(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088124
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】インクジェットプリンタ
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20230619BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J2/01 127
B41J2/01 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202794
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000116057
【氏名又は名称】ローランドディー.ジー.株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121500
【弁理士】
【氏名又は名称】後藤 高志
(74)【代理人】
【識別番号】100121186
【弁理士】
【氏名又は名称】山根 広昭
(74)【代理人】
【識別番号】100218084
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊光
(72)【発明者】
【氏名】四ノ宮 文二
(72)【発明者】
【氏名】牧野瀬 孝
(72)【発明者】
【氏名】石原 正教
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056HA37
2C056HA40
2C056HA44
(57)【要約】
【課題】ノズル面に到達する光を低減することができるインクジェットプリンタを提供する。
【解決手段】プリンタ10は、インクヘッド30よりも主走査方向Yの一方側に位置するようにキャリッジ20に搭載され、記録媒体5に吐出された光硬化性インクに向けて光を照射可能な紫外線照射装置40を備え、紫外線照射装置40は、LED素子43と、LED素子43から照射された光を外部に出射する照射口45Hが形成されたケース45と、ケース45に収容され、ケース45と共に照射口45Hを含む光照射室46を区画し、LED素子43が取り付けられたプリント基板48と、LED素子43よりも主走査方向Yの一方側に設けられた光反射抑制部材50と、を有している。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体が載置される載置台と、
前記載置台に載置された前記記録媒体に光硬化性インクを吐出するノズルと、前記ノズルが形成されたノズル面と、を有するインクヘッドと、
前記インクヘッドを搭載し、主走査方向に移動可能に設けられたキャリッジと、
前記インクヘッドよりも前記主走査方向の一方側に位置するように前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクに向けて光を照射可能な光照射装置と、を備え、
前記光照射装置は、
光源としてのLED素子と、
前記LED素子を収容し、かつ、下方に向けて開口しかつ前記LED素子から照射された光を外部に出射する照射口が形成されたケースと、
前記ケースに収容され、前記ケースと共に前記照射口を含む光照射室を区画し、前記LED素子が取り付けられたプリント基板と、
前記LED素子よりも前記主走査方向の一方側に設けられた光反射抑制部材と、を有している、インクジェットプリンタ。
【請求項2】
前記光反射抑制部材は、前記LED素子の前記主走査方向の一方側の端部よりも前記主走査方向の一方側に設けられている、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項3】
前記光反射抑制部材は、前記LED素子の前記主走査方向の一方側の端部から前記ケースの前記主走査方向の一方側の内面に亘って設けられている、請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項4】
前記光反射抑制部材は、底面視で前記LED素子と重ならず、かつ、前記LED素子の前記主走査方向の他方側の端部から前記ケースの前記主走査方向の一方側の内面に亘って設けられている、請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項5】
前記LED素子は、少なくとも前記主走査方向に複数並び、
前記光反射抑制部材は、複数の前記LED素子のうち前記主走査方向の最も一方側に位置する最外側LED素子に対して設けられている、請求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項6】
前記光反射抑制部材は、前記プリント基板の下面に設けられた光反射抑制塗料の塗膜である、請求項1から5のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項7】
前記光反射抑制部材は、前記プリント基板の下面から下方に向けて延びる、請求項1または2に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項8】
前記LED素子は、少なくとも前記主走査方向に複数並び、
前記光反射抑制部材は、複数の前記LED素子のうち前記主走査方向の最も一方側に位置する最外側LED素子の前記主走査方向の一方側の端部から前記ケースの前記主走査方向の一方側の内面に行くほど、上下方向の長さが短くなる傾斜面を有する、請求項6に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項9】
前記ケースは、前記プリント基板の下方に位置し、かつ、前記ケースの前記主走査方向の一方側の内面から前記LED素子の前記主走査方向の一方側の端部に向けて延びる遮蔽部材を有し、
前記光反射抑制部材は、前記遮蔽部材の下面に設けられた光反射抑制塗料の塗膜である、請求項1に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記光照射装置は、前記照射口を塞ぐガラスを備え、
前記ケースは、前記ガラスを保持しかつ前記遮蔽部材を含むガラスホルダーを有する、請求項9に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記ケースのうち前記光照射室を区画する部分の内面には、光反射抑制塗料の塗膜が設けられている、請求項1から10のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記ケースのうち前記光照射室を区画する部分を、上方から下方に向けて上側領域と下側領域とに二等分したときに、前記光反射抑制塗料の塗膜は前記上側領域に設けられている、請求項11に記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記プリント基板は、前記ケースと共に前記光照射室と前記光照射室の上方に位置する部材配置室とに区画し、
前記光照射装置は、前記プリント基板と接触するように前記部材配置室に配置されたヒートシンクを備えている、請求項1から12のいずれか一項に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、光硬化性を有するインク(以下光硬化性インクとする)を吐出する複数のノズルとノズルが形成されたノズル面とを有するインクヘッドと、インクヘッドを搭載しかつ主走査方向に移動可能なキャリッジとを備え、インクジェット方式により記録媒体上に所定の印刷を行うインクジェットプリンタが知られている。光硬化性インクを使用するインクジェットプリンタは、例えば特許文献1に示すように、記録媒体に吐出された光硬化性インクに向けて光を照射する複数のLED素子を備えた光照射装置を備えている。光照射装置は、インクヘッドと主走査方向に並ぶようにキャリッジに搭載されている。光を照射された光硬化性インクは、記録媒体上で素早く硬化し、これにより記録媒体に所望の画像が印刷される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、光照射装置において複数のLED素子から光を効率よく記録媒体に向けて照射することと、照射面の光量分布をより均一にすることとを実現するために、LED素子の配置位置が設定されている。ここで、LED素子から照射された光は、記録媒体において反射して、インクヘッドのノズル面に到達することがある。このため、反射された光の量が所定の量を超えるとノズル面やノズルにおいて光硬化性インクが硬化してしまい、ノズルに目詰まりが発生する虞がある。
【0005】
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ノズル面に到達する光を低減することができるインクジェットプリンタを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明者は、LED素子から照射された光の大部分は記録媒体において反射してもインクヘッドのノズル面に到達しないことに気が付いた。その一方で、光照射装置が主走査方向に並ぶ複数のLED素子を有する場合には、LED素子のうちインクヘッドから最も離れたLED素子の周辺で反射した光の一部が比較的浅い角度で記録媒体においてさらに反射して、その反射光がノズル面に到達することに気が付いた。そこで、インクヘッドから最も離れたLED素子の周辺における反射光を低減することによって、ノズル面に到達する光の量を低減することができることを見出した。
【0007】
本発明に係るインクジェットプリンタは、記録媒体が載置される載置台と、前記載置台に載置された前記記録媒体に光硬化性インクを吐出するノズルと、前記ノズルが形成されたノズル面と、を有するインクヘッドと、前記インクヘッドを搭載し、主走査方向に移動可能に設けられたキャリッジと、前記インクヘッドよりも前記主走査方向の一方側に位置するように前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体に吐出された前記光硬化性インクに向けて光を照射可能な光照射装置と、を備えている。前記光照射装置は、光源としてのLED素子と、前記LED素子を収容し、かつ、下方に向けて開口しかつ前記LED素子から照射された光を外部に出射する照射口が形成されたケースと、前記ケースに収容され、前記ケースと共に前記照射口を含む光照射室を区画し、前記LED素子が取り付けられたプリント基板と、前記LED素子よりも前記主走査方向の一方側に設けられた光反射抑制部材と、を有している。
【0008】
本発明に係るインクジェットプリンタによると、光照射装置は、LED素子よりも主走査方向の一方側に設けられた光反射抑制部材を有している。かかる構成によると、LED素子から照射された光が記録媒体において反射してケースの光照射室内に再度入射することがあっても、光反射抑制部材に到達した光はその反射が抑制されるため、光照射装置から比較的浅い角度で記録媒体に向かう光が低減される。これにより、ノズル面に到達する光を低減することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ノズル面に到達する光を低減することができるインクジェットプリンタを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図2】一実施形態に係るフロントカバーが開いた状態のプリンタの正面図である。
【
図3】一実施形態に係るフロントカバーおよびケースを取り外した状態のプリンタの平面図である。
【
図4】一実施形態に係るキャリッジの記録媒体と対向する側の面の構成を示す模式図である。
【
図5】一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図6】一実施形態に係るプリンタのブロック図である。
【
図7】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図8A】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図8B】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図9】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図10】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の断面図である。
【
図11】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の底面図である。
【
図12】他の一実施形態に係る紫外線照射装置の底面図である。
【
図13】他の一実施形態に係るキャリッジの記録媒体と対向する側の面の構成を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るインクジェットプリンタ(以下単に「プリンタ」と称する)について説明する。なお、ここで説明される実施形態は、当然ながら特に本発明を限定することを意図したものではない。また、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は適宜省略または簡略化する。
【0012】
図1は、本実施形態に係るプリンタ10の斜視図である。プリンタ10は、記録媒体5(
図2参照)に印刷を行う。以下の説明では、プリンタ10を正面から見たときに、プリンタ10から遠ざかる方を前方、プリンタ10に近づく方を後方とする。左、右、上、下とは、プリンタ10を正面から見たときの左、右、上、下をそれぞれ意味するものとする。また、図面中の符号F、Rr、L、R、U、Dは、それぞれ前、後、左、右、上、下を意味するものとする。また、図面中の符号Yは主走査方向を示している。ここでは、主走査方向Yは左右方向である。符号Xは副走査方向を示している。ここでは、副走査方向Xは前後方向であり、平面視において主走査方向Yと直交している。符号Zは上下方向を示している。上下方向Zは、正面視において主走査方向Yと直交している。ただし、上記方向は説明の便宜上定めた方向に過ぎず、プリンタ10の設置態様を何ら限定するものではなく、本発明を何ら限定するものでもない。
【0013】
本実施形態において用いられる記録媒体5は、例えば、記録紙や転写紙などの平面シートであってもよいし、携帯電話ケースなどの各種ケース、小型電子機器、キーホルダやフォトフレームやペンなどの部品小物、日用品、アクセサリなどの立体物であってもよい。記録媒体5を形成する材料は、普通紙やインクジェット用印刷紙などの紙類はもちろんのこと、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタラート(PET)、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共重合体などの樹脂類、アルミニウムやステンレス鋼などの金属類、カーボン、陶器、セラミック、ガラス、ゴム、皮革、木材などであってもよい。
【0014】
図1に示すように、プリンタ10は、箱状に形成された筐体12を備えている。筐体12には、内部空間12Sが形成されている。筐体12は、ケース15と、フロントカバー23とを含む。ケース15の前部には、開口28(
図2参照)が形成されている。フロントカバー23は、ケース15の開口28を開閉自在に設けられている。ここでは、フロントカバー23は、後端を軸に回転可能なように、ケース15に支持されている。フロントカバー23を上方に回転させることによって、筐体12の内部空間12Sと外部空間とが連通される。内部空間12Sは、後述するインクヘッド30(
図2参照)によって記録媒体5に印刷が行われる空間である。このように、印刷が行われる内部空間12Sがケース15およびフロントカバー23によって囲まれて形成されていることによって、印刷中に外部空間の塵および埃が内部空間12Sに入り込み難く、かつ、後述する紫外線照射装置40(
図2参照)から照射された光が外部空間に漏れ難い。
【0015】
図1に示すように、フロントカバー23の前部および上部には、窓23Aが設けられている。窓23Aは、例えば、透明のアクリル板によって形成されている。窓23Aには、外部空間の光(例えば紫外線)が内部空間12Sに到達しないように処理が施されている。ユーザは、窓23Aから筐体12の内部を視認することが可能である。
【0016】
次に、プリンタ10の内部の構成について説明する。
図2に示すように、プリンタ10は、ガイドレール18と、キャリッジ20と、インクヘッド30と、紫外線照射装置40と、制御装置70とを備えている。ガイドレール18と、キャリッジ20と、インクヘッド30と、紫外線照射装置40とは、内部空間12Sに設けられている。ガイドレール18は、ケース15内に配置されている。
図3に示すように、ガイドレール18は、ケース15の支持壁15Aに固定され、主走査方向Yに延びている。ガイドレール18には、キャリッジ20が摺動自在に設けられている。キャリッジ20は、キャリッジ移動機構21(
図6参照)により、ガイドレール18に沿って主走査方向Yに往復移動する。キャリッジ移動機構21は、制御装置70によって制御される。キャリッジ20が主走査方向Yに移動することに伴い、キャリッジ20に搭載されたインクヘッド30および紫外線照射装置40は主走査方向Yに移動する。
【0017】
図2に示すように、キャリッジ20には、複数のインクヘッド30が搭載されている。インクヘッド30は、後述するテーブル35より上方に配置されている。インクヘッド30は、テーブル35に載置された記録媒体5に光硬化性を有するインク(光硬化性インク)を吐出する。インクヘッド30は、それぞれ、可撓性を有するインクチューブ(図示せず)によって、ケース15内に収容されたインクカートリッジ60と連通されている。インクカートリッジ60には、それぞれ、光硬化性インクが貯留されている。
【0018】
図4に示すように、インクヘッド30は、キャリッジ20に搭載されている。インクヘッド30は、副走査方向Xに関して揃った位置に配置されている。インクヘッド30は、副走査方向Xに関して互いにずれた位置に配置されていてもよい。即ち、インクヘッド30は、いわゆるスタガ配列であってもよい。インクヘッド30は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。インクヘッド30は、副走査方向Xに並ぶ複数の左側ノズル31Aと、副走査方向Xに並びかつ左側ノズル31Aの右方に位置する複数の右側ノズル31Bと、左側ノズル31Aおよび右側ノズル31Bが形成されたノズル面31Cとを備えている。複数の左側ノズル31Aが1列に並んで左側ノズル列33Aを構成している。複数の右側ノズル31Bが1列に並んで右側ノズル列33Bを構成している。左側ノズル31Aおよび右側ノズル31Bは、光硬化性インクを吐出する。
図4において、インクヘッド30には、12個のノズルが図示されているが、実際にはさらに多数(例えば180個)のノズルが形成されている。ただし、ノズルの個数は何ら限定されるわけではない。また、インクヘッド30の数は3個に限定されない。また、インクヘッド30は、2つのノズル列を有するが、ノズル列は1つまたは3つ以上であってもよい。
【0019】
光硬化性インクは、光(例えば紫外線)が照射されると硬化する性質を有する光硬化性インクである。光硬化性インクとしては、例えば、画像形成に用いられるインク(即ち画質形成用インク)や画像形成前の下地層の形成または画像形成後の表面仕上げに用いられるインク(即ち画質向上用インク)が挙げられる。画像形成用インクは、例えば、プロセスカラーインクである。プロセスカラーインクとしては、例えば、シアンインク、マゼンタインク、イエローインク、ブラックインク、ライトシアンインク、ライトマゼンタインク等が挙げられる。画像形成前の下地層の形成に用いられるインクは、例えば、プライマーインクやホワイトインクである。プライマーインクは粘着性を有する。画像形成後の表面仕上げに用いられるインクは、例えば、グロスインクである。
【0020】
図2に示すように、プリンタ10は1つの紫外線照射装置40を備えている。紫外線照射装置40は、光照射装置の一例である。紫外線照射装置40は、光(典型的には紫外線)を照射する。紫外線照射装置40は、記録媒体5のうち光硬化性インクが吐出された領域(即ち印刷領域)に光(ここでは紫外線)を照射可能に構成されている。紫外線照射装置40は、記録媒体5に吐出された光硬化性インクに向けて光を照射可能に構成されている。紫外線照射装置40は、キャリッジ20に搭載されている。紫外線照射装置40は、後述するテーブル35より上方に配置されている。
図4に示すように、紫外線照射装置40は、インクヘッド30よりも右方に配置されている。なお、紫外線照射装置40は、インクヘッド30よりも左方に配置されていてもよい。
【0021】
図5に示すように、紫外線照射装置40は、複数のLED素子43と、複数のLED素子43を収容するケース45と、プリント基板48と、光反射抑制部材50と、ヒートシンク55と、ガラス57とを備えている。
【0022】
図5に示すように、ケース45は、直方体形状に形成されている。ケース45は、上壁45Aと、上壁45Aの前端から下方に延びる前壁45B(
図4参照)と、上壁45Aの後端から下方に延びる後壁45C(
図4参照)と、上壁45Aの左端から下方に延びかつ前壁45Bと後壁45Cとを接続する左壁45Dと、上壁45Aの右端から下方に延びかつ前壁45Bと後壁45Cとを接続する右壁45Eと、を含む。ケース45には、照射口45Hが形成されている。照射口45Hは、前壁45Bと、後壁45Cと、左壁45Dと、右壁45Eとから形成されている。照射口45Hは、下方に向けて開口する。照射口45Hは、LED素子43から照射された光を外部に出射する。ケース45は、金属材料(例えば鉄やアルミ)から形成されている。従って、ケース45の内面45Mは、LED素子43から照射された光を反射する。
図4に示すように、ケース45は、副走査方向Xの長さが主走査方向Yの長さよりも長い形状に形成されている。ケース45は、連結部材22を介してキャリッジ20に搭載されている。
【0023】
図4に示すように、紫外線照射装置40は、少なくとも主走査方向Yに並ぶ複数のLED素子43を有する。本実施形態では、複数のLED素子43は、主走査方向Yおよび副走査方向Xに並ぶ。LED素子43は、記録媒体5に吐出された光硬化性インクに光(ここでは紫外線)を照射する。LED素子43は、ケース45の後述する光照射室46(
図5参照)に配置されている。紫外線照射装置40は、左側光源列44Aと、中央光源列44Bと、右側光源列44Cとを有する。左側光源列44Aと、中央光源列44Bと、右側光源列44Cとは、主走査方向Yに並ぶ。左側光源列44Aは、中央光源列44Bの左方に位置する。右側光源列44Cは、中央光源列44Bの右方に位置する。左側光源列44A、中央光源列44Bおよび右側光源列44Cは、それぞれ、副走査方向Xに並ぶ複数のLED素子43が1列に並んで構成されている。以下、左側光源列44A、中央光源列44Bおよび右側光源列44Cを総称して光源列44と称することがある。光源列44は、インクヘッド30の側方(ここでは右方)に位置する。光源列44の副走査方向Xの長さは、インクヘッド30の左側ノズル列33Aおよび右側ノズル列33Bの副走査方向Xの長さより長い。なお、
図4では各列において18個のLED素子43が図示されているが、実際にはさらに多数(例えば30個)の光源が設けられている。
【0024】
図5に示すように、プリント基板48は、ケース45に収容されている。プリント基板48は、ケース45に保持されている。プリント基板48には、複数のLED素子43が取り付けられている。プリント基板48は、ケース45と共に光照射室46と、部材配置室47とを区画する。光照射室46は、照射口45Hを含む。部材配置室47は、光照射室46の上方に位置する。プリント基板48のうち、光照射室46に対向する下面48Aには、光の反射を促進する光反射部材が設けられている。光反射部材は、例えば、光反射塗料の白色の塗膜(例えば株式会社朝日ラバー製の白色シリコーンインキや積水化学工業製の白色ソルダーレジスト等)である。
【0025】
図5に示すように、光反射抑制部材50は、光照射室46に配置されている。光反射抑制部材50は、光の反射を抑制(防止)する部材である。光反射抑制部材50は、例えば光反射抑制塗料の黒色の塗膜(例えばフッ素樹脂塗料)である。光反射抑制部材50は、例えば、反射光を吸収する。光反射抑制部材50は、複数のLED素子43のうち最も右方に位置する最外側LED素子43Mの周辺に設けられている。即ち、光反射抑制部材50は、右側光源列44C(
図4参照)の周辺に設けられている。ここで、最外側LED素子43Mとは、主走査方向Yに関してインクヘッド30から最も離れたLED素子43である。本実施形態では、光反射抑制部材50は、最外側LED素子43Mの右端部よりも右方に設けられている。光反射抑制部材50は、最外側LED素子43Mの右端部からケース45の右壁45Eの内面45Mに亘って設けられている。
図4に示すように、光反射抑制部材50は、ケース45の前壁45Bの内面45Mからケース45の後壁45Cの内面45Mに亘って設けられている。光反射抑制部材50は、プリント基板48の下面48Aに設けられている。
図5の矢印Pで示すように、プリント基板48のうち光反射抑制部材50が設けられた部分で反射する光は、比較的浅い角度で照射口45Hから外部に出射した後、記録媒体5において再び反射してインクヘッド30のノズル面31Cに到達する虞がある。しかしながら、本実施形態では、プリント基板48の特定の部分に光反射抑制部材50を設けているため、光反射抑制部材50において光の反射が抑制され、上述のような矢印Pの光がノズル面31Cに到達することが抑制される。なお、本実施形態では、紫外線照射装置40がインクヘッド30より右方に配置されているため、複数のLED素子43のうち最も右方に位置するLED素子43が最外側LED素子43Mに相当するが、紫外線照射装置40がインクヘッド30より左方に配置されている場合には、複数のLED素子43のうち最も左方に位置するLED素子43が最外側LED素子43Mに相当する。即ち、1つの紫外線照射装置40において、複数のLED素子43のうち主走査方向Yに関してインクヘッド30から最も離れて配置されたLED素子43が、最外側LED素子43Mとなる。
【0026】
図5に示すように、ヒートシンク55は、部材配置室47に配置されている。ヒートシンク55は、プリント基板48と接触する。ヒートシンク55は、プリント基板48の上に配置されている。ヒートシンク55は、プリント基板48の放熱を目的として用いられる部材である。
【0027】
図5に示すように、ガラス57は、光照射室46に配置されている。ガラス57は、ケース45に保持されている。ガラス57は、照射口45Hを塞ぐように設けられている。ガラス57は、透明である。
【0028】
図2に示すように、プリンタ10は、所謂、フラットベッドタイプのプリンタである。プリンタ10は、キャリッジ20より下方に配置されたテーブル35と、第1テーブル移動機構36と、第2テーブル移動機構37とを備えている。テーブル35、第1テーブル移動機構36および第2テーブル移動機構37は、内部空間12Sに設けられている。テーブル35は、載置台の一例である。テーブル35には、記録媒体5が載置される。テーブル35は、記録媒体5を支持する台である。テーブル35は、第1テーブル移動機構36によって、副走査方向Xに移動可能に構成されている。テーブル35は、第2テーブル移動機構37によって、上下方向Zに移動可能に構成されている。
【0029】
図2に示すように、第1テーブル移動機構36は、スライドレール36a、36bと、搬送部材36cと、ボールねじ36dと、第1モータ39A(
図6も参照)とを備えている。スライドレール36a、36bは、副走査方向Xに延びている。搬送部材36cは、スライドレール36a、36bに対して摺動自在に設けられている。搬送部材36cの上方には、他の部材を介してテーブル35が支持されている。搬送部材36cは、ボールねじ36dに連結されている。ボールねじ36dは、副走査方向Xに延びる。第1モータ39Aは、図示しないギアを介してボールねじ36dに連結されている。第1モータ39Aは、ボールねじ36dを回転させる。第1モータ39Aは、制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70によって制御される。第1モータ39Aが駆動すると、搬送部材39cは、ボールねじ36dの回転により、スライドレール36a、36bに沿って副走査方向Xに移動する。これにより、テーブル35が、副走査方向Xに移動する。
【0030】
図2に示すように、第2テーブル移動機構37は、高さ調整部材37aと、第2モータ39B(
図6参照)とを備えている。高さ調整部材37aは、テーブル35の下面に設けられている。高さ調整部材37aは、第2モータ39Bに接続されている。第2モータ39Bは、制御装置70と電気的に接続されており、制御装置70によって制御される。第2モータ39Bが駆動すると、高さ調整部材37aの高さが変化して、テーブル35の高さが調整される。即ち、テーブル35は、上下方向Zに移動する。
【0031】
図6に示すように、制御装置70は、記録媒体5への印刷を制御する装置である。制御装置70の構成は特に限定されない。制御装置70は、例えばマイクロコンピュータである。制御装置70は、キャリッジ移動機構21と、インクヘッド30と、紫外線照射装置40と、第1テーブル移動機構36(
図2参照)の第1モータ39Aと、第2テーブル移動機構37(
図2参照)の第2モータ39Bと通信可能に接続され、これらを制御する。
【0032】
図6に示すように、制御装置70は、印刷制御部71と、光源制御部72と、移動制御部73と、を備えている。制御装置70の各部の機能は、プログラムによって実現されている。印刷制御部71は、記録媒体5に画像を形成させる部位である。印刷制御部71は、キャリッジ移動機構21およびインクヘッド30を制御する。光源制御部72は、紫外線照射装置40のLED素子43を制御する。光源制御部72は、記録媒体5に吐出された光硬化性インクに向けてLED素子43から光を照射して光硬化性インクを硬化させる部位である。移動制御部73は、記録媒体5を副走査方向Xに移動させる部位である。移動制御部73は、第1モータ39Aを制御する。
【0033】
以上のように、本実施形態のプリンタ10によると、紫外線照射装置40は、少なくとも主走査方向Yに並ぶ複数のLED素子43のうち主走査方向Yの最も一方側(ここでは右方)に位置する最外側LED素子43M(即ち主走査方向Yに関してインクヘッド30から最も離れたLED素子43である)の周辺に設けられた光反射抑制部材50を有している。かかる構成によると、LED素子43から照射された光が記録媒体5において反射してケース45の光照射室46内に再度入射することがあっても、光反射抑制部材50に到達した光はその反射が抑制されるため、紫外線照射装置40から比較的浅い角度で記録媒体5に向かう光が低減される。これにより、ノズル面31Cに到達する光を低減することができる。
【0034】
本実施形態のプリンタ10では、光反射抑制部材50は、少なくとも最外側LED素子43Mの主走査方向Yの一方側の端部(ここでは右端部)よりも主走査方向Yの一方側(ここでは右方)に設けられている。最外側LED素子43Mの主走査方向右端部から右方に離れる位置ほど、反射した光の一部は比較的浅い角度で記録媒体5に向かう傾向にあるため、かかる位置に光反射抑制部材50を設けることによって、ノズル面31Cに到達する光を低減することができる。
【0035】
本実施形態のプリンタ10では、光反射抑制部材50は、少なくとも最外側LED素子43Mの主走査方向Yの一方側の端部(ここでは右端部)からケース45の主走査方向Yの一方側の内面(ここでは右壁45Eの内面45M)に亘って設けられている。これにより、ノズル面31Cに到達する光をより低減することができる。
【0036】
本実施形態のプリンタ10では、光反射抑制部材50は、プリント基板48の下面48Aに設けられた光反射抑制塗料の塗膜である。これにより、光反射抑制部材50において光を吸収することができ、ノズル面31Cに到達する光をより低減することができる。
【0037】
本実施形態のプリンタ10では、プリント基板48は、ケース45と共に光照射室46と光照射室46の上方に位置する部材配置室47とに区画し、紫外線照射装置40は、プリント基板48と接触するように部材配置室47に配置されたヒートシンク55を備えている。これにより、プリント基板48の温度の上昇をより抑制することができる。
【0038】
以上、本発明の好適な実施形態について説明した。しかし、上述の実施形態は例示に過ぎず、本発明は他の種々の形態で実施することができる。
【0039】
図7は、第2実施形態に係る紫外線照射装置240の断面図である。
図7に示すように、紫外線照射装置240において、プリント基板48とケース45の右壁45Eの内面45Mとの間には、隙間が設けられている。即ち、プリント基板48は主走査方向Yに関してケース45の右壁45Eの内面45Mと接触していない。本実施形態では、光反射抑制部材50は、プリント基板48の右端部からケース45の右壁45Eの内面45Mに亘って設けられている。光反射抑制部材50は、例えば、ヒートシンク55の下面55Aに設けられている。なお、光反射抑制部材50は、ヒートシンク55から離間して配置されていてもよい。
【0040】
図8Aは、第3実施形態に係る紫外線照射装置340の断面図である。
図8Aに示すように、紫外線照射装置340において、光反射抑制部材350は、プリント基板48の下面48Aから下方に向けて延びる。本実施形態では、光反射抑制部材350は、最外側LED素子43Mの右方に設けられている。光反射抑制部材350は、例えば、金属材料から形成されている。光反射抑制部材350は、板状に形成されている。光反射抑制部材350の表面には、光反射抑制塗料の黒色の塗膜が形成されているとよい。光反射抑制部材350の上下方向Zの長さを長さL1とし、光照射室46の上下方向Zの長さを長さL2としたとき、L1=凡そ0.1×L2~凡そ1×L2の関係を満たす。この関係は、
図8Bに示すように、紫外線照射装置340のインクヘッド30と反対側の端部(例えばプリント基板48の下面48Aの右端部48AR)で反射した矢印Pの光がインクヘッド30のノズル面31Cに入射しないようにするためのL1およびL2の関係から求められる。即ち、
図8Bに示すように、右端部48ARから出射(内面45Mで反射)した光がインクヘッド30のノズル面31Cに入射しないように光反射抑制部材350によって光を遮る必要があるため、インクヘッド30から紫外線照射装置340までの主走査方向Yの長さをa、紫外線照射装置340の主走査方向Yの長さをb、紫外線照射装置340の下端部(即ちガラス57の下面)から記録媒体5までの上下方向Zの長さをe、光反射抑制部材350から右壁45Eの内面45Mまでの主走査方向Yの長さをgとしたときに、(L2+2e)g/(a+b)≦L1<L2に設定される。例えば、a=30(mm)、b=40(mm)、e=2(mm)、g=5(mm)、L2=10(mm)とすると、L1は1(mm)~10(mm)に設定される。本実施形態の紫外線照射装置340によると、記録媒体5に向かう光の角度を制限することができ、比較的浅い角度で記録媒体5に向かう反射光を低減することができる。
【0041】
図9は、第4実施形態に係る紫外線照射装置440の断面図である。
図9に示すように、光反射抑制部材450は、プリント基板48の下面48Aから下方に向けて延びる。本実施形態では、光反射抑制部材450は、最外側LED素子43Mの右方に設けられている。光反射抑制部材450は、最外側LED素子43Mの右端部からケース45の右壁45Eの内面45Mに行くほど、上下方向Zの長さが短くなる傾斜面450Mを有する。光反射抑制部材450は、例えば、金属材料から形成されている。光反射抑制部材450の表面には、光反射抑制塗料の黒色の塗膜が形成されているとよい。本実施形態の紫外線照射装置440によると、記録媒体5に向かう光の角度を制限することができ、比較的浅い角度で記録媒体5に向かう反射光を低減することができる。
【0042】
図9に示すように、紫外線照射装置440において、ケース45のうち光照射室46を区画する右壁45Eの内面45Mおよび左壁45Dの内面45Mには、光反射抑制部材50が設けられている。光反射抑制部材50は、例えば、光反射抑制塗料の塗膜である。光反射抑制部材50は、ケース45のうち光照射室46を区画する部分を、上方から下方に向けて上側領域R1と下側領域R2とに二等分したときに、上側領域R1に設けられている。光反射抑制部材50は、プリント基板48または光反射抑制部材450と接触しているとよい。かかる構成によると、記録媒体5に向かう光の角度をより制限することができ、比較的浅い角度で記録媒体5に向かう反射光をより低減することができる。なお、光反射抑制部材50は、少なくとも右壁45Eの内面45Mに設けられているとよい。また、光反射抑制部材50は、光照射室46の右壁45Eの内面45Mおよび左壁45Dの内面45Mの全てに設けられていてもよい。
【0043】
図10は、第5実施形態に係る紫外線照射装置540の断面図である。
図10に示すように、紫外線照射装置540において、ケース45は、ガラス57を保持するガラスホルダー558を有する。ガラスホルダー558は、ケース45の右壁45Eの内面45Mから最外側LED素子43Mの右端部に向けて延びる遮蔽部材559と、ケース45の左壁45Dの内面45Mから右方に延びる遮蔽部材560とを有する。遮蔽部材559、560は、プリント基板48の下方に位置する。遮蔽部材559の下面559Aには、光反射抑制部材50が設けられている。光反射抑制部材50は、例えば、光反射抑制塗料の黒色の塗膜である。本実施形態の紫外線照射装置540によると、光反射抑制部材50において光を吸収することができ、ノズル面31に到達する光をより低減することができる。また、遮蔽部材559、560によってプリント基板48に到達する光が低減されるため、プリント基板48の温度の上昇を抑制することができる。さらに、ガラス57を保持するガラスホルダー558の遮蔽部材559、560に光反射抑制部材50を設けることで、容易にノズル面31に到達する光を低減することができる。
【0044】
図11は、第6実施形態に係る紫外線照射装置640の断面図である。
図11に示すように、紫外線照射装置640において、光反射抑制部材50は、底面視で最外側LED素子43Mと重ならず、かつ、最外側LED素子43Mの左端部からケース45の右壁45Eの内面45Mに亘って設けられている。これにより、ノズル面31に到達する光をより低減することができる。
【0045】
図12は、第7実施形態に係る紫外線照射装置740の断面図である。
図12に示すように、紫外線照射装置740において、左側光源列44A、中央光源列44Bおよび右側光源列44Cは、それぞれ、副走査方向Xに並ぶ複数のLED素子43がジグザグに1列に並んで構成されている。本実施形態では、前方から後方に向けて、奇数番目のLED素子43は左方に偏倚しかつ偶数番目のLED素子43は右方に偏倚している。なお、奇数番目のLED素子43と偶数番目のLED素子43とは、主走査方向Yに関して一部が重なっている。光反射抑制部材50は、底面視で最外側LED素子43Mと重ならず、かつ、奇数番目の最外側LED素子43Mの右端部からケース45の右壁45Eの内面45Mに亘って設けられている。これにより、ノズル面31に到達する光をより低減することができる。
【0046】
上述した実施形態では、プリンタ10は、1つの紫外線照射装置40を備えていたが、インクヘッド30の右方および左方のそれぞれに紫外線照射装置40を備えていてもよい。かかる構成の場合には、
図13に示すように、左側の紫外線照射装置40において、左側光源列44AのLED素子43が最外側LED素子43Mに相当する。光反射抑制部材50は、最外側LED素子43Mの左端部よりも左方に設けられている。光反射抑制部材50は、最外側LED素子43Mの左端部からケース45の左壁45Dの内面45Mに亘って設けられている。
【0047】
上述した実施形態では、紫外線照射装置40は、主走査方向Yに並ぶ複数のLED素子43(即ち左側光源列44Aと、中央光源列44Bと、右側光源列44Cとの3つの光源列)を有していたが、主走査方向Yに関してLED素子43の数は1または2、或いは4以上(即ち光源列の数は1または2、或いは4以上)であってもよい。光反射抑制部材50、350、450は、主走査方向Yに関してLED素子43のうち最もインクヘッド30から離れたLED素子43(例えば最外側LED素子43M)に対して設けられる。
【0048】
上述した実施形態では、プリンタ10は、記録媒体5が載置されたテーブル35をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させることによって、記録媒体5をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させる第1テーブル移動機構36を移動装置として備えていたが、これに限定されない。例えば、テーブル35を筐体12に固定し、キャリッジ20をテーブル35に対して副走査方向Xに相対的に移動させることによって、記録媒体5をキャリッジ20に対して副走査方向Xに相対的に移動させる移動装置を備えていてもよい。
【0049】
ここで開示される技術は様々なタイプのプリンタに適用することができる。上述した実施形態で示したフラットベッドタイプのプリンタ10の他、例えば、ロール状の記録媒体5を副走査方向Xに搬送する、所謂、Roll-to-Rollタイプのプリンタ10にも同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0050】
5 記録媒体
10 プリンタ(インクジェットプリンタ)
20 キャリッジ
30 インクヘッド
31C ノズル面
35 テーブル(載置台)
40 紫外線照射装置(光照射装置)
43 LED素子
43M 最外側LED素子
45 ケース
45E 右壁
45H 照射口
45M 内面
46 光照射室
48 プリント基板
48A 下面
50 光反射抑制部材
55 ヒートシンク
57 ガラス