(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087853
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】リキッド印刷インキ、印刷物及び積層体
(51)【国際特許分類】
C09D 11/106 20140101AFI20230619BHJP
B32B 27/30 20060101ALI20230619BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
C09D11/106
B32B27/30 B
B32B27/32 101
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202370
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】310000244
【氏名又は名称】DICグラフィックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149445
【弁理士】
【氏名又は名称】大野 孝幸
(74)【代理人】
【識別番号】100177471
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 眞治
(72)【発明者】
【氏名】青木 みちえ
(72)【発明者】
【氏名】大門 晃
(72)【発明者】
【氏名】市川 勝
【テーマコード(参考)】
4F100
4J039
【Fターム(参考)】
4F100AH08A
4F100AJ02A
4F100AK03C
4F100AK15A
4F100AK22A
4F100AK25A
4F100AL01A
4F100BA03
4F100DG10B
4F100EH17C
4F100GB23
4F100HB31A
4F100JA04A
4F100JA05A
4F100JA07A
4F100JK06
4F100YY00A
4J039AB12
4J039AD03
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4J039AD13
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4J039BE01
4J039BE12
4J039BE18
4J039CA07
4J039EA15
4J039EA43
4J039EA44
4J039EA48
4J039GA01
4J039GA03
(57)【要約】
【課題】
本発明が解決しようとする課題は、特に紙に直接印刷した後にフィルムがラミネート加工された紙フィルム複合型包装材料に適したリキッド印刷インキであって、密着性、経時安定性、耐裏移り性、ラミネート強度を有し、且つバイオマス原料で改善されたリキッド印刷インキを提供することにある。
【解決手段】
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を主バインダー樹脂とし、有機溶剤を含有するリキッド印刷インキ。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を主バインダー樹脂とし、有機溶剤を含有するリキッド印刷インキであって、以下を満たすことを特徴とするリキッド印刷インキ。
(1)スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含み、酸価が10~150KOHmg/gの範囲であり、ガラス転移温度が40℃以上100℃以下の範囲である。
(2)酸価が190mgKOH/g以下であり、且つ軟化点が160℃以下であるロジン系樹脂をインキ全固形分に対し1~25質量%含有する。
(3)キレート化合物をインキ全固形分に対し1~10質量%含有する。
(4)沸点が200℃以上の有機溶剤を含有する。
【請求項2】
前記キレート化合物がチタンキレート化合物である請求項1に記載のリキッド印刷インキ。
【請求項3】
前記(1)スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度が40℃以上100℃以下である請求項1または2に記載のリキッド印刷インキ。
【請求項4】
請求項1~3のいずれかに記載のリキッド印刷インキを印刷してなる印刷物。
【請求項5】
請求項1~3のいずれかに記載のリキッド印刷インキを紙に印刷してなる紙印刷物。
【請求項6】
請求項5に記載の紙印刷物上にポリオレフィン層が押出ラミネートされた積層体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軟包装用グラビアインキやフレキソインキとして使用可能なリキッド印刷インキに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のヨーグルトやミルクカートンに代表される食品用紙カップ容器の他、近年ではプラスチックフィルムで構成されていた食品、菓子、生活雑貨、ペットフード、あるいは工業製品の包装材料においても、環境問題の視点から、紙を組み合わせた包装材料の移行が進んでいる。
これらのうち、特に液体や液状物を充填保管する目的においては、内容物の漏洩を防ぐため、多くが紙の両面をポリオレフィンフィルムで積層(ラミネート)した構造を有している。また使用する紙自体も耐酸紙を更にサイズ剤等で処理し、耐水性を強化している。
【0003】
これらの包装材料は、販売促進の為に消費者へアピールする目的で、意匠性及びメッセージ性を付与するためのグラビア印刷やフレキソ印刷が施されている。
かかる印刷に使用される印刷構成では、紙に直接印刷した後、該印刷面に接着剤を用いたドライラミネート加工や、アンカーコート剤を用い押出(エクストルージョン)ラミネート加工等が一般的に施される。従って使用するグラビア印刷インキやフレキソ印刷インキ等のリキッド印刷インキには、耐酸紙に対する印刷適性の他、押出ラミネート加工後の各種適性が求められる。
【0004】
更に近年では、包装材のバイオマス化が要求されており、包装材に使用する印刷インキも、100%石油由来原料ではなくバイオマス原料の使用を要求されている。各種印刷適性そのものをバイオマス原料で改善すべきという動きが広がっている。
【0005】
前記印刷に適する印刷インキとして、例えば特許文献1には、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合物とアクリル樹脂を含有するバインダー樹脂と特定量のグリセリンとを有する紙用グラビア輪転用印刷インキ組成物が知られている。添加剤として特定量のグリセリンを使用することで疎水性の強い原紙への染み込みを防止し、疎水性の強い原紙へ印刷した場合もラミネート加工物に優れたラミネート強度を有するとある。
しかしながら該組成においても、時として、ラミネート強度が要求に満たない場合があった。またこれらのインキは、バイオマス原料で改善するという視点にもなっていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、特に紙に直接印刷した後にフィルムがラミネート加工された紙フィルム複合型包装材料に適したリキッド印刷インキであって、密着性、経時安定性、耐裏移り性、ラミネート強度を有し、且つバイオマス原料で改善されたリキッド印刷インキを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、上記の課題を解決すべく鋭意研究した結果、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を主バインダー樹脂とし、有機溶剤を含有するリキッド印刷インキであって、前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂として、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含み、特定の範囲の酸価を有する共重合体樹脂と、特定のロジン樹脂、キレート化合物を各々特定量含有する事で、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち本発明は、 塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を主バインダー樹脂とし、有機溶剤を含有するリキッド印刷インキであって、以下を満たすリキッド印刷インキを提供する。
(1)スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含み、酸価が10~150KOHmg/gの範囲であり、ガラス転移温度が40℃以上100℃以下の範囲である。
(2)酸価が190mgKOH/g以下であり、且つ軟化点が160℃以下であるロジン系樹脂をインキ全固形分に対し1~25質量%含有する。
(3)キレート化合物をインキ全固形分に対し1~10質量%含有する。
(4)沸点が200℃以上の有機溶剤を含有する。
【0010】
また本発明は、前記キレート化合物がチタンキレート化合物であるリキッド印刷インキを提供する。
【0011】
また本発明は、前記(1)スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度が40℃以上100℃以下であるリキッド印刷インキを提供する。
【0012】
また本発明は、前記記載のリキッド印刷インキを印刷してなる印刷物を提供する。
【0013】
また本発明は、前記記載のリキッド印刷インキを紙に印刷してなる紙印刷物を提供する。
【0014】
また本発明は、前記記載の紙印刷物上にポリオレフィン層が押出ラミネートされた積層体を提供する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のリキッド印刷インキは、密着性、経時安定性、耐裏移り性を有し、特に紙に直接印刷した後にフィルムがラミネート加工された紙フィルム複合型包装材料に対し優れたラミネート強度を有する。
またイタコン酸やロジン系樹脂は天然材料であるので、バイオマス原料で改善すべきであるという動きにも寄与できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(言葉の定義)
本発明においてリキッド印刷インキとは、グラビアインキまたはフレキソインキ等の、印刷版を使用する印刷方法に適用されるリキッド状のインキを指し、好ましくはグラビアインキまたはフレキソインキである。また本発明のリキッド印刷インキは活性エネルギー硬化性の成分を含んでおらず、即ち活性エネルギー線非反応性のリキッドインキである。
また本発明において「部」とは全て「質量部」を示し、「インキ全量」とは、有機溶剤等の揮発性成分をすべて含んだインキの全量を示し、「インキ固形分全量」とは、揮発性成分を含まない、不揮発性成分のみの全量を示す。
【0017】
(バインダー樹脂)
本発明で使用するバインダー樹脂は、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、及びスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂を主バインダー樹脂とし、
(1)スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂が、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含み、酸価が10~150KOHmg/gである。
(2)酸価が190mgKOH/g以下であり、且つ軟化点が160℃以下であるロジン系樹脂をインキ全固形分に対し1~25質量%含有する。
事が特徴である。
【0018】
(塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂)
塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂としては、塩化ビニルと酢酸ビニルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の固形分100質量%中、酢酸ビニルモノマー由来の構造は1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量%であることが好ましい。この場合有機溶剤への溶解性が向上、更に基材への密着性、被膜物性、耐擦傷性等が良好となる。
また有機溶剤への溶解性の観点からビニルアルコール構造由来の水酸基を含むものも好ましい。水酸基価としては20~200mgKOH/gであることが好ましい。また、ガラス転移温度は50℃~90℃であることが好ましい。
また塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂の添加量としては、インキ固形分中に5~30質量%含有し、好ましくは10~25質量%である。塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂は特にインキのラミネート強度に寄与するが、特にこの範囲で添加するが効果的である。
【0019】
(スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂)
本発明におけるスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含む。その他、他のモノマーをモノマー単位として含んでいてもよい。なお本発明において、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステルとメタクリル酸エステルの総称を表す。
【0020】
(酸価)
本発明で使用するスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の酸価は、10~150KOHmg/gである。酸価が10KOHmg/g以上であればラミネート強度に優れ、150KOHmg/g以下で、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合物(A)との相溶性し優れ、分離の発生やインキ粘度の増加などインキ安定性の低下のないインキを得ることができる。
酸価の下限は、20KOHmg/g以上がなお好ましい。一方酸価の上限は100KOHmg/g以下であることが好ましい。
【0021】
(重量平均分子量)
また、本発明で使用するスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の重量平均分子量Mwは、特に限定されないが、1000~100000の範囲であれば、本願の効果を発現できる。5000~90000がなお好ましく、10000~80000が最も好ましい。重量平均分子量がこの範囲にあると、特に皮膜が強く印刷物の耐ブロッキング性に優れ、塩化ビニル―酢酸ビニル共重合物(A)との相溶性に優れ、インキ安定性に優れるインキを得ることができる。
【0022】
なお、本明細書において、「重量平均分子量」の値は、標準物質をポリスチレンとするゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)により測定された値を採用するものとする。この際、前記ゲル浸透クロマトグラフィの測定条件は以下の通りである。すなわち、高速GPCであるHLC-8220(東ソー株式会社製)、カラム(TSK-GELGMHXL×2)を使用し、サンプル5mgを10gのテトラヒドロフラン(THF)に溶解した溶液200mLを装置に注入し、流量:1mL/分(THF)、恒温槽温度:40℃、示差屈折(RI)検出器にて測定した値とする。
【0023】
(ガラス転移温度)
また、本発明で使用するスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂のガラス転移温度(以後Tgと称する場合がある)は、40℃以上100℃以下の範囲である。Tgを40℃以上とすることで密着性や柔軟性をより向上させることができる。一方100℃以下とすることで、耐傷付き性やブロッキング性、裏移り性を向上させることができる。Tgの下限は中でも50℃以上が好ましい。一方Tgの上限は80℃以下であることが好ましい。
【0024】
(スチレン系モノマー)
スチレン系モノマーとしては、特に制限されないが、スチレン、α-メチルスチレン、ο-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレンが挙げられる。これらのうち、スチレンを用いることが好ましい。なお、上記スチレン系モノマーは、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中における、前記スチレン系モノマーのモノマー単位の含有率は、当該樹脂の全質量に対して、10~50質量%であることが好ましく、20~40質量%であることがより好ましい。
【0026】
((メタ)アクリル酸エステルモノマー)
(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1~18のアルキル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンモノメチロール(メタ)アクリレート、アクリロキシエチルフタレート、2-(メタ)アクリロイロキシプロピルフタレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-ブトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-メトキシプロピル(メタ)アクリレート、2-(メタ)アクリロイロキシエチル-2-ヒドロキシエチルフタレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、、グリセリンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等の脂肪族(メタ)アクリレート化合物;アクリル酸4-ヒドロキシフェニル、アクリル酸β-ヒドロキシフェネチル、アクリル酸4-ヒドロキシフェネチル、アクリル酸1-フェニル-2-ヒドロキシエチル、アクリル酸3-ヒドロキシ-4-アセチルフェニル、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピルアクリレート等の芳香環含有(メタ)アクリレート化合物;前記(メタ)アクリレート化合物と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフラン、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の種々の環状エーテル化合物との開環重合によって得られるポリエーテル変性(メタ)アクリレート化合物;前記(メタ)アクリレート化合物とε-カプロラクトン等のラクトン化合物との重縮合によって得られるラクトン変性(メタ)アクリレート化合物等のモノヒドロキシ(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のポリオールアクリレート化合物などの水酸基及び重合性不飽和基を有する化合物、ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ビフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、クミルフェノール(メタ)アクリレート、クミルフェノキシ エチル(メタ)アクリレート、クミルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、エートキシ化o-フェニルフェノール(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、及びエチレンオキサイド変性トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、等が挙げられる。これらのその他の重合性化合物は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0027】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中における、前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーのモノマー単位の含有率は、当該樹脂の全質量に対して、20~60質量%であることが好ましく、30~50質量%であることがより好ましい。
【0028】
前記(メタ)アクリル酸エステルモノマーとして、中でも、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、イソペンチル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の炭素原子数が1~18のアルキル(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数が1~6のアルキル(メタ)アクリレートを使用することがなお好ましい。
【0029】
(イタコン酸)
本発明におけるスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は、イタコン酸とをモノマー単位として含むことが必須である。イタコン酸はイタコン酸または無水イタコン酸のいずれをモノマーとして反応させてあってもよい、イタコン酸を前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の酸成分として使用することで、特にラミネート強度に優れるインキを得ることができる。またイタコン酸はバイオマス由来の化合物であり、イタコン酸を使用することで、バイオマス原料で改善されたリキッド印刷インキとすることができる。
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中における、前記イタコン酸モノマーモノマーのモノマー単位の含有率は、前記酸価10~150KOHmg/gの範囲内となるように設計することが好ましい。具体的には当該樹脂の全質量に対して、1~20質量%であることが好ましく、1~10質量%であることがより好ましい。
【0030】
また、他の酸モノマーを併用してもよく好ましい。他の酸モノマーとしては例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、β-カルボキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸ダイマー、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、等が挙げられる。
【0031】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂中における、前記イタコン酸モノマーモノマー及び前記酸モノマーのモノマー単位の含有率は、前記酸価10~150KOHmg/gの範囲内となるように設計することが好ましい。
【0032】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の製造方法としては、特に制限されず、公知の方法で製造することができる。例えば、スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸と含有する組成物を、重合開始剤の存在下で共重合させて得る方法等が挙げられる。
【0033】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の製造における各種条件は、使用する原料やその量に応じて適宜設定することができる。例えば、一部の原料を先に反応容器中に添加し、加熱した後、残りの原料を滴下しながら重合反応を行い製造する方法、反応容器に有機溶剤を添加し、加熱した後、反応に用いる原料の混合物を滴下しながら、重合反応を行い製造する方法、反応容器に有機溶剤を添加し、密閉加圧条件下で該有機溶媒の沸点以上に加熱した後、反応に用いる原料の混合物を滴下しながら、重合反応を行い製造する方法等が挙げられる。
【0034】
前記有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン等のケトン溶剤;テトラヒドロフラン、ジオキソラン等の環状エーテル溶剤;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル溶剤;トルエン、キシレン、ソルベントナフサ等の芳香族溶剤;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族溶剤;カルビトール、セロソルブ、メタノール、イソプロパノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール溶剤;アルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテル、ジアルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート等のグリコールエーテル溶剤;メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いることも2種以上を併用することもできる。
【0035】
前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂の添加量は、インキ固形分に対し10~80質量%含有し、好ましくは20~70質量%である。前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂は特にインキの裏移り性や耐酸紙への密着性に寄与するが、特にこの範囲で添加するが効果的である。
【0036】
(ロジン系樹脂)
本発明で使用するロジン系樹脂としては、酸価が190mgKOH/g以下であり、且つ軟化点が160℃以下であるロジン系樹脂であれば特に限定なく、印刷インキ用に汎用されるロジン、及び又はロジンの誘導体を使用できる。ロジンまたはロジンの誘導体とは具体的には、ロジン類またはそのカルボキシル基含有誘導体等である。ロジン類は、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、不均化ロジン、水添ロジンまたはこれらの重合物等である。ロジンの誘導体は、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸等の不飽和カルボン酸を添加したロジン誘導体等のカルボキシル基含有誘導体等である。
ロジン系樹脂の酸価は、中でも100mgKOH/g以下であることが好ましく50mgKOH/g以下であることがなお好ましい。一方下限は特に限定はないが、20mgKOH/g以上であれば特に限定なく使用することができる。
【0037】
本発明においては、中でもロジンのマレイン酸誘導体であるロジン変性マレイン酸樹脂あるいはロジンのフマル酸誘導体であるロジン変性フマル酸樹脂を使用することが好ましい。本発明で使用するロジン変性マレイン酸樹脂あるいはロジン変性フマル酸樹脂は、特に限定なく公知のロジン変性マレイン酸樹脂あるいはロジン変性フマル酸樹脂を使用することができる。ロジン変性マレイン酸樹脂あるいはロジン変性フマル酸樹脂は、酸価が25mgKOH/g以上320mgKOH/g以下のものが好ましく、特に酸価が100mgKOH/g以上320mgKOH/g以下であることが特に好ましい。
ロジン系樹脂の添加量は、インキ固形分に対し1~25質量%であることが好ましく、さらに好ましくは2~15質量%である。
【0038】
市販のロジン系樹脂としては、荒川化学工業社製マルキードNo.1、2、5、6、8、31、32、33、34、3002等、ハリマ化成社製ハリマックR-80、T-80、R-100、M-453、M-130A、135GN、145P、R-120AH、ハリタック4851、4821、4740、28JA等が挙げられる。
【0039】
(その他のバインダー樹脂)
本発明においては、前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂、前記ロジン系樹脂を所定量配合する以外は特に限定なく、公知のバインダー樹脂を併用することもできる。例えば前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂以外のアクリル系樹脂、塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂、硝化綿、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)やセルロースアセテートブチロネート(CAB)などセルロース系樹脂等の繊維素系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。
【0040】
(アクリル樹脂)
アクリル樹脂としては、前記スチレン系モノマーと(メタ)アクリル酸エステルモノマーとイタコン酸とをモノマー単位として含み、酸価が10~150KOHmg/gであるスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂以外の、汎用の、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合性モノマーが共重合したものであれば特段限定されない。重合性モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n-プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル化合物、N-メチロール(メタ)アクリルアミド等の少なくとも1個のN-置換メチロール基を含有する(メタ)アクリル酸アミド誘導体、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール類の(メタ)アクリル酸のモノまたはジエステル類、スチレン、α-メチルスチレン等のスチレン誘導体、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル化合物、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸等の酸基を有するビニル化合物等が挙げられる。重合法も特に限定なく公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法等で得たものを使用することができる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は5,000~200,000であることが好ましく、より好ましくは10,000~100,000の範囲である。
また、アクリル樹脂は前記スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂と併用した状態でインキ固形分に対し10~50質量%含有することが好ましく、好ましくは30~40質量%である。
【0041】
(塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂)
本発明で使用する塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂は、塩化ビニルとビニルイソブチルエーテルが共重合したものであれば、特段限定されない。分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂の固形分100質量%中、ビニルイソブチルエーテル由来の構造は1~30質量%が好ましく、塩化ビニルモノマー由来の構造は70~95質量%であることが好ましい。
塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂の添加量としては、前述の通りインキ固形分に対し1~12質量%含有するが、好ましくは4~8質量%である。塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂は特にインキのラミネート強度の他、印刷物の光沢性向上に寄与するが、特にこの範囲で添加するが効果的である。
【0042】
(繊維素系樹脂)
繊維素系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース(硝化綿ともいう)、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはニトロセルロースである。分子量としては重量平均分子量で5,000~200,000のものが好ましく、10,000~50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるものが好ましい。本発明のポリウレタン樹脂(A)の併用では、耐ブロッキング性、耐擦傷性その他のインキ被膜物性が向上することが期待できる。
ニトロセルロース(硝化綿)は、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の3個の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましい。
【0043】
ニトロセルロース(硝化綿)を使用する事で、顔料への高い分散性が得られる事から、特に表刷り用コーティング剤として使用すれば、印刷インキ塗膜の強度を向上させることができ好適である。前記ニトロセルロース(硝化綿)としては、窒素含有量が10~13質量%、平均重合度30~500が好ましく、より好ましくは窒素含有量が10~13質量%、平均重合度45~290である。
【0044】
ニトロセルロース(硝化綿)の添加量としては、インキ固形分に対し0.1~5質量%含有し、好ましくは0.5 ~2質量%である。
【0045】
(ポリウレタン樹脂)
ポリウレタン樹脂としては、ポリオールとポリイソシアネートを反応させて得たポリウレタン樹脂であれば特に限定されない。ポリオールとしては例えば、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知のポリオールを用いることができ、1種または2種以上を併用してもよい。例えば、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3-メチル-1,5ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4―ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトールなどの飽和または不飽和の低分子ポリオール類(1)、これらの低分子ポリオール類(1)と、セバシン酸、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、こはく酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スペリン酸、アゼライン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸あるいはこれらの無水物とを脱水縮合または重合させて得られるポリエステルポリオール類(2);環状エステル化合物、例えばポリカプロラクトン、ポリバレロラクトン、ポリ(β-メチル-γ-バレロラクトン)等のラクトン類、を開環重合して得られるポリエステルポリオール類(3);前記低分子ポリオール類(1)などと、例えばジメチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、エチレンカーボネート、ホスゲン等との反応によって得られるポリカーボネートポリオール類(4);ポリブタジエングリコール類(5);ビスフェノールAに酸化エチレンまたは酸化プロピレンを付加して得られるグリコール類(6);1分子中に1個以上のヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロプル、アクリルヒドロキシブチル等、或いはこれらの対応するメタクリル酸誘導体等と、例えばアクリル酸、メタクリル酸又はそのエステルとを共重合することによって得られるアクリルポリオール(7)などが挙げられる。
【0046】
ポリイソシアネートとしては、ポリウレタン樹脂の製造に一般的に用いられる各種公知の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネートなどが挙げられる。例えば、1,3-フェニレンジイソシアネート、1,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-2,6-フェニレンジイソシアネート、1-メチル-3,5-フェニレンジイソシアネート、1-エチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1-イソプロピル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-2,4-フェニレンジイソシアネート、1,3-ジメチル-4,6-フェニレンジイソシアネート、1,4-ジメチル-2,5-フェニレンジイソシアネート、ジエチルベンゼンジイソシアネート、ジイソプロピルベンゼンジイソシアネート、1-メチル-3,5-ジエチルベンゼンジイソシアネート、3-メチル-1,5-ジエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、1,3,5-トリエチルベンゼン-2,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,4-ジイソシアネート、ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、1-メチル-ナフタレン-1,5-ジイソシアネート、ナフタレン-2,6-ジイソシアネート、ナフタレン-2,7-ジイソシアネート、1,1-ジナフチル-2,2’-ジイソシアネート、ビフェニル-2,4’-ジイソシアネート、ビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3-3’-ジメチルビフェニル-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4-ジイソシアネート等の芳香族ポリイソシアネート;テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,3-シクロペンチレンジイソシアネート、1,3-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,4-シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、1,4-ジ(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、2,2’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等の脂肪族又は脂環式ポリイソシアネートなどを用いることができる。これらのポリイソシアネートは単独で用いても2種以上を併用してもよい。これらの中でも、これらのジイソシアネート化合物は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0047】
また鎖伸長剤を使用することもできる。鎖伸長剤としては例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジアミンなどの他、2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピルジアミン、2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシピロピルエチレンジアミン、ジ-2-ヒドロキシプロピルエチレンジアミンなど分子内に水酸基を有するアミン類も用いることが出来る。これらの鎖伸長剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
【0048】
また、反応停止を目的とした末端封鎖剤として、一価の活性水素化合物を用いることもできる。かかる化合物としてはたとえば、ジ-n-ブチルアミン等のジアルキルアミン類やエタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類があげられる。更に、特にポリウレタン樹脂中にカルボキシル基を導入したいときには、グリシン、L-アラニン等のアミノ酸を反応停止剤として用いることができる。これらの末端封鎖剤は単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
ポリウレタン樹脂の重量平均分子量は10,000~100,000であることが好ましく、より好ましくは15,000~80,000の範囲である。
また、ポリウレタン樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.1~30質量%であることが好ましく、さらに好ましくは 5 ~15質量%である。
【0049】
(ポリエステル樹脂)
ポリエステル樹脂としては、アルコールとカルボン酸とを公知のエステル化重合反応を用いて反応させてなるポリエステル樹脂であれば特段限定されない。
アルコールとしては、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-エチル-2ブチル-1,3プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4-ブチンジオール、1,4-ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6-ヘキサントリオール、1,2,4-ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエスリトール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、1,2-シクロヘキサンジメタノール、スピログリコール、イソソルビド等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも多官能アルコールが好ましい。
カルボン酸としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、オレイン酸、リノール酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸等が挙げられる。これらは単独で、または2種以上を混合して用いることができる。中でも多官能カルボン酸が好ましい。
ポリエステル樹脂の重量平均分子量は500~6000であることが好ましい。さらに好ましくは1400~5500である
また、ポリエステル樹脂の添加量としては、インキ全量に対し0.15~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0~35質量%である。
【0050】
(塩素化ポリオレフィン樹脂)
本発明で使用する塩素化ポリオレフィン樹脂としては、水素原子の少なくとも一部が塩素原子により置換されたポリオレフィン樹脂であれば特に限定されない。塩素化ポリオレフィンの重量平均分子量は、5,000~100,000が好ましく5,000~70,000であることがなお好ましく7,000~50,000であることが更に好ましい。また、塩素化ポリオレフィン樹脂は基材への接着性向上するため、その塩素含有率が25~45質量%であることが好ましい。また有機溶剤への溶解性の観点から、塩素含有率は26~43質量%であることが更に好ましい。ここで、塩素含有率とは、塩素化ポリオレフィン樹脂100質量%中の塩素原子の含有質量%をいう。また、耐ブロッキング性とのバランスの観点から、塩素化ポリオレフィン樹脂はインキ固形分中に0.1~30質量%含有し、好ましくは1~10質量%である。
【0051】
塩素化ポリオレフィン樹脂は、柔軟性を持つアルキル基を分枝構造として有するため、低温下でも柔軟な樹脂であり基材接着性の向上に寄与する。塩素化ポリオレフィン樹脂におけるポリオレフィン樹脂の構造は、特に制限はない。例えば、ポリプロピレン、ポリ-1-ブテン、ポリ-4-メチル-1-ペンテンなどのα-オレフィン系不飽和炭化水素の単独重合体又は共重合体を含有する樹脂が好ましい。中でもポリプロピレン構造(すなわち塩素化ポリプロピレン構造)を含む塩素化ポリプロピレン樹脂が特に好ましい。
【0052】
(ビニル系樹脂)
また、前記塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂や塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂以外のビニル系樹脂を使用してもよい。例えば、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩化ビニル-エチレン共重合体、塩化ビニル-プロピレン共重合体、塩化ビニル-スチレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン共重合体、塩化ビニル-スチレン-無水マレイン酸三元共重合体、塩化ビニル-スチレン-アクリロニリトル共重合体、塩化ビニル-ブタジエン共重合体、塩化ビニル-イソプレン共重合体、塩化ビニル-塩素化プロピレン共重合体、塩化ビニル-塩化ビニリデン-酢酸ビニル三元共重合体、塩化ビニル-マレイン酸エステル共重合体、塩化ビニル-メタクリル酸エステル共重合体、塩化ビニル-アクリロニトリル共重合体、塩化ビニル-各種ビニルエーテル共重合体等の塩化ビニル系樹脂、及びそれら相互のブレンド品或いは他の塩素を含まない合成樹脂、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-エチル(メタ)アクリレート共重合体、ポリエステル等とのブレンド品、ブロック共重合体、グラフト共重合体等を挙げることができる。これら塩化ビニル系樹脂は2種以上の混合物でもよく、他の合成樹脂との混合物でもよい。
【0053】
また酢酸ビニル系樹脂は、酢酸ビニルモノマー単独または酢酸ビニルモノマーと重合可能な不飽和モノマーとの共重合体である。不飽和モノマーとしては、例えば、n-ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレートモノマーに代表される長鎖(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、1,4-ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等に代表される水酸基含有(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸等のカルボキシル基含有モノマー、スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル等のビニルモノマー、エチレン等が挙げられる。これらは単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0054】
ビニル系樹脂の分子量としては重量平均分子量で5,000~100,000のものが好ましく、10,000~70,000が更に好ましい。
ビニル系樹脂の添加量としては、インキ固形分中に1~30質量%含有し、好ましくは10~15質量%である。
【0055】
(硬化剤)
また、バインダー樹脂に硬化剤を併用してもよい。硬化剤としては有機溶剤系のグラビアインキで汎用の硬化剤を使用すればよいが、最もよく使用されるのはイソシアネート系の硬化剤である。
イソシアネート化合物の添加量としては、硬化効率の観点からリキッド印刷インキ固形分に対し0.3質量%~10.0質量%の範囲が好ましく、1.0質量%~7.0質量%であればより好ましい。
バインダー樹脂の合計は、インキ固形分に対して0.15~50質量%の範囲であることが好ましく、1~40質量%の範囲で使用することが最も好ましい。
【0056】
(キレート化合物)
本発明においては、キレート化合物をインキ全固形分に対し1~10質量%含有することが特徴である。キレート化合物を該範囲で含有することで、バイオマス寄与のために添加するロジン系樹脂とのバランスがとれ、ラミネート強度やインキの裏移り性が改善されたインキとすることができる。
【0057】
キレート剤は特に特に金属キレート剤が好ましい。金属キレート剤としてはチタン系キレート剤、ジルコニウム系キレート剤、又はアルミニウム系キレート剤を使用することが出来る。中でもチタン系キレート剤が好ましい。
チタン系キレート剤としては、アルコキシド、アシレート、キレート錯体に分類されるが、本発明で使用するキレート剤としてはアルコキシドやアシレートよりもキレート錯体がより好ましく、キレート錯体の具体的なものとしてはチタンアセチルアセトネート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンエチルアセトアセテート、リン酸エステルチタン錯体等を挙げる事ができる。前記チタンエチルアセトアセテート、リン酸エステルチタン錯体についてはアセチルアセトンフリーが実現できより安全性が高い。中でもチタンキレート錯体が好ましい。
含有量としては、中でもインキ全固形分に対し1~10質量%含有することがなお好ましく2~6質量%含有することが最も好ましい。
【0058】
(有機溶剤)
本発明のリキッド印刷インキで使用する有機溶剤は、沸点が200℃以上の有機溶剤を含有することが好ましい。沸点が200℃以上の有機溶剤は、揮発せずに耐酸紙など疎水性の強い紙基材への染み込みを抑えることが可能となる。
沸点が200℃以上の有機溶剤としては、グリセロール(290℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(271℃)、リエチレングリコールモノメチルエーテル(249℃)、トリエチレングリコールジメチルエーテル(216℃)、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル(207℃)が挙げられる。
中でも、特にグリセロール(グリセリンとも称される)が好ましい。グリセロールの添加量は、インキ固形分に対し1~20質量%含有し、好ましくは 5~10質量%である。
【0059】
一方で、沸点が200℃以上の有機溶剤のみを使用することは、印刷後の乾燥性を低下させることになるため、沸点が200℃未満の有機溶剤を併用して使用することが好ましい。
沸点が200℃未満の有機溶剤としては特に制限はないが、例えばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロハキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
【0060】
中でも、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノールなどを使用し、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しない事がより好ましい。
前記沸点が200℃以下の有機溶剤は、印刷時における所望のインキ粘度を調整するために使用することから、その添加量は特に制限はない。
【0061】
(着色剤)
本発明のリキッド印刷インキは着色剤を含有することが好ましい。着色剤としては顔料が好ましく、一般のインキ、塗料、及び記録剤などに使用されている無機顔料、有機顔料を挙げることができる。有機顔料としては、溶性アゾ系、不溶性アゾ系、アゾ系、フタロシアニン系、ハロゲン化フタロシアニン系、アントラキノン系、アンサンスロン系、ジアンスラキノニル系、アンスラピリミジン系、ペリレン系、ペリノン系、キナクリドン系、チオインジゴ系、ジオキサジン系、イソインドリノン系、キノフタロン系、アゾメチンアゾ系、フラバンスロン系、ジケトピロロピロール系、イソインドリン系、インダンスロン系、カーボンブラック系などの顔料が挙げられる。また、例えば、カーミン6B、レーキレッドC、パーマネントレッド2B、ジスアゾイエロー、ピラゾロンオレンジ、カーミンFB、クロモフタルイエロー、クロモフタルレッド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ジオキサジンバイオレット、キナクリドンマゼンタ、キナクリドンレッド、インダンスロンブルー、ピリミジンイエロー、チオインジゴボルドー、チオインジゴマゼンタ、ペリレンレッド、ペリノンオレンジ、イソインドリノンイエロー、アニリンブラック、ジケトピロロピロールレッド、昼光蛍光顔料等が挙げられる。また未酸性処理顔料、酸性処理顔料のいずれも使用することができる。以下に有機顔料として好ましいものの具体的な例を挙げる。
【0062】
黒色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラック1、C.I.ピグメントブラック6、C.I.ピグメントブラック7、C.I.ピグメントブラック9、C.I.ピグメントブラック20等が挙げられる。
【0063】
藍色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:5、C.I.ピグメントブルー15:6、C.I.ピグメントブルー16、C.I.ピグメントブルー17:1、C.I.ピグメントブルー22、C.I.ピグメントブルー24:1、C.I.ピグメントブルー25、C.I.ピグメントブルー26、C.I.ピグメントブルー60、C.I.ピグメントブルー61、C.I.ピグメントブルー62、C.I.ピグメントブルー63、C.I.ピグメントブルー64、C.I.ピグメントブルー75、C.I.ピグメントブルー79、C.I.ピグメントブルー80などが挙げられる。
【0064】
緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン1、C.I.ピグメントグリーン4、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントグリーン8、C.I.ピグメントグリーン10、C.I.ピグメントグリーン36などが挙げられる。
【0065】
赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド1、C.I.ピグメントレッド2、C.I.ピグメントレッド3、C.I.ピグメントレッド4、C.I.ピグメントレッド5、C.I.ピグメントレッド6、C.I.ピグメントレッド7、C.I.ピグメントレッド8、C.I.ピグメントレッド9、C.I.ピグメントレッド10、C.I.ピグメントレッド11、C.I.ピグメントレッド12、C.I.ピグメントレッド15、C.I.ピグメントレッド16、C.I.ピグメントレッド17、C.I.ピグメントレッド18、C.I.ピグメントレッド19、C.I.ピグメントレッド20、C.I.ピグメントレッド21、C.I.ピグメントレッド22、C.I.ピグメントレッド23、C.I.ピグメントレッド31、C.I.ピグメントレッド32、C.I.ピグメントレッド38、C.I.ピグメントレッド41、C.I.ピグメントレッド43、C.I.ピグメントレッド46、C.I.ピグメントレッド48、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド48:4、C.I.ピグメントレッド48:5、C.I.ピグメントレッド48:6、C.I.ピグメントレッド49、C.I.ピグメントレッド49:1、C.I.ピグメントレッド49:2、C.I.ピグメントレッド49:3、C.I.ピグメントレッド52、C.I.ピグメントレッド52:1、C.I.ピグメントレッド52:2、C.I.ピグメントレッド53、C.I.ピグメントレッド53:1、C.I.ピグメントレッド53:2、C.I.ピグメントレッド53:3、C.I.ピグメントレッド54、C.I.ピグメントレッド57、C.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド58、C.I.ピグメントレッド58:1、C.I.ピグメントレッド58:2、C.I.ピグメントレッド58:3、C.I.ピグメントレッド58:4、C.I.ピグメントレッド60:1、C.I.ピグメントレッド63、C.I.ピグメントレッド63:1、C.I.ピグメントレッド63:2、C.I.ピグメントレッド63:3、C.I.ピグメントレッド64:1、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド68、C.I.ピグメントレッド81:1、C.I.ピグメントレッド83、C.I.ピグメントレッド88、C.I.ピグメントレッド89、C.I.ピグメントレッド95、C.I.ピグメントレッド112、C.I.ピグメントレッド114、C.I.ピグメントレッド119、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド123、C.I.ピグメントレッド136、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド147、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド150、C.I.ピグメントレッド164、C.I.ピグメントレッド166、C.I.ピグメントレッド168、C.I.ピグメントレッド169、C.I.ピグメントレッド170、C.I.ピグメントレッド171、C.I.ピグメントレッド172、C.I.ピグメントレッド175、C.I.ピグメントレッド176、C.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド179、C.I.ピグメントレッド180、C.I.ピグメントレッド181、C.I.ピグメントレッド182、C.I.ピグメントレッド183、C.I.ピグメントレッド184、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド187、C.I.ピグメントレッド188、C.I.ピグメントレッド190、C.I.ピグメントレッド192、C.I.ピグメントレッド193、C.I.ピグメントレッド194、C.I.ピグメントレッド200、C.I.ピグメントレッド202、C.I.ピグメントレッド206、C.I.ピグメントレッド207、C.I.ピグメントレッド208、C.I.ピグメントレッド209、C.I.ピグメントレッド210、C.I.ピグメントレッド211、C.I.ピグメントレッド213、C.I.ピグメントレッド214、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド215、C.I.ピグメントレッド216、C.I.ピグメントレッド220、C.I.ピグメントレッド221、C.I.ピグメントレッド223、C.I.ピグメントレッド224、C.I.ピグメントレッド226、C.I.ピグメントレッド237、C.I.ピグメントレッド238、C.I.ピグメントレッド239、C.I.ピグメントレッド240、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド245、C.I.ピグメントレッド247、C.I.ピグメントレッド248、C.I.ピグメントレッド251、C.I.ピグメントレッド253、C.I.ピグメントレッド254、C.I.ピグメントレッド255、C.I.ピグメントレッド256、C.I.ピグメントレッド257、C.I.ピグメントレッド258、C.I.ピグメントレッド260、C.I.ピグメントレッド262、C.I.ピグメントレッド263、C.I.ピグメントレッド264、C.I.ピグメントレッド266、C.I.ピグメントレッド268、C.I.ピグメントレッド269、C.I.ピグメントレッド270、C.I.ピグメントレッド271、C.I.ピグメントレッド272、C.I.ピグメントレッド279、などが挙げられる。
【0066】
紫色顔料としては、例えばC.I.ピグメントバイオレット1、C.I.ピグメントバイオレット2、C.I.ピグメントバイオレット3、C.I.ピグメントバイオレット3:1、C.I.ピグメントバイオレット3:3、C.I.ピグメントバイオレット5:1、C.I.ピグメントバイオレット13、C.I.ピグメントバイオレット19(γ型、β型)、C.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット25、C.I.ピグメントバイオレット27、C.I.ピグメントバイオレット29、C.I.ピグメントバイオレット31、C.I.ピグメントバイオレット32、C.I.ピグメントバイオレット36、C.I.ピグメントバイオレット37、C.I.ピグメントバイオレット38、C.I.ピグメントバイオレット42、C.I.ピグメントバイオレット50、などが挙げられる。
【0067】
黄色顔料としては、例えばC.I.ピグメントイエロー1、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー12、C.I.ピグメントイエロー13、C.I.ピグメントイエロー14、ピグメントイエロー17、C.I.ピグメントイエロー24、C.I.ピグメントイエロー42、C.I.ピグメントイエロー55、C.I.ピグメントイエロー62、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー86、C.I.ピグメントイエロー93、C.I.ピグメントイエロー94、C.I.ピグメントイエロー95、C.I.ピグメントイエロー109、C.I.ピグメントイエロー110、C.I.ピグメントイエロー117、C.I.ピグメントイエロー120、ピグメントイエロー125、C.I.ピグメントイエロー128、C.I.ピグメントイエロー129、C.I.ピグメントイエロー137、C.I.ピグメント、イエロー138、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー147、C.I.ピグメントイエロー148、C.I.ピグメントイエロー150、C.I.ピグメントイエロー151、C.I.ピグメントイエロー153、C.I.ピグメントイエロー154、C.I.ピグメントイエロー155、C.I.ピグメントイエロー166、C.I.ピグメントイエロー168、C.I.ピグメントイエロー174、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー185およびC.I.ピグメントイエロー213等が挙げられる。
【0068】
橙色顔料としては、例えばC.I.ピグメントオレンジ5、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ16、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ36、C.I.ピグメントオレンジ37、C.I.ピグメントオオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ43、C.I.ピグメントオレンジ51、C.I.ピグメントレンジ55、C.I.ピグメントオレンジ59、C.I.ピグメントオレンジ61、C.I.ピグメントオレンジ64、C.I.ピグメントオレンジ71、又はC.I.ピグメントオレンジ74などが挙げられる。
【0069】
茶色顔料としては、例えばC.I.ピグメントブラウン23、C.I.ピグメントブラウン25、又はC.I.ピグメントブラウン26などが挙げられる。
【0070】
中でも、好ましい顔料として、黒色顔料としてC.I.ピグメントブラック7、
藍色顔料としてC.I.ピグメントブルー15、C.I.ピグメントブルー15:1、C.I.ピグメントブルー15:2、C.I.ピグメントブルー15:3、C.I.ピグメントブルー15:4、C.I.ピグメントブルー15:6、
緑色顔料としてC.I.ピグメントグリーン7、
赤色顔料としてC.I.ピグメントレッド57:1、C.I.ピグメントレッド48:1、C.I.ピグメントレッド48:2、C.I.ピグメントレッド48:3、C.I.ピグメントレッド146、C.I.ピグメントレッド242、C.I.ピグメントレッド185、C.I.ピグメントレッド122、C.I.ピグメントレッド178、C.I.ピグメントレッド149、C.I.ピグメントレッド144、C.I.ピグメントレッド166、
紫色顔料としてC.I.ピグメントバイオレット23、C.I.ピグメントバイオレット37、
黄色顔料としてC.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントイエロー14、C.I.ピグメントイエロー180、C.I.ピグメントイエロー139、
橙色顔料としてC.I.ピグメントオレンジ38、C.I.ピグメントオレンジ13、C.I.ピグメントオレンジ34、C.I.ピグメントオレンジ64、
等が挙げられ、これらの群から選ばれる少なくとも一種または二種以上を使用することが好ましい。
【0071】
無機顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、シリカ、リトボン、アンチモンホワイト、石膏などの白色無機顔料が挙げられる。無機顔料の中では酸化チタンの使用が特に好ましい。酸化チタンは白色を呈し、着色力、隠ぺい力、耐薬品性、耐候性の点から好ましく、印刷性能の観点から該酸化チタンはシリカおよび/またはアルミナ処理を施されているものが好ましい。
【0072】
白色以外の無機顔料としては、例えば、アルミニウム粒子、マイカ(雲母)、ブロンズ粉、クロムバーミリオン、黄鉛、カドミウムイエロー、カドミウムレッド、群青、紺青、ベンガラ、黄色酸化鉄、鉄黒、ジルコンが挙げられ、アルミニウムは粉末またはペースト状であるが、取扱い性および安全性の面からペースト状で使用するのが好ましく、リーフィングまたはノンリーフィングを使用するかは輝度感および濃度の点から適宜選択される。
【0073】
前記顔料は、リキッド印刷インキの濃度・着色力を確保するのに充分な量、すなわちインキ総質量に対して1~60質量%、インキ中の固形分重量比では10~90質量%の割合で含まれることが好ましい。また、これらの顔料は単独で、または2種以上を併用して用いることができる。
【0074】
本発明のリキッド印刷インキでは更に必要に応じて、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。
例えば前記体質顔料としてシリカを適量添加すれば、より耐摩擦性が向上する傾向となる。
【0075】
本発明のリキッド印刷インキは、バインダー樹脂、顔料などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。具体的には、顔料をバインダー樹脂により有機溶剤に分散させた顔料分散体を製造し、得られた顔料分散体に、必要に応じて他の化合物などを配合することによりインキを製造することができる。
【0076】
前記顔料分散体における顔料の粒度分布は、分散機の粉砕メディアのサイズ、粉砕メディアの充填率、分散処理時間、顔料分散体の吐出速度、顔料分散体の粘度などを適宜調節することにより、調整することができる。分散機としては、一般に使用される、例えば、ローラーミル、ボールミル、ペブルミル、アトライター、サンドミルなどを用いることができる。
インキ中に気泡や予期せずに粗大粒子などが含まれる場合は、印刷物品質を低下させるため、濾過などにより取り除くことが好ましい。濾過器は従来公知のものを使用することができる。
【0077】
前記方法で製造されたインキ粘度は、顔料の沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。
インキの粘度は、使用される原材料の種類や量、バインダー樹脂、顔料、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。また、インキ中の顔料の粒度および粒度分布を調節することによりインキの粘度を調整することもできる。
【0078】
(印刷物及び積層体)
本発明のリキッド印刷インキを任意の基材に印刷することで印刷物を得る。本発明で使用する基材としては特に限定は無くグラビア・フレキソ印刷分野で通常使用されている紙もしくはプラスチック基材、食品包装分野で使用される軟包装基材を使用すればよいが、特に紙に対し印刷適性に優れる。例えば紙であれば、化粧品や飲料、医薬品、おもちゃ、機器等の包材・パッケージ等の印刷に用いられる上質紙、クラフト紙、純白ロール紙、グラシンペーパー、パーチメント紙、マニラボール、白ボール、コート紙、アート紙、模造紙、薄紙、厚紙、ポリエチレンコート紙等の紙、各種合成紙、耐酸紙等が挙げられる。
【0079】
紙に印刷する方法は公知のグラビア印刷はフレキソ印刷で印刷することができる。またグラビア印刷方式やフレキソ印刷方式から形成される印刷インキの膜厚は、例えば10μm以下、好ましくは5μm以下であることが好ましい。
【0080】
本発明のリキッド印刷インキで印刷された印刷物は、必要に応じてコロナ処理等を施したのち、印刷面上に押出ラミネート用の樹脂を接着剤無しで押し出しラミネート加工を施し、ラミネート加工物を得ることができる。
前記押出ラミネートに用いる樹脂は、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンとポリプロピレンの混合樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸メチル共重合樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸エチル共重合樹脂、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂、ポリアミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、ポリエーテルアクリレート樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合体、ロジン系樹脂のうち少なくとも1つを含むことが好ましい。また、基材と同種の樹脂でもよいし、異種の樹脂でもよい。好ましくはポリエチレン樹脂である。ラミネートによる膜厚は、特に限定されないが、一般的には1~100μmであることが多い。
【0081】
接着剤を使用することも可能であり、印刷面にイミン系、イソシアネート系、ポリブタジエン系、チタン系等の各種アンカーコート剤を介して、ポリエチレン樹脂を積層する通常の押し出しラミネート法により同様のラミネート加工物を得ることもできる。
【0082】
本発明の積層体は前述の食品用紙カップ容器や食品、菓子、生活雑貨、ペットフード、あるいは工業製品の包装材料の他、農業用、土木用、漁業用、自動車内外装用、船舶用、日用品用、建材内外装用、住設機器用、医療・医療機器用、医薬用、家電品用、家具類用、文具類・事務用品用、販売促進用、商業用、電機電子産業用および産業資材用などにも適用できる。
【実施例0083】
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも質量基準によるものとする。
尚、本発明におけるGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による重量平均分子量(ポリスチレン換算)の測定は東ソー(株)社製HLC8220システムを用い以下の条件で行った。
分離カラム:東ソー(株)製TSKgelGMHHR-Nを4本使用。カラム温度:40℃。移動層:和光純薬工業(株)製テトラヒドロフラン。流速:1.0ml/分。試料濃度:0.4質量%。試料注入量:100マイクロリットル。検出器:示差屈折計。
また、酸価はJIS K0070により、また軟化点はJIS K6863に準じて求めたものである。
【0084】
〔実施例1〕
塩化ビニル-ビニルイソブチルエーテル共重合樹脂(重量平均分子量 100.16、ビニルイソブチルエーテル ポリマ―の塩素%:4)2部、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂としてソルバインA(日信化学工業(株)社製)4部、ロジン変性マレイン酸樹脂として(酸価39mgKOH/g以下、軟化点130~140℃、)3部、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂として(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体、重量平均分子量53300、酸価40.5mgKOH/g ガラス転移温度Tg77.3℃)を10部、
メタクリル酸エステル共重合物(酸価4以上、ガラス転移温度Tg47℃)1部、
紅系アゾ顔料(C.I.PigmentRed146、DIC(株)社製)8部、
その他の有機溶剤としてメチルエチルケトン/酢酸エチル/イソプロピルアルコール/エタノール/1メトキシプロパノールからなる質量比42/29/14/10/5の混合溶剤67.5部を加え錬肉後、沸点200℃以上の有機溶剤としてグリセリン(沸点290℃)を2部、低分子量エチレンプロピレン共重合物の酸化物からなるワックス0.5部、キレート化合物としてチタンテトラアセチルアセトネート(マツモトファインケミカル(株)社製)1部を添加し総計100部の紅色リキッド印刷インキを作製した。
【0085】
〔実施例2、比較例1~5〕
表1~3に示した配合に従って、実施例1と同様の手順にて各々紅色リキッド印刷インキを作製した。
比較例1~5については、実施例1のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂として(スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体、重量平均分子量53300、酸価40.5mgKOH/g ガラス転移温度Tg77.3℃)の代わりに、各々下記のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂11部を配合した。
比較例1 イタコン酸未使用のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂 重量平均分子量53300、酸価 40.5±1.5
比較例2 スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体である酸価9.0のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂
比較例3 スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体である酸価200.0のスチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体であるスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂
比較例4 スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体であるガラス転移温度(Tg)37℃のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂
比較例5 スチレン/メタクリル酸メチル/メタクリル酸n-ブチル/イタコン酸の共重合体であるガラス転移温度(Tg)112℃のスチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体樹脂
【0086】
〔印刷物、及びラミネート加工物の製造方法〕
各リキッド印刷インキの粘度をメチルエチルケトン/酢酸プロピル/酢酸エチルを質量比率で30/30/40に混合した専用希釈溶剤を使用し、ザーンカップ#3(離合社製)にて15秒(液温25℃)に調整。網版175線25μグラビアベタ版を備えたグラビア校正機により、耐酸紙(285g/m2)に印刷して40℃で乾燥し印刷物を得た。得られた印刷物上に、常法に従い溶融低密度ポリエチレン樹脂を20μmの厚みで押し出しラミネートすることで目的とするラミネート加工物を得た。
【0087】
〔評価項目1:密着性〕
得られた印刷物の印刷面にセロハンテープ(ニチバン製18mm幅)を貼り付け、素早くテープを引き剥がし、印刷面の状態を目視評価した。
(評価基準)
5:紙層剥離。
4:9割程度の紙層剥離。
3:8割程度の紙間剥離。
2:半分程度の紙間剥離 もしくはインキの層間剥離。
1:インキの層間剥離。
【0088】
〔評価項目2:裏移り性〕
得られた印刷物の印刷面と原紙裏面を重ね合わせ、印刷面裏面からデュポン衝撃試験機で、高さ30cmら荷重200gの重りを試験片へ落下させ、原紙裏面への色落ち具合を目視判定した。
(評価基準)
5:インキ取られなし
4:2割程度インキが取られる
3:3割程度インキが取られる
2:半分程度インキが取られる
1:8割以上インキが取られる
【0089】
〔評価項目3:経時安定性〕
各リキッド印刷インキの原液を室温と40℃恒温槽に4週間保管し、初期粘度との比較を離合社製ザーンカップ#4を用いて行った。
(評価基準)
5:経時粘度が初期粘度の1.2倍以下
4:経時粘度が初期粘度の1.3倍以下
3:経時粘度が初期粘度の1.7倍以下
2:経時粘度が初期粘度の2.0倍以下
1:経時粘度が初期粘度の3.0倍以上
【0090】
〔評価項目4:ラミネート強度〕
ラミネート加工した印刷物を1.5cmにカットし、テンシロン引張強度測定器にて、剥離速度300mm/min、剥離角度90度の条件で強度を測定した。単位(gf/15mm幅)
併せて強度測定後の剥離界面も目視で判定した。
剥離は紙層の中で紙間剥離する事が好ましく、インキ凝集剥離や、シーラントとインキの間で剥離する現象は好ましくない。
(評価基準)
5:剥離強度190gf/15mm幅以上 フィルムが破断、もしくは基材(原紙)の紙間剥離が見られる。
4:剥離強度161gf/15mm幅以上 190gf/15mm幅未満
3:剥離強度131gf/15mm幅以上 160gf/15mm幅未満
2:剥離強度101gf/15mm幅以上 130gf/15mm幅未満
1:シーラントとインキの間で剥離(S/I)やインキ凝集破壊(I/I)が生じ、剥離強度100gf/15mm幅未満
【0091】
各紅色リキッド印刷インキの配合、各樹脂、チタンキレートのインキ固形分に対する質量%、及び評価結果を表1~3に示す。 混合溶剤以外は固形分の質量部を示す。
尚、表中の空欄は未配合を示す。
【0092】
【0093】
【0094】
【0095】
表2、3のラミネート強度の剥離部分について、I/Iはインキ凝集破壊、S/Iはシーラントとインキの間で剥離している事を示す。
【0096】
以上の結果から、本発明のリキッド印刷インキは、密着性、経時安定性、耐裏移り性に優れ、印刷物にラミネート加工を施した積層体のラミネート強度は優れる結果となった。