車が可能となる。
【0103】
<情報処理システム1Aの処理動作>
図14Aおよび図14Bのフローチャートを参照して、第2の実施形態に係る情報処理システム1Aの処理動作の一例を説明する。なお、この処理動作は、移動者が集配業者の場合の例である。
【0104】
まず、端末装置2の情報取得部211は、地点(出発地、目的地、経由地)と、出発時刻および/または到着予測時刻とを経路探索条件として取得し、これに加えて、貨物数に関する情報を取得する。そして、情報取得部211は、これらの情報を通信部22を介してサーバ3に送信する(ステップS31)。第1の実施形態と同様に、地点に関する情報は、地点の住所、電話番号、緯度経度、または名称などでよい。貨物数は、移動者が集配すべき貨物の個数の総数である。なお、情報取得部211は、貨物の数のほか、貨物のサイズや重量に関する情報を取得してもよい。
【0105】
次に、サーバ3の情報受付部311は、地点、出発時刻/到着予測時刻、および貨物数に関する情報を受け付ける。続いて自動配車部313は、車両データベース334を参照し、受信した地点、出発時刻/到着予測時刻、および貨物数に関する情報に基づいて、貨物数および集配所ごとに車両の配車を行う(ステップS41)。例えば、自動配車部313は、貨物数の数と車両サイズを比較する、または、稼働状況により使用可能な車両を抽出するなどして、貨物数に応じた配車を行う。なお、貨物の集配を効率化するために、自動配車部313は、近接する集配所を同一の車両に割り振るように配車してもよい。
【0106】
なお、ステップS41の自動配車では、上述の案件数を均等にする自動配車、稼働時間を均等にする自動配車、または、必要な車両台数を算出する自動配車を行ってもよい。例えば、案件数を均等にする自動配車による場合、図15が示すように、車両A0001が担当する案件数と、車両A0005が担当する案件数とが均等になるように案件を割り振る。この例では、車両A0001に4つの案件(ポイントP1~P4)が割り振られ、車両A0005にも4つの案件(ポイントP5~P8)が割り振られている。
【0107】
次に、サーバ3の経路探索部312は、地点情報データベース331および移動コスト情報データベース332を参照し、受信した地点および出発時刻/到着予測時刻に関する情報に基づいて、それぞれの地点間のノード間コストを取得する(ステップS42)。具体的には、図15に示すように、経路探索部312は、地点(ポイントS1、ポイントG1、およびポイントP1~P8)から抽出した2地点間の組み合わせに関するノード間コストを取得する。
なお、第1の実施形態と同様に、ノード間コストは、地点間の道路に関する情報(例えば、道路の幅員、工事/事故の有無、有料/一般道の別、道路交通法に基づく規制など)に基づいて取得する。なお、ノード間コストは、出発時間および/または到着時間の情報に基づいて経時的な変化を反映させてもよい。
【0108】
次に、サーバ3の経路探索部312は、地図情報データベース333を参照し、取得した地点間のノード間コストに基づいて、車両ごとに第1経路を探索する(ステップS43)。上記ように、図15は、案件数を均等にする自動配車であり、車両A0001がポイントP1、P2、P3、P4を訪問するように割り当てられ(配車され)、車両A0005がポイントP5、P6、P7、P8を訪問するように割り当てられた(配車された)場合を示している。この場合、経路探索部312は、車両A0001および車両A0005の各々について、ポイントS1から最後に経由する集配所までの間の移動コストを最適化する第1経路を探索する。
【0109】
なお、図15の例では、車両A0001および車両A0005の2台の車両で、経路を巡回するように示されているが、配車する車両は2台に限られない。すなわち、自動配車部313は、貨物数および集配所の数・位置などに応じて、車両の台数および車両のサイズを考慮した適切な配車を行う。例えば、自動配車部313は、経由すべき集配所、集配すべき貨物数、および移動者の稼働時間のうち少なくとも一つが均等となるように車両を配車する。
【0110】
図15の例では、ステップS41における自動配車が案件均等による自動配車の場合の第1経路を示している。これに限られず、自動配車を、稼働時間を均等にする、または、必要な車両台数を算出することにより行ってもよい。この場合は、車両A0001および車両A0005に割り振られる案件数は、図15と異なってもよい。すなわち、車両A0001および車両A0005に係る第1経路は、自動配車の方法(案件均等、稼働時間均等、または、必要な車両台数の算出による割り振り)に応じて、図15に示す第1経路と異なってもよい。
【0111】
また、ステップS43で探索される第1経路に係る情報は、第1の実施形態と同様に、第1経路を地図上に表示するための情報を含む。また、ステップS43において、経路探索部312は、配車された車両ごとに第2経路をさらに探索してもよい。この場合、第2経路に係る情報は、第2経路を地図上に表示するための情報を含む。
【0112】
次に、サーバ3の自動配車部313は、移動者データベース335を参照し、車両ごとに移動者を割り当て、配車に関する情報を作成する(ステップS44)。具体的には、自動配車部313は、図13に示す移動者情報に格納された、移動者の経験および保有免許に基づいて、車両ごとに移動者を割り当てる。例えば、自動配車部313は、車両に、当該車両を運転可能な免許を有する移動者を割り当てる。図16は、自動配車部313が作成した配車に関する情報の一例であり、車両ごとに移動者が割り当てられている。
【0113】
次に、サーバ3の経路探索部312が探索した、車両ごとの第1経路および第2経路に係る経路情報と、自動配車部313が作成した配車に関する情報とを、通信部32を介して端末装置2に送信する(ステップS45)。
【0114】
次に、端末装置2の情報出力部212は、受信した車両ごとの第1経路および第2経路に係る経路情報、および、配車に関する情報を表示するための情報を出力する(ステップS32)。ステップS32により、本実施形態の情報処理システム1Aの処理動作の一例は終了する。
【0115】
ここで、図15および図16を参照して、ステップS32において表示部25に示される、車両ごとの第1経路および第2経路に係る経路情報、および、配車に関する情報を表示するための情報の表示例を説明する。
【0116】
図15は、表示部25に、車両A0001および車両A0005に係る経路情報が示された一例を示す。上述のように、表示部25は、車両A0001がルートR7~R10からなる経路に、車両A0005がルートR11~R14からなる経路にそれぞれ配車された場合を示している。なお、ポイントP1~P8はそれぞれ集配所を示している。なお、図15では、車両A0001およびA0005の各々に第1経路のみが表示されているが、第1経路に加えて第2経路を表示してもよい。
【0117】
図16は、表示部25に、車両ごとに移動者を割り当てた情報が表示される例を示す。図16に示すように、車両(車両ID)に、移動者(移動者ID)と、出発地と、目的地と、集配所と、合計貨物数とが関連付けられて表示されている。
【0118】
例えば、第1レコード(No.1)は、車両A0001には、移動者B0001が割り当てられていることを示している。車両A0001の出発地はポイントS1であり、目的地はポイントG1である。そして、車両A0001は、出発地から目的地に至るまで、ポイントP1~P4を経由している。
なお、図16に示すように、集配所に関連付けて集配する貨物数を表示してもよい。車両A0001は、ポイントP1では30個、ポイントP2では15個、ポイントP3では25個、ポイントP4では30個の貨物を集配する。また、ポイントP1~P4で集配する全ての合計貨物数(30+15+25+30=100個)を表示してもよい。なお、第2レコード(No.2)は、車両A0005についての同様の情報を示している。
【0119】
なお、上記の説明では、車両を先に決めた後に移動者を車両に割り当てたが、これに限られず、先に移動者を決めてから移動者に車両を割り当てるようにしてもよい。すなわち、移動者に移動車両を紐づけておいて、移動者を割り振ることで移動車両を自動配車してもよい。この場合は、サーバ3Aは車両データベース334を省略してもよい。
また、上記の説明では、車両を先に決めた後に移動者を車両に割り当てるようにしたため、移動者データベース335を前提としたが、これに限られない。すなわち、車両に移動者を紐づけておくことで、移動者データベース335を省略してもよい。この場合、ステップS44は行わない。
【0120】
以上で説明したように、第2の実施形態に係る情報処理システム1Aは、第1の実施形態の情報処理システム1に加えて、車両に係る車両情報を記憶した車両データベース334と、車両情報に基づいて車両の配車を行う自動配車部313とをさらに備えている。これにより、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果に加えて、ユーザは、自動配車された車両ごとの第1経路を把握することができる。
【0121】
さらに、情報処理システム1Aは、さらに移動者データベース335を備え、自動配車部313が移動者データベース335に基づいて、自動配車された車両ごとに移動者を割り当てる。これにより、自動配車部313は、自動配車された車両に対して、移動者情報(集配所の経験、保有免許など)に基づいて適切な移動者を割り当てることができる。
【0122】
また、本実施形態では、情報処理システム1Aは、経由地(集配所)ごとの集配する貨物数を配車に関する情報として出力する。これにより、ユーザは集配所ごとに集配する貨物数を把握することができる。
【0123】
以上、本発明に係る2つの実施形態について説明した。いずれの実施形態によっても、出発地から最終経由地までの経路を最適化することができる。
【0124】
さらに本発明に係る2つの実施形態においては、移動コスト情報データベース332が、経路探索部312が過去に探索した第1経路および/または第2経路に係る情報を蓄積し、統計情報生成部314は、蓄積した情報を統計処理することで、第1経路および/または第2経路に係る統計情報を生成してもよい。
一例として、統計情報生成部314は、過去1か月の間に、ユーザが利用した第1経路および第2経路のそれぞれの回数(頻度)を統計情報として生成してもよい。この統計情報により、ユーザが第1経路および第2経路を利用したかの把握が容易となる。
別の一例として、統計情報生成部314は、過去1か月の間の、ユーザが利用した第1経路の出発地~最終経由地までの総所要時間と、第2経路の総所要時間とを算出して、その差分を統計情報として生成してもよい。この統計情報により、ユーザが第1経路を利用した場合に、第2経路から削減できた所要時間の把握が容易となる。
なお、端末装置2の表示部25は、上記の統計情報を表形式またはグラフ形式などで表示してもよい。このように、統計情報を表示部25に表示することで、ユーザが一目で生成した統計情報の結果を把握することができる。
【0125】
なお、図1~3および図11の構成は一例であり、サーバ3、3A内の構成要件の少なくとも一部が端末装置2内にあってもよい。例えば、サーバ3、3A内の制御部31、31Aおよび記憶部33、33Aを端末装置2内に設けて、通信をすることなく端末装置2のみで経路探索および/または自動配車可能な情報処理装置あるいは情報表示装置を構成してもよい。この場合、情報受付部311を省略してもよい。
【0126】
上述した実施形態で説明した情報処理システムの少なくとも一部は、ハードウェアで構成してもよいし、ソフトウェアで構成してもよい。ソフトウェアで構成する場合には、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムをフレキシブルディスクやCD-ROM等の記録媒体に収納し、コンピュータに読み込ませて実行させてもよい。記録媒体は、磁気ディスクや光ディスク等の着脱可能なものに限定されず、ハードディスク装置やメモリなどの固定型の記録媒体でもよい。
【0127】
また、情報処理システムの少なくとも一部の機能を実現するプログラムを、インターネット等の通信回線(無線通信も含む)を介して頒布してもよい。さらに、同プログラムを暗号化したり、変調をかけたり、圧縮した状態で、インターネット等の有線回線や無線回線を介して、あるいは記録媒体に収納して頒布してもよい。
【0128】
さらに、一つまたは複数の情報処理装置によって情報処理システムを機能させてもよい。複数の情報処理装置を用いる場合、情報処理装置のうちの1つをコンピュータとし、当該コンピュータが所定のプログラムを実行することにより情報処理システムの少なくとも1つの手段として機能が実現されてもよい。
【0129】
また、方法の発明においては、全ての工程(ステップ)をコンピュータによって自動制御で実施するようにしてもよい。また、各工程をコンピュータに実施させながら、工程間の進行制御を人の手によって実施するようにしてもよい。また、さらには、全工程のうちの少なくとも一部を人の手によって実施するようにしてもよい。
【0130】
上記の記載に基づいて、当業者であれば、本発明の追加の効果や種々の変形を想到できるかもしれないが、本発明の態様は、上述した個々の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定された内容およびその均等物から導き出される本発明の概念的な思想と趣旨を逸脱しない範囲で種々の追加、変更および部分的削除が可能である。
【符号の説明】
【0131】
1、1A 情報処理システム
2 端末装置
21 制御部
211 情報取得部
212 情報出力部
22 通信部
23 記憶部
24 操作入力部
25 表示部
3、3A サーバ
31、31A 制御部
311 情報受付部
312 経路探索部
313 自動配車部
314 統計情報生成部
32 通信部
33、33A 記憶部
331 地点情報データベース
332 移動コスト情報データベース
333 地図情報データベース
334 車両データベース
335 移動者データベース
4 ネットワーク
E1、E11~14 入力窓
W1~5、W32~32、W41~43、W51~54 表示窓
WB1~4 選択ボタン
S1、G1、P1~8 ポイント
R1~14 ルート
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14A
図14B
図15
図16