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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088060
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】包装用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/06 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B65D43/06 200
B65D43/06 ZBP
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202689
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】390041058
【氏名又は名称】シーピー化成株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000707
【氏名又は名称】弁理士法人市澤・川田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大石 修嗣
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA05
3E084AA14
3E084AA24
3E084AB01
3E084AB10
3E084CA03
3E084CC03
3E084CC10
3E084DA03
3E084DB13
3E084DC03
3E084FA09
3E084FC03
3E084GA08
3E084GB12
3E084JA10
3E084JA19
3E084LD30
(57)【要約】
【課題】密閉性を確保しながら、収容物の嵌合物への侵入を防ぐことができるようにした包装用容器を提供する。
【解決手段】包装用容器は、容器本体2と、それに嵌合させて開口部を被覆する透明な蓋体3とを備え、容器本体2には、外縁付近に、上向きに突出する嵌合部24を本体全周に設け、嵌合部24に対して容器本体内側に位置する、水平面状の上縁面部25を備え、蓋体3には、側壁面部32の下端部から外向きに水平状に張り出す鍔部33を設け、鍔部33の外縁付近に、上向きに突出して嵌合部24と嵌合する被嵌合部34を備え、被嵌合部34に対して蓋体内側に位置し、容器本体2に蓋体3を嵌合させた際に、上縁面部25の容器本体内側の縁部25aの上方付近に配される、上向きに膨出する凸条部35を蓋体全周に又は蓋体周方向に間隔を開けて設けたことを特徴とする。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体と、それに嵌合させて開口部を被覆する透明な蓋体とを備えた包装用容器であって、
該容器本体には、外縁付近に、上向きに突出する嵌合部を本体全周に設け、該嵌合部に対して容器本体内側の位置に、水平面状の上縁面部を備え、
該蓋体には、側壁面部の下端部から外向きに水平状に張り出す鍔部を設け、該鍔部の外縁付近に、上向きに突出して該嵌合部と嵌合する被嵌合部を備え、該被嵌合部に対して蓋体内側に位置し、該容器本体に該蓋体を嵌合させた際に、該上縁面部の容器本体内側の縁部の上方付近に配される、上向きに膨出する凸条部を蓋体全周に又は蓋体周方向に間隔を開けて設けた、包装用容器。
【請求項2】
前記容器本体に前記蓋体を嵌合させた際に、前記鍔部と前記上縁面部とが接しないようにした請求項1に記載の包装用容器。
【請求項3】
前記被嵌合部の高さを前記凸条部の高さよりも高くした請求項1又は2に記載の包装用容器。
【請求項4】
前記凸条部を断面三角形状とした請求項1~3のいずれかに記載の包装用容器。
【請求項5】
前記蓋体の前記側壁面部を傾斜面状とし、その傾斜角度を前記凸条部の傾斜角度とは相違させた請求項4に記載の包装用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓋体を容器本体に嵌合する際に、嵌合部への収容物の侵入を防ぐことができる包装用容器に関する。
【背景技術】
【0002】
薄肉樹脂シート製容器が普及しており、例えば、小売店においては弁当や総菜などの食料品を包装するのに用いられている。
このような容器は、蓋体を容器本体に嵌め合わせ、容器本体の開口部を覆い、ほこりなどが収容物に付着するのを防ぐともに内部の収容物が漏出しないように密封できるものが多い。
【0003】
薄肉樹脂シート製容器における蓋体と容器本体との嵌合構造としては様々な構造があるが、外嵌合構造、内嵌合構造、内外嵌合構造などが一般的に知られている。このなかでも、内嵌合構造又は内外嵌合構造は、嵌合部が密着して嵌合力があるため、蓋体が外れにくく密閉性に優れており、比較的長時間に渡り陳列する総菜などの容器に多く採用されている。
【0004】
内嵌合構造又は内外嵌合構造の容器は、嵌合する際に、はみ出した収容物を嵌合部に挟み込んでしまったまま嵌合してしまうことがある。そのようなときには嵌合部が密着するため収容物を押し潰してしまい、陳列した際や開封した際に、それが目に付き、印象がよくなく、食欲を減衰させてしまうことがあった。
【0005】
そのような課題に対して、例えば、下記特許文献1に示されるように、『側壁の上部に嵌合突条を周設した容器本体と、前記嵌合突条に嵌合される嵌合凹条を周設した蓋体とからなる内外嵌合型の包装用容器であって、前記容器本体の底面から前記嵌合突条に至る前記側壁に、前記蓋体側の当接平面が当接することになる当該容器本体側の当接平面の一部を残しながら、前記蓋体側の当接平面の当接を回避する傾斜面を形成したことを特徴とする内外嵌合型の包装用容器』が開発され、密閉性を確保しながら、収納物の噛み込みをも防止することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007-176507号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記特許文献1の容器は、収容物の噛み込みを防止できるようにしてあるが、小売店などで販売する総菜などは、大量に迅速に生産しなければならない。そのため、総菜などを容器に収容する工程において、嵌合部への侵入は一定の割合では生じてしまうものであった。特に、内嵌合構造や内外嵌合構造の容器は、蓋体の外縁付近に嵌合部が立ち上がるように設けてあるため、この付近にある収容物が見えにくく、嵌合部への収容物の侵入が発生しやすいものであった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、密閉性を確保しながら、嵌合部への収容物の侵入の発生を防ぐことができるようにした包装用容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態の包装用容器は、容器本体と、それに嵌合させて開口部を被覆する透明な蓋体とを備えた包装用容器であって、該容器本体には、外縁付近に、上向きに突出する嵌合部を本体全周に設け、該嵌合部に対して容器本体内側の位置に、水平面状の上縁面部を備え、該蓋体には、側壁面部の下端部から外向きに水平状に張り出す鍔部を設け、該鍔部の外縁付近に、上向きに突出して該嵌合部と嵌合する被嵌合部を備え、該被嵌合部に対して蓋体内側に位置し、該容器本体に該蓋体を嵌合させた際に、該上縁面部の容器本体内側の縁部の上方付近に配される、上向きに膨出する凸条部を蓋体全周に又は蓋体周方向に間隔を開けて設けたことを特徴とする。
【0010】
上記形態の包装用容器は、蓋体を容器本体に嵌合する際に、収容物が容器本体内を揺れ動いたとしても周壁面部沿いに移動し、上縁面部の縁部から上方に舞い上がって凸条部内へ収容物が入り込み、凸条部により堰き止められるため、嵌合部及び被嵌合部へ収容物が侵入することを防ぎ、噛み込みが発生しにくくなる。凸条部を蓋体全周に設ければ、凸条部に収まった収容物が周方向へと分散でき、より嵌合部への侵入の発生を防ぐことができる。このような観点から、流動性のある収容物、例えば、ポテトサラダ、汁物などに対して効果を発揮することができる。
【0011】
さらには、蓋体が透明であるため、蓋体を嵌合する際に収容物の配置を確認しやすく、また、凸条部を蓋体の全周に渡って設け、凸条部が容器本体の上縁面部の縁部上方に位置するため、凸条部から外側にはみ出した収容物があることを認識しやすく、収容物の噛み込みを防ぐことができる。凸条部を上向きに膨出させ、それを容器本体の上縁面部の縁部上方に配したため、凸条部により隙間ができ、蓋体の鍔部と上縁面部との間における挟持力が弱まり、収容物が挟まれにくくなる。
【0012】
上記形態の包装用容器は、前記容器本体に前記蓋体を嵌合させた際に、前記鍔部と前記上縁面部とが接しないようすることが好ましい。
このようにすることにより、鍔部と上縁面部との間に隙間ができ、この間に収容物が挟み込まれにくくなる。
【0013】
上記形態の包装用容器は、前記被嵌合部の高さを前記凸条部の高さよりも高くするのが好ましい。
このようにすることにより、容器を小売店などで陳列した際には、凸条部が被嵌合部に遮られて視認されにくくなり、容器の外観印象を良好にすることができる。
【0014】
上記形態の包装用容器は、前記凸条部を断面三角形状とするのが好ましく、この場合、前記蓋体の前記側壁面部を傾斜面状とし、その傾斜角度を前記凸条部の傾斜角度とは相違させるのが好ましい。
このようにすることにより、購買者が容器の内部を確認するために側壁面部を覗くと、凸条部の傾斜角度が異なるため反射などにより凸条部付近の内部が視認されにくくなり、この付近の内部を隠すことができ、購買者が収容物に注視するようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態の包装用容器を示し、開蓋状態での容器本体及び蓋体の斜視図である。
図2図1の包装用容器の容器本体及び蓋体の正面図である。
図3図1の包装用容器の容器本体の平面図である。
図4図1の包装用容器の蓋体の平面図である。
図5図1の包装用容器における閉蓋状態での嵌合部付近の部分拡大端面図である。
図6図1の包装用容器において、蓋体の側壁面部と凸条部との関係を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の包装用容器の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
本発明の一実施形態の包装用容器1は、図1又は図2に示すとおり、容器本体2と、容器本体2に嵌合して開口部2aを被覆する蓋体3とを備える。
包装用容器1は、薄型扁平状の横長直方体状に形成してあり、特に限定するものではないが、高さ20mm~100mm、長さ50mm~300mm、幅50mm~150mm程度の大きさにすることができ、例えば、総菜、果物、野菜、ご飯類、麺類などの食料品を収容するのに適している。但し、収容物はこれらに限定されるものではない。
【0018】
包装用容器1は、上記形状に限定されるものではなく、例えば、平面視において、円形状、長円形状の他、三角形状、正方形・長方形・平行四辺形などの四角形状、五角形状、六角形状や八角形状などの平面視多角形状にすることができ、平面視多角形状にした場合は角部を丸隅状にするのが好ましい。
【0019】
容器本体2は、図1図3に示すように、浅皿状に形成してあり、底面部21と、底面部21の周囲を下方に凹ませた脚部21aと、底面部21を囲うように配し、上向きに立ち上がる周壁面部22と、周壁面部22の上縁部から容器本体外側に水平面状に張り出す鍔部23と、鍔部23の外縁付近を上向きに突出させた嵌合部24と、を備え、図5に示すように、鍔部23の嵌合部24よりも容器本体内側の水平面状部分を上縁面部25としてある。
【0020】
底面部21は、図1又は図3に示すように、収容物を載せることができる平面視長方形水平面状の載置面21bを備え、その周囲に、一定幅で凹ませ、平面視ロの字状を呈する脚部21aを形成してある。脚部21aは、載置面21bに食料品などを載せた場合には、それから滲出する水分などを貯める貯留部も兼ねることができる。また、脚部21aの一部(載置面21b長辺側の中間付近)は、隆起させた台状部21cとしてあり、その上面には並行状に配した複数の突条部を備える。
【0021】
載置面21bには、突部21dを配してあり、突部21dは平面視において凸レンズ形状を呈するように形成してある。
載置面21bと脚部21aとの境の境界部21eは、容器本体外側に向かい高くなる階段状としてある。
【0022】
周壁面部22は、図5に示すように、断面において、底面部21の周縁から上方に向かいラッパ状に拡開し、上縁部で囲われて形成される開口部2aが平面視丸隅長方形状を呈するようにしてある。
周壁面部22の上縁部には、容器本体外側に水平面状に張り出す鍔部23が設けてある。
【0023】
周壁面部22に、又は周壁面部22から脚部21aの底面にかけて、高さ方向に延びるリブ部22aが複数並行状に設けてあり、容器本体2を補強するようにしてある。リブ部22aは、容器本体内側に向かい三角形状に突出するように形成してあるが、リブ部22aの形状はこれに限定されるものではない。
【0024】
嵌合部24は、図5に示すように、鍔部23の外縁付近を上向きに突出させて下方が開口する断面コの字状としてある。嵌合部24の上側をテーパ状、下側を逆テーパ状とし、後述する被嵌合部34を嵌合できるようにしてある。本実施形態では、嵌合部24及び被嵌合部34を容器本体内側及び外側が係止する内外嵌合構造としてあるが、内側のみが係止する内嵌合構造としてもよい。
【0025】
鍔部23には、嵌合部24よりも容器本体内側に、水平面状の上縁面部25を設けてある。また、図3に示すように、容器本体2の四隅部付近の鍔部23を容器本体外側に延ばした平面視三角形状の摘み部26を設けてある。
【0026】
蓋体3は、図1図2又は図4に示すように、薄型の台形台状に形成してあり、天面部31と、天面部31の周縁から下方に向かう側壁面部32と、側壁面部32の下縁部から蓋体外側に張り出す鍔部33と、鍔部33の外縁付近に設けた、嵌合部24に嵌合する被嵌合部34と、を備える。
【0027】
天面部31は、平面視丸隅長方形状の水平面状にしてある。
側壁面部32は、天面部31の周縁から下方に向かい垂下乃至傾斜する面としてあり、本実施形態では、図5に示すように、上側と下側とで角度の変わる傾斜面としてあり、上側が急斜面、下側が緩斜面になる傾斜角度に形成してある。
側壁面部32には、蓋体3の四隅付近に、隅部に対して両側に、蓋体内側に向けて凹陥させた凹陥部32aが形成してある。
【0028】
鍔部33は、蓋体外側に水平面状に張り出すように形成してある。
被嵌合部34は、図5に示すように、鍔部33の外縁付近を上向きに突出させて下方が開口する断面コの字状として形成してあり、上側をテーパ状、下側を逆テーパ状として嵌合部24に内外嵌合できるようにしてある。
【0029】
鍔部33には、被嵌合部34に対して蓋体内側に、上向きに膨らむ凸条部35が蓋体全周に渡り設けてある。本実施形態では凸条部35を蓋体全周に設けてあるが、これに限定されるものではなく、蓋体周方向に間隔を開けて設けてもよい。この場合、蓋体全周の半分以上の長さを占めるように設けるのが好ましい。
凸条部35は、図5に示すように、蓋体3を容器本体2に嵌合させた際に、上縁面部25の容器本体内側の縁部25aの上方付近に配置されるようにしてある。これにより、蓋体3を容器本体2に嵌合する際に、収容物が容器本体2内を揺れ動いたとしても周壁面部22沿いに移動し、上縁面部25の容器本体内側の縁部25aから上方に舞い上がり、凸条部35内へ収容物が入り込むことになる。凸条部35により収容物が止められ、嵌合部24及び被嵌合部34部分への収容物の侵入を防ぐことができるため、噛み込みが発生しにくくなる。
凸条部35を蓋体全周に設ければ、凸条部35に収まった収容物が周方向へ分散でき、より一層に嵌合部への侵入の発生を防ぐことができる。
【0030】
蓋体3を嵌合する前に、凸条部25を基準として容器本体2の周壁面部22から外側にはみ出した収容物があることを認識しやすく、収容物の嵌合部への侵入を予防し、噛み込みを防ぐことができる。また、凸条部35により、この付近に隙間ができ、鍔部35と上縁面部25とによる挟持力が弱まり、収容物が挟まれにくくなる。
【0031】
凸条部35は、より詳細には、図5に示すように、上縁面部25の容器本体内側の縁部25aの位置(破線A、但しリブ部22bを設けた場合は破線B)よりも凸条部35の蓋体内側縁部(破線C)が蓋体内側に位置するようにするのが好ましい。
【0032】
凸条部35は、被嵌合部34の高さを凸条部35の高さよりも高くするのが好ましい。これにより、容器外側から視認した際に凸条部35が被嵌合部34により隠れ、容器1を陳列した際に凸条部35が視認されにくく、容器の美観を損なうことがない。
【0033】
凸条部35は、形状を特に限定するものではなく、断面三角形状、半円状、角状などにすることができる。特に、断面三角形状に形成するのが好ましく、図6に示すように、側壁面部32の傾斜角度(θa)と凸条部35の傾斜角度(θb)とを相違させるのがよい。特に、凸条部35の傾斜角度(θb)を側壁面部32の傾斜角度(θa)よりも緩やかにするのが好ましい。これにより、購買者が容器1の内部を確認するために側壁面部32を覗くと、凸条部35の傾斜角度(θb)が異なるため反射などにより凸条部35付近の内部が視認されにくく、購買者が収容物を注視するようにすることができる。
【0034】
蓋体3を容器本体2に嵌合させた際に、図5に示すように、鍔部33と上縁面部25とが全周に渡り接しない、つまりこれらの間に若干幅の空間Sができるようにするのが好ましい。これにより、鍔部33と上縁面部25との間に隙間ができるため、この間に収容物が挟み込まれにくくなる。
【0035】
以下、容器本体2及び蓋体3の製造方法の一例を説明する。
容器本体2及び蓋体3は、特に限定するものではないが、合成樹脂シートを熱成形して製造することができる。合成樹脂シートは、容器本体2は、薄肉の非発泡樹脂シート、薄肉の発泡樹脂シートのいずれでもよいが、非発泡樹脂シートが好ましく、蓋体3は、非発泡樹脂シートが好ましい。
【0036】
非発泡樹脂シートの場合には、具体的には、厚みが0.1mm~2.0mmの範囲内、特に0.2mm~1.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。
発泡樹脂シートの場合には、厚みが0.5mm~4.0mmの範囲内、特に0.7mm~2.2mmの範囲内のシートを用いるのが好ましい。また、発泡樹脂シートの場合には、発泡倍率を1.05倍~20.0倍、特に1.5倍~15.0倍にするのが好ましい。
【0037】
非発泡樹脂シートとしては、例えば、ポリエチレン系樹脂シート・ポリプロピレン系樹脂シートなどのポリオレフィン系樹脂シート、ポリスチレン系樹脂シート、ポリエチレンテレフタレート系樹脂シート・耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートなどのポリエステル系樹脂シートなどの熱可塑性樹脂シートを用いることができる。また、電子レンジの加熱に耐え得るもの、例えば、耐熱性ポリスチレン系樹脂シート、ポリプロピレン系樹脂シート、耐熱性を付与した変性ポリエチレンテレフタレート系樹脂シートを用いてもよい。
【0038】
発泡樹脂シートとしては、例えば、発泡ポリオレフィン系樹脂シート、発泡ポリスチレン系樹脂シート、発泡ポリエチレンテレフタレートなどの発泡ポリエステル系樹脂シートを用いることができる。
合成樹脂シートを積層した積層シートを用いることもでき、積層シートとしては、例えば、非発泡樹脂シート又は発泡樹脂シートに樹脂フィルムを熱ラミネートした積層シート、共押出法による積層シート、押出ラミネート法による積層シートなどを挙げることができる。
【0039】
非発泡樹脂シート、発泡樹脂シート及び積層シートとして、バイオマスプラスチックを用いてもよい。
バイオマスプラスチックとは、原料として再生可能な有機資源由来の物質を含み,化学的又は生物学的に合成することにより得られる高分子材料をいう。バイオマスプラスチックは、石油由来の樹脂と比して、大気中への二酸化炭素の排出量を抑えることができ、環境への負荷を低減できる。
バイオマスプラスチックとしては、例えば、ポリ乳酸樹脂、バイオマスポリエチレン、バイオマスポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。
【0040】
熱成形としては、真空成形、圧空成形、真空圧空成形、熱板成形などを挙げることができる。
【0041】
容器本体2は、黒色や白色などの有色でもよいが、内部が視認できるように透明乃至半透明であることが好ましい。蓋体3は透明であるのが好ましい。また、容器本体2及び蓋体3の表面に、透明乃至半透明の場合は視認性を妨げない程度に、文字、絵柄などの印刷や刻印を施してもよい。例えば、凸条部35、凸条部35付近の鍔部33に印刷を施せば、凸条部35付近から内部が視認されにくくすることができ、陳列時の美感を損なわない。
さらには、補強のためのリブを適宜位置に設けることや滑り止めのためのシボ加工を施してもよい。
容器本体2及び蓋体3の適宜位置に、立方体乃至直方体状などに膨出させたスタック用突起を設けることもできる。
【0042】
以下、包装用容器1の使用方法の一例を説明する。
包装用容器1は、容器本体2の載置面21bに食料品などの収容物を載せ、蓋体3を容器本体2に被せて上方から押圧し、嵌合部24に被嵌合部34を嵌合させて使用することができる。この際に、蓋体3の凸条部35を基準として、ここからはみ出した収容物がないか確認することができ、なければそのまま蓋体3を押し込むことにより収容物の嵌合部への侵入を防ぎ、噛み込ませずに嵌合させることができる。凸条部35よりもはみ出した収容物があれば、収容物を容器内部に移動させてから嵌合させ、噛み込ませないようにさせることができる。
【0043】
包装用容器1を開蓋するには、例えば、右手の親指と人差し指で容器本体2の摘み部26を摘み、左手の親指と人差し指で蓋体の摘み部36を摘み、本体2側を下方に引きつつ、蓋体3側を上方に引くことにより被嵌合部34を嵌合部24から外すことができる。
【0044】
包装用容器1は、容器本体2に蓋体3を嵌合させた際に、鍔部33と上縁面部25とが接しないようにし、この間に空間Sの隙間ができるようにすれば、収容物が噛み込まれにくくなる。
【0045】
また、被嵌合部34の高さを凸条部35の高さよりも高くすれば、容器1を店頭などに陳列した際に凸条部35が被嵌合部34に隠れて視認されにくくなり、容器1の外観印象がよくなる。
【0046】
さらには、凸条部35を断面三角形状とし、側壁面部32の傾斜角度と相違させることにより、購買者が容器の内部を確認するために側壁面部を覗くと、凸条部の傾斜角度が異なるため反射などにより凸条部内部が認識しにくくなり、この付近にある収容物が視認されにくく、購買者が収容物を注視するようになる。
【0047】
上記実施形態の構成態様は、本発明を限定するものとして挙げたものではなく、技術目的を共通にする限り変更は可能であり、本発明はそのような変更を含むものである。
【符号の説明】
【0048】
1 包装用容器
2 容器本体
2a 開口部
21 底面部
21a 脚部
21b 載置面
21c 台状部
21d 凸部
21e 境界部
22 周壁面部
22a リブ部
23 鍔部
24 嵌合部
25 上縁面部
25a 縁部
26 摘み部
3 蓋体
31 天面部
32 側壁面部
32a 凹陥部
33 鍔部
34 被嵌合部
35 凸条部
36 摘み部
S 空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6