(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087711
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
A63F7/02 320
A63F7/02 315A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202133
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】395018239
【氏名又は名称】株式会社高尾
(74)【代理人】
【識別番号】100101410
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 武司
(72)【発明者】
【氏名】水野 博康
【テーマコード(参考)】
2C088
2C333
【Fターム(参考)】
2C088AA04
2C088AA12
2C088BC22
2C333AA11
2C333CA26
2C333CA48
2C333CA55
2C333CA58
2C333EA02
2C333EA04
2C333EA10
(57)【要約】
【課題】遊技状態に応じ、第1始動口への入球に対応する保留図柄若しくは第2始動口への入球に対応する保留図柄を表示する遊技機において明確な遊技進行を可能とする。
【解決手段】常時、入球可能性が変化しない第1始動口と、遊技球の入球容易な開放状態に変化可能な第2始動口と、第1始動口に入球することに基づき第1保留記憶を記憶し、第2始動口に入球することに基づき第2保留記憶を記憶し、第2始動口の開放時間を通常状態である場合よりも延長された特別遊技状態に遊技状態を移行可能である。通常状態であれば第1保留記憶の個数を保留図柄として表示し、第2保留記憶の個数を保留図柄として表示しない。通常状態時は第2保留記憶に基づき図柄変動を実行する場合、変動中図柄を表示させる。
【選択図】
図32
【特許請求の範囲】
【請求項1】
常時、入球可能性が変化しない第1始動口と、
開放条件が成立すると、遊技球が入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に、所定の開放時間に亘って変化可能な第2始動口と、
遊技球が前記第1始動口に入球することに基づいて取得した数値データを第1所定個数、記憶可能な第1数値データ記憶手段と、
遊技球が前記第2始動口に入球することに基づいて取得した数値データを第2所定個数、記憶可能な第2数値データ記憶手段と、
前記第1数値データ記憶手段若しくは前記第2数値データ記憶手段に記憶した数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
該当否判定が実行されることに基づいて図柄変動を実行した後、該当否判定の結果を確定表示する図柄表示手段と、
移行条件が成立すると移行終了条件が成立するまでの間、遊技状態を、前記第2始動口の前記開放時間が、該遊技状態が通常状態である場合よりも延長された特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記当否判定の結果に基づいて演出表示を実行する演出表示手段と、
を備え、
前記演出表示手段には、
前記遊技状態が前記通常状態であれば前記第1数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を保留図柄として表示させ、前記第2数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を保留図柄として表示させないと共に、前記特別遊技状態においては少なくとも第1数値データ記憶手段による保留図柄を表示させない、遊技機であって、
前記数値データに関して前記当否判定が行われる度に、前記演出表示手段に変動中図柄が表示され、該変動中図柄は、少なくとも当該数値データについての当否判定に関する図柄変動が終了するまでに消去されるものであり、
該当否判定が行われた数値データに対応する保留図柄が前記演出表示手段に表示されていた場合には、当該表示されている保留図柄が、該当否判定が行われると消去されると共に前記変動中図柄として表示され、
前記遊技状態が前記通常状態である場合、前記第2数値データ記憶手段に記憶された数値データに関する当否判定の結果に基づいて前記図柄変動を実行する場合において、前記演出表示手段に当該当否判定の対象となる数値データに関する変動中図柄を表示させることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
1回の前記当否判定の結果に基づいて実行される演出表示として、該演出表示の開始と、仮停止とを行う単位演出表示を複数回行う疑似連演出を備え、
該疑似連演出において、該単位演出表示が実行される回数が多いと、前記当否判定が大当りとなる期待度が高くされると共に、
前記疑似連演出が実行された場合は、少なくとも最後の単位演出表示が実行されるまでは、前記変動中図柄を表示させることを特徴とした請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記第1数値データ記憶手段に記憶された第1数値データ若しくは前記第2数値データ記憶手段に記憶された第2数値データに基づいて、前記当否判定を行う前に事前判定を実行する先読み判定手段と、
該事前判定の結果に基づいて、先読み演出を実行する先読み演出実行手段と、
を備え、
前記先読み演出は、前記保留図柄として先読み判定手段による判定に基づいて決定されると共に前記当否判定の結果が大当りとなる期待度を示唆する先読み図柄を表示可能な演出であり、前記演出表示手段に該先読み図柄が表示されている保留図柄に対応する前記図柄変動を開始するときには、前記変動中図柄として該先読み図柄に関連した先読み図柄が表示される構成とし、
前記演出表示手段に保留図柄が表示されていない数値データに対応する前記図柄変動を開始するときには、前記先読み図柄に関連しない変動中図柄が表示されることを特徴とする請求項1又は2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関し、特に本発明を所謂「弾球遊技機」に対して好適に適用できる。
【背景技術】
【0002】
弾球遊技機(以下、遊技機という)は、始動口と大入賞口(大入賞装置)とを遊技領域に備え、始動口への入賞に基づいて当否判定を実行する。この当否判定が実行されると、特別図柄表示装置で特別図柄の変動(図柄変動)を実行する。そして、特別図柄表示装置で当否判定の結果が大当りであることを示す停止図柄(大当り図柄)が確定表示されることに基づいて、大入賞口を開放状態に変化させる大当り遊技を実行する。また、大当り遊技を実行した後、遊技状態を通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態(例えば、開放延長状態等)に移行させるものが存在する。
かかる遊技機では当否判定の結果を報知する手段として、特別図柄を表示する特別図柄表示装置の他に、演出図柄表示装置を備え、特別図柄の変動表示に対応した演出表示を実行するのが一般的である。
【0003】
このような遊技機としては、2種の始動口を備えるものが多用されている。つまり、始動口として、常時、入球可能性が変化しない非可変式の始動口(以下、第1始動口という)と、遊技球が入球困難な閉鎖状態から、この閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に変化可能な可変式の始動口(以下、第2始動口という)とを備えるタイプの遊技機が存在する。
また、この2種の始動口を備える遊技機として、遊技状態を、第2始動口が開放状態となる開放時間を通常の時間とする通常状態(以下、非開放延長状態若しくは非特別遊技状態ともいう)から、この開放時間を通常の時間よりも延長される特別遊技状態(以下、開放延長状態ともいう)に移行可能なものが存在する。
【0004】
そして、この遊技状態を、通常状態から特別遊技状態に移行可能な遊技機では、通常状態において第2始動口への遊技球の入球が困難若しくは不可能とされ、特別遊技状態において第2始動口への遊技球の入球が容易とされる。
このため、2種の始動口を備える遊技機では、通常状態において第1始動口に遊技球を入球させ、第1始動口に対応する特別図柄(以下、第1特別図柄という)を変動させる遊技をメインに行い、特別状態において第2始動口に遊技球を入球させ、第2始動口に対応する特別図柄(以下、第2特別図柄という)を変動させる遊技をメインに行うのが一般的である。
【0005】
このような遊技機では、始動口(第1始動口、第2始動口)に遊技球が入球することで取得した数値データ(乱数)を所定個数、保留記憶可能として、取得した保留個数分の保留図柄を演出図柄表示装置で表示しているのが一般的である。
ところが、近年、遊技状態に応じて遊技のメインとなる始動口に対応する保留図柄以外は表示する必要性が低いため、遊技のメインとなる始動口に対応する保留図柄のみを表示する遊技機が登場している(特許文献1を参照)。
この特許文献1に示すような構成を備える遊技機によると、余分な演出データを持つ必要がなく、さらに遊技のメインとなる保留図柄の表示領域を確保できるので、様々な保留演出を実行し易いメリットがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、このような遊技機では、現在、第1始動口及び第2始動口の何れに遊技球が入球することで取得した数値データ(乱数)を処理(当否判定等)しているかが、判り辛い場合があり、遊技進行をより明確にすることを可能とする上で、改善の余地がある。
【0008】
本発明は上記観点に鑑みてなされたものであり、その時点の遊技状態に応じて、第1始動口への入球に対応する保留図柄及び第2始動口への入球に対応する保留図柄のうちの一方のみを表示する遊技機において、明確な遊技進行を実行可能とすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の遊技機は、
常時、入球可能性が変化しない第1始動口と、
開放条件が成立すると、遊技球が入球困難な閉鎖状態から、該閉鎖状態よりも遊技球が入球容易な開放状態に、所定の開放時間に亘って変化可能な第2始動口と、
遊技球が前記第1始動口に入球することに基づいて取得した数値データを第1所定個数、記憶可能な第1数値データ記憶手段と、
遊技球が前記第2始動口に入球することに基づいて取得した数値データを第2所定個数、記憶可能な第2数値データ記憶手段と、
前記第1数値データ記憶手段若しくは前記第2数値データ記憶手段に記憶した数値データに基づいて当否判定を実行する当否判定実行手段と、
該当否判定が実行されることに基づいて図柄変動を実行した後、該当否判定の結果を確定表示する図柄表示手段と、
移行条件が成立すると移行終了条件が成立するまでの間、遊技状態を、前記第2始動口の前記開放時間が、該遊技状態が通常状態である場合よりも延長された特別遊技状態に移行させる遊技状態移行手段と、
前記当否判定の結果に基づいて演出表示を実行する演出表示手段と、
を備え、
前記演出表示手段には、
前記遊技状態が前記通常状態であれば前記第1数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を保留図柄として表示させ、前記第2数値データ記憶手段に記憶された数値データの個数を保留図柄として表示させないと共に、前記特別遊技状態においては少なくとも第1数値データ記憶手段による保留図柄を表示させない、遊技機であって、
前記数値データに関して前記当否判定が行われる度に、前記演出表示手段に変動中図柄が表示され、該変動中図柄は、少なくとも当該数値データについての当否判定に関する図柄変動が終了するまでに消去されるものであり、
該当否判定が行われた数値データに対応する保留図柄が前記演出表示手段に表示されていた場合には、当該表示されている保留図柄が、該当否判定が行われると消去されると共に前記変動中図柄として表示され、
前記遊技状態が前記通常状態である場合、前記第2数値データ記憶手段に記憶された数値データに関する当否判定の結果に基づいて前記図柄変動を実行する場合において、前記演出表示手段に当該当否判定の対象となる数値データに関する変動中図柄を表示させることを特徴(以下、第1特徴という)とする。
【0010】
以下の説明において、(a)遊技状態が通常状態であり、遊技のメイン(中心)となる始動口を第1始動口とする場合を、「第1特別図柄の変動をメインとするケース」と称し、(b)遊技状態が特別遊技状態であり、遊技のメインとなる始動口を第2始動口とする場合を、「第2特別図柄の変動をメインとするケース」と称することがある。
【0011】
第1特徴を備える遊技機では、遊技状態が通常状態であり、「第1特別図柄の変動をメインとするケース」では、第1始動口への入球に基づき取得した数値データ(以下、第1数値データという)に対応する保留図柄(以下、第1保留図柄という)が表示され、第2始動口への入球に基づき取得した数値データ(以下、第2数値データという)に対応する保留図柄(以下、第2保留図柄という)が表示されない。
かかる通常状態においては第2始動口への入球が困難であるが、稀に(突然)、第2始動口への入球を生じ、第2数値データが第2数値データ記憶手段に記憶されることがある。つまり、遊技状態が通常状態であるとき、第2始動口への入球が困難であるものの、第2始動口が低い頻度で開放状態となるため、稀に第2始動口に遊技球が入球する可能性がある。そして、このように、稀に第2始動口への遊技球の入球を生ずると、遊技進行に合わせて変動する特別図柄の種類が「第1特別図柄から第2特別図柄」に切り替わることになる。ところが、第1特徴を備える遊技機では、変動する特別図柄の種類に、突然、切り替わりを生じても、第2特別図柄の変動に対応して変動中図柄が表示される。
【0012】
ここで、この突然、開始される第2特別図柄の変動は、第1数値データの当否判定(以下、第1当否判定という)に基づき実行されるものではないため、第1保留図柄の消去に伴い実行されるもではない。但し、第1保留図柄の消去を伴わずに、変動中図柄の表示が開始されるため、図柄変動が「第1特別図柄の変動」から「第2特別図柄の変動」に切り替わったことが明確にわかることとなる。
【0013】
よって、第1特徴を備える遊技機によると、保留図柄が表示されない方の特別図柄の関する変動(第2保留図柄が表示されない場合の第2特別図柄に関する変動)が、保留図柄が表示される方の特別図柄の関する変動(第1保留図柄が表示される場合の第1特別図柄に関する変動)に割り込んで実施された場合にも、遊技者は「後者の変動(第1特別図柄の変動)」が継続していると勘違いすることが無くなる。
従って、第1特徴を備える遊技機によると、遊技者は遊技進行状況を明確に理解することができる。
なお、第1特徴を備える遊技機において、第1数値データ記憶手段に第1数値データが記憶され、第2数値データ記憶手段に第2数値データが記憶されている状態では、第2特別図柄に関する当否判定(以下、第2当否判定という)を、第1当否判定に優先して行う場合に、本発明を特に好適に適用できる。蓋し、遊技状態が通常状態である場合に、第2数値データが記憶されるケースを生ずると、当該「第2数値データの記憶に基づく保留図柄(第2保留図柄)の表示と、その消去」を伴わずに、「第2当否判定に基づく図柄変動」が、第1当否判定に基づく変動に優先して実行されるからである。
【0014】
本発明の「特別遊技状態」としては、例えば、当否判定の単位時間当りの実行頻度を高くする当否判定頻度向上手段が作動する状態等を指す。なお、当否判定頻度向上手段としては、(1)「第2始動口」が、閉鎖状態から開放状態に、所定の開放時間に亘って変化する場合において、当該開放時間を、遊技状態が通常状態である場合よりも延長する開放延長手段、(2)特別図柄の変動時間を遊技状態が通常状態である場合よりも短縮する変動短縮手段と、のうちの少なくとも一方が作動する状態等を例示できる。なお、本明細書において、開放延長手段及び変動短縮手段の双方が作動する状態を「時短状態」という。
また、本発明では、第1所定個数と第2所定個数を等しくてもよいし、異なっていてもよい。また、本発明においては、特別遊技状態において、一切の保留図柄(第1保留図柄及び第2保留図柄)を表示しないこととしてもよい。
【0015】
ここで、本発明の「開放条件」として、例えば、普通図柄に関する当否判定の結果が当りになることに基づき、成立する条件を例示できる。つまり、本発明の遊技機が、作動検出部(例えば、普通図柄作動ゲート)と、作動検出部が遊技球を検出することに基づいて普通図柄に関する当否判定を行う普通図柄当否判定手段と、を備える場合、普通図柄に関する当否判定の結果が当りになることに基づき、成立する。
また、本発明の「移行条件」として、例えば、(a)当否判定(特別図柄に関する当否判定)の結果が大当りとなり、大当り遊技を実行すると成立する条件(大当り遊技を介して成立する移行条件)と、(b)当否判定の判定結果が時短当選であることを示す時短図柄が表示されることに基づいて、大当り遊技を介することなく成立する条件(大当り遊技を介することなく成立する移行条件)との、少なくとも一方を例示することができる。
【0016】
本発明の遊技機は、
第1特徴を備える遊技機において、
1回の前記当否判定の結果に基づいて実行される演出表示として、該演出表示の開始と、仮停止とを行う単位演出表示を複数回行う疑似連演出を備え、
該疑似連演出において、該単位演出表示が実行される回数が多いと、前記当否判定が大当りとなる期待度が高くされると共に、
前記疑似連演出が実行された場合は、少なくとも最後の単位演出表示が実行されるまでは、前記変動中図柄を表示させることを特徴(以下、第2特徴という)として備えてもよい。
【0017】
第2特徴を備える遊技機によると、疑似連演出が実行される場合は変動中図柄を、少なくとも最後の単位演出表示が実行されるまでは表示し、図柄変動が終了するまでに消去される。このため、通常状態時は、第2数値データ記憶手段に記憶された数値データに関する当否判定の結果に基づいて図柄変動を実行する場合において、変動中図柄を表示することが特に有効となる。
つまり、(a)その時点の遊技状態に応じて、本来、対象とせず、保留図柄が非表示とされる数値データ(例えば、通常状態である場合の第2数値データ)に関して当否判定されることに基づいて割り込み的に行われた変動と、(b)その時点の遊技状態に応じて、本来、対象としており、保留図柄が表示される数値データ(例えば、通常状態である場合の第1数値データ)であって、疑似連演出が行われた変動と、の違いが把握し易くなる。このため、当該割り込み的な変動が、本来、対象としている数値データに基づく変動で行われた疑似連であると、勘違いしてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0018】
なお、本願発明において、「変動中図柄の表示は当該数値データについての当否判定に基づく図柄変動が開始され、当該図柄変動が終了するまでに到来する消去タイミングで消去される」。但し、本発明においては、この変動中図柄の表示が開始されてから消去タイミングになるまでの間に、必ずしも、変動中図柄は終始表示されていなくてもよい。例えば、当該図柄変動に対応して実行される演出表示の影響で、変動中図柄の表示が一時的に停止されてもよい。より具体的に説明すると、当該演出表示として、演出表示手段の表示部(例えば、表示画面)で、予告演出等の種々の演出を行うことがあるが、その際、表示部(表示画面)の内容が表示部全体(表示画面全体)に切り替わり、当該予告演出等を終了するまで、当該予告演出等で変動中図柄が隠蔽され、変動中図柄が一時的に視認不能とされてもよい。
つまり、変動中図柄は表示開始から、消去タイミングになるまでの間に一時的に消えた状態となってもよい。
【0019】
本発明の遊技機は、
第1特徴若しくは第2特徴を備える遊技機において、
前記第1数値データ記憶手段に記憶された第1数値データ若しくは前記第2数値データ記憶手段に記憶された第2数値データに基づいて、前記当否判定を行う前に事前判定を実行する先読み判定手段と、
該事前判定の結果に基づいて、先読み演出を実行する先読み演出実行手段と、
を備え、
前記先読み演出は、前記保留図柄として先読み判定手段による判定に基づいて決定されると共に前記当否判定の結果が大当りとなる期待度を示唆する先読み図柄を表示可能な演出であり、前記演出表示手段に該先読み図柄が表示されている保留図柄に対応する前記図柄変動を開始するときには、前記変動中図柄として該先読み図柄に関連した先読み図柄が表示される構成とし、
前記演出表示手段に保留図柄が表示されていない数値データに対応する前記図柄変動を開始するときには、前記先読み図柄に関連しない変動中図柄が表示されることを特徴(以下、第3特徴という)として備えてもよい。
【0020】
第3特徴を備える遊技機によると、以下の効果を得ることができる。
つまり、遊技状態に応じて、保留図柄が非表示される数値データに関する変動中図柄として、いきなり、先読み保留図柄に関連した変動中図柄が表示されると、それまで保留図柄を表示していた方の数値データ関する変動中図柄が、あたかも、ステップアップしたかのように感じてしまう。従って、本来、遊技状態に応じて対象としている変動から遊技状態に応じて対象としていない変動に切替わったこと(第1数値データを当否判定することに基づく変動から、第2数値データを当否判定することに基づく変動に切替わったこと)を伝えづらくなってしまう。例えば、遊技者は、保留図柄を表示していた方の数値データ関する変動中図柄が一旦、消去された後(消滅した後)、先読み保留図柄にランクアップしたと勘違いする可能性がある。
【0021】
これに対して、第3特徴を備える遊技機によると、変動中図柄として、先読み保留図柄に関連しない変動中図柄を表示するため、本来、遊技状態に応じて対象としている変動から遊技状態に応じて対象としていない変動に切替わったことを伝え易くなる。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、本発明によると、その時点の遊技状態に応じて、第1始動口への入球に対応する保留図柄及び第2始動口への入球に対応する保留図柄のうちの一方のみを表示する遊技機において、明確な遊技進行を実行可能とする遊技機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図4】パチンコ機50の電気的構成を示すブロック図。
【
図6】パチンコ機50の大当り図柄と、大当りの種類と、大当り遊技実行後の遊技状態等の関係を示す図表。
【
図7】パチンコ機50の主制御装置80で実行されるメインルーチンの概要を示すフローチャート。
【
図8】主制御装置80で実行される普通図柄始動入賞確認処理の制御内容を示すフローチャートである。
【
図9】主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図10】主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第2のフローチャート。
【
図11】(a)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第3のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄当否判定処理の制御内容を示す第4のフローチャート。
【
図12】主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第1のフローチャート。
【
図13】(a)主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第2のフローチャート、(b)は主制御装置80で実行される普通図柄遊技処理の制御内容を示す第3のフローチャート。
【
図14】主制御装置80が実行する特別図柄に関する始動入賞確認処理のフローチャート。
【
図16】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第1のフローチャート。
【
図17】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第2のフローチャート。
【
図18】(a)は遊技状態と変動パターンテーブルの関係を示す図表、(b)は主制御装置80が実行する当否判定処理の第3のフローチャート。
【
図19】主制御装置80が実行する特別図柄に関する当否判定処理の第4のフローチャート。
【
図20】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第1のフローチャート。
【
図21】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第2のフローチャート。
【
図22】主制御装置80が実行する大当り遊技処理の第3のフローチャート。
【
図24】演出図柄表示装置6の画面6aに表示される保留図柄、変動中図柄を示す概略的な説明図。
【
図25】演出図柄表示装置6の画面6aに表示される保留図柄、変動中図柄を示す概略的な説明図。
【
図26】演出図柄表示装置6の画面6aに表示される保留図柄、変動中図柄を示す概略的な説明図。
【
図28】(a)及び(b)はシナリオ選択テーブルの一部を示す図表、(c)はシナリオを選択しないケースに関する説明図、(d)は予告コマンドの種類と、保留変化演出実行抽選処理の当選確率の関係を示す図表。
【
図33】サブ統合制御装置83が実行する表示態様設定処理を示すフローチャート。
【
図34】サブ統合制御装置83が実行する保留図柄表示処理を示すフローチャート1。
【
図35】サブ統合制御装置83が実行する保留図柄表示処理を示すフローチャート2。
【
図36】サブ統合制御装置83が実行する保留数情報受信処理を示すフローチャート。
【
図37】サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を示すフローチャート。
【
図38】変動パターンと、演出パターンの関係等を示す図表。
【
図39】変動パターンと、演出パターンの関係等を示す図表。
【
図40】サブ統合制御装置83が実行する変動中図柄変化処理を示すフローチャート。
【
図41】サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
【0025】
(1)実施例1
図1に示すように、遊技機の一種であるパチンコ機50は、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51にて構成の各部を保持する構造である。外枠51の左側上下には、ヒンジ53が設けられており、該ヒンジ53の他方側には
図3に記載する内枠70が取り付けられており、内枠70は外枠51に対して開閉可能な構成になっている。前枠52には、板ガラス61が取り外し自在に設けられており、板ガラス61の奥には
図2に記載する遊技盤1が内枠70に取り付けられている。
【0026】
また、前枠52は、左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開閉可能に構成されている。そして、外枠51に対して内枠70を閉鎖し、前枠52が内枠70に対して閉鎖した状態となると、遊技を実行可能な状態となる。また、前枠52を左側上下のヒンジ(図示を省略)を支点に内枠70に対して開放すると、遊技盤1の前面1aが開放され、パチンコホールの店員等が、当該前面1aに対して発生した不具合を解消する作業(遊技盤1における球詰まりの解消作業等)を施すことができる。なお、以下の説明において、前枠52をガラス枠と称することもある。
【0027】
前枠52の上側左右には、スピーカ66が設けられており、パチンコ機50から発生する遊技音が出力され、遊技者の趣向性を向上させる。また、遊技者の趣向性を向上させるために前枠52に遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65も複数設けられている。前枠52の下方には、上皿55と下皿63が一体に形成されている。下皿63の右側には発射ハンドル64が取り付けられており、該発射ハンドル64を時計回りに回動操作することによって発射装置(図示省略)が可動して、上皿55から供給された遊技球が遊技盤1に向けて発射される。
【0028】
上皿55の上部ほぼ中央には、遊技者が操作可能な演出ボタン67が備えられている。演出ボタン67は、遊技者が有効期間中に操作することで、後述する演出図柄表示装置6に表示される演出内容を変化させ、スピーカ66により出力される遊技音が変化させるものとなっている。また、演出ボタン67は、その周囲にジョグダイヤル68を備えたものとなっており、ジョグダイヤル68を回転させることにより、演出用の画像に変化を与えることが可能に構成されている。また、このパチンコ機50はいわゆるCR機であって、プリペイドカードの読み書き等を行うためのプリペイドカードユニット(CRユニット)56が付属しており、パチンコ機50には、貸出ボタン57、精算ボタン58及び残高表示器59を有するCR精算表示装置が備わっている。
【0029】
図2は、本実施例のパチンコ機50の遊技盤1の正面図である。
この遊技盤1には、公知のガイドレール2a、2bによって囲まれた略円形の遊技領域3が、ほぼ中央部に配置されたセンターケース5を境に第1遊技領域部3Lと第2遊技領域部3Rとに分けられている。
センターケース5の左側が第1遊技領域部(以下、左打ち領域という)3L、右側が第2遊技領域部(以下、右打ち領域という)3Rとなり、遊技球の発射威力を所定力以上で図に示したT部まで到達した遊技球は誘導路3pを転動し、右打ち領域3Rに至り、右打ち領域3Rを流下する。一方、遊技球の発射威力を所定未満で、T部に到達しない遊技球が左打ち領域3L(センターケース5の左側)を流下することになる。なお、遊技領域3(左打ち領域3L、右打ち領域3R)には多数の遊技釘が植設されている(図示を省略)。
【0030】
センターケース5は、公知のものと同様に、ワープ入口、ワープ通路、ステージ、演出図柄表示装置6の画面6aを臨ませる窓等を備えている。センターケース5の下には、第1始動口11が配置されている。また、第1始動口11の左方には、4個の普通入賞口13が設けられている。なお、この普通入賞口13は、入球率が変化しない常時入球が可能な普通入賞口である。
センターケース5の右側の右打ち領域3Rには、普通図柄作動ゲート17が配置されている。
そして、右打ち領域3Rにおいて普通図柄作動ゲート17の下には普通電動役物12Aが配置されている。また、普通電動役物12Aの内部には第2始動口12が設けられ、普通電動役物12Aの内部に入球した遊技球が第2始動口12に入球可能とさせている。
【0031】
普通電動役物12Aには、その開閉を行うための左右一対の翼片12tを備え、この一対の翼片12tは、下端側の支点を基準に回動可能とされ、当該一対の翼片12tの上端部の間隔を狭くして、普通電動役物12Aを閉鎖状態とする。
そして、普通電動役物12Aが閉鎖状態となると、一対の翼片12tの上端部間には、ほぼ1球の遊技球の通過を許容する間隔が形成されるが、当該上端部で構成される隙間の真上には、遊技球の通過を禁止する障害部材12sが設けられている。このため、普通電動役物12Aが開放状態であると、右打ち領域3Rを流下した遊技球は普通電動役物12Aに入球し、第2始動口12に入球する可能性があるが、普通電動役物12Aが閉鎖状態であると、普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球することが不可能となっている。但し、一対の翼片12tの上部から障害部材12sを排除等し、普通電動役物12Aが閉鎖状態であっても普通電動役物12A(第2始動口12)に遊技球が入球可能であってもよい。
【0032】
また、一対の翼片12tの上端部の間隔を広げると普通電動役物12Aが開放状態となる。つまり、普通電動役物12Aが開放状態となると、一対の翼片12tが正面視で略逆ハの状態となり、当該上端部の間隔が遊技球の直径複数個分に広がり、各翼片12tの上端部と障害部材12sとの間隔が遊技球の直径を超える幅となる。しかも、一対の翼片12tの左右に対向する面が、第2始動口12の上部周辺に到達した遊技球を第2始動口12の内部に案内する案内面を構成する。このため、普通電動役物12Aが開放状態となると、普通電動役物12A(一対の翼片12tの上端部)の上部周辺に流下する遊技球は第2始動口12に入球し易くなる。
【0033】
また、普通電動役物12A(第2始動口12)の左下には大入賞口14が配置され、センターケース5の直下であって、大入賞口14の左側には第1始動口(第1始動入賞装置)11が配置されている。
第1始動口11は、植設された遊技釘(図示を省略)及び遊技領域3の略中央部に大型サイズで配置されたセンターケース5により、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球困難な構成となっている。これにより、第1始動口11には、専ら左打ち領域3Lを流下した遊技球が入球可能となっている。換言すると、第1始動口11には、右打ち領域3Rを流下した遊技球が入球する可能性が低くなっている。
【0034】
右打ち領域3Rの下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7、普通図柄保留数表示装置8と、7セグメント表示装置からなる第1特別図柄表示装置9、7セグメント表示装置からなる第2特別図柄表示装置10と、複数個のLEDからなる第1特別図柄保留数表示装置18、複数個のLEDからなる第2特別図柄保留数表示装置19とが配置されている。この位置に配置した各種表示装置の表示内容を遊技者が確実に認識することは困難となり、遊技中の遊技者は演出図柄表示装置6の表示内容に注目して遊技を行うことになる。
【0035】
上記のように遊技盤1を構成することによって、左打ち領域3Lに遊技球を流下した遊技球が専ら第1始動口11に遊技球が入球(第1始動口スイッチ11a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄(以下、第1特図とも記載)が変動を開始し、所定時間後に停止する。
【0036】
右打ち領域3Rに遊技球を流下させると、普通図柄作動ゲート17に遊技球が入球(普通図柄作動スイッチ17a(
図4参照)が遊技球を検出)することに基づいて、普通図柄表示装置7で普通図柄(以下、普図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普図の態様(当り、外れの各態様)に応じて、後述する普通電役ソレノイド12b(
図4参照)を駆動させる。つまり、普通図柄表示装置7に普図の当り態様(当り図柄)が停止表示され、普通電役ソレノイド12bが駆動すると、ほぼ同期して第2始動口(普通電動役物12A)の翼片12tが開放して、第2始動口12への入球(第2始動口スイッチ12a(
図4参照)の検出)が可能となるように構成されている。第2始動口12に遊技球が入球(第2特図始動スイッチ12a(
図4参照)が遊技球を検出)すると、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄(以下、第2特図とも記載)が変動表示を開始し、所定時間後に停止する。
【0037】
第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6において各々の特別図柄(以降、特図ともいう)の変動に連動した演出態様を表示する。また、第1特別図柄と第2特別図柄は、同時に変動することはなく、第1始動口11と第2始動口12への入球順に関係なく、第2特別図柄の変動(当否判定)を優先して実施する。具体的には、第1特別図柄の保留記憶がある場合、第2特別図柄の変動が停止し、且つ、第2特別図柄保留記憶が無い状態となって、第1特別図柄保留記憶分の変動(当否判定)を開始する。この点に関しては後述する。
但し、本実施例と異なり、第1始動口11と第2始動口12への入球順に第1特別図柄と第2特別図柄を変動させたり、第1特別図柄と第2特別図柄を同時に変動させたりしてもよい。
【0038】
第1特別図柄及び第2特別図柄の確定表示した態様に応じて、後述する大入賞口ソレノイド14b(
図4参照)が駆動する。大入賞口ソレノイド14bが駆動すると、ほぼ同期して大入賞口14の扉部材14tが開放し、大入賞口14への遊技球の入球(カウントスイッチ14a(
図4参照)が遊技球を検出)が可能となるように構成されている。
【0039】
つまり、大入賞口14の下端側には扉部材(開閉部材)14tが傾動可能に支持されており、非当り遊技状態(大当り遊技や、小当り遊技が実行されないとき)には、大入賞口14は扉部材14tによって閉鎖された状態となり、遊技球を入球させることができない。一方、当り遊技状態(大当り遊技等)には、扉部材14tが傾動し(遊技盤1と対面する遊技者方向に傾動し)、大入賞口14が開放された状態となり、遊技球を入球させることができる。
【0040】
以上のように、普通図柄作動ゲート17、第2始動口12、及び大入賞口14は、右打ち領域3R(センターケース5の右側)に配置されているため、特別遊技状態(時短機能が作動する状態(開放延長状態、変動短縮状態))に移行した場合は、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力以上に調整)することになる。一方、第1始動口11は、センターケース5の略直下に配置されていると共に、通常状態(非特別遊技状態)には、普通電動役物12A(第2始動口12)が開放状態となる頻度が低い(時短状態よりも遙かに低い)ため、発射した遊技球の全てが左打ち領域3Lに到達するように発射ハンドル64を調整(遊技球の発射威力を所定力未満に調整)することになる。
【0041】
更に、本実施例は、大当り遊技状態には、発射した遊技球の全てが右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル64を調整することになる。この大当り遊技状態では、確変機能や時短機能が作動しない状態(通常状態と同じ状態)であるが、本実施例では、大入賞口14を右打ち領域3Rに配置している。このため、大当り遊技状態において、右打ち領域3Rに到達するように発射ハンドル64を調整することになる。
【0042】
本パチンコ機50において、時短状態では開放延長機能が作動するため(入球可能性向上制御を行うため)、当該時短状態を開放延長状態ということがある。
但し、時短状態において、可変式の始動口(第2始動口12)の開放延長機能と、特別図柄の変動短縮機能とのうち、開放延長機能を作動させずに変動短縮機能のみを作動させてもよいし変動短縮機能を作動させずに開放延長機能のみを作動させてもよい。
なお、遊技盤1の遊技領域3には多数の遊技釘(図示を省略)が植設されており、盤面最下部にはアウト口2dが設けられている。
【0043】
パチンコ機50の裏面は
図3に示すとおり、前述した遊技盤1に脱着可能に取り付ける内枠70が前述した外枠51に収納されている。この内枠70には、上方から、球タンク71、タンクレール72及び払出装置73が設けられている。この構成により、遊技盤1上の入賞口に遊技球の入賞があれば球タンク71からタンクレール72を介して所定個数の遊技球を払出装置73により前述した上皿55に排出することができる。また、パチンコ機50の裏側には、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、発射制御装置84、電源基板85が設けられている。なお、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83がサブ制御装置に該当する。
【0044】
主制御装置80、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83は遊技盤1に設けられており、払出制御装置81、発射制御装置84、電源基板85が内枠70に設けられている。なお、
図3では、発射制御装置84が描かれていないが、発射制御装置84は払出制御装置81の下に設けられている。また、球タンク71の右側には、外部接続端子78が設けられており、この外部接続端子78より、遊技状態や遊技結果を示す信号が図示しないホールコンピュータに送られる。なお、従来はホールコンピュータへ信号を送信するための外部接続端子78には、盤用(遊技盤側から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)と枠用(枠側(前枠52、内枠70、外枠51)から出力される信号をホールコンピュータへ出力するための端子)の2種類を用いているが、本実施例では、一つの外部接続端子78を介してホールコンピュータへ遊技状態や遊技結果を示す信号を送信している。
【0045】
本パチンコ機50の電気的構成は、
図4のブロック図に示すとおり、主制御装置80を中心にして構成されている。また、詳細の図示は省略するが、主制御装置80、払出制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えているが、本実施例では発射制御装置84にはCPU、ROM、RAMは設けられていない。しかし、これに限るわけではなく、発射制御装置84にCPU、ROM、RAM等を設けてもよい。
【0046】
本パチンコ機50は、バックアップ電源を備え、少なくとも、主制御装置80、払出制御装置81に設けられたRAMの内容を保持する構成である。尚、パチンコ機50では、サブ統合制御装置83に設けられたRAMの内容は保持されない。
【0047】
主制御装置80には、第1始動口11に入球した遊技球を検出する第1始動口スイッチ11a、第2始動口12に入球した遊技球を検出する第2始動口スイッチ12a、普通図柄を作動させる普通図柄作動ゲート17に進入した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、一般入賞口13に入球した遊技球を検出する一般入賞口スイッチ13a等の検出信号が入力される。
【0048】
主制御装置80は搭載しているプログラムに従って動作して、上述の検出信号などに基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成して払出制御装置81及びサブ統合制御装置83に出力する。
また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板90を介して接続されている第1特別図柄表示装置9及び第2特別図柄表示装置10の表示、第1特別図柄保留数表示装置18、第2特別図柄保留数表示装置19、普通図柄表示装置7、普通図柄保留表示装置8の点灯を制御する。
【0049】
更に、主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで普通電動役物(第2始動口12)の開閉を制御する。
主制御装置80からの出力信号は試験信号端子にも出力される他、図柄変動や大当り(特別遊技ともいう)等の管理用の信号が外部接続端子78に出力されてホールメインコンピュータ87に送られる。主制御装置80と払出制御装置81とは双方向通信が可能である。
【0050】
また、主制御装置80には、ガラス枠開放スイッチ35、内枠開放スイッチ36から検出信号が入力される。具体的な図示を省略するが、内枠70の前面からは、ガラス枠開放スイッチ35が前後(パチンコ機50の前後)に出没可能な出没型のスイッチが突出している。そして、内枠70に対して前枠52が開放されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部が開放されるため、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が多くなり、ガラス枠開放スイッチ35はOFF状態となる。一方、内枠70に対して前枠52が閉鎖されると、ガラス枠開放スイッチ35の前端部が前枠52の裏面で後方に押圧され、ガラス枠開放スイッチ35の突出量が少なくなり、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる。なお、本パチンコ機50においては、実際に前枠52が開放されても、指(パチンコホールの店員の指)等で、ガラス枠開放スイッチ35の前端部を押圧(パチンコ機50の後方に向かって押圧)することで、ガラス枠開放スイッチ35はON状態となる。
【0051】
また、外枠51に対して内枠70が閉鎖状態になると内枠スイッチ36(
図4を参照)がON状態となり、外枠51に対して内枠70が開放状態になると内枠スイッチ36がOFF状態となる。更に、ガラス枠開放スイッチ35を内枠70の裏面側に設けることができる。
【0052】
払出制御装置81は、主制御装置80から送られてくるコマンドに応じて払出モータ20を稼働させて賞球を払い出させる。本実施例においては、賞球として払い出される遊技球を計数するための払出スイッチ21の検出信号は払出制御装置81に入力され、払出制御装置81で賞球の計数が行われる構成を用いる。この他にも主制御装置80と払出制御装置81に払出スイッチ21の検出信号が入力され、主制御装置80と払出制御装置81の双方で賞球の計数を行う構成を用いることも考えられる。
【0053】
なお、払出制御装置81は、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23からの信号が入力され、満杯スイッチ22により下皿63が満タンであることを示す信号が入力された場合及び球切れスイッチ23により球タンクに遊技球が少ないあるいは無いことを示す信号が入力されると払出モータ20を停止させ、賞球の払出動作を停止させる。なお、満杯スイッチ22、球切れスイッチ23も、その状態が解消されるまで信号を出力し続ける構成になっており、払出制御装置81は、その信号が出力されなくなることに起因して払出モータ20の駆動を再開させる。
【0054】
また、払出制御装置81はCRユニット端子板24を介してプリペイドカードユニット(CRユニット)56と交信することで払出モータ20を作動させ、貸し球を排出する。払出された貸し球は払出スイッチ21に検出され、検出信号は払出制御装置81に入力される。なお、CRユニット端子板24は精算表示基板25とも双方向通信可能に接続されており、精算表示基板25には、遊技球の貸出しを要求するための球貸ボタン、精算を要求するための返却ボタン、残高表示器が接続されている。
【0055】
また、払出制御装置81は、外部接続端子78を介して賞球に関する情報、枠(内枠、前枠)の開閉状態を示す情報などをホールコンピュータ87に送信するほか、発射制御装置84に対して発射停止信号を送信する。
なお、本実施例では遊技球を払い出す構成であるが、入賞等に応じて発生した遊技球を払い出さずに記憶する封入式の構成にしても良い。
発射制御装置84は発射モータ30を制御して、遊技球を遊技領域3に遊技球を発射させる。なお、発射制御装置84には払出制御装置81以外に発射ハンドル64からの回動量信号、タッチスイッチ28からのタッチ信号、発射停止スイッチ29から発射停止信号が入力される。
【0056】
回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を操作することで出力され、タッチ信号は遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止スイッチ信号は、遊技者が発射停止スイッチ29を押すことで出力される。なお、タッチ信号が発射制御装置84に入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射できないようになっている。
【0057】
サブ統合制御装置83はサブ制御装置に該当し、主制御装置80から送信されてくるデータ及びコマンドを受信し、それらを演出表示制御用、音制御用及びランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンド等は演出図柄制御装置82に送信し、音制御用及びランプ制御用は自身に含まれている各制御部位(音声制御装置及びランプ制御装置としての機能部)に分配する。
【0058】
そして、音声制御装置としての機能部(
図4において音声制御部83aと表記)は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによってスピーカ66からの音声出力を制御、つまり、音量の制御や、音声の種類(例えば、報知音の種類等)を制御する。また、ランプ制御装置としての機能部(
図4においてランプ制御部83bと表記)は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって各種LED、ランプ26を制御する。
【0059】
また、サブ統合制御装置83には、演出ボタン67、ジョグダイヤル68が接続されており、遊技者が演出ユニット67、68を操作した際には、その操作信号がサブ統合制御装置83に入力される。なお、ジョグダイヤル68を演出図柄制御装置82に接続する構成にしてもよい。
【0060】
サブ統合制御装置83と演出図柄制御装置82とは双方向通信が可能である。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から受信したデータ及びコマンド(共に主制御装置80から送信されてきたものとサブ統合制御装置83が生成したものとがある)に基づいて演出図柄表示装置6を制御して、演出図柄等の演出画像を演出図柄表示装置6の画面6aに表示させる。
なお、本実施例では、サブ統合制御装置83及び演出図柄制御装置82は別々の装置に分かれているが、1つの装置にまとめる構成にしてもよい。
【0061】
次に、
図5を用いて、本実施例のパチンコ機50の作動と、基本的仕様について説明する。
パチンコ機50は、第1始動口11への入球に起因して第1特別図柄の当否判定(第1当否判定)が実行され、第2始動口12への入球に起因して第2特別図柄の当否判定(第2当否判定)が実行される。
【0062】
そして、第1当否判定が実行されることに基づき、第1特別図柄の変動時間が決定され、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄の変動が開始される。同様に、第2当否判定が実行されることに基づき、第2特別図柄の変動時間が決定され、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄の変動が開始される。
また、第1特別図柄表示装置9において第1特別図柄の変動を開始するか、第2特別図柄表示装置10において第2特別図柄の変動を開始すると、対応して(開始する第1特別図柄の変動若しくは第2特別図柄の変動に対応して)、演出図柄表示装置6において演出表示(演出図柄の変動)を開始する。
【0063】
また、第1特別図柄の変動を開始するか、第2特別図柄の変動を開始すると、演出図柄表示装置6で変動中図柄の表示を開始する。
第1特別図柄の変動を開始した場合、第1特別図柄の変動時間を経過すると、第1特別図柄表示装置9にて第1特別図柄の確定図柄が表示され、第1当否判定の結果が報知される。同時に、演出図柄表示装置6において、第1特別図柄に対応する演出図柄を確定表示することによっても、特別図柄の当否判定の結果が報知される。
【0064】
同様に、第2特別図柄の変動を開始した場合、第2特別図柄の変動時間を経過すると、第2特別図柄表示装置10にて第2特別図柄の確定図柄が表示され、第2当否判定の結果が報知される。同時に、演出図柄表示装置6において、第2特別図柄に対応する演出図柄を確定表示することによっても、特別図柄の当否判定の結果が報知される。
【0065】
更に、第1特別図柄の変動に対応して開始される変動中図柄の表示は、遅くとも、変動を開始した第1特別図柄の変動時間を経過するまでに終了(変動中図柄が消去され、消滅)する。同様に、第2特別図柄の変動に対応して開始される変動中図柄の表示は、遅くとも、変動を開始した第2特別図柄の変動時間を経過するまでに終了(変動中図柄が消去され、消滅)する。
【0066】
また、本実施例のパチンコ機50は、所謂「確変機」であり、高確率状態における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率は、通常確率状態(大当り判定確率が通常確率)における第1特別図柄及び第2特別図柄の大当り確率の約10倍となっている。つまり、通常確率状態での大当り判定確率が「1/300」、高確率状態での大当り判定確率が「1/30」とされている。
【0067】
更に、第1特別図柄又は第2特別図柄の当否判定の結果が大当りとなり、特別図柄(第1特別図柄、第2特別図柄)が大当り図柄で確定表示されると、条件装置が作動することによって役物連続作動装置が作動して大入賞口14が賞球の獲得に有利な所定の態様で開放される大当り遊技が実行される。
【0068】
そして、確定表示された大当り図柄が確変大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態を、高確遊技状態(高確率状態)で、しかも時短状態(開放延長状態)に設定する。この高確遊技状態(高確率状態)且つ時短状態(開放延長状態)は、次回の大当りを生ずるまで継続する。ここで、確変大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を高確率遊技状態(高確率状態)に設定することになる大当り図柄である。
【0069】
また、確定表示された大当り図柄が通常大当り図柄である場合、大当り遊技の終了後のパチンコ機50の遊技状態は、通常確率遊技状態(通常確率状態)で、しかも開放延長状態となる。この通常確率状態で、しかも開放延長状態は、大当りを生ずることなく、所定回数(100回)の変動表示を行うと終了する。ここで、通常大当り図柄とは確定表示されると、大当り遊技の終了後、当該パチンコ機50の遊技状態を通常確率遊技状態(通常確率状態)に設定することになる大当り図柄である。
【0070】
ここで、高確率遊技状態(高確率状態若しくは確変遊技状態)とは、第1特別図柄の当否判定及び第2特別図柄の当否判定で大当りと判定される確率(大当り判定確率)を向上させる確率変動機能が作動する状態をいい、通常確率状態とは、確率変動機能が作動していない状態をいう。また、時短状態(開放延長状態)とは、普通電動役物(第2始動口12)の開放時間を延長するとともに、特別図柄及び普通図柄の平均変動時間を短くする時短機能が作動される状態をいい、非時短状態(非開放延長状態)とは開放延長機能及び時短機能が作動していない状態をいう。
【0071】
ここで、通常確率状態で、且つ非時短状態(非開放延長状態)で特別図柄の変動を実行可能な状態を、本明細書では通常状態と称する。また、大当り遊技状態では、通常確率状態で、且つ非時短状態(非開放延長状態)で特別図柄の変動を実行不可能な状態であるため、通常状態と区別し、大当り遊技状態(若しくは大当り遊技中)と称することとする。
【0072】
また、本実施例のパチンコ機50では、第1始動口11及び第2始動口12への入球による賞球数は4個、その他入賞口13への入球による賞球数は10個となっている。また、大入賞口14への入球による賞球数は10個となっている。更に、大入賞口14への規定入賞数は10個、普通電動役物(第2始動口12)への規定入賞数は9個(
図5では図示を省略)となっている。
普通図柄の当選確率は、非開放延長状態(非時短状態)で「1/6」に設定され、開放延長状態(時短状態)で「5/6」に設定されている。
普通電動役物(第2始動口12)の開放時間は、非開放延長状態(非時短状態)において「0.3秒を1回」であり、開放延長状態(時短状態)において「1秒を2回」である。
普通図柄の変動時間は、非開放延長状態で平均5秒、開放延長状態で平均1秒とされている。
【0073】
なお、本実施例では、開放延長状態として、大当り遊技を介して移行する開放延長状態(以下、第1開放延長状態という)を例示するが、本発明において、この第1開放延長状態とともに、特別図柄に関する当否判定の結果が時短当選となり、時短図柄が表示されることに基づいて、大当り遊技を介することなく成立する開放延長状態(以下、第2開放延長状態という)を備えてもよい。若しくは、開放延長状態として、第1開放延長状態を備えず、第2開放延長状態のみを備えてもよい。
【0074】
次に、
図6(a)及び(b)を用いて、本パチンコ機50が実行する大当り遊技の内容及び大当り遊技の終了後の遊技状態について説明する。
第1当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は2種類存在する。
一方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)で、しかも開放延長状態(時短状態)に移行する。この確変遊技状態(高確率状態)は、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
また、他方の大当り遊技が、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態にしないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0075】
第1当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を8回行う。また、第1当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技は、所謂「8R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大28秒の開放又は10カウント)を8回行う。
そして、第1当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分られる。
【0076】
第2当否判定の結果として大当り図柄が確定表示された場合に実行される大当り遊技も2種類存在する。
一方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として確変大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態(高確率状態)でしかも、開放延長状態(時短状態)には移行する。この確変遊技状態(高確率状態)も、当否判定の実行回数が10000回になるか、当否判定の結果が大当りになるまで継続する。
【0077】
また、他方の大当り遊技が、第2当否判定の結果として通常大当り図柄が確定表示された場合に実行されることに基づいて実行される大当り遊技であり、大当り遊技の終了後に確変遊技状態に移行しないが、開放延長状態(時短状態)に移行する。この開放延長状態(時短状態)は、大当りを発生するか、当否判定の実行回数が100回になるまで継続する。
【0078】
第2当否判定の大当りである場合に実行される大当り遊技は、何れも「10R大当り遊技」であり、大入賞口14を開放するラウンド遊技(1ラウンド最大30秒の開放又は10カウント)を10回行う。また、第2当否判定の結果が大当りである場合、確定表示される大当り図柄が、確変大当り図柄若しくは通常大当り図柄に50%の比率で振分けられる。
【0079】
なお、以下の説明において、確変大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「確変大当り」、通常大当り図柄が確定表示されることになる大当りを「通常大当り」と称する。
【0080】
本パチンコ機50では、以下のように遊技が進行する。
まず、パチンコ機50の主制御装置80が実行するメインルーチンについて、
図7に記載のフローチャートを用いて説明する。なお、このメインルーチンは、約2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。本実施例では、S10~S65までの1回だけ実行される処理を「本処理」と称し、この本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返し実行されるS70の処理を「残余処理」と称する。「本処理」は上記割り込みにより定期的に実行されることになる。
【0081】
マイコンによるハード割り込みが実行されると、まず正常割り込みであるか否かが判断される(S10)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いのか否かを判断するためのものである。正常割り込みでない場合としては、電源投入時又はノイズ等によるマイコンの暴走等が考えられるが、マイコンの暴走は近年の技術の向上によりほとんど無いものと考えて良いので、たいていが電源投入時である。電源投入時にはRAMの所定領域の値が所定値と異なる値となっている。
【0082】
正常割り込みでないと判断されると(S10:no)、初期設定(例えば前記メモリの所定領域への所定値を書き込み、特別図柄及び普通図柄を初期図柄とする等のメモリの作業領域への各初期値の書き込み等)が為され(S15)、残余処理(S70)に移行する。
【0083】
正常割り込みとの肯定判断がなされると(S10:yes)、初期値乱数更新処理が実行される(S20)。この処理は、初期値乱数の値についてこの処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、この処理実行前の初期値乱数の値に+1するが、この処理を実行する前の乱数値が最大値である「3966」のときには次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。
【0084】
S20に続く大当り決定用乱数更新処理(S25)は、初期値乱数更新処理と同様に処理を実行する毎に+1するインクリメント処理であり、最大値である「3966」のときは次回の処理で初めの値である「0」に戻り、「0」~「3966」までの3967個の整数を繰り返し昇順に作成する。なお、大当り決定用乱数の最初の値は、初期値乱数設定処理で設定された値となる。この値が250であったとすると、大当り決定用乱数は「250」「251」「252」・・・「3966」「0」「1」・・・と更新されていく。
【0085】
なお、大当り決定用乱数が1巡(3967回、更新されること)すると、そのときの前記初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にし、大当り決定用乱数は、その初期値から+1するインクリメント処理を行う。そして、再び大当り決定用乱数が1巡すると、その時の初期値乱数の値を大当り決定用乱数の初期値にする動作を行なう。つまり、この一連の動作を繰り返し続けることになる。前述の例では大当り決定用乱数が「249」になると1巡であるから、「249」の次は前記初期値乱数の値となる。仮に初期値乱数の値が「87」だったとすると、「249」「87」「88」・・・「3966」「0」「1」・・・「86」と変化していき、「86」の次は新たな前記初期値乱数の値となる。
大当り図柄決定用乱数更新処理(S30)は「0」~「99」の100個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎に+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0086】
S30に続く当り決定用乱数更新処理(S35)は、「0」~「996」の997個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
なお、当り決定用乱数更新処理は普通図柄の抽選に使用し、その他の初期値乱数、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数は特別図柄の抽選に使用する。
【0087】
S35に続くリーチ判定用乱数更新処理(S40)は、「0」~「228」の229個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。なお、遊技状態が通常状態(通常確率状態時で変動時間短縮機能未作動時)に、リーチとなる値の数は21で、値は「0」~「20」であり、特別遊技状態(変動時間短縮機能作動時)に、リーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」である。但し、変動時間短縮機能作動時には、通常確率状態時と、高確率状態時でリーチとなる値の数が異なってもよい。例えば、変動時間短縮機能作動時には、通常確率状態時にリーチとなる値の数は5で、値は「0」~「4」であり、高確率状態時にリーチとなる値の数は6で、値は「0」~「5」であってもよい。
【0088】
S40に続く変動パターン決定用乱数更新処理(S45)は、「0」~「1020」の1021個の整数を繰り返し作成するカウンタとして構成され、本処理毎で+1され最大値を超えると初めの値である「0」に戻る。
【0089】
続く入賞確認処理(S50)では、第1始動口11、第2始動口12への入賞、大入賞口14、一般入賞口13への入賞及び普通図柄作動ゲート17への入球の確認、及びパチンコ機50に設けられ主制御装置80に接続された各スイッチ類の入力処理が実行される。
各始動口及び作動口への入賞(入球)確認処理(始動入賞処理)等については、後述する。
【0090】
なお、本実施例では、遊技球が第1始動口11、第2始動口12に入賞すると大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、変動パターン決定用乱数、リーチ判定用乱数など複数の乱数を取得されるのだが、保留記憶できる数を第1始動口11と第2始動口12でそれぞれ4個までとしており、保留記憶が満タンである4個のときに遊技球が第1始動口11又は第2始動口12に入賞しても賞球(4個)が払出されるだけで、前記複数の乱数は保留記憶されない構成になっている。
【0091】
続いて、大当りか否かを判定する条件成立判定手段としての当否判定処理(S55)を行う。この当否判定処理(S55)が終了すると、続いて画像出力処理等の各出力処理(S60)が実行される。
【0092】
各出力処理(S60)では、遊技の進行に応じて主制御装置80は演出図柄制御装置82、払出制御装置81発射制御装置84、サブ統合制御装置83、大入賞口ソレノイド14b、等に対して各々出力処理を実行する。即ち、入賞確認処理(S50)により遊技盤1上の各入賞口に遊技球の入賞があることが検知されたときには賞球としての遊技球を払い出すべく払出制御装置81に賞球データを出力する処理を、遊技状態に対応したサウンドデータをサブ統合制御装置83に出力する処理を、パチンコ機50に異常があるときにはエラー中であることを報知すべく演出図柄制御装置82にエラー信号を出力する処理を各々実行する。
【0093】
続く不正監視処理(S65)は、普通入賞口13に対する不正が行われていないか監視する処理であり、所定時間内における入賞口への遊技球の入球が予め決定された規定数よりも多いか否かを判断して、多かった場合には不正と判断され、その旨を報知する処理である。つまり、不正判断手段は、主制御装置80に設けている。
【0094】
本処理に続く前述の残余処理は、初期値乱数更新処理(S70)から構成されるが、前述したS20と全く同じ処理である。この処理は無限ループを形成し、次の割り込みが実行されるまで時間の許される限り繰り返し実行される。前述したS10~S65までの本処理を実行するのに必要とされる時間は、大当り処理を実行するか否か、特別図柄の表示態様の相違等により割り込み毎に異なる。この結果、残余処理を実行する回数も割り込み毎に異なり、
図7に示された割り込み処理が1回実行されることにより初期値乱数に更新される値も一律ではなくなる。これにより、初期値乱数が大当り決定用乱数と同期する可能性は極めて小さくなる。大当り決定用乱数が1巡したときの、初期値乱数の値(0~3966の3967通り)が、同程度に発生するとすれば、同期する確率はわずか1/3967である。また、前述した当り決定用乱数更新処理(S35)も残余処理内において実行するよう構成しても良い。
【0095】
次に、
図8を用いて、普通図柄に関する始動入賞確認処理(以下、普通図柄始動入賞確認処理ということがある)について説明する。この普通図柄始動入賞確認処理は、
図7のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
図8に示す普通図柄に関する始動入賞確認処理(普通図柄始動入賞確認処理)は、普通図柄作動ゲート17への入球があるか否かを判定し(S100)、入球があれば(S100:yes)、普通図柄の保留記憶が満杯であるか否かを判定する(S102)。否定判定の場合には(S102:no)、S104の処理で普通図柄の当り決定用乱数、当り図柄決定用乱数(普図決定用乱数)などの各種乱数を抽出し、抽出された各種乱数が保留記憶として主制御装置80のメモリ(内蔵RAMに設けられた普図用の保留記憶処理であって、
図8では図示を省略)に記憶される(最大4つ)。そして、普通図柄保留数表示装置8の表示制御、演出図柄表示装置82やサブ統合制御装置83への普通図柄保留数コマンド送信処理を行い(S106)、本処理を終了(リターン)する。
【0096】
また、S100の処理で普通図柄作動ゲート17への遊技球の入球がなかったと判定される場合(S100:no)及び普通図柄の保留記憶が満杯であった場合には(S102:yes)の場合には、そのままリターンとなる。
【0097】
次に、
図9~
図11を用いて、普通図柄に関する当否判定処理(以下、普通図柄当否判定処理ということがある)について説明する。この普通図柄当否判定処理は、
図7のメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
普通図柄当否判定処理(普図当否判定処理)では、先ず、第2始動口12を開放させるための普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S110)。普通電動役物12Aが作動中である場合には(S110:yes)、そのまま普通図柄遊技処理へ移行する。また、普通電動役物12Aが作動していない場合には(S110:no)、普通図柄が変動中であるか否かを判定する(S112)。変動中でなければ(S112:no)、確定図柄が表示されているかを判定する(S114)。
【0098】
確定図柄が表示中でなければ(S114:no)、普通図柄の保留記憶があるか否かを判定し(S116)、普通図柄の保留記憶があれば(S116:yes)、普通図柄の保留記憶数をデクリメントし(S118)、S120に移行する。なお、普通図柄の保留記憶がなければ(S116:no)、そのまま普通図柄遊技処理に移行する。
【0099】
S120では保留記憶の中で最も古いものを読み込んで(その保留記憶は消去して)、時短フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。このS120で肯定判断であれば(S120:yes)、読み込んだ普通図柄の当り決定用乱数を時短テーブルに記録されている当り値と照合し(S122)、
図10のS130に移行する。否定判断された場合(S120:no)は、S124にて当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合し、
図10のS130へと移行する。
【0100】
ここで、本実施例では遊技状態が、特別図柄に関する大当り確率が通常確率(時短フラグが「0」)であると普通図柄の当り確率は「1/6」とされ、時短状態(時短フラグが「1」)であると、普通図柄の当り確率は「5/6」とされている。ここで、時短フラグが1であると、通常、普通図柄確率変動機能が作動する遊技状態となる。
【0101】
なお、普通図柄の当り確率(普通図柄に関する当否判定の結果が当りとなる確率)が、通常確率(本実施例では「1/6」)から高確率(本実施例では「5/6」)に変動するのは、大当り遊技を開始する際に作動を開始した役物連続作動装置(
図19のS394を参照)が作動を停止していることを前提条件とすることができる。つまり、大当り遊技中作動していた役物連続作動装置が、大当り遊技を終了して作動を停止していることを、普通図柄の当り確率が高確率に変動するための前提となるのが一般的である。
よって、時短フラグが「1」となったら無条件に普通図柄の当り確率が、通常確率から高確率に変動するものに限定せず、(1)役物連続作動装置が作動を停止していることと、(2)時短フラグが「1」となったこと、という2つの条件が成立した場合に普通図柄の当り確率が高確率に変動することとしてもよい。
【0102】
図10のS130では普通図柄の当りか否かを判定し、当りであれば(S130:yes)、当り図柄決定用乱数に基づいて当り図柄を決定し(S132)、変動パターンを決定する(S134)。その後、普通図柄当り設定処理を実行し(S136)、S140に移行する。一方、普通図柄が当りでなければ(S130:no)、外れの変動パターンを決定し(S138)、S140に移行する。
なお、本実施例のパチンコ機50では普通図柄の変動時間(S134若しくはS138で決定される変動パターンが特定する変動時間)は、普通図柄当否判定の結果が当りであるか、外れであるに関係なく、しかも、当り図柄に関係なく、パチンコ機50の遊技状態が通常遊技状態(非開放延長状態)であれば常に5.0秒であり、パチンコ機50の遊技状態が開放延長状態であれば常に1.0秒である。
【0103】
その後、S140に移行し、普通図柄表示装置7の変動開始、およびサブ統合制御装置83へ普通図柄変動開始コマンドを送信し(S140)、普通図柄遊技処理に移行する。本実施例の普通図柄当り設定処理(S136)では、非開放延長状態中に、S130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを「0.3秒で1回の開放パターン(普通電動役物12Aを0.3秒間、開放することを1回行う開放パターン)」に設定する。また、開放延長状態中にS130で肯定判定される場合には、普通電動役物12Aを「1秒で2回の開放パターン(1秒間、開放することを2回行う開放パターン)」に設定する。
図9のS112において、普通図柄が変動中の場合には(S112:yes)、
図11(a)に示すS146に移行する。S146では、普通図柄の変動時間を経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S146:yes)、対応した普通図柄の確定図柄表示処理を行い(S148)、普通図柄遊技処理に移行する。確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、普通図柄表示装置7にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。なお、図柄変動時間を経過していない場合には(S146:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0104】
図9のS114において、確定図柄表示中の場合には(S114:yes)、
図11(b)に示すS150に移行する。S150で確定図柄表示時間が終了したか否かを判定する。確定図柄表示時間が終了した場合には(S150:yes)、確定図柄の表示を終了し(S152)、普通図柄の当りの組合せであるか否かを判定する(S154)。普通図柄の組合せが当りである場合には(S154:yes)、普通図柄当り開始演出処理を行い(S156)、普通図柄遊技処理へと移行する。確定図柄表示時間を終了していない場合(S150:no)、普通図柄の組合せがハズレである場合は(S154:no)、そのまま普通図柄遊技処理へと移行する。
【0105】
図12~
図13を用いて、普通電動役物12A(第2始動口12)を開放することで行われる普通図柄遊技処理について説明する。なお、普通図柄遊技処理は、普通図柄当否判定処理の実行後に実行される処理である。
図12に示すように、普通図柄遊技処理が開始されると、先ず、普通電動役物12Aが作動中であるか否かを判定する(S160)。普通電動役物12Aが作動中の場合には(S160:yes)、普通電動役物12Aが開放中か判定する(S162)。一方、普通電動役物12Aが作動中ではない場合には(S160:no)、そのまま本処理が終了(リターン)となる。
【0106】
普通電動役物12Aが開放中でなければ(S162:no)、普通図柄当り終了演出中か判定し(S164)、普通図柄当り終了演出中でなければ(S164:no)、普通図柄当り開始演出時間が経過したか確認し(S166)、普通図柄当り開始演出時間が経過していれば(S166:yes)、普通電動役物開放処理(S168)へ移行し、終了となる。
本実施例の普通電動役物開放処理(S168)は、上述したS136で設定した普通電動役物12Aの開放パターンに基づいて普通電動役物12A(第2始動口12)を開放する(閉鎖状態から開放状態とする)。
【0107】
図12のS162の処理で普通電動役物12Aが開放中であれば(S162:yes)、
図13(a)のS170に移行する。そして、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球があったか否かの判定する(S170)。規定数に達した場合には(S170:yes)、普通電動役物閉鎖処理(S174)を行い、普通図柄当り終了演出処理を実行して(S176)、終了となる。一方、普通電動役物12A(第2始動口12)に9個(規定数)の入球がない場合には(S170:no)、普通電動役物12Aの開放時間が終了となったか否かを判定する(S172)。肯定判定の場合には(S172:yes)、S174に移行する。なお、否定判定の場合には(S172:no)、そのまま終了となる。
【0108】
図12のS164の処理で普通図柄当り終了演出中であれば(S164:yes)、
図13(b)に示すS180に移行し、普通図柄当り終了演出時間が経過したか否か確認する(S180)。普通図柄当り終了演出時間が経過していれば(S180:yes)、普通図柄当り終了コマンド送信処理(S182)を実行し、この処理でサブ統合制御装置83に普通図柄当り終了コマンドを送信し、普通図柄遊技を終了する。なお、普通図柄当り終了演出時間が経過していない場合には(S180:no)、そのまま普通図柄遊技処理を終了する。
【0109】
次に、
図14を用いて、特別図柄に関する入賞確認処理(以下、特図入賞確認処理という)について説明する。この特図入賞確認処理は、
図7のメインルーチンの入賞確認処理(S50)のサブルーチンの1つである。
特別図柄入賞確認処理が起動すると、主制御装置80は、第1始動口スイッチ11aの検出信号に基づいて、第1始動口11に遊技球が入球したか否かを判断する(S200)。そして、肯定判断なら(S200:yes)、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S202)。また、第1始動口11に遊技球が入球したと判断された場合には(S200:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0110】
第1保留記憶が満杯でなければ(S202:no)、S204に移行し、上記の各乱数を第1保留記憶として記憶領域に記憶するとともに、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を1増加させ、第1保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第1特別図柄に関する保留記憶(以下、第1保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第1保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S206に移行する。
【0111】
S206では、主制御装置80は、新たに発生した第1特別図柄に関する保留記憶(第1保留記憶)についての先読み判定処理を実行し、S210に処理を移行する。このS206の先読み判定処理については、S216の先読み判定処理とともに、
図9を用いて後述する。
一方、S202で、4個の第1保留記憶が記憶されていると判定する場合(S202:yes)は、保留記憶(第1保留記憶)を記憶せず、第1保留記憶の数を示すカウンタや第1特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなくS210へ移行する。
【0112】
第1始動口11に遊技球が入球していないと判定された場合(S200:no)と、S202で肯定判定される場合(S202:yes)と、S206の実行後は、S210に進み、第2始動口スイッチ12aの検出信号に基づいて、第2始動口12に遊技球が入球したか否かを判断する。
そして、肯定判断(S210:yes)なら、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数、外れ図柄決定用乱数等を該当の各カウンタから読み込んで、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)が満杯(本実施例では4個)か否かを判断する(S212)。また、第2始動口12に遊技球が入球したと判断された場合には(S210:yes)、主制御装置80から払出制御装置81に対して賞球(4個)の払い出しを指示する信号を出力する構成となっている。
【0113】
第2保留記憶が満杯でなければ(S212:no)、S214に移行し、上記の各乱数を第2保留記憶として記憶し、第2保留記憶の数を示すカウンタに「1」を加算し、第2特別図柄保留数表示装置19の点灯数を増やす。そして、消化されていない(当否判定の対象となっていない)、第2特別図柄に関する保留記憶(以下、第2保留記憶という)の数を示す保留数コマンド(以下、第2保留数コマンドという)をサブ統合制御装置83に送信し、S216に移行する。
【0114】
S216では、主制御装置80は、新たに発生した第2特別図柄に関する保留記憶(第2保留記憶)についての先読み判定処理を実行する。そして、S216を実行すると、本処理を終了(リターン)する。
一方、S212において4個の第2保留記憶があれば(S212:yes)、保留記憶(第2保留記憶)を記憶せず、第2保留記憶の数を示すカウンタや第2特別図柄保留数表示装置18の点灯数を増やすこともなく本処理を終了(リターン)する。また、第2始動口12に遊技球が入球していない場合(S210:no)も、本処理を終了する。
【0115】
次に、
図15を用いて、新たに発生した保留記憶(抽出乱数)に対応する大当り決定用乱数等の値について、事前判定(当該新たに発生した保留記憶の当否判定に先立つ事前判定)を行う処理、つまり、先読み判定処理(S206、S216)について説明する。なお、本処理は、特別図柄入賞確認処理からコールされる。
【0116】
先読み判定処理が起動すると、主制御装置80は、S220で新たに発生した保留記憶(S206では第1保留記憶、S216では第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が特定値(大当りとなる大当り値)であるか否かを判定する。そして、肯定判定されると(S220;yes)、S222の処理に移行し、否定判定されると(S220;no)、S224の処理に移行する。
ここで、S222において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が、特定値(大当りとなる大当り値)であることを示す先読みコマンド1を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
【0117】
主制御装置80は、S220の否定判定を経て移行するS224において、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係るリーチ判定用乱数が、所定値(演出表示でリーチ外れ演出を実行することとなる値)であるか否かを判定する。そして、肯定判定されると(S224;yes)、S226の処理に移行し、否定判定されると(S224;no)、S228の処理に移行する。
【0118】
ここで、S226において、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)が所定値(リーチを行う旨の値)であることを示す先読みコマンド2を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。
【0119】
S228の処理に移行すると、主制御装置80は、新たに発生した保留記憶(第1保留記憶、第2保留記憶)に係る大当り決定用乱数が上記特定値(大当りとなる大当り値)でなく、しかも、上記所定値(リーチを行う旨の値)でないことを示す先読みコマンド3を生成し、サブ統合制御装置83に送信し、本処理をリターンする。なお、主制御装置80は、先読みコマンド1~3を出力する前に、出力するか否かを決定し(例えば、乱数抽選で決定し)、出力すると決定される場合に限り、先読みコマンド1~3を出力することとしてもよい。
【0120】
なお、本実施例では、先読判定コマンドと保留数指示コマンドとを個別のコマンドとしてサブ統合制御装置83に送信しているが、この二つのコマンド内容を一つのコマンドに生成してサブ統合制御装置83に送信する構成も考えられる。
また、サブ統合制御装置83は第1保留数コマンド、若しくは、第2保留数コマンド(第2保留記憶数指示コマンド)を受信すると、受信したコマンドが示す保留記憶数に応じて演出図柄表示装置6上で表示する各保留記憶数を変化させる指示信号を演出図柄制御装置82に送信する。
【0121】
次に、
図16~19を用いて、特別図柄に関する当否判定処理(特図当否判定処理)について説明する。この特図当否判定処理は、
図7に示すメインルーチンの当否判定処理(S55)のサブルーチンの1つである。
特別図柄当否判定処理を起動すると、主制御装置80は、特別電動役物が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S320)。特別電動役物が作動中である場合には(S320:yes)、大当り遊技処理へ移行する。また、S320の判定が否定判定であり(S320:no)、特別図柄が変動中でなく(S322:no)、確定図柄の表示中でもなければ(S324:no)、
図17のS330に移行し、第2保留記憶(上記、
図14のS214による保留記憶)があるか否かを判定する(S330)。
【0122】
この保留記憶があれば(S330:yes)、第2保留記憶数をデクリメントし(S332)、S338に進む。
一方、第2保留記憶がなければ(S330:no)、第1保留記憶(上記、
図14のS204による保留記憶)があるか否かを判断する(S334)。そして、第1保留記憶があれば(S334:yes)、第1保留記憶数をデクリメントし(S336)、S338に進む。
【0123】
また、第1保留記憶がなければ(S334:no)、待機コマンドをサブ統合制御装置83に送信した後(S337)、大当り遊技処理へ移行する。この待機コマンドは、特別図柄が変動しておらずパチンコ機50が「待機状態(所謂「客待ちの状態)」であることを示すコマンドである。
また、本パチンコ機50では、このように、第1保留記憶及び第2保留記憶が何れも「ゼロ」でない場合には、第2保留記憶を優先的に処理する。
【0124】
S338では確変フラグがセットされている(すなわち1)か否かを判定する。ここで確変フラグが1とは、現在のパチンコ機50が高確率状態であることを意味する。
S338の処理で肯定判断であれば(S338:yes)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を確変テーブルに記録されている当り値と照合する(S340)。
【0125】
一方、S338の処理で否定判断であれば(S338:no)、S204若しくはS214で読み込んだ大当り決定用乱数を通常テーブルに記録されている当り値と照合する(S344)。
そして、S340またはS344の判定に基づき、大当りか否かを判定する(S350)。
【0126】
S350で大当りと判定される場合には(S350:yes)、大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する(S352)。
ここで、主制御装置80が、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第1当否判定」に相当する。また、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り決定用乱数を当り値と照合し、大当りか否かを判定することが「第2当否判定」に相当する。
【0127】
そして、「第1当否判定」の結果が大当りである場合には、第1保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、
図6(a)に示すように、大当り図柄が通常大当り図柄(図柄B)及び確変大当り図柄(図柄A)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
また、「第2当否判定」の結果が大当りである場合には、第2保留記憶をデクリメントして読み込んだ大当り図柄決定用乱数を用いた乱数抽選によって大当り図柄を決定する。この場合、
図6(b)に示すように、大当り図柄が通常大当り図柄(図柄D)及び確変大当り図柄(図柄C)のうちの何れかに、各々50%の割合で決定される。
【0128】
そして、S352の処理で大当り図柄を決定すると、変動パターン決定処理(S354)に移行する。
この変動パターン決定処理(S354)では、変動パターン決定用乱数によって大当り変動パターンを決定する。ここで、変動パターンによって、大当り図柄を停止表示されるまでの変動時間(特別図柄の変動時間)が特定されるが、当否判定の結果が大当りの場合に実行される変動(以下、大当り変動という)に対応する演出表示(演出図柄の変動表示)では、一律にリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ表示後演出)を行う。このため、パチンコ機50の遊技状態(開放延長状態、非開放延長状態)が何れであっても、長目(当否判定の結果が外れとなる場合に比べて長目)の変動時間が決定される可能性が高くなっている。
【0129】
そして、変動パターン決定処理後、大当り設定処理を行った後(S356)、S364の処理に移行する。
ここで、大当り設定処理とは決定した大当り図柄(
図6(a)(b)を参照)によって、大当り遊技実行後の遊技状態(高確率状態となるか、時短状態となるか等)や大当り遊技にかかる情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)を取得する処理である。
【0130】
S350において外れと判定された場合は(S350:no)、外れ図柄を決定する(S358)。そして、外れ図柄を決定すると、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数に基づいて変動パターンを決定する(S360)。こうして、変動パターンが設定されると、外れ設定処理を行った後(S362)、S364の処理に移行する。
【0131】
ここで、S360では、リーチ判定用乱数がリーチを発生させる値と判定される場合には、その時点の遊技状態を考慮した変動パターンテーブルと、変動パターン決定用乱数とを用いて変動パターンを決定する。ここで、当否判定の結果が外れである場合、演出図柄の変動表示においてリーチ(リーチ表示とそれに続くリーチ表示後演出)を行う場合を「リーチ外れ」と称し、リーチを行わない場合を「リーチ無し外れ」と称することとする。
図12(a)に示すように、当否判定の結果が外れであり、リーチを行わない場合(リーチ無し外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「リーチ無し外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「リーチ無し外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。
【0132】
当否判定の結果が外れであり、リーチを行う場合(リーチ外れの場合)であって、遊技状態が非開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定し、遊技状態が開放延長状態である場合、「リーチ外れ且つ開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して変動パターンを決定する。この場合も、当否判定の結果が大当りである場合と同様に、開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間は、非開放延長用の変動パターンテーブルを参照して決定される変動時間よりも短か目とされる。
【0133】
一般にリーチ無し外れ時において「リーチ無し外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンは、リーチ外れ時において「リーチ外れ且つ非開放延長用の変動パターンテーブル」を参照して決定する変動パターンに比べて短い変動時間を特定する。
【0134】
S356又はS362に続いては、S364に移行する。このS364では、上述したS332若しくはS336でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合装置83に送信する。
そして、S364に続くS366では、上述の抽選結果(第1当否判定若しくは第2当否判定)を示すデータをサブ統合制御装置83に出力し(S366)、大当り遊技処理へ移行する。
【0135】
ここで、このS366でサブ統合制御装置83に送信されるデータは、「当否判定の結果を示すデータ(大当りか、外れを示すデータ)」と、「当否判定の結果が大当りの場合、大当りの種類を示すデータ(発生する大当りが、通常大当りであることを示すデータ、若しくは、確変大当りであることを示すデータ)」と、「当否判定の結果が外れの場合、当該外れがリーチ外れか、リーチ無し外れかを示すデータ」と、「変動時間を指定する変動パターンのデータ(変動パターンコマンド)」と、が含まれる変動開始コマンド(表示制御コマンド)である。
また、S366の処理により演出図柄表示装置6では演出図柄の変動表示が開始されるが、ほぼ同時に特別図柄の変動も主制御装置80によって開始される。
【0136】
図16のS322において特別図柄が変動中(S322:yes)と判定された場合には、
図18(b)のS370に移行し、図柄変動時間(S354、又はS360の変動パターンに基づく)を経過したか否かを判定する。そして、否定判定の場合には(S370:no)、そのまま大当り遊技処理に移行する。一方、肯定判定の場合には(S370:yes)、確定図柄表示処理(S372)を行なってから大当り遊技処理を行う。なお、確定図柄表示処理では、確定図柄を表示する旨のコマンド(図柄確定コマンド)をサブ統合制御装置83に出力するとともに、特別図柄表示装置9,10にコマンドを出力して確定図柄にて停止させる。
【0137】
図16のS324において確定図柄を表示中と判定された場合には(S324:yes)、
図19のS374に移行し、確定図柄の表示時間が終了したか否かを判定する。否定判定の場合(S374:no)は大当り遊技処理を行う。
これに対し、S374において肯定判定(S374:yes)の場合は、確定図柄の表示を終了し(S376)、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定する(S378)。
S378で大当りになる図柄であると判定された場合(S378:yes)は、確変フラグが1か否かを判定する(S380)。確変フラグが1であれば(S380:yes)、S382にて確変フラグを0にし、S384に移行する。一方、確変フラグが1でなければ(S380:no)、そのままS384に移行する。
そして、S384では、時短フラグが1か否かを判定する。時短フラグが1であれば(S384:yes)、S386にて時短フラグを0にし、S390に移行する。一方、時短フラグが1でなければ(S384:no)、そのままS390に移行する。
【0138】
このS390では、状態指定コマンドを送信する。この場合、遊技状態が「通常確率・非開放延長状態」、つまり、通常遊技状態であることを示すコマンド(高確率・開放延長状態が終了することを示すコマンド)が、サブ統合制御装置83に送信される。これにより、大当り遊技を実行中には、遊技状態が通常確率・非開放延長状態(通常遊技状態)となる。
そして、S376で確定表示される大当り図柄が確変大当りであると、当該確変大当りに基づいて実行される大当り遊技を実行した後、遊技状態が通常確率・非開放延長状態から高確率・開放延長状態に移行する。
【0139】
S390に続いて、S392では条件装置作動開始処理により、大当りフラグをセットし、続くS394にて役物連続作動装置を作動させる。
S394を行うと、続くS396において大当り遊技開始処理を行う。大当り遊技開始処理では、大当り遊技を開始するコマンド(以下、大当り開始コマンドという)及び大当り遊技に係る情報(大当りのオープニング時間、開放パターン、大当りのエンディング時間、ラウンド数等)をサブ統合制御装置83に送信する。大当り遊技開始処理が終了すると、大当り遊技処理を行う。
【0140】
S378で、確定表示させた特別図柄が大当りになる表示でないと判定された場合は(S378:no)、S400で確変フラグが「1」か否かを判定する。
そして、「1」であれば(S400:yes)、確変回数が「0」か否かを判定する(S404)。
確変回数が「0」であれば(S404:yes)、S406にて確変フラグを「0」にしてS410に進む。一方、確変フラグが「1」でないとき(S400:no)又は確変回数が「0」ではないとき(S404:no)はそのままS410に移行する。
【0141】
このS410では、時短フラグが「1」か否かを判定し、「1」であれば(S410:yes)、時短回数が「0」か否かを判定する(S412)。そして、時短回数が「0」であれば(S412:yes)、S414にて時短フラグを「0」にし、S416に進む。
また、時短フラグが「1」でないとき(S410:no)又は時短回数が「0」ではないとき(S412:no)はそのままS416に移行する。
【0142】
S416では、主制御装置80が現在の遊技状態が確変中であるか否か、時短中であるか否か等の状態を示す状態指定コマンドを特別図柄確定時間(600ms)後にサブ統合制御装置83に送信し、大当り遊技処理へ移行する。
なお、本実施例の場合、特別図柄当否判定処理における主制御装置80からサブ統合制御装置83に状態指定コマンドを送信するタイミングは、特別図柄確定時間後となっているが、特別図柄変動開始時及び電源復旧時においても状態指定コマンドを送信する構成にしてもよい。
【0143】
S406で確変フラグが解除され、S414で時短フラグが解除される場合には、S416において、遊技状態が高確率・開放延長状態(特別遊技状態)から通常確率・非開放延長状態(通常状態)に移行したことを示すコマンド(以下、確変終了コマンドという)が送信される。
【0144】
次に
図20から
図22を用いて、大当り遊技処理について説明する。
まず、
図20に示すように、大当り遊技処理において、主制御装置80は、役物連続作動装置が作動中か否かを大当りフラグに基づいて判断する(S500)。役物連続作動装置が作動中で(S500:yes)、大入賞口14が開放中であるか否かを判定し(S502)、大入賞口14が閉鎖中であると判定された場合には(S502:no)、ラウンド遊技間のインターバル中により大入賞口14が閉鎖しているか否かを判断する(S506)。
【0145】
ラウンド遊技間のインターバル中でもない場合は(S506:no)、大当り終了演出中であるか判定する(S508)。これも否定判定の場合は(S508:no)、今から大当り遊技を開始する演出に要する時間が経過したか否かを判定する(S510)。大当り開始演出時間が経過した場合は(S510:yes)、大入賞口開放処理(S512)を行なって、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
なお、S500において、役物連続作動装置が作動していない場合には(S500:no)、大当り遊技処理を終了する。また、S510において、大当り開始演出時間を経過していない場合も(S510:no)、大当り遊技処理を終了する。
【0146】
大入賞口14が開放中であると判定された場合は(S502:yes)、
図21のS514に進み、大入賞口14に10個入賞したか否かを判定する。なお、本実施例では大入賞口14への規定入賞数は10個だが、8個、9個でもよく、特に限定するものではない。
大入賞口14に10個入賞していない場合(S514:no)には、S516に進み、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。開放時間が終了した場合(S516:yes)には、S518に移行する。また、大入賞口14の開放時間が終了していない場合には(S516:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。
S514において、大入賞口14に遊技球が10個入賞した場合には(S514:yes)、大入賞口閉鎖処理(S518)を行い、大当りインターバル処理(S520)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0147】
図20に戻る。
図20のS506でインターバル中であると判定された場合は(S506:yes)、
図21のS522に進み、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過したか否かを判定する。ラウンド遊技間のインターバル時間が経過している場合(S522:yes)は、直前に大入賞口14が開いていたのが最終ラウンドか否かを判定する(S524)。また、ラウンド遊技間のインターバル時間が経過していない場合には(S522:no)、そのまま大当り遊技処理を終了(リターン)する。S524において、最終ラウンドであれば(S524:yes)、大当り終了演出処理(S526)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
【0148】
S524において、最終ラウンドでなければ(S524:no)、大入賞口14を開放する処理(S528)を行い、大当り遊技処理を終了(リターン)する。なお、大入賞口14を開放・閉鎖する処理においては、サブ統合制御装置83にも信号を送信する。サブ統合制御装置83は、その信号に基づいて、現在のラウンドを把握し、該ラウンドに応じた演出を行なう。
【0149】
図14に戻る。
図22のS508で大当りの終了演出中であると判定された場合は(S508:yes)、
図16のS530に進み、大当り終了演出時間が経過したか否かを判定する。そして、大当り終了演出時間が経過していない場合には(S530:no)、大当り遊技処理を終了(リターン)する。
一方、大当り終了演出時間が経過した場合には(S530:yes)、役物連続作動装置の作動を停止し(S532)、条件装置の作動を停止する(S534)。
そして、S536において、主制御装置80は、次回の遊技状態で確変に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S536:yes)、確変回数を設定し(S538)、確変フラグを1に設定する(S540)。確変フラグを1にすると本実施例では特別図柄の当選確率が向上する。なお、確変回数は10000回に設定される。
【0150】
S536で否定判定されるか(S536:no)、S540を実行すると、S544に移行し、次回の遊技状態で時短に移行するか否かを判定する。
本実施例では、S544で一律に肯定判定され、続いて、時短回数を設定する処理(S546)と、時短フラグを1に設定する(S548)とを行った後、S554に移行する。また、時短フラグを1にする場合には、特別図柄の平均変動時間短縮、普通図柄の平均変動時間短縮、普通電動役物の開放時間を延長する開放延長機能をセットする。
ここで、終了した大当り遊技が確変大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は10000回に設定され、通常大当り図柄の確定表示に基づいたものである場合には、S546において時短回数は100回に設定される。
S554において、主制御装置80は、大当り終了コマンドをサブ統合制御装置83に送信する処理を行ない、続くS556において、状態指定コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。そして、大当り遊技処理をリターンする。
【0151】
次に、
図23~
図32を用いて本実施例のパチンコ機50で実行される演出制御の概要を説明する。
本実施例のパチンコ機50においてサブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信される各コマンドに基づいて、演出図柄制御装置82等を制御し、演出図柄表示装置6の画面6aで行う表示演出を行ったり、スピーカ66から発生される効果音を制御したり、電飾用のLED・ランプ26の発光態様を制御する。
【0152】
本実施例のパチンコ機50では、サブ統合制御装置83が主制御装置80から送信される先読み判定コマンドを、受信することに基づいて、以下に示すように、先読み予告演出(保留予告演出)を実行する。
図23(a)に示すように、演出図柄表示装置6の画面6aには、特別図柄に関する当否判定の結果を表示するための数字図柄表示領域6Hの他に、保留図柄表示領域6Dと、変動中図柄表示領域6Gと、関連事項表示領域6Fと、が出現可能とされている。
【0153】
また、数字図柄(演出図柄を構成する数字図柄)を表示するための数字図柄表示領域6Hは、演出図柄表示装置6の画面6aの略中央左寄り、画面6aの隅等の所定の位置に出現する。そして、「演出図柄を構成する数字図柄」を変動させる演出を実行する。また、関連事項表示領域6Fは、その範囲、位置を適宜、変更しつつキャラクタ6fを出現させる。なお、演出表示は、演出図柄で構成される数字図柄の変動や、キャラクタ6fの出現、キャラクタ6fの動作演出等によって構成される。また、数字図柄表示領域6Hの出現範囲やサイズは、関連事項表示領域6Fの出現範囲、出現位置の変更(関連事項表示領域6Fの拡大等)に伴い、変更されることがある。また、数字図柄表示領域6Hは透けた状態で表示され、その背後に関連事項表示領域6Fが出現することもある。
【0154】
この数字図柄表示領域6Hでは、「消化される保留記憶に係わる変動パターン決定用乱数に対応する変動パターン」によって特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせで停止する。
以下の説明において、保留記憶が消化されるとは、当該保留記憶に関し、特別図柄に関する当否判定を行うことを指し、当該保留記憶が消化されることに基づいて、特別図柄の変動表示と、これに対応する演出表示が開始される。
【0155】
なお、保留記憶のうち、第1始動口11に遊技球が入球することに基づき取得されるものを第1保留記憶と称し、第2始動口12に遊技球が入球することに基づき取得されるものを第2保留記憶と称することがある。また、第1保留記憶は、第1数値データの具体例を構成し、第2保留記憶は、第2数値データの具体例を構成する。
【0156】
関連事項表示領域6Fには、例えば、キャラクタ6fのみならず、動画、実写画像等を用いて、演出表示(数字図柄で構成する演出図柄の変動)や、停止表示を盛り上げるための関連演出を実行したり、遊技者に発するコメント、警告等を表示したりする。
なお、本実施例では、演出図柄(数字図柄)の変動を数字図柄表示領域6Hにおいて、横方向に並ぶ3桁の構成図柄の変動で実行し、構成図柄を縦方向にスクロールする態様を例示するが、構成図柄の数は特に問わないし、スクロール方向は特に問わず、例えば、3桁の構成図柄を横方向にスクロールさせてもよい。
【0157】
変動中図柄表示領域6Gは、演出図柄表示装置6の画面6aの下方側(数字図柄表示領域6Hの下方)の略中央に出現し、保留図柄表示領域6Dは画面6aの下方側において変動中図柄表示領域6Gの左側に出現し、未消化(当否判定を実行する前)の保留記憶に対応する表示である。
【0158】
本実施例のパチンコ機50において、保留図柄表示領域6Dは、その時点の遊技状態に応じて、表示対象となる保留図柄の種類が異なっている。
具体的に説明すると、特別図柄の変動を実行可能な状態(つまり、大当り遊技状態でない状態)のうち、通常状態(確変機能や時短機能が未作動の状態)では、遊技球が第1始動口11に入球することに基づき取得した保留記憶(第1保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第1保留図柄という)6dを、4個を限度に表示する。そして、未消化(当否判定を実行する前)の第1保留記憶の個数(以下、第1保留数という)を、第1保留図柄の表示個数によって表示する。
【0159】
また、特別図柄の変動を実行可能な状態のうち、特別遊技状態(確変機能や時短機能が作動する状態)では、遊技球が第2始動口12に入球することに基づき取得した保留記憶(第2保留記憶)に対応する保留図柄(以下、第2保留図柄という)6dを、4個を限度に表示する。そして、未消化(当否判定を実行する前)の第2保留記憶の個数(以下、第2保留数という)を、第2保留図柄の表示個数によって表示する。
【0160】
なお、大当り遊技状態では、第1始動口11及び第2始動口12の何れに遊技球が入球しても、保留図柄を表示することとしてもよいし、逆に、保留図柄を表示しないこととしてもよい。
或いは、本発明では、遊技盤1の盤面構成を考慮し、表示する保留図柄の種類を選択してもよい。
例えば、実施例のパチンコ機50のように、大入賞口14を右打ち領域3Rに配置する場合には、大当り遊技中に第1始動口11よりも第2始動口12の方に遊技球が入球し易い。このため、大当り遊技を実行中においては、保留図柄表示領域6Dに第2保留図柄を表示してもよい。また、大当り遊技を実行中においては、保留図柄表示領域6Dに一切の保留図柄を表示しないこととしたり、保留図柄表示領域6D自体を表示しないこととたりしてもよい。
更に、大入賞口14を左打ち領域3Lに配置したり、遊技盤1の略中央(例えば、アウト口2dの上方)に配置したりする場合には、大当り遊技を実行中に保留図柄表示領域6Dに第1保留図柄を表示してもよい。
【0161】
保留図柄表示領域6Dにおいては、
図24(b)に示すように、保留記憶に対応する保留図柄6dの表示位置として、第1表示位置d1、第2表示位置d2、第3表示位置d3、第4表示位置d4が、この並び順で右方向から左方向に向かって想定されている。
ここで、本実施例では、
図24(a)に示すように、第1保留記憶に対応する保留図柄6dを「青色」に着色された丸い外形を備える図柄で構成し、第2保留記憶に対応する保留図柄6dを「赤色」に着色された丸い外形を備える図柄で構成する。
【0162】
但し、本実施例では、保留記憶の種類が、その時点の遊技状態に対応しないものである場合、保留図柄6dの表示する筈の段階で、当該保留記憶を取得したことを示す表示(つまり、保留図柄)がなされることがない。ここで、その時点の遊技状態に対応しない保留記憶とは、通常状態において「第2保留記憶が遊技状態に対応する保留記憶」であり、特別遊技状態もおいて「第1保留記憶が遊技状態に対応する保留記憶」である。
そして、この「その時点の遊技状態に対応しない保留記憶」が消化される際に、当該消化される保留記憶に対応する変動中図柄が表示される。
なお、大当り遊技状態(大当り遊技中)においては、特別図柄(演出図柄)に変動を行わないため、変動中図柄が表示されることはない。
【0163】
保留図柄表示領域6Dにおいては、第1表示位置d1が消化直前の保留記憶に対応する保留図柄6dを表示するための最上位の表示位置であり、第2表示位置d2、第3表示位置d3、第4表示位置d4の順に消化順位がより遅くなる表示位置とされている。なお、消化順がより遅くなる表示位置を「下位の表示位置」と称することとする。
【0164】
また、保留図柄6dは対応する保留記憶が処理されることに伴い、保留図柄表示領域6Dから消去されるが、当該消去されるよりも前に当該保留図柄表示領域6Dに表示された保留図柄6d(以下、後続する保留図柄6dという)が存在していた場合には、当該保留図柄6dが消去されることに伴い後続する保留記憶に対応する保留図柄6dが、より上位の表示位置にシフトして表示される。
【0165】
ここで、
図24(b)~(d) は、「遊技状態が通常状態」である場合における「保留図柄及び変動中図柄の状態」を示している。また、
図24(c)は、第1特別図柄の変動を行う場合の保留図柄及び、当該保留図柄に対応する変動中図柄の状態を示している。この場合、当該変動中図柄7dは、消去される保留図柄と略同一形状(略円形)・同一色(青色)とされている。
なお、
図24(a)に示すように、第2特別図柄の変動を行う場合の保留図柄(第2保留図柄)及び、当該保留図柄(第2保留図柄)に対応する変動中図柄は、第1保留図柄と略同一形状(略円形)とされるが、異なる色(赤色)に着色されている。
【0166】
図24(b)及び(c)は、保留図柄表示領域6Dの3個の表示位置(第1表示位置d1~第3表示位置d3)にそれぞれ第1保留図柄6d(符号a1~a3で示す保留図柄6d)が表示されていた場合に、第1表示位置の第1保留図柄6d(符号a1で示す保留図柄6d)が消去される場合を示している。この第1表示位置の第1保留図柄6dが消去されることに伴い、
図24(c)に示すように、より下位の第2表示位置d2~第3表示位置d3の第1保留図柄6d(a2及びa3で示す第1保留図柄6d)が、1つ上位の第1表示位置d1~第2表示位置d2にシフトして表示される。
【0167】
また、図示を省略するが、
図24(d)の状態で、第1表示位置d1に表示されていた第1保留図柄6d(符号a2で示す第1保留図柄)に対応する保留記憶が消化されると、当該第1保留図柄6d(符号a2で示す保留図柄)が保留図柄表示領域6Dから消去されるとともに、消去される保留図柄6dと略同一形状の変動中図柄7d(符号a2で示す変動中図柄)が変動中図柄表示領域6Gに表示される。
【0168】
このように、所定の保留記憶が処理されると、「対応する保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を行うのであるが、本発明においては、この「保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を演出的に行ってもよい。
例えば、
図24(c)に示すように、第1表示位置d1に表示されていた第1保留図柄6d(符号a1で示す保留図柄)が消去されると、当該消去された第1保留図柄6dが所定の移動経路6gを通り、変動中図柄表示領域6Gに変位(シフト)し、「当該消去された保留図柄6dに関連する変動中図柄7dとして表示される。つまり、「保留図柄の消去と変動中図柄の表示開始」を、あたかも、「第1表示位置d1の保留図柄が変動中図柄表示領域6Gに変位(シフト)するように見せる演出」によって行うこともできる。
【0169】
なお、変動中図柄表示領域6Gに移動した変動中図柄7dは、
図24(d)に示すように、当該変動演出表示を終了する前や、終了時に消去される(消滅する)。そして、当該変動演出(当該疑似演出)の実行時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、当該演出表示を停止する。
また、変動中図柄7eが消去される前において、
図24(c)に示すように、変動中図柄表示領域6Gで表示された変動中図柄7eは、その表示形態を変化させる場合と、変化させない場合があるが、本実施例においては、その表示形態を変化させないこととしている。
【0170】
また、本発明においては、本実施例に示すように、保留記憶の記憶数が「ゼロ」である状態で、始動入賞を生じ、取得した始動記憶の種類が、その時点の遊技状態に対応するものである場合に、一旦保留図柄を、保留図柄表示領域6Dに表示して、当該表示された保留図柄が、変動中図柄表示領域6Gに変動中図柄としてシフトするように表示されてもよい。
但し、保留記憶の記憶数が「ゼロ」である状態で、始動入賞を生じ、取得した始動記憶の種類が、その時点の遊技状態に対応するものであるか、その時点の遊技状態に対応するものでないかを問わず、始動入賞時、又は、図柄変動の開始時(演出表示の開始時)に決定された変動中図柄が、変動中図柄表示領域6Gに表示されることとしてもよい。
【0171】
また、第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示が実行されていない場合には、変動中図柄表示領域6Gに変動中図柄7dが表示されないため、遊技者は、その時点において、特別図柄の変動を行われていないことを一見して理解することができる。
【0172】
そして、本発明によると、遊技状態が通常状態である場合の「第2保留図柄」や、特別遊技状態である場合の「第1保留図柄」は保留図柄表示領域6Dに表示されることがないが、対応する保留記憶(通常状態である場合の第2保留記憶記憶、特別遊技状態である場合の第1保留記憶記憶)が処理されると変動中図柄が表示される。
【0173】
なお、以上の
図24(b)、(c)、(d)に示す説明は、「遊技状態が特別遊技状態」である場合において、第2保留図柄及び、これに対応する変動中図柄に関しても、第2保留図柄及び変動中図柄が異なる色(赤色)に着色されている点を除いて同様である(
図24(a)を参照)。なお、大当り遊技状態では、特別図柄の変動を実行しないため、変動中図柄が表示されることはない。
【0174】
次に、
図25を用いて、遊技状態が通常状態である場合、突然、第2特別図柄の変動が実行される場合について説明する。
図25(a)は、「遊技状態が通常状態」である場合において、保留図柄表示領域6Dの4個の表示位置(第1表示位置d1~第4表示位置d4)にそれぞれ第1保留図柄6dが表示された状態から、第1表示位置の第1保留図柄6d(符号a1で示す保留図柄6d)が消去されることに伴い、第1特別図柄の変動を開始するとともに、変動中図柄7dの表示が変動中図柄表示領域6Gで開始された状態を示している。つまり、この段階では、第1表示位置の第1保留図柄6dが消去されるとともに、この消去された第1保留図柄6dと略同一形状・同一色の変動中図柄7dが表示される。しかも、第1表示位置の第1保留図柄6d(符号a1で示す保留図柄6d)が消去されることに伴い、より下位の第2表示位置d2~第4表示位置d4の第1保留図柄6dが、1つ上位の第1表示位置d1~第3表示位置d3にシフトして表示される。
【0175】
また、
図25(b)は、第1特別図柄が変動中であるとともに、変動中図柄7dの表示中であることを示している。そして、この第1特別図柄が変動中であるとき、第2始動口12に遊技球が入球したため、第2数値データ記憶手段に第2保留記憶が記憶されたものとする。但し、遊技状態が通常状態であるため、第2保留記憶の記憶に伴い、第2保留図柄が表示されることはない。
【0176】
この変動中図柄表示領域6Gで表示されている変動中図柄7dは、
図25(c)に示すように、当該演出表示を終了する際(当該演出表示が仮停止する際でも、確定表示される際でもよい)、消去される(消滅する)。そして、当該演出表示(当該疑似演出)の実行時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、当該演出表示を停止する。
続いて、
図25(d)に示すように、第2数値データ記憶手段に記憶された第2保留記憶が消化されることに伴い、第2特別図柄の変動を開始する。このとき、演出図柄表示装置6の数字図柄表示領域6Hにおいて、第2特別図柄の変動に対応する演出表示が開始されるとともに、変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄7dの表示を開始する。この変動中図柄7dは、第2保留記憶に対応する形態とされる。つまり、第2保留図柄6dと略同一形状・同一色(赤色)の変動中図柄7dが表示される。
【0177】
ここで、遊技状態が通常状態である場合に実行される第2特別図柄の変動を、「割り込み変動」と称することがある。
この「割り込み変動」を開始する場合においては、その時点の遊技状態(通常状態)に応じて表示される保留図柄(第1保留図柄)が消去されることはない。従って、遊技者は、保留図柄表示領域6Dにおいて表示されている保留図柄の個数に変化を生じていないことと、変動中図柄表示領域6Gで表示される変動中図柄7dの色に注目することによって、第2保留記憶が消化されたことに気付くことができる。
【0178】
そして、変動中図柄表示領域6Gで表示されている変動中図柄7dは、
図25(e)に示すように、当該演出表示を終了する際に、消去される(消滅する)。そして、当該演出表示の実行時間(特別図柄の変動時間)を終了すると、当該「割り込み変動」を停止する。
【0179】
そして、他の第2保留記憶が第2数値データ記憶手段に記憶されていなければ、
図25(f)に示すように、第1表示位置の第1保留図柄6d(符号a1で示す保留図柄6d)が消去されることに伴い、第1特別図柄の変動を開始するとともに、変動中図柄7dの表示が変動中図柄表示領域6Gで開始された状態となる。
【0180】
ところで、本実施例のパチンコ機50において、保留図柄6dが保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に(保留図柄6dに対応する保留記憶を取得した際に)、サブ統合制御装置83は保留変化演出実行抽選を行う。
そして、保留変化演出実行抽選の結果が落選であると、保留図柄6dと、変動中図柄7dは、保留図柄表示領域6Dに追加表示されてから、変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄7dが消去されるまで、終始、同一の表示形態を維持する。
【0181】
一方、保留記憶の種類が、その時点の遊技状態に対応するもの(通常状態では第1保留記憶、特別遊技状態では第2保留記憶)であり、しかも、保留変化演出実行抽選の結果が当選であると、保留図柄6dと、変動中図柄7dは、保留図柄表示領域6Dに追加表示されてから、変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄7dが消去されるまで、適宜表示形態を変化させることが可能である。
次に、
図26(a)を用いて、保留図柄6d及び変動中図柄7dの表示形態について説明する。ここで、以下の説明において、保留図柄と、これに対応する変動中図柄を保留関係図柄と称することがある。
但し、本実施例では、保留記憶の種類が、その時点の遊技状態に対応するものでない場合(通常状態では第1保留記憶が遊技状態に対応する保留記憶でない場合であり、特別遊技状態では第2保留記憶が遊技状態に対応する保留記憶でない場合である)、保留図柄6dの段階で表示されることはない。そして、この保留図柄6dの段階で表示されることがない保留記憶が消化される際に、当該消化される保留記憶に対応する変動中図柄が表示される。
【0182】
本実施例では、保留関係図柄(保留図柄6d、変動中図柄7d)として、第1表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Aという)と、第2表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Bという)と、第3表示形態に係る保留関係図柄(以下、保留関係図柄Cという)を備える。
【0183】
そして、本実施例の保留関係図柄(保留図柄6d、変動中図柄7d)の表示形態は、保留関係図柄Aから保留関係図柄B、保留関係図柄Bから保留関係図柄Cに、それぞれ変化可能となっている。
ここで、保留関係図柄Aは、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる期待度(以下、単に「期待度」という)を示唆しない(不明である)図柄である。この保留関係図柄Aは、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に常に表示される標準表示形態(デフォルトの標準表示形態)である。つまり、保留関係図柄Aは、前述の「保留変化演出実行抽選」の当落に関わらず、一律に1次表示形態(最初の表示形態)として表示される表示形態である。
【0184】
この保留関係図柄Aの表示形態は、第1保留記憶に対応するものが「青色無地を丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「赤色無地を丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成される。なお、本実施例では、保留関係図柄Aとして、保留図柄Aと変動中図柄Aを備え、図示の都合上、第1保留記憶に対応する保留関係図柄Aを「漢字の青」を丸枠で囲んだ図柄として示している。また、期待度とは、保留関係図柄に対応する保留記憶に関し、当否判定の結果が大当り(当選)であることが報知される確率の高さ(大当り期待度)を意味する。
【0185】
また、保留関係図柄B及び保留関係図柄Cは、前述の「変化演出実行抽選」で当選となる場合に限り、2次以降の表示形態として表示される表示形態である。そして、保留関係図柄B及び保留関係図柄Cは、先読み判定(事前判定)の結果を反映した表示形態である。
【0186】
保留関係図柄Bは、保留関係図柄Aよりも高く、保留関係図柄Cよりも低い期待度(保留関係図柄A~保留関係図柄Cにおいて中位の期待度)を示唆する表示形態であり、第1保留記憶に対応するものが「青色の下地にクェスチョンマークを表示したものを丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「赤色の下地にクェスチョンマークを表示したものを丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成される。
【0187】
更に、保留関係図柄Cは、保留関係図柄A~保留関係図柄Cのうち、最高の期待度を示唆する保留関係図柄であり、第1保留記憶に対応するものが「青色の下地に星印を表示したものを丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成され、第2保留記憶に対応するものが「赤色の下地に星印を表示したものを丸枠で囲んだ図柄」を用いて構成される。なお、図中の保留関係図柄Cとして、保留図柄Cと変動中図柄Cとを備え、図示の都合上、赤色に着色したことを漢字の「赤」で示している。
但し、保留関係図柄B及び保留関係図柄Cでは、図示の都合上、下地の色を示す「青」、「赤」の漢字を表示することを省略している。
【0188】
ここで、本実施例では、保留関係図柄Cを当否判定の結果が大当りとなる可能性が非常に高いことを示唆する図柄(所謂「ゲキ熱図柄」という)であるが、保留関係図柄Cを当否判定の結果が大当りであることが確定していることを示唆する図柄(所謂「大当り確定図柄」という)としてもよい。
【0189】
なお、本実施例では、始動入賞時(始動口11,12への入賞時)に保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に、保留図柄関係図柄の1次表示形態として保留図柄関係図柄A(保留図柄A)が、一律に追加表示される態様を例示した。但し、前述の「保留変化演出実行抽選」で当選となる場合には、1次表示形態として先読み判定(事前判定)の結果を反映した保留図柄B若しくは保留図柄Cが追加表示されるケースを備えてもよい。
【0190】
ここで、以下においては、第1保留口11や第2保留口13に入球することに基づいて取得される保留記憶に対応する保留図柄関係図柄が、保留図柄表示領域6Dに追加表示され、最後に変動中図柄表示領域6Gで変動中図柄として表示され、消去されるまでの一連の過程を説明するため、便宜上、「所定の一の保留記憶(以下、対象保留記憶という)」に着目して説明を行う。但し、この対象保留記憶とは何ら特別な保留記憶ではなく、遊技球が第1保留口11や第2保留口13に入球することに基づき、順次、取得される保留記憶に過ぎない。
【0191】
このように、始動入賞に伴い取得した保留記憶が、対応する保留図柄を保留図柄表示領域6Dに追加表示される保留記憶(以下、表示保留記憶という)である場合、所定のシナリオに従って、追加表示された保留図柄が表示変化態様を変化させる可能性がある。
一方、始動入賞に伴い取得した保留記憶が、対応する保留図柄を保留図柄表示領域6Dに追加表示させることがない保留記憶(以下、非表示保留記憶という)である場合、当該取得した保留記憶に対応する保留図柄が、保留図柄表示領域6Dに追加表示されない。
【0192】
ここで、「表示保留記憶」とは、(A)遊技状態が通常状態であるときの「第1保留記憶」と、(B)遊技状態が特別遊技状態であるときの「第2保留記憶」である。また、「非表示保留記憶」とは、(C)遊技状態が特別遊技状態であるときの「第1保留記憶」と、(D)遊技状態が通常状態であるときの「第2保留記憶」である。なお、大当り遊技状態においても、保留図柄を保留図柄表示領域6Dに追加表示する態様として、「第1保留記憶」及び「第2保留記憶」のうちの一方(例えば、遊技盤1が本実施例の盤面構成を備える場合、第2保留記憶)が「表示保留記憶」とされてもよい。また、大当り遊技状態において、保留図柄表示領域6Dの他に、「他の保留図柄表示領域6D」を出現可能とする場合には、「第1保留記憶」及び「第2保留記憶」の何れも「表示保留記憶」とし、一方の保留記憶に対応する保留図柄を、「保留図柄表示領域6D」に追加表示し、他方の保留記憶に対応する保留図柄を当該「他方の保留図柄表示領域6D」に追加表示してもよい。
そして、「非表示保留記憶」では、保留図柄の段階では一切表示されることはなく、当該「非表示保留記憶」に係る演出表示が開始される際に、漸く変動中図柄A(デフォルトの標準表示形態)が表示される。
【0193】
次に、
図26(b)を用いて、「表示保留記憶」に係わる保留関係図柄の表示変化態様について説明する。
パターン1は、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に保留図柄Aが表示され、保留図柄の段階ではその表示形態を変化させずに、変動中図柄表示領域6Gにおいて、保留図柄Aと略同一の外観の変動中図柄Aとして表示され、消去されるパターンである。
【0194】
パターン11は、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に保留図柄Aが表示され、その後、保留図柄Aが保留図柄Bに表示形態を変化させた後、当該保留記憶に関わる当該演出表示を開始する際に保留図柄Bが消去され、当該消去された保留図柄Bに関連する変動中図柄Bを変動中図柄表示領域6Gにおいて表示する。そして、当該演出表示を終了する前に変動中図柄Bが消去されるパターンである。
【0195】
パターン12は、始動入賞時に保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に保留図柄Aが表示され、その後、保留図柄Aが保留図柄B、更に保留図柄Cに表示形態を変化させた後、当該保留に関わる当該演出表示を開始する際に保留図柄Cが消去され、当該消去された保留図柄Cに関連する変動中図柄Cを変動中図柄表示領域6Gにおいて表示する。そして、当該演出表示終了する前に変動中図柄Cが消去されるパターンである。
【0196】
つまり、本実施例のパチンコ機50では、パターン11及びパターン12に示すように、始動入賞時に保留図柄表示領域6Dに追加表示された保留図柄Aは、保留図柄表示領域6Dにおいて、他の保留図柄(B若しくはC)に変化することがある。
なお、本発明においては、パターン13~15に示すように、始動入賞時に保留図柄表示領域6Dに追加表示された保留図柄Aは、変動中図柄表示領域6Gにおいて、他の変動中図柄(B若しくはC)に変化してもよい。
【0197】
また、サブ統合制御装置83は、保留図柄6dが保留図柄表示領域6Dに追加表示された際に保留変化演出を実行するか否かの抽選(前述の保留変化演出実行抽選)を実行する。そして、サブ統合制御装置83は、保留変化演出実行抽選の結果が当選であると、受信した先読みコマンド1~3(
図15を参照)と、保留図柄6dが保留図柄表示領域6Dに追加表示された際に設定したシナリオに従い、保留関係図柄(保留図柄6dや変動中図柄7d)の表示形態を段階的に変化可能としている。
【0198】
つまり、サブ統合制御装置83は、変化演出実行抽選の結果が当選であると、保留関係図柄をシナリオ(後述する
図27、28等を参照)に従い、最終的な表示形態(変動中図柄として消滅する直前の表示形態を指し、以下、最終表示形態という)となるまで、保留関係図柄の表示形態を段階的に変化させる。これにより、特別図柄に関する当否判定の結果が大当りとなる期待度を段階的に報知する演出(以下、期待度変化演出ともいう)を実行することとしている。
【0199】
一方、サブ統合制御装置83は、保留変化演出実行抽選の結果が落選であると保留図柄6dが保留図柄表示領域6Dに追加表示される際に、最終表示形態に関わる保留関係図柄A(保留図柄A)を表示することとし、保留関係図柄の表示形態を変化させる演出(つまり、前述の変化演出)を実行することはない。この場合、変動中図柄が消滅するまで、最終表示形態に関わる保留関係図柄A(保留図柄A)の表示形態を維持することになる。この場合、前述の
図26(b)に示すパターン1に従う態様である。
【0200】
ここで、シナリオとは、保留変化演出を行う場合に、保留関係図柄の1次表示形態として保留図柄表示領域6Dに追加表示された保留図柄Aが、変動中図柄表示領域6Gにおいて変動中図柄として消滅するまでの間において、保留関係図柄の表示形態が変化する変化過程を定めるシナリオである。
本実施例では、特別図柄の種類(第1特別図柄と第2特別図柄)と、先読みコマンドの種別(先読みコマンド1~3の何れか)と、保留図柄Aが保留図柄表示領域6Dに追加表示される際の保留数と、最終表示形態等に対応して、複数のシナリオを備える。
【0201】
ここで、実施例に示すシナリオとして保留図柄と変動中図柄を含めた変化パターンを例示したが、入賞時に保留図柄の変化パターンを決定し、変動開始時に変動中図柄の変化パターンを決定する構成とすることもできる。
【0202】
次に、
図27及び
図28を用いて、サブ統合制御装置83の記憶手段(保留関係図柄表示用バッファ)に格納されたシナリオについて簡単に説明する。ここで、
図27及び
図28に例示するシナリオは、「表示保留記憶」に係る保留関係図柄に対して適用され、「非表示保留記憶」に係る保留関係図柄に対して適用されない。
【0203】
図27及び
図28は、サブ統合制御装置83が保留変化演出最終表示形態(期待度変化演出)を実行する際に参照するシナリオ選択テーブルの一部を示している。
ここで、当該シナリオは、(1)当該シナリオを決定する際に受信した先読みコマンドの種類、(2)当該シナリオを決定する際に対象となる保留数、(3)当該シナリオ選択テーブルを参照する際に決定されている最終表示形態(保留関係図柄の最終表示形態)に基づいて定められている。
【0204】
図27(a)は、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1で、対象保留記憶を取得した際(第1始動口11若しくは第2始動口12に遊技球が入賞し、保留記憶を記憶した際)の保留数が3で、且つ、「保留関係図柄B若しくはC」が保留関係図柄の最終表示形態となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルである。
このシナリオ選択テーブルには、複数のシナリオ(シナリオSA11~13)が設けられている。以下、シナリオSA11~13の内容を簡単に説明する。
シナリオSA11が選択されると、始動口11,12の遊技球が入球したとき(以下、始動入賞時という)には、「保留図柄表示領域6Dの対応する表示位置」に保留図柄Aが追加表示される。
【0205】
ここで、以下の説明において、対象保留記憶に対応する保留図柄として追加表示される保留図柄を一次保留図柄と称する。そして、本実施例では、保留図柄Aが一律に「一次保留図柄」とされる。
【0206】
但し、本実施例のパチンコ機50においては、遊技状態が通常状態であると、第1始動口11に遊技球が入球した場合(以下、第1始動入賞という)に、保留図柄表示領域6Dの第4表示位置d4に第1保留図柄(保留図柄A)が表示されるが、第2始動口12に遊技球が入球した場合(以下、第2始動入賞という)は、保留図柄表示領域6Dに第2保留図柄が表示されることはない。
また、遊技状態が特別遊技態であると、第2始動入賞を生ずると、保留図柄表示領域6Dの第4表示位置d4に第2保留図柄(保留図柄A)が表示されるが、第1始動入賞を生じても、保留図柄表示領域6Dに第1保留図柄が表示されることはない。
なお、大当り遊技状態においても、始動入賞に基づき、保留図柄が追加表示されることとする場合には、第2始動入賞に基づいて、第2保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示されるが、第1始動入賞に基づいて、第1保留図柄が保留図柄表示領域6Dに追加表示されないこととすることができる。
【0207】
なお、「対応する表示位置」とは、例えば、遊技状態が通常状態、第1保留数が「3」であり、第1始動入賞を生じた場合や、遊技状態が特別遊技状態、第2保留数が「3」であり、第2始動入賞を生じた場合に、保留図柄表示領域6Dの第4表示位置d4を指す。つまり、始動入賞を生ずると、保留図柄が追加表示されるべき位置を指す。
【0208】
そして、対象保留記憶に先行して記憶されていた保留記憶(以下、先行保留記憶という)であって、未処理のものが処理されることで、1回目のシフトが行われる。ここで、対象保留記憶が第1保留記憶であれば、再先に取得された第1保留記憶が処理されることで、1回目のシフトが行われ、対象保留記憶が第2保留記憶であれば、再先に取得された第2保留記憶が処理されることで、1回目のシフトが行われる。この1回目のシフトが行われると、第4表示位置d4(第4表示位置e4)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第3表示位置d3(第3表示位置e3)にシフトして表示される。
【0209】
そして、シナリオSA11においては、この1回目のシフトが行われても、対象保留記憶に対応する保留図柄の表示形態は、保留図柄Aの表示形態に維持される。なお、以下の説明において、保留図柄がシフトして表示されるとは、保留図柄がその表示位置を1つ上位の表示位置(例えば、第4表示位置から1つ上位の第3表示位置)に変更して表示されることを指す。
【0210】
このシナリオSA11においては、当該1回目のシフトが行われた後、第3表示位置d3(第3表示位置e3)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第2表示位置d2(第2表示位置e2)にシフトして表示される。そして、シナリオSA11においては、この2回目のシフトが行われても、保留図柄Aの表示形態は保留図柄Aの表示形態に維持される。
【0211】
このシナリオSA11においては、更に続いて、3回目のシフトが行われると、第2表示位置d2(第2表示位置e2)に表示されていた保留図柄A(対象保留記憶に対応する保留図柄A)は、第1表示位置d1(第2表示位置e1)にシフトして表示される。但し、この3回目のシフトが行われると、保留図柄Aの表示形態は、保留図柄Bの表示形態に変更される。
このシナリオSA11では、第1表示位置(d1)に表示されている保留図柄Bに対応する保留記憶(つまり、対象保留記憶)が処理されるタイミングとなると、当該第1表示位置(d1)に表示されている保留図柄Bが消去されるとともに、当該消去された保留図柄Bに対応する変動中図柄Bが変動中図柄表示領域6Gに表示される。
そして、変動中図柄表示領域6Gに表示されている変動中図柄Bは、変動中図柄Cに変化した後、当該演出表示(対象保留記憶を消化して実行される演出表示)を終了する際、つまり、演出表示が仮停止する際)に消去される。
【0212】
なお、詳細な説明を省略するが、シナリオSA12及び13は保留関係図柄の最終表示形態を変動中図柄Cとするシナリオである。なお、シナリオSA11~SA13は変動中図柄が表示された段階で、当該変動中図柄の表示形態を変化させないシナリオであるが、本発明においては、変動中図柄が表示された段階で、当該変動中図柄の表示形態を変化させてもよい。
【0213】
ここで、詳細な説明を省略するが、対象保留記憶を取得した際の保留数が3以外の場合も、変動中図柄の最終表示形態を変動中図柄B若しくは変動中図柄Cとする期待度変化演出を実行可能である。つまり、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1で、且つ、対象保留記憶を取得した際の保留数が2の場合には、
図27(b)に示すシナリオ選択テーブルが参照され、同保留数が1の場合には、
図27(c)に示すシナリオ選択テーブルが参照され、同保留数が「0」の場合には、
図27(d)に示すシナリオ選択テーブルが参照される。
【0214】
図28(a)は、受信した先読みコマンドが、先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が3で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄B」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルを示している。なお、図示を省略するが、本パチンコ機50は、受信した先読みコマンドが先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が2,1若しくは0で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄B」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルも備えている。
【0215】
なお、前述のように、受信した先読みコマンドが非表示となる保留記憶(非表示保留記憶)を取得した際に送信されたもの(つまり、「特別遊技中フラグ=0」のときに受信した第2保留記憶、若しくは、「特別遊技中フラグ=1」のときに受信した第1保留記憶である場合)には、保留図柄の段階では、非表示とされ、変動中図柄の段階で変動中図柄Aが表示される。
【0216】
また、大当り遊技中に、第1保留記憶若しくは第2保留記憶を受信すると、受信した先読みコマンドが何れであっても、一律に通常保留図柄(保留関係C)を表示することとしてもよい。また、大当り遊技中に、第1保留記憶若しくは第2保留記憶を受信すると、受信した先読みコマンドに対応する予告保留図柄(保留図柄B若しくはC)を表示可能としてもよいし、保留図柄を一切追加表示しないこととしてもよい。
【0217】
図28(b)は、受信した先読みコマンドが、先読みコマンド1若しくは先読みコマンド2で、対象保留記憶を取得した際の保留数が3で、且つ、変動中図柄の最終表示形態が「変動中図柄A」となる場合に選択されるシナリオ選択テーブルを示している。つまり、「保留変化予告演出(保留予告演出であり、以下、保留変化演出という)を実行しないと決定」される場合に設定されるシナリオ選択テーブルを示している。この場合、1回目のシフト、2回目のシフト、3回目のシフトが行われても、保留図柄Aの表示形態は保留図柄Aの表示形態に維持される。そして、第1表示位置(d1)に表示されている保留図柄Bに対応する保留記憶(つまり、対象保留記憶)が処理されるタイミングとなると、当該第1表示位置(d1)に表示されている保留図柄Aが消去されるとともに、当該消去された保留図柄Aに対応する変動中図柄Aが変動中図柄表示領域6Gに表示される。
【0218】
そして、変動中図柄表示領域6Gに表示されている変動中図柄Aは、当該変動演出を終了する前(本実施例では、「当該変動演出を終了する際(演出表示が仮停止する際)」を例示)に消去される。
また、
図28(c)に示すように、(ア)特別遊技中フラグの値が「0」の場合(通常状態の場合)における第2保留記憶の受信時と、(イ)特別遊技中フラグの値が「1」の場合(特別遊技状態の場合)における第1保留記憶の受信時には、当該受信した保留記憶に対応する保留図柄が表示されることはない。この場合、対象保留記憶を取得した際(始動入賞時)に、保留関係図柄の表示形態が変化する変化過程を定めるシナリオが選択されることはない。そして、対象となる保留記憶が消去されると、一律に変動中図柄A(つまり、先読み図柄に関連しない変動中図柄)が変動中図柄表示領域6Gに表示される。
【0219】
図28(d)を用いて、各変動中図柄が最終表示形態として選択される確率と、保留変化予告演出実行抽選の当選確率との関係を説明する。
本実施例では当否判定の結果が大当りの場合、保留変化演出が実行される確率は「70%」である。また、本実施例では当否判定の結果がリーチ外れの場合、保留変化演出が実行される確率は「10%」である。更に、本実施例では当否判定の結果がリーチ無し外れの場合、保留変化演出が実行される確率は「0%」である。但し、当否判定の結果がリーチ無し外れでも、一定の確率(例えば、5%の確率)で、保留変化演出を実行してもよい。
【0220】
次に、
図23、
図29~32を用いて、本実施例のパチンコ機50で実行される演出表示の具体例を説明する。
図23(a)に示すように、数字図柄表示領域6Hが出現し、演出表示を開始すると、左右中の演出図柄が縦方向に変動(スクロール変動)を開始する。
この出現する数字図柄表示領域6Hでは、正面視で略中央に配置される中図柄変動領域6HCと、正面視で中図柄変動領域6HCの左側に配置される左図柄変動領域6HLと、正面視で中図柄変動領域6HCの右側に配置される右図柄変動領域6HRと、を備える。
【0221】
また、何れの図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいても、「1」~「9」の算用数字で構成される演出図柄が、「1」~「9」の順で、スクロール変動する状態で変動表示(循環表示)される。つまり、何れの図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいても、個々の算用数字が画面6aの上方側で順次出現し、画面6aの下方側に移動した後、画面6aから消滅する要領で変動表示される。
【0222】
何れの図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいても、所定の算用数字(例えば、「5」)が画面6aの上方側に出現すると、画面6aの下方側に移動した後(変動した後)、画面6aから消滅する。このように、所定の算用数字が画面6a下方側に移動し、画面6aから消滅する前には、当該所定の算用数字(例えば、算用数字「5」)に後続する算用数字(例えば、算用数字「6」)が画面6aの上方側で出現することを繰り返す要領で、変動表示(循環表示)が実行される。
【0223】
但し、何れの図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいても、対応する演出図柄の変動を開始した当初は、変動する演出図柄の変動速度が高速であり、当該変動する演出図柄を識別することが困難とされる。しかも、何れの図柄変動領域6HC、6HL、6HRは、何れも半透明な状態で表示されるため、遊技者は、この図柄変動領域6HC、6HL、6HRの背後の背景や、画面6aの地色を認識可能とされる。
なお、
図23(a)等において、図柄変動領域6HC、6HL、6HRの内部に記載した「下向きの矢印Y」は、演出図柄の変動方向が画面6aの下方向であり、しかも、演出図柄の変動を視角で認識できない程、高速であることを示している。
【0224】
以下、中図柄変動領域6HCでスクロール変動する演出図柄を中演出図柄6C、左図柄変動領域6HLでスクロール変動する演出図柄を左演出図柄6L、右図柄変動領域6HRでスクロール変動する演出図柄を右演出図柄6Rと称する。
また、各図柄変動領域6HC、6HL、6HRの上下方向中間の位置(以下、「表示位置」という)6TC、6TL、6TRが、スクロール変動している演出図柄6C、6L、6Rが停止することとなる位置である(
図23(b)を参照)。
【0225】
そして、図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいて、高速でスクロール変動している演出図柄の変動速度は、徐々に遅くなり、移動する演出図柄を認識可能となっていく。更に、演出図柄の変動速度が遅くなり、演出図柄が対応する表示位置6TC、6TL、6TRで停止する。
この演出図柄6C、6L、6Rが停止すること(停止表示されること)には,「仮状態で停止すること(以下、仮停止状態という)」と、「確定状態で停止すること」が含まれる。
【0226】
ここで、仮停止とは、対象となる演出図柄6C、6L、6Rが表示位置6TC、6TL、6TRで停止しつつも僅かに微動している状態(例えば、上下に揺れている状態)である。また、この仮停止は、演出図柄6C、6L、6Rは一応、表示位置6TC、6TL、6TRで停止しつつも、再度、変動を開始する(以下、再変動という)可能性を残す状態である。
【0227】
そして、開始した変動演出がリーチ表示を伴う場合には、当該リーチ表示を行うタイミングが到来すると、
図23(b)に示すように、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rを同一数字で仮停止した状態となり、リーチ表示を実行する。
【0228】
このリーチ表示を実行すると、
図29(a)に示すように、ノーマルリーチ演出の状態でリーチ演出か、ノーマルリーチ演出の内容が中途から発展するスーパーリーチ演出を実行する。
【0229】
そして、ノーマルリーチ演出の状態でリーチ演出を終了するか、或いは、スーパーリーチ演出まで発展するかを問わず、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、
図29(b)若しくは
図29(f)に示すように、中演出図柄6Cが対応する表示位置6TCで仮停止状態となる。
更に、一定時間(例えば、0.3秒)を経過すると、仮停止状態とされた中演出図柄6Cが、先に仮停止状態とされた左演出図柄6L及び仮停止状態とされた右演出図柄6Rと共に、確定状態で停止した状態となる(
図29(c)、(g))。これにより、表示領域6Hに、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄(演出図柄)が確定表示された状態となる。
この確定状態の停止は、一定時間(約0.6秒間)継続し、一定時間停止する。そして、確定表示された組合せ図柄が外れ図柄であると(
図29(g)を参照)、
図29(h)に示すように、図柄変動領域6HC、6HL、6HRにおいて、演出図柄6C、6L、6Rの変動を新たに開始可能な状態となる。
【0230】
この当否判定の結果を示す組み合わせ図柄(演出図柄)の確定表示で、
図23(c)に示すように、大当り図柄を確定表示する場合には、確定表示期間(約0.6秒)を待って、大当り遊技を実行する(
図29(d))。そして、大当り遊技を実行した後、パチンコ機50の遊技状態が高確率状態若しくは通常確率状態(低確率状態)となる(
図29(e))。
【0231】
また、開始した変動演出がリーチ表示を伴わない場合には、前述の変動パターンで特定される変動時間(特別図柄の変動時間)が経過すると、中演出図柄6Cが対応する表示位置6TCで仮停止状態となる。そして、一定時間(例えば、0.3秒)を経過すると、仮停止状態とされた中演出図柄6Cが、先に仮停止状態とされた左演出図柄6L及び仮停止状態とされた右演出図柄6Rと共に、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄(演出図柄)が、外れ図柄によって確定表示された状態となる(
図23(c))。これにより、新たな変動演出を実行可能な状態となる(
図23(d))。
【0232】
ところで、本パチンコ機50は、演出態様(演出パターン)として、(1)疑似連演出を伴わない演出表示を特定する演出態様(以下、一般演出態様という)、(2)疑似連演出を伴う演出表示を特定する演出態様(以下、疑似連演出態様という)と、を備える。
疑似連演出態様に従う演出表示では、「演出図柄の変動を所定時間実行した後、仮停止することとなる単位演出表示」を所定回数行った後、変動パターンで特定される変動時間を終了するまで、最終の単位演出表示を実行する。
この疑似連演出態様に従う変動演出においては、(1)当否判定の結果が大当りであるか、(2)外れリーチである場合、最終の単位演出表示においてリーチ表示を行うタイミングが到来する可能性がある。
【0233】
次に、
図30~
図32を用いて、疑似連演出の具体例を構成する。
図24(a)は、1回目の単位演出表示(第1疑似変動)を開始した直後の状態を示している。このとき、全図柄変動領域6HC、6HL、6HRが高速でスクロール変動(変動表示)を継続している。ここで、
図24(a)は、遊技状態が通常状態で、第1保留記憶を受信した後の状態とする。
【0234】
そして、1回目の単位演出表示(第1疑似変動)を開始して第1所定時間を経過するまでに、
図30(b)に示すように、左演出図柄6L、右演出図柄6Rの順で仮停止する。ここで、この仮停止は、左演出図柄6Lが対応する表示位置6TLで上下に僅かに揺れながら停止すると共に、右演出図柄6Rが対応する表示位置6TRで上下に僅かに揺れながら停止することによって行われる。
【0235】
このように、左演出図柄6L及び右演出図柄6Rが仮停止した後、第2所定時間を経過すると、中演出図柄6Cの変動速度が徐々に遅くなり、中図柄変動領域6HCにおいてその上方側(表示位置6TCよりも上方側)の部位から、所定の数字図柄(演出図柄)6Vが出現する様子が認識できるようになる。
そして、
図30(c)に示すように、中図柄変動領域6HCにおいて、表示位置6TCよりも上方側の部位から画面6aに登場した所定の数字図柄6Vが、表示位置6TCで仮停止される。
この場合、仮停止した左演出図柄6L、右演出図柄6R及び中演出図柄6Cによって、リーチ表示とならない「バラケ目」の組合せ図柄を構成する。
【0236】
この後、「バラケ目」の組合せ図柄が仮停止した状態になっても、確定状態で停止した状態とはならず、「所定の数字図柄(演出図柄)6V」が表示位置6TCに仮停止し、「バラケ目」の組合せ図柄が仮停止することを契機に、
図30(d)に示すように、2回目の単位演出表示(単位演出表示を3回以上行う疑似連演出の場合)、若しくは、最終の単位演出表示(単位演出表示を2回行う疑似連演出の場合)を開始する。
【0237】
なお、所定の数字図柄が表示位置6TCで仮停止することを契機に疑似変動(2回目以降の単位演出表示)を開始することを演出図柄が再変動すると称し、所定の数字図柄が表示位置6TCで仮停止して構成される組み合わせ図柄を「疑似連図柄」と称することがある。
そして、この再変動の対象が最終以外の単位演出表示(第1疑似変動)である場合には、
図31(a)に示すように、左演出図柄6L、右演出図柄6R、中演出図柄6Cの順に仮停止することを契機に、
図31(b)に示すように、再変動を開始する。
【0238】
この再変動(第1疑似変動)を開始した後、
図31(c)に示すように、リーチ表示を行う場合(つまり、当否判定の結果が大当りである場合か、リーチ外れである場合)と、図示しないがリーチ表示を行わない場合(リーチ無し外れである場合)と、がある。そして、リーチ表示を行う場合には、
図31(d)に示すように、リーチ演出を実行する。
更に、リーチ表示を行うか,行わないかを問わず、変動パターンで特定する変動時間を終了すると、
図31(e)に示すように、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄が仮停止される。
【0239】
そして、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄が仮停止されると、変動中図柄が消滅する。この後、一定時間(例えば、0.6秒)を経過すると、当否判定の結果を示す組み合わせ図柄が確定表示された状態となる(
図31(f))。
【0240】
なお、本実施例においては、組み合わせ図柄が確定表示されると同時に変動中図柄が消滅してもよい。
この後、組み合わせ図柄が「外れ図柄」である場合には、
図31(g)に示すように、後続する変動が開始可能となる。この場合、保留図柄が1個減少し、当該後続する変動の実行を示す変動中図柄の表示を開始する。
【0241】
以上のように、疑似連演出を行っている場合(最初の単位演出表示を開始してから、最後の単位演出表示を終了するまでの間)、保留図柄の個数に変化はない。そして、最後の単位演出表示を終了すると、一旦、変動中図柄が消滅する。そして、後続する変動を開始する際に保留図柄が1個減少すると共に、新たな演出表示が開始される。このとき、新たな演出表示の開始に伴い、変動中図柄の表示を開始する。
【0242】
次に、
図32を用いて、遊技状態が非特別遊技状態(通常状態)で、第2保留記憶を受信し、第2保留記憶を処理することに伴って実行される演出表示について説明する。
図32(a)は、遊技状態が通常状態で、第1特別図柄の変動表示に対応する演出表示が、確定状態で停止した状態を示している。この場合、演出表示中に表示された変動中図柄は既に消滅している。
【0243】
また、
図32(a)において確定状態で停止した演出表示を実行中に第2保留記憶を取得した場合には、
図32(b)に示すように、当取得した第2保留記憶に基づいて、演出表示(第2特別図柄の当該動表示に対応する演出表示)を開始する。このとき、全図柄変動領域6HC、6HL、6HRが高速でスクロール変動(演出表示)を実行する。
ここで、遊技状態が通常状態において、元々、第2保留図柄が表示されていないが、
図32(b)に示すように、第2保留記憶の消化に伴い、変動中図柄(第2特別図柄に対応する変動中図柄)の表示を開始する。
【0244】
この第2特別図柄の変動表示に対応する演出表示も、
図32(c)に示す仮停止状態の停止を経て、
図32(d)に示す確定状態で停止する。
そして、この演出表示で大当り図柄が確定表示されない場合、第2保留記憶が記憶されておらず、第1保留記憶が記憶されている場合には、この第1保留記憶の消化に伴い、
図32(e)に示すように、第1特別図柄の変動表示と、これに対応する演出表示を開始する。このとき、変動中図柄(第1特別図柄に対応する変動中図柄)の表示を開始する。
【0245】
以上のように、疑似連演出を行っている場合(最初の単位演出表示を開始してから、最後の単位演出表示を終了するまでの間)、保留図柄の個数に変化はない。そして、最後の単位演出表示を終了すると、一旦、変動中図柄が消滅し、後続する変動を開始すると、保留図柄が1個減少する。
これに対して、遊技状態が通常状態であるとき、第2保留記憶を取得し、第2保留記憶を消化し、第2特別図柄の変動表示と、これに伴う演出表示を開始すると、第2特別図柄に対応する変動中図柄が表示される。一方、表示されている第1保留図柄の個数に変化がない。このため、第2特別図柄に対応する演出表示を開始しても、当該演出表示が開始したことを疑似連演出が開始したものと誤解することはない。
【0246】
次に、
図33のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する表示態様設定処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
本処理は、演出図柄表示装置6の画面6aの表示態様を、特別遊技状態(確変状態若しくは時短状態)専用の表示態様(例えば、右打ち用の表示態様)としたり、通常状態用の表示態様(左打ち用の表示態様)としたり、大当り遊技状態専用の表示態様としたりするものである。
【0247】
ここで、本実施例においては、特別遊技中フラグの値が「1」である場合、演出図柄表示装置6の画面6aの表示態様として、右打ち用の表示態様が設定され、特別遊技中フラグの値が「0」である場合、演出図柄表示装置6の画面6aの表示態様として、左打ち用の表示態様が設定される。
そして、演出図柄表示装置6の画面6aの表示態様として右打ち用の表示態様が設定されると、第2保留図柄が表示され、第1保留図柄が非表示とされる。また、演出図柄表示装置6の画面6aの表示態様として左打ち用の表示態様が設定されると、第1保留図柄が表示され、第2保留図柄が非表示とされる。
ここで、特別遊技中フラグは遊技状態が特別遊技中(開放延長状態中)であることを示すフラグであり、その値が「1」であると、遊技状態は特別遊技状態であることを示し、その値が「0」であると、遊技状態は非特別遊技状態(すなわち、通常状態)であることを示す。
【0248】
なお、大当り遊技中(大当り遊技中フラグの値が「1」の場合)において、第1保留図柄及び第2保留図柄の双方を表示する場合には、例えば、単に大当り遊技であることを示す表示態様(左打ち用若しくは右打ち用を特定しない表示態様)を設定し、第1保留図柄及び第2保留図柄のうちの第2保留図柄のみを表示する場合には、右打ち用の表示態様を設定することとしてもよい。ここで、大当り遊技中フラグは、大当り遊技状態であることを示すフラグであり、その値が「1」であると、その時点に、大当り遊技状態であることを示す。また、
図33において、図示を省略するが、大当り遊技状態を終了し、特別図柄(演出図柄)の変動を実行可能な状態になると、大当り遊技中フラグの値が「0」とされる。
【0249】
本処理を開始すると、S1000でサブ統合制御装置83が大当り開始コマンドを受信したか否かを判定する。そして、S1000で肯定判定されると(S1000:yes)、S1005に移行し、大当り遊技中フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S1005)。そして、S1005で肯定判定されると(S1005:yes)、大当り遊技中フラグの値を「1」とした後、本処理をリターンする。
一方、S1005で否定判定されると(S1005:no)、そのまま本処理をリターンする。
【0250】
ここで、サブ統合制御装置83は大当り開始コマンド(
図19のS396で送信される大当り遊技の開始を示すコマンド)を受信することで、大当り遊技を開始したと判定することができる。ここで、例えば、大当り遊技中において、右打ちを促す場合には、演出図柄表示装置6の画面6aに右打ちを促す表示(図示を省略)が実行されるため、遊技者は、即座に遊技球の発射強度を強くすることでき、遊技態様(遊技球の発射態様)を「右打ち領域3Rを狙い遊技球を発射する右打ち遊技」とすることが容易である。
【0251】
S1000で否定判定されると(S1000:no)、S1010に移行し、特別遊技中フラグの値が「1」であるか否かを判定する(S1010)。そして、S1010の処理で否定判定されると(S1010:no)、S1015に移行し、特別遊技状態移行指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1015)。
つまり、
図22のS556の処理で主制御装置80から送信された状態指定コマンドコマンド(確変大当りに係る大当り遊技を終了した後の確変状態に移行したことを指定する状態指定コマンド、若しくは、通常大当りに係る大当り遊技を終了した後の時短状態に移行したことを指定する状態指定コマンド)を受信したか否かを判定する(S1015)。
【0252】
S1015で肯定判定されると(S1015:yes)、S1020に移行し、特別遊技中フラグの値を「1」とする処理を行い、本処理をリターンする。
これに対して、S1015で否定判定されると(S1015:no)、そのまま本処理をリターンする。
【0253】
また、S1010で肯定判定されると(S1010:yes)、S1030に移行し、特別遊技状態終了指定コマンドを受信したか否かを判定する(S1030)。
つまり、
図19のS416の処理で主制御装置80から送信された状態終了指定コマンド(時短状態を終了することを示すコマンド、つまり、S414の処理を経て実行される時短状態を終了することを示すコマンド)を受信したか否かを判定する(S1030)。
【0254】
そして、S1030で肯定判定される場合には(S1030:yes)、S1035に移行し、特別遊技中フラグの値を「0」とする処理を行い、本処理をリターンする。一方、1030で否定判定される場合には(S1030:no)、そのまま表示態様設定処理をリターンする。
【0255】
次に、
図34のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留図柄表示処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0256】
本処理を開始すると、S1100に移行し、大当り遊技中フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S1100)。
そして、S1100で否定判定されると(S1100:no)、S1170に移行し、保留数指示コマンドを受信したか否かを判定する(S1170)。
このS1170で肯定判定されると(S1170:yes)、S1180に移行し、保留数カウンタに「+1」する処理と、大当り遊技中表示処理とを実行した後、保留図柄表示処理をリターンする。なお、保留数カウンタに「+1」する処理は、後述するS1120と同様な処理であるため、説明を省略する。
【0257】
また、S1180で実行される「大当り遊技中表示処理」の内容は種々選択可能であり、例えば、大当り遊技中に第1始動記憶及び第2始動記憶のうちの一方のみ(例えば、第2始動記憶のみ)に対応する保留図柄を表示するケースでは、当該一方(例えば、第2始動記憶)を受信すると、対応する保留図柄(例えば、第2保留図柄)が保留図柄表示領域6Dに追加表示されることとしてもよい。また、大当り遊技中には、保留図柄表示領域6Dの他に「他の保留図柄表示領域6D」を出現可能とする場合には、第1始動記憶を受信すると保留図柄表示領域6Dに第1保留図柄を表示し、第2始動記憶を受信すると「他の保留図柄表示領域6D」に第1保留図柄を表示してもよい。この場合、大当り遊技中においては、第1始動記憶若しくは第2始動記憶を受信すると、例えば、一律に保留図柄A(先読み図柄に関連しない保留図柄)を表示してもよい。
【0258】
また、S1170で否定判定されると(S1170:no)、そのまま保留図柄表示処理をリターンする。
【0259】
S1100で肯定判定されると(S1100:yes)、S1110に移行し、特別遊技中フラグの値が「0」であるか否かを判定する(S1110)。ここで、特別遊技中フラグの値が「0」である場合とは、その時点の遊技状態が、通常状態であることを示している。
そして、S1110で肯定判定されると(S1110:yes)、S1115以降の処理に移行し、S1110で否定判定されると(S1110:no)、
図35のS1215の以降の処理に移行する。
【0260】
S1115では、保留数指示コマンドを受信したか否かを判定する(S1115)。このS1115の処理で否定判定されると(S1115:no)、リターンし、肯定判定されると(S1115:yes)、S1120でサブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに「+1」し、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号を送信し、S1125に移行する。
そして、S1125で振分乱数1を抽出した後(S1125)、S1130に移行する。
【0261】
なお、S1120で「+1」される保留数カウンタの値は、後述する保留数情報受信処理(
図36を参照)において、保留情報コマンドを受信する毎にデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
S1130では、サブ統合制御装置83が主制御装置80から先読みコマンド(先読み情報)を受信したか否かを判定する(S1130)。この先読みコマンド(先読み情報)には、前述の
図14のS206若しくはS216で主制御装置80から出力されるコマンドである。
また、保留数指示コマンドと先読みコマンドを一体化されたコマンドとしてもよく、この一体化された場合、S1115において、受信した保留数指示コマンドに先読みコマンドが含まれているか否かが判定される。
【0262】
この先読みコマンド(先読み情報)は、先読みコマンド1~3の何れかである。そして、S1130で否定判定される場合には(S1130:no)、一旦、保留図柄表示処理を終了する。
そして、保留図柄表示処理を繰り返し実行するうちに、S1130で肯定判定されると(S1130:yes)、S1135に移行する。
【0263】
S1135では、S1115でサブ統合制御装置83が受信した保留数指示コマンドが、第1保留記憶に関するものであるか否か(
図14のS204の処理で主制御装置80から送信された第1保留数コマンドであるか否か)を判定する(S1135)。
【0264】
そして、S1135で肯定判定される場合には(S1135:yes)、S1140に移行し、S1135で否定判定される場合には(S1135:no)、、そのまま保留図柄表示処理をリターンする。この場合、保留変化演出(変化演出)に関するシナリオが設定されることはない(すなわち、シナリオ無しと決定される)。ここで、S1135で否定判定される場合は(S1135:no)、S1115でサブ統合制御装置83が受信した保留数指示コマンドが、第2保留記憶に関するものである(
図14のS214の処理で主制御装置80から送信された第2保留数コマンドである)場合である。この場合、受信した保留記憶(第2保留記憶)に対応する特別図柄(演出図柄)の表示が開始されるとき、変動中図柄として、変動中図柄A(先読み図柄に関連しない変動中図柄)が表示される。
【0265】
S1140では保留変化演出(変化演出)を実行するか否かの抽選を行う。このS1140は、S1125で取得した振分乱数1を用いた乱数抽選で行われる。
S1140を実行すると、S1145に移行し、「S1140で行われた抽選において、保留変化演出(変化演出)を実行する旨の抽選結果が得られたか否か」を判定する(S1145)。
【0266】
ここで、保留変化演出(変化演出)を実行するか否かの抽選における当選確率は、
図28(d)に示すように、S1115若しくは後述する
図29のS1215で受信した先読みコマンドの種類によって異なっている。つまり、受信した先読みコマンドが先読みコマンド1(図中「大当り(コマンド1)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「70%」、受信した先読みコマンドが先読みコマンド2(図中「リーチ外れ(コマンド2)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「10%」、受信した先読みコマンドが先読みコマンド3(図中「リーチ無し外れ(コマンド3)」と記載する欄を参照)であると当該「当選確率」は「0%」である。つまり、本実施例では、当否判定の結果がリーチ無し外れであると、一律に保留変化演出を実行しないこととしているが、当否判定の結果がリーチ無し外れである場合においても保留変化演出を実行すること(例えば、S1020の抽選処理の「当選確率」を低確率(例えば、「2%」)としてもよい。
【0267】
S1145で肯定判定される場合には(S1145:yes、)、S1150に移行し、否定判定される場合には(S1145:no)、S1160に移行する。
S1150に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回の保留変化演出(変化演出)にて参照するシナリオを決定し、S1155に移行する。
すなわち、S1150では、各種シナリオ選択テーブルを参照し、保留変化演出(変化演出)を実行する際に、保留関係図柄(保留図柄、変動中図柄)の表示態様の変化パターンを特定するシナリオを選択決定する。
【0268】
ここで、S1150で選択決定したシナリオは、サブ統合制御装置83に設けられた記憶手段(保留表示演出用バッファ)に格納され、適宜参照される。つまり、後述するS1155、後述する
図30の保留情報受信処理におけるS1325、後述する
図34の変動中図柄変化処理におけるS1610等にて参照される。
【0269】
S1150を経て移行するS1155において、サブ統合制御装置83は、S1150で決定したシナリオを参照して、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)を特定して、該表示形態にて、今回受信した先読みコマンドに基づく保留記憶に係る保留図柄を、演出図柄表示装置6に表示する処理を行う。但し、本実施例では、何れのシナリオが決定されても、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)は、一律に保留図柄Aとされている。つまり、保留変化演出(変化演出)を実行する場合においても、対象保留記憶を取得した際に、デフォルトの表示形態(第1表示形態に係る保留図柄(保留図柄A)が表示されることとしている。そして、S1155を実行すると、本処理を終了する。
なお、本実施例と異なり、保留変化演出(変化演出)を実行する場合においては、最初の表示形態(一次保留表示形態)として、デフォルトの表示形態以外の表示形態(第2表示形態若しくは第3表示形態)に係る保留図柄を特定するケースが、一定確率で生じてもよい。
【0270】
一方、S1160に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回受信した先読みコマンド(S1115で肯定判定された先読みコマンド)に基づく保留記憶に係る保留図柄(追加表示される保留図柄)として、予め定めた「表示形態(一次保留表示図柄という)を表示する(S1160)。ここで、S1160で表示する「第1表示形態に係る保留図柄」は保留図柄Aに定められている。つまり、保留変化演出(変化演出)を実行しない場合には、対象保留記憶を所得した際に、デフォルトの表示形態(第1表示形態に係る保留図柄(保留図柄A))が表示される。そして、S1160を実行すると、本処理を終了する。
【0271】
次に、
図34のS1110で否定判定されると(S1110:no)、移行する
図35のS1215以降の処理について説明する。
図35のS1215では、保留数指示コマンドを受信したか否か判定する(S1215)。このS1215の処理で否定判定されると(S1215:no)、リターンし、肯定判定されると(S1215:yes)、S1220でサブ統合制御装置83が備える保留数カウンタに「+1」し、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号を送信し、S1225に移行する。
そして、S1225で振分乱数1を抽出した後(S1225)、S1230に移行する。
【0272】
なお、S1220で「+1」される保留数カウンタの値は、後述する保留数情報受信処理(
図36を参照)において、保留情報コマンドを受信する毎にデクリメントされる。これにより、絶えず主制御装置80が記憶する保留記憶の数と同一数が管理される。
S1230では、サブ統合制御装置83が主制御装置80から先読みコマンド(先読み情報)を受信したか否かを判定する(S1230)。この先読みコマンド(先読み情報)には、前述の
図14のS206若しくはS216で主制御装置80から出力されるコマンドである。
また、保留数指示コマンドと先読みコマンドを一体化されたコマンドとしてもよく、この一体化された場合、S1215において、受信した保留数指示コマンドに先読みコマンドが含まれているか否かが判定される。
【0273】
S1230で否定判定される場合には(S1230:no)、一旦、保留図柄表示処理を終了する。
そして、保留図柄表示処理を繰り返し実行するうちに、S1230で肯定判定されると(S1230:yes)、S1235に移行する。
【0274】
S1235では、サブ統合制御装置83が受信した保留数指示コマンドが、第2保留記憶に関するものであるか否か(
図14のS214の処理で主制御装置80から送信された第2保留数コマンドであるか否か)を判定する(S1235)。
そして、S1235で肯定判定される場合には(S1235:yes)、S1240に移行し、S1235で否定判定される場合には(S1235:no)、保留図柄表示処理をりリターンする。ここで、S1235で否定判定される場合は(S1235:no)、S1215でサブ統合制御装置83が受信した保留数指示コマンドが、第1保留記憶に関するものである(
図14のS204の処理で主制御装置80から送信された第1保留数コマンドである)場合である。この場合、保留変化演出(変化演出)に関するシナリオが設定されることはない(すなわち、シナリオ無しと決定される)。また、この場合、受信した保留記憶(第1保留記憶)に対応する特別図柄(演出図柄)の表示が開始されるとき、変動中図柄として、変動中図柄A(先読み図柄に関連しない変動中図柄)が表示される。
【0275】
S1240では保留変化演出(変化演出)を実行するか否かの抽選を行う。このS1240は、S1225で取得した振分乱数1を用いた乱数抽選で行われる。
S1240を実行すると、S1245に移行し、「S1240で行われた抽選において、保留変化演出(変化演出)を実行する旨の抽選結果が得られたか否か」を判定する(S1245)。
【0276】
S1245で肯定判定される場合には(S1245:yes、)、S1250に移行し、否定判定される場合には(S1245:no)、S1260に移行する。
S1250に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回の保留変化演出(変化演出)にて参照するシナリオを決定し、S1255に移行する。
すなわち、S1250では、各種シナリオ選択テーブルを参照し、保留変化演出(変化演出)を実行する際に、保留関係図柄(保留図柄、変動中図柄)の表示態様の変化パターンを特定するシナリオを選択決定する。
ここで、S1250で選択決定したシナリオは、サブ統合制御装置83に設けられた記憶手段(保留表示演出用バッファ)に格納され、適宜参照される。つまり、後述するS1255、後述する
図30の保留情報受信処理におけるS1325、後述する
図40の変動中図柄変化処理におけるS1610等にて参照される。
【0277】
S1250を経て移行するS1255において、サブ統合制御装置83は、S1250で決定したシナリオを参照して、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)を特定して、該表示形態にて、今回受信した先読みコマンドに基づく保留記憶に係る保留図柄を、演出図柄表示装置6に表示する処理を行う。但し、本実施例では、何れのシナリオが決定されても、該シナリオの最初の表示形態(一次保留表示形態)は、一律に保留図柄Aとされている。そして、S1255を実行すると、本処理を終了する。
【0278】
一方、S1260に移行すると、サブ統合制御装置83は、今回受信した先読みコマンド(S1215で肯定判定された先読みコマンド)に基づく保留記憶に係る保留図柄(追加表示される保留図柄)として、予め定めた「表示形態(一次保留表示図柄という)を表示する(S1260)。ここで、S1260で表示する「第1表示形態に係る保留図柄」は保留図柄Aに定められている。そして、S1260を実行すると、本処理を終了する。
【0279】
次に、
図36を用いて、サブ統合制御装置83が実行する保留数情報受信処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0280】
この保留数情報受信処理では、保留記憶が消化された際に、演出図柄表示装置6に表示されている保留図柄の表示位置を更新するとともに、必要に応じて保留変化演出(変化演出)を実行する。
また、「保留数情報受信処理」は、保留記憶が有る状態において、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示が終了して確定表示された際、第2特別図柄の保留記憶があれば第2特別図柄の、無ければ第1特別図柄の、最古の保留記憶に基づく新たな変動表示を開始するために、前記最古の保留記憶の表示が消去され、同じ特別図柄の他の保留記憶が、その表示位置をシフトさせる処理を行う際に、実行される処理である。よって、上述した「保留表示処理」とは異なるタイミングにて実行されるものである。
【0281】
本処理を開始すると、保留情報(保留情報コマンド)を受信したか否か判定する(S1300)。このS1300の処理で否定判定されると(S1300:no)、本処理をリターンする。
なお、サブ統合制御装置83がS1300の処理で受信する保留情報コマンドは、
図17のS364の「保留情報送信処理」で主制御装置80から送信される。
S1300で肯定判定されると(S1300:yes)、サブ統合制御装置83が備える保留数カウンタから-1する処理を行い(S1305)、S1310に移行する。
【0282】
S1310でサブ統合制御装置83は、演出図柄表示装置6の画面6aに保留図柄を表示可能な保留記憶が消化されたか否かを判定する。つまり、(a)特別遊技中フラグの値が「1」のとき(特別遊技状態であるとき)の第2保留記憶が消化される場合と、(b)特別遊技中フラグの値が「0」のとき(通常状態であるとき)の第1保留記憶が消化される場合であるか否かを判定する。
【0283】
S1310で否定判定される場合(S1310:no)には、保留数情報受信処理をリターンし、S1310で肯定判定される場合(S1310:yes)には、S1315に移行する。
【0284】
S1315では、上述した第2特別図柄を第1特別図柄よりも優先変動する構成を前提とした上で、演出図柄表示装置6に表示されている最も古い保留記憶に対応する保留図柄を消去すると共に、同じ特別図柄で、これ以外に保留図柄が表示されている場合には、残りの全ての保留図柄の表示位置を、演出図柄表示装置6の画面中央方向に向かって各々1個シフトし、S1320に移行する。
【0285】
この場合、第1保留図柄が表示されている状態(通常状態)で、第2保留記憶が取得された場合には、第2保留図柄が表示されることなく、第2保留保留図柄の減少、シフトが行われることはない。なお、第2保留図柄が表示されている状態(特別遊技状態)で、第1保留記憶が取得された場合には、第1保留図柄が表示されることはない。なお、大当り遊技状態において、第1保留図柄及び第2保留図柄のうち、第2保留図柄のみを表示する態様では、第1保留記憶が取得された場合には、第1保留図柄が表示されることはない。
【0286】
S1315で、サブ統合制御装置83は、保留図柄をシフトする処理に伴い変更された保留図柄の表示位置と、
図34のS1150若しくは
図35のS1250にて決定したシナリオの内容を参照して、保留図柄の内の何れかが「保留変化演出(変化演出)」の実行位置、すなわち保留図柄又は変動中図柄の表示形態の変更時期(位置)となったか否かの判定を行い、肯定判定が得られた場合には(S1320:yes)、S1325に処理を移行する。また、S1320で、否定判定が得られた場合には(S1325:no)、本処理を終了する。
シナリオの内容を確認する処理は、前述の「保留表示演出用バッファ」に格納されたシナリオに係る情報を参照することで実施される。
【0287】
S1325では、サブ統合制御装置83は、「保留変化演出(変化演出)」の実行位置(時期)となった保留図柄について、決定されたシナリオの内容に基づいて表示形態を変化して表示する処理を実行し、本処理を終了する。
ここで、
図27及び
図28等に示すシナリオに従い、S1325の処理が実行される。
この具体例として、第2保留記憶が存在しない状態で、第1保留数が3のときに、第1始動口11への遊技球の入球に伴って取得した対象保留記憶に対応する保留図柄として追加表示された保留図柄Aが、
図27(a)のSA12シナリオに従いシフトする場合について説明する。
【0288】
この具体例では、対象保留記憶に先行する保留記憶が3個存在するが、当該先行する保留記憶が処理される度に(当該先行する保留記憶に関し、S1300で肯定判定される度に)、当該追加表示された保留図柄Aはシフトして表示される。その際、1回目のシフトで保留図柄の表示形態は保留図柄Aを維持する。そして2回目のシフトで、保留図柄の表示形態は保留図柄Aから保留図柄Bに変化し、3回目のシフトでは保留図柄Bから保留図柄Cに変化する。
【0289】
なお、保留図柄が消化対象の保留記憶(当否判定される保留記憶)である場合には、当該消化対象の保留記憶に対応する保留図柄が消去されることに伴い、この保留図柄と同一内容の変動中図柄7dが、変動中図柄表示領域6Gにシフトして表示される。
【0290】
また、対象保留記憶に対応する保留図柄Cが第1表示位置d1に表示された状態において、当該対象保留記憶が処理されると当該保留図柄Cは消去される。これに伴い、当該保留図柄Cに対応する変動中図柄Cが変動中図柄表示領域6Gに表示される。
なお、S1315の処理において、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号が送信される。この保留数表示指示信号は、演出図柄表示装置6の画面6aから第1保留図柄6d(但し、第1保留図柄が表示保留である場合、つまり、遊技状態が通常状態の場合)、若しくは、第2保留図柄6d(但し、第2保留図柄が表示保留である場合、つまり、遊技状態が特別遊技状態である場合)を1個減らす旨を指示する信号である。
また、大当り遊技状態において、第1保留図柄及び第2保留図柄のうち、第2保留図柄のみを表示する場合には、特別図柄の変動が可能となった状態(特別遊技状態)に移行した後、当該特別図柄の変動を開始する際、S1315において、演出図柄制御装置82に保留数表示指示信号として、第2保留図柄6dを1個減らす旨を指示する信号を送信する。
【0291】
また、サブ統合制御装置83がS1300の処理で受信する保留情報コマンドは、
図17のS364の「保留情報送信処理」で主制御装置80から送信される。そして、主制御装置80から送信された「保留情報」が、第1保留数をデクリメントする際(特
図1を変動開始する際)に送信されたものである場合には、演出図柄表示装置6の画面6aに出現する保留記憶表示領域6Dで、第1保留図柄6dが1デクリメントされる。このデクリメントされる保留図柄6dに対応づけて先読み判定情報コマンドを受信している場合には、当該先読み判定情報(コマンド)の記憶も消去される。
【0292】
更に、主制御装置80から送信された「保留情報」が、第2保留数をデクリメントする際(特
図2を変動開始する際)に送信されたものである場合には、演出図柄表示装置6の画面6aに出現する保留記憶表示領域6Dで、第2保留図柄6dが1デクリメントされる。このデクリメントされる第2保留図柄6dに対応づけて先読み判定情報コマンドを受信している場合には、当該先読み判定情報(コマンド)の記憶も消去される。
【0293】
次に、
図37のフローチャートを用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出開始処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
サブ統合制御装置83は演出開始処理を起動すると、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(S1500)。ここで、変動開始コマンドとは、特別図柄の変動を開始する際に主制御装置80から送信されるコマンドである(
図17のS366を参照)。
【0294】
この変動開始コマンドには、特別図柄に関する当否判定の結果(大当り、外れ)を示すデータと、変動時間を指定する変動パターンを示すデータが含まれる。また、特別図柄の当否判定の結果が大当りの場合、変動開始コマンドには、大当り図柄を指定するデータ(発生した大当りの種類を示すデータ)が含まれる。
S1500で否定判定されると(S1500:no)、そのまま演出開始処理を終了し、肯定判定されると(S1500:yes)、S1510に移行し、変動開始コマンドに大当りとなるものを示すデータが含まれているか否か(変動開始コマンドに大当り情報が含まれているか否か)を判定する。
【0295】
S1510で肯定判定される場合には(S1510:yes)、S1515に移行して、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「大当り用の演出パターン」を設定した後(S1515)、S1520に移行する。ここで、S1515では、前述の変動パターン特定データが示す変動パターンに対応する演出パターンを設定する。また、S1215で設定する「大当り用の演出パターン」として、リーチを伴う演出(リーチ表示及びそれに後続するリーチ演出を伴う演出)が一律に設定される。
更に、S1515に関しては、
図38を用いて後述する。
このS1520では、S1215で決定した演出表示のパターンに基づいて、大当り用の変動中図柄に関する演出パターン(具体的には、変動中図柄を消去するタイミング)を設定する処理を行う。このS1520を行うと、S1540に移行する。
【0296】
ここで、S1520及び後述するS1535では、変動中図柄を消去するタイミングとして、演出表示が仮停止するタイミングで、変動中図柄が消滅するパターンが設定される。
また、S1520及び後述するS1535において、保留図柄の段階で表示されていない保留記憶(遊技状態が通常状態であるときの第2保留記憶、遊技状態が特別遊技状態であるときの第1保留記憶)が消化される場合(当否判定の対象となる場合)、変動中図柄として一律に保留関係図柄A(デフォルトの表示態様の変動中図柄)が表示される。この場合、S1520及び後述するS1535において、保留関係図柄Aを表示する演出パターンが設定される。
【0297】
更に、保留図柄の段階で、先読み図柄(保留関係図柄B、C)が表示されていた場合には、変動中図柄として当該先読み図柄が表示される。この場合、S1520及び後述するS1535において、当該先読み図柄を表示する演出パターンが設定される。
なお、本実施例では、保留記憶表示領域6Dに表示されていた保留図柄が、変動中図柄表示領域6Gに変動中図柄としてシフトして表示される際に、表示されていた保留図柄や、シフトして表示される変動中図柄を同一態様とする場合(
図27(a)等を参照)と、このシフトに際し、先読み図柄としての表示態様がランクアップする場合(大当り期待度がより高いものとする場合)がある(
図27(d)のSA41を参照)がある。例えば、保留図柄の段階で保留関係図柄Bが表示されていたものが、
図27(d)のシナリオSA41によると、変動中図柄表示領域6Gにシフトして表示される際に、保留関係図柄Bにランクアップされることとしている。
【0298】
一方、S1510で否定判定される場合(S1510:no)、つまり、当否判定の結果が外れである場合(S1510:no)には、S1530に移行し、「特別図柄の変動表示に対応して開始される演出表示のパターン(演出パターン)」として、「外れ用の演出パターン(外れ演出の演出パターン)」を設定した後、S1535に移行する。但し、本実施例では、「外れ演出」として、リーチ無し外れに係わる演出(リーチ表示及びそれに後続するリーチ演出を伴わない演出)と、リーチ外れに係わる演出(リーチ表示及びそれに後続するリーチ演出を伴う演出)が存在する。
【0299】
更に、S1530に関しては
図39を用いて後述する。
このS1535では、S1530で決定した演出表示のパターンに基づいて、外れ用の変動中図柄に関する演出パターン(具体的には、変動中図柄を消去するタイミング)を設定する処理を行う。
【0300】
S1540に移行すると、確定表示させる演出図柄(特別図柄に関する当否判定の結果を報知する演出図柄)を設定する処理を行う。この後S1545で演出を開始し(S1545)、演出開始処理をリターンする。
このS1545を行う際に演出中フラグの値と、表示中フラグの値を「1」とする。ここで、演出中フラグは変動演出(演出図柄を変動される演出表示)が実行されているか否かを示すフラグであり、変動演出の実行中には(変動演出が開始されると)、演出中フラグの値が「1」とされる。また、表示中フラグは変動中図柄の表示が実行されているか否かを示すフラグであり、変動中図柄の表示中には(変動中図柄の表示が開始されると)、表示中フラグの値が「1」とされる。
【0301】
以下、
図38を用いて、
図37のS1515について簡単に説明し、
図39を用いて、
図37のS1535について簡単に説明する。
ここで、
図38(a-1)、
図38(b-1)、
図39(b-1)及び
図39(c-1)は、変動パターンと、当該変動パターンに対応する演出パターン(演出内容(演出態様))の関係を示すデータテ-ブルの一部を示す図表である。
これらのうち、
図38(a-1)は、遊技状態が通常状態である場合において、当否判定の結果が大当りであるときに参照するデータテ-ブルの一部を示している。また、
図38(b-1)は、遊技状態が特別遊技状態である場合において、当否判定の結果が大当りであるときに参照するデータテ-ブルの一部を示している。なお、当否判定の結果が大当りであるときは、遊技状態が通常状態であるか、特別遊技状態であるかを問わず、演出表示において、リーチを実行する率(リーチ率)が「100%」とされている。
【0302】
そして、
図38(a-1)及び
図38(b-1)に示すように、遊技状態が特別遊技状態である場合は、遊技状態が通常状態である場合に比べて、特別図柄の変動時間が短くなる傾向がある。また、
図38(a-2)及び
図38(b-2)に示すように、当否判定の結果が大当りである場合、演出表示において疑似連演出を実行する確率は遊技状態が通常状態であるときには「60%」、遊技状態が特別遊技状態であるときには「45%」とされている。
【0303】
また、
図39(b-1)は遊技状態が通常状態である場合において、当否判定の結果が外れであり、演出表示においてリーチを実行するとき(つまり、当否判定の結果が外れリーチであるとき)に参照するデータテ-ブルの一部を示している。更に、
図39(c-1)は遊技状態が特別状態である場合において、当否判定の結果が外れであり、演出表示においてリーチを実行するとき(当否判定の結果が外れリーチであるとき)に参照するデータテ-ブルの一部を示している。
更に、
図39(a)に示すように、遊技状態が通常状態である場合において、当否判定の結果が外れであるとき、演出表示においてリーチを実行する確率は約9%とされている。そして、リーチを実行するにおいて、
図39(b-2)に示すように、20%の確率で疑似連演出を実行する。
【0304】
また、
図39(a)に示すように、遊技状態が特別遊技状態である場合において、当否判定の結果が外れであるとき、演出表示においてリーチを実行する確率は約2%とされている。そして、リーチを実行する場合において、
図39(c-2)に示すように、5%の確率で疑似連演出を実行する。
つまり、
図38及び
図39に示すように、当否判定の結果が大当りであるか、外れであるかを問わず、遊技状態が通常状態である方が、遊技状態が特別遊技状態に比べて、演出表示において疑似連演出が実行される確率が高くなっている。
【0305】
また、疑似連演出を行う場合、単位演出表示の実行回数(疑似連回数)が多くなる(例えば、3回になる)場合と、少なくなる(例えば、2回になる)場合が存在する。そして、当否判定の結果が大当りである場合には、外れ(リーチ外れ)である場合よりも単位演出表示の実行回数(疑似連回数)が多くなる確率が高くなるとともに、単位演出表示の実行回数(疑似連回数)が少なくなる確率が低くなっている。
【0306】
更に、疑似連演出を行う場合、単位演出表示の実行回数が3回になると、演出表示中にスーパーリーチ演出を実行することが確定し、単位演出表示の実行回数が2回になると、演出表示中にノーマル演出以上のリーチ演出(ノーマル演出か、スーパーリーチ演出)を実行することが確定する。つまり、本実施例では、リーチ演出を伴う演出表示において疑似連演出を行うこととしているが、リーチ演出を伴わない演出表示においても疑似連演出を行うこととしてもよい。
ここで、スーパーリーチ演出とは、リーチ表示を契機に実行されるリーチ演出が発展して実行されるリーチ演出であり、このスーパーリーチ演出においては、実行時間がノーマルリーチ演出よりも長くなる。また、スーパーリーチ演出において、出現頻度が低い演出(例えば、出現頻度が低いキャラクタ)が出現すること等があり、これによって大当り発生の期待感が高められる。
【0307】
次に、
図40を用いて、サブ統合制御装置83が実行する変動中図柄変化処理を説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0308】
本処理を開始すると、S1600で表示中フラグの値が「1」であるか否かを判定し、否定判定される場合には(S1600:no)、変動中図柄変化処理を終了する。
これに対して、S1600で肯定判定される場合には(S1600:yes)、S1605に移行し、変動中図柄の表示終了タイミングになったか否かを判定する(S1605)。つまり、
図37のS1520若しくはS1535で選択した「変動中図柄の表示終了タイミング」になったか否かを判定する(S1605)。ここで、本実施例では、演出表示が仮停止されるときを「変動中図柄の表示終了タイミング」としている。
【0309】
そして、S1605で肯定判定される場合には(S1605:yes)、S1625に移行し、表示中フラグの値を「0」とした後、変動中図柄変化処理を終了する。
一方、S1605で否定判定される場合には(S1605:no)、S1625で、前述のシナリオ(
図27、
図28(a)等で決定したシナリオ)に基づいて、変動中図柄表示領域6Gで表示中の変動中図柄が変化可能であるか否かを判定する。
【0310】
S1615で否定判定される場合には(S1615:no)、変動中図柄変化処理を終了する。
但し、本実施例では、変動中図柄の段階で表示態様を変化可能なシナリオを予定しない(
図27、28を参照)ため、S1610では一律に否定される。
なお、本発明においては、変動中図柄の段階で表示態様を変化可能なシナリオを予定してもよい。この場合、S1610で肯定判定されると(S1610:yes)、S1615で変化タイミングが到来したか否かを判定する。この場合、S1615で肯定判定されると、シナリオに基づいて「変動中図柄の変化演出」を実行してもよい。
【0311】
次に、
図41を用いて、サブ統合制御装置83が実行する演出停止処理について説明する。なお、本処理は、サブ統合制御装置83において定期的(例えば、2ms周期)に実行される処理である。
【0312】
演出停止処理が開始されると、サブ統合制御装置83が変動停止コマンドを受信したか否かを判定する(S1700)。ここで、変動停止コマンドは、特別図柄の変動を停止して確定図柄を表示する際に主制御装置40から送信されるコマンドである(
図18(b)のS372の処理を参照)。
そして、否定判定される場合には(S1700:no)、演出停止処理をそのまま終了する。
一方、肯定判定される場合には(S1700:yes)、S1705では、演出図柄確定表示指示信号を演出図柄制御装置82に送信する処理を行う。そして、S1710で演出中フラグの値を「0」とした後、演出停止処理を終了する。
【0313】
本実施例のパチンコ機50では、遊技状態が通常状態である場合(特別遊技中フラグの値が「0」である場合)には、第1始動入賞に基づいて第1保留図柄が表示され、第2始動入賞に基づいて第2保留図柄が表示されることはない。この通常状態において、突然、第2始動入賞を生じ、第2保留記憶が取得されると、第2特別図柄の変動を行う状態に切り替わることになるが、この切り替わりを生じても、第2特別図柄の変動に対応した変動中図柄が表示される。
【0314】
この第2特別図柄の変動は、第1当否判定に基づき実行されるものではないため、第1保留図柄の消去を伴い実行されるものではなく、第1保留図柄の消去を伴わずに、第2特別図柄の変動が開始される。ところが、第1保留図柄の消去されることなく、変動中図柄の表示が開始されるため、図柄変動が「第1特別図柄の変動」から「第2特別図柄の変動」に切り替わったことが明確にわかることとなる。
従って、保留図柄(第2保留図柄)が表示されない方の変動(第2特別図柄の変動)が割り込んで実施された場合にも、遊技者は「第1特別図柄の変動」が継続していると勘違いすることが無くなる。
【0315】
また、実施例1において、疑似連演出が実行される場合は変動中図柄を最後の単位演出表示が実行されるまでは表示し、特別図柄の変動が終了するまでに消去される。このため、通常状態時は、取得した第2保留記憶に関する第2当否判定の結果に基づいて特別図柄の変動を実行する場合において、変動中図柄を表示することが特に有効となる。
つまり、(a)その時点の遊技状態に応じて、本来、対象とせず、保留図柄が非表示とされる保留記憶(例えば、通常状態である場合の第2保留記憶)に関して当否判定されることに基づいて割り込み的に行われた変動と、(b)その時点の遊技状態に応じて、本来、対象としており、保留図柄が表示される第2保留記憶(例えば、通常状態である場合の第1保留記憶)であって、疑似連演出が行われた変動と、の違いが把握し易くなる。このため、当該割り込み的な変動が、本来、対象としている第1保留記憶に基づく変動で行われた疑似連であると、勘違いしてしまうことを防ぐことが可能となる。
【0316】
更に、実施例1によると、以下の効果を得ることができる。
つまり、遊技状態に応じて、保留図柄が非表示される保留記憶に関する変動中図柄として、いきなり、先読み保留図柄に関連した変動中図柄が表示されると、それまで保留図柄を表示していた方の保留記憶に関する変動中図柄が、あたかも、ステップアップしたかのように感じてしまう。従って、本来、遊技状態に応じて対象としている変動から遊技状態に応じて対象としていない変動に切り替わったことを伝えづらくなってしまう。
これに対して、実施例1によると、変動中図柄として、先読み保留図柄に関連しない変動中図柄を表示するため、本来、遊技状態に応じて対象としている変動から遊技状態に応じて対象としていない変動に切り替わったことを伝え易くなる。
【0317】
(2)変形例
以上のように本発明の実施例を説明したが、本発明の範囲は前述の実施例に示す範囲に限定されず、本発明の範囲内で種々の変形例を例示することができる。
【0318】
すなわち、実施例1のパチンコ機50では、遊技状態が特別遊技状態である場合には、第2保留図柄を表示することとしたが、特別遊技状態である場合も第2保留図柄を表示しないこととしてもよい。
また、大当り遊技状態である場合に第2保留図柄を表示することとする場合においても、遊技状態を問わず(遊技状態が通常状態であるか、特別遊技状態であるかを問わず)、第2保留図柄を表示しないこととしてもよい。
また、実施例1のパチンコ機50では、遊技状態が通常状態である場合、第1特別図柄及び第2特別図柄の変動中図柄を表示することとしたが、本発明においては、第2特別図柄の変動中図柄を表示するが、第1特別図柄の変動中図柄を表示しないこととしてもよい。
【0319】
更に、実施例1のパチンコ機50では、第1所定個数(第1保留数)及び第2所定個数(第2保留数)をともに「4」としたが、第1所定個数(第1保留数)や第2所定個数(第2保留数)が異なる数値であってもよい。
また、実施例1のパチンコ機50では、演出表示が停止する際(仮停止する際)に、変動中図柄が消滅することとしたが、演出表示を停止するよりも前のタイミングで変動中図柄が消滅してもよい。
【0320】
また、遊技状態が通常状態であるとき、第2特別図柄に関する変動では、リーチ外れの場合に、リーチとなる変動パターンが選択されない又は極めて低く、実行されるリーチの種類も少ないという制限をかけてもよい。メインではない方の変動は基本ほとんど変動しないため短めの変動をメインで実行させればよいため無駄な容量を使用せずに済むからである。
【0321】
更に、実施例1では、
図23、
図29~
図32を用いて、遊技状態が通常状態である場合の演出例を中心に示したが、遊技状態が通常状態や特別遊技状態である場合には、第2特別図柄の変動と、それに対応する演出表示が実行される。
また、特別遊技状態では、第2特別図柄の変動時間が短くされるため(さらに高速で変動されるため)、保留図柄や変動中図柄が表示されない構成とすることもできる。
【0322】
また、各実施例及び各変形例を、一般的なデジパチタイプのパチンコ機50への適用例として説明したが、これに限らず、本発明を所謂「1種2種混合機タイプ」のパチンコ機50や、所謂「Vチャレタイプのパチンコ機50等の他のタイプのパチンコ機50にも適用することができる。
更に、本発明の遊技機は、所謂「封入式の遊技機」であっても、「非封入式の遊技機」であってもよい。
【0323】
[特許請求の範囲との対応]
次に、上記実施形態(実施例)の説明で用いた用語と、特許請求の範囲の記載に用いた用語との対応を示す。
「パチンコ機50」が、「遊技機」の一例に相当する。
図17のS330~S350に至る処理が、「当否判定」の一例に相当する。
図2及び
図4の第1特別図柄表示装置9と第2特別図柄表示装置10が、図柄表示段の一例に相当する。
図19のS378の肯定判定を経て、
図20~
図22に至る処理が、大当り遊技実行手段の一例に相当する。
【0324】
図14のS204の処理が、第1数値データ記憶手段の一例に相当し、
図14のS214の処理が、第2数値データ記憶手段の一例に相当する。
【0325】
図22のS540の処理、及び、S548の処理のうちの少なくとも一方を実行することが、遊技状態移行手段の一例に相当する。
図2、
図23等に示す演出図柄表示装置6が、演出表示手段の一例に相当する。
【符号の説明】
【0326】
1;遊技盤、3;遊技領域、3L:左打ち領域、3R:右打ち領域、6;演出図柄表示装置、11;第1始動口(特1始動口)、12;第2始動口(特1始動口)、14;大入賞口、17;普通図柄作動ゲート、80;主制御装置、82;演出図柄制御装置、83;サブ統合制御装置。