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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2023088157
(43)【公開日】2023-06-26
(54)【発明の名称】濁度計及び濁度測定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/49 20060101AFI20230619BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20230619BHJP
   G01N 21/17 20060101ALI20230619BHJP
【FI】
G01N21/49 A
G01N21/59 Z
G01N21/17 A
【審査請求】有
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2021202848
(22)【出願日】2021-12-14
(71)【出願人】
【識別番号】000006507
【氏名又は名称】横河電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100169823
【弁理士】
【氏名又は名称】吉澤 雄郎
(74)【代理人】
【識別番号】100202326
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 大佑
(72)【発明者】
【氏名】客野 智彦
【テーマコード(参考)】
2G059
【Fターム(参考)】
2G059AA01
2G059EE01
2G059FF01
2G059KK04
2G059MM01
(57)【要約】
【課題】濁度測定の精度を向上させることが可能な濁度計を提供する。
【解決手段】本開示に係る濁度計1は、被測定物Sの濁度を測定する濁度計1であって、照射光L1を被測定物Sに対して照射する光源部21と、被測定物Sに対して照射された照射光L1に基づく透過光L21及び散乱光L22を含む被測定光L2の検出信号を出力する固体撮像素子222を含む受光部22と、被測定光L2の検出信号に基づいて固体撮像素子222の受光面Aにおける被測定光L2の強度の空間分布Dを算出し、算出された空間分布Dに基づいて濁度を算出する制御部31と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被測定物の濁度を測定する濁度計であって、
照射光を前記被測定物に対して照射する光源部と、
前記被測定物に対して照射された前記照射光に基づく透過光及び散乱光を含む被測定光の検出信号を出力する固体撮像素子を含む受光部と、
前記被測定光の検出信号に基づいて前記固体撮像素子の受光面における前記被測定光の強度の空間分布を算出し、算出された前記空間分布に基づいて前記濁度を算出する制御部と、
を備える、
濁度計。
【請求項2】
前記制御部は、前記空間分布の幅に基づいて前記濁度を算出する、
請求項1に記載の濁度計。
【請求項3】
前記制御部は、前記空間分布において前記散乱光が検出されている少なくとも1つの第1領域と、前記空間分布において前記透過光が検出されている第2領域と、に基づいて前記透過光の検出信号強度に対する前記散乱光の検出信号強度の比を算出することで前記濁度を算出する、
請求項1又は2に記載の濁度計。
【請求項4】
前記受光部は、少なくとも1つの第1レンズを含むレンズ系であって、前記固体撮像素子に前記被測定光を導く前記レンズ系を含む、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の濁度計。
【請求項5】
前記光源部は、前記被測定物が位置する領域を外部空間と隔てる測定窓を通過させて前記領域に前記照射光を導く第2レンズであって、前記照射光を平行光にする前記第2レンズを含み、
前記制御部は、前記第2レンズにおける前記被測定物側の面、前記測定窓の外面及び内面、並びに前記被測定物の内部のいずれかに焦点が合うように前記レンズ系を制御する、
請求項4に記載の濁度計。
【請求項6】
前記制御部は、前記空間分布が前記受光面よりも小さいとき、前記空間分布を拡大するように前記レンズ系を制御する、
請求項4又は5に記載の濁度計。
【請求項7】
前記制御部は、前記空間分布が前記受光面よりも大きいとき、前記空間分布を縮小するように前記レンズ系を制御する、
請求項4乃至6のいずれか1項に記載の濁度計。
【請求項8】
前記受光部は、前記固体撮像素子による撮像対象を光で照らす光源を含む、
請求項1乃至7のいずれか1項に記載の濁度計。
【請求項9】
前記固体撮像素子は、カラーCCDを含む、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の濁度計。
【請求項10】
被測定物の濁度を測定する濁度測定方法であって、
照射光を前記被測定物に対して照射するステップと、
前記被測定物に対して照射された前記照射光に基づく透過光及び散乱光を含む被測定光を、固体撮像素子を用いて検出するステップと、
前記被測定光の検出信号に基づいて前記固体撮像素子の受光面における前記被測定光の強度の空間分布を算出するステップと、
算出された前記空間分布に基づいて前記濁度を算出するステップと、
を含む、
濁度測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、濁度計及び濁度測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水などを含む被測定物の濁り具合を測定する濁度計に関する技術が知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、被測定物中の浮遊物質の濃度が低い領域から高い領域まで幅広く同一のセル長及び検出器配置で直線性を保ち正確に測定を行うことができる濁度計が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006-329629号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
被測定物に対して照射された照射光に基づく散乱光は、受光部の受光面において強度の空間分布を有するのが通常である。すなわち、散乱光は、当該受光面において連続的に広がる。一方で、特許文献1に記載のような従来の濁度計では、受光部を構成する複数の散乱光検出器は、受光面において離散的に配置されている。したがって、連続的に広がる散乱光の全てを検出することが困難であり、濁度測定の精度が低かった。
【0006】
本開示は、濁度測定の精度を向上させることが可能な濁度計及び濁度測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
幾つかの実施形態に係る濁度計は、被測定物の濁度を測定する濁度計であって、照射光を前記被測定物に対して照射する光源部と、前記被測定物に対して照射された前記照射光に基づく透過光及び散乱光を含む被測定光の検出信号を出力する固体撮像素子を含む受光部と、前記被測定光の検出信号に基づいて前記固体撮像素子の受光面における前記被測定光の強度の空間分布を算出し、算出された前記空間分布に基づいて前記濁度を算出する制御部と、を備える。
【0008】
これにより、濁度測定の精度を向上させることが可能である。濁度計は、受光部が固体撮像素子を含むことで、透過光検出器及び散乱光検出器が離散的に配置され、数個の受光素子しか用いない従来の濁度計と比較して、数万個から数百万個以上に値する受光素子を用いて濁度測定を実行することができる。濁度計では、受光素子間の隙間が極端に低減するので、受光素子間の隙間に導かれて検出されない被測定光の割合が大幅に低減する。すなわち、連続的に広がる被測定光の略全体を検出することが可能となる。濁度計は、固体撮像素子の受光面における被測定光の強度の空間分布を精度良く算出可能である。結果として、濁度計は、より精度の高い濁度測定を実行することができる。
【0009】
一実施形態において、前記制御部は、前記空間分布の幅に基づいて前記濁度を算出してもよい。これにより、濁度計は、受光面において広がる被測定光の検出情報の全体を利用しながら濁度を測定可能である。したがって、濁度計は、より精度の高い濁度測定を実行することができる。
【0010】
一実施形態において、前記制御部は、前記空間分布において前記散乱光が検出されている少なくとも1つの第1領域と、前記空間分布において前記透過光が検出されている第2領域と、に基づいて前記透過光の検出信号強度に対する前記散乱光の検出信号強度の比を算出することで前記濁度を算出してもよい。これにより、濁度計は、従来の濁度計と同様の方法で濁度を算出することも可能となる。したがって、ユーザは、濁度計を用いた濁度測定の結果と、数個の受光素子によって離散的に被測定光を検出するような従来の濁度計を用いた濁度測定の結果と、を容易に比較することができる。
【0011】
一実施形態において、前記受光部は、少なくとも1つの第1レンズを含むレンズ系であって、前記固体撮像素子に前記被測定光を導く前記レンズ系を含んでもよい。これにより、濁度計は、被測定物から拡散されて受光部に入射する被測定光を漏れなく固体撮像素子に導くことが可能である。加えて、濁度計は、レンズ系によって、受光部としてのカメラモジュールに対し焦点調整機能及びズーム機能の少なくとも一方を付与することも可能となる。
【0012】
一実施形態において、前記光源部は、前記被測定物が位置する領域を外部空間と隔てる測定窓を通過させて前記領域に前記照射光を導く第2レンズであって、前記照射光を平行光にする前記第2レンズを含み、前記制御部は、前記第2レンズにおける前記被測定物側の面、前記測定窓の外面及び内面、並びに前記被測定物の内部のいずれかに焦点が合うように前記レンズ系を制御してもよい。これにより、濁度計は、カメラモジュールの焦点調整機能を用いて異なる事象を捕捉することが可能となる。ユーザは、各場所に焦点が合った画像を視認することで、自身の目的に合った事象を観測することが可能となる。ユーザは、リアルタイムな撮像により出力される画像に基づいて、各事象をリアルタイムに観測することが可能となる。
【0013】
一実施形態において、前記制御部は、前記空間分布が前記受光面よりも小さいとき、前記空間分布を拡大するように前記レンズ系を制御してもよい。これにより、濁度計は、カメラモジュールの拡大機能を用いて、常に最大分解能で被測定光を検出することが可能となる。したがって、濁度計は、濁度測定の精度をさらに向上させることが可能になる。
【0014】
一実施形態において、前記制御部は、前記空間分布が前記受光面よりも大きいとき、前記空間分布を縮小するように前記レンズ系を制御してもよい。これにより、濁度計は、カメラモジュールの縮小機能を用いて、常に最大分解能で被測定光を検出することが可能となる。したがって、濁度計は、濁度測定の精度をさらに向上させることが可能になる。
【0015】
一実施形態において、前記受光部は、前記固体撮像素子による撮像対象を光で照らす光源を含んでもよい。これにより、濁度計は、光源をカメラ用のストロボ光源として機能させることも可能となる。したがって、濁度計は、受光部としてのカメラモジュールによる撮像時に光源部側の光源の光量が不足するような場合に、受光部側の光源を用いて光量を改善することもできる。同様に、濁度計は、受光部側の光源を用いて逆光での見にくさを改善することもできる。
【0016】
一実施形態において、前記固体撮像素子は、カラーCCDを含んでもよい。これにより、濁度計は、被測定物の濁度に加えて、色度も測定可能である。
【0017】
幾つかの実施形態に係る濁度測定方法は、被測定物の濁度を測定する濁度測定方法であって、照射光を前記被測定物に対して照射するステップと、前記被測定物に対して照射された前記照射光に基づく透過光及び散乱光を含む被測定光を、固体撮像素子を用いて検出するステップと、前記被測定光の検出信号に基づいて前記固体撮像素子の受光面における前記被測定光の強度の空間分布を算出するステップと、算出された前記空間分布に基づいて前記濁度を算出するステップと、を含む。
【0018】
これにより、濁度測定の精度を向上させることが可能である。濁度測定方法を実行する濁度計は、受光部が固体撮像素子を含むことで、透過光検出器及び散乱光検出器が離散的に配置され、数個の受光素子しか用いない従来の濁度計と比較して、数万個から数百万個以上に値する受光素子を用いて濁度測定を実行することができる。濁度計では、受光素子間の隙間が極端に低減するので、受光素子間の隙間に導かれて検出されない被測定光の割合が大幅に低減する。すなわち、連続的に広がる被測定光の略全体を検出することが可能となる。濁度計は、固体撮像素子の受光面における被測定光の強度の空間分布を精度良く算出可能である。結果として、濁度計は、より精度の高い濁度測定を実行することができる。
【発明の効果】
【0019】
本開示によれば、濁度測定の精度を向上させることが可能な濁度計及び濁度測定方法を提供可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本開示の一実施形態に係る濁度計の概略構成を示す機能ブロック図である。
図2図1の光学モジュールの概略構成を示す模式図である。
図3図1の制御部による濁度算出処理の第1例を説明するための模式図である。
図4図1の制御部による濁度算出処理の第2例を説明するための模式図である。
図5図1の制御部による付加的な処理の第1例を説明するための第1模式図である。
図6図1の制御部による付加的な処理の第1例を説明するための第2模式図である。
図7図1の制御部による付加的な処理の第2例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
濁度計によって測定される被測定物の濁りは、被測定物の中に存在する粒子、すなわち濁質の量によって決まる。濁質の量を測定するためのいくつかの方法が知られている。例えば、透過光・散乱光比較方式の濁度計においては、被測定物中の濁質による照射光の吸収及び散乱が利用されている。濁質を含む被測定物に照射光が照射されると、透過光は、粒子の吸収によって濁度が大きいほど弱まる。一方で、散乱光は、粒子の散乱によって濁度が大きいほど強まる。
【0022】
透過光は、その光強度がランベルトベールの法則によって対数的に変化することから、高濁度において非常に弱くなる。したがって、透過光単独を用いて高濁度の被測定物を測定することは困難である。散乱光は、理論的には濁度に比例する一方で、実際の測定では高濁度の被測定物において吸収の影響を受ける。したがって、散乱光に関する検出信号強度が濁度に比例しない。そこで、透過光・散乱光比較方式の濁度計では、散乱光の検出信号強度を透過光の検出信号強度で除算した値が利用され、検出信号値と濁度値との間の単調増加関係が作り出されている。
【0023】
従来の濁度計は、例えば特許文献1に示すとおり、ランプ光源、集光レンズ、透明ガラスによって構成される液槽、透過光を検出する透過光検出器、及び散乱光を検出する複数の散乱光検出器を有する。ランプ光源から照射された白色光は集光レンズによって平行光となる。平行光となった白色光は、液槽内を流れる測定液に入射する。液槽の両端は透明ガラスにより仕切られている。例えば、下から上へと液槽を流れる測定液の濁質によって平行光の一部は散乱される。散乱光は、液槽の後段に配置された散乱光検出器によって検出される。散乱されずに透過した透過光は、同様に液槽の後段に配置された透過光検出器によって検出される。検出された透過光の検出信号強度と散乱光の検出信号強度とを演算回路などにより以下の式1のとおりに計算することで、測定液の濁度Nが求められる。
【0024】
【数1】
【0025】
ここで、Iは、測定液を透過した透過光の検出信号強度、Iは、測定液によって散乱された散乱光の検出信号強度を示す。I(0)は、濁度0度の液を透過した透過光の検出信号強度、I(0)は、濁度0度の液によって散乱された散乱光の検出信号強度を示す。cは、測定液中の濁質、並びに検出部の形状及び特性により定まる定数であり、Lは、測定対象となる液槽の光路長である。式1に示すとおり、比率I/Iは、濁度Nに対して一次関数的に変化する。
【0026】
従来の濁度計では、透過光検出器及び散乱光検出器を含む検出器において、フォトダイオード(以下、PDと呼称する。)が受光素子として用いられていた。液槽を挟んでランプ光源と対向する位置に透過光検出器のPDが配置され、その周囲に散乱光検出器のPDが複数個、離散的に配置されている。これにより、透過光の強度と散乱光の強度とが区別して測定される。濁度計は、両者の測定結果に基づいて濁度値を算出する。
【0027】
測定液などを含む被測定物に対して照射された照射光に基づく散乱光は、受光部の受光面において強度の空間分布を有するのが通常である。すなわち、散乱光は、当該受光面において連続的に広がる。一方で、特許文献1に記載のような従来の濁度計では、受光部を構成する複数の散乱光検出器は、受光面において離散的に配置されている。
【0028】
離散的に配置されている複数個のPDを用いた濁度測定の場合、透過光及び散乱光を含む被測定光であって、正規分布する被測定光を検出する受光素子の数が限られる。一のPDと他のPDとの間に入射する被測定光を検出することが困難となる。したがって、連続的に広がる散乱光の全てを検出することが困難であり、濁度測定の精度が低かった。すなわち、正規分布する本来の情報が離散的となり、被測定光の正確な分布を得ることが困難であった。全ての散乱光を検出するためには、受光面において隙間無くPDを実装する必要があった。加えて、PDは、明暗、すなわち透過光及び散乱光を含む被測定光の強度を識別することは可能であるが、色合いを識別することはできない。
【0029】
液槽を構成する透明ガラスの外面、例えば受光部側の外面が結露すると、濁度測定の精度がさらに低下する。同様に、液槽を構成する透明ガラスの内面、例えば受光部側の外面の裏側に位置する内面が被測定物中の異物の付着などにより汚れると、濁度測定の精度がさらに低下する。
【0030】
ユーザ及び濁度計は、透明ガラスの外面の結露及び透明ガラスの内面の汚れの少なくとも一方により濁度が異常値を示したとしても、その原因が結露及び汚れのいずれか、又は両方にあることを迅速に判断することができない。すなわち、ユーザ及び濁度計は、濁度値の異常の原因を正確かつ迅速に把握することができない。
【0031】
被測定物の中を落ち葉などの異物が流れて濁度計を構成する光路を通過すると、濁度計によって算出される濁度は、瞬間的に異常な値を示す。このような場合も同様に、ユーザ及び濁度計は、濁度値の瞬間的な異常の原因を正確かつ迅速に把握することができない。
【0032】
本開示は、以上のような問題点を解決することができる濁度計及び濁度測定方法を提供することを目的とする。以下では、添付図面を参照しながら本開示の一実施形態について主に説明する。
【0033】
(構成)
図1は、本開示の一実施形態に係る濁度計1の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0034】
一実施形態に係る濁度計1は、一例として透過光・散乱光比較方式の濁度計である。濁度計1は、被測定物Sの濁度を測定する。本明細書において、「被測定物S」は、例えば水、溶液、及び測定対象となり得る任意の他の液体などを含む。濁度計1は、大きな構成要素として、光学モジュール2と制御モジュール3とを有する。
【0035】
光学モジュール2は、光源部21と、受光部22と、を有する。光源部21は、光源211と、第2レンズ212と、を含む。受光部22は、レンズ系221と、固体撮像素子222と、光源223と、を含む。受光部22は、例えばカメラモジュールとして機能する。
【0036】
光源部21の光源211は、例えばランプ光源を含む。光源211は、可視光領域において広帯域の発光スペクトルを有する白色光を照射光として照射する。光源部21の第2レンズ212は、例えば集光レンズを含む。光源部21は、光源211から出射した照射光を、第2レンズ212を介して被測定物Sに対して照射する。
【0037】
受光部22のレンズ系221は、少なくとも1つの第1レンズを含む。レンズ系221は、被測定物Sに対して照射された照射光に基づく透過光及び散乱光を含む被測定光を、固体撮像素子222に導く。レンズ系221は、受光部22としてのカメラモジュールが焦点調整機能及びズーム機能を有するように、レンズ系221に含まれる少なくとも1つの第1レンズを光軸などに沿って移動させるための駆動機構を含む。
【0038】
受光部22の固体撮像素子222は、例えばCCD(Charge Coupled Device)を含む。すなわち、固体撮像素子222は、光を検出可能な素子が数万個から数百万個以上の数で小さなチップ上に集積されることで構成されている。固体撮像素子222は、被測定物Sに対して照射された照射光に基づく被測定光の検出信号を出力する。固体撮像素子222の波長帯域は、被測定物Sに対して照射された照射光に基づく透過光及び散乱光が有する光スペクトルの波長帯域を含む。
【0039】
受光部22の光源223は、例えばLED(Light Emitting Diode)を含む。光源223は、固体撮像素子222による撮像対象を光で照らす。光源223は、例えば受光部22としてのカメラモジュールによる撮像時に光源211の光量が不足するような場合、及び逆光を抑制したい場合などにカメラ用のストロボ光源として機能する。
【0040】
制御モジュール3は、制御部31と、記憶部32と、入力部33と、表示部34と、通信部35と、を有する。
【0041】
制御部31は、1つ以上のプロセッサを含む。一実施形態において「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、又は特定の処理に特化した専用のプロセッサであるが、これらに限定されない。制御部31は、濁度計1に関する処理を可能にするプロセッサを含む。制御部31は、濁度計1を構成する各構成部と通信可能に接続され、各構成部をはじめとして濁度計1全体の動作を制御する。
【0042】
制御部31は、光源部21の光源211の点灯及び消灯を制御する。制御部31は、受光部22の光源223の点灯及び消灯を制御する。制御部31は、受光部22の固体撮像素子222から出力される被測定光の検出信号を取得し、取得された検出信号に基づいて被測定物Sの濁度を算出する。その他にも、制御部31は、被測定物Sの濁度を算出するために必要なパラメータを算出する。
【0043】
記憶部32は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)、ROM(Read-Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含む任意の記憶モジュールを含む。記憶部32は、濁度計1に内蔵されているものに限定されず、USB(Universal Serial Bus)などのデジタル入出力ポートによって接続されている外付け型の記憶モジュールを含んでもよい。記憶部32は、例えば、主記憶装置、補助記憶装置、又はキャッシュメモリとして機能する。記憶部32は、濁度計1の動作を実現するために必要な任意の情報を記憶する。
【0044】
記憶部32は、受光部22から出力される、被測定光の検出信号に基づく検出情報を記憶する。記憶部32は、制御部31により算出された情報を記憶する。記憶部32は、システムプログラム及びアプリケーションプログラムなどを記憶する。
【0045】
入力部33は、濁度計1のユーザによる入力操作を受け付ける任意の入力インタフェースを含む。入力部33は、濁度計1のユーザによる入力操作を受け付け、当該ユーザによる入力情報を取得する。入力部33は、取得した入力情報を制御部31に出力する。例えば、ユーザは、入力部33を用いて、濁度計1の動作を実現するために必要な任意の情報を入力する。
【0046】
表示部34は、画像を出力する任意の出力インタフェースを含む。表示部34は、例えば液晶ディスプレイを含む。表示部34は、例えば、制御部31によって算出された各種情報を濁度計1のユーザに対して表示する。表示部34は、例えば、濁度計1の動作を実現する任意の情報をユーザが入力するために必要な設定画面をユーザに対して表示する。
【0047】
通信部35は、有線又は無線に基づく任意の通信プロトコルに対応した任意の通信インタフェースを含む。通信部35は、制御部31によって算出された各種情報を任意の外部装置に送信してもよい。通信部35は、濁度計1の動作を実現するために必要な任意の情報を任意の外部装置から受信してもよい。例えば、通信部35は、光学モジュール2を制御するための制御信号を任意の外部装置から受信してもよい。
【0048】
図2は、図1の光学モジュール2の概略構成を示す模式図である。図2を参照しながら、光学モジュール2の構成及び機能について主に説明する。
【0049】
光源部21の光源211は、被測定物Sが例えば下方から上方に向けて内部を流れている領域Rを挟んで受光部22と反対側に位置する。光源部21の第2レンズ212は、被測定物Sが位置する領域Rを外部空間と隔てる測定窓Wを通過させて領域Rに光源211からの照射光L1を導く。第2レンズ212は、光源211からの照射光L1を平行光にする。光源部21は、平行光となった照射光L1を被測定物Sに対して照射する。光源部21から照射された照射光L1は、測定窓Wを通過して領域Rに入射し、被測定物Sの内部を伝搬する。測定窓Wは、透明ガラスによって形成されている。
【0050】
被測定物Sに対して照射された照射光L1に基づいて被測定光L2が発生する。濁度計1が透過光・散乱光比較方式である場合、被測定光L2は、被測定物Sを直進して照射光L1が透過した透過光L21と、被測定物Sによって照射光L1が散乱された散乱光L22と、を含む。このような被測定光L2は、測定窓Wを通過して外部空間へと出射し、受光部22のレンズ系221に入射する。レンズ系221は、固体撮像素子222に被測定光L2を導く。
【0051】
受光部22の固体撮像素子222は、被測定物Sに対して照射された照射光L1に基づく被測定光L2の検出信号を出力する。固体撮像素子222は、被測定光L2の検出信号として、検出電流又は検出電圧を出力する。出力される検出信号の強度は、固体撮像素子222によって検出される被測定光L2の光強度に対応する。
【0052】
制御部31は、被測定光L2の検出信号に基づいて固体撮像素子222の受光面における被測定光L2の強度の空間分布を算出する。制御部31は、算出された空間分布に基づいて濁度を算出する。以下では、このような濁度算出方法について、2つの例を挙げて説明する。
【0053】
(濁度の算出処理)
図3は、図1の制御部31による濁度算出処理の第1例を説明するための模式図である。図3は、図1の固体撮像素子222の受光面Aにおける被測定光L2の強度の空間分布Dを示す。図3において、受光面Aに沿った2つの軸は、空間分布Dに対する直交座標系を示す。受光面Aに直交する軸は、被測定光L2の強度に対応する。図3では、一例として、空間分布Dの大きさと受光面Aの大きさとは、互いに略同一である。
【0054】
本明細書において、「空間分布D」は、例えば、受光面A上で二次元に広がる被測定光L2の強度分布D1、並びに互いに直交する2つの軸のうち一方の軸に沿って広がる被測定光L2の強度分布D2及び他方の軸に沿って広がる被測定光L2の強度分布D3を含む。強度分布D2及び強度分布D3は、正規分布として想定されている。
【0055】
制御部31は、強度分布D2及び強度分布D3の少なくとも一方の標準偏差σを算出する。制御部31は、正規分布である強度分布D2及び強度分布D3の少なくとも一方において算出された標準偏差σに基づいて空間分布Dの幅を決定する。例えば、制御部31は、強度分布D2及び強度分布D3のいずれか一方において算出された標準偏差σを、空間分布Dの幅として決定してもよい。例えば、制御部31は、強度分布D2及び強度分布D3の両方において算出された標準偏差σの平均値を、空間分布Dの幅として決定してもよい。例えば、制御部31は、空間分布D1における分布のピーク位置を中心に、互いに直交する2つの軸を、直交関係を維持したまま一回転させて、回転位置ごとに強度分布D2及び強度分布D3の両方の標準偏差σを算出してもよい。制御部31は、このようにして算出された全ての標準偏差σの平均値を、空間分布Dの幅として決定してもよい。制御部31は、決定された空間分布Dの幅に基づいて濁度を算出する。
【0056】
被測定物Sの透明度が高く、濁度が低い場合、被測定光L2のうち散乱光の割合が減少する。したがって、被測定光L2が受光部22の受光面Aの中央部に集中することになる。すなわち、標準偏差σが小さくなり、空間分布Dの幅が狭くなる。一方で、被測定物Sの透明度が低く、濁度が高い場合、被測定光L2のうち散乱光の割合が増大する。したがって、被測定光L2が受光部22の受光面Aの広範囲に拡散することになる。すなわち、標準偏差σが大きくなり、空間分布Dの幅が広くなる。
【0057】
このように空間分布Dの幅と濁度との間には相関関係が見られる。すなわち、濁度が高くなるほど空間分布Dの幅が広くなる。制御部31は、例えば、算出された標準偏差σの値に所定の比例係数を乗算することで濁度を算出してもよい。その他にも、制御部31は、標準偏差σの値をパラメータとする任意の一次関数又は任意の高次関数に基づいて濁度を算出してもよい。
【0058】
図4は、図1の制御部31による濁度算出処理の第2例を説明するための模式図である。図4の図示内容は、空間分布Dに対して後述する第1領域R1及び第2領域R2を示した点以外は図3と同様である。
【0059】
制御部31は、空間分布Dにおいて散乱光が検出されている少なくとも1つの第1領域R1と、空間分布Dにおいて透過光が検出されている第2領域R2と、を決定する。制御部31は、濁度計1の入力部33から取得したユーザからの入力情報又は通信部35を介して外部装置から受信したユーザからの入力情報に基づいて、ユーザが意図する第1領域R1及び第2領域R2を決定する。図4では、制御部31は、空間分布Dの中央部を第2領域R2として決定し、中央部から離間した四隅の領域をそれぞれ第1領域R1として決定する。
【0060】
制御部31は、決定された4つの第1領域R1に基づいて、式1の散乱光の検出信号強度を算出する。例えば、制御部31は、4つの第1領域R1に含まれる散乱光の検出信号強度の加算値を式1の散乱光の検出信号強度Iとして算出する。これに限定されず、制御部31は、4つの第1領域R1に含まれる散乱光の検出信号強度の平均値を式1の散乱光の検出信号強度Iとして算出してもよい。同様に、制御部31は、決定された第2領域R2に基づいて、式1の透過光の検出信号強度を算出する。例えば、制御部31は、第2領域R2に含まれる透過光の検出信号強度を式1の透過光の検出信号強度Iとして算出する。
【0061】
制御部31は、決定された少なくとも1つの第1領域R1と第2領域R2とに基づいて透過光の検出信号強度Iに対する散乱光の検出信号強度Iの比を算出する。制御部31は、上述した式1を用いながら、算出された透過光の検出信号強度Iに対する散乱光の検出信号強度Iの比から濁度Nを算出する。
【0062】
濁度計1は、図3及び図4を用いて説明した2つの濁度算出方法のいずれか一方のみを実行してもよいし、両方を実行してもよい。
【0063】
(付加的な処理)
図5は、図1の制御部31による付加的な処理の第1例を説明するための第1模式図である。図6は、図1の制御部31による付加的な処理の第1例を説明するための第2模式図である。制御部31は、上述した濁度の算出処理に加えて、受光部22としてのカメラモジュールのレンズ系221を用いたズーム機能により、被測定物Sの濁度に応じて受光面Aにおける空間分布Dの拡大倍率又は縮小倍率を変化させてもよい。
【0064】
被測定物Sの透明度が高く、濁度が低い場合、被測定光L2が受光部22の受光面Aの中央部に集中することになる。すなわち、図5に示すとおり、空間分布Dは、受光面Aの中央部に集中し、受光面Aよりも小さくなる。制御部31は、空間分布Dが受光面Aよりも小さいとき、カメラモジュールのズーム機能を用いて、空間分布Dを拡大するようにレンズ系221を制御してもよい。例えば、制御部31は、図3に示すように空間分布Dの大きさと受光面Aの大きさとが互いに略同一となるように、空間分布Dを拡大する。
【0065】
被測定物Sの透明度が低く、濁度が高い場合、被測定光L2が受光部22の受光面Aの外側にも拡散することになる。すなわち、図6に示すとおり、空間分布Dは、受光面Aの外側にも存在し、受光面Aよりも大きくなる。制御部31は、空間分布Dが受光面Aよりも大きいとき、カメラモジュールのズーム機能を用いて、空間分布Dを縮小するようにレンズ系221を制御してもよい。例えば、制御部31は、図3に示すように空間分布Dの大きさと受光面Aの大きさとが互いに略同一となるように、空間分布Dを縮小する。
【0066】
図7は、図1の制御部31による付加的な処理の第2例を説明するためのフローチャートである。制御部31は、上述した濁度の算出処理に加えて、受光部22としてのカメラモジュールのレンズ系221を用いた焦点調整機能により、レンズ系221の焦点位置を適宜変更してもよい。
【0067】
ステップS100では、制御部31は、光源部21を用いて、照射光L1を被測定物Sに対して照射する。
【0068】
ステップS101では、制御部31は、ステップS100において被測定物Sに対し照射された照射光L1に基づく被測定光L2を、固体撮像素子222を用いて検出する。被測定光L2は、透過光L21及び散乱光L22を含む。
【0069】
ステップS102では、制御部31は、ステップS101において固体撮像素子222より出力された被測定光L2の検出信号に基づいて、固体撮像素子222の受光面Aにおける被測定光L2の強度の空間分布Dを算出する。
【0070】
ステップS103では、制御部31は、ステップS102において算出された空間分布Dに基づいて濁度を算出する。
【0071】
ステップS104では、制御部31は、ステップS103において算出された濁度が異常値を示すか否かを判定する。制御部31は、例えば算出された濁度が所定の閾値を超えると異常値を示すと判定する。制御部31は、濁度が異常値を示すと判定するとステップS105の処理を実行する。制御部31は、濁度が異常値を示さない、すなわち正常であると判定すると、処理を終了する。
【0072】
ステップS105では、制御部31は、ステップS104において濁度が異常値を示すと判定すると、カメラモジュールの焦点調整機能を用いてレンズ系221の焦点位置を変更する。制御部31は、第2レンズ212における被測定物S側の面、測定窓Wの外面及び内面、並びに被測定物Sの内部のいずれかに焦点が合うようにレンズ系221を制御する。
【0073】
制御部31は、通常の濁度測定においては、レンズ系221の焦点位置を第2レンズ212における被測定物S側の面に合わせる。制御部31は、ステップS104において濁度が異常値を示すと判定すると、このような焦点位置を、例えば受光部22側の測定窓Wの外面及び内面、並びに被測定物Sの内部のいずれかに変更してもよい。制御部31は、レンズ系221の焦点位置の変更先を任意に選択してもよいし、入力部33又は外部装置から取得したユーザの入力情報に適合する変更先を選択してもよい。
【0074】
ステップS106では、制御部31は、ステップS105において変更された焦点位置で、受光部22としてのカメラモジュールを用いて画像の撮像処理を実行する。本明細書において、「画像」は、例えば静止画及び動画の少なくとも一方を含む。
【0075】
ステップS107では、制御部31は、ステップS106において撮像された画像を出力する。例えば、制御部31は、濁度計1の表示部34に画像を表示させる。例えば、制御部31は、通信部35を介して画像を外部装置に送信し、当該外部装置のディスプレイに画像を表示させる。
【0076】
濁度計1は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの外面に合わせることで、測定窓Wの結露を検出する。同様に、ユーザは、ステップS107において出力された画像であって、レンズ系221の焦点が測定窓Wの外面に合っている画像を視認することで、測定窓Wの結露を把握する。
【0077】
濁度計1は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの内面に合わせることで、測定窓Wの汚れを検出する。同様に、ユーザは、ステップS107において出力された画像であって、レンズ系221の焦点が測定窓Wの内面に合っている画像を視認することで、測定窓Wの汚れを把握する。
【0078】
濁度計1は、レンズ系221の焦点を被測定物Sの内部に合わせることで、被測定物Sの中を流れる落ち葉などの異物を検出する。同様に、ユーザは、ステップS107において出力された画像であって、レンズ系221の焦点が被測定物Sの内部に合っている画像を視認することで、被測定物Sの中を流れる落ち葉などの異物を把握する。
【0079】
以上のように、制御部31がカメラモジュールの焦点調整機能を用いながら、目的に合った場所にレンズ系221の焦点を合わせることで、ユーザは、異なる事象を観測することが可能になる。
【0080】
制御部31は、上述した濁度の算出処理に加えた付加的な処理の第3例として、受光部22としてのカメラモジュールの撮像対象を、光源223を用いて光で照らしてもよい。制御部31は、レンズ系221の焦点位置が第2レンズ212における被測定物S側の面に合っている通常の濁度測定においては、光源223を点灯させない。制御部31は、レンズ系221の焦点位置が測定窓Wの外面及び内面、並びに被測定物Sの内部のいずれかに変更されたときに、光源223を点灯させてもよい。このとき、制御部31は、光源部21の光源211を点灯させてもよいし消灯させてもよい。
【0081】
例えば、制御部31は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの外面に合わせて測定窓Wの結露を検出するときに、逆光での見にくさを改善するために光源223を点灯させてもよい。例えば、制御部31は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの内面に合わせて測定窓Wの汚れを検出するときに、逆光での見にくさを改善するために光源223を点灯させてもよい。例えば、制御部31は、レンズ系221の焦点を被測定物Sの内部に合わせて被測定物Sの中の異物を検出する場合であって、カメラモジュールによる撮像時の光源211の光量が不足するようなときに、光量を改善するために光源211に加えて光源223も点灯させてもよい。
【0082】
(効果)
以上のような一実施形態に係る濁度計1によれば、濁度測定の精度を向上させることが可能である。濁度計1は、受光部22が固体撮像素子222を含むことで、透過光検出器及び散乱光検出器が離散的に配置され、数個の受光素子しか用いない従来の濁度計と比較して、数万個から数百万個以上に値する受光素子を用いて濁度測定を実行することができる。濁度計1では、受光素子間の隙間が極端に低減するので、受光素子間の隙間に導かれて検出されない被測定光L2の割合が大幅に低減する。すなわち、連続的に広がる被測定光L2の略全体を検出することが可能となる。濁度計1は、固体撮像素子222の受光面Aにおける被測定光L2の強度の空間分布Dを精度良く算出可能である。結果として、濁度計1は、より精度の高い濁度測定を実行することができる。
【0083】
濁度計1は、受光面Aにおいて連続的に広がる被測定光L2の強度の空間分布Dの幅に基づいて濁度を算出することで、受光面Aにおいて広がる被測定光L2の検出情報の全体を利用しながら濁度を測定可能である。したがって、濁度計1は、より精度の高い濁度測定を実行することができる。
【0084】
濁度計1は、少なくとも1つの第1領域R1と第2領域R2とに基づき透過光L21の検出信号強度に対する散乱光L22の検出信号強度の比を算出して濁度を算出することで、従来の濁度計と同様の方法で濁度を算出することも可能となる。したがって、ユーザは、濁度計1を用いた濁度測定の結果と、数個の受光素子によって離散的に被測定光を検出するような従来の濁度計を用いた濁度測定の結果と、を容易に比較することができる。
【0085】
加えて、従来の濁度計では、被測定物の濁度測定ごとに複数の散乱光検出器の配置を変更する必要があった。複数の散乱光検出器をどのように配置させるかは、ユーザの経験的な知識が強く要求されていた。したがって、複数の散乱光検出器の配置を変更するための作業負荷が大きかった。濁度計1では数万個から数百万個以上に値する受光素子を有する固体撮像素子222が用いられているので、ユーザは、受光素子の配置を変更する必要はなく、固体撮像素子222上で第1領域R1を変更するだけで容易に異なる濁度測定に対応することが可能となる。濁度計1では、散乱光L22の検出領域の選択に関する自由度が従来技術と比較して大幅に向上する。例えば、ユーザは、濁度計1の入力部33又は通信部35と通信可能に接続されている外部装置を用いて第1領域R1の選択操作を行うだけで、様々な被測定物Sの濁度測定に容易に対応することができる。
【0086】
受光部22がレンズ系221を含むことで、濁度計1は、被測定物Sから拡散されて受光部22に入射する被測定光L2を漏れなく固体撮像素子222に導くことが可能である。加えて、濁度計1は、レンズ系221によって、受光部22としてのカメラモジュールに対し焦点調整機能及びズーム機能の少なくとも一方を付与することも可能となる。
【0087】
濁度計1は、第2レンズ212における被測定物S側の面、測定窓Wの外面及び内面、並びに被測定物Sの内部のいずれかに焦点が合うようにレンズ系221を制御することで、カメラモジュールの焦点調整機能を用いて異なる事象を捕捉することが可能となる。ユーザは、各場所に焦点が合った画像を視認することで、自身の目的に合った事象を観測することが可能となる。ユーザは、リアルタイムな撮像により出力される画像に基づいて、各事象をリアルタイムに観測することが可能となる。
【0088】
例えば、濁度計1は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの外面に合わせることで、測定窓Wの結露を検出可能である。ユーザは、受光部22としてのカメラモジュールのズーム機能も利用することで、目視では確認できないような細かい結露も容易に把握することができる。例えば、ユーザは、マイクロメートル程度の細かい結露も容易に把握することができる。
【0089】
例えば、濁度計1は、レンズ系221の焦点を測定窓Wの内面に合わせることで、測定窓Wの汚れを検出可能である。ユーザは、受光部22としてのカメラモジュールのズーム機能も利用することで、目視では確認できないような小さな汚れも容易に把握することができる。
【0090】
例えば、濁度計1は、レンズ系221の焦点を被測定物Sの内部に合わせることで、被測定物Sの中を流れる落ち葉などの異物を検出可能である。加えて、濁度計1は、被測定物Sの中に発生している泡なども検出可能である。ユーザは、受光部22としてのカメラモジュールのズーム機能も利用することで、目視では確認できないような小さな異物及び小さな泡も容易に把握することができる。例えば、ユーザは、マイクロメートル程度の小さな泡も容易に把握することができる。さらに、ユーザは、焦点調整機能及びズーム機能に加えて受光部22の光源223も利用することで、マイクロメートル程度の金属片などの小さな異物が散乱する様子も容易に把握することができる。
【0091】
逆に、ユーザは、被測定物Sの中に存在する大きな対象物も容易に把握することができる。例えば、ユーザは、魚類などを飼育する水槽の水質を管理するために、被測定物Sとしての測定水の中を泳いでいる魚類そのものを監視することも可能となる。
【0092】
例えば、濁度計1は、レンズ系221の焦点を被測定物Sの内部に合わせ、かつ受光部22として高速撮像カメラモジュールを用いることで、検出感度をさらに向上させて画像の撮像を実行することができる。これにより、ユーザは、設備の破損につながるような重大な異物などもスローモーション画像によってより正確に把握することができる。ユーザは、設備の破損につながるような重大な異物などをリアルタイム監視によって発見した場合には、設備の稼働を直ちに停止させることも可能となる。例えば、ユーザは、プラントで稼働するポンプなどのタービン破損につながる金属粉などの異物、気泡、及びキャビテーションなどをリアルタイムで監視及び発見することも可能となる。
【0093】
ユーザ及び濁度計1は、濁度が異常値を示したときに、その原因が例えば測定窓Wの外面の結露及び測定窓Wの内面の汚れのいずれか、又は両方にあることを迅速に判断することが可能となる。すなわち、ユーザ及び濁度計1は、濁度値の異常の原因を正確かつ迅速に把握することができる。同様に、濁度計1によって算出される濁度が、被測定物Sの中を流れる落ち葉などの異物によって瞬間的に異常な値を示す場合であっても、ユーザ及び濁度計1は、濁度値の瞬間的な異常の原因を正確かつ迅速に把握することができる。
【0094】
ユーザは、濁度計1の表示部34又は通信部35と通信可能に接続されている外部装置に表示された画像を視認しながら濁度値の異常の原因を正確かつ迅速に把握することができる。ユーザは、外部装置を遠隔モニタとして使用しながら、濁度計1の設置場所から離れた場所で画像を視認することも可能となる。遠隔モニタとして大型モニタが利用されれば、不特定多数のユーザが画像を視認することも可能となる。外部装置として携帯端末が利用されれば、ユーザは、場所を問わずに画像をリアルタイムに視認することも可能となる。
【0095】
以上により、ユーザは、濁度計1が設置されている現場に赴き、濁度計1を分解してその内部を確認することで濁度値の異常の原因を調べる作業を行う必要がない。これにより、ユーザによる濁度計1の点検作業が容易になる。
【0096】
濁度計1は、空間分布Dが受光面Aよりも小さいとき、空間分布Dを拡大するようにレンズ系221を制御することで、カメラモジュールの拡大機能を用いて、常に最大分解能で被測定光L2を検出することが可能となる。したがって、濁度計1は、濁度測定の精度をさらに向上させることが可能になる。
【0097】
濁度計1は、空間分布Dが受光面Aよりも大きいとき、空間分布Dを縮小するようにレンズ系221を制御することで、カメラモジュールの縮小機能を用いて、常に最大分解能で被測定光L2を検出することが可能となる。したがって、濁度計1は、濁度測定の精度をさらに向上させることが可能になる。
【0098】
濁度計1は、受光部22が、固体撮像素子222による撮像対象を光で照らす光源223を含むことで、光源223をカメラ用のストロボ光源として機能させることも可能となる。したがって、濁度計1は、受光部22としてのカメラモジュールによる撮像時に光源211の光量が不足するような場合に、光源223を用いて光量を改善することもできる。同様に、濁度計1は、光源223を用いて逆光での見にくさを改善することもできる。
【0099】
(変形例)
本開示を諸図面及び実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形及び修正を行うことが容易であることに注意されたい。したがって、これらの変形及び修正は本開示の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各構成又は各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成又はステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0100】
例えば、本開示は、上述した濁度計1の各機能を実現する処理内容を記述したプログラム又はプログラムを記録した記憶媒体としても実現し得る。本開示の範囲には、これらも包含されると理解されたい。
【0101】
例えば、上述した各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、上記の説明及び図面における図示の内容に限定されない。各構成部の形状、配置、向き、及び個数は、その機能を実現できるのであれば、任意に構成されてもよい。
【0102】
上記実施形態では、制御部31は、強度分布D2及び強度分布D3の少なくとも一方の標準偏差σに基づいて空間分布Dの幅を決定すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、二次元平面上の強度分布D1に基づいて直接的に空間分布Dの幅を決定してもよい。
【0103】
上記実施形態では、制御部31は、空間分布Dの中央部を第2領域R2として決定し、中央部から離間した四隅の領域をそれぞれ第1領域R1として決定すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、任意の数の第1領域R1を空間分布D上の任意の位置で決定してもよい。上記実施形態では、制御部31は、空間分布Dのうち強度分布D1に基づいて第1領域R1及び第2領域R2を決定すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、空間分布Dのうち強度分布D2及び強度分布D3の少なくとも一方に基づいて第1領域R1及び第2領域R2を決定してもよい。
【0104】
上記実施形態では、空間分布Dは、正規分布として想定されていると説明したが、これに限定されない。空間分布Dは、被測定物Sから拡散しながら受光面Aに入射してくる被測定光L2の実際の分布に従った任意の分布を含んでもよい。
【0105】
上記実施形態では、受光部22はレンズ系221を含むと説明したが、これに限定されない。濁度計1では、被測定物Sからの被測定光L2を固体撮像素子222に正確に導くことができ、かつ焦点調整機能及びズーム機能のいずれも不要であるのであれば、受光部22がレンズ系221を含まなくてもよい。又は、濁度計1は、受光部22に含まれない別の構成としてレンズ系221を有してもよい。すなわち、レンズ系221は、受光部22の外部であって、測定窓Wと受光部22との間に配置されていてもよい。
【0106】
上記実施形態では、制御部31は、第2レンズ212における被測定物S側の面、測定窓Wの外面及び内面、並びに被測定物Sの内部のいずれかに焦点が合うようにレンズ系221を制御すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、受光部22としてのカメラモジュールの焦点調整機能を用いて、光学モジュール2における任意の位置に焦点を合わせてもよい。一方で、制御部31は、このような焦点調整処理を実行せずに、第2レンズ212における被測定物S側の面に焦点位置を常時固定してもよい。
【0107】
上記実施形態では、制御部31は、濁度が異常値を示すと判定すると、カメラモジュールの焦点調整機能を用いてレンズ系221の焦点位置を変更すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、光学モジュール2における複数の場所にそれぞれ焦点が合うような複数の光学系をレンズ系221が含むことで、当該複数の場所における画像を同時並行で取得して画像情報として記憶部32に格納してもよい。制御部31は、複数の場所における画像を画像情報として記憶部32に常時格納してもよいし、定期的又は非定期的に格納してもよいし、濁度が異常値を示したときに限定して格納してもよい。
【0108】
これにより、ユーザは、濁度が異常値を示した原因を、記憶部32に格納されている過去の画像に基づいて容易に調べることができる。例えば、ユーザは、濁度が異常値を示している時刻と対応する時刻において撮像された複数の場所における画像をそれぞれ再生することで、濁度が異常値を示した原因を容易に調べることができる。ユーザは、濁度が異常値を示した原因が、例えば測定窓Wの外面の結露及び測定窓Wの内面の汚れのいずれか、又は両方にあることを過去の画像に遡って容易に判断することが可能となる。ユーザは、濁度が異常値を示した原因が、例えば被測定物Sの中を流れる落ち葉などの異物にあることを過去の画像に遡って容易に判断することが可能となる。
【0109】
上記実施形態では、制御部31は、空間分布Dが受光面Aよりも小さいとき、空間分布Dを拡大するようにレンズ系221を制御すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、このような拡大処理を実行しなくてもよい。
【0110】
上記実施形態では、制御部31は、空間分布Dが受光面Aよりも大きいとき、空間分布Dを縮小するようにレンズ系221を制御すると説明したが、これに限定されない。制御部31は、このような縮小処理を実行しなくてもよい。
【0111】
上記実施形態では、受光部22は、固体撮像素子222による撮像対象を光で照らす光源223を含むと説明したが、これに限定されない。受光部22は、このような光源223を含まなくてもよい。上記実施形態では、制御部31は、レンズ系221の焦点位置が第2レンズ212における被測定物S側の面に合っている通常の濁度測定においては、光源223を点灯させないと説明したが、これに限定されない。制御部31は、光源部21の光源211に代えて、又は加えて受光部22の光源223を点灯させてもよい。制御部31が光源211に代えて光源223を点灯させるとき、濁度測定の機能を実現するための光源部21は、光源211ではなく光源223を含んでよい。すなわち、濁度計1は、光源223を用いて濁度測定を行ってもよい。
【0112】
制御部31は、付加的な処理の第1例、第2例、及び第3例において説明した上記の処理の少なくとも1つを実行してもよいし、全て実行しなくてもよい。
【0113】
上記実施形態では、光源部21の光源211は、例えばランプ光源を含むと説明したが、これに限定されない。光源211は、濁度測定を実現可能な任意の他の光源を含んでもよい。例えば、光源211は、ランプ光源の発光スペクトルと類似する発光スペクトルを有するLEDを含んでもよい。
【0114】
上記実施形態では、光源部21の第2レンズ212は、例えば集光レンズを含むと説明したが、これに限定されない。第2レンズ212は、濁度測定を実現可能な任意の他のレンズを含んでもよい。又は、濁度計1は、濁度測定を実行可能であれば、第2レンズ212を有さなくてもよい。
【0115】
上記実施形態では、固体撮像素子222は、例えばCCDを含むと説明したが、これに限定されない。固体撮像素子222は、光を検出可能な素子が数万個から数百万個以上の数で小さなチップ上に集積される任意の他の撮像素子を含んでもよい。例えば、固体撮像素子222は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor)を含んでもよい。
【0116】
上記実施形態では、受光部22の光源223は、例えばLEDを含むと説明したが、これに限定されない。光源223は、カメラ用のストロボ光源として機能する任意の他の光源を含んでもよい。例えば、光源223は、ランプ光源を含んでもよい。
【0117】
上記実施形態では、濁度計1は、受光部22としてのカメラモジュールを1台有すると説明したが、これに限定されない。濁度計1は、濁度測定用のカメラモジュールとは別に、測定窓Wなどの別の場所を監視するための少なくとも1台の専用のカメラモジュールを任意の位置に付加的に有してもよい。
【0118】
上記実施形態では、濁度計1は、透過光・散乱光比較方式の濁度計であると説明したが、これに限定されない。濁度計1は、光源部21に対して90度に配置された受光部22を用いて被測定物Sからの直角散乱光を検出することで、被測定物Sの濁度を算出してもよい。又は、濁度計1は、透過光・散乱光比較方式及び直角散乱光方式の両方の機能を有し、適宜切り替え可能に構成されてもよい。このとき、濁度計1は、受光部22としてのカメラモジュールを複数有してもよい。
【0119】
上記実施形態では、濁度計1は、被測定物Sの濁度のみを測定すると説明したが、これに限定されない。濁度計1は、被測定物Sの濁度に加えて、色度も測定可能に構成されてもよい。
【0120】
このとき、受光部22の固体撮像素子222は、カラーCCDを含んでもよい。カラーCCDは、例えば可視光領域に受光帯域を有するものであってもよいし、可視光領域に加えて紫外線領域及び赤外線領域の少なくとも一方にまで受光帯域が延びているものであってもよい。
【0121】
光源部21の光源211は、発光スペクトルの中心波長を可視光領域において複数の波長に切り替え可能な任意の光源を含んでもよい。例えば、光源211は、狭帯域で互いに中心波長が異なる複数のLEDを含んでもよいし、可視光領域の全体を包含する広帯域なLED及び狭帯域波長可変バンドパスフィルタを組み合わせた光源を含んでもよい。
【0122】
制御部31は、光源211から照射される照射光L1の光スペクトルの中心波長を色度の測定に必要と定められている複数の波長に切り替えて、被測定物Sの色度を測定する。
【0123】
従来の色度計では、透過させる光の波長が異なる光学フィルタを駆動機構により切り替えて色度の測定が行われていた。一方で、濁度計1は、従来の高価な機械式光学回転型フィルタ、レンズ、及び切替回路などを必要とせず、簡便な構成で安価に製造可能である。濁度計1では消耗部品の数が大幅に低減するので、製品としての耐久性及び信頼性が向上する。
【0124】
濁度計1は、被測定物Sの色度も測定可能とすることで、被測定物Sの濁り具合のみならず、色合いを監視することも可能となる。濁度計1は、被測定物Sの色合いをリアルタイムに監視することができる。例えば、濁度計1は、清涼飲料水の炭酸量などに応じた泡の出方に加えて色合いを監視することができる。このとき、被測定物Sは、清涼飲料水を含む。その他にも、被測定物Sは、醤油及びドレッシングなどを含む調味料、ワイン、日本酒、及びウイスキーなどを含む酒類、並びにインク、ペンキ、及び墨汁などを含む塗料を含んでもよい。さらに、濁度計1は、ガソリン及びオイルなどを含む燃料の汚れ度合いを監視してもよいし、潤滑用オイルなどの金属粉混入及び劣化度合いを監視してもよい。
【0125】
被測定物Sは液体のみならず固体を含んでもよい。例えば、濁度計1は、ガラス製品の色合いを監視してもよい。さらに、濁度計1は、耐熱設計となっていれば、高温の溶解ガラスをリアルタイムに監視することも可能となる。濁度計1は、色のついたガラスではなくて、一般家庭で用いられるような透明ガラスの透明度を監視することも可能となる。
【0126】
被測定物Sは液体及び固体に限定されず、気体を含んでもよい。例えば、濁度計1は、色のついたガスを監視することも可能である。
【符号の説明】
【0127】
1 濁度計
2 光学モジュール
21 光源部
211 光源
212 第2レンズ
22 受光部
221 レンズ系
222 固体撮像素子
223 光源
3 制御モジュール
31 制御部
32 記憶部
33 入力部
34 表示部
35 通信部
A 受光面
D 空間分布
D1、D2、D3 強度分布
L1 照射光
L2 被測定光
L21 透過光
L22 散乱光
R 領域
R1 第1領域
R2 第2領域
S 被測定物
W 測定窓
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7