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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088075
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】行動計画作成システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/1057 20230101AFI20230619BHJP
【FI】
G06Q10/10 324
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202715
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000110321
【氏名又は名称】トヨタ車体株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】柳川 雄大
(72)【発明者】
【氏名】田口 洋平
(72)【発明者】
【氏名】重水 隆太
(72)【発明者】
【氏名】高平 正光
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA11
(57)【要約】
【課題】利用者による高い満足度が見込まれる行動計画を作成することのできる行動計画作成システムを提供する。
【解決手段】管理サーバ21は、前情報受信部51と、データベース25と、計画作成部52とを備える。前情報受信部51は、行動計画の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報を受信する。データベース25には、行動計画の作成のための作成用情報と、行動計画の利用後に実施した当該行動計画の利用についてのアンケートの情報とが蓄積されている。計画作成部52は、前情報受信部51により受信した前要望情報と、データベース25に蓄積された作成用情報およびアンケートの情報と、に基づいて行動計画を作成する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動先において仕事をするとともに余暇を取得する行動における行動計画を作成する行動計画作成システムであって、
情報処理を行う管理サーバを備え、
前記管理サーバは、
前記行動計画の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報を受信する前情報受信部と、
前記行動計画の作成のための作成用情報と、前記行動計画の利用後に実施した当該行動計画の利用についてのアンケートの情報と、を蓄積したデータベースと、
前記前情報受信部により受信した前記前要望情報と、前記データベースに蓄積された前記作成用情報および前記アンケートの情報と、に基づいて前記行動計画を作成する計画作成部と、を備える行動計画作成システム。
【請求項2】
前記管理サーバは、
通信ネットワークを介して、利用者端末から送信される前記アンケートの情報を受信するアンケート受信部と、
前記アンケート受信部によって受信した前記アンケートの情報を分析するとともに同分析の結果を前記作成用情報に関連付ける態様で前記データベースに蓄積する情報蓄積部と、を備える
請求項1に記載の行動計画作成システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、通信ネットワークを介して前記アンケートの情報を、当該アンケートの対象である前記行動計画に定められた利用スポットに対応する端末装置に送信するアンケート結果送信部を備える
請求項1または2に記載の行動計画作成システム。
【請求項4】
前記データベースに蓄積される前記作成用情報は、前記移動先における地域体験スポットについての情報を含む
請求項1~3のいずれか一項に記載の行動計画作成システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ワーケーションの行動計画作成システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、観光地やリゾート地において、テレワークを活用して仕事(Work)をしながら、休暇(Vacation)をとる過ごし方、いわゆるワーケーションが提案されている。
【0003】
従来、仕事をする場所や、滞在場所、アクティビティ施設の組み合わせを提案するシステムが提案されている(特許文献1)。このシステムでは、利用者の要望に関する要望情報を取得するとともに、その要望を満たす仕事場所、滞在場所、およびアクティビティ施設の組み合わせが抽出されて利用者に提示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2020/218500号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記システムによれば、利用者の要望に合わせて、ワーケーションの行動計画を提案することはできる。ワーケーションの行動計画を提案するにあたり、利用者の満足度を高めるためには、より多くの要望を反映させた行動計画を作成することが望まれる。ただし、利用者から事前に入手可能な要望情報は有限であるため、この要望情報から利用者の全ての要望(欲求)を汲み取ることは難しい。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための行動計画作成システムは、移動先において仕事をするとともに余暇を取得する行動における行動計画を作成する行動計画作成システムであって、情報処理を行う管理サーバを備え、前記管理サーバは、前記行動計画の利用開始前における利用者の要望に関する前要望情報を受信する前情報受信部と、前記行動計画の作成のための作成用情報と、前記行動計画の利用後に実施した当該行動計画の利用についてのアンケートの情報と、を蓄積したデータベースと、前記前情報受信部により受信した前記前要望情報と、前記データベースに蓄積された前記作成用情報および前記アンケートの情報と、に基づいて前記行動計画を作成する計画作成部と、を備える。
【0007】
上記構成によれば、移動先における仕事と余暇の取得とを含むワーケーションの実行にあたり、行動計画の作成前における利用者の要望を取得するとともに、その要望をもとにワーケーションの行動計画を作成することができる。しかも、行動計画の利用後に実施するアンケートの情報をもとに、実際の「仕事に関する行動」や「余暇に関する行動」に際して得られた「利用者の思い」を抽出して、次回以降の行動計画の作成に反映することができる。このように、利用者に提案するべく作成される行動計画に、事前に取得される利用者の要望を反映させるだけでなく、行動計画の利用後における「利用者の思い」を反映させることができる。これにより、利用者の多くの要望(欲求)を汲み取ることができるため、利用者による高い満足度を見込むことができる。
【0008】
上記行動計画作成システムにおいて、前記管理サーバは、通信ネットワークを介して、利用者端末から送信される前記アンケートの情報を受信するアンケート受信部と、前記アンケート受信部によって受信した前記アンケートの情報を分析するとともに同分析の結果を前記作成用情報に関連付ける態様で前記データベースに蓄積する情報蓄積部と、を備えることが好ましい。
【0009】
上記構成によれば、アンケート結果を利用者から取得する処理と行動計画の作成に反映させる処理とを、自動的に行うことができる。
上記行動計画作成システムにおいて、前記管理サーバは、通信ネットワークを介して前記アンケートの情報を、当該アンケートの対象である前記行動計画に定められた利用スポットに対応する端末装置に送信するアンケート結果送信部を備えることが好ましい。
【0010】
上記構成によれば、利用スポット(仕事場所、アクティビティ、観光スポットなど)の管理者に対して、同利用スポットの運営のために有用なアンケート情報を、利用者による利用スポットの利用の度に送信することができる。これにより、利用スポットの管理者は、アンケートの情報をもとに、利用スポットの利用時における「利用者の思い」を把握することができる。したがって、利用スポットの管理者に対して、同利用スポットの改善や見直しの機会を付与することができる。
【0011】
上記行動計画作成システムにおいて、前記データベースに蓄積される前記作成用情報は、前記移動先における地域体験スポットについての情報を含むことが好ましい。
上記構成によれば、アンケートの結果をもとに、地域に関心のありそうな利用者や移住に関心がありそうな利用者などを対象に、地域体験スポット(就農体験スポットや山村留学体験スポットなど)の利用を提案することができる。これにより、地域への人流の誘導を図りたい自治体と連携してシステムを運営することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、利用者による高い満足度が見込まれる行動計画を作成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】一実施形態の行動計画作成システムに適用される車両の側面図である。
図2】行動計画作成システムの概略構成を示すブロック図である。
図3】前要望情報と行動計画とアンケートの情報との関係を示す表である。
図4】初回利用時における行動計画の一例を説明するための説明図である。
図5】2回目利用時における行動計画の一例を説明するための説明図である。
図6】3回目利用時における行動計画の一例を説明するための説明図である。
図7】4回目利用時における行動計画の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、行動計画作成システムの一実施形態について説明する。
本実施形態の行動計画作成システムは、移動オフィス仕様の車両の貸し出し予約と、同車両を利用する行動についての行動計画の作成および提案とを実行するシステムである。
【0015】
<車両10>
図1に示すように、本実施形態の車両10では、車室の一部が仕事用のスペース(ワークスペース11)になっている。このワークスペース11には、机や椅子の他、電源装置、通信装置、およびプリンタなど、仕事をするうえで必要な機器が設けられている。車両10としては、ワーケーションに利用される車両を想定している。車両10の利用者は、基本的には、車両10を利用して移動するとともに、その移動先(移動中を含む)において車両10のワークスペース11で仕事する。また、車両10での移動先において余暇を取得する。
【0016】
<行動計画作成システム20>
図2に示すように、本実施形態の行動計画作成システム20は、情報処理を実行する管理サーバ21を備えている。管理サーバ21は、携帯電話網やインターネット網などの通信ネットワーク12を介して、外部端末装置30に接続可能になっている。外部端末装置30としては、自治体が所有(または管理)する自治体端末31、ホテルなどの滞在先施設が所有(または管理)する滞在先端末32、利用者が所有(または管理)する利用者端末33などが挙げられる。外部端末装置30としては、パーソナルコンピュータや、スマートフォン、タブレット端末など、任意の情報端末を採用することができる。管理サーバ21は、外部端末装置30との間での情報(詳しくは、データ)の送受信が可能になっている。外部端末装置30と管理サーバ21との間においては、公知の通信プロトコルに従って各種データが送受信される。
【0017】
<管理サーバ21>
管理サーバ21は、通信部22、記憶部23、および演算部24を有している。
通信部22は、通信ネットワーク12を介して、外部端末装置30から管理サーバ21に送信されるデータを受信する機能と、管理サーバ21から外部端末装置30に対してデータを送信する機能とを有している。
【0018】
記憶部23には、データベース25が記憶されている。記憶部23においてデータベース25を記憶する部分としては、例えばデータベースサーバが用いられる。データベース25は、ワーケーションの行動計画PLの作成のための作成用情報Miと、行動計画PLの利用後に実施した同行動計画PLの利用についてのアンケートの情報(アンケート情報Ai)とを蓄積したデータベースである。
【0019】
データベース25に蓄積されている作成用情報Miは、「仕事に関する行動」の各種スポットの情報や、「余暇に関する行動」の各種スポットの情報、作成される行動計画PLなどを含んでいる。作成用情報Miは、具体的には、ダイビングやトレッキング等の各種アクティビティに関する情報、美術館や資料館などの各種観光施設に関する情報、景勝地などの観光スポットに関する情報、レストランなどの飲食店に関する情報を含んでいる。その他、作成用情報Miは、就農体験スポットや山村留学スポット、工場見学スポットなどの地域体験スポットに関する情報、ホテルなどの滞在先施設に関する情報、レンタルオフィスなどの仕事のための施設に関する情報を含んでいる。なお作成用情報Miは、自治体端末31の操作や滞在先端末32の操作などを通じて、任意のタイミングで最新のデータに更新されている。データベース25に蓄積されるアンケート情報Aiは、車両10および行動計画PLを利用した利用者の思い(個人の感想、全体の利用傾向、潜在的な欲求など)が含まれる情報である。このアンケート情報Aiは、車両10および行動計画PLの利用後に、利用者による利用者端末33の操作を通じてアンケート結果が管理サーバ21に送信された場合に更新される。上記アンケート情報Aiの詳細については後述する。
【0020】
また記憶部23には、行動計画PLの作成等に用いるアプリケーションや各種ソフトウェアが記憶されている。記憶部23において、アプリケーションや各種ソフトウェアなどを記憶する部分としては、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などのストレージが用いられる。
【0021】
管理サーバ21の演算部24としては、例えば中央演算処理装置(いわゆるCPU)などが用いられる。この演算部24は、上記記憶部23に記憶されているアプリケーションや各種ソフトウェアをもとに、車両10の利用予約に関する各種処理、および同車両10を利用するワーケーションの行動計画PLの作成に関する各種処理を実行する。
【0022】
管理サーバ21は、機能部として、前情報受信部51、計画作成部52、車両予約部53、アンケート受信部54、情報蓄積部55、アンケート結果送信部56を有している。
<前情報受信部51>
管理サーバ21の前情報受信部51は、利用者が車両10の利用予約を行う際に、利用者端末33の操作を通じて利用者の要望に関する情報(以下、前要望情報Dif)が送信された場合に、同前要望情報Difを受信する。この前要望情報Difは、車両10の利用期間や、出発地、目的地、利用人数、仕事をする時間帯、希望する余暇の種類(どのような場所で何がしたいか)などを含んでいる。前情報受信部51が受信した前要望情報Difは、管理サーバ21の記憶部23に記憶される。
【0023】
本実施形態では、利用者端末33からの前要望情報Difの送信が次のように実行される。利用者は、利用者端末33から管理サーバ21が管理する情報サイトにアクセスするとともに、この情報サイトの入力ページにおいて前要望情報Difを入力する。入力された前要望情報Difは利用者端末33から管理サーバ21に送信される。その他、上記情報サイトから利用者端末33にアプリケーションをダウンロードすることによっても、前要望情報Difの送信は可能になる。この場合には、利用者端末33において上記アプリケーションを実行するとともに、その状態で利用者端末33を操作することで、前要望情報Difを入力する。本実施形態では、管理サーバ21と利用者端末33との間でのデータの送受信は、上記情報サイトやアプリケーションを利用して行われる。
【0024】
<計画作成部52>
管理サーバ21の計画作成部52は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difと、データベース25に蓄積されている作成用情報Miおよびアンケート情報Aiとに基づいて、ワーケーションの行動計画PLを作成する。この行動計画PLの詳細については後に詳述する。本実施形態では、データベース25に記憶されている作成用情報Miの中から前記前要望情報Difおよびアンケート情報Aiに見合う情報(滞在先施設や各種スポットなど)が抽出されるとともに、それら情報が組み合わせられて、行動計画PLは作成される。本実施形態では、前情報受信部51により受信した前要望情報Difと、データベース25に記憶されている作成用情報Miおよびアンケート情報Aiとに基づき行動計画PLを作成するための作成プログラムが予め構築されている。この作成プログラムは管理サーバ21の記憶部23に記憶されている。
【0025】
計画作成部52による行動計画PLの作成は、詳しくは、次のように実行される。
先ず、計画作成部52は、複数の行動計画PL(t)を作成するとともに、それら行動計画PL(t)を利用者端末33に送信する。これにより、利用者端末33の表示画面には、管理サーバ21から受信した複数の行動計画PL(t)が選択ボタンとともに表示される。利用者は、利用者端末33の表示画面において複数の行動計画PL(t)を確認するとともに、そのいずれかを選択するべく選択ボタンを操作する。利用者によって選択ボタンが操作されると、選択信号が利用者端末33から送信されるとともに管理サーバ21の計画作成部52に受信される。計画作成部52は、選択信号を受信すると、このとき選択された行動計画PL(t)を、最新の行動計画PLとして記憶部23に記憶する。
【0026】
<車両予約部53>
管理サーバ21の車両予約部53は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difに基づいて、車両10の利用予約を行う。具体的には、前要望情報Difを満たす車両10が選択されるとともに、同車両10の利用期間と車両10を担当する運転手とが定められて管理サーバ21の記憶部23に記憶される。
【0027】
<アンケート受信部54>
管理サーバ21のアンケート受信部54は、通信ネットワーク12を介して、利用者端末33から送信される前記アンケートの情報を受信する。なお上記アンケートは、実際に利用した車両10や各種スポットの満足度を5段階で評価する多段階評価項目と、それら車両10および各種スポットについての感想をテキストで書き込むフリーコメント項目とを有している。
【0028】
本実施形態では、利用者端末33の操作を通じて前記情報サイトにアクセスしたり前記アプリケーションを実行したりした場合に、利用者端末33の表示画面にアンケート入力ページが表示される状態になっている。そして、車両10および行動計画PLの利用後の任意のタイミングで、利用者による利用者端末33の操作を通じて、上記アンケート入力ページにおける入力操作がなされると、その入力情報が利用者端末33から送信される。管理サーバ21のアンケート受信部54は、このようにして利用者端末33から送信される入力情報を前記アンケートの情報として受信する。
【0029】
管理サーバ21のアンケート受信部54は、上記アンケートの情報を受信した場合に、利用者(詳しくは、利用者端末33)に対して報酬データ(割引券や、電子マネーなど)を送信する。このように利用者は、上記アンケートに応えることによって報酬を得ることができる。
【0030】
<情報蓄積部55>
管理サーバ21の情報蓄積部55は、アンケート受信部54によって受信した前記アンケートの情報を分析するとともに、同分析の結果を作成用情報Miに関連付ける態様でデータベース25に蓄積する。
【0031】
アンケートの情報の分析では、例えばアンケートの多段階評価項目の入力情報に基づいて利用スポット毎に利用者の満足度が求められる。この場合、情報蓄積部55は、満足度の高い利用スポットほど行動計画PLに盛り込まれやすくなるように、作成用情報Miとアンケート情報Aiとを関連付ける態様で、同アンケート情報Aiをデータベース25に蓄積する。これにより、満足度の高い利用スポットを優先的に選ぶ態様で行動計画PLが作成されて、利用者に提案されるようになる。したがって本実施形態によれば、利用者による高い満足度を見込むことができる。
【0032】
また、アンケートの情報の分析では、アンケートのフリーコメント項目の入力情報から有用な「文言」や「文章」が抽出される。この場合、情報蓄積部55は、抽出した「文言」や「文章」と利用者情報とを作成用情報Miに紐付ける態様で、アンケート情報Aiをデータベース25に蓄積する。利用者情報としては、利用者個人の情報や、利用者が所属する団体の情報、利用者が含まれるカテゴリー(職種、年齢層など)の情報を採用することができる。これにより、本実施形態の行動計画作成システム20の利用者による次回以降の利用に際して、上記「文言」や「文章」から把握(または推定)される利用者の思い(趣味嗜好、興味の対象、潜在的欲求など)に見合う行動計画PLを作成することが可能になる。
【0033】
<アンケート結果送信部56>
管理サーバ21のアンケート結果送信部56は、前記アンケート受信部54によってアンケートの情報を受信した場合に、同アンケートの情報を当該アンケートの対象である行動計画PLに定められた利用スポットに対応する外部端末装置30に送信する。この場合における外部端末装置30は、自治体端末31や滞在先端末32である。
【0034】
これにより、利用スポット(仕事場所、アクティビティ、観光スポットなど)の管理者に対して、同利用スポットの運営のために有用なアンケート情報が、利用者による利用スポットの利用の度に送信されるようになる。利用スポットの管理者は、このアンケート情報をもとに、利用スポットの利用時における「利用者の思い」を把握することができるため、同利用スポットの改善や見直しの機会を得ることができる。
【0035】
<作用>
以下、アンケートの情報と同情報をもとに作成される行動計画PLとの関係について具体例をもとに詳しく説明する。
【0036】
<初回利用時>
先ず、本実施形態の行動計画作成システム20を特定の利用者Pが初めて利用したときに作成される行動計画PLの一例について説明する。
【0037】
図3に示すように、利用者Pによる初回利用時には、希望の滞在先が「A地域」であるとの前要望情報Difをもとに、「A地域」を滞在先とする行動と、「A地域」およびその周辺地域での余暇に関する行動とを含む行動計画PLが作成される。
【0038】
図4に、初回利用時における行動計画PLの一例を示す。なお図4は、数日間にわたる車両10の利用期間のうち、初日から3日目までの行動計画PLを示している。
<初日>
図4に示すように、利用初日においては、一日の前半(13時まで)は車両10および行動計画PLを利用することなく、地元で生活することを想定している。利用者Pは、例えば朝から地元のオフィスで仕事した後、地元の飲食店で昼食を取る。その後(13時~)、車両10および行動計画PLを利用したワーケーションを実行する。
【0039】
初日の行動計画PLには、以下の(行動A1)~(行動C1)が定められている。
(行動A1)所定時刻(13時)に車両10を受け取るとともに同車両10の利用を開始する。
【0040】
(行動B1)車両10の利用開始後に所定時間(5時間)をかけて、同車両10を利用して目的地(具体的には、この日の滞在先施設であるホテル)まで移動する。車両10による移動期間の前半(13時~17時)は仕事するとともに、後半(17時~18時)は仕事を終えて車両10の内部でのリフレッシュタイムにあてる。
【0041】
(行動C1)ホテルに到着した後は(18時~)、ホテルの飲食店で食事を取るなどして同ホテルで過ごす。
<2日目>
利用2日目の行動計画PLには以下の(行動A2)~(行動D2)が定められている。
【0042】
(行動A2)朝(8時まで)はホテルで過ごす。
(行動B2)その後(8時~17時)は、車両10のワークスペース11で仕事する。
(行動C2)仕事を終えた後には(17時~18時)、美術館に行く。
【0043】
(行動D2)美術館からホテルに戻った後は(18時~)、同ホテルで過ごす。
<3日目(休日)>
利用3日目の行動計画PLには以下の(行動A3)~(行動C3)が定められている。なお利用3日目は利用者Pの休日にあたる。
【0044】
(行動A3)朝(7時まで)はホテルで過ごす。
(行動B3)その後(7時~18時)は、アクティビティ(詳しくは、山岳ガイド同伴のトレッキング)のスポットに行く。
【0045】
(行動C3)アクティビティのスポットからホテルに戻った後は(18時~)、同ホテルで過ごす。
図3に示すように、初回利用時の行動計画PL(図4参照)の利用後におけるアンケートの情報には、利用者Pが実際に利用したスポットの満足度が高いことを示す情報と、フリーコメント項目に「農業」や「移住」の記載があることを示す情報とが含まれている。
【0046】
この場合、管理サーバ21の情報蓄積部55は、「農業」および「移住」と利用者情報とを作成用情報Miに紐付ける態様で、アンケート情報Aiをデータベース25に蓄積する。これにより、本実施形態の行動計画作成システム20の利用者Pによる次回以降の利用に際して、上記「農業」および「移住」から把握(または推定)される利用者Pの思いに見合う行動計画PLが作成されるようになる。
【0047】
<2回目利用時>
次に、本実施形態の行動計画作成システム20を利用者Pが再度(2回目)利用したときに作成される行動計画PLの一例について説明する。
【0048】
<初日、3日目>
この例では、「利用初日」および「利用3日目」の行動計画PLには、初回利用時(図4参照)と同一の行動が定められている。
【0049】
<2日目>
図5に示すように、利用2日目の行動計画PLには、以下の(行動A4)~(行動D4)が定められている。
【0050】
(行動A4)朝(8時まで)はホテルで過ごす。
(行動B4)その後(8時~12時)は、車両10のワークスペース11で仕事する。
(行動C4)仕事を終えた後(12時~18時)、就農体験スポットに行く。同スポットにおいて農業体験や生産者との食事を行う。
【0051】
(行動D4)就農体験スポットからホテルに戻った後は(18時~)、同ホテルで過ごす。
このように本実施形態では、利用者Pによる2回目の利用に際して、前回利用時におけるアンケートの情報に含まれていたキーワード(農業、移住)をもとに、利用者Pが興味を持ちそうな「就農体験スポット」に行く予定を含む行動計画PLが作成される。本実施形態によれば、利用者Pに提案するべく作成される行動計画PLに、事前に取得される利用者Pの要望を反映させるだけでなく、前回の利用後における利用者Pの思い(具体的には「農業」や「移住」に関心があること)を反映させることができる。これにより、利用者Pの多くの要望(欲求)を汲み取ることができるため、利用者Pによる高い満足度を見込むことができる。
【0052】
図3に示すように、利用者Pによる2回目の利用後におけるアンケートの情報には、利用者が実際に利用したスポット(就農体験スポットを含む)の満足度が高いことを示す情報と、フリーコメント項目に「子供」の記載があることを示す情報とが含まれている。
【0053】
この場合、管理サーバ21の情報蓄積部55は、このキーワード(子供)と利用者情報とを作成用情報Miに紐付ける態様で、アンケート情報Aiをデータベース25に蓄積する。これにより、本実施形態の行動計画作成システム20の利用者Pによる次回以降の利用に際して、前記「農業」、「移住」および「子供」から把握(または推定)される利用者の思いに見合う行動計画PLが作成されるようになる。
【0054】
<3回目利用時>
次に、本実施形態の行動計画作成システム20を利用者Pが3回目に利用したときに作成される行動計画PLの一例について説明する。
【0055】
<初日、3日目>
この例では、「利用初日」および「利用3日目」の行動計画PLには、初回利用時(図4参照)と同一の行動が定められる。
【0056】
<2日目>
図6に示すように、利用2日目の利用者P本人の行動計画PLには、2回目利用時と同一の行動(前記(行動A4)~(行動D4))が定められている。
【0057】
また、この例では、利用者P本人の行動計画PLに加えて、利用者Pの「子供」の行動計画PLが作成される。利用者Pの子供の行動計画PLには、以下の(行動A5)~(行動C5)が定められている。
【0058】
(行動A5)朝(8時まで)はホテルで過ごす。
(行動B5)その後(8時~16時)は、山村留学スポットに行く。そして、同スポットにおいて就学体験を行うとともに同世代の子供とふれあう機会を得る。
【0059】
(行動C5)山村留学スポットからホテルに戻った後は(16時~)、同ホテルで過ごす。
このように本実施形態では、利用者Pによる3回目の利用に際して、利用者P本人には、前回の「就農体験スポット」に満足しているとの情報をもとに、再度「就農体験スポット」に行く予定を含む行動計画PLが作成される。また、前回利用時におけるアンケートの情報に含まれていたキーワード(子供)をもとに、家族での移住に際して「子供」の就学環境が問題になりそうなことが推定される。このことをふまえて、利用者Pの子供には、就学環境を体験するための「山村留学スポット」に行く予定を含む行動計画PLが作成される。本実施形態によれば、利用者Pに提案するべく作成される行動計画PLに、前回の利用後における利用者の思い(具体的には「子供」に対する思い)を反映させることができる。これにより、利用者Pの多くの要望(欲求)を汲み取ることができるため、利用者Pによる高い満足度を見込むことができる。
【0060】
図3に示すように、利用者Pによる3回目の利用後におけるアンケートの情報には、利用者Pが実際に利用した各スポットの満足度が高いことを示す情報と、フリーコメント項目に「色々知りたい」の記載があることを示す情報とが含まれている。
【0061】
この場合、管理サーバ21の情報蓄積部55は、キーワード(色々知りたい)と利用者情報とを作成用情報Miに紐付ける態様で、アンケート情報Aiをデータベース25に蓄積する。これにより、本実施形態の行動計画作成システム20の利用者Pによる次回以降の利用に際して、前記キーワード(農業、移住、子供、および「色々知りたい」)から把握(または推定)される利用者Pの思いに見合う行動計画PLが作成されるようになる。
【0062】
<4回目利用時>
次に、本実施形態の行動計画作成システム20を利用者Pが4回目に利用したときに作成される行動計画PLの一例について説明する。
【0063】
<初日、2日目>
この例では、「利用初日」および「利用2日目」の行動計画PLには、初回利用時(図4参照)と同一の行動が定められている。
【0064】
<3日目>
図7に示すように、利用3日目の行動計画PLには、以下の(行動A6)~(行動E6)が定められている。
【0065】
(行動A6)朝(9時まで)はホテルで過ごす。
(行動B6)その後(9時~12時)は、医療施設や商業施設などといった周辺施設の周遊ツアーに行く。
【0066】
(行動C6)その後(12時~13時)、昼食を取るべく飲食店R1に行く。
(行動D6)昼食後は(13時~17時)、観光地に行く。
(行動E6)その後(17時~19時)、夕食を取るべく飲食店R2に行く。
【0067】
(行動E7)飲食店R2からホテルに戻った後は(19時~)、同ホテルで過ごす。
このように本実施形態では、前回利用時におけるアンケートの情報に含まれていたキーワード(色々知りたい)をもとに、利用者Pが興味を持ちそうな「周辺施設」に行く予定を含む行動計画PLが作成される。本実施形態によれば、利用者Pに提案するべく作成される行動計画PLに、前回の利用後における利用者の思い(具体的には、周辺環境を知りたいとの思い)を反映させることができる。これにより、利用者Pの多くの要望(欲求)を汲み取ることができるため、利用者Pによる高い満足度を見込むことができる。
【0068】
<効果>
本実施形態によれば、以下に記載する効果が得られる。
(1)管理サーバ21は、前要望情報Difを受信する前情報受信部51、および、作成用情報Miとアンケート情報Aiとを蓄積したデータベース25を備える。管理サーバ21は、前情報受信部51により受信した前要望情報Difと、データベース25に蓄積された作成用情報Miおよびアンケート情報Aiとに基づいて行動計画PLを作成する計画作成部52を備える。
【0069】
そのため、移動先における仕事と余暇の取得とを含むワーケーションの実行にあたり、行動計画PLの作成前における利用者の要望(詳しくは、前要望情報Dif)を取得するとともに、その要望をもとにワーケーションの行動計画PLを作成することができる。しかも、行動計画PLの利用後に実施するアンケートの情報をもとに、実際の「仕事に関する行動」や「余暇に関する行動」に際して得られた「利用者の思い」を抽出して、次回以降の行動計画PLの作成に反映することができる。
【0070】
このように本実施形態によれば、利用者に提案するべく作成される行動計画PLに、事前に取得される利用者の要望を反映させるだけでなく、行動計画PLの利用後における「利用者の思い」を反映させることができる。これにより、利用者の多くの要望(欲求)を汲み取ることができるため、利用者による高い満足度を見込むことができる。
【0071】
(2)管理サーバ21は、利用者端末33から送信されるアンケートの情報を受信するアンケート受信部54と、アンケートの情報を分析するとともに同分析の結果を作成用情報Miに関連付ける態様でデータベース25に蓄積する情報蓄積部55とを備える。これにより、アンケート結果を利用者から取得する処理と、同アンケート結果を行動計画PLの作成に反映させる処理とを自動的に行うことができる。
【0072】
(3)管理サーバ21は、行動計画PLの利用後に実施したアンケートの情報を、当該アンケートの対象である行動計画PLに定められた利用スポットに対応する外部端末装置30に送信するアンケート結果送信部56を備える。これにより、利用スポットの管理者に対して、同利用スポットの改善や見直しの機会を付与することができる。
【0073】
(4)作成用情報Miは、就農体験スポットや山村留学体験スポットなど、地域体験スポットについての情報を含んでいる。本実施形態によれば、アンケートの結果をもとに、地域に関心のありそうな利用者や移住に関心がありそうな利用者などを対象に、地域体験スポットを提案することができる。これにより、地域への人流の誘導を図りたい自治体と連携してシステムを運営することができる。
【0074】
<変更例>
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態および以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0075】
・計画作成部52により、複数の行動計画PL(t)を作成することに代えて、1つの行動計画PL(t)のみを作成するようにしたり、行動計画PL(t)を作成することなく行動計画PLを作成したりしてもよい。
【0076】
・作成用情報Miは、地域体験スポットについての情報が含まれないようにするなど、任意に変更することができる。
・アンケート結果送信部56を省略してもよい。
【0077】
・アンケートの情報を分析する処理や、分析結果を作成用情報Miに関連付ける態様でデータベース25に蓄積する処理を、ディープラーニング(詳しくは、テキスト解析)を利用して実行するようにしてもよい。
【0078】
・アンケートの情報を分析する処理や、分析結果を作成用情報Miに関連付ける態様でデータベース25に蓄積する処理を、管理サーバ21により実行することに限らず、別途の装置を利用して実行するようにしてもよい。この別途の装置としては、機能部として前記情報蓄積部55を有する装置を利用することができる。
【0079】
・アンケート用紙に利用者が手書きで記入した情報を、アンケートの情報として利用するようにしてもよい。この場合には、アンケート受信部54を省略することができる。
・外部端末装置30としては、作成用情報Miの更新のための情報を送信可能なものであれば、任意の団体(または個人)が所有(または管理)する端末装置を採用することができる。そうした端末装置としては、店舗(飲食店、販売店等)の端末装置や、観光施設(美術館、資料館等)の端末装置、商店街の組合が管理する端末装置、アクティビティ運営会社の端末装置、旅行会社の端末装置などを挙げることができる。
【0080】
・ワーケーションに利用する車両10としては、車室内において仕事することの可能な車両であれば、任意のタイプの車両を採用することができる。そうした車両としては、宿泊のための機器を備えた車両(キャンピングカーなど)や、被牽引車(キャンピングトレーラーなど)とこれを牽引する牽引車とによって構成される車両などを挙げることができる。
【0081】
・車両予約部53は、運転手を含まない態様で、車両10についての利用予約のみを行うようにしてもよい。この場合には、利用者自身によって運転手を手配することができる。また、車両10を複数人で利用する場合には、利用者は、交代で車両10を運転する態様でワーケーションを実行することができる。
【0082】
・上記実施形態にかかる行動計画作成システムは、車両10を利用しないワーケーションの行動計画PLを作成する行動計画作成システムにも適用することができる。この場合、車両予約部53を省略することができる。
【符号の説明】
【0083】
12…通信ネットワーク
20…行動計画作成システム
21…管理サーバ
23…記憶部
25…データベース
30…外部端末装置
31…自治体端末
32…滞在先端末
33…利用者端末
51…前情報受信部
52…計画作成部
54…アンケート受信部
55…情報蓄積部
56…アンケート結果送信部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7