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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088077
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】製氷機
(51)【国際特許分類】
   F25D 17/04 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
F25D17/04 302
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202718
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】307036856
【氏名又は名称】アクア株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147913
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 義敬
(74)【代理人】
【識別番号】100165423
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 雅久
(74)【代理人】
【識別番号】100091605
【弁理士】
【氏名又は名称】岡田 敬
(74)【代理人】
【識別番号】100197284
【弁理士】
【氏名又は名称】下茂 力
(72)【発明者】
【氏名】塚原 紘也
(72)【発明者】
【氏名】片桐 賢宏
(72)【発明者】
【氏名】木部 宏
【テーマコード(参考)】
3L345
【Fターム(参考)】
3L345AA02
3L345AA18
3L345BB06
3L345CC01
3L345DD57
3L345DD66
3L345KK04
3L345KK05
(57)【要約】
【課題】製氷に要する時間を短縮することができる製氷機を提供する。
【解決手段】製氷機30は、製氷容器31と、収容部32と、冷気導入部33と、を具備する。製氷容器31は、製氷用の製氷用水が貯留される製氷凹部311が複数形成される。収容部32には、製氷容器31が収容される。冷気導入部33は、冷却器19により冷却された冷気が吹き出される吹出口34と、製氷容器31との間に配設される。更に、冷気導入部33は、上方側導入部331と、下方側導入部332と、を有する。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
冷凍室の内部に設けられ、製氷機本体と製氷容器とから成る製氷機であって、
前記製氷機本体は、前記製氷容器を収容する収容部と、冷却器により冷却された冷気が吹き出される吹出口と前記製氷容器との間に配設される冷気導入部と、を備え、
前記製氷容器は、製氷用の製氷用水が貯留される製氷凹部が複数形成され、
前記冷気導入部は、
前記冷気の一部を前記製氷容器の上方側に導く上方側導入部と、
前記冷気の一部を前記製氷容器の下方側に導く下方側導入部と、を有することを特徴とする製氷機。
【請求項2】
前記収容部を部分的に開口することで開口部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の製氷機。
【請求項3】
前記上方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって上方に傾斜する傾斜面であり、
前記下方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって下方に傾斜する傾斜面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の製氷機。
【請求項4】
前記上方側導入部は、前記下方側導入部を挟む位置に配置されることを特徴とする請求項3に記載の製氷機。
【請求項5】
前記吹出口から前記冷気が吹き出される方向を第1方向とし、前記第1方向に対して直交する方向を第2方向とした場合、
前記第2方向において、前記上方側導入部の幅は、前記下方側導入部の幅よりも長いことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の製氷機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製氷機に関し、特に冷蔵庫の冷凍室に備えられる製氷機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、冷凍室等の内部に、氷を貯える貯氷容器を備える製氷機がある。
【0003】
例えば、特許文献1には、断熱箱体の貯蔵室の一部を製氷室とし、当該製氷室に製氷容器を配置し、この製氷容器により製氷することが記載されている。また、製氷機としては、製氷容器に自動で水が供給される自動式製氷機と、製氷容器に手動で水が供給される手動式製氷機がある。
【0004】
手動式製氷機の場合、冷凍室の一部を区切ることで冷凍領域が形成され、この冷凍領域の内部に、製氷容器が配置される。製氷容器は、冷凍領域の内部で前後方向に沿って引出自在に配置される。製氷を行う際には、ユーザは、水が貯留された製氷容器を、製氷領域にスライドさせて収納する。製氷容器に貯留された水が凍結したら、ユーザは、製氷容器を冷凍室の冷凍領域から外部に取り出し、製氷容器を捻るなどして離氷させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-96047号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記した背景技術では、製氷容器において効果的に製氷する観点から改善の余地があった。
【0007】
具体的には、製氷容器は、凹状の製氷領域が行列状に形成されており、全体として扁平な略直方体形状を呈している。このことから、製氷容器が冷凍室の製氷領域に収納された際に、冷気の吹出口に近い製氷容器の奥側と手前側で冷却温度が異なる。このことから、製氷容器での凍結は不均一に進行するので、製氷に長時間を要するという課題があった。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、製氷に要する時間を短縮することができる製氷機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、冷凍室の内部に設けられ、製氷機本体と製氷容器とから成る製氷機であって、前記製氷機本体は、前記製氷容器を収容する収容部と、冷却器により冷却された冷気が吹き出される吹出口と前記製氷容器との間に配設される冷気導入部と、を備え、前記製氷容器は、製氷用の製氷用水が貯留される製氷凹部が複数形成され、前記冷気導入部は、前記冷気の一部を前記製氷容器の上方側に導く上方側導入部と、前記冷気の一部を前記製氷容器の下方側に導く下方側導入部と、を有することを特徴とする。
【0010】
更に、本発明の製氷機では、前記収容部を部分的に開口することで開口部が形成されることを特徴とする。
【0011】
更に、本発明の製氷機では、前記上方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって上方に傾斜する傾斜面であり、前記下方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって下方に傾斜する傾斜面であることを特徴とする。
【0012】
更に、本発明の製氷機では、前記上方側導入部は、前記下方側導入部を挟む位置に配置されることを特徴とする。
【0013】
更に、本発明の製氷機では、前記吹出口から前記冷気が吹き出される方向を第1方向とし、前記第1方向に対して直交する方向を第2方向とした場合、前記第2方向において、前記上方側導入部の幅は、前記下方側導入部の幅よりも長いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、冷凍室の内部に設けられ、製氷機本体と製氷容器とから成る製氷機であって、前記製氷機本体は、前記製氷容器を収容する収容部と、冷却器により冷却された冷気が吹き出される吹出口と前記製氷容器との間に配設される冷気導入部と、を備え、前記製氷容器は、製氷用の製氷用水が貯留される製氷凹部が複数形成され、前記冷気導入部は、前記冷気の一部を前記製氷容器の上方側に導く上方側導入部と、前記冷気の一部を前記製氷容器の下方側に導く下方側導入部と、を有することを特徴とする。本発明の製氷機によれば、製氷に要する時間を短縮することができる製氷機を提供することができる。具体的には、製氷容器の上方および下方に冷気の流れを形成できるので、製氷容器に貯留された製氷用水を、上方および下方から効果的に冷却することができる。よって、製氷容器の各製氷凹部に貯留された製氷用水を、均一に冷却して凍結することができる。
【0015】
更に、本発明の製氷機では、前記収容部を部分的に開口することで開口部が形成されることを特徴とする。本発明の製氷機によれば、開口部を介して冷気を製氷機の外部に逃がすことができ、製氷機の内部における冷気の流れを良好にし、製氷用水を早期に且つ均等に凍結させることができる。
【0016】
更に、本発明の製氷機では、前記上方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって上方に傾斜する傾斜面であり、前記下方側導入部は、前記製氷容器に接近する側に向かって下方に傾斜する傾斜面であることを特徴とする。本発明の製氷機によれば、上方側導入部および下方側導入部を構成する傾斜面に沿って、製氷容器の上方および下方へスムーズに冷気を送風することができる。
【0017】
更に、本発明の製氷機では、前記上方側導入部は、前記下方側導入部を挟む位置に配置されることを特徴とする。本発明の製氷機によれば、製氷容器を、上方側および下方側から均等に冷却することができる。
【0018】
更に、本発明の製氷機では、前記吹出口から前記冷気が吹き出される方向を第1方向とし、前記第1方向に対して直交する方向を第2方向とした場合、前記第2方向において、前記上方側導入部の幅は、前記下方側導入部の幅よりも長いことを特徴とする。本発明の製氷機によれば、上方側導入部に多くの冷気を送風することができ、製氷凹部に貯留された製氷用水を効果的に冷却して凍結できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に係る製氷機が組み込まれた冷蔵庫の概略構成を示す側面断面図である。
図2A】本発明の実施形態に係る製氷機を示す斜視図である。
図2B】本発明の実施形態に係る製氷機を示す正面図である。
図3A】本発明の実施形態に係る製氷機の製氷容器を示す斜視図である。
図3B】本発明の実施形態に係る製氷機の製氷機本体を示す斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る製氷機の製氷機本体を詳細に示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る製氷機の冷却状況を示す切断斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る、製氷機30およびそれを備えた冷蔵庫10を、図面に基づき詳細に説明する。以下の説明では、同一の部材には原則的に同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。更に、以下の説明では、上下前後左右の各方向を適宜用いるが、左右とは冷蔵庫10を前方から見た場合の左右を示している。
【0021】
図1は、冷蔵庫10の概略構成を示す側面断面図である。図1に示すように、冷蔵庫10は本体としての断熱箱体11を備え、断熱箱体11の内部には、食品等を貯蔵する貯蔵室が形成されている。
【0022】
断熱箱体11は、冷蔵庫10の本体である。断熱箱体11は、前面に開口部を有する鋼板製の外箱111と、外箱111の内側に間隙を持たせて配設される合成樹脂製の内箱112と、外箱111と内箱112との間隙に充填発泡される発泡ポリウレタン製の断熱材113と、から構成されている。
【0023】
貯蔵室の内部は、冷蔵室12と、冷凍室13と、野菜室14と、に区画されている。最上段の冷蔵室12と、その下段に位置する冷凍室13とは、区画壁20によって仕切られている。冷凍室13と、その下段に位置する野菜室14は、区画壁21で仕切られている。区画壁20および区画壁21は、断熱箱体11と同様の断熱構造を有している。
【0024】
製氷機30は、冷凍室13の内部に配置され、製氷のために用いられる。製氷機30は、冷凍室13の上端付近に配置される、所謂手動型のものである。製氷機30の詳細は、図2以降の各図を参照して後述する。製氷する際には、先ず、ユーザは、断熱扉16を引き出し、更に製氷機30の後述する製氷容器31を、外部に取り出す。次に、ユーザは、後述する製氷容器31の製氷凹部311を、製氷用水で満たす。更に、ユーザは、水が満たされた製氷容器31を製氷機30に戻す。その後、冷凍室13の内部で、製氷容器31の製氷凹部311に満たされた製氷用水が凍結することで製氷される。更に、ユーザは、氷が必要とされるときに、断熱扉16を開き、製氷機30から製氷容器31を取りだし、製氷容器31から氷を離氷させる。
【0025】
断熱箱体11の前面は開口しており、冷蔵室12、冷凍室13及び野菜室14に夫々対応する前記開口には、各々断熱箱体11と略同等の断熱構造を有する断熱扉15、断熱扉16、断熱扉17が開閉自在に設けられている。断熱扉15は、側辺近傍の上下部が断熱箱体11に回動自在に支持されている。断熱扉16および断熱扉17は、冷蔵庫10の前方に引出自在に、断熱箱体11に支持されている。
【0026】
冷凍室13の後方側には、冷凍室13につながり冷気を供給するための供給風路22が形成されている。供給風路22は、冷気を流す吹出口34が形成された合成樹脂製の仕切体によって、冷凍室13と仕切られている。
【0027】
供給風路22の後方には、合成樹脂製の仕切体によって冷却室18が形成されている。冷却室18の内部には、貯蔵室内を循環する冷気を冷却するための冷却器19が配設されている。
【0028】
冷却器19は、たとえば、フィンチューブ式の蒸発器によって実現される。冷却器19は、圧縮機25、図示しない放熱器、及び図示しないキャピラリーチューブ等に冷媒配管を介して接続される。これにより、蒸気圧縮式の冷凍サイクル回路が構成される。なお、圧縮機25、放熱器の一部、及び放熱器に送風する図示しない放熱ファン等は、冷蔵庫10の下部後方に形成される機械室に配設される。
【0029】
冷却室18の上部には、供給風路22につながる開口である送り口が形成され、その送り口には、冷気を循環させるための送風機24が取り付けられている。送風機24は、冷却器19で冷却された冷気を冷却室18から各貯蔵室へと流すものであり、例えば、軸流送風機によって実現される。また、冷却室18の下部には、冷凍室13から冷却室18に冷気を戻すための開口である戻り口が形成されている。
【0030】
冷蔵室12の後方には、合成樹脂製の仕切体で区画され、冷蔵室12に冷気を供給するための供給風路23が形成されている。供給風路23は、供給風路22につながると共に吹出口を介して冷蔵室12につながっている。
【0031】
冷蔵庫10は、冷蔵室12と野菜室14をつなぎ、野菜室14に冷気を供給するための図示しない供給風路や、冷蔵室12や野菜室14と冷却室18をつなぎ、冷蔵室12や野菜室14から冷却室18に冷気を戻すための図示しない帰還風路等を有する。また、供給風路22や供給風路23等には、貯蔵室に供給される冷気の流量を制御して、貯蔵室の内部の温度を適切に維持するため図示しないダンパ等が設けられても良い。
【0032】
上記構成を有する冷蔵庫10により、冷蔵室12および野菜室14は所定の冷蔵温度帯域に冷却され、冷凍室13は所定の冷凍温度帯域に冷却される。
【0033】
図2Aは製氷機30を示す斜視図であり、図2Bは製氷機30を示す正面図である。
【0034】
図2Aを参照して、製氷機30は、製氷機本体38と、製氷容器31とから構成される。製氷機本体38は、一体成型された合成樹脂板から成り、収容部32と、冷気導入部33とを有する。製氷容器31は、製氷機本体38の収容部32に収容される。製氷機本体38の構成は図3Bを参照して後述する。
【0035】
製氷容器31は、製氷するための製氷用水が貯留されて製氷が行われる容器である。製氷容器31は、収容部32の内部に収納されており、前後方向に沿って引出自在である。製氷容器31の詳細は、図3Aを参照して後述する。
【0036】
図2Bを参照して、収容部32は、製氷容器31が収容される略板状部材である。具体的には、収容部32は、下面部321と、下面部321の左側端部から上方に向かって立設された側面部322と、下面部321の右側端部から上方に向かって立設された側面部323と、を有している。
【0037】
収容部32の下面部321、側面部322および側面部323と、製氷容器31との間には間隙が形成されている。側面部322と側面部323との離間距離を、製氷容器31の幅よりも大きくすることで、側面部322および側面部323と製氷容器31との間に間隙が形成される。また、製氷容器31の下面に前後方向に沿って伸びるリブを形成することで、リブにより下面部321と製氷容器31とが離間され、両者に間隙が形成される。
【0038】
具体的には、製氷容器31の下面と、収容部32の下面部321との間に、間隙261が形成される。製氷容器31の左端部と、収容部32の側面部322との間に、間隙262が形成される。製氷容器31の右端部と、収容部32の側面部323との間に、間隙263が形成される。更に、製氷容器31の上方には間隙264が形成される。
【0039】
図1に示した吹出口34から吹き出された冷気は、前述した間隙261、間隙262、間隙263および間隙264を流通する。係る事項は、図5を参照して後述する。
【0040】
図3Aは、製氷機30の製氷容器31を示す斜視図である。
【0041】
製氷容器31は、全体としては扁平な直方体形状を呈しており、製氷用の製氷用水が貯留される製氷凹部311が複数形成される。製氷凹部311は、上方から見て略正方形状の凹状領域である。製氷凹部311は、行列状に複数個形成されている。製氷容器31の前端部を下方に向かって傾斜させることで、引出部312が形成されている。引出部312は、ユーザが製氷容器31を前方に引き出す際に、下方から指を掛ける部位である。製氷凹部311は、所定形状に成形された板状の合成樹脂から成る。
【0042】
図3Bは、製氷機本体38を示す斜視図である。製氷機本体38は、前方部分が収容部32であり、後方部分が冷気導入部33である。収容部32には、前述した製氷容器31が収容される。冷気導入部33は、製氷容器31に向かって送風される冷気が導入される。
【0043】
冷気導入部33は、図1に示した吹出口34と、前述した製氷容器31との間に配設される部位である。冷気導入部33は、下面部333、側面部334および側面部335を有する。下面部333は、水平面に対して略平行な面である。側面部334は、下面部333の左端から上方に向かって立設される。側面部335は、下面部333の右端から上方に向かって立設される。冷気導入部33の更なる詳細は、図4を参照して後述する。
【0044】
開口部37は、収容部32を部分的に開口することで形成されている。具体的には、開口部37は、下面部321、側面部322および側面部323の前端近傍に複数形成されている。開口部37を形成することで、収容部32に向かって送風される冷気の一部を、開口部37から外部に抜けさせることができ、収容部32の内部における冷気の流通を促進し、製氷に要する時間を短縮することができる。
【0045】
図4は、製氷機本体38を詳細に示す斜視図である。冷気導入部33の前方部分には、上方側導入部331および下方側導入部332が形成されている。
【0046】
上方側導入部331は、下面部333の前端部分を、前方に向かうにつれて上方に隆起させて形成される。上方側導入部331は、冷気導入部33の左端部および右端部に、それぞれ形成される。上方側導入部331の間に、下方側導入部332が形成される。上方側導入部331と下方側導入部332とを設けることで、前方に向かって送風される冷気を、前述した製氷容器31の上方側および下方側に導くことができる。
【0047】
下方側導入部332は、下面部333の前端部分を、前方に向かうにつれて下方に傾斜させて形成される。下方側導入部332は、左右方向において、冷気導入部33の略中央部に形成される。このようにすることで、前方に向かって送風される冷気を、前述した製氷容器31の下方側に導くことができる。
【0048】
2つの上方側導入部331は、左右方向において、下方側導入部332を挟む位置に配置される。係る構成により、前述した製氷容器31の上方側および下方側に、バランス良く冷気を送風することができ、製氷容器31の製氷凹部311において、均等に凍結を進行させることができる。
【0049】
ここで、上方側導入部331および下方側導入部332の幅に関して説明する。吹出口34から冷気が吹き出される方向を第1方向D1とし、第1方向D1に対して直交する方向を第2方向D2とする。ここでは、前後方向が第1方向D1であり、左右方向が第2方向D2である。
【0050】
一例として、第2方向D2において、上方側導入部331の幅を、下方側導入部332の幅よりも長くすることができる。
【0051】
具体的には、左方側の上方側導入部331の幅をA1とし、右方側の上方側導入部331の幅をA2とし、下方側導入部332の幅をBとする。そして、A1とA2とを加算した長さを、Bよりも長くすることができる。このようにすることで、前述した製氷容器31の上方に対して優先的に冷気を送風することができ、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、上方から凍結させることができる。
【0052】
一方、A1とA2とを加算した長さを、Bよりも短くすることもできる。このようにすることで、前述した製氷容器31の下方に対して優先的に冷気を送風することができ、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、下方から凍結させることができる。
【0053】
また、A1とA2とを加算した長さを、Bと同等にすることもできる。このようにすることで、前述した製氷容器31の上方および下方に対して、均等に冷気を送風することができ、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、上方および下方から凍結させることができる。
【0054】
図5は、製氷機30の冷却状況を示す切断斜視図である。
【0055】
吹出口34からは、前述した冷却器19により冷却された空気が、前方に向かって吹き出される。
【0056】
上方側冷却風35は、吹出口34から吹き出された冷気の一部が、上方側導入部331に沿って流動することで形成される。上方側冷却風35は、製氷容器31の上方側に形成される。上方側冷却風35は、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、上方から冷却する。その後、上方側冷却風35は、収容部32の前端開口から外部、即ち、冷凍室13の下方側に向かって流動する。上方側冷却風35は、製氷機30の内部において、左端部および右端部に形成される。図5では、上方側冷却風35を破線で示している。また、上方側冷却風35の一部は、図3Bに示した側面部322および側面部323に形成された開口部37から、製氷機30の外部に放出される。
【0057】
下方側冷却風36は、吹出口34から吹き出された冷気の一部が、下方側導入部332に沿って流動することで形成される。下方側冷却風36は、製氷容器31の下方側に形成される。下方側冷却風36は、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、下方から冷却する。その後、下方側冷却風36は、収容部32の前端開口から外部、即ち、冷凍室13の下方側に向かって流動する。図5では、下方側冷却風36を破線で示している。また、下方側冷却風36の一部は、図3Bに示した、下面部321に形成された開口部37から、製氷機30の外部に放出される。
【0058】
また、上方側導入部331の前方上端の高さは、製氷容器31の上端と同等またはそれ以上にすることができる。このようにすることで、製氷容器31の上方における上方側冷却風35の流れをスムーズにすることができる。更に、下方側導入部332の前方下端の高さは、製氷容器31の下端と同等またはそれ以下にすることができる。このようにすることで、製氷容器31の下方における下方側冷却風36の流れをスムーズにすることができる。
【0059】
上記のようにすることで、製氷容器31の内部において冷気が良好に流通するので、製氷容器31の手前側と奥側との温度差が小さくなる。また、製氷容器31の上面側において左右両側に上方側冷却風35を流し、更に、製氷容器31の下面側において左右方向における中央に下方側冷却風36を流すことで、製氷容器31の左方側領域と右方側領域とで温度差が小さくなる。よって、製氷容器31に形成される製氷凹部311の全てにおいて、製氷用水の凍結を均等に進行させることができ、製氷に要する時間を短縮できる。
【0060】
本実施形態によれば、以下に記載する主要な効果を奏することができる。
【0061】
図5を参照して、製氷容器31の上方および下方に冷気の流れを形成できるので、製氷容器31に貯留された製氷用水を、上方および下方から効果的に冷却することができる。よって、製氷容器31の製氷凹部311に貯留された製氷用水を、均一に冷却して凍結することができる。
【0062】
図3Bを参照して、収容部32の開口部37から、導入された冷気が製氷機30から外部に抜けるので、製氷容器31の上方および下方における冷気の淀みを抑制し、製氷容器31に貯留された製氷用水を更に効果的に凍結させることができる。
【0063】
図4を参照して、上方側導入部331および下方側導入部332を構成する傾斜面に沿って、製氷容器31の上方および下方へスムーズに冷気を送風することができる。
【0064】
図5に示したように、上方側冷却風35および下方側冷却風36により、製氷容器31を、上方側および下方側から均等に冷却することができる。
【0065】
図4を参照して、上方側導入部331に沿って、多くの冷気を送風することができ、製氷凹部311に貯留された製氷用水を効果的に冷却して凍結できる。
【0066】
本発明は、前述実施形態に限定されるものではなく、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更実施が可能である。また、前述した形態は相互に組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0067】
10 冷蔵庫
11 断熱箱体
111 外箱
112 内箱
113 断熱材
12 冷蔵室
13 冷凍室
14 野菜室
15 断熱扉
16 断熱扉
17 断熱扉
18 冷却室
19 冷却器
20 区画壁
21 区画壁
22 供給風路
23 供給風路
24 送風機
25 圧縮機
261 間隙
262 間隙
263 間隙
264 間隙
30 製氷機
31 製氷容器
311 製氷凹部
312 引出部
32 収容部
321 下面部
322 側面部
323 側面部
33 冷気導入部
331 上方側導入部
332 下方側導入部
333 下面部
334 側面部
335 側面部
34 吹出口
35 上方側冷却風
36 下方側冷却風
37 開口部
38 製氷機本体
D1 第1方向
D2 第2方向
図1
図2A
図2B
図3A
図3B
図4
図5