(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087810
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】音声出力装置、音声出力方法、プログラム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
G01C 21/36 20060101AFI20230619BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20230619BHJP
G09B 29/10 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
G01C21/36
G08G1/0969
G09B29/10 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202295
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000005016
【氏名又は名称】パイオニア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107331
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 聡延
(72)【発明者】
【氏名】藤原 稔樹
(72)【発明者】
【氏名】福井 孝太郎
(72)【発明者】
【氏名】岩田 匡弘
【テーマコード(参考)】
2C032
2F129
5H181
【Fターム(参考)】
2C032HC08
2C032HC31
2C032HD07
2C032HD16
2F129AA03
2F129BB02
2F129BB20
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2F129GG17
2F129GG18
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2F129HH12
5H181AA01
5H181BB04
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5H181CC14
5H181FF04
5H181FF22
5H181FF25
5H181FF27
5H181FF32
(57)【要約】
【課題】車両の目的地までの経路全体の概要を音声で説明する際に、経路を視覚的に示さずとも内容を把握しやすい音声を出力することが可能な音声出力装置等を提供する。
【解決手段】音声出力装置は、経路取得部と、音声取得部と、出力部と、を有する。経路取得部は、車両を目的地まで案内するための経路を取得する。音声取得部は、経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する。出力部は、案内音声を出力する。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部と、
前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部と、
前記案内音声を出力する出力部と、
を有する音声出力装置。
【請求項2】
前記複数の要素各々は、前記搭乗者の認知度の高さに応じて予め設定された複数の階層を有する階層情報におけるいずれかの階層に属しており、
前記音声取得部は、前記複数の要素のうち、前記階層情報において相対的に上位の階層に属する要素を優先的に用いて生成された前記案内音声を取得する請求項1に記載の音声出力装置。
【請求項3】
前記複数の階層のうちの最上位の階層に属する要素には、前記車両が過去に通過した道路名、前記車両が過去に通過したエリア名、前記搭乗者が過去に訪問した施設名、及び、前記搭乗者が過去に検索した施設名のうちの少なくとも1つが含まれている請求項2に記載の音声出力装置。
【請求項4】
前記複数の階層のうちの最上位から2番目の階層に属する要素には、所定のランドマーク名、所定の道路名、及び、所定のインターチェンジ名のうちの少なくとも1つが含まれている請求項3に記載の音声出力装置。
【請求項5】
車両を目的地まで案内するための経路を取得し、
前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得し、
前記案内音声を出力する音声出力方法。
【請求項6】
コンピュータを備える音声出力装置により実行されるプログラムであって、
車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部、
前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部、及び、
前記案内音声を出力する出力部として前記コンピュータを機能させるプログラム。
【請求項7】
請求項6に記載のプログラムを記憶した記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用の音声案内において利用可能な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の目的地までの経路を案内する装置として、例えば、特許文献1に開示されているようなナビゲーション装置が従来知られている。
【0003】
具体的には、特許文献1には、ナビゲーション装置において、車両の目的地までの経路全体の概要を表示する観点が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、車両の目的地までの経路全体の概要を、画像等の視覚情報を用いずに音声により説明する際には、当該車両の搭乗者が理解しやすい内容を有する音声が出力されることが望ましい。
【0006】
一方、特許文献1には、画像等の視覚情報を用いずに車両の目的地までの経路全体の概要を説明するための音声を出力する観点について特に開示等されていない。そのため、特許文献1に開示された構成によれば、車両の目的地までの経路全体の概要を、画像等の視覚情報を用いずに音声で説明する際に、当該車両の搭乗者において内容を把握し辛い場合がある、という課題が生じている。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、車両の目的地までの経路全体の概要を音声で説明する際に、当該経路を視覚的に示さずとも内容を把握しやすい音声を出力することが可能な音声出力装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項に記載の発明は、音声出力装置であって、車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部と、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部と、前記案内音声を出力する出力部と、を有する。
【0009】
また、請求項に記載の発明は、音声出力方法であって、車両を目的地まで案内するための経路を取得し、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得し、前記案内音声を出力する。
【0010】
また、請求項に記載の発明は、コンピュータを備える音声出力装置により実行されるプログラムであって、車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部、及び、前記案内音声を出力する出力部として前記コンピュータを機能させる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図。
【
図4】サーバ装置において行われる処理を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の1つの好適な実施形態では、音声出力装置は、車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部と、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部と、前記案内音声を出力する出力部と、を有する。
【0013】
上記の音声出力装置は、経路取得部と、音声取得部と、出力部と、を有する。経路取得部は、車両を目的地まで案内するための経路を取得する。音声取得部は、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する。出力部は、前記案内音声を出力する。これにより、車両の目的地までの経路全体の概要を音声で説明する際に、当該経路を視覚的に示さずとも内容を把握しやすい音声を出力することができる。
【0014】
上記の音声出力装置の一態様では、前記複数の要素各々は、前記搭乗者の認知度の高さに応じて予め設定された複数の階層を有する階層情報におけるいずれかの階層に属しており、前記音声取得部は、前記複数の要素のうち、前記階層情報において相対的に上位の階層に属する要素を優先的に用いて生成された前記案内音声を取得する。
【0015】
上記の音声出力装置の一態様では、前記複数の階層のうちの最上位の階層に属する要素には、前記車両が過去に通過した道路名、前記車両が過去に通過したエリア名、前記搭乗者が過去に訪問した施設名、及び、前記搭乗者が過去に検索した施設名のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0016】
上記の音声出力装置の一態様では、前記複数の階層のうちの最上位から2番目の階層に属する要素には、所定のランドマーク名、所定の道路名、及び、所定のインターチェンジ名のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0017】
本発明の他の実施形態では、音声出力方法は、車両を目的地まで案内するための経路を取得し、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得し、前記案内音声を出力する。これにより、車両の目的地までの経路全体の概要を音声で説明する際に、当該経路を視覚的に示さずとも内容を把握しやすい音声を出力することができる。
【0018】
本発明のさらに他の実施形態では、コンピュータを備える音声出力装置により実行されるプログラムは、車両を目的地まで案内するための経路を取得する経路取得部、前記経路の案内に利用可能な複数の要素のうち、前記車両の搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、前記経路全体の概要を説明するための案内音声を取得する音声取得部、及び、前記案内音声を出力する出力部として前記コンピュータを機能させる。このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記の音声出力装置を実現することができる。このプログラムは記憶媒体に記憶して使用することができる。
【実施例0019】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例について説明する。
【0020】
[システム構成]
(全体構成)
図1は、実施例に係る音声出力システムの構成例を示す図である。本実施例に係る音声出力システム1は、音声出力装置100と、サーバ装置200とを有する。音声出力装置100は、車両Veに搭載される。サーバ装置200は、複数の車両Veに搭載された複数の音声出力装置100と通信する。
【0021】
音声出力装置100は、基本的に車両Veの搭乗者であるユーザに対して、経路探索処理や経路案内処理などを行う。例えば、音声出力装置100は、ユーザにより目的地等が入力されると、車両Veの位置情報や指定された目的地に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に送信する。サーバ装置200は、地図データを参照して目的地までの経路を算出し、目的地までの経路を示す制御信号S2を音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した制御信号S2に基づいて、音声出力によりユーザに対する経路案内を行う。
【0022】
また、音声出力装置100は、ユーザとの対話により各種の情報をユーザに提供する。例えば、音声出力装置100は、ユーザが情報要求を行うと、その情報要求の内容又は種類を示す情報、及び、車両Veの走行状態に関する情報などを含むアップロード信号S1をサーバ装置200に供給する。サーバ装置200は、ユーザが要求する情報を取得、生成し、制御信号S2として音声出力装置100へ送信する。音声出力装置100は、受信した情報を、音声出力によりユーザに提供する。
【0023】
(音声出力装置)
音声出力装置100は、車両Veと共に移動し、案内経路に沿って車両Veが走行するように、音声を主とした経路案内を行う。なお、「音声を主とした経路案内」は、案内経路に沿って車両Veを運転するために必要な情報をユーザが少なくとも音声のみから把握可能な経路案内を指し、音声出力装置100が現在位置周辺の地図などを補助的に表示することを除外するものではない。本実施例では、音声出力装置100は、少なくとも、案内が必要な経路上の地点(「案内地点」とも呼ぶ。)など、運転に係る様々な情報を音声により出力する。ここで、案内地点は、例えば車両Veの右左折を伴う交差点、その他、案内経路に沿って車両Veが走行するために重要な通過地点が該当する。音声出力装置100は、例えば、車両Veから次の案内地点までの距離、当該案内地点での進行方向などの案内地点に関する音声案内を行う。以後では、案内経路に対する案内に関する音声を「経路音声案内」とも呼ぶ。
【0024】
音声出力装置100は、例えば車両Veのフロントガラスの上部、又は、ダッシュボード上などに取り付けられる。なお、音声出力装置100は、車両Veに組み込まれてもよい。
【0025】
図2は、音声出力装置100の概略構成を示すブロック図である。音声出力装置100は、主に、通信部111と、記憶部112と、入力部113と、制御部114と、センサ群115と、表示部116と、マイク117と、スピーカ118と、車外カメラ119と、車内カメラ120と、を有する。音声出力装置100内の各要素は、バスライン110を介して相互に接続されている。
【0026】
通信部111は、制御部114の制御に基づき、サーバ装置200とのデータ通信を行う。通信部111は、例えば、後述する地
図DB(DataBase)4を更新するための地図データをサーバ装置200から受信してもよい。
【0027】
記憶部112は、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部112には、音声出力装置100が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。上述のプログラムは、経路案内を音声により行うためのアプリケーションプログラム、音楽を再生するためのアプリケーションプログラム、音楽以外のコンテンツ(テレビ等)を出力するためのアプリケーションプログラムなどを含んでもよい。また、記憶部112は、制御部114の作業メモリとしても使用される。なお、音声出力装置100が実行するプログラムは、記憶部112以外の記憶媒体に記憶されてもよい。
【0028】
また、記憶部112は、地図データベース(以下、データベースを「DB」と記す。)4を記憶する。地
図DB4には、経路案内に必要な種々のデータが記録されている。地
図DB4は、例えば、道路網をノードとリンクの組合せにより表した道路データ、及び、目的地、立寄地、又はランドマークの候補となる施設を示す施設データなどを記憶している。地
図DB4は、制御部114の制御に基づき、通信部111が地図管理サーバから受信する地図情報に基づき更新されてもよい。また、記憶部112には、車両Veが過去に走行した経路を示す走行履歴が格納されている。
【0029】
入力部113は、ユーザが操作するためのボタン、タッチパネル、リモートコントローラ等である。表示部116は、制御部114の制御に基づき表示を行うディスプレイ等である。マイク117は、車両Veの車内の音声、特に運転手の発話などを集音する。スピーカ118は、運転手などに対して、経路案内のための音声を出力する。
【0030】
センサ群115は、外界センサ121と、内界センサ122とを含む。外界センサ121は、例えば、ライダ、レーダ、超音波センサ、赤外線センサ、ソナーなどの車両Veの周辺環境を認識するための1又は複数のセンサである。内界センサ122は、車両Veの測位を行うセンサであり、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機、ジャイロセンサ、IMU(Inertial Measurement Unit)、車速センサ、又はこれらの組合せである。なお、センサ群115は、制御部114がセンサ群115の出力から車両Veの位置を直接的に又は間接的に(即ち推定処理を行うことによって)導出可能なセンサを有していればよい。
【0031】
車外カメラ119は、車両Veの外部を撮影するカメラである。車外カメラ119は、車両の前方を撮影するフロントカメラのみでもよく、フロントカメラに加えて車両の後方を撮影するリアカメラを含んでもよく、車両Veの全周囲を撮影可能な全方位カメラであってもよい。一方、車内カメラ120は、車両Veの車内の様子を撮影するカメラであり、少なくとも運転席周辺を撮影可能な位置に設けられる。
【0032】
制御部114は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などを含み、音声出力装置100の全体を制御する。例えば、制御部114は、センサ群115の1又は複数のセンサの出力に基づき、車両Veの位置(進行方向の向きも含む)を推定する。また、制御部114は、入力部113又はマイク117により目的地が指定された場合に、当該目的地までの経路である案内経路を示す経路情報を生成し、当該経路情報と推定した車両Veの位置情報と地
図DB4とに基づき、経路案内を行う。この場合、制御部114は、経路音声案内をスピーカ118から出力させる。また、制御部114は、表示部116を制御することで、再生中の音楽の情報、映像コンテンツ、又は現在位置周辺の地図などの表示を行う。
【0033】
なお、制御部114が実行する処理は、プログラムによるソフトウェアで実現することに限ることなく、ハードウェア、ファームウェア、及びソフトウェアのうちのいずれかの組み合わせ等により実現してもよい。また、制御部114が実行する処理は、例えばFPGA(field-programmable gate array)又はマイコン等の、ユーザがプログラミング可能な集積回路を用いて実現してもよい。この場合、この集積回路を用いて、制御部114が本実施例において実行するプログラムを実現してもよい。このように、制御部114は、プロセッサ以外のハードウェアにより実現されてもよい。
【0034】
図2に示す音声出力装置100の構成は一例であり、
図2に示す構成に対して種々の変更がなされてもよい。例えば、地
図DB4を記憶部112が記憶する代わりに、制御部114が通信部111を介して経路案内に必要な情報をサーバ装置200から受信してもよい。他の例では、音声出力装置100は、スピーカ118を備える代わりに、音声出力装置100とは別体に構成された音声出力部と電気的に又は公知の通信手段によって接続することで、当該音声出力部から音声を出力させてもよい。この場合、音声出力部は、車両Veに備えられたスピーカであってもよい。さらに別の例では、音声出力装置100は、表示部116を備えなくともよい。この場合、音声出力装置100は、表示に関する制御を全く行わなくともよく、有線又は無線により、車両Ve等に備えられた表示部と電気的に接続することで、当該表示部に所定の表示を実行させてもよい。同様に、音声出力装置100は、センサ群115を備える代わりに、車両Veに備え付けられたセンサが出力する情報を、車両VeからCAN(Controller Area Network)などの通信プロトコルに基づき取得してもよい。
【0035】
(サーバ装置)
サーバ装置200は、音声出力装置100から受信する目的地等を含むアップロード信号S1に基づき、車両Veが走行すべき案内経路を示す経路情報を生成する。そして、サーバ装置200は、その後に音声出力装置100が送信するアップロード信号S1が示すユーザの情報要求及び車両Veの走行状態に基づき、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、サーバ装置200は、生成した制御信号S2を、音声出力装置100に送信する。
【0036】
図3は、サーバ装置200の概略構成の一例を示す図である。サーバ装置200は、主に、通信部211と、記憶部212と、制御部214とを有する。サーバ装置200内の各要素は、バスライン210を介して相互に接続されている。
【0037】
通信部211は、制御部214の制御に基づき、音声出力装置100などの外部装置とのデータ通信を行う。記憶部212は、RAM、ROM、不揮発性メモリ(ハードディスクドライブ、フラッシュメモリなどを含む)などの各種のメモリにより構成される。記憶部212は、サーバ装置200が所定の処理を実行するためのプログラムが記憶される。また、記憶部212は、地
図DB4を含んでいる。また、記憶部212には、車両Veに設けられた音声出力装置100を利用するユーザが所定のアプリケーションまたは所定のWebサイトにおいて検索した情報の履歴を示す検索履歴が格納されている。
【0038】
制御部214は、CPU、GPUなどを含み、サーバ装置200の全体を制御する。また、制御部214は、記憶部212に記憶されたプログラムを実行することで、音声出力装置100とともに動作し、ユーザに対する経路案内処理や情報提供処理などを実行する。例えば、制御部214は、音声出力装置100から通信部211を介して受信するアップロード信号S1に基づき、案内経路を示す経路情報、又は、ユーザの情報要求に対する情報出力に関する制御信号S2を生成する。そして、制御部214は、生成した制御信号S2を、通信部211により音声出力装置100に送信する。
【0039】
[経路の概要の説明に係る処理]
続いて、本実施例において行われる経路の概要の説明に係る処理について説明する。
【0040】
(具体例)
サーバ装置200は、車両Veにおいて経路案内が開始された際に、記憶部212に格納されている地
図DB4と、通信部211において受信した当該車両Veの運転状況情報と、に基づき、当該車両Veの現在地から目的地までの案内経路(以降、経路MRとも称する)を取得する。
【0041】
運転状況情報には、車両Veの現在の運転状況を示す情報が含まれている。具体的には、運転状況情報には、例えば、車両Veの現在地と、当該車両Veの目的地と、が含まれている。また、運転状況情報には、例えば、車両Veの方位、当該車両Veの速度、当該車両Veの位置の周辺の交通情報(速度規制及び渋滞情報等を含む)、及び、現在時刻等のような、音声出力装置100の各部の機能に基づいて取得可能な情報が含まれていてもよい。また、運転状況情報には、マイク117により得られた音声、車外カメラ119により撮影された画像、及び、車内カメラ120により撮影された画像のうちのいずれかが含まれていてもよい。また、運転状況情報には、通信部111を通じてサーバ装置200から受信した情報が含まれていてもよい。
【0042】
次に、サーバ装置200は、記憶部212に格納されている地
図DB4に基づき、経路MRの案内に利用可能な複数の要素を含む地図要素情報MPJを取得する。
【0043】
地図要素情報MPJの複数の要素には、例えば、ランドマーク名、施設名、道路名、及び、エリア名等が含まれている。また、地図要素情報MPJの複数の要素には、経路MR上に設置されている方面看板の表示内容が含まれている。
【0044】
続いて、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々を、記憶部212に格納されている階層情報KJに含まれる複数の階層のうちのいずれかの階層に属する要素として分類する。
【0045】
階層情報KJは、車両Veの搭乗者の認知度の高さに応じて予め設定された複数の階層を有する情報として構成されている。
【0046】
ここで、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々が、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちのいずれかの階層に属する要素として分類される際に行われる処理の具体例について説明する。
【0047】
サーバ装置200は、通信部211において受信した車両Veの走行履歴に基づき、車両Veが過去に通過した道路名、当該車両Veが過去に通過したエリア名、及び、当該車両Veの搭乗者が過去に訪問した施設名を特定する。また、サーバ装置200は、記憶部212に格納されている車両Veの搭乗者の検索履歴に基づき、当該搭乗者が過去に検索した施設名を特定する。そして、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々のうち、車両Veが過去に通過した道路名、当該車両Veが過去に通過したエリア名、当該車両Veの搭乗者が過去に訪問した施設名、及び、当該搭乗者が過去に検索した施設名を、階層情報KJにおける最上位の階層KJ1に属する要素として分類する。すなわち、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちの最上位の階層KJ1に属する要素には、車両Veが過去に通過した道路名、当該車両Veが過去に通過したエリア名、当該車両Veの搭乗者が過去に訪問した施設名、及び、当該搭乗者が過去に検索した施設名が含まれている。なお、車両Veが過去に通過したエリア名には、例えば、市名、区名、町名及び村名のうちの少なくとも1つが含まれていればよい。
【0048】
また、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々のうち、有名なランドマーク名、国道名、高速道路(有料道路)名、及び、高速道路(有料道路)のインターチェンジ名のうちの少なくとも1つを、階層情報KJにおける最上位から2番目の階層KJ2に属する要素として分類する。すなわち、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちの最上位から2番目の階層KJ2に属する要素には、所定のランドマーク名、所定の道路名、及び、所定のインターチェンジ名のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0049】
また、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々のうち、経路MR上に設置されている方面看板の表示内容から特定可能なエリア名を、階層情報KJにおける最上位から3番目の階層KJ3に属する要素として分類する。すなわち、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちの最上位から3番目の階層KJ3に属する要素には、経路MR上に設置されている方面看板の表示内容から特定可能なエリア名が含まれている。なお、方面看板の表示内容から特定可能なエリア名には、例えば、市名、区名、町名及び村名のうちの少なくとも1つが含まれていればよい。
【0050】
また、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々のうち、経路MR上に設置されている方面看板の表示内容等から特定不可能な道路名、エリア名及び施設名の少なくとも1つを、階層情報KJにおける最上位から4番目の階層KJ4に属する要素として分類する。すなわち、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちの最上位から4番目の階層KJ4に属する要素には、経路MR上に設置されている方面看板の表示内容から特定不可能な道路名、エリア名及び施設名のうちの少なくとも1つが含まれている。
【0051】
なお、本実施例によれば、サーバ装置200は、車両Veの運転状況情報に基づき、当該車両Veが階層KJ4に属する道路を1回以上通過したことを検知した場合に、当該道路を階層KJ1に属する要素として分類するようにしてもよい。
【0052】
また、本実施例によれば、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる一の要素を互いに異なる複数の名称で表すことができる場合に、車両Veの搭乗者の嗜好にマッチする一の名称が他の名称よりも高い階層に属するものとして当該一の要素を分類するようにしてもよい。具体的には、サーバ装置200は、例えば、地図要素情報MPJに含まれる一の道路を「国道X号線」及び「Y街道」の2つの名称で表すことができる場合に、車両Veの搭乗者の嗜好にマッチする「国道X号線」を階層KJ2に属するものとして分類するとともに、当該搭乗者の嗜好にマッチしない「Y街道」を階層KJ3(または階層KJ4)に属するものとして分類するようにしてもよい。なお、このような場合においては、「国道X号線」及び「Y街道」のどちらが車両Veの搭乗者の嗜好にマッチするかを示す情報が階層情報KJに予め紐付けられていればよい。
【0053】
続いて、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々を階層情報KJに基づいて分類することにより得られた分類結果に基づき、当該複数の要素のうちの当該階層情報KJにおいて相対的に上位の階層に属する要素を優先的に用いて案内音声MASを生成し、当該生成した案内音声MASを経路MR全体の概要を説明するための案内音声として取得する。換言すると、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素のうち、車両Veの搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用いて生成された、経路MR全体の概要を説明するための案内音声MASを取得する。また、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素のうち、階層情報KJにおいて相対的に上位の階層に属する要素を優先的に用いて生成された案内音声MASを取得する。
【0054】
具体的には、サーバ装置200は、例えば、階層KJ1に属する1つの要素MK1と、階層KJ2に属する1つの要素MK2と、階層KJ3に属する1つの要素MK3と、階層KJ4に属する1つの要素MK4と、が地図要素情報MPJに含まれているとの分類結果を得た場合には、要素MK1、MK2及びMK3を用いて案内音声MASを生成し、当該生成した案内音声MASを経路MR全体の概要を説明するための案内音声として取得する。
【0055】
また、サーバ装置200は、例えば、階層KJ1に属する4つの要素MK11~MK14と、階層KJ2に属する1つの要素MK21と、階層KJ3に属する1つの要素MK31と、が地図要素情報MPJに含まれているとの分類結果を得た場合には、要素MK11~MK14を用いて案内音声MASを生成し、当該生成した案内音声MASを経路MR全体の概要を説明するための案内音声として取得する。
【0056】
最後に、サーバ装置200は、案内音声MASを音声出力装置100へ送信(出力)する。そして、このようなサーバ装置200の処理に応じ、案内音声MASが音声出力装置100のスピーカ118から出力される。
【0057】
以上に述べたような処理によれば、サーバ装置200は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素のうち、階層情報KJにおける上位の階層に属する要素、すなわち、車両Veの搭乗者における認知度が高い要素を優先的に用い、経路MR全体の概要を説明するための案内音声MASを生成することができる。
【0058】
(処理フロー)
【0059】
続いて、サーバ装置200において行われる処理について説明する。
図4は、サーバ装置において行われる処理を説明するためのフローチャートである。
【0060】
まず、サーバ装置200の制御部214は、車両Veにおいて経路案内が開始された際に、
記憶部212に格納されている地
図DB4と、通信部211において受信した当該車両Veの運転状況情報と、に基づき、当該車両Veの現在地から目的地までの経路MRを取得する(ステップS11)。
【0061】
次に、制御部214は、記憶部212に格納されている地
図DB4に基づき、ステップS11により取得した経路MRの案内に利用可能な複数の要素を含む地図要素情報MPJを取得する(ステップS12)。
【0062】
次に、制御部214は、ステップS12により取得した地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々を、記憶部212に格納されている階層情報KJに基づいて分類する(ステップS13)。このような処理によれば、制御部214は、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素各々が、階層情報KJに含まれる複数の階層のうちのいずれかの階層に属する要素として分類された分類結果を得ることができる。
【0063】
次に、制御部214は、ステップS13の処理により得られた分類結果に基づき、地図要素情報MPJに含まれる複数の要素のうちの階層情報KJにおいて相対的に上位の階層に属する要素を優先的に用いて案内音声MASを生成し、当該生成した案内音声MASを経路MR全体の概要を説明するための案内音声として取得する(ステップS14)。
【0064】
最後に、制御部214は、案内音声MASを通信部211から音声出力装置100へ送信(出力)させるための制御を行う。このような制御に応じ、通信部211は、案内音声MASを音声出力装置100へ送信(出力)する(ステップS15)。そして、このような処理に応じ、案内音声MASが音声出力装置100のスピーカ118から出力される。
【0065】
本実施例によれば、サーバ装置200の制御部214は、経路取得部及び音声取得部としての機能を有する。また、本実施例によれば、サーバ装置200の通信部211は、出力部としての機能を有する。
【0066】
以上に述べたように、本実施例によれば、経路MR全体の概要を説明するための案内音声として、車両Veの搭乗者の認知度の高さを優先的に考慮した案内音声MASを生成することができる。そのため、本実施例によれば、車両の目的地までの経路全体の概要を音声で説明する際に、当該経路を視覚的に示さずとも内容を把握しやすい音声を出力することができる。
【0067】
なお、本実施例によれば、例えば、制御部114が経路取得部としての機能を有し、通信部111または制御部114が音声取得部としての機能を有するとともに、スピーカ118が出力部としての機能を有する場合に、
図4の一連の処理と略同様の処理を音声出力装置100において行うことができる。
【0068】
また、本実施例によれば、制御部214は、例えば、車両Veの搭乗者における施設名及び道路名等の認知度の高さを、学習済の予測モデルを用いて予測してもよい。なお、このような場合においては、前述の予測モデルの学習を行う際のパラメータとして、例えば、通過回数、訪問回数及び検索回数等のようなパラメータを用いることができる。
【0069】
また、本実施例によれば、制御部214は、例えば、車両Veが一定の回数以上通過した道路名、及び、当該車両Veの搭乗者が一定の回数以上訪問した施設名を、階層KJ1に属する要素として分類するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施例によれば、制御部214は、例えば、複数の車両Veの搭乗者各々に対応する複数の階層情報KJを取得し、当該取得した複数の階層情報KJに含まれる階層毎の要素に対して統計学的な処理を施すことにより、施設名等に対する一般的な認知度の高さを示す階層情報KJPを作成するようにしてもよい。階層情報KJPは、全国における認知度の高さを示す情報として作成されてもよく、または、車両Veの搭乗者の居住地域における認知度の高さを示す情報として作成されてもよい。そして、前述のような階層情報KJPによれば、例えば、経路案内の利用回数が少ない車両Veの搭乗者に対しても、当該車両Veの目的地までの経路全体の概要を把握しやすい音声を出力することができる。
【0071】
上述した実施例において、プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータである制御部等に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記憶媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記憶媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記憶媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。
【0072】
以上、実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、本願発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。すなわち、本願発明は、請求の範囲を含む全開示、技術的思想にしたがって当業者であればなし得るであろう各種変形、修正を含むことは勿論である。また、引用した上記の特許文献等の各開示は、本書に引用をもって繰り込むものとする。