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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023087917
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】梱包陳列兼用箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/52 20060101AFI20230619BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
B65D5/52 K
B65D5/42 G
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202473
(22)【出願日】2021-12-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 販売日 令和3年9月14日 販売先 有限会社味源(香川県仲多度郡まんのう町1019-16)
(71)【出願人】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100130513
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 直也
(74)【代理人】
【識別番号】100074206
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 文二
(74)【代理人】
【識別番号】100130177
【弁理士】
【氏名又は名称】中谷 弥一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100117400
【弁理士】
【氏名又は名称】北川 政徳
(74)【代理人】
【識別番号】100161746
【弁理士】
【氏名又は名称】地代 信幸
(74)【代理人】
【識別番号】100166796
【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 雅至
(72)【発明者】
【氏名】松木 博嗣
【テーマコード(参考)】
3E060
【Fターム(参考)】
3E060AA03
3E060AB05
3E060BA03
3E060BC02
3E060CB16
3E060CB24
3E060CE04
3E060CE07
3E060CE14
3E060CE15
3E060CE18
3E060CE19
3E060CE22
3E060CF03
3E060CF05
3E060CG03
3E060CG13
3E060DA14
3E060DA17
3E060DA22
3E060EA06
(57)【要約】
【課題】梱包状態から陳列状態に容易に変形して、陳列状態の形状を維持できる梱包陳列兼用箱を提供する。
【解決手段】外フラップ5の巻込部13を中折線11に沿って折り曲げ、対向する内フラップ4の間の開口部を介して内側へ巻き込むと、突片部14aが起き上がり、内フラップ4を回避するように抜止片14が撓み、外板部12と巻込部13とで抱込片8が抱き込まれ、抜止片14の撓みが復元すると、突片部14aが内フラップ4に沿い、巻込部13が対向する内フラップ4の間から抜け止めされ、ロック部9と抜止片14とを係合させることにより、外フラップ5の折り曲げに伴う巻込部13の反発が抑制されて、外板部12が内フラップ4の外面に沿った状態で固定されるものとする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁を形成する各一対の端壁(1)及び側壁(2)に内フラップ(4)及び外フラップ(5)がそれぞれ連設され、前記端壁(1)及び前記側壁(2)からそれぞれ折り曲げた前記内フラップ(4)と外フラップ(5)とを重ね合わせて封緘することにより梱包状態とし、前記内フラップ(4)と前記外フラップ(5)の重合面を開いて正面側へ向けることにより陳列状態とする梱包陳列兼用箱において、
前記内フラップ(4)には、先端縁の一部が突出した抱込片(8)が設けられると共に、前記抱込片(8)の根元に近接して可撓性を有するロック部(9)が設けられ、
前記外フラップ(5)には、幅方向に延びる中折線(11)を介して基部側に外板部(12)が、先端側に巻込部(13)がそれぞれ設けられ、前記巻込部(13)の両側は、前記外フラップ(5)の両端から前記中折線(11)への切込により形成された抜止片(14)とされ、前記抜止片(14)は、前記中折線(11)の側端から前記外板部(12)へ切れ込んだ突片部(14a)を有し、
梱包状態から陳列状態への変形に際しては、前記外フラップ(5)を開いて、対向する前記内フラップ(4)の間に収納物が見える開口部を形成し、
前記外フラップ(5)の巻込部(13)を前記中折線(11)に沿って折り曲げ、前記開口部を介して前記内フラップ(4)の内側へ巻き込むと、前記突片部(14a)が起き上がり、前記内フラップ(4)を回避するように前記抜止片(14)が撓み、前記外板部(12)と前記巻込部(13)とで前記抱込片(8)が抱き込まれ、
前記抜止片(14)の撓みが復元すると、前記突片部(14a)が前記内フラップ(4)に沿い、前記巻込部(13)が対向する前記内フラップ(4)の間から抜け止めされ、
この状態で、前記ロック部(9)と前記抜止片(14)とを係合させることにより、前記外フラップ(5)の折り曲げに伴う前記巻込部(13)の反発が抑制されて、前記外板部(12)が前記内フラップ(4)の外面に沿った状態で固定されることを特徴とする梱包陳列兼用箱。
【請求項2】
前記ロック部(9)は、前記内フラップ(4)に切込(10)を入れることにより形成され、
陳列状態への変形時に、前記ロック部(9)を押し込み、又は、前記切込(10)に前記抜止片(14)を差し込むことにより、前記ロック部(9)が前記抜止片(14)に係合して、前記巻込部(13)の反発が抑制されることを特徴とする請求項1に記載の梱包陳列兼用箱。
【請求項3】
前記外フラップ(5)における陳列状態での前記外板部(12)の高さ方向の寸法は、前記巻込部(13)の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、
陳列状態では、前記巻込部(13)の先端が底側となる前記側壁(2)に達することなく、前記ロック部(9)と前記抜止片(14)との係合により、前記巻込部(13)の反発が抑制されることを特徴とする請求項1又は2に記載の梱包陳列兼用箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品の輸送のための梱包と、店頭での陳列に兼用する段ボール等の厚紙を材料とした箱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、本出願人は、図12に示すように、周壁を形成する各一対の端壁51及び側壁52にそれぞれ連設された内フラップ53と外フラップ54とを重ね合わせて封緘することにより梱包状態とし、図13に示すように、内フラップ53と外フラップ54の重合面を開いて、その面を正面側へ向けることにより陳列状態とする梱包陳列兼用箱を提案している(下記特許文献1参照)。
【0003】
この梱包陳列兼用箱の一対の内フラップ53には、スリット状の差込穴55が設けられており、陳列時に正面下側となる外フラップ54には、幅方向に延びる先折線56及び中折線57が先端側と根元側とに順次配置され、先折線56からの切込により両側端部に差込片58が設けられている。
【0004】
上記のような梱包陳列兼用箱を梱包状態から陳列状態に変形する際には、外フラップ54を開いて、内フラップ53の間に収納物が見える開口部を形成し、向きを変えて下側となった外フラップ54を内フラップ53の外側で先折線56及び中折線57に沿って巻き込むように折り曲げ、外フラップ54の先折線56より先端側の部分を内フラップ53の表面に沿わせると共に、先折線56から突出した差込片58を内フラップ53の差込穴55に差し込んで、外フラップ54の巻込状態を維持する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第6035000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような梱包陳列兼用箱では、梱包状態から陳列状態への変形に際し、スリット状の差込穴55に差込片58を差し込む作業が難しく、また、差込穴55等が単純な形状であれば、陳列状態で外フラップ54の折り曲げが反発で戻る恐れもある。
【0007】
そこで、この発明は、梱包状態から陳列状態に容易に変形して、陳列状態の形状を維持できる梱包陳列兼用箱を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記のような課題を解決するため、この発明は、周壁を形成する各一対の端壁及び側壁に内フラップ及び外フラップがそれぞれ連設され、前記端壁及び前記側壁からそれぞれ折り曲げた前記内フラップと前記外フラップとを重ね合わせて封緘することにより梱包状態とし、前記内フラップと前記外フラップの重合面を開いて正面側へ向けることにより陳列状態とする梱包陳列兼用箱において、
前記内フラップには、先端縁の一部が突出した抱込片が設けられると共に、前記抱込片の根元に近接して可撓性を有するロック部が設けられ、
前記外フラップには、幅方向に延びる中折線を介して基部側に外板部が、先端側に巻込部がそれぞれ設けられ、前記巻込部の両側部分は、前記外フラップの両端から前記中折線への切込により形成された抜止片とされ、前記抜止片は、前記中折線の側端から前記外板部へ切れ込んだ突片部を有し、
梱包状態から陳列状態への変形に際しては、前記外フラップを開いて、対向する前記内フラップの間に収納物が見える開口部を形成し、
前記外フラップの巻込部を前記中折線に沿って折り曲げ、前記開口部を介して前記内フラップの内側へ巻き込むと、前記突片部が起き上がり、前記内フラップを回避するように前記抜止片が撓み、前記外板部と前記巻込部とで前記抱込片が抱き込まれ、
前記抜止片の撓みが復元すると、前記突片部が前記内フラップに沿い、前記巻込部が対向する前記内フラップの間から抜け止めされ、
この状態で、前記ロック部と前記抜止片とを係合させることにより、前記外フラップの折り曲げに伴う前記巻込部の反発が抑制されて、前記外板部が前記内フラップの外面に沿った状態で固定されるものとしたのである。
【0009】
また、前記ロック部は、前記内フラップに切込を入れることにより形成され、
陳列状態への変形時に、前記ロック部を押し込み、又は、前記切込に前記抜止片を差し込むことにより、前記ロック部が前記抜止片に係合して、前記巻込部の反発が抑制されるものとしたのである。
【0010】
また、前記外フラップにおける陳列状態での前記外板部の高さ方向の寸法は、前記巻込部の高さ方向の寸法よりも大きく設定され、
陳列状態では、前記巻込部の先端が底側となる前記側壁達することなく、前記ロック部と前記抜止片との係合により、前記巻込部の反発が抑制されものとしたのである。
【発明の効果】
【0011】
この発明に係る梱包陳列兼用箱では、店頭での陳列作業に際し、外フラップの巻込部を対向する内フラップの間の開口部の内側へ巻き込み、ロック部と抜止片とを係合させるだけで、抜止片の突片部が起き上がって内フラップに沿い、巻込部が対向する内フラップの間から抜け止めされ、外板部が内フラップに沿ってしっかりと固定される。
【0012】
このため、小売店の店頭において、容易に分かりやすい手順で梱包状態から陳列状態に変形することができ、変形作業にあまり習熟する必要もなく、店舗従業者の陳列作業の負荷を軽減することができる。
【0013】
また、陳列時に内部の商品が正面側から順次抜き取られても、内フラップのロック部と外フラップの巻込部の抜止片とが係合しているので、巻込部の折り曲げが反発で戻ることがなく、陳列状態の形状を維持できる。
【0014】
そのほか、陳列状態で、巻込部の先端が底面側の側壁に届かなくても、内フラップのロック部と外フラップの両側の抜止片とが係合して、巻込部の反発による戻りが抑制されるので、巻込部を短く設定できる。
【0015】
また、正面の下側となった外フラップの外板部の幅方向中間部には、巻込部をロックするための切欠部等がなく、外板部の平坦な表面に商品をPRするデザインを施すことができるので、優れた訴求効果が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1】この発明の第1実施形態に係る梱包陳列兼用箱のブランクを示す図
図2】同上の梱包状態を示す斜視図
図3】同上の陳列状態への変形過程を示す斜視図
図4】同上の陳列状態への変形過程を示す斜視図
図5】同上の陳列状態を示す斜視図
図6】この発明の第2実施形態に係る梱包陳列兼用箱のブランクを示す図
図7】同上の陳列状態を示す斜視図
図8】この発明の第3実施形態に係る梱包陳列兼用箱のブランクを示す図
図9】同上の陳列状態を示す斜視図
図10】この発明の第4実施形態に係る梱包陳列兼用箱のブランクを示す図
図11】同上の陳列状態を示す斜視図
図12】特許文献1に記載の梱包陳列兼用箱の梱包状態を示す斜視図
図13】同上の陳列状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
<第1実施形態>
(概要)
この発明の第1実施形態に係る梱包陳列兼用箱は、図1に示すような段ボール製ブランクから組み立てられ、図2に示す形態で商品を梱包し、図5に示す形態で商品を陳列するものである。
【0018】
(ブランク)
図1に示すブランクの状態では、段ボールの中しんの段頂が延びる段目方向が上下方向に向けられており、各一対の端壁1及び側壁2が交互に連設され、一方の側壁2の外側辺に継代片3が連設されている。端壁1及び側壁2の上辺には、それぞれ内フラップ4及び外フラップ5が連設され、端壁1及び側壁2の下辺には、それぞれ内フラップ6及び外フラップ7が連設されている。
【0019】
ここで、コルゲーターによる製造上、各一対の端壁1及び側壁2の上辺の内フラップ4及び外フラップ5との境界の罫線は一直線上に揃っており、各一対の端壁1及び側壁2の下辺の内フラップ6及び外フラップ7との境界の罫線も一直線上に揃っている。
【0020】
このブランクの上部側の一対の内フラップ4は、陳列時に下方となる部分の抱込片8を残して大きく切り欠かれている。これにより、陳列時に内フラップ4の先端縁間に開口部が形成されるようになっている。
【0021】
内フラップ4の抱込片8の根元に近接する部分には、ロック部9が設けられている。ロック部9は、切込10を入れることにより形成され、切込10は、内フラップ4の切り欠かれた端縁から基部へ向かい抱込片8から離れる方向へL字状に曲がっている。
【0022】
陳列時に正面下方となる外フラップ5には、幅方向に延びる中折線11が入れられている。中折線11は、僅かな間隔をあけて2本平行し、段ボールを裏面から押圧した押罫とされている。2本の中折線11に挟まれた部分は、外フラップ5を折り曲げた陳列状態で額縁状をなし、箱の強度を高めると共に、見栄えを向上させる。
【0023】
この外フラップ5の中折線11より基部側には外板部12が設けられ、先端側には巻込部13が設けられている。巻込部13の両側は、外フラップ5の両端から中折線11への切込により形成された抜止片14とされ、抜止片14は、中折線11の側端から外板部12へ切れ込んだ突片部14aを有し、突片部14aの内側縁は、円弧状となっている。
【0024】
また、陳列時に天面となる側壁2には、切目線を入れて上方の外フラップ5に連なる切取部15が形成されると共に、陳列時に後方となる切取部15の端縁中央部に切目線を入れて指入部16が形成されている。
【0025】
そのほか、端壁1の上部には、開封用として、指入部17及びその上端に臨む摘み部18がミシン目状の切目線を入れて形成されている。
【0026】
(折曲糊付工程)
このようなブランクは、各一対の端壁1及び側壁2を対角の稜部に位置する2本の罫線に沿って折り重ね、継代片3を反対側の端壁1の内面に貼り付けた偏平状態として、商品発送業者へ提供される。
【0027】
(梱包過程)
そして、商品発送業者が上記ブランクを組み立てて商品を梱包する際には、図2に示すように、各一対の端壁1及び側壁2から角筒状の周壁を形成し、下方の各一対の内フラップ6及び外フラップ7を折り重ね、テープ19で底面を閉じた状態に固定し、天面の開口から商品を箱内に収納する。
【0028】
その後、上方の各一対の内フラップ4及び外フラップ5を折り重ねて、テープ19で天面を閉じた状態に封緘する。このとき、天面を閉じるテープ19の端部が摘み部18に被さるようにする。そして、このような梱包状態で小売事業者の店頭へ発送する。
【0029】
なお、この梱包状態において、天面の内フラップ4と外フラップ5の基部の罫線及び底面の内フラップ6と外フラップ7の基部の罫線は、それぞれ一直線上に揃っているため、外フラップ5,7に作用する反発は大きなものとなる。
【0030】
(陳列状態への変形)
一方、小売事業者が店頭で商品を陳列する際には、指入部17を押し込み、摘み部18を摘んで端壁1から切り取り、テープ19を引き剥がして開封し、図3に示すように、側壁2を指入部16に指を入れて上方へ引っ張ることにより、切目線を破断させて切取部15を切り取ると共に、切取部15に繋がった外フラップ5を除去する。これにより、切取部15を切り取った側壁2から対向する内フラップ4の間にかけて開口部が形成される。
【0031】
次に、図4に示すように、外フラップ5の巻込部13を中折線11に沿って折り曲げ、上述のように形成された開口部を介し対向する内フラップ4の内側へ巻き込むと、突片部14aが起き上がり、内フラップ4を回避するように巻込部13から両側の抜止片14が撓み、外板部12と巻込部13とで内フラップ4の抱込片8が抱き込まれる。
【0032】
そして、図5に示すように、抜止片14の撓みが復元すると、突片部14aが内フラップ4に沿い、巻込部13が対向する内フラップ4の間から抜け止めされるので、この状態で、ロック部9を突片部14aの裏側へ押し込んで、ロック部9と抜止片14とを係合させる。これにより、外フラップ5の折り曲げに伴う巻込部13の反発が抑制され、外板部12が内フラップ4の外面に沿った状態で固定される。その後、梱包陳列兼用箱を90°倒して、開口部を有する内フラップ4と外フラップ5の重合面を正面側へ向け、外板部12が表面となった外フラップ5が下方となるようにする。
【0033】
(効果)
このように、上記梱包陳列兼用箱では、店頭での陳列作業に際し、外フラップ5の巻込部13を対向する内フラップ4の間に形成された開口部の内側へ巻き込み、ロック部9と抜止片14とを係合させるだけで、抜止片14の突片部14aが起き上がって内フラップ4に沿い、巻込部13が対向する内フラップ4の間から抜け止めされ、外板部12が内フラップ4に沿ってしっかりと固定される。
【0034】
このため、小売店の店頭において、容易に分かりやすい手順で梱包状態から陳列状態に変形することができ、変形作業にあまり習熟する必要もなく、店舗従業者の陳列作業の負荷を軽減することができる。
【0035】
また、陳列時に内部の商品が正面側から順次抜き取られても、内フラップ4のロック部9と外フラップ5の巻込部13の抜止片14とが係合しているので、巻込部13の折り曲げが反発で戻ることがなく、陳列状態の形状を維持できる。
【0036】
そのほか、陳列状態で、巻込部13の先端が底面側の側壁2に届かなくても、内フラップ4のロック部9と外フラップ5の両側の抜止片14とが係合して、巻込部13の反発による戻りが抑制されるので、巻込部13を短く設定できる。
【0037】
また、正面の下側となった外フラップ5の外板部12の幅方向中間部には、巻込部13をロックするための切欠部等がなく、外板部12の平坦な表面に商品をPRするデザインを施すことができるので、優れた訴求効果が期待できる。
【0038】
<第2実施形態>
次に、この発明の第2実施形態を図6及び図7に基づいて説明する。なお、ここでは、主として上記第1実施形態とは異なる特徴部分に言及するに留める。
【0039】
この梱包陳列兼用箱のブランクでは、図6に示すように、外フラップ5の巻込部13の両側の抜止片14の先端角部が、斜め方向の折目線で区画されて差込部14bとされている。また、内フラップ4の抱込片8の根元に近接する部分には、斜辺が折目線となった中割れ三角状のロック部9が切込10を入れることにより形成されている。
【0040】
上記ブランクから成る梱包陳列兼用箱は、上記第1実施形態のものと同様、偏平状態で商品を発送する商品発送業者へ提供され、商品発送業者により組み立てられて商品が収納され、梱包状態として小売事業者の店頭へ発送される。
【0041】
そして、小売事業者が店頭で商品を陳列する際には、図7に示すように、側壁2から対向する内フラップ4の間にかけて開口部を形成し、外フラップ5の抜止片14を撓ませつつ、巻込部13を中折線11に沿って折り曲げ、開口部を介し内フラップ4の内側へ巻き込み、抜止片14の撓みが復元した後、斜め方向の折目線に沿って折り曲げた差込部14bを切込10に差し込んで、ロック部9と抜止片14とを係合させる。
【0042】
このような第2実施形態に係る梱包陳列兼用箱でも、店頭での陳列作業に際し、容易に分かりやすい手順で陳列状態とすることができ、陳列状態の形状を確実に維持することができる。そして、外板部12の平坦な表面に商品をPRするデザインを施すことができるので、優れた訴求効果が期待できる。
【0043】
<第3実施形態>
次に、この発明の第3実施形態を図8及び図9に基づいて説明する。なお、ここにおいても、主として上記第1実施形態とは異なる特徴部分に言及するに留める。
【0044】
この梱包陳列兼用箱のブランクでは、図8に示すように、内フラップ4の抱込片8の根元に近接する部分に、先広がりの舌片をなすロック部9が切込10を入れることにより設けられている。また、外フラップ5の巻込部13の両側の抜止片14には、ロック部9の根元部分と略同じ幅の押込部を形成するようにコ字状の切込14cが入れられている。
【0045】
上記ブランクから成る梱包陳列兼用箱は、上記第1実施形態のものと同様、偏平状態で商品を発送する商品発送業者へ提供され、商品発送業者により組み立てられて商品が収納され、梱包状態として小売事業者の店頭へ発送される。
【0046】
そして、小売事業者が店頭で商品を陳列する際には、図9に示すように、側壁2から対向する内フラップ4の間にかけて開口部を形成し、外フラップ5の抜止片14を撓ませつつ、巻込部13を中折線11に沿って折り曲げ、開口部を介し内フラップ4の内側へ巻き込み、抜止片14の撓みが復元した後、ロック部9を切込14cの内側に押し込んで、ロック部9と抜止片14とを係合させる。
【0047】
このような第3実施形態に係る梱包陳列兼用箱でも、店頭での陳列作業に際し、容易に分かりやすい手順で陳列状態とすることができ、陳列状態の形状を確実に維持することができる。そして、外板部12の平坦な表面に商品をPRするデザインを施すことができるので、優れた訴求効果が期待できる。
【0048】
<第4実施形態>
次に、この発明の第4実施形態を図10及び図11に基づいて説明する。なお、ここにおいても、主として上記第1実施形態とは異なる特徴部分に言及するに留める。
【0049】
この梱包陳列兼用箱のブランクでは、図10に示すように、内フラップ4の抱込片8の根元に近接する部分に位置するロック部9が、内フラップ4の基部罫線に直交する方向に延びる切目と、その両端に直交する切目とから成るH字状の切込10とを入れることにより形成されている。また、外フラップ5の巻込部13の両側の抜止片14には、突片部14aの先端縁から突出する突起14dが設けられている。
【0050】
上記ブランクから成る梱包陳列兼用箱は、上記第1実施形態のものと同様、偏平状態で商品を発送する商品発送業者へ提供され、商品発送業者により組み立てられて商品が収納され、梱包状態として小売事業者の店頭へ発送される。
【0051】
そして、小売事業者が店頭で商品を陳列する際には、図11に示すように、側壁2から対向する内フラップ4の間にかけて開口部を形成し、外フラップ5の抜止片14を撓ませつつ、巻込部13を中折線11に沿って折り曲げ、開口部を介し内フラップ4の内側へ巻き込み、抜止片14の撓みが復元した後、抜止片14の突起14dを切込10に差し込んで、ロック部9と抜止片14とを係合させる。
【0052】
このような第4実施形態に係る梱包陳列兼用箱でも、店頭での陳列作業に際し、容易に分かりやすい手順で陳列状態とすることができ、陳列状態の形状を確実に維持することができる。そして、外板部12の平坦な表面に商品をPRするデザインを施すことができるので、優れた訴求効果が期待できる。
【0053】
<その他>
なお、上記実施形態では、ロック部9が内フラップ4に切込10を入れることにより形成され、梱包状態から陳列状態への変形時に、ロック部9を押し込み、又は、切込10に外フラップ5の抜止片14を差し込むことにより、ロック部9が抜止片14に係合して、巻込部13の反発が抑制されるものを例示したが、内フラップ4と外フラップの抜止片14とは、他の手段により係合させるようにしてもよい。
【0054】
また、各一対の端壁1及び側壁2が四角筒状の周壁を形成するものを例示したが、隣り合う端壁1と側壁2の間に面取部が形成され、周壁が六角筒状や八角筒状となるようなものとしてもよい。
【0055】
また、梱包状態から陳列状態への変形に際し、外フラップ5を開いて、対向する内フラップ4の間に商品が見える開口部を形成した後、梱包陳列兼用箱を90°倒す作業手順を例示したが、先に梱包陳列兼用箱を90°倒して、内フラップ4と外フラップ5の重合面を正面側へ向けた後、外フラップ5を開いて、対向する内フラップ4の間に商品が見える開口部を形成するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 端壁
2 側壁
3 継代片
4,6 内フラップ
5,7 外フラップ
8 抱込片
9 ロック部
10 切込
11 中折線
12 外板部
13 巻込部
14 抜止片
14a 突片部
14b 差込部
14c 切込
14d 突起
15 切取部
16,17 指入部
18 摘み部
19 テープ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13