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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088102
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】空気調和機
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/64 20180101AFI20230619BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20230619BHJP
   F24F 11/86 20180101ALI20230619BHJP
   F24F 11/32 20180101ALI20230619BHJP
   F24F 110/10 20180101ALN20230619BHJP
   F24F 140/20 20180101ALN20230619BHJP
   F24F 140/00 20180101ALN20230619BHJP
【FI】
F24F11/64
F24F11/74
F24F11/86
F24F11/32
F24F110:10
F24F140:20
F24F140:00
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202759
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000000538
【氏名又は名称】株式会社コロナ
(72)【発明者】
【氏名】山岸 嵩武
(72)【発明者】
【氏名】山口 正巳
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB05
3L260BA05
3L260CA12
3L260CB04
3L260CB06
3L260EA07
3L260EA12
3L260FB02
3L260FB12
3L260FB13
3L260HA06
(57)【要約】      (修正有)
【課題】除湿運転が長時間停止することがない空気調和機を提供する。
【解決手段】除湿運転中に一時停止条件が成立し、圧縮機51をOFF状態に切り替えると共に室内モータ32及び室外モータ42とを駆動停止させ、室内ファン31及び室外ファン41の動作を停止させた後、室温センサ35の検知値が設定温度以下だと判断し、室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値以下だと判断したら、室内モータ32のみを駆動させ室内ファン31を動作させる。除湿運転の一時停止時、室温センサ35付近で冷気溜まりが発生し正確な検知値が検知できず、長時間除湿運転が再開されない事態を未然に阻止することができる。また、室温センサ35付近で冷気溜まりが発生している場合のみ、室内ファン31が動作するので、湿気戻りによる室内湿度の上昇を抑制することができる。これにより、ユーザの使用感が向上する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管で連通させ冷媒が流動する冷凍サイクルと、
吸込口から空気を吸込み前記蒸発器を介して吹出口から吹き出させる送風ファンと、
前記蒸発器の温度を検知する熱交温度センサと、
前記吸込口と前記蒸発器との間で前記蒸発器に対応した所定範囲に位置し室温を検知する室温センサと、
前記圧縮機と前記送風ファンとを一時停止条件を満たすまでの間だけ駆動させた後、前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサでの検知値が設定温度より高いと判断したら、前記圧縮機と前記送風ファンとの駆動を再開させる除湿運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサの検知値が前記設定温度以下だと判断し、前記室温センサでの検知値が前記熱交温度センサでの検知値以下だと判断したら、前記送風ファンのみを駆動させることを特徴とした空気調和機。
【請求項2】
前記制御部は、前記除湿運転時に前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサの検知値が前記設定温度以下だと判断し、前記室温センサでの検知値が前記熱交温度センサでの検知値以下だと判断して、前記送風ファンのみを駆動させた後、前記室温センサでの検知値が前記設定温度よりも高いと判断したら、前記圧縮機と前記送風ファンとの駆動を再開させることを特徴とした請求項1記載の空気調和機。
【請求項3】
前記蒸発器に対応した前記所定範囲は、前記吹出口よりも下方であることを特徴とした請求項1又は2に記載の空気調和機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内を除湿する除湿運転が実施可能な空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のものでは、低温の冷媒を蒸発器へ通流させることで冷却し、送風ファンが駆動して蒸発器へ送風することで、蒸発器に結露水を付着させ室内の除湿を行う除湿運転を実施するものにおいて、除湿運転中に室温センサで検知された検知値が所定温度以下になったら一時的に圧縮機と送風ファンとを停止さる一時停止状態になり、除湿運転を継続することで室内が冷えすぎることを未然に阻止するものがあった。(例えば、特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平5-39938号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この従来のものでは、除湿運転中に一時的に圧縮機と送風ファンとを停止させた後、室温センサで検知された検知値が除湿運転を再開させる温度以上になったら圧縮機と送風ファンとを駆動させるが、蒸発器の下方付近で冷気溜まりが発生する位置に室温センサが設置された場合、室内温度が上昇しても蒸発器による冷気溜まりの影響で室温センサの検知値が除湿運転を再開させる温度以上にならず、除湿運転が長時間実施されない場合があるので、改善の余地がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る空気調和機は、上述した課題を解決するために、請求項1では、圧縮機、凝縮器、減圧装置、蒸発器を冷媒配管で連通させ冷媒が流動する冷凍サイクルと、
吸込口から空気を吸込み前記蒸発器を介して吹出口から吹き出させる送風ファンと、
前記蒸発器の温度を検知する熱交温度センサと、
前記吸込口と前記蒸発器との間で前記蒸発器に対応した所定範囲に位置し室温を検知する室温センサと、
前記圧縮機と前記送風ファンとを一時停止条件を満たすまでの間だけ駆動させた後、前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサでの検知値が設定温度より高いと判断したら、前記圧縮機と前記送風ファンとの駆動を再開させる除湿運転を制御する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサの検知値が前記設定温度以下だと判断し、前記室温センサでの検知値が前記熱交温度センサでの検知値以下だと判断したら、前記送風ファンのみを駆動させることを特徴とした。
【0006】
また、請求項2では、前記制御部は、前記除湿運転時に前記圧縮機と前記送風ファンとを駆動停止させ、前記室温センサの検知値が前記設定温度以下だと判断し、前記室温センサでの検知値が前記熱交温度センサでの検知値以下だと判断して、前記送風ファンのみを駆動させた後、前記室温センサでの検知値が前記設定温度よりも高いと判断したら、前記圧縮機と前記送風ファンとの駆動を再開させることを特徴とした。
【0007】
また、請求項3では、前記蒸発器に対応した前記所定範囲は、前記吹出口よりも下方であることを特徴とした。
【発明の効果】
【0008】
この発明によれば、室温センサの周囲で冷気溜まりが生じても、除湿運転時に一時停止状態になった後、圧縮機と送風ファンとが長時間停止せず、適切なタイミングで除湿運転を再開させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本実施形態における空気調和機の正面図。
図2】同実施形態の左側面視断面図。
図3】同実施形態の平面視断面図。
図4】同実施形態の冷凍サイクルを説明する図
図5】同実施形態の機能構成を示す概略的な機能ブロック図。
図6】同実施形態の除湿運転時の動作を説明するフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る空気調和機の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。本実施形態においては、本発明の空気調和機を、蒸気圧縮式冷凍サイクルを利用し空気中に含まれる水分を結露させて除湿する除湿運転が可能で、窓固定が可能なウインドエアコン1に適用して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態におけるウインドエアコン1の正面図である。
【0012】
図2は、本実施形態の左側面視断面図である。
【0013】
図3は、本実施形態の平面視断面図である。
【0014】
図4は、本実施形態の冷凍サイクルを説明する図である。
【0015】
図5は、本実施形態の機能構成を示す概略的な機能ブロック図である。
【0016】
10はウインドエアコン1の外観を構成する筐体であり、11は当該筐体10の前側を構成する前パネルである。筐体10は、窓枠に嵌め込まれるように固定され、前パネル11側が室内、後パネル20側が室外に位置する。前パネル11は、室内空気を吸い込む室内吸込口12と、当該室内吸込口12で吸い込んだ空気を吹き出す室内吹出口13と、運転開始指示や設定温度の変更等、ユーザによる指示が可能な複数のスイッチを有した操作部14と、室外空気を室内へ給気する給気口15と、室内空気を室外へ排気する排気口16と、を備えている。
【0017】
操作部14には、少なくとも操作することで運転を開始、及び停止させることが可能な運転スイッチ14aと、操作することで冷房運転と除湿運転とを切り替える運転切り替えスイッチ14bとが備えられている。冷房運転、及び除湿運転の詳細は後述する。
【0018】
20は筐体10の後側を構成する後パネルである。後パネル20は、室外空気を吸い込む室外吸込口21と、当該室外吸込口21で吸い込んだ空気を吹き出す室外吹出口22と、給気口15へ給気される室外空気が流入する給気流入口23と、排気口16を通過した室内空気が排気される排気流出口24と、を備えている。
【0019】
給気口15と給気流入口23との間は給気通路62で連通され、排気口16と排気流出口24との間は排気通路63で連通されている。給気通路62内には図示しない給気ファンが備えられ、排気通路63内には図示しない排気ファンが備えられている。
【0020】
30は前パネル11の後側に位置し筐体10内部に形成された室内側送風室である。当該室内側送風室30内には、室内吸込口12から吸い込んだ室内空気が蒸発器33を介して室内吹出口13から吹き出すように送風する送風ファンとしての室内ファン31と、当該室内ファン31を所定の回転数で駆動させる室内モータ32と、複数のフィンと、当該複数のフィンを貫通する左右方向に平行な複数の伝熱管と、各伝熱管の左右端を接続するヘアピン部とで構成され、伝熱管、及びヘアピン部内を低温の冷媒が流動する蒸発器33と、当該蒸発器33を構成し冷媒の出口付近に位置する伝熱管の表面に当接した熱交温度センサ34と、室内吸込口12と蒸発器33との間で前パネルの一部である図示しない固定枠内に設置され、室内ファン31により送風される室内空気の温度を検知する室温センサ35と、室内吸込口12の後側に取り付けられ吸い込まれる空気中に含まれる塵埃を捕集するフィルタ36と、室内ファン31が駆動することで室内空気が通過する室内通風路37と、を有している。
【0021】
室温センサ35は、図1で示すように蒸発器33に対応した所定範囲である室内吹出口13の下端Lよりも下方に位置する。圧縮機51がON状態からOFF状態に切り替わると共に、室内モータ42の駆動が停止し室内ファン31による送風がされなくなると、室内通風路37内における室内吹出口13の下端Lよりも下方の範囲は、室内吹出口13を介して冷気が漏れ出にくく、又、フィルタ36が設置されていることで室内吸込口12を介しても冷気が漏れ出にくい。よって、室内吹出口13の下端Lよりも下方に冷気溜まりが発生するため、室温センサ35が冷気溜まりの影響を受ける。
【0022】
40は後パネル20の前側に位置し筐体10内部に形成された室外側送風室である。当該室外側送風室40内には、室外吸込口21から吸い込んだ室外空気が凝縮器43を介して室外吹出口22から吹き出すように送風する室外ファン41と、当該室外ファンを所定の回転数で駆動させる室外モータ42と、複数のフィンを貫通する伝熱管内に高温の冷媒が通流する凝縮器43と、室外ファン41が駆動することで室外空気が通過する室外通風路44と、を有している。
【0023】
50は室内側送風室30の下方に位置する機械室50である。当該機械室50内には、冷媒を圧縮し高温高圧状態にするON/OFF状態を切り替え可能な圧縮機51と、冷媒を減圧して低温低圧状態にする減圧装置としてのキャピラリーチューブ52と、が備えられ、圧縮機51、凝縮器43、キャピラリーチューブ52、及び蒸発器33が順次冷媒配管53で接続されることで冷媒が循環可能な冷凍サイクル54が形成されている。更に、機械室50内には、制御基板上にスイッチ回路等を備えた制御部55が設置されており、制御部55は、操作部14での指示に基づき圧縮機51等の各アクチュエータが所定の動作で駆動するよう制御する。
【0024】
筐体10内部において、室内側送風室30と室外側送風室40とは隔壁60によって隔てられており、室内空気と室外空気とが混合しない構成となっている。
【0025】
また、室内側送風室30と機械室50とは上下仕切板61によって隔てられており、当該上下仕切板61上に室内モータ32、及びドレンパン(図示せず)を固定している。
【0026】
次に、本実施形態における冷房運転時の動作について説明する。
【0027】
ユーザにより操作部14にある運転スイッチ14aが操作され、運転切り替えスイッチ14bにより冷房運転が設定されると、制御部55は、圧縮機51をON状態に切り替えると共に室内ファン31、及び室外ファン41が所定の回転数で駆動するよう、室内モータ32及び室外モータ42を動作させる。これにより、冷凍サイクル54内を図4の矢印で示す方向へ冷媒が循環するので、蒸発器33には低温の冷媒が流動し、凝縮器43には高温の冷媒が流動する。室内吸込口12から吸い込まれた室内空気が蒸発器33により冷却され、室内吹出口13により室内へ送風されることで、室内の冷房を可能とする。また、室外吸込口21から吸い込まれた室外空気が凝縮器43により加熱され、室外吹出口22により室外へ送風されることで、凝縮器43内を流動する冷媒を冷却し、冷凍サイクル54の効率を高める。
【0028】
次に、本実施形態における除湿運転時の動作について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0029】
ユーザにより操作部14にある運転スイッチ14aが操作され、運転切り替えスイッチ14bにより除湿運転が設定されると、制御部55は、圧縮機51をON状態に切り替えると共に室内ファン31、及び室外ファン41が所定の回転数で動作するよう、室内モータ32及び室外モータ42を駆動させ、冷凍サイクル54内を冷房運転時と同一方向に冷媒が流動する。低温状態の蒸発器33を室内空気が通過することで室内空気中の水分が蒸発器33表面で結露するため、室内の除湿を可能とする。制御部55は、除湿運転開始と同時に除湿運転の経過時間をカウントする。
【0030】
制御部55は、除湿運転の開始後、除湿運転開始からのカウント時間が一時停止条件を満たす10分に達したか判断し(ステップS101)、カウント時間が10分に達していれば、一時停止条件が成立したとして圧縮機51をOFF状態に切り替え、室内モータ32及び室外モータ42の駆動を停止させることで室内ファン31及び室外ファン41による送風を停止させ、停止時間のカウントを開始する運転一時停止状態にする(ステップS102)。除湿運転を継続して実施することで室内が過剰に冷却され、室温が低下することを阻止するために除湿運転を一時的に停止する。制御部55は、前記ステップS101で除湿運転を開始してからのカウント時間が10分に達していないと判断したら、除湿運転を継続しステップS101の判断を繰り返す。
【0031】
前記ステップS102の処理が完了したら、制御部55は、カウントした停止時間が再開判断時間である5分に達したか判断し(ステップS103)、停止時間が5分に達したと判断したら、室温センサ35で検知された検知値と設定温度とを比較して、室温センサ35で検知された検知値の方が設定温度よりも高いか判断する(ステップS104)。制御部55は、前記ステップS103で停止時間が5分に達していないと判断したら、前記ステップS103の判断を繰り返す。なお、ここでの設定温度は、操作部14でユーザにより設定可能なもの、あるいは予め固有の値として記憶されたもののいずれであってもよく、ユーザによる任意の値への設定が可能なものに限られない。
【0032】
制御部55は、前記ステップS104の判断で、室温センサ35で検知された検知値の方が設定温度よりも高いと判断したら、圧縮機51をON状態に切り替え、室内モータ32及び室外モータ42を所定回転数で駆動させることで室内ファン31及び室外ファン41を動作させ、除湿運転を再開する(ステップS105)。制御部55は、除湿運転を再開したら、再開時点からの経過時間についてカウントを開始する。前記ステップS105の処理が完了したら、制御部55は、操作部14上にある運転スイッチ14aが操作された等で運転停止指示がされたか判断し(ステップS106)、運転停止指示がされたと判断したら、圧縮機51をOFF状態に切り替え、室内モータ32及び室外モータ42の駆動を停止させることで室内ファン31及び室外ファン41による送風を停止し、除湿運転を停止させ運転終了となる。制御部55は、前記ステップS106で運転停止指示がされていないと判断したら、前記ステップS101の判断を繰り返す。
【0033】
制御部55は、前記ステップS104で室温センサ35での検知値が設定温度以下だと判断したら(前記ステップS104でNo)、室温センサ35での検知値と熱交温度センサ34での検知値とを比較し、室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値以下か判断する(ステップS107)。制御部55は、前記ステップS107で室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値以下だと判断したら、圧縮機51はOFF状態のまま室内モータ32のみを駆動させ、室内ファン31を所定の回転数(例えば、最低回転数)で動作させる冷気排除動作を実施する(ステップS108)。制御部55は、前記ステップS107で室温センサ35での検知値の方が熱交温度センサ34での検知値より高いと判断したら、前記ステップS104の判断を繰り返す。
【0034】
制御部55は、前記ステップS108の冷気排除動作を所定時間(例えば1分)実施したと判断したら、前記ステップS104の判断を繰り返す。
【0035】
前記ステップS107で室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34の検知値よりも低いかを判断することで、冷気排除動作の実施有無を決定する。除湿運転の一時停止前に低温の冷媒が流動し、低温状態だった蒸発器33の温度である熱交温度センサ34の検知値より室温センサ35の検知値の方が低ければ、蒸発器33下部に冷気溜まりが発生している可能性が高い。よって、簡易な手段により室温センサ35付近で冷気溜まりが発生しているか判別可能となる。
【0036】
前記ステップS108で冷気排除動作を実施し室内ファン31が動作することで、蒸発器33の下部付近に溜まっていた冷気を吹き飛ばすことができ、室温センサ35により正確な室温が検知可能となる。これにより、前記ステップS103で再開判断時間になったとき、室温が設定温度よりも高く除湿運転を再開させる必要がある状態にも関わらず、冷気溜まりの発生により室温センサ35の検知値が設定温度よりも低い状態が継続してしまい、除湿運転が再開されない事態を未然に阻止することができる。
【0037】
また、室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値よりも低く、冷気溜まりが発生している可能性が高い場合のみ、冷気排除動作を実施し室内ファン31を動作させる。除湿運転の一時停止時に室内ファン31を動作させると、蒸発器33付近にある高湿度の空気が室内へ送風され、湿気戻りにより室内湿度が上昇する。室温センサ35付近に冷気溜まりが発生している可能性が高い場合のみ冷気排除動作を実施し、室内ファン31を動作させるので、除湿運転の一時停止時における湿気戻りによる室内湿度の上昇を抑えることができる。
【0038】
次に、本発明の効果を説明する。
【0039】
制御部55は、除湿運転中に一時停止条件が成立し、圧縮機51をOFF状態に切り替えると共に室内モータ32及び室外モータ42とを駆動停止させ、室内ファン31及び室外ファン41の動作を停止させた後、室温センサ35の検知値が設定温度以下だと判断し、室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値以下だと判断したら、室内モータ32のみを駆動させ室内ファン31を動作させる。除湿運転の一時停止時、室温センサ35付近で冷気溜まりが発生し正確な検知値が検知できず、長時間除湿運転が再開されない事態を未然に阻止することができる。また、室温センサ35付近で冷気溜まりが発生している可能性が高い場合にのみ、室内ファン31が動作するので、湿気戻りによる室内湿度の上昇を抑制することができる。これにより、ユーザの使用感が向上する。
【0040】
また、制御部55は、除湿運転中に一時停止条件が成立し、圧縮機51をOFF状態に切り替えると共に室内モータ32及び室外モータ42とを駆動停止させ、室内ファン31及び室外ファン41の動作を停止させた後、室温センサ35の検知値が設定温度以下だと判断し、室温センサ35での検知値が熱交温度センサ34での検知値以下だと判断したら、室内モータ32のみを駆動させ室内ファン31を動作させた後、室温センサ35での検知値が設定温度よりも高いと判断したら、圧縮機51をON状態に切り替えると共に室内モータ32及び室外モータ42とに駆動を再開させ、室内ファン31及び室外ファン41を動作させるので、除湿運転が長時間再開されない事態を未然に阻止することができ、ユーザの使用感が向上する。
【0041】
なお、本実施形態では除湿運転中における一時停止条件の成立有無を、除湿運転開始からのカウント時間が10分に達したかで判断しているが、これに限られない。例えば、除湿運転開始後、室温センサ35での検知値が設定温度以下になったら一時停止条件が成立したとして圧縮機51をOFF状態に切り替えると共に室内モータ32及び室外モータ42とを駆動停止させ、室内ファン31及び室外ファン41の動作を停止させる運転一時停止状態となってもよい。これにより、室温が設定温度以下となっても除湿運転が継続して実施されることで室内が冷えすぎ、ユーザの使用感が低下する事態を未然に阻止することができる。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0043】
例えば、除湿運転の開始から一時停止するまでの時間である10分、一時停止開始から再開判断するまでの時間である5分、冷気排除動作で室内ファン31を駆動させる時間である1分は適宜変更可能であり、本実施形態の時間に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0044】
12 室内吸込口
13 室内吹出口
31 室内ファン(送風ファン)
33 蒸発器
34 熱交温度センサ
35 室温センサ
43 凝縮器
51 圧縮機
52 キャピラリーチューブ(減圧装置)
53 冷媒配管
54 冷凍サイクル
55 制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6